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金融市場ウィークリー
金融市場ウィークリー 2017 年 1 月 13 日号 [経済・金融市場動向] ◆ 金融市場見通し・内外経済指標 米小売売上高、鉱工業生産指数は良好な米景気を示 す結果に。米株は小幅な上昇を見込むものの、米大 統領就任を控え、為替、金利への影響は限定的に [トピックス] ◆ 新興国を襲ったトランプショック トランプ次期大統領の積極財政、保護主義、米国第 一主義の政策は、実現性に不透明な部分があるもの の、さらなる新興国売りにつながる可能性 ✣[目次]✣ 今週の注目チャート ···················································· 1 Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3 金融市場見通し·································································· 3 金融市場レビュー ································································ 4 内外経済指標の解説と予測 ························································ 5 Ⅱ.トピックス ························································ 8 新興国を襲ったトランプショック ·················································· 8 Ⅲ.参考資料 ························································· 10 今週・来週の主要経済指標 ······················································· 10 月次・四半期のスケジュール ····················································· 12 今週の金融市場の動き ··························································· 15 最新リポート一覧 ······························································· 16 〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰 戦略的通商政策と1994年の悪夢 調査本部本部長代理 長谷川克之 「最高指揮官(Commander-in-chief) 」ならぬ「最高ツイッター(Twitter-in-chief)」とも揶揄さ れるトランプ新大統領が来週末に誕生する。日本の大手自動車会社もトランプ氏のツイッターでの口 先介入に見舞われたが、大統領選後初となる今週の記者会見では日本が貿易不均衡相手国として名指 しされた。一度ならず二度も。中国やメキシコと並列での言及である。 今さら日米貿易摩擦という時代ではあるまいが、確かに金額としては対米貿易黒字は中国、ドイツ に次ぐ第三位の規模である。最大の対米黒字国である中国、そして第四位の黒字国であるメキシコ経 由の間接的な日本の黒字も少なくないことにも鑑みれば、日本がトランプ氏の批判の矢面に立たされ ることも理解できる。トランプ氏は筋金入りの対中強硬派とも言われるピーター・ナヴァロ氏を新設 の国家通商会議(NTC)議長に、ロバート・ライトハイザー氏を通商代表部(USTR)代表に据えた。 大統領は中国を為替操作国として認定するものと見られている。 日米摩擦が激化した 1990 年代前半、当時のクリントン政権は日本に市場開放という「量」 、若しく は円高という「価格」での不均衡是正を迫った。為替誘導をちらつかせながら、市場開放を迫る戦略 である。ローラ・タイソン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長が提唱した戦略的管理貿易・通商 政策が採用され、多角的な GATT(関税及び貿易に関する一般協定、WTOの前身)の原則は軽視さ れた。TPPや NAFTA を軽視するトランプ氏の姿勢は当時の戦略的通商政策に相通じるものがある。 戦略的通商政策に基づき日米包括経済協議が進む中、為替市場では円高傾向が続いた。1994 年に は米国が政策金利を 3%から 5.5%にまで引き上げたにも係らず、円相場は 110 円台半ばから 100 円 割れの水準にまで急騰した。通商面での米国の対外的な軋轢に伴うドル安リスクには留意が必要だ。 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) ~今週の注目チャート~ 【 日本国債:イールドカーブ 】 総括的検証時よりも上方シフト (%) 1.3 2016/9/30 1.1 2016/12/30 2016/1/29 0.9 0.7 0.5 0.3 0.1 ▲ 0.1 ▲ 0.3 ▲ 0.5 1 5 10 15 20 25 30 (年) (資料)みずほ総合研究所作成 【解説】日本国債のイールドカーブは昨年 9 月の総括的検証時点よりも全体的に上方にシフトしているが、 「長 昨年 1 月のマイナス金利導入時点よりフラットニングした状況にある。日銀の雨宮理事は 11 日の講演で、 めの金利ほど、経済や物価への直接的影響よりも、保険や年金など金融の社会インフラの機能と強い関連を 持っている」と発言している。今後、長期金利への上昇圧力が高まる局面での日銀の政策対応が注目される。 【 大統領選挙後の S&P500 業種別指数の推移 】 直後に急上昇した金融、資本財・サービスが上昇一服、情報技術等が取戻し (2016年11月7日=100) 120 金融 115 資本財・ サービス 110 S&P500 105 情報技術 100 公益事業 95 90 2016年 11/07 12/07 01/07 (月/日) (注)Bloombergより、みずほ総合研究所作成 【解説】米大統領選挙から 2 カ月が経ち、米国株は急上昇が一服しつつあるが、業種別指数の動きにも変化 が出ている。選挙直後に政策期待から大幅に上昇した金融や資本財・サービスが 12 月中旬以降は上値が重い 一方、出遅れていた情報技術や公益が取り戻している。今週末以降は、10~12 月期の決算発表が業種選別の 注目材料となる。総じて改善基調を強める見込みだが、特に金融と情報技術で高い増益率が予想されている。 1 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) 【 トランプ大統領の公約 】 就任初日に実行するとした措置はどこまで実現するのか 1 NAFTA再交渉、もしくは脱退の意思を発表 2 TPPからの撤退を発表 3 中国を為替操作国に認定 4 貿易相手国の不正捜査を開始、あらゆる手段で対抗 5 米国内におけるエネルギー開発関連規制の緩和 6 インフラ建設を阻害する規制の撤廃、キーストーン・パイプラインの建設認可 7 国連による温暖化対策への資金拠出撤回、国内の水道・環境関連インフラ投資の財源に (注)大統領選挙時にトランプ氏が掲げた就任初日に実行するとした措置。Mizuho Research & Analysis「トランプの米国」 (https://www.mizuho-fg.co.jp/company/activity/onethinktank/pdf/vol005.pdf)参照。 (資料)トランプ氏 HP 資料より、みずほ総合研究所作成 【解説】トランプ氏の大統領就任(1/20)が来週に迫り、就任演説への注目が高まっている。トランプ大統 領は選挙期間中に就任初日に実行する公約を掲げていたが、実際にどこまで実現するのかは依然不透明だ。 ただ仮に中国の為替操作国認定などの措置が公表された場合には、人民元相場への影響に留まらず、中国の 対抗措置なども意識され、国際金融市場の不安定化に繋がる可能性もある。注視が必要だ。 【 製造業PMIの推移 】 上向き始めた世界経済の景況感 (Pt) 56 54 先進国 拡張 世界 52 ← 景気 新興国 50 →縮小 48 14 15 16 (年) (資料) Markit より、みずほ総合研究所作成 【解説】トランプ氏の米大統領選勝利後、世界的な株高局面が続いている。背景には堅調な米国経済やトラ ンプノミクスへの期待があるが、製造業PMIの推移をみると、これまでリスク要因とみなされてきた新興 国経済についても、景況感が上向いていることがうかがえる。新興国経済については引き続き通貨安リスク に留意しなければならないが、資源価格も持ち直しており足元では世界経済に明るい兆しが見え始めている。 2 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) Ⅰ.経済・金融市場動向 ~金融市場見通し~ 期待外れになったトラン プ氏の記者会見 今週の金融市場では、トランプ次期大統領の記者会見(1/11)が最大の 注目材料であったが、市場参加者が期待していた財政政策や規制緩和の具 体策などには触れられず、やや期待外れの内容になった。結果として、会 見後には米長期金利の低下やドル売りが進む展開となり、ドル円相場は一 時1ドル=113円台まで円高が進んだ。 米景気指標は良好な結果 今晩以降発表される米景気指標は総じて良好な結果を予想する。12月の を予想も、為替、金利への 米小売売上高(1/13)は好調な年末商戦を示す内容になりそうだ。また12 影響は限定的。米大統領就 月の米鉱工業生産指数(1/18)や1月の米地区連銀製造業業況指数(1/17、 任式を控え様子見の展開 1/19)は、製造業の回復を示唆する結果になると予想する。 に 好調な米景気指標を受けて、米株は小幅な上昇を見込んでいる。ただ来 週末にトランプ次期大統領の就任式(1/20)を控えるなか、米長期金利の 上昇やドル高の進展は限定的になり、様子見姿勢が続くだろう。日本株は ドル円相場の推移を見守る展開となり、神経質な動きを予想する。日本の 10年国債利回りは横ばい圏での推移が続くだろう。 就任演説では財政政策、規 大統領就任演説では財政政策や規制緩和策などに関し、トランプ氏がど 制緩和の具体策とともに、 こまで具体的な内容を示すかが注目される。過去の大統領の演説では政策 中国為替操作国認定など スタンスへの言及が中心で、具体策にまで触れられるケースは稀だが、ト の公約への言及がなされ ランプ氏だけに前例踏襲とはならない可能性もある。また選挙前の公約で るかにも注目 就任初日に実施する政策として掲げていた、中国の為替操作国認定などの 措置への言及があるか否かにも関心が集まろう。仮に財務長官への中国の 認定指示などの意向が示されれば、人民元相場への影響に留まらず、国際 金融市場全体の不安定化に繋がる可能性もあり、注視が必要だろう。 また来週末に中国でGDPや鉱工業生産、小売売上高などの主要経済指 標(1/20)が発表される。昨年後半頃からの中国の景況感の回復が足元の 国際金融市場の安定化に繋がっている側面もあるだけに、中国の実体経済 がどの程度回復しているのかを確認する意味で注目される。 (有田賢太郎) 【 来週の予想 】 項目 内外金利 内外株式 為 替 予想レンジ USD LIBOR 3カ月(%) 米10年国債(%) 円 TIBOR 3カ月(%) 10年国債(%) ダウ平均(ドル) NASDAQ総合指数(ポイント) 日経平均(円) TOPIX(ポイント) 円/ドル ドル/ユーロ 円/ユーロ 3 1.010 2.25 0.03 0.00 19,550 5,460 18,700 1,500 112.0 1.025 118.0 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 1.040 2.45 0.07 0.10 20,150 5,660 19,700 1,560 117.0 1.075 125.0 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) ~金融市場レビュー~ <内外金利動向> 日米 10 年国債利回りは横ばい圏での推移となった。米 10 年国債利回り 日米 10 年国債利回りは横 は、12 月の米雇用統計(1/6)で賃金が約 7 年ぶりの伸びを示したことで一 ばい圏での推移 時 2.4%台に上昇した。今週はトランプ氏の会見(1/11)後にやや低下した が、その後は 2.3%台半ばを中心とした動きとなっている。日本の 10 年国 債利回りは横ばい圏で推移した。30 年国債入札(1/11)の結果が弱めとの 見方から超長期債利回りが上昇したものの、週後半にかけては買戻しの動 きから低下している。ドル調達コストが高止まりする中、足元では対外中 長期債投資が売り越しとなっている。都銀や生保が円債を積み増す動きが 金利上昇を抑制する要因になっていると考えられる。 <内外株式動向> (野口雄裕) 先週末以降の米株式相場は、高安まちまちとなった。先週末は 12 月の米 トランプ氏会見は米株の 雇用統計を受けて、景気回復期待が高まり株価を押し上げた。しかし、週 方向感を定めるに至らず が明けると原油安に加えて、大統領選後初のトランプ氏会見を前に投資家 まちまち、日本株は円高 の様子見姿勢が強まり下落した。会見を挟んで株価は乱高下するも、詳細 が悪材料となり下落 な経済政策への言及はなく、株価の方向感を定めるには至らなかった。一 方、NASDAQ は株価上昇に出遅れ感のあった情報技術業種が主導し、最高値 を更新する等上昇した。日本株は下落した。週前半はトランプ氏会見を控 えこう着感の強い相場展開となったが、会見後に為替市場で円高基調が強 (小池睦子) まると、日本株も下落基調を強めた。 <為替動向> 先週末以降のドル円相場は円高ドル安が進んだ。12 月米雇用統計は雇用 トランプ氏会見を受け期 者数の伸びが市場予想を下回ったものの、賃金上昇率の改善が確認され、 待はく落とともにドル安 一旦はドル高地合いとなった。しかし週半ばに行われたトランプ氏会見で、 進展 市場の期待する米財政政策の具体策に触れなかったこと、また保護主義的 なスタンスを示したことなどから、一時 1 ドル=113 円台まで円高ドル安が 進展した。ユーロドル相場はややドル安ユーロ高地合い。先週末の英首相 のEU離脱案に関する発言を受け、ハードブレクジット懸念が意識され、 一旦はポンド安とともにユーロも対ドルで通貨安圧力が働いた。しかしト ランプ氏会見後にドル安ユーロ高が進む展開となった。 (有田賢太郎) <新興・資源国動向> 新興国市場では、株、通貨ともに今週も底堅い動きが続いた。米国株の 株・通貨ともに昨年末以 上昇が一服したことから新興国株の上昇幅は総じて小幅であったが、米国 降の底堅さを維持 株が引き続き高値を維持するなかで、新興国株も基調としては昨年末から 続く反発の流れを維持している。なかでも今週はブラジル株とトルコ株の 上昇が相対的に大きい。