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「BC州森林火災は縮小」他 - 日本木材総合情報センター

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「BC州森林火災は縮小」他 - 日本木材総合情報センター
July 21, 2004
JAWIC
財団法人 日本木材総合情報センターシアトル事務所
Japan Wood-Products Information and Research Center Seattle Office
Phone: +1(425)392-6003 Fax +1(425)391-3532
4327 246th Pl SE, Issaquah, WA 98029, USA
好調さを裏付けるカナダ林産企業の決算報告 ―2004 年第 2 四半期―
ウエストフレイザーティンバー社(本社バンクーバー)は、今年第2四
半期は、昨年同期の赤字決算から転じて、6,700 万 CanD の収益があった
と発表した。販売額も昨年第2四半期の4億 8,400 万 CanD から6億 700
万 CanD に増加している。ただし同社によれば、もし鉄道貨車の不足がな
ければ、実績を約1億 BF 上回る出荷が可能であったという。なお今年第
2四半期の製材品生産量は7億 1,170 万 BF で、前年同期の6億 5,600
万 BF から 8.5%増加している。そして同社が米国に対して今年第 2 四半
期に支払った針葉樹製材品課徴金は 4,200 万 CanD と、前年同期の 2,600
万 CanD から 61.5%増加した。
またリバーサイドフォレストプロダクツ社(本社ケローナ)の第2四半
期の収益は、前年同期の 550 万 CanD の赤字から、2,640 万 CanD の黒字
に転じた。
そしてティンバーウエスト社(本社バンクーバー)も増収の報告を行
った。第2四半期の株主への配当総額は 4,350 万 CanD で、前年同期の
470 万 CanD から大きく飛躍した。ただし同社によれば、2003 年第2四半
期は、資本支出があったので、決算額が特別に低くなっているという。
今年第2四半期にティンバーウエスト社は、46 件のツリーファームライ
センスを売却しており、その売却額は 1,600 万 CanD に達した。しかし一
方で、売却したライセンスに関連する伐採契約打ち切りのために、270
万 CanD のコストが必要となったという。
BC 州森林火災は縮小
7月 20 日現在の、BC 州の森林火災件数は 300 件で、依然として火災
に対する注意が必要な状態にある。しかし7月2日号等で伝えたような
1,000ha を超える大規模な火災は鎮静した。現在比較的大きな火災とし
て BC 州があげているのは、バックオブグレシアー(44.0ha)、ダンカン
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July 21, 2004
JAWIC
リバー(94.0ha)の2件で、いずれも落雷が原因である。
また7月 12 日に解禁となったコースタル地区のキャンプファイヤー
は、7 月 22 日の午前0時から再び禁止される。BC 州によれば、コースタ
ル地区のキャンプファイヤー禁止措置は、火災発生の可能性が高い期間
において、人為的な火災原因を削減するために実施される。規制地域は
森林局が管轄するに州有地であり、私有地や監視体制が整っている観光
用キャンプ場、公園などは規制対象外となる。
BC 州コースタル地区では、4月1日から7月 21 日までの間に、157
件の火災により 626ha が焼失している。これらの火災の内 100 件は、人
為を原因とした火災である。
BC州の森林火災発生状況
火災件数
落雷による
新規火災
人為による
新規火災
延焼中件
数(落雷)
延焼中件
数(人為)
火災延べ
件数
火災延べ
面積(ha)
BC州合計
300
25
(2004年7月20日)
コースタル
ノースウエスト プリンスジョー カムループス サウスイースト
25
86
40
82
29
0
1
2
11
8
カリブー
38
3
2
1
0
0
1
0
0
261
13
82
35
69
28
34
37
11
4
5
13
1
3
1,308
162
169
253
351
123
250
146,639
654
90,429
43,916
4,570
201
6,869
注1: 火災件数には初期火災、延焼中火災、警戒箇所、巡視箇所、最終鎮火作業件数を含む。
注2: 新規火災は前日の件数。
注3: 火災延べ件数、火災延べ面積は4月1日からの累積値。
資料: BC州ウェブサイト
森林に対する各種の規制状況
裸火の使
キャンプ
ファイヤー
森林への
立ち入り
旅行・通過
コースタル
×
(2004年7月20日)
ノースウエスト プリンスジョー カムループス サウスイースト
〇
〇
×
×
カリブー
×
×
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
×
〇
〇
〇
〇
〇
〇
注: 〇は規制なし、×は規制
資料: BC州ウェブサイト
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JAWIC
警戒水準
気 温
湿 度
いずれの図も BC 州森林省ウェブサイトから
転載。7 月 21 日午後 1 時の状況。
ワシントン州、オレゴン州の森林火災警戒体制緩やかに強化
ワシントン州、オレゴン州では、今月中旬から降雨量が少なく、また
気温も上昇してきたため、森林火災の警戒水準が、注意を要する「レベ
ルⅡ」に指定される地域が増えてきた。しかし「レベルⅡ」では林業機
械の取り扱い等に注意を要するものの、操業は規制されない。警戒水準
が「レベルⅢ」になるとチェーンソーの使用、動力を要する架線集材が
禁止され、「レベルⅣ」になると、すべての操業が禁止される。
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July 21, 2004
JAWIC
ワシントン州の森林火災警戒体制(7 月 16 日現在)
ワシントン州森林局資料から転載
★火災報道を判断するにあたっての留意点★
北米の報道では、森林火災(Forest Fire)、草地火災(Brush Fire または Wild Fire)を明確に分けて使い
ます。山岳地であっても草地の火災であれば草地火災と報道されます。
ところが日本の報道では、「山火事」という日本語があるために、山岳地の草地火災も「山火事」と報じ
られることがあります。また報道機関が評価する「ニュース価値」としては、火災が人家に迫って危険な状
態にあるような場合に高く評価されるため、小規模な火災であっても大きく報じられることがあります。
北米太平洋沿岸の内陸部や南部のカリフォルニア州、ネバダ州等では、大規模な草地火災が発生しま
す。草地は立木密度が低いパインを主体とする森林と接している場合が多いので、草地火災であっても楽
観視はできません。しかし火災報道を判断するためには、どのような場所で何が燃えているのか、火災発
生箇所が木材生産・加工等に障害を与える可能性があるのかどうかを冷静に判断する必要があります。
草地に接した立木密度が低いパイン林。
内 陸 部 乾 燥 地 帯 の草 地 。落 雷 によって火 災
が発生する場合がある。
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