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- 1 - 都心部活性化特別委員会行政視察概要 1 視察月日 平成22年11

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- 1 - 都心部活性化特別委員会行政視察概要 1 視察月日 平成22年11
都心部活性化特別委員会行政視察概要
1
視察月日
平成22年11月8日(月)~11月9日(火)
2
視察都市及び視察事項
(1)福岡県福岡市
外国クルーズ客船寄港による福岡市経済への波及効果について
(2)岡山県
医療観光ツアー商品化モデル事業について
3
視察委員
委 員 長
酒
委
田野井
員
井
同
福
田
同
渡
邊
誠
一
雄
進
忠
則
- 1 -
視察概要
福岡県福岡市
1
視察月日
11月8日(月)
2
対 応 者
3
市議会事務局総務課総務係長
(受け入れあいさつ)
経済振興局集客交流部誘致宣伝課長
(説明)
視察内容
外国クルーズ客船寄港による福岡市経済への波及効果について
(1)事業概要
・
集客産業の発展に向けた取り組み
福岡市では、集客交流戦略として官民共働による集客産業の発展に
取り組んでいる。
民 と 官 に よ る 「 オ ー ル 福 岡 」 体 制 で の 取 り 組 み と し て 、 2 0 0 3年 1 1
月に29団体36名で、ビジターズ・インダストリー推進協議会を設
立 し た 。 こ の 協 議 会 は 、 2 0 0 7年 に 2 0 0 8年 か ら 4 年 間 期 間 限 定 で 戦 略 的
に プ ロ ジ ェ ク ト を 企 画 ・ 実 施 す る 組 織 に 改 編 し て い る 。 2 0 0 8年 に は 、
「福岡にぎわいのまちづくり戦略2011」を策定し、部会によるプ
ロジェクトを官民共働で推進した。
・
「福岡にぎわいのまちづくり戦略2011」
「 福 岡 に ぎ わ い の ま ち づ く り 戦 略 2 0 1 1 」 は 、 戦 略 目 標 年 を 2011
年 と 定 め 、 年 間 観 光 消 費 額 を 4,000億 円 ( 2 0 0 6年 3,000億 円 ) 、 イ ン バ ウ
ン ド ( 外 国 人 来 訪 者 ) を 1 0 0万 人 ( 2 0 0 6年 6 2 万 人 ) と す る こ と を 達
成目標としている。
①プロモーション(国内外の来訪者へ多様な魅力を発信)、②おも
てなし(おもてなし文化の醸成とおもてなし力の向上)、③魅力・回
遊性(滞在と消費をふやす回遊性の向上と集客エリアの充実)を3本
の 柱 と し て 、目 標 達 成 の た め の 6 つ の 重 点 プ ロ ジ ェ ク ト を 挙 げ て い る 。
(ア)アジアプロモーションの実施
(イ)受け入れ環境の整備
(ウ)次世代ビジネス人材のアジア交流促進
(エ)都市回遊の促進
- 2 -
(オ)集客拠点の活性化
(カ)新しい集客資源の開発
2 0 0 9年 に は 、 こ の 重 点 プ ロ ジ ェ ク ト を も と に 各 施 策 を 実 施 し た 。 今
年 度 は 、 2 0 1 1年 に 向 け た 仕 上 げ の 年 で あ り 、 さ ら な る コ ン テ ン ツ の 充
実を図る。(現在の会員数は78企業・団体、82名)
2 0 1 1年 は 、 九 州 新 幹 線 開 通 の 年 で あ り 、 集 客 産 業 の 発 展 に 向 け 、 訪
日外国人旅行者の誘致と受け入れについて、釜山・福岡アジアゲート
ウェイ2011、福岡ソウルプロモーション、福岡市・釜山広域市共
同観光客誘致事業、クルーズ観光の誘致・受け入れ、ガイドブック制
作、観光情報ウェブサイト、観光案内所・観光案内板の整備、ボラン
ティアガイドとの連携、着地型観光プログラムの整備など、さまざま
な事業を展開している。
・
外国クルーズ客船の寄港状況と受け入れ体制
外国クルーズ客船寄港による福岡への来訪者の実績は、平成20年
度 は 計 2 3 回 ・ 約 2 6 , 0 0 0名 、 平 成 2 1 年 度 は 計 2 4 回 ・ 約 2 9 , 0 0 0名 、
平 成 2 2 年 度 は 約 6 1 回 ・ 約 100,000名 で あ る 。
外国クルーズ客船の乗客は、短時間の滞在となるため、主な目的で