ブラジルでは利下げ(1/11)が株価の押し上げに 寄与しており、トルコでは外貨準備率の引き下げ(1/10)などが功を奏し て最安値を更新中だったリラが反発したことが影響した。新興国通貨はト ランプ氏が歳出拡大や減税に言及しなかったことを材料(ドル売り材料) に買われたが、メキシコペソの下落には歯止めがかかっていない。 (井上淳) 4 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) ~内外経済指標の解説と予測~ <国 内> 景気の緩やかな回復を確 今週発表された指標からは、景気が緩やかに回復していることが確認さ 認 れた。11月の景気動向指数(1/11)は、一致CIが前月比+1.6Pt、先行 CIが同+1.9Ptとなった。なお、一致CIの改善は3カ月連続で、これは 消費増税前の2014年1月以来のことである。 個人消費は持ち直しつつ 11月の消費活動指数(旅行収支調整済)(1/11)は前月比▲0.1%(10月 ある 同+0.6%)とマイナスに転じた。耐久財・非耐久財がプラスに寄与した一 方、サービスが下押しとなった。もっとも、10・11月平均は、7~9月期対 比でプラスを維持しており、個人消費は持ち直しつつあると評価される。 経常収支は高水準を維持 11月の経常収支(1/12)は、21.6兆円(年率換算値)の黒字と高水準な がらも、前月(23.1兆円の黒字)から黒字幅が若干縮小した。輸送用機器 や化学製品の輸出増加により貿易収支の黒字幅が拡大した一方、第一次所 得収支の黒字幅が縮小、サービス収支も赤字に転換し、全体を押し下げた。 来週は、機械受注統計や第3次産業活動指数などが発表される。 機械受注は前月比プラス 11月の機械受注(船舶・電力を除く民需)(1/16)は、前月比+2.9%(10 月同+4.1%)と予想する。新たなものづくり補助金の公募が始まったこと から、補助金の採択待ちの動きが出ているとも言われているが、円安によ る企業マインドの改善などから、機械受注は底堅く推移すると見込む。 第 3 次産業活動指数は前 11月の第3次産業活動指数(1/16)は、前月比0.0%(10月同+0.2%)と 月から横ばい 予想する。個人消費が力強さに欠ける動きとなったことで小売業などが下 押し要因となり、前月から横ばいで推移したとみている。 企業物価は前年比マイナ 12月の企業物価(1/16)は、前年比▲1.6%(11月同▲2.2%)と予想す ス幅が縮小 る。原油価格の持ち直しを受けて石油・石炭製品が前年比プラスに転じる ほか、化学製品や食品価格も前月からやや持ち直していることなどから、 前年比マイナス幅が縮小する見通しである。 【 景気動向指数の推移 】 (高瀬美帆) 【 機械受注(船舶・電力除く民需)の推移 】 (2010年=100) 120 (2010年=100) 150 一致CI 予測値 140 115 月次 130 110 120 105 110 3カ月後方 移動平均 100 100 先行CI 90 95 13/01 13/07 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 13/01 16/07 13/07 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 16/07(年/月) (注)2016年11月の値は、みずほ総合研究所による予測値。 (資料)内閣府「機械受注統計調査報告」より、みずほ総合研究所作成 (年/月) (資料)内閣府「景気動向指数」より、みずほ総合研究所作成 5 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) <海 外(米国)> 時間当たり賃金上昇率が 加速 12 月の雇用統計(1/6)では、非農業部門雇用者数が前月差+15.6 万人 と前月(+20.4 万人)から減速した。労働時間は前月から変わらず、総労 働時間指数(民間雇用者数×労働時間)は前月比+0.2%(11 月同▲0.2%) と小幅な上昇にとどまった。失業率は 4.7%(11 月 4.6%)と低い水準を維 持し、広義の失業率(U6)は 9.2%(11 月 9.3%)に低下した。 労働市場のスラックが着実に縮小するなかで、時間当たり賃金上昇率は 11 月の前月比▲0.1%から、同+0.4%に大きく上昇した。前年比では +2.9%と、2009 年 6 月と同程度の高い上昇率となった。 トランプ氏は記者会見 トランプ次期大統領は 11 日に選挙後初の記者会見を行い、「人類史上最 で、雇用を創出するため 大の雇用創出者になる」と述べた。減税やインフラ投資等の財政政策に関 に、海外移転企業に国境 して具体的な内容が語られることはなかったが、海外に雇用を流出させる 税を課すと警告 企業には国境税を賦課するとし、自動車産業のほか、製薬産業等に米国で 生産するよう呼びかけた。また、通商協定を批判し、中国・日本・メキシ コの貿易赤字を問題視した。来週 20 日には、大統領就任式における就任演 説が予定されており、23 日が新政権の事実上のスタート日となる。 12 月の小売売上高は、年 今晩発表される 12 月の小売売上高(1/13)は 4 カ月連続で増加する見通 末にかけて個人消費が盛 しである。年末商戦後半にかけて個人消費が盛り上がったことを示すとみ り上がったことを示す見 られる。12 月の鉱工業生産指数(1/18)は 2 カ月ぶりに上昇すると予想す 通し。12 月の鉱工業生産 る。主力の製造業生産指数はこれまで伸び悩みの状態が続いており、業況 指数は上昇すると予想 改善が実際の生産改善として現れるか注目される。1 月の地区連銀製造業業 況指数(NY:1/17、Philadelphia:1/19)は、製造業の業況が引き続き堅 調であることを示すだろう。12 月のコアCPI上昇率(1/18)は前月比 +0.2%になると予想する。前年比では+2.1%に加速するが、2016 年以降 のレンジの下限(+2.1~+2.3%)となろう。12 月の住宅着工件数(1/19) は大幅減となった前月から持ち直すと予想する。 【 時間当たり賃金上昇率 】 (風間春香) 【 小売売上高 】 (前月比、%) (前年比、%) 2.0 6.0 民間計 5.0 生産部門 1.5 コア小売 自動車・部品 建材・造園 ガソリン 外食 小売売上高 1.0 サービス部門 4.0 0.5 3.0 0.0 2.0 ▲0.5 1.0 ▲1.0 0.0 15/12 2007 09 11 13 15 16/3 16/6 16/9 16/12 (年/月) (年) (資料)米国労働省より、みずほ総合研究所作成 (注)12 月の値はみずほ総合研究所予測値。 (資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成 6 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) <海 外(欧州)> 2016 年のドイツGDP成 長率は加速 2016 年のドイツGDP成長率(1/12)は前年比+1.8%となり、2015 年 (同+1.5%)から加速した。個人消費の回復が続いたほか、難民対応など を巡る政府支出の増加が成長率を押し上げた。 10 ~ 12 月 期 の ド イ ツ 今回の結果は、 2016 年 10~12 月期のドイツGDP成長率が前期比+0.5% GDP成長率も加速した 程度と、7~9 月期(同+0.2%)から加速した可能性を示唆している(10 模様。輸出復調が背景に ~12 月期のGDPは 2/14 に発表予定)。