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市議会と高校生との意見交換会

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市議会と高校生との意見交換会
市議会と高校生との意見交換会
【開催日】 平成 28 年 2 月 13 日(土)
【場
所】 大津市生涯学習センター
(センター主催の「マナちゃんセミナー」として開催)
【参加者】
大津市議会議員 10 人
伊藤 茂議員、清水 ひとみ議員、河井 昭成議員、岸本 典子議員、山本 哲平議員、
河村 浩史議員、西村 和典議員、嘉田 修平議員 津田 新三議長、伴 孝昭副議長、
(傍聴・・・改田議員、川口議員、草野議員、近藤議員、杉浦議員、鷲見議員、高橋議員、竹内照議員、竹内基議員、
立道議員、浜奥議員、林議員)
市内高校生 6 人
梅田 利奈さん、大村 彩さん、高井 知可史さん、
高見 健さん、田中 慶さん、廣田 章太郎さん
寺田 智次 生涯学習センター所長
<18 歳って大人ですか?>
寺田所長
昨年の夏の朝日新聞の調査で、
「18 歳は大人だと思いますか」という質問がありました。皆さんは 18
歳は大人だと思いますか。
山本議員
政治を考えるということをベースに、18 歳が大人かどうかと考えていきますと、私は大人だろうと思
います。15 歳で義務教育を終えてプラス 3 年間、高校での学業、あるいはもう社会に出ている方もおら
れますけれども、一定の経験を積んでいると思います。その経験を踏まえれば選挙での判断は十分でき
ると思いますので、そういう点では大人であると考えています。
梅田さん
私の中では社会に出て働いたり、一人でちゃんと暮らしていけるのは 18 歳以上だと思っているので、
もう大人かと思います。
1
田中さん
18 歳までは「高校生」だと思っています。学校で勉強を教えても
らうなど、基本的にやってることはすごく義務的なこと。20 歳で大学
生や社会人になって活動をしていくことが、選挙に関して主体的な考
え方を持つということに重要な意味を持っていると思います。18 歳で
は、政治についてしっかり考えられる人はあまり多くないんじゃない
かと思います。
清水議員
私は、自分が正直に生きていくことがすごく大事だと思うし、そのことに対してしっかり責任をとる
思いがある人を大人というのではないかと思います。その年齢をどこに線引きをするかということはす
ごく難しいと思いますが、実際にほとんどの人が高校に進学するという状況の中であっても、基本的な
学習は済んでいて、そこから色んなことを考えられる年齢になっているので、たとえ学生であったとし
ても、もう大人という自覚で社会に目を向けていってほしいと思います。
寺田所長
朝日新聞の調査の中では、18 歳は大人だと思う人もそうでない
と思っている人も、今回の 18 歳に選挙権年齢が引き下げられたこ
とについては、ほとんどの人がいいことだと言っています。それは
未来を背負っていく若者たちに、できるだけ早くから政治に対して
関心を持ってもらうことが、社会にとっては非常にいいことなんだ
と考える人が多いということです。
<高校生も地域活動したい?>
寺田所長
皆さんが住んでいるまちのために、高校生であっても何か行動すべきであると思いますか。高校生た
ちは何か地域活動をしようという気持ちを持っているのか聞きたいんですが、どうですか。
高見さん
高校生であっても一市民という存在であるので、地域活動はするべきという意識はありますけれども、
実際にその意識を活かしていく手段というのは、今のところあまりありません。活かしていけるかと言
われると、やっぱり難しいものがあります。
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岸本議員
高校時代はこれから社会に参加していくという、自分がどんなこ
とに関わっていけるかを「探す」時期だと思うので、今いろんなこ
とを経験して探してほしいと感じます。
高見さん
高校という閉鎖的な環境の中に過ごしているので、そういう意味
で社会参加というのは、大きな経験という意味では、非常に意義が
あるのかなと感じました。
高井さん
社会の関わり方というのが、人によって高校では早いか
遅いかというタイミングがあるので、高校という括りの中
でまとまってボランティアや社会参加をしたとしても、全
員が社会参加をしたいという思いを持っているわけではな
いので、個人がそろそろ社会に出るべきだなという自覚を
