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デスクトップ・アウトソーシング・サービス
デスクトップ・サービスから 「デスクトップ・アウトソーシング・サービス」へ ユニアデックス株式会社 市場開発部 DTS事業企画 グループマネージャ 杉本 福次 はじめに 昨今、インターネット、イントラネット、電子メール といった企業内情報システムの展開に伴い、PCの普及 ユニアデックスは分散システム環境のサービスに特化 した専門企業として97年3月に日本ユニシスから生ま 度合いは96年度の3人に1台の割合から今日では1人 1台、もしくは複数台の環境へと進んできている。 れ、99年10月にメインフレームの保守事業および全国 ヘルプデスク・サービスに代表されるデスクトップ・ のサービス拠点を加え、メインフレームからデスクトッ サービスが登場した90年代初頭では、企業内情報ツー プまで全国均質なサービスと、さまざまなユーザ・ニー ルとしてPCが導入されることに伴い、今までPCを使っ ズに応えられるサービス専門会社となった。 たことがない人がPCを使って業務を行う上で、高機能 「ネット経済」、「Eビジネス」などと言われているイン なソフトの操作に迷ったり、操作ミスなどでPCが機能 ターネットを活用した現在の情報システムに求められる しなくなるなど、PC利用者への支援が必要となりヘル ネットワーク、クライアント/サーバ・システムに対す プデスクが生まれたことは周知のことである。 る高度な技術力、マルチベンダ対応力、ミッション・ク 今日では、PC環境のバックボーンとなるネットワー リティカルなシステムへの対応およびエンドユーザへの クも、エンドユーザの増加とともに大規模化・複雑化し 支援を企業スローガンである「Service Creators(サービ てきており、障害が発生した場合、利用者に与える影響、 ス・クリエータ)」のもと、顧客にとって最善なサービス 並びに業務損失は利用者数の数に比例して大きくなって として提供している。 いる。このため、PC、ネットワークを主体とした分散 本章では、 ユニアデックスが提供するITマネージング・ システムの利用に関しては、ネットワークを含めた運 ソリューションの1つであるデスクトップ・アウトソー 用管理とエンドユーザ支援をいかに行うかがポイント シング・サービスへの取り組みについて紹介する。 となっている。 また、PCクライアントの数が100台未満の小規模分 PCの普及に伴うサービスの変化 散システムでは、システム管理者を設けていないところ も多く、エンドユーザ支援やソフトウェアのアップデー デスクトップ・アウトソーシング・サービスとは、PC、 ネットワークおよびサーバに関する支援サービス(ハー ト、ネットワークの拡張時などシステムの変更を伴う諸 作業時への技術支援も多くの企業が求めている。 ド、ソフトの導入、保守、管理、ヘルプデスク、教育な このような状況からデスクトップ・サービスは、従来 ど)を提供することであり、サービス利用者はITの運用 のPCプラットフォーム中心からシステム管理者の代行 管理コスト削減と自社の人的資源の効率化を図ることに となるサービスへと移行しており、 現在では、 ネットワー ある。サービス範囲は従来のデスクトップ・サービスの クまでを含めたサービスをデスクトップ・アウトソー 対象であるPCプラットフォーム中心から、ネットワー シング・サービスとして捉えられている。 クおよびサーバの運用管理を含めた情報システム基盤全 体へとその範囲を広げつつある。この背景には大競争時 代を勝ち抜くためITがビジネスを創出するためのITへ TCO(Total Cost of Ownership) とサービス と変化していること、またコアコンピタンスの追求が行 われる中で、PC、ネットワーク主体のIT運用管理負荷 が増え続けている現状がある。 情報伝達の早さ、意思決定の迅速さ、ビジネス創出へ の柔軟性など、分散システム導入によるメリットは数多 くあるものの、運用管理の面では、エンドユーザの支援、 援にかかるコストを下げるものである。