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送電用避雷装置

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送電用避雷装置
∪.D.C.る21.31る.933.4:〔6るる.る51:54る.472-31〕:る21.315.1.015・38
送電用避雷装置
Line
Transmission
Arresters
白川晋吾*
s/7′材√ノSカブ7Wん川-′′
寺門修一**
5ノ7ガ/rl/∼′'れりⅥ如〟′ノ
近年,高度情報化社会を迎え,半導体や集積回路が大幅に普及し,電力供給
信頼度の面から,富サージに起関する瞬時電圧低下の防止対策が重要な検討課
淳***
小沢
題となっている。このたび,日立製作所は雷に伴う瞬時電圧低下や停電の防止
を口的として,66∼275kV送電線用の酸化聴鉛形送電用避雷装置を開発した。
ノ7∠ナ7りヱ`川1√′
大石一哉****
〟√′g7叩(う/∫んオ
広瀬義昭*****
y′′入ヾ/∠/〝カ′Jノ/川∫〔J
これら送電用避富装置を適用することによr),送電線に雷撃が発生して送電線
川支持がいし連の耐電圧を上回る富サージ過電圧が生じても送電用避雷装置が
寓サージを抑制するので,送電線川支持がいし連のフラッシオーバは防止でき
るようになる。
緒
n
言
近年,送電線への落雷に起凶する瞬時電托低下の防止,送
が行われていたが,抜本的対策には奪っていなかった。吉富
電線の2回線1祁毒せん絡の防止など電力の質的向上を凶る観
事故の積極的低減は1送電用避雷装置を鉄塔に設置すること
ノ.t(から,送電線に酸化亜鉛形送電用避雷装置を適用して,送
で可能となる。
電線用支持がいし連のフラッシオーバを防止することが急速
一方,発・変電所に酸化亜鉛形避雷器を適用して雷サージ
に普及し始めている。
送電用避雷装置は,単一ギャップと避雷要素部,すなわち
優れた非直線電圧一電流特性を持つ酸化亜鉛素子を内蔵した避
鉄塔雷撃
雷器要素で構成され,鉄塔側に避雷要素部を取r)付け,送電
線側に単一ギャップを直列設置している。単一の面列ギャッ
4 4 9
プは系統設計の併走の開閉サージでは動作させないで,富サ
(叶・∈ヱ00こ斐)轍潜柵ト>「二ゆ¶‥一柵
ージ侵入時だけ動作するようにして,送電線用支持がいし連
のフラッンオーバを防止している。以下に,送電線用として
開発した66∼275kV送電用避雷装置の構成と適用について述
べる。
8
送電用避雷装置の考え方
架空送電線の事故の人半は雷に起因している。昭和55年4
J]から昭和60年3月までの5年間にわたる国内電力会社の系
電 力線雷撃
≧
逆フラソシオーバ言
完タ
4
フラソシオーバ
3.48
3
送電線
2.00
2
ト47
0.95
0.69
統電圧と雷によるトリップ事故率の関係1)をもとにして図lに
示す。これは落雷による雷撃電流発生頻度と送電線用支持が
66∼77k〉110∼154k〉
187kV
いし連の絶縁強度の関係から,66∼154kV系統で多〈発生し
図1系統電圧と雷によるトリップ事故率の関係
地抵抗の低減,架ア宍地線の多条化,高絶縁化などの低減対策
卜l立製作所国分工場_1二学博士
**
口、1二製作所同分_⊥二場
275k〉
500k〉
系統電圧
ている。これら送電線の雷吉事故低減対策として,従来,接
*
220k〉
雷による国内
電力会社の5年間にわたる送電系統のトリップ回数を示す。
***
日立製作所
日立イ肝究所二L学博十
****
口立製作所「川二研究所
*****ト1二在製作所電ノJ事業部
115
948
日立評論
VOL.72
No.9(1990-9)
を抑制することは,電力用酸化亜鉛素子の開発と適用により,
あI),送電線用支持がいし連に併設して使用される。常時の