持ったときにやるのが、私は一番いいと思います。
<議員として何をしたい?>
寺田所長
今、自分たちは市議会議員として、これをやりたい、こういう目標を持っていたいという思いを教え
てください。
河井議員
いい社会をつくりたいのは議員みんな同じです。私は、いい社会とは選択肢の多い社会だと思います。
次の世代の皆さんがこの社会を担うときに、たくさんの選択肢の中から道を選べるようにするのが、私
達の仕事だと思っているんです。それはとりもなおさず、自分たちの選択肢を広げるということでもあ
ると思います。だから皆さんのためだけではなく、私たちの世代、それから先輩の世代に対しても、選
択肢の多い社会を作りたいという思いで仕事をさせていただいています。
伊藤議員
自分はどんなことを吸収して、周りに発信できるかというこ
とを考えながら、市議会議員としていろんなことを学び、気づ
き、そのことを発信していきたいと思っています。目的と目標
をはっきりと持つべきだなと思います。
3
近藤議員
市議会議員になったばかりのころは地元を良くしたい、住みよいまち
を築きたいということを考えてやってきましたが、最近、地元だけでな
く、大津市全体も変えていかなければいけないということも感じていま
す。身近にできることから、自分の力量にあわせて取り組んでいきたい
と考えています。
<高校生の疑問①:議員って普段何してるの?>
廣田さん
市議会議員さんが具体的に日常でどんなことをされているのかというのが分からないのですが。
西村議員
地域社会とのパイプ役ですので、議会がないときは地元の皆さんとの対話の時間を持つように一生懸
命頑張っているところです。
伴副議長
民生委員、消防団、体育関係など、今までいろんなボランティア
をしてきました。その中で市議会議員というのはボランティアの延
長的な感覚でできるかなという気持ちと、今までずっと生まれ育っ
たまちをなんとか良くしたいという気持ちで活動しています。
<高校生って政治の話する?>
寺田所長
高校生は、友達同士で政治の話とかはするんですか。
大村さん
政治について友達と深く議論したりすることはあまりないように思います。
高井さん
私も友達とは政治の話はほぼしません。関心ある友達も多いと思うんですが、そういうことを表に出
さないので、会話には至らないのかなと思います。
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寺田所長
政治の話とかすると意見が対立する、対立して揉めたくない、そう
いう意識もありますか。
高井さん
多少はありますね、やっぱり議論が対立すると熱くなってしまい、
仲が悪くなるということも考えられるので、そういうことがひっか
かって話さないのかなと思います。
田中さん
私の周りも政治の話は全然しなくて、話をするとすれば、
「議員が問題を起こした」とか悪いニュース
のときだけで、特に支障なく政治が行われているときは、私たちも何も思わず生活していて、私の周り
で全然話がでないのということは、市議会議員の皆さんがいい政治をされていらっしゃるんだと思いま
す。
<大津市政のこと知ってる?>
寺田所長
政治の話と言えば、イメージするのは大体国政レベルの
話ですが、大津市政のことで話をすることはありますか。
廣田さん
大津市政の話はほとんどしないのですが、自分たちのま
ちでどんなことが具体的に行われているかということすら
良く分かっていないので、何を言っていいのかさえ分から
ないというのが現状だと思います。
<個人の力って小さいの?>
寺田所長
日本青少年研究所の調査では、日本の高校生の8割が「個人の力で日本政府の政策決定したことに対
して影響を与えられない」と答えています。個人の力で政治に影響を与えるということは難しいと思い
ますか。
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高井さん
一人でやれることは限られているので難しいと思います。でも、
同じような意思や目的を持った人が 10 人、50 人と集まって「これ
を変えてほしい」と言うのであれば可能かと思います。
大村さん
私は、政治じゃなくても「一人でやり始める」ということ自体が
難しいと思います。やり始める勇気もいるだろうし、言い出したり
することも難しいので、一人でやるのは厳しいと思います。
寺田所長
日本人の 18 歳と比べると、外国の 18 歳の人達は個人の力でも政治を変えられるような意識を持って