ある観光・ショッピングをスムーズに楽しめるような取り組みを官民
共働で進めている。
着岸場所(岸壁・博多港国際ターミナル)での対応として、
(ア)入国管理局、警察、消防との連携
(イ)記念セレモニー、船内見学会、歓迎のぼりや歓迎横断幕の掲
出、岸壁での歓迎・見送りイベントの実施
(ウ)臨時観光案内所を設置し、英中韓に対応する語学ボランティ
ア(多言語ガイド人材育成プログラム)による観光案内、観
光マップの配布(英中韓)、バス・タクシーへの誘導、両替
案内
(エ)お土産品の販売として、岸壁下船口付近に臨時販売所設置
などを行っている。
天神地区での買い物時の受け入れ体制として、
(ア)観光バス乗降場として市役所正面玄関ロータリー及び議会棟
玄関を提供、バス駐車場として福岡競艇場駐車場を提供
(イ)歓迎演出
(ウ)銀聯カード導入
(エ)外貨両替
- 3 -
(オ)消費税免税措置
(カ)天神地区商業施設と連携した中国人観光客のおもてなしの取
り組みとして、中国語を基本とした地区案内サインを天神地
区道路上に55カ所設置、中国語を基本とした施設案内サイ
ンを天神地区内の大型商業施設内に設置、サインと連動した
天神ガイドマップの配布、天神観光案内所を中心に中国語の
ウエルカムサポーターの配置
などを行っている。
・
今後の課題
RCI社船舶は、現在CIQの海外臨船(入国管理局職員が上海な
ど海外から乗船し、船内で入国審査を行う)を実施しているが、コス
タクルーズ社船については、上陸後、国際線ターミナルで入国手続き
を実施しているため、午前8時に着岸しても、9時に手続き開始とな
り、全乗客の手続きの終了が11時を過ぎるときもある。
現 状 の 解 決 に 向 け て 、 現 在 定 員 2,000名 が 基 準 の 海 外 臨 船 の 実 施 を コ
ス タ ク ル ー ズ 社 ( 定 員 1,800名 程 度 ) に も 適 用 し て も ら う こ と 、 ま た 、
海外臨船ができない場合は、職員の増員配置、審査ブースの増設を行
うことなど、CIQの充実について国に提案している。
また、クルーズ観光では、上陸後の滞在時間が短く、快適でスムー
ズな移動やショッピングに対する改善の声が上がっており、その対策
として、観光地や商業施設での外国語サポート強化、クルーズ客の訪
問先における外国語サイン整備支援、銀聯カード取り扱い店舗の促
進、両替場所の拡大、都心部における観光バス乗降場・駐車場の確保
等に取り組んでいる。
また、国への提言として、外国人観光客に対する免税手続きの簡素
化・適用拡大、DFSの設置、日本領海内において外国籍クルーズ船
内でのカジノ営業を許可する規制緩和、中国人観光客がビザなしで滞
在できる期間(現行15日間)の延長を訴えている。
プロモーション活動の課題としては、中国政府が上海万博の開催に
伴い、国内旅行の奨励をした結果、一時的にクルーズチケットの販売
が落ち込んだが、クルーズ船社が中国国内で頻繁に旅行説明会やキャ
ンペーンを実施したことで、持ち直した。このことから、日ごろのプ
ロモーションが重要であることを認識し、福岡市とクルーズ船社によ
る中国国内の旅行代理店向け説明会の共同開催、中国メディアへの共
同キャンペーンを展開している。
- 4 -
観光人材の活用としての課題は、福岡での通訳案内士の確保が困難
であり、旅行代理店からもオプションツアーの料金高につながるとし
て改善要望がある。しかしその一方として、福岡県内には留学生が多
く、外国語サポーターとして活用できる人材が豊富であることから、
外国人留学生が観光ガイドをできる新たな制度の創設について、国に
提言を行っている。
・
外国クルーズ客船寄港による福岡市内への経済波及効果
平 成 2 1 年 度 は 、 約 1 0 億 5,700万 円 で あ り 、 所 得 効 果 は 約 3 億 6,700
万円増、新規雇用の創出は約76名増と推計された。(九州経済調査
協会調べ)
外 国 ク ル ー ズ 船 客 の 平 均 消 費 額 は 、 約 3 万 3,000円 で あ り 、 消 費 金 額
の高い品目は、1位が家電製品、2位が化粧品・医療品、3位が食料
品・飲料品となっている。
平 成 2 2 年 度 の 福 岡 市 の 経 済 波 及 効 果 は 、 2 6 億 9,000万 円 と 予 測 さ
れており、さらなる経済波及効果をもたらすため、クルーズ客船の寄