昭和50年代前半から大幅に普及されてきた。今や避雷器と言
運転電圧は直列ギャップ部分で主に分担している。
えば,ギャップレスの酸化亜鉛形避雷器という時代になって
苫サージ過電圧が侵入時には図2(b)に示すように,避雷装
いる2),3)。一方,送電線の雷冨防止目的を考慮すると,被対象
置はアークホーンの放電電圧以下で直列ギャップを放電させ,
機器が送電線用支持がいし連であることから,単一のギャッ
送電線用支持がいし連のフラソシオーバを防止する。避雷装
プと避雷器を組み合わせることによって,絶縁協調は達成で
置がないときはアークホーンが放電し,地給電流が流れ,系
きる。このことは古くから知られていたが4),ハードウェアが
統電圧は瞬時電圧低下となるが,避雷装置を設置すると避雷
未熟であったこと,および高度情報化社会を迎えていなかっ
装置の直列ギャップが動作し,放電電流として富サージ電流
たことから,普及に至らなかった。しかし,優れた非直線電
だけを通流し,系統電圧は地絡状態とならず,瞬時電圧低 ̄卜
圧一電流特性を持つ酸化亜鉛素子の開発と実用化,さらに,こ
を防止できる。
れを封入する絶縁容器を開発することで実現が可能な時代と
2.1.1避雷要素部の構造
なってきた。ここでは酸化亜鉛素子を封入した容器の部分を
避雷要素部の構造は図3(a)にホすように,避雷要素内部に
避雷要素部と呼ぶ。
はドーナツ形酸化亜鉛素子をffjい,外側には絶縁筒(FRI)製)
2.1送電用避雷装置の構成と動作原理
を配置した。絶縁筒表耐にはシリコーン系ゴムポリマーを熟
送電用避雷装置の構成を図2(a)に示すように,送電用避雷
装置の主要素は,直列ギャップと直列接続する避雷要素部で
収縮させ,ひだを形成させたポリマー容器を開発した。酸化
龍鉛素子の形状は,単位断面積当たりの放電耐景を.卜げるた
鉄塔
繁風
㌔渾㌔
//′ぜ㌻、\
アークホーン 、
習
題
避雷要素部
ト「1「
送電線用
支持がいし連
/
電力線
(a)
アークホーンのフラソシオーバ
送電線用支持
がいL連の
放電電圧
7∵r7■7T「ノ「Tr77
避雷装置の
放電電圧
こニニニニ
⊥+J・+⊥l⊥⊥∠ノー⊥
避雷装置(直列ギャップ単体)の不放電電圧
直列ギャップ放電
避雷装置の制限電圧
「ゝし\
〕佗=‥勺如叫‥代ゝ…U化=侶
直列ギャップ
ノ′(芸当ナ詣表)
/酸化亜鉛素子
/(ドーナツ形)
絶縁筒
(FRP製)
放圧板
/放出孔
商用周波電圧
雷サージ侵入
ポリマー容器
(a)
(b)
(避雷装置付き)
系統電圧
-1一一一■■′■
(避雷装置なL)
■】
一
■■■-.....-■小㌧r
電流
酸化亜鉛素子
「一一----二「 ̄「-------11ノ
遮断器トリッ
ー∠竺撃準八堅甲甲苧二十
--
\=--‥一----「一Ll
蔓′`∴′瀞
∨†、∨ごぷ
三菱さ式
繋≡こ孝子
、き√狩
M≦∨′♪
黙7
放電電流
電流
瞬時電圧低下防止
(雷サージ電流だけ通涜)
(避雷装置付き)
ポリマー容器
(b)
図2
送電用避雷装置の構成と動作原理
(c)
送電用避雷装置は,ギ
ャップと避雷要素部を直列接続して,送電線用支持がいし連ヘイ井設する。
図3
直列ギャップは,アークホーンの放電電圧一時間特性以下で動作する。
構造の簡素化を実現した。
116
避雷要素部の構造
ドーナツ形酸化亜鉛素子の採用により,
949
送電用避雷装置
めに絶縁筒内での酸化亜鉛素子のJi積率を上げること,さら
に,放庄効率を上げるための内部空間が必安であることから,
避膏装置の系統電圧と定格電
表l送電用避雷装置の保護特性
圧の関係,および保護特性(制限電圧特性)を示す。
系統電圧
ld図(b)の避雷要素部の断山形状に示すように,ドーナツ形酸
66
77
l10
154
187
220
275
72
84
120
161
147
173
216
15kA
190
Z22