いる人が非常に多いという結果(アメリカ:約 4 割、韓国:約 5 割)がありますが、これについてどう
思いますか。
嘉田議員
私はやはり一人ひとりが動いて、その積み重ねで社会は形成されていると思います。持論ですが、い
わゆる合議制というのも、結局は個人がベースにあって、10 人いてもその中の一人の意思が広まってい
るだけだったりすると思います。その一人というのはずっと同じではなく、場合によっては違うかもし
れませんが。そのように考えた方が社会はおもしろいんじゃないかなと思いますね。
岸本議員
先ほど、一人では無理かもしれないけど、10 人とか 50 人とかなら
変えられるとおっしゃいましたが、その一人になることが大事だと思
うんです。今の時代は SNS があるので、一人の発信で広がっていく
こともあるし、それがきっかけになって政治が動いていくこともある。
ただ、SNS で気をつけてほしいのは、いろんな意見があるので、皆さ
んがどれが正しいのか、自分の考えはどれなのかということを勉強し
てほしいとは思いますけれども、まずは勇気を持って、その一人にな
ってほしいと思います。
河井議員
一人の人が思いを持って動かなければ何も動かないので、一人の力をあきらめないようにしようと思
います。自分が気づいたことや考えたことをみんなに伝え、それに共感してほしいと思いませんか。議
会での議論というのはそういうことを通じて、共通点を探していく作業だと思っているんです。共通点
が増えていくと、同じことを思う人が増えていく。言葉を使って自分の考えを伝えて、共感、若しくは
違う意見でもいい、何かが見つかるかもしれないから話すんだと思います。私は、その作業は一人の力
を信じているからやっているんじゃないかと思うんです。政治の世界だって、社会だって同じようにや
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ってるんじゃないかというのが私の理解です。
<高校生の疑問②:議員のやりがいって?>
寺田所長
話してみると、市議会議員さんって熱いと思いませんか。非常に情熱を持っておられるんですよ。日
ごろ、どういう活動をしているのかはなかなか見えにくいですが、一人ひとりは非常に熱いものを持っ
ておられるんです。それを伝えられないのが難しいところですが。ほかに市議会議員さんに質問したい
ことはありますか。
高見さん
市議会議員をしていて、やりがいや達成できて嬉しいことは何ですか。
山本議員
現状を変えたい、大津市を良くしたいという思いで市議会議員をやっていますので、自分の求めてい
るものが結構高すぎて、そこまでいかないことがほとんどで、どちらかといえば反省の方が多いんです。
ただ、これまでの議員生活をじっくり振り返れば、最初自分が市議会議員になった時から比べると、今
は目指しているところへだいぶ近づいてきてるのかなと思います。そう考えれば達成感がありますね。
髙橋議員
私たちは一人の人からご相談いただいたり、なかなか政治に届かない声
を聞いたり、そういった立場で仕事しているので、お聞きしたことを実現
できてその方が喜んでいただけた時が一番嬉しいと思いますね。なかなか
一人ではできなくて、たくさんで集まったらできるという、一言でいうと
政党の役割も大きいと思います。また市議会議員が何をしているのか分か
らないということですので、私たちももっとすべきことがあると思います。
<1 票の重みを感じますか?>
寺田所長
よく「1票の重み」と言いますが、どういう時に市議会議員は1票の重みを感じますか。
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河村議員
議員の意識というよりは、市民の方が自分の票に対して重さ
を感じていただかないといけないと思っています。どうすれば、
この「1票の重み」を感じてもらえるかと考えているんですが、
日本の場合、学生の間にあまり自分の票で何かが変わったとい
う経験をしていないと思うんです。学生にとって一番身近な、
政治に近い存在というのは生徒会だと思うので、まず学校で生
徒会がもう少し力を持ってもいいと思います。すると、生徒会
長を支持したいと思う人の投票行動にも繋がる。そういった活
動を学生時分からやっていけば、子どものうちから「1票の重
み」というのを多分感じることができる、自分の票によってそ
ういうことが決定したっていう。そういう子どもの時からの経験が大事だと私は思います。
寺田所長
非常に重要な意見だと思います。政治の場面だけではなく、地域や家庭の中などで一人ひとりが発言
