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平成23年度 市教育委員会との意見交換会
平成23年度 市教育委員会との意見交換会 平成 24 年 1 月 24 日(火) 午前 10 時 30 分∼ 於;熊本市 マスミューチュアルビル 7 階会議室 参加者 熊本市教育委員会:松永学務課長、林田首席審議員兼教職員課長、濱平指導課長、津留学務 課長補佐 熊本市手をつなぐ育成会: (会長)川村 隼秋、 (副会長・しょうぶの里施設長)長田 紀義、 (専務理事)西 恵美、 (理事) 堅島陽子 (評議員)坂本 敦子、城 春子、中村淳子、山本 緑、若松真由美、牧野嘉子 次 第 1.会長(川村隼秋)あいさつ 2.教育委員会よりごあいさつ 3.参加者自己紹介 4.事前提出意見に沿って意見交換 《 議事録 》 <政令指定都市移行について> 委員会:制度的に大きく変わるのは人事権の移譲である。 (教員採用試験・校長、教頭の昇任試験、給与の決定) ・人数は、県が決定する。 (何人採用するか・校長、教頭に何人挙げるか・特別配当も含む。 ) 育成会:政令指定都市(以後政令市と略称します)の裁量は無いのか。 委員会:人数決定については権限はない。自主性を発揮する為にも、給与は市が負担するので、決めさせ て欲しいと政府に訴えていきたいと思っている。 〈組織について〉 委員会:教育委員会の組織については、特別支援教育・生徒指導の業務を専門的総合的にサポート し、担当する部署を一本化し「総合支援課」として、4月から新設する。また、生涯学習課を市長 事務局に移管する。教育委員会は、学校教育に特化した形となる。 育成会:教育委員会は区ごとになるのか。 委員会:分かれずに全市を担当する。 (研修・異動は、区割を参考に行う。 ) <教職員採用について> ・育成会:市内を希望する新任教師が少ないと聞いたが、応募状況はどうなのか。 委員会:新聞に載ったことのお尋ねだと思うが、採用して 6 年以内の職員は、初期異動の途中である。 ・基本は 6 年の勤務の後、どこに行きたいか希望を聞くことになっている。よって、それに達して いない者については、今まで異動希望を聞く機会が無かったということで、公平さを保つため、本 年度意識調査を実施したところ、熊本市希望が全体の半分弱だったということである。それが多い かどうかは判断がつきかねる。 勤務 6 年未満の教職員には、毎年、聞き取りの面接をして、市の 1 教育需要に合う者を順次、熊本市に配置するという事にな。 ・国が 35 人学級を拡大した場合、本採用が増えることになるが、県内では、郡部の学校の統廃合 が進んでおり、教員が減る要因もある。 育成会:支援学級で人手が足りないという場合は、 (教職員ではなく)支援員という形になるのか。 市教委:学級支援員合計は年々増員加しています。本年度は、支援員 33 人、サポーター4 人増員し、ト ータル 105 人確保しており、今後も拡充していく必要があると考えている。 育成会:採用は、市の采配になるのか。 市教委:市で対応している。育成会が要望された、支援員を学期ごとに変えてほしくないということだが、 85 人の支援員を確保しているので、本年度昨年は、1∼3 学期、週5日同じ人がほぼ配置できた。 サポーターについて、県の緊急雇用基金を積み上げて来年度までは継続出来ると通知を受けた。基 金を活用して増員を予算要求している状況。 育成会:三年采配の件だが、県から移譲した後も、いま熊本市にいる人達は、区外に出ていくという決ま りはそのまま実施されるのか? 市教委:三年采配は経過措置です。将来的には無くなります。又どのように研修育成するかは、三年三年 でまわしていく。 育成会:統廃合で職員数が余ると言われたが、熊本市の場合統廃合は無く、増員かと思うが? 市教委:市で足りない分は、市で採用する。県と市は別と考えていただきたい。市で本採、臨採とも採用 である。郡部からまわってくることはない。 育成会:特別支援学級がまだ増えているのか? 市教委:年毎に増えている。その職員は市の採用だが学級数の新設を認めるのは県の権限である。 育成会:特別支援学校教員の採用は? 市教委:県である。市の特別支援学校は市で採用する。 育成会:先のことだが、特別支援学校から普通の学校への異動もありうるのか。 市教委:ありうる。 〈学級支援員の欠員と加配について〉 〇育成会:欠員補充は出来るのに、なぜ、加配は出来ないのか? 市教委:欠員というのは、本採用職員の定数のことで、欠員が出た場合は、絶対埋めなくてはならないの で、臨時職員で補充することになる。 ・加配は、都道府県の裁量になり、特別配当となる。 ○学級担任の数の見直しを学期ごとにしてほしい。 市教委:担任の見直しは出来ないが、支援員、サポーターは、担任の補助ということで、市費で対応して いる。 年度途中の受け入れについても、学校側から学期ごとに要望があれば、支援の必要な児 童生徒の状況などを勘案して配置を検討している。 ・支援員がいない学校には配置するが、既に配置されている学校に追加配置は、予算に余裕がない 状況である。この場合、個別支援計画を見直して、どんなクラスにするのか、支援員、サポーター を誰に付けるかなどを相談してもらっている。 <教職員の健康について> 〇精神的な理由で休職中の教師は増えているのではないか。対策はどのようにしているのか。 市教委:20 年度(31 名中 22 名)21 年度(42 名中 27 名)22 年度(43 名中 31 名)という状況。 ・対策には長いスパン、短いスパンがある。 2 ・まずは緊急避難的対策として、週一回教育センターで相談日を設けており、精神科医、臨床心 理士から医師の紹介や対処法の伝授がある。 ・各学校のスクールカウンセラー(基本的に臨床心理士がなっている)に相談してもらう。ここ は、保護者、子どもの相談の場所であるが教師も相談出来るようになっている。 ・長いスパンの方は、教員の負担軽減に向けて、昨年度より、関係課が集まって検討会を設けた。 同じ様な書類をいくつも作成しないで良いようにしたり、一人一台のパソコンを支給するように した。 ・学校に対して要望の強い保護者に対しては、担任一人が対応するのではなく、校内のチーム(主 任、教頭、校長など)で対応している。 ・また、教職員課でサポートチームを作り対応している。市内に幼小中高等 145 校ある。年間 500 件を超える苦情相談等を聞き、時には現場に行き対処している。 育成会:精神的理由でという休職が増えている原因は例えば、指導管理能力の低下なのか、保護者から の強い要求なのか、何が一番の原因なのか? 市教委:手元に資料はないが、保護者、学校からの期待に応えようとして応えられなかったり、個人的 なものもあると思う。 育成会:大変ですね。一人で悩むなと言われますが、学校が一つになって保護者に対して対策をとると か、学校長が中心にやる事が必要だと思う。学校長の指導力というか、そのあたりは如何か? 市教委:校長、教頭の研修会や年三回、校長を呼んで聞く機会もある。 職員の様子をみて声掛けしたり、カウンセラーに相談したり、紹介したりするよう指導している。 チームで対応し考えるように言っている。 ・残念ながら教員に限らず、市の一般職員もストレスを抱えている状況である。何が良い悪いで はなく常にストレスが溜まって、抜け出せない状況である。単純なものでもないので難しい。学 校現場では、すぐに子ども達に影響するので何としても原因を除くようにしたい。 育成会:ケガだと日にちで治るが、メンタル面は長期化することがあると思う、そんな場合はどうなる のか? 市教委:教員の代替えを置くようになる。 <個別支援計画について> 市教委:担任と保護者が、学期ごとに個別支援計画を立てる。特別支援コーディネーターは校内に複数 いる。特別支援コーディネーターは、支援学級の先生ばかりではなく、通常学級の先生の場合も ある。個別支援計画は一年後、卒業後をどうするかを考えて決めているが、教師と保護者の関係 で、計画がスムーズに立てられる場合とそうでない場合がある。 ・例えば、普通高校にやりたいので支援学級にはいかない、なるべく多くの子どもと一緒の時間 を過ごさせたい。など、個別支援計画とは保護者との信頼関係の中で立てて、全校職員が知って おくということである。その子への言葉かけをどのようにすれば落ち着くとか、こうすればいい と知ってもらう為にも必要なものであるので、その為の校内研修を進めている。 育成会:普通学級の障がい児にも同じように支援計画はあるのか? 市教委:医療機関で(障がいがあると)診断されているお子さんはそうだが、(受診されず)支援が必要だと 思われる子どもがクラス内に6%と言われているが、それ以上にいるクラスもある。その子ども達 への理解というのは子ども同士の理解、保護者の方々の理解も必要である。 3 ・担任は常にその子を通して子ども達への親にも理解してもらい、他の学級の先生方にも理解して もらわなくてはいけない。そのために必ず支援計画が必要であると考える。 <支援教育について> 育成会:個別支援計画が、うまく機能して学校全体の障がい児教育に対する意思統一が出来れば障がい児 クラスはいらないと思っている。親と教師との間で信頼関係が出来ていれば問題ない。 育成会は決して圧力団体ではない。先生方と正しい信頼関係を作っていきたい。