港数の増加に向け取り組んでいる。
(2)質疑概要
Q
観光マップはどこで配布しているのか。
A
船着場である客船ターミナルを中心に配布している。
Q
商業店舗での外国語対応について。
A
通訳を雇用している店舗もある。福岡市では、ウエルカムサポータ
ーを紹介している。
Q
ウエルカムサポーターに登録している留学生について。
A
九州大学に在籍する学生や、大学に入学するために来日している専
門学生である。
Q
ショッピングを天神地区のみに集中させることについて、クレーム
はあるか。
A
議員からは、もっと市全体に波及させるべきとの意見がある。
Q
メディカルツーリズム導入についての検討について。
A
滞在時間が短く、対応できる病院が少ないため、対応が難しい状況
である。
(3)委員所見
官民一体となった事業の展開が必要であり、課題の解決に向けて国
への提言を行うなど、行政としてできることを積極的に推進すること
が重要である。また、民間の協力も重要であり、官民で組織された協
- 5 -
議会等と目標を共有し、その目標に向かうことが事業を成功させると
考える。
- 6 -
岡山県
1
視察月日
11月9日(火)
2
対 応 者
3
県議会事務局政務調査室政務調査主幹
(受け入れあいさつ)
産業労働部観光課長
(説明)
視察内容
医療観光ツアー商品化モデル事業について
(1)事業概要
・
概要
医療先進県である岡山の強みを生かし、人間ドックやPET検診等
の医療検診と県内観光地等を組み合わせた医療観光ツアー商品化モデ
ル事業を実施し、県内旅行会社への医療観光ツアーの普及を行い、中
国人観光客の誘致を推進する。
・
医療観光ツアーの商品内容
(ア)旅行会社の決定
岡 山 空 港 の 利 用 、岡 山 泊 、岡 山 観 光 を 組 み 入 れ た 4 社 に 決 定 。
①株式会社アジア・コミュニケーションズ
検診内容
:人間ドック・PET検診
主な対象先:洛陽(岡山市との友好提携先)
②株式会社すぎやまクリエイト
検診内容
:人間ドック・PET検診・脳ドック・スー
パードック
主な対象先:北京・上海・大連
③株式会社シモデンツーリスト
検診内容
:人間ドック・PET検診・脳ドック・スー
パードック
主な対象先:大連
④トップツアー株式会社岡山支店
検診内容
:人間ドック・PET検診・脳ドック
主な対象先:北京、上海、広州、大連、青島、重慶、瀋
陽
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(イ)受診医療機関
5医療機関
(ウ)予算額
160万円
(エ)ツアーの実施
各旅行会社において、11月末までに催行する。
(オ)その他
2月末までに同事業に対する観光客や医療機関へのアンケー
ト調査等の報告書を提出させ、その報告書を医療機関や旅行会
社等に情報提供することにより、より利用しやすい医療観光ツ
アーの造成を促進させる。
(2)質疑概要
Q
そもそも医療観光ツアーに着目したのはなぜか。
A
外国人の受け入れに積極的な病院があり、岡山の知名度を上げるた
め、病院をツールとして活用したかった。
Q
岡山県では、どこの組織が中心に取り組んだのか。
A
産業労働部観光課が主導で取り組んでいる。
Q
地域医療の低下につながるという懸念はないのか。
A
受診医療機関は、病院みずからの判断で外国人の受け入れを決定し
ており、受け入れ人数が少人数であること、検診のみを対象としてい
ることなどから、影響は少ないものと考える。
(3)委員所見
羽田空港が国際化し、国からもMICEの方向性が示され、今後、
国際コンベンション都市として、東アジア地域を見据えた観光施策を
展開していかなければならない本市としては、医療観光ツアーは一つ
の検討事項である。
しかし、観光客の自由診療が進むと、地域医療の崩壊につながると
いう考え方もある。また、検診者との対話を考えたときに、専門的な
通訳の確保や検診者を多く受け入れる医療施設に医師が集まる可能性
があることなど、課題も多い。本市での検討に当たっては、岡山県の
事業報告書等を参考にするとともに、医療機関、医師との意見交換も
非常に大切である。医療観光ツアーは、一つの観光プログラムとして
検討することが望ましいと考える。
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