317
440
3了4
440
550
20kA
2-0
244
350
484
411
483
605
45kA
Z24
262
373
520
4了0
553
69l
800
800
800
800
800
【′000
(kV)
定格電圧
(kV)
化亜鉛素子を選定した。絶縁筒(FRI)製)には水分などの浸人
を考慮して,中間に放庄用の側面故山孔などは設定しない構
造とした。避雷要素部(154kV送電用)の外観を同図(C)に示す。
元来,電力用酸化聴輪形避雷器の容器には絶縁件能,耐候
性,機械F棚引曳
制限電圧
(kV)
汚損特性などから磁器がい管が使用されて
いるが,送電柑避雷装置としては高所への運搬,据付け条件
放電耐量
(2ms方形波)
(A)
から小形・軽量化,防爆性能の向._卜が期待された。これらの
条件に対応するため,容器の非磁器化が推進され,材料とし
】′000
てエポキシ,エチレンプロピレンゴム,ポリマー容器(シリコ
ーン系ゴムポリマーを熟収縮で被覆)が実用化された5)。磁器
製110kV送電用避富器と本開発によるポリマー容器製110kV
避雷装置(避雷要素部)の外観を図4に示す。ポリマー容器の
田
実現により,大幅に′ト形化,質量低減が叶能となった。
また,ギャップ付き送電用避雷装置を実現する際の某本事
送電用避雷装置の主な試験結果
送電J】J避雷装置としての試験は,使用者と製造者の協議で
項として,ギャップと避雷要素部を分離して構成しているこ
実施されており,試験方法としては発・変電所用避雷器規格
とから,ギャップ放電時に印加される避雷要素部の容器の耐
(JEC-217--1984,JEC-203-1978)に準拠している。試験項目
電圧,特に,汚損耐電庄特性が蚕要となる〔)これは避雷要素
として,絶縁協調試験,制限電圧式験,動作責務試験(汚損
部の容器表和が汚損条件で表面せん給すると続流遮断できず,
時続流遮断試験),動作開始電圧試験,防爆試験,機械的強
機能を発揮できなくなるからである。しかも,懸辛がいし連
度試験,横板れ試験,放電耐量試験,容器の耐電圧試験,絶
に併設することから,懸垂がいし連長よりも短くして,汚損
耐電圧特性を持たせる必要がある。汚損耐電圧特件の向上は,
垢理的には表面漏れ距維を長くすれば達成できる〔,従来の磁
器がい管ではがい管ひだ肉庄を10∼20mm必安としていた。
ポリマー材料の採川により,笠ひだ肉庄を約4mm程度とする
ことにより,向一有効長で表面漏れ距離は約1.5倍に増大でき
恥
ふり∧
る。また,シリコーン系ゴムポリマーははっ水性に優れ,同
ハkl
;ふb
一表面漏れ距維で約1.6倍の霧中耐電止特性を持っている。理
簸、∧
想的にはポリマー容器は磁器がい管に対し,約2.4倍(=1.5×
、Wも
去∧′
:去
1.6)の霧中耐電圧が期待でき6),同一有効長で高い汚損耐電圧
ブ≠
を実現できる。
2.1.2
送電用避雷装置の制限電圧特性
避雷装置の特性とLて,系統電圧と定格電庄との関係およ
び制限電圧特性を表1に示す。避雷装置の定格電圧は,ギャ
ッ7D付き構成であるから一線地絡時健全相の端子電山三での続
流遮断を考慮すればよく,発・変電所用避雷器の定格電圧よ
りも低く設定してある。放電時に流れる続流は酸化亜鉛素子
の優れた非直線電1圭一電流特性によって遮断される。放電耐量
は想定する雷撃条件によって異なるが,酸化亜鉛素子の肘呈
評価が答易で実績のある2ms方形波耐最で表示している。
胃蓋品賢g
66∼187kVクラスは800Ax2ms,220∼275kVクラスは,
1,000AX2msの方形波耐呈を持たせている。
(ポ芳警妄鮎)
図4
磁器製l】OkV送電用避雷器とポリマー容器製I10k〉避雷装置
(避雷要素部)の外観比重交
ポリマー容器により,大幅に質量低減や
小形化が図れる。
117
950
日立評論
VOL・72