一般的にヘルプ 大量に購入されたPCやソフトウェアなどの資産管理、 デスク業務をサービスとして外部に依頼した場合、自前 コンピュータ・ウイルスや不正アクセス、サービス妨害 で行うより30∼40%程度削減(弊社試算)することができ 攻撃などからの保護、障害時の対応など、ホスト集中型 る。またハードウェア/ソフトウェア・メーカーごとの の情報システムと比較すると運用管理面の負荷が大きい サービス契約を一社に集約するなどして、運用管理面の ことがポイントであり、いかにこの部分のコストを下げ 負荷を減らし、トータル・コストを削減することも考え るかがTCO(Total Cost of Ownership)として注目さ られる。 れているところである。 この他にもASP(Application Service Provider )や 参考までにTCOコンソーシアムが98年12月∼99年 Network Computer、Net PCなど、新しい技術、シ 2月に調査した国内49社のTCO測定結果では、クライ ステム形態を採用し、 初期投資コストやオペレーション・ アント機器配備率が91.8%(ほぼPC1人1台環境)、クライ コストを削減する方法も考えられている。 アント機1台あたりの平均TCOは145万9千円/年で、 サービスを利用する場合、米国や国内での調査におい その内訳はハードウェア、ソフトウェアなどの資産 て重視するポイントは、①高い技術力を持っていること、 17%、技術サポート9%、管理2%、エンドユーザ運用 ②費用対効果のあるサービスが提供できること、③さま が72%となっている。 ざまな時間帯への対応が可能なこと、などの他に、④ TCOを削減するための施策として、1つはベンダの サービスを利用することが挙げられる。 これは、エンドユーザ運用コストを削減するためにヘ ルプデスク・サービスなどを利用して、エンドユーザ支 サービスを通じての問題点の指摘、改善提案などコンサ ルティング力、提案力なども選定基準としており、分散 システムを利用する企業は、高い技術力と信頼できる サービスを望んでいることがうかがえる。 上での1つのツールである。このツールや文房具の維持 ITサービスの動向とアウトソーシング 管理に自社の限りあるリソース(人的資源)を投入するこ 情報システムを取り巻く環境の変化に伴い、求められ とへの是非が、今、アウトソーシングという形で問われ るサービスは確実に変わってきている。 始めている。 野村総合研究所の調査ではポストY2Kとして注目さ 国内におけるアウトソーシングの浸透度合いとアウト れているのは、ネットワークの運用管理との結果もある。 ソーシングに対する利用者の意見をユニアデックスが実 IDC社の調査でもデスクトップ・マネジメントやネッ 施したアンケート結果よりまとめると、約600社の回答 トワーク運用管理のアウトソーシングが高い伸びを示し の中から“アウトソーシングを利用している” 、 “一部利 ている。これらの調査結果からも企業情報システムのア 用している”企業は約3割であった。また、 “利用して ウトソーシング化は着実に進むものと予想される。エン いない”企業でも約25%の企業が検討しているとの回 ドユーザが使用するPCが、1つの文房具として位置付 答があり、アウトソーシングは今後も増加するものと予 けられるのであれば、情報システムもビジネスを進める 想される。 ユニアデックスが提供するサービス体系「Customer PLUS」 ネットワーク・インテグレーション ネットワーク セキュア・ネットワーク構築サービス ソリューション Internet/Intranet サーバ構築サービス DT Outsourcing ソリューション あなたのビジネスを 知ることから始まる サービス NetMAN / HelpMAN ネットワーク・セキュリティ診断・監視サービス サーバ運用管理サービス デスクトップ運用管理サービス Customer マネジメント PLUS ソリューション OP Mgt IT 運 管 シ 構 築 支 援 エンタープライズ サポート サーバ サービス システム オンサイト型運用業務代行 オンサイト型運用管理業務デザイン ヘルプデスク/資産管理システム構築支援 ネットワーク運用管理システム構築支援 C/SS運用管理構築支援 TNG統合運用管理構築支援 IX & 2200 Series サポート・サービス NX & A Seriesサポート・サービス UNIX(HP、SUN)サポート・サービス クライアント サーバ システム NTサーバ サポート・サービス Linux サポート・サービス PC サポート・サービス Solutionサーバ サポート・サービス(RX/S-8) しかし、セキュリティが心配、コストがかかる、技術 ノウハウが残らない、業務の整理ができていないなど、 アウトソーシングを検討する上での課題も数多くある。 