や行動をすることで、何かを変えることができるのか、最初の質問にも通じますが、そういうことだと
思います。
<18 歳で投票できるっていいこと?>
寺田所長
県の選挙管理委員会が高校 2 年生にアンケート調査した結果では、選挙権年齢が 18 歳に引き下げられ
たことについて、
「良いと思う」が 28%、
「良いと思わない」が 29%でした。
「良いと思う」
、
「思わない」
、
そして「分からない」が 1/3 ずつに上手に分かれたんですね。3割も選挙権年齢が下げられたことを良い
と思わない方がいる理由をどう考えられますか。
梅田さん
社会にまだ出ていない状態で、本当に自分がした投票で正しいのか、
そういうことに責任を持てるのかという不安な状況であるのではな
いかと思います。
高見さん
20 歳になったら、高校も卒業して2年間、大学であったり社会に
出て仕事をしたり経験を積めるので、ある程度大丈夫なのかなとい
うのはあるんですけど、やっぱり 18 歳は高校生にとってすごく目前
に迫っていてとても身近に感じるので、それだけの期間で自分が果たして正しい判断を下せるようにな
るのか不安になって、その結果が 29%なのかなと思います。
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清水議員
日本の子どもたちの生育歴も関係してるのではないでしょ
うか。海外では子どもの時から「自分のことは自分で決めな
さい」とか、
「親は親で行動するけどその間あなたたちは自分
でしなさい」という風土があって、でも日本はわりと家族で
ずっと一緒に行動して、親の保護の下に育ってきていますよ
ね。学校教育でも政治のことは中立の立場でいましょうとい
うことが強く出すぎて、政治教育が全然されてこなかったと
いう歴史があって「知らないからなんか怖い」というのがあ
ると思うんです。その上で先ほど、まだ責任が持てないし不
安に思うとおっしゃったのを聞いて、それならば私達は市議会議員の立場で、若い人にしっかり訴えて
いかなくてはいけないということを感じています。
伊藤議員
全部知ったから責任を持てるのかと言えばそうでもなく、どこまで知ったら全部だと言えるのかとい
うのは難しいと思うんです。どこかで線を引いて、これだったら「まあいいかな」という判断を下さな
いといけないけれども、自分に責任が持てる判断の基準さえ持ってもらったらいいのかなと思います。
<どうやって政治家を選ぶ?>
寺田所長
自分が投票行動をする時にどういうところで選びたいと思いますか。人柄や政治理念、日常での活動
など、いろいろあると思うんですけど。そして、市議会議員さんたちはどうやってそのことを知っても
らおうとされていますか。
大村さん
自分に身近なことに関わる政治目標などを掲げている人達の方が推しやすいと思います。例えば今だ
と高校に関して、教育。大人になったら、地域との関わり方で、自分の気になっていたことを改善する
と言われたら、その方が身近なのではと思います。
廣田さん
候補者の方が掲げている公約を見て、関わりがあったらいいと
思うのではないでしょうか。無所属と政党に所属している人を比
べたら、政党に入っている人の方がしっかり政治家としての訓練
を積んでいると感じられるので、まずは公約で選んで自分の身近
にいる人に、それでも分からなかったら政党ブランドで有名な方
に投票することになると思います。
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田中さん
議員になって何をしていくか具体的な変化を示してくれたら、私たちもこの候補者を選んだらこうい
うことになっていくと明確に思うのではないでしょうか。
「この候補者が当選したらこのようなことがで
きる」という明確な判断基準があったら、分かりやすく判断できると思います。
清水議員
今の話を聞いて、
「議員の見える化」に努めるべきと感じました。日頃どんな活動をしているのか、公
約に掲げたことがどこまでできているのか、常に発信していかなければならないと思いました。普段は
市民相談で一人の方の声を聞きながら、それを大津市政に反映していくために、自分ができることをや
っています。
「この市議会議員はこんなふうに活動している」、
「こんなふうに実現させた」ということを
知ってもらうためには、市議会としても議員個人としても、努力を惜しんではいけないと感じました。
山本議員
インターネットを使った活動は若い人には効果的なので、私はブログを有効活用しながら、自分自身