と思っているがど こまで信用していいのか、いろいろな問題が起きたとき個別支援計画がちゃんとあってそれを見せ ていただき、そうですか。と言えるシステムになっていれば私はいいと思っている。 ・昔、特殊教育と呼んでいた時代の教育成果だと思うが、身辺自立の面で、(重度の子どもが)入学 式では大変だったが卒業式の時には立派に成長しているのを見てきた。近頃は、統合教育とか交 流・交流と言って専門性を欠いたら、その子が大人になった時に誰が責任を取るのか?と言いたい。 ・交流に行かせっ放しで子どもを見ずに、自分の事をされている先生もいらっしゃると聞く。交流 するなら必ず、その教室にいてその子に寄り添って欲しい。専門的教育がいるなら一対一はいや、 個別もいや、特別支援教育はいやという人がいるが、そう言う方の中に、大人になってから自立・ 社会参加は難しいという例をいくつも見てきた。 ・小さい一歩一歩の階段を積み上げながら得意な教科で交流させる。その得意な教科を増やしてあ げる。そして子どもにはずっとついていて欲しい。他の時間で身辺自立などの訓練をして欲しい。 成人の施設にいて、痛切に思う。 <支援学校について> 育成会:先日の報道で、市の支援学校における方指針が出されたが、小中のみの一貫校とはどういうこと なのか? 市教委:資料をもとに話をします。 ・特別支援検討委員会からの報告を 6 月に受け、今後の特別支援学級の推移、県の特別支援学校分 教室の状況、市外の特別支援学校に通う生徒の把握、多様の学びの場の確保という点、合わせて障 がい者基本法の改正、インクルーシブ教育と将来の自立・社会参加に向けての教育的ニーズの対応 などさまざまな検討を行ったうえで 12 月に設置の方針の報告を行った。 ・23 年度「県立熊本養護学校高等部東町分教室」新設の影響の説明。特別支援学級はと過去 5 年間 の伸び率から推計すると 28 年度の生徒が 1,800 人で 700 人増となる予想もできるが慎重に推移を 見ていきたい。 ・平成 17∼23 年度 特別支援学校在籍状況*熊本市に住民票のある児童生徒の在籍数(参考資料 2)の説明。 ・過去 5 年間の小中高等部に通学する子どもが市外の支援学校へ通学者が 1.4 倍となっている。ま た、で 5 年後の 28 年には 400 人になり、100 人増加すると推計した。 ・その中で具体的に市立の特別支援学校の方向性・地域の学校で共に学び育つ環境の整備を計画的 に行いたい。学校の内容を策定する段階で手をつなぐ育成会からも意見を賜りたいと思っている。 また、特別支援教育の推進計画策定の折には、パブリックコメント等を実施し、市民の意見を取り 入れてどのような特別支援教育を進めていくか意見を頂いた上で策定していきたい。来年度の予算 には高等部設置に向けた基本計画策定予算を要求をしており、できるだけ早急に高等部を設置した いと考えている。 4 育成会:候補地は? 市教委:それはまだ発表できる段階ではないが、市有地である。 育成会:育成会は小中高一貫と要望してきたのだが?また、軽度の人達の学校は複数出来て、普通学級か らも入学していると聞くが、今度はぜひ重度の人達を受け入れてもらえる特別支援学校を作ってほ しい。 市教委:確かに高等部は普通科と専門学科に分かれている。県と相談し、専門学科はひのくにと松橋で定 数は充分足りているということなので、市としては普通科設置を考えている。基本計画にどんな内 容の学校にするか 24 年度から具体的に進めていくことになる。 育成会:以前、ひのくに高等養護学校を作る時も養護学校が少ないからと要望したが、軽度の子どもばか りで、中重度の子どもは、入れない子どもがいた。そのようにならないよう是非、お願いしたい。 市教委:ご意見を十分受け止め、検討したい。 育成会:話の中に、 「要望の多い保護者」というのがあったが、自分の子どもの事しか見えない保護者の 方のことだと思う。出来れば、普通学級での障がい理解という面から、一般の方々への特別授業の 一貫として、公開授業をしたり、障がい児に対する対応の仕方を話したり、支援学級の中でも 1∼2 人しか在籍がないクラスの保護者の方の話しを聞いたりする機会を育成会としてやっていきたい。 不安を持つ親と学校の間に立つ会として協力していきたい。 育成会:もう1つ、県は支援学級の対応は高等教育課ですが、政令市になった時の窓口は?学校設置につ いては学校関係者、教育委員会、障がい児の親などを入れた検討会は出来ないか? 市教委:特別支援教育の窓口は総合支援課で対応することになっている。市立の支援学校建設については、 別にプロジェクトのようなものを作って対応する予定であり、昨年の検討委員会のようなものは、 開く予定はない。 ( 終了 ) 5