消費が回復を続けたほか、今週発 表された貿易統計を踏まえると、輸出の復調を背景に外需寄与度がプラス に転じたと推察される。11 月のドイツ輸出金額(1/9)は、前月比+3.9% (10 月同+0.5%)と 2 カ月連続で増加した。輸出金額の 10・11 月平均水 準は、7~9 月平均を+3.0%上回る(7~9 月期は前期比▲0.1%)。11 月の ドイツ製造業の輸出受注(1/6)は同▲0.8%と減少に転じたが、均せば改 善基調にあり、輸出回復の持続を示唆している。 イタリアでは新たな国民 投票の実施に関して判断 イタリアでは、憲法裁が、レンツィ政権下で実施された労働市場改革の 一部に関する国民投票を実施すべきという労働組合の訴えに対して判断を 下した(1/11)。3 つの改革が審理対象で、2 つに関しては国民投票の実施 が認められたが、残る 1 つ(解雇制度に関する改革)については訴えが退 けられた。解雇制度に関する改革は労働市場改革の目玉とされており、そ れに対する国民投票が実施されないことは一先ず安心材料と言えよう。 来週はユーロ圏輸出など 来週は、11 月のユーロ圏輸出金額(1/19)や 12 月のユーロ圏新車登録台 に加えてECB理事会が 数(1/17)、欧州中央銀行(ECB)の銀行貸出サーベイ(1/17)などの 注目材料 統計発表のほか、ECB理事会(1/19)が予定されている。ユーロ圏輸出 やユーロ圏新車登録台数は共に改善するとみられる。銀行貸出サーベイで は、企業の設備投資意欲の弱さを背景に借入需要が伸び悩みを続けるかが 注目される。ECB理事会は、政策効果の見極めを行う段階にあり、金融 (松本惇) 政策の現状維持を決めるだろう。 【 ドイツGDP成長率 】 【 ドイツ輸出金額・輸出受注 】 (前年比、%) 6.0 113 111 4.0 (2014/1=100) 鉱工業生産 輸出金額 輸出受注 109 2.0 107 0.0 105 ▲ 2.0 103 ▲ 4.0 101 ▲ 6.0 99 2005 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 在庫投資 外需 固定投資 (年) 政府支出 個人消費 97 2015/5 実質GDP (資料)ドイツ連邦統計庁より、みずほ総合研究所作成 15/8 15/11 16/2 16/5 16/8 16/11 (年/月) (資料)ドイツ連邦統計庁、連銀より、みずほ総合研究所作成 7 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) Ⅱ.トピックス ~新興国を襲ったトランプショック~ 米大統領選挙に対する新 米大統領選挙でのトランプ次期大統領選出を受けて、世界の金融市場は 興国市場の反応はトリプ 大きく動いた。米国では、トランプ次期大統領の掲げる大規模減税やイン ル安 フラ投資などの経済政策、いわゆるトランプノミクスが景気を押し上げる との期待が高まり、米ダウ平均は最高値を更新、米金利と米ドルは上昇基 調をたどった。一方、新興国マーケットに目を転じると、米国の金利上昇 とドル高は新興国からの資本流出を誘発し、選挙後当初の新興国市場の反 応は株安、債券安、通貨安のトリプル安だった。 新興国通貨は総じて下落したが、その程度は各国ごとに異なる。トラン プショックで強烈な逆風に見舞われているのがメキシコだ。トランプ次期 大統領は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉もしくは脱退、メキシコへ の移転企業からの輸入品に 35%課税、不法移民の強制送還や国境の壁建設 等、メキシコに対して強硬な通商・移民政策を主張してきた。これらが実 現すればメキシコ経済は大打撃を受けるとの懸念から、メキシコペソが急 落している。 また、トランプショックだけでなく、地政学リスクや政情不安も加わり、 通貨安が進行している国もある。トルコについては、エルドアン大統領の 強権的な政策運営や、クルド人勢力によるとされる連続的な爆破テロが嫌 気され、トルコリラの下げがきつくなっている。 そして、トランプショックで新興国から資金が流出する局面では、経常 収支が赤字で、そのファイナンスを国外資金に依存する国の多い中南米諸 国は、経常黒字国の多いアジア諸国に比べて通貨安の傾向がより顕著だ。 トランプ次期大統領の政 トランプ次期大統領の主張してきた政策を改めて検討すると、その実現 策は、さらなる新興国売り 性には不透明な部分があるものの、財政政策、通商政策、外交政策のいず につながる可能性 れの観点からも、新興国通貨安につながる可能性がある。 減税やインフラ投資など拡張的な財政政策は、米景気拡大をもたらす。 そして、景気拡大でインフレ期待が高まると、FRBは従来の想定よりも 金融引き締めに積極的になる可能性がある。拡張的な財政政策と積極的な 金融引き締めというポリシーミックスの帰結は、米ドル高だ。 通商政策で保護主義的な動きが強まれば、輸出の減少などを通じて新興 国全般の経済不安につながることから、新興国通貨は売られやすくなる。 中国、韓国、台湾の為替監視リスト国のように、経常黒字や対米貿易黒字 国の通貨は名指しで上昇圧力が掛けられる可能性はあるが、それにより資 金流出による通貨安圧力が抑え込められるかは不透明である。 外交政策では、内向きの米国第一主義が採られ、中東や 東欧、東・南シ ナ海に「力の空白」が生じることで、地政学リスクが高まる懸念がある。 グローバルにリスクオフモードが強まれば、新興国通貨は下落することに なろう。 8 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) 経済ファンダメンタルズ 以上より、トランプ次期大統領の当選は、新興国リスクを高めたといえ の脆弱性や政治・地政学リ る。それでは、いずれの新興国で、特にリスクが高いのだろうか。みずほ スクの大きいベネズエラ 総合研究所では、経済ファンダメンタルズや、内政および地政学等の幅広 やトルコを中心に、資本流 い観点を取り入れたフレームワークに基づき、主な新興国についてリスク 出の標的となりうるリス 度合いの定点観測を行っている。これによると、現時点でリスク度合いが クに警戒が必要 高く、トランプ次期大統領の政策を背景とする資本流出の標的となりやす い国は、ベネズエラとトルコである(図表)。 ベネズエラについては、財源である原油の相場低迷を受け、経済危機に 直面している。外貨不足で輸入が滞り、生活必需品や医薬品は欠乏してイ ンフレが高進している。IMFは 2016 年のインフレ率を前年比+476%と 推計し、さらに 2017 年は同+1660%まで上昇すると予想している。外貨準 備は 110 億ドルと低水準の一方で、2017 年には 90 億ドルを超える外貨建て 債券の返済を控えており、対外債務の返済繰りは重大な局面を迎える。 トルコについては、経常赤字と外貨準備不足で経済ファンダメンタルズ が脆弱なほか、既述の通り政治・地政学リスクも大きい。 トランプ次期大統領の保 メキシコについては、経済ファンダメンタルズが安定していることから、 護主義の影響が特に懸念 リスクはさほど高くないとの判定結果になっている。もっとも、トランプ されるメキシコにも要注 次期大統領の保護主義の影響が特に懸念される国であるため、判定結果が 意 示す以上に通貨売り圧力が大きくなるリスクに注意が必要だ。(小林公司) ※詳細は 2016 年 12 月 26 日公表の「新興国を襲ったトランプショック~さらなる新興国 売りに引き続き警戒が必要~」『みずほインサイト』をご覧下さい。 