の活動の報告をしています。一方で、パソコンを使えない方のほうが私は接する機会が多いですが、そ
ういう場合はチラシを配り、
「実際こういう活動をしてきました」と一軒一軒家をまわる活動、それと同
時に駅に立つ活動。そういった活動を今まで継続してきています。
西村議員
この形が本当に正しいのかは分かりませんが、私もリーフレッ
トを作って地域の皆さんの家をまわりポスティングしたり、挨拶
させていただいたり、駅立ちで有権者の皆さんと会話をさせても
らっています。
河村議員
今回のこういった場をもっともっとやっていきたいですね。個人の力では無理なので、教育現場と行
政、議会が連携して、こういった場をもっと持っていかなければいけないと思います。
高井さん
こういう機会があると、こちらからも議員、政治に対して関わっていきたいという思いが強まります。
積極的に関わっていくことが、自分たちに求められていると思いました。
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<投票する意味って?>
寺田所長
アンケート調査によると、現実の話として政治に関
心のない高校生が5割を超えている状況の中で、せっ
かくの選挙権年齢引き下げが政治に反映されるために、
何かアイデアはありますか。
大村さん
直接的な繋がりがあった方がいいのではないかと思います。議員や政治に関わる人が学校へ直接来て、
生徒と今回のように意見を交わしながら深めていけたら、生徒は楽しかったと思えるのではないでしょ
うか。
寺田所長
こういった機会を設けて市議会議員と身近に交流すると、議員自体を身近に感じたり、議員活動がな
んとなく理解できるようになり、そのことで政治に対する関心、理解が深まると思います。そういうこ
とがなかなかできていないのは事実ですね。
田中さん
台湾を例にあげると、自分たちのアイデンティティが脅かされたから政治に参加するという意見があ
りましたが、日本はそういうことがほとんどないので、政治に参加するという意義が見出せない社会だ
と思います。政治へ興味をもたない社会になっているのを根本的に変える必要があると思います。
寺田所長
存在そのものが危うくなるような政治的に危険な状態である中での関心の高まりと、日本のように非
常に安定した平和な国家の中での政治に対する関心を比べるとまた違うのかも知れませんが、事の重大
性は別にして、どちらもいろんな課題があるのは事実だと思います。そのような中でせっかくの権利を
行使してもらうためにはどうしたらいいのでしょうか。
高井さん
なぜ 18 歳から投票に行って、政治に関心もたなくてはだめなのか、具体的に明記してもらったり、政
治に参加するメリットをもっと大々的に告知したり、説いてもらったら、政治に興味・関心をもって、
投票に行くという意志や理由が見つかるようになると思います。
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河井議員
ここから先、長い年数、社会に出て活動するなかで、自分が参
画する社会がどうあるべきかを選挙に参加して考えてほしいと思
います。さっき PR をと言われましたが、そのあたりは私たちも
もっとやらないといけませんが、まだまだ足りてないのが現状だ
と思います。ぜひいろいろ聞いて、自分がなぜそれをしなくては
いけないのかを考えてください。自分で理由を見つけられること
が一つ大人の条件だと私は思っています。先ほど、責任感がある
から投票に対して不安だとおっしゃいましたが、私はそこも探し
ながら、失敗してもいいからしっかり投票してほしいです。
岸本議員
選挙は義務ではなく権利です。自分はどう思うかというのを投票「できる」、「しなければならない」
ではなくて。私たちとしては、できるだけ多くの人に関心をもってもらうための努力をしなければいけ
ないと思います。大津市議会としてもメリット、意義をアピールする努力をし、大津は今どんなことが
問題となっているのか、できるだけ明らかにしていく必要があると思います。そのために市議会議員が
力を合わせてやっていくべきだと感じています。
山本議員
選挙の投票権は皆さんが払った税金の使い道を決める人たち、政
治家を選べる権利です。自分が払った税金がどのように使われるか
に関われるものが選挙であるので、それを考えていただきたいです
ね。僕の税金、私の税金がどう使われるのか、常日ごろから考えて
いただくと、自然に政治に興味・関心をもっていただけるのではな
いかと考えています。
嘉田議員
責任感があるならまず投票してほしいと思います。投票する