No.9(1990-9)
緑抵抗試験,漏れ電流試験などがある。以 ̄卜,代表的試験結
は直列ギャップが動作しないようにギャップ長を選定した。
果について述べる。
次に,避雷装置としての放電電岨ま避雷装置部の状態,す
3.1絶縁協調試験(放電特性試験)
なわち乾燥状態にあるか,注水状態にあるかで影響を受けるl,
避雷装置は所定の装柱状態で,がいし装置(アークホーン)
そこで,避雷装置が止常時と短絡時おのおのの乾燥状態と注
との絶縁協調を確認する必要がある。この場合,避雷装置が
水状態における開閉インパルスでの放電特性を求めた。この
健全状態での絶縁協調と避雷装置が故障時(短絡時)での開閉
結果は,50%フラッシオーバ電圧の比較で図6に示す9)。避雷
サージ耐電圧(不放電特性)を確認する必要がある。放電特件
装置が注水状態にあると放電電圧は低下するので,逆に避雷
は直列ギャップの漂遊客量と酸化亜鉛素子の静電容量とで分
装置としての保護特性は上がる。実際の雷撃条件を想定する
圧されており,正常時の保護特性は酸化亜鉛素子の静電容量
と,注水条件に近くなると思われる。
が大きいこと,すなわち素子径が大きいほうが原理的には保
3.2
護特性がよくなr),同一直列ギャップ長に対してアークホー
動作責務試験(汚損時続流遮断試験)
動作責務検証方法としては,避雷装置本体を規定の汚損度
ンのギャップ長を短く設定できる。
に汚損した後,定格電圧を印加した状態で定格放電電流相当
送電用避雷装置の特性を把握するために,懸垂がいし10個
の雷インパルス電流を重畳して直列ギャップを放電させ,続流
連に154kV避雷装置を併設して,避雷装置の絶縁協調試験を
遮断件能を検証することが望ましい。設備容量的には66kV・
実施した8)。この試験状況と雷インパルス絶縁協調試験の結果
77kVクラスでは宙インパルス通電試験が可能であるが,154
を図5に示す。雷インパルス過電圧は確実に避雷装置のギャ
kVクラスになると実用条件と等価件を考慮して直列ギャップ
ップ側で放電し,がいし装置のフラッシオーバは防止できる
部を短絡導線で結び,定格電圧を印加lして,無続流遮断の性
ことを確認した。がいし装置のアークホーンには極性差があ
能を求めた7)。
り,避雷装置の直列ギャップにも極性差を持たせてある。ホ
154kV送電用避雷装置の動作責務試験担】路を図7(a)に,塩
分付着密度0.12mg/cm2での汚捌寺続流遮断試験時のオンロ
ーン電極は耐雪条件も考慮して簡素な構造としている。なお,
万一の避雷要素部が故障の状態でも,開閉サージ倍数2.8puで
グラムを同図(b)にホす。無紋流で遮断できることが確認でき
た。
防爆性能
3.3
ポリマー容器が磁器製の避雷器に比較して基本的に良い点
送ハ選
電雷
用装
は,ヒートショック,すなわち熟破壊に優れていることであ
置
る。放比構造はポリマー容器の上下に放J上弁を設け,放圧時
1,800
に外部短絡するようにした。
1,600
1,400
0
0
\
::>
アークホーン長1,204mm
ヽ
.ユ亡
、一1.000
出
師
負極性
琶800
正極性
0
0
直列ギャップ長650mm
0
0
600
400
注:・負極性
○正極性
200
()三世伊て1七人ヽ・小卜訳○のぺミソ、八†臣匪
●0
懸垂がいし連
§
6 0 ∩)
正極性 負極性
187kV
○
●
154kV
【コ
■
△
▲
70 0
懸垂がいL連
0
1,200
電圧
ギャップ
66kV
8==8187kV
「〇0
0
凸=巳154kV
注水条件
注水量:3mm/mln
注水抵抗:10kQ・Cm
▲
400
ゝ
300
三=コ66kV
200
開閉インパルス(250/2.500卜S)
4
6
8
10
12
トー
幸三燥
放電までの時間(トS)
図5154kV送電用避雷装置の雷インパルス絶縁協調特性
