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日英産業事情応用研究(U.K.プログラム)事後レポート 担当企業:Deloitte

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日英産業事情応用研究(U.K.プログラム)事後レポート 担当企業:Deloitte
日英産業事情応用研究(U.K.プログラム)事後レポート
担当企業:Deloitte (現地時間 2/7 AM)
応対者:Simon Hammett, Shuichi Morishige, Peter Greenslade
プレゼンテーション概要および所感
Deloitte は世界的なコンサルティングファームであり、140 カ国以上で 170,000 人のプロフェ
ッショナルが活躍している。世界の大企業の半分以上とビジネスをしている。イギリスには
12,000 人のプロフェッショナルがおり、アメリカに次いで 2 番目に多い。離職率は年間 20%程
度であり、1 年間で 3,000 人を採用している。英国に投資する企業や英国から投資する企業のコ
ンサルティングや税務処理が国際的な業務であり、M&A 戦略や PMI(post-merger integration)
のアドバイス等も行っている。具体的に事業部門は、Audit(監査)、Taxation(税務)、Consulting(コ
ンサルティング)、Corporate Finance(ファイナンシャル・アドバイザリーサービス)の 4 つの部
門で構成され、それぞれがほぼ均等な割合で売上を占めている。
Deloitte U.K. には、Japanese Services Group ”JSG”と呼ばれる日本企業関連業務を担当す
るグループがあり、応対をして頂いた森重秀一氏は、JSG の Director である。日本企業につい
ては、日本市場の縮小により、海外への進出が不可避の状況にある。市場としては次の BRICs
はどの国か、ということが重要である。最後のマーケットはアフリカである。
U.K.においては、VAT(Value Added Tax)(消費税, 付加価値税)が 20%であり、日本の 5%
よりも税率が極めて高いなど、税制をはじめとしたビジネス環境が大きく異なっている。
Deloitte では、四半期毎に UK 主要企業の CFO を対象として、経済動向調査「The Deloitte
CFO Survey」を実施しているが、2012 年について、各企業の CFO にとっての一番の懸案事項
のキーワードは、ユーロ危機、不況、不確実性といったものである。これらの影響による財政
的圧迫による収益やキャッシュフローへのストレスや、銀行の経営破綻などが連鎖することに
対する不安は大きい。2012 年におけるキーポイントは、87%の CFO が、今はバランスシート
上で更なるリスクをとるべきではないと考えていることである。
また、プレゼンテーション終了後の Q&A では、イギリスの経済政策についての質疑があり、
現在のイギリスにおける失業率はおよそ 9%。若年層ではさらに増える、というネガティブな予
測がされていることや、それに応じて、イギリス政府が経済刺激策としてインフラに大きな投
資をする計画を立てている等の回答が得られた。現在、五輪との関連事業も進行している。
所感として、現在のユーロマーケットの厳しさを認識し、
多くの CFO が守りの経営に入る中、
Deloitte としては、懸念事項に対する対応方針を提示すると同時に、この景気後退局面において
成長機会を求めるクライアントの支援をいかに行うか真価が問われる局面である。日本人専門
家による JSG のようなきめ細かいサポートが、強みとして発揮されるかどうかが重要であろう。
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