業務を委託する側もされる側も同じ土俵でアウトソーシ ングの内容、品質を定めることが重要であり、そこに サービス・レベル・アグリーメント(SLA)が存在する。ア ウトソーシングにSLAは必要不可欠なものであり、成 功につなげる鍵となる。 アウトソーシングに対する感触としては、利用してい る企業で、その内容に満足しているとした割合は約4割 であり、導入のメリットとしては、利用者へのサービス 向上、コスト削減、リスク回避、煩わしい作業からの解 放、本業への注力などが挙げられている。 情報システムのアウトソーシングはメインフレームか ら着実に分散システムに移ってきている。特に分散シス テム環境では、技術知識が豊富な運用管理要員の確保、 並びに育成が難しくなっている中、サービスにより補完 することで運用コストの削減を図る動きが盛んである。 分散システムのアウトソーシングは、システム全体の 運用管理をアウトソーシングするケースと、エンドユー ザ支援やプラットフォーム部分の運用管理など、部分的 な業務をアウトソーシングするケースに大別できる。ま た、サービスの実施形態もシステムを預かった形で提供 PC ) の障害監視」、「ネットワーク機器の障害監視・切り する形態と、サービス要員を依頼元に常駐させる形態、 分け」の分野に、 ‘HelpMAN’は「ヘルプデスク(システ および遠隔にて対応する形態(定期訪問型も含める)の ム管理者向け/エンドユーザ向け)」の分野に注力したも 3通りとなろう。 のである。 ユニアデックスでは、分散システムの運用管理におい リモート監視サービス並びにヘルプデスク・サービス て煩わしく思われている作業、技術的知識や時間的な問 ではユーザが自前で実施することに比べ、約40%の運 題から困っている作業に焦点を当て、分散システムの運 用管理コストを削減(弊社試算)する。 用管理負荷軽減を目指した新しい形のアウトソーシン ‘NetMAN’のリモート監視サービスは、遠隔にてお グ・サービスとして、 ‘NetMAN’ 、 ‘HelpMAN’ を98年 客様の分散システムを24時間365日監視し、万一の異常 3月にリリースした。これらのサービスは部分的な業務 時には障害箇所の特定、お客様やベンダへの連絡を行う のアウトソーシングを遠隔にて実施するものであり、い ことにより、システム管理者がネットワーク・システム わばデスクトップ・アウトソーシング・サービスの1つと の稼働管理や障害時における、さまざまな業務負荷を軽 いえよう。 ‘NetMAN’は「サーバ(オフコン、UNIX、 減するものであり、 業種・規模を問わず多くの企業にサー ユニアデックスでは遠隔型でサービスを提供するに ビスを提供している。 また‘NetMAN’のホームドクター・サービスは、 は、ユーザとのリレーションを一層密にする必要がある システム管理者、ネットワーク管理者を対象とし、日々 と考えている。従来から実施しているサービス結果の 進化を遂げるネットワーク・システムへの技術的支援を フィードバックや定例会などでの相互意見の交換に加 行うものである。 え、今後は、「ユーザが必要な時に必要な情報が引き出 ‘HelpMAN’のヘルプデスク・サービスのメニューは、 せる」、「サービス結果が確認できる」といった利便性が エンドユーザを対象としたものと、システム管理者、ま 享受できる遠隔サービスの提供を図るとともに、ユニア たは企業内のヘルプデスク担当者を対象としたものが用 デックスの事業基盤であるネットワーク技術力、マルチ 意されており、システム管理者の有無、運用管理負荷の ベンダ対応力、およびデスクトップ・アウトソーシング・ 程度などユーザの環境に応じた支援を提供することがで サービス体制の「フルサービス」でお客様の課題を解決す きる。 る所在である。 の ットワーク オープンネ グサービス ン シ ー ソ アウト