ップはアークホーンの放電電圧一時間特性以下で放電し,絶縁協調がとれ
ることを示す。
118
注水
}
ギャ
避雷装置正常時
専乞燥
\-----一一--、〉-・・・
注水
J
避雷要素部短絡時
図6
送電用避雷装置の乾燥時と注水時の放電特性
避雷要素部
が注水および短絡時には,直列ギャップ単一の放電特性に近づく。
送電用避雷装置
インパルス
発生器
送電用避雷装置
951
154kV送電用避雷装置の防爆試験前彼の状況を図8に示
す。t■司図にホすように,避雷装置は破壊することなく耐えた。
G
r-1------1 防爆試験時の通電電流は25kAXO.2秒である。ポリマー容器
00「 ̄勺0「
C
O
ほ優れた防爆性能を持つことを確認した。
分圧器
保護用避雷器
Ge11
3.4
CT2
PR
振動試験
送電用避雷装置は装柱方式により,電力線の微風振動をノ受
PR
同期装置
ギャップ始動装置
けやすい方式と,受けに〈い方式がある。ここでは避雷装置
を鉄研から取付金具で固定し,電力線の微風振動を直接受け
注 :略語説明など
ない方式を対象とした。振動源として,風力に対して電気設
Gen(150MVA発電機),G(分離ギャップ)
ABB(保護用空気遮断器),PR(電磁オシログラム)
Tr(13.2kV/350kV変圧器),L(リアクトル),
Co(コンデンサ)
備基準第63条「風圧荷蚕の種別とその適用+のがいし装置に
適用される140kg/m2(風速40m相当)を考慮した。
風圧ノJを避雷要素部の課電側の頭部変′位に換算して,加振
(a)送電用避雷装置の動作責務試験回路
機で頭部変位を発生させた。加振時間は10分間風速で12担Ⅰを
想定し,2時間の連続加振とした。送電用避雷装置の振動試
験状況と加振時のオンログラムを図9に示す。避雷装置は破
発電機電圧
損することなく耐えた。
161kV
巴
避雷装置
端子電圧
送電用避雷装置の装柱設計
送電鉄塔には,送電線単純支持用の懸垂鉄塔と,送電線を
引弓にり固定している耐張鉄塔の2種類がある。これらの鉄塔
避雷装置
電流
無続流
既設の送電線用支持がいし連に,酸化亜鉛形送電川避雷装■苫
(b)154kV送電用避雷装置の汚損時動作
責務試験のオシログラム
図7
は地形,風,雪などの自然条件から種々の形状をしている。
を適合させていく装杵設計が婁安な要素となる。66kV・154
送電用避雷装置の動作責務試験回路と試験結果オシログラム
kV・187kV系統での具体的適用例を図川に示す8),10=1)
避雷要素部の容器表面が汚損時でも,送電用避雷装置は無続流で遮断
できる(,
Wダ
醗酵紆折節醗酵餅醗淋伊野攣
で㌢げてこ
靡屯…・㌻
ご叫ぷ遥芸瀾芸芸
㌧\
(a)試験前
図8
154kV送電用避雷装置の防爆試験
(b)試験後
短絡電流通電時にも,ポリマー容器は一部黒化するだけで熟破損
することなく耐えた。
119
952
日立評論
VOL.72
No.9=粥09)
㌻、\ ̄、ゝ、 ̄、?‥ミ、、為
加振台加速度0.72G(加振周波数10Hz)
送電用避雷装置
長幹支持がいし
避雷装置根元加速度0.89G
避雷装置頭部加速度1.19G(頭部変位11mm)
汚、〉∧滋
一、公課てこ ̄W
㌫ご、′ミ警護謬要義編、で蔽:㍍、∨
ぬ感受首㍊=朋′=溺
⊇三㌫ノーハご、小海、薮
爪′ゑ ̄
′堅夷弧表真号、望、
遜慧ヱ託こV ̄栗野軍く、ミ準ふ返:儀一≒∨′
.∨、叩__
一、て,、、小、迄璽蚕重義漂還 ̄てル
′二、:血孟、ご:弧こ′ご‥′、∨::′L¶二′′1
′ノハ、く、ら ̄ ̄照∨′′ご
ハ′′′
、、ご叩
こ
-・、∴
ご ̄ ̄繁く′
図9
送電用避雷装置の振動試験
避雷装置の風速荷重を頭部変位に換算し,加振機での試験状況と試験時のオシログラムを示
す。
系統電圧
66kV
154kV
187kV
187kV
154kV送電用
避雷装置
剛鵬
!