http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eg161226.pdf 【 図表 新興国リスクの総合評価 】 総合評価 景気判断 インフレ率 高リスク 経常収支 政策余地 外貨準備 中国減速の 影響 地政学・ 内政・外交 民間債務 ベネズエラ D E E C D D --- E --- トルコ D D C D B D B D C アルゼンチン C C D D C D B B C ブラジル C D C B C B B C C 南アフリカ C C C D C D B B A ロシア C C C A C B B C C 韓国 B C B A B B C C C インドネシア B B A C C C C B B サウジアラビア B C A D B B B B C ベトナム B C A B C C C B --- 中国 B C A A B C --- B D メキシコ B B A C B C B C B 台湾 B C B A B B D B --- タイ B C B A B B C C B マレーシア B C A A C C C B B インド B B B B C B B B B フィリピン B A A A B B C B --- (注)各要素の評価を基に総合評価。各要素、総合評価ともに評価は、A(良好)、B(比較的良好)、C(弱含み・懸 念あり)、D(著しい弱含み・顕著な懸念あり)、E(危機的な状況)の5段階。詳細は、みずほ総合研究所(2015) 「新興国不安の現実化リスク」参照。 (資料)各国統計、IMF、世界銀行、CEICより、みずほ総合研究所作成 9 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) Ⅲ.参考資料 今週の主要経済指標 日 付 1/6(金) 経 済 指 標 等 米 貿易収支(11月) 雇用統計(12月) 失業率 非農業部門雇用者数 時間当たり賃金(全従業員ベース) 今回実績 予想 前回実績 財・サ収支 ▲452億㌦ ▲454億㌦ R ▲424億㌦ 前月差 前月比 4.7% +156千人 +0.4% 4.7% +175千人 R +0.3% 4.6% +204千人 ▲0.1% 日 成人の日(日本休場) 1/10(火) 中 消費者物価指数(12月) 1/9(月) 前年比 +2.1% +2.2% 米 3年国債入札:最高利回り 1.472%、 平均利回り 1.430%、 入札倍率 2.97倍 1/11(水) 日 先行DI 66.7% N.A. 一致DI 100.0% N.A. 景気動向指数(11月速報) 先行CI 102.7 102.6 一致CI 115.1 115.0 +2.3% 80.0% 94.4% 100.8 113.5 30年利付国債入札:最高利回り 0.755%、 平均利回り 0.745%、 入札倍率 3.33倍 米 10年国債入札:最高利回り 2.342%、 平均利回り 2.300%、 入札倍率 2.58倍 伯 金融政策決定会合(10・11日) 1/12(木) 日 経常収支 +1兆4,155億円 +1兆4,600億円 (前年比) +32.0% +28.0% 貿易収支 +2,544億円 +3,134億円 (前年比) - +1兆7,199億円 +22.7% +5,876億円 +186.5% 現状判断DI 51.4 N.A. 景気ウォッチャー調査(12月) 米 30年国債入札:最高利回り 2.914%、 平均利回り 2.850%、 入札倍率 2.32倍 51.4 国際収支(11月速報) イエレンFRB議長講演(ワシントンD.C.) 失業保険新規申請件数(~1/7) 247千人 255千人 R 237千人 M2 前年比 M3 前年比 広義流動性 前年比 +4.0% +3.4% +2.1% +4.1% R +3.5% N.A. +3.9% +3.4% +1.9% 中 貿易収支(12月) 米ドル 408億㌦ 476億㌦ R 442億㌦ 輸出総額(12月) 前年比 ▲6.1% ▲4.0% R ▲1.6% 輸入総額(12月) 前年比 +3.1% +3.0% R +4.7% 1/13(金) 日 マネーストック(12月速報) 予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters 等)の取りまとめた予想コンセンサス。 米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。 R は改定値。 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、 泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア 10 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) 来週の主要経済指標 経 済 指 標 等 日 付 1/13(金) 米 小売売上高(12月) 予 想 前月比 ミシガン大消費者信頼感指数(1月速報) 前 回 前々回 [+0.5%] +0.1% +0.6% [98.2] 98.2 93.8 生産者物価指数(12月) [食品・エネルギーを除く] 前月比 前月比 +0.3% +0.1% +0.4% +0.4% 0.0% ▲0.2% 韓 金融政策決定会合 1/16(月) 日 機械受注(11月) [船舶・電力を除く民需] 前月比 前年比 [+2.9%] [+12.2%] +4.1% ▲5.6% ▲3.3% +4.3% 第3次産業活動指数(11月) 前月比 [0.0%] +0.2% ▲0.3% 国内企業物価指数(12月) 前月比 前年比 [+0.2%] [▲1.6%] +0.4% ▲2.2% ▲0.1% ▲2.7% N.A. 98.1 96.7 [+8.0] +9.0 +1.5 [+0.6%] 75.5% ▲0.4% 75.0% +0.1% 75.4% [+0.1%] [+0.2%] +0.2% +0.2% +0.4% +0.1% [120.0万件] [122.0万件] 109.0万件 121.2万件 134.0万件 126.0万件 [+15.0] +19.7 +7.6 [250千人] 247千人 237千人 米 キング牧師誕生日(米国休場) 1/17(火) 日 設備稼働率(11月) 20年利付国債入札 米 ニューヨーク連銀製造業業況指数(1月) 1/18(水) 米 鉱工業生産指数(12月) 前月比 設備稼働率(12月) 消費者物価指数(12月) [食品・エネルギーを除く] 前月比 前月比 イエレンFRB議長講演(サンフランシスコ) ベージュブック(地区連銀経済報告) 1/19(木) 日 5年利付国債入札 米 住宅着工件数(12月) 住宅着工許可件数(12月) 年率 年率 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(1月) 失業保険新規申請件数(~1/14) イエレンFRB議長講演(サンフランシスコ) 欧 ECB政策理事会 尼 金融政策決定会合(18・19日) 馬 金融政策決定会合 1/20(金) 日 中曽日銀副総裁講演(国際銀行協会) 中 鉱工業生産(12月) 前年比 +6.1% +6.2% +6.1% 実質GDP(10~12月期) 米 新大統領就任式 前年比 +6.7% +6.7% +6.7% 予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg 等)。予定は変更になる可能性があります。 