ことで変わることもあります。投票することで、この候補者が
当選して何をやったかということに興味がわくという言い方も
できます。選ぶ方向性も「正しい」じゃなくていい。まずやっ
てみること、それが社会への参加の一歩だと思います。私は一
票の重みを感じますが、やはり一投票者として投票した経験か
らそう思います。ぜひ投票してほしいです。
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<大津市議会ってどう?>
寺田所長
市議会議員の仕事は、基本的に議決をすることです。議決とは市長が提案した案が適正かどうか判断
して、正しければ「それを進めなさい」
、だめであれば「これを修正しなさい」というのが基本的な仕事
です。もう一つは監視することです。市長が税金を使っているのを監視する仕事があります。全国でも
稀な例ですが、大津市議会は、議決するだけでは議会の意思を積極的に市政に反映させていけないとい
う意識から、考え方も政治理念も違ういろいろな議員たちが一つになって、自分たちで大津市に条例を
提案されました。これは非常に画期的なことです。それを提案することによって、大津市を変えていこ
うとしておられます。それが全国で評価されて、全国二千何件の応募の中からマニフェスト大賞に 3 年
連続で選ばれました。昨年は、市議会議員の任期 4 年の間に議会として何をするかというロードマップ
を策定したことが評価されて、優秀成果賞を受賞されました。ロードマップというのは実施計画書のよ
うなものです。来年はこれをやる、再来年はこれをやると。これは市議会議員が自分の行動に責任を負
ってやろうとしておられるということです。これに対して、高校生たちはどのように評価されるかお伺
いしたいと思います。議会運営委員会の竹内委員長、補足をお願いします。
竹内照議員
先ほど政党という言葉がでましたが、大津市議会は政党を中心とした会派というグループがあります。
議員 38 人が党派別に別れた会派が8つあるんです。17 人の会派もあれば、一人の会派もありますが8
つの会派があります。そこから今日のように、各会派
から一人ずつ出てきてもらって、一つの条例なり計画
をみんなの知恵を出し合って、党派や会派を超えて、
一つのものを作り上げようというのが政策検討会議で
す。昨年4月の選挙で 38 人の新しい顔ぶれの議会に
なりましたので、この4年の任期のなかで、今年はこ
れをしましょう、来年はこれしましょう、というのを
まとめたのがミッションロードマップです。それも各
会派から一人ずつ出てきて、作り上げるという政策検
討会議の仕組みを使ったということです。
田中さん
他の市とは全然違うこととして、主体的に行動されていることはいいことだと思いました。いろんな
意見があるなかで、いろんな意見に触れて、議員同士の関係を保てるのはいいことだと思いました。
高見さん
38 人議員がいらっしゃるなかで、8つの会派ごとに議論したものを、政策検討会議でさらにひとつに
まとめる流れは分かりました。いいことだと思いました。
13
<まとめ>
寺田所長
皆さんご存じのとおり、選挙は義務ではありません。行かねばならないということではありませんが、
権利が生まれるまでに、特に女性の場合は、参政権が認められてからまだ 70 年しか経っていません。そ
れまでに多くの女性が大変な苦労をしてこられました。その中で生まれた権利です。権利が未来永劫保
障されるかは分かりません。だから権利を守るためには、この権利を実行してほしいと思います。若者
だけでなく市民全体が、政治への関心を深め、自分たちの投票する権利を行使してほしいと願っていま
す。
津田議長
昨今は地方議会のことは残念ながらあまり報道されず、市民の関心がなかなか高まっていない状況、
特に若者の声が政治に届かない状況を大変危惧しています。そこで市議会として何ができるかを考えた
とき、若者の議会への関心と投票率向上の仕組みづくりが重要であり、そのために市議会をあげて積極
的に取り組んでいきたいと考えました。今回のような機会を通じて、政治に関心を持っていただくこと
が、高校生のみなさんにとって社会に参加することの第一歩になるのではないでしょうか。そしてまた
近い将来、政治に参加していただくことへ繋がっていくことを期待します。
※最後に、実際選挙で使用されている投票箱を
用いて、「18 歳になったら投票にいくか」を模
擬投票しました。
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