\、
上∨
__=二去郡
卓
む.
総∴〆ノ㌢
懸垂がいし連
′ノトi盲至
芦′
‡
.、"_皇
ミLギャップ、ア ̄クト
\二ニチぎ
′1、\
 ̄ ㍗、ごY′山
.、縦≧ノ
主一
・ニとゝ
㌍で
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ぎ
ミ
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、_、∨呈_+テ■__凄
速電用避雷装置
航
w、、
′、ダノ′
-
、≠二
_ゴーつ= ̄:′γ′
才、.▼>
好〆_一ツー
1
\.W ̄トーー〈-・、叫-"
ハ
ふミ
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く句】J
府
ノー'`【
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ノ
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/
∼毛
154k〉送電用
避雷装置
耐張がし\し連
カー凄蒸し′
66kV送電用
ノ、
耐張がいし連
㌔袈嶺
\
ぎ
璧ノ
\:′ニケきも、′
轡
避雷装置
タさ
照、
・_ダ
ノヨ予,;ご
h\卓′∴
\琴海、
\
宅七
〆
ーメ
′ノ
公′
\
、、、 ̄1、・-._._名句
′
′塀
′
′
/′∨・_′ハ〆
く
-、,
187kV「で、
送電用避雷装置
〆/′、
∠1
′′㍍/、
√
\んで妄モー_
〆
、…′′′_…軍:‥
メ、∧、ノ/′
支持がし1L
iミ∴ガ∼′ご∴/
、 ̄・ゝ′′
\
\
図10
b
送電用避雷装置の具体的適用例
直列
茸′
ン′ろニ
直列
′
ギャップ
支持
、′′`ノ㌢′と:∼
がいL
臣ご+∠三』
、隠_こ_Y
/l′′
軒澗
懸垂がいし連,耐張がいし連への66k〉・ほ4kV・柑7kV送電用避雷装置の適用例を示す。
送電用避雷装置の取り付け効果と責務
送電用避雷装置の課題は,送電線にいかに避雷装置の最適
配置をして,送電線用支持がいし連のフラソシオーバを防IL
できるかにある。ここでは,例として送電線に局部的に避雷
120
′羊′
装置を取「)付けた場合の雷サージ解析をEMTP(ElectroMag-
neticTransientI〕rogram)によって実施したので,送電用避
雷装置の富サージ抑制効果と動作責務について述べる。
5.1雷サージ解析条件
雷サージ解析等価回路を図‖に示す。避雷装置は鉄塔No.
953
送電用避雷装置
D,No.Eの二つの鉄塔に局部的に取り付けた。送電線の絶縁
は不平衡絶縁方式で,アークホーン長は低絶縁側1,335-mm
315m
←蒜呈流
282m315m315m/
315mT315汀l
低絶 縁側
(懸垂がいし連13個連),高絶縁側1,927mmである。雷撃電流
架空地縁
鉄塔
波形は2/70ドSのランプ波とした。避雷装置は雷吉事故率の低
減を主目的として考え,低絶縁側配置で解析した。なお,避
避雷装置
高絶 縁側
′畜装置を高絶縁側に配置するか,低絶縁側に配置するかは適
電力 線
用線路の雷サージの保護目的から決められる。高絶縁側片回
線を主保護目的として,送電用避雷装置の高絶縁側設置も考
慮されている。
5.2
No.FNo.G
No.ANo.BNo.C
No.DNo.E
雷サージ解析結果
20n20日20£120日
20日20G20S之
(1)鉄塔雷撃の場合
避雷装置がないときは50kAでフラッシオーバするが,避雷
送電用避雷装置を局部的に配置した雷サ
図Il雷サージ解析回路
装置を付けると図12の雷撃電流とホーン間電圧に示すように
ージ解析回路を示す。
125kAまで協調がとれる。しかし,これ以上の雷撃電流にな
ると隣接鉄塔でフラッシオーバが発生するようになる。
大きくなる。避雷装置の責務を決定する際には,冬季富など
(2)電力線雷撃の場合
を考慮すると電力線雷撃が重要な要素となる。
避雷装置がないときは5kAでフラッシオーバするが,避雷
装置を付けると50kAまで協調がとれる。しかし,これ以上の
田
275kV送電用避雷装置の誘雷試験