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、 泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア 11 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) 1 月のスケジュール 国 内 米 国 他 1 元日 1 2 国民の休日(日本休場) 2 米 ニューイヤーズデー(米国休場) 3 米 製造業ISM指数(12 月) 3 4 2017 年大発会 4 米 FOMC 議事録(12/13・14) 5 新車販売台数(12 月),10 年利付国債入札 5 米 非製造業ISM指数(12 月) 6 毎月勤労統計(11 月速報) 6 米 雇用統計(12 月),貿易収支(11 月) 製造業新規受注(11 月) 7 8 9 7 成人の日(日本休場) 8 9 10 10 米 3 年国債入札 11 景気動向指数(11 月速報),30 年利付国債入札 11 米 10 年国債入札 12 国際収支(11 月速報) 景気ウォッチャー調査(12 月) 13 マネーストック(12 月速報) 14 12 米 イエレンFRB議長講演(ワシントン D.C.) 連邦財政収支(12 月),30 年国債入札 13 米 小売売上高(12 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(1 月速報) PPI(12 月) 14 15 15 16 機械受注統計(11 月) 第 3 次産業活動指数(11 月) 企業物価指数(12 月) 17 設備稼働率(11 月),20 年利付国債入札 16 米 キング牧師誕生日(米国休場) 18 20 中曽日銀副総裁講演(国際銀行協会) 18 米 鉱工業生産・設備稼働率(12 月),CPI(12 月) ネット対米証券投資(11 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) イエレンFRB議長講演(サンフランシスコ) 19 欧 ECB政策理事会 米 住宅着工・許可件数(12 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(1 月) イエレンFRB議長講演(サンフランシスコ) 20 米 新大統領就任式 21 21 22 22 23 全産業活動指数(11 月) 23 24 40 年利付国債入札 24 米 中古住宅販売件数(12 月),2 年国債入札 25 貿易統計(12 月) 25 独 ifo景況感指数(1 月) 米 5 年国債入札 26 米 新築住宅販売件数(12 月),7 年国債入札 19 5 年利付国債入札 26 27 消費者物価(12 月全国・1 月都区部) 17 米 ニューヨーク連銀製造業業況指数(1 月) 28 27 米 GDP(10~12 月期速報) 耐久財受注(12 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(1 月確報) 28 29 29 30 商業動態統計(12 月速報),2 年利付国債入札 30 米 個人所得・消費支出(12 月) 31 日銀金融政策決定会合(30・31 日) 日銀総裁定例記者会見 日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解) 鉱工業生産(12 月速報),住宅着工統計(12 月) 労働力調査(12 月),家計調査(12 月) 31 米 シカゴPMI指数(1 月) S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・11 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(1 月) 雇用コスト指数(10~12 月期) *印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、伊:イタリア、墺:オーストリア 12 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) 2 月のスケジュール 国 内 1 2 3 米 1 消費動向調査(1 月) 10 年利付国債入札 日銀金融政策決定会合議事要旨(12/19・20 分) 2 3 4 4 5 5 6 毎月勤労統計(12 月速報) 7 国 他 米 FOMC(31・1 日) 製造業ISM指数(1 月) 英 英中銀金融政策委員会(1・2 日) 米 労働生産性(10~12 月期暫定) 米 非製造業ISM指数(1 月) 雇用統計(1 月) 製造業新規受注(12 月) 6 景気動向指数(12 月速報) 10 年物価連動国債入札 8 日銀金融政策決定会合における主な意見(1/30・31 分) 国際収支(12 月速報) 景気ウォッチャー調査(1 月) 9 機械受注統計(12 月) マネーストック(1 月速報) 30 年利付国債入札 10 第 3 次産業活動指数(12 月) 企業物価指数(1 月) 11 建国記念の日(日本休場) 7 8 米 貿易収支(12 月) 3 年国債入札 米 10 年国債入札 9 米 30 年国債入札 12 12 13 GDP(10~12 月期 1 次速報) 13 14 設備稼働率(12 月) 5 年利付国債入札 15 14 米 PPI(1 月) 10 米 連邦財政収支(1 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(2 月速報) 11 17 15 米 鉱工業生産・設備稼働率(1 月) 小売売上高(1 月) CPI(1 月) ネット対米証券投資(12 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(2 月) 16 米 住宅着工・許可件数(1 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(2 月) 17 米 景気先行指数(1 月) 18 18 19 19 20 貿易統計(1 月) 20 米 ワシントン誕生日(米国休場) 21 全産業活動指数(12 月) 21 米 2 年国債入札 22 22 米 FOMC 議事録(1/31・2/1) 中古住宅販売件数(1 月) 5 年国債入札 独 ifo景況感指数(2 月) 23 米 7 年国債入札 16 23 20 年利付国債入札 24 25 24 米 新築住宅販売件数(1 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(2 月確報) 25 26 26 27 27 米 耐久財受注(1 月) 28 鉱工業生産(1 月速報) 商業動態統計(1 月速報) 住宅着工統計(1 月) 2 年利付国債入札 28 米 GDP(10~12 月期暫定) シカゴPMI指数(2 月) S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・12 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(2 月) *印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ 13 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) 四半期スケジュール 日 本 1 2 3 7 8 9 10 13 14 15 16 17 22 29 30 31 米 国 1 3 7 8 9 10 14 15 16 17 21 22 23 24 27 28 29 30 31 欧 州 9 3月 4月 法人企業統計調査(10~12 月期) 