雷撃電流になると隣接鉄塔でフラッシオーバが発生するよう
送電用避雷装置の動作については,文部省科学研究費補肋
になる。
によるロケット誘富実験グループによる誘雷試験に275kV送
(3)避雷装置の責務
電用避雷装置を供試して,検証試験を実施した。平成元年に
図13に示すように,鉄塔雷撃では避雷装置への放電電流,
およびエネルギーとも小さ〈,支障のない値である。電力線
北陸電力株式会社奥弓師子呼L試験線鉄塔No.30の1L側に設置
雷撃では放電電流が雷撃電流の約85%となり,エネルギーも
した275kV送電用避雷装置を図川に示す。
〔No.D鉄塔に100kA雷撃時のNo.C鉄塔波形〕
14
0
(>≡)
世
10
12
0 4=
一
時間(トS)
-0.8
●/
脚-1・2
-1.4
(>ちこ出師匝八-肯ヘート
No.C低絶縁側
(避雷装置なし)
3
\/:
)ク
ク//
○
逆フラソシオーバ
限界-・-
2
(避雷装置なし)
〔No.D鉄塔に100kA雷撃時の波形〕
1・
(>ヲニ出
-1▼-
/9
No.D高絶縁側
田
(No.Dへの鉄塔雷撃)
4
J避雷装置放電
1 2
逆フラッシオーパ
0 8
(No.D低絶縁側アークホーン間電圧)
0 4
0
6
8
10
12
14
時間(いS)
0
100
300
200
鉄塔雷撃電流(kA)
図12
鉄塔雷撃電流とアークホーン間電圧の関係
送電用避雷装置設置側の回線(No.D低絶縁側)
では絶縁協調がとれ,ほ5kA以上になると設置していない隣接鉄塔(No.C低絶縁側)でフラッシオーバが
発生する。
121
954
日立評論
VOL.72
No,9(1990-9)
200
送電用避雷装置の動作検出=ま避雷装置の接地リード線から
電力線雷撃
〆}
_ゝ⊂
力三100
脚
脚
収)および磁気テープ式避雷器用動作記録器による雷撃電流の
3
放電電流
2
七く
十モ
グ7Z
≦===
0
100
(「∋)-叶上「叶H
q:
ロゴスキーコイルによる雷電流波形の測定(メモリカードの回
エネルギー
二_--一一一` ̄
200
1
;)
装置では検「1傾度以下であった13)。また,自然富の冬季富によ
と,避雷装置の動作頻度が小さくなることが確認できた。こ
300
れは系統電圧が高くなると雷によるトリップ事故率が小さく
鉄塔雷撃電涜と避雷装置の放電電流とエネルギーの関係
鉄塔雷撃では放電電う瓦
電圧は約200kVであった。77kVクラスでは鉄塔雷撃での動作
る鉄塔雷撃でも検出感度以下であった()電圧階級が高くなる
雷撃電流(kA)
図13
塔に誘雷させた結果7回の雷撃があり,最大54kA,がいし間
(動作電流2,5kA)が報告12)されているが,275kV送電用避雷
鉄塔雷撃
ノ
判定で行った。この条件でロケット誘雷によって冬季雷を鉄
なることにも合致してし、る。
エネルギーとも避雷装置は耐える。しかし,
電力線雷撃では過酷となる。
月
結
言
高度情報化社会での電力供給の信頼度の面から,落雷によ
甘き事革
る瞬時電圧低下対策の一つとして,送電線の雷吉事放防1上に
適用できる送電用避雷装置の構成,特性,適用保護効果およ
びロケット譲吉試験結果について述べた。今後,送電用避雷
装置は送電線の古窯防止機器として効果を発揮し,普及して
275kV
いくものと予測される。
▲送電用
避雷装置
終わr)に,ご指導をいただいた北海道電力珠式会社,北陸
/
電力株式会社,中国電力株式会社および大学の関係各位に対
モ∼号
し深謝する次第である。
ドトンーー
托郎h▲耶=
参考文献
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(b)275kV送電用避雷装置(拡大図)
図14
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株式会社奥獅子喝L試験線鉄塔で,ロケット誘雷試験用に設置した避雷装
置を示す。
122
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北陸電力
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