10 年利付国債入札 消費者物価(1 月全国・2 月都区部) 消費動向調査(2 月) 家計調査(1 月) 労働力調査(1 月) 30 年利付国債入札 GDP(10~12 月期 2 次速報) 景気ウォッチャー調査(2 月) 国際収支(1 月速報) 景気動向指数(1 月速報) マネーストック(2 月速報) 毎月勤労統計(1 月速報) 5 年利付国債入札 法人企業景気予測調査(1~3 月期) 企業物価指数(2 月) 第 3 次産業活動指数(1 月) 機械受注統計(1 月) 20 年利付国債入札 設備稼働率(1 月) 日銀金融政策決定会合(15・16 日) 日銀総裁定例記者会見 資金循環統計(10~12 月期速報) 全産業活動指数(1 月) 貿易統計(2 月) 40 年利付国債入札 商業動態統計(2 月速報) 2 年利付国債入札 消費者物価(2 月全国・3 月都区部) 鉱工業生産(2 月速報) 労働力調査(2 月) 家計調査(2 月) 3 日銀短観(3 月調査) 7 毎月勤労統計(2 月速報) 10 景気ウォッチャー調査(3 月) 国際収支(2 月速報) 13 マネーストック(3 月速報) 企業物価指数(3 月) 20 貿易統計(3 月) 27 日銀金融政策決定会合(26・27 日) 日銀総裁定例記者会見 日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解) 28 商業動態統計(3 月速報) 鉱工業生産(3 月速報) 11 景気ウォッチャー調査(4 月) 国際収支(3 月速報) 12 マネーストック(4 月速報) 15 企業物価指数(4 月) 30 商業動態統計(4 月速報) 31 鉱工業生産(4 月速報) 製造業ISM指数(2 月) 個人所得・消費支出(1 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) 非製造業ISM指数(2 月) 貿易収支(1 月),3 年国債入札 10 年国債入札 労働生産性(10~12 月期改訂) 30 年国債入札 連邦財政収支(2 月) 雇用統計(2 月) PPI(2 月) FOMC(14・15 日) ニューヨーク連銀製造業業況指数(3 月) 小売売上高(2 月) CPI(2 月) 住宅着工・許可件数(2 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(3 月) 鉱工業生産・設備稼働率(2 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(3 月速報) 景気先行指数(2 月) 経常収支(10~12 月期) 中古住宅販売件数(2 月) 新築住宅販売件数(2 月) 耐久財受注(2 月) 2 年国債入札 5 年国債入札 S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市 ・1 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(3 月) 7 年国債入札 GDP(10~12 月期確定) 企業収益(10~12 月期) 個人所得・消費支出(2 月) シカゴPMI指数(3 月) 3 4 5 1 ECB政策理事会 16 英中銀金融政策委員会(15・16 日) 7 10 11 12 13 14 17 18 19 20 21 25 26 27 28 製造業ISM指数(3 月) 貿易収支(2 月) 非製造業ISM指数(3 月) FOMC 議事録(3/14・15) 雇用統計(3 月) 3 年国債入札 10 年国債入札 連邦財政収支(3 月) 30 年国債入札 PPI(3 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(4 月速報) 小売売上高(3 月) CPI(3 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(4 月) 鉱工業生産・設備稼働率(3 月) 住宅着工・許可件数(3 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(4 月) 景気先行指数(3 月) 中古住宅販売件数(3 月) 新築住宅販売件数(3 月) 2 年国債入札 S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市 ・2 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(4 月) 5 年国債入札 7 年国債入札 耐久財受注(3 月) GDP(1~3 月期速報) シカゴPMI指数(4 月) 雇用コスト指数(1~3 月期) 27 ECB政策理事会 5月 3 4 5 10 11 12 15 16 18 23 24 26 30 31 製造業ISM指数(4 月) 個人所得・消費支出(3 月) FOMC(2・3 日) 非製造業ISM指数(4 月) 貿易収支(3 月) 労働生産性(1~3 月期暫定) 雇用統計(4 月) 連邦財政収支(4 月) PPI(4 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(5 月速報) 小売売上高(4 月) CPI(4 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(5 月) 鉱工業生産・設備稼働率(4 月) 住宅着工・許可件数(4 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(5 月) 景気先行指数(4 月) 新築住宅販売件数(4 月) FOMC 議事録(5/2・3) 中古住宅販売件数(4 月) GDP(1~3 月期暫定) 企業収益(1~3 月期暫定) 耐久財受注(4 月) 個人所得・消費支出(4 月) S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市 ・3 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(5 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) シカゴPMI指数(5 月) 11 英中銀金融政策委員会(10・11 日) *印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕 14 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) 今週の金融市場の動き [海外金利] ドルLIBOR 3M(%) ユーロドル金先(Dec17) 1/5 1/6 1/9 1.00928 1.01011 1.01483 1.01789 1.02178 1.02178 0.01167 98.510 98.470 98.485 98.485 98.480 98.495 0.025 1/10 1/11 1/12 1/13 前週末比 米国債(10年、%) 2.344 2.419 2.365 2.376 2.372 2.363 ▲ 0.056 スワップ金利(10年、%) 2.211 2.292 2.234 2.251 2.251 2.242 ▲ 0.050 独国債(10年、%) 0.243 0.298 0.278 0.285 0.328 0.316 0.018 英国債(10年、%) 1.292 1.383 1.335 1.362 1.347 1.299 ▲ 0.084 [内外株式] 1/5 ダウ平均(㌦) S&P500指数 NASDAQ総合指数 日経平均(円) TOPIX(Pt.) 1/6 1/9 1/10 1/11 1/12 1/13 前週末比 19,899.29 19,963.80 19,887.38 19,855.53 19,954.28 19,891.00 ▲ 72.80 2,269.00 2,276.98 2,268.90 2,268.90 2,275.32 2,270.44 ▲ 6.54 5,531.82 5,487.94 5,521.06 5,551.82 5,563.65 5,547.49 19,520.69 19,454.33 19,301.44 19,364.67 19,134.70 19,287.28 ▲ 167.05 1,555.68 1,553.32 1,542.31 1,550.40 1,535.41 1,544.89 ▲ 8.43 出来高(百万株) 2,046.39 1,861.89 1,894.68 1,944.34 2,007.01 1,600.20 ▲ 261.69 売買代金(億円) 24,359.64 23,537.37 25,992.82 21,801.67 23,761.95 22,566.06 ▲ 971.31 2,781.10 2,792.38 2,808.51 2,810.47 2,799.59 2,803.30 10.92 1/5 1/6 1/10 1/11 1/12 1/13 0.05600 0.05600 日経JASDAQ平均(円) 休場 26.43 [円金利] TIBOR 3カ月(%) 1/9 前週末比 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.00000 99.945 99.940 99.940 99.945 0.000 0.060 0.055 0.040 0.050 ▲ 0.005 ユーロ円金先(Mar17) 99.945 99.945 新発国債(10年、%) 0.055 0.055 長国先物(Mar17) 150.16 150.16 150.20 150.26 150.33 150.27 0.110 スワップ金利(5年、%) 0.074 0.076 0.073 0.070 0.061 0.066 ▲ 0.010 休場 [為替] 1/5 1/6 1/9 1/10 1/11 1/12 1/13 前週末比 円/$ 115.35 117.02 116.03 115.77 115.41 114.72 115.04 ▲ 1.98 $/EUR 1.0607 1.0532 1.0574 1.0554 1.0582 1.0613 1.0616 0.0084 円/EUR 122.36 123.25 122.69 122.19 122.14 121.74 122.13 ▲ 1.12 (注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。 東京市場の発行日表示値は終値もしくは 15:00 時点値。 米国 10 年債、米金利スワップ 10 年物は Bloomberg の終値。 日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。 TIBOR は全銀協発表のユーロ円 TIBOR 平均値。 新発 10 年国債は日本相互証券発表の気配値。 金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3 ヵ月金利先物。 独・英 10 年国債は Bloomberg の提示する終値。 為替は NY 時間終値(発行日のみ東京時間 15:00 時点、出所:Bloomberg) 。 15 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号) 最新リポート一覧 <みずほインサイト> 2016 年 1 月 11 日 世帯の年間収入格差が拡大~高齢者世帯の格差は中長期的には縮小傾向~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl170111.pdf 2016 年 12 月 27 日 中国為替操作国認定問題の行方~認定の可否と人民元レートへの影響の考察~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/as161227.pdf 2016 年 12 月 26 日 新興国を襲ったトランプショック~さらなる新興国売りに引き続き警戒が必要~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eg161226.pdf 2016 年 12 月 22 日 中国人民銀行の政策運営の展望~「緩和」から「中立」に移行しつつ安定維持に腐心~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/as161222a.pdf <内外経済見通し> 2016 年 12 月 8 日 2016・17 年度 内外経済見通し(2016 年 7~9 月期 GDP2 次速報後改訂) ~トランプ次期政権の政策を織り込み、米国中心に見通しを上方修正~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_161208.pdf 2016 年 11 月 15 日 2016・17 年度 内外経済見通し ~世界経済は緩やかに持ち直し、トランプは世界を変えるか~ http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_161115.pdf 2016 年 5 月 10 日 MIZUHO Research & Analysis no.1 特集 グローバル経済の中長期展望と日本産業の将来像~パラダイムシフトと日本の針路~ http://www.mizuho-fg.co.jp/company/activity/onethinktank/vol001/pdf/all.pdf 執筆担当者 ・市場調査部 武内浩二 野口雄裕 井上 淳 大塚理恵子 坂中弥生 03-3591-1244 03-3591-1249 03-3591-1197 03-3591-1420 03-3591-1242 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] ・欧米調査部 小野 亮 吉田健一郎 松本 惇 風間春香 03-3591-1219 03-3591-1265 03-3591-1199 03-3591-1418 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] ・経済調査部 有田賢太郎 大野晴香 上里 啓 高瀬美帆 03-3591-1419 03-3591-1243 03-3591-1284 03-3591-1416 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] 当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。 本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証 するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。 発行・編集/みずほ総合研究所 調査本部 〒100-0011 東京都千代田区内幸町 1-2-1 TEL.03-3591-1296 16 金融市場ウィークリー(2017 年 1 月 13 日号)