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2 ステップ QRM-ML ブロック信号検出を 用いるシングルキャリア MIMO
社団法人 電子情報通信学会 THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS 信学技報 IEICE Technical Report 2 ステップ QRM-ML ブロック信号検出を 用いるシングルキャリア MIMO 多重伝送 高須 満彦† 天間 克宏† 山本 哲矢† 安達 文幸‡ †‡ 東北大学大学院 工学研究科 電気・通信工学専攻 〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-05 E-mail: † {takasu, tenma, yamamoto}@mobile.ecei.tohoku.ac.jp, ‡ [email protected] あらまし QR 分解と M アルゴリズムを用いる演算量削減型最尤ブロック信号検出法(QRM-MLBD)は,最尤検出 (MLD)から演算量を大幅に削減しつつ,最小二乗誤差規範に基づく空間フィルタリング(MMSED)に比べシングルキ ャリア(SC)マルチ送受信アンテナ(MIMO)多重伝送の伝送特性を大幅に改善できる.しかしながら,M アルゴリズ ムにおけるパスメトリック演算では,各ステージで全てのシンボル候補について計算を行うため,QRM-MLBD の 演算量は依然として大きい.そこでシングルアンテナ(SISO)伝送を対象に,筆者らは最近,MMSE 規範に基づく周 波数領域等化(MMSE-FDE)出力から事後確率を計算してシンボル候補を絞り込むことでパスメトリック演算量を削 減する 2 ステップ QRM-MLBD を提案した.本報告では,2 ステップ QRM-MLBD を用いる SC-MIMO 多重伝送を 対象に, シンボル候補の絞り込み結果と送信アンテナ順番とを考慮した適応オーダリング提案する.2×2 SC-MIMO 多重伝送の場合,適応オーダリングを導入した 2 ステップ QRM-MLBD は QRM-MLBD と同等のスルー プット特性を達成しつつ,演算量を QRM-MLBD のおよそ 1/30 まで削減できることを計算機シミュレーションによ り示す. キーワード シングルキャリア,MIMO,MLD,MMSED,QR 分解,M アルゴリズム Single-Carrier MIMO Multiplexing Using 2-step QRM-ML Block Signal Detection Michihiko TAKASU† Katsuhiro TEMMA† Tetsuya YAMAMOTO† and Fumiyuki ADACHI‡ †‡ Dept. of Electrical and Communication Engineering, Graduate School of Engineering, Tohoku University 6-6-05, Aza-Aoba, Aramaki, Aoba-ku, Sendai, 980-8579, JAPAN E-mail: † {takasu, tenma, yamamoto}@mobile.ecei.tohoku.ac.jp, ‡ [email protected] Abstract Maximum likelihood block signal detection using QR-decomposition and M-algorithm (QRM-MLBD) can significantly improve the transmission performance of single-carrier multiple-input multiple-output (SC-MIMO) multiplexing compared to space filtering based on the minimum mean square error criterion (MMSED) while reducing the computational complexity compared to MLD. However, QRM-MLBD still requires high complexity in M-algorithm. Recently, the authors proposed 2-step QRM-MLBD for a single-input single-output (SISO) transmission. 2-step QRM-MLBD can remove unreliable symbol candidates from the symbol tree by computing the posteriori probabilities after MMSE based frequency domain equalization (MMSE-FDE). In this paper, for achieving further complexity reduction, we propose an adaptive detection ordering into 2-step QRM-MLBD for SC-MIMO multiplexing. The adaptive detection ordering is based on the number of symbol candidates at each stage and transmit antenna order. We show by computer simulation that 2-step QRM-MLBD using proposed ordering can achieve almost the same throughput performance as QRM-MLBD while reducing computational complexity. Keyword Single-carrier, MIMO, MLD, MMSED, QR-decomposition, M-algorithm 1. は じ め に 次世代の移動無線通信では,高速かつ大容量な通信 が求められている.有効な技術としてマルチ送受信ア ン テ ナ (MIMO)多 重 伝 送 [1]が 知 ら れ て い る . ま た , 移 動無線通信の伝搬路は遅延時間の異なる複数の遅延パ スにより構成される周波数選択性フェージングチャネ ル [2]で あ る た め ,そ の 克 服 が 必 要 不 可 欠 と な る .周 波 数 選 択 性 フ ェ ー ジ ン グ 環 境 下 で MIMO 多 重 伝 送 を 行 う 方式として,多数の狭帯域サブキャリアを用いて並列 伝 送 を 行 う MIMO-直 交 周 波 数 分 割 多 重 (OFDM)[3]が 知 This article is a technical report without peer review, and its polished and/or extended version may be published elsewhere. Copyright ©2012 by IEICE ら れ て い る . し か し , OFDM 伝 送 は ピ ー ク 対 平 均 信 号 電 力 比 (PAPR)が 大 き く な る た め ,線 形 電 力 増 幅 器 の 負 担が増加してしまうという問題がある.そのため,近 年 PAPR の 問 題 が 少 な い シ ン グ ル キ ャ リ ア (SC)伝 送 を 用 い る MIMO 多 重 伝 送 [4]が 上 り リ ン ク 伝 送 に お い て 注目されている.少ない演算量で実現できる信号検出 法として最小平均二乗誤差規範に基づく空間フィルタ リ ン グ (MMSED)[5] が あ る が 残 留 干 渉 成 分 に よ る 特 性 劣 化 が 大 き く 最 尤 検 出 (MLD)[6] と の 特 性 差 は 大 き く な っ て し ま う . そ こ で 最 近 , QR 分 解 と M ア ル ゴ リ ズ ムを用いる演算量削減型最尤ブロック信号検出 (QRM-MLBD)[7-9] が 提 案 さ れ て い る が そ の 演 算 量 は 依 然 と し て 大 き い .そ こ で 筆 者 ら は 最 近 ,MMSE 規 範 に 基 づ く 周 波 数 領 域 等 化 (MMSE-FDE)[10,11]に よ る 事 前判定結果を利用してシンボル候補を絞り込み演算量 を 削 減 す る 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD[12-13]を シ ン グ ル ア ン テ ナ (SISO)の SC 伝 送 に お け る 信 号 検 出 法 と し て 提案した. 本 報 告 で は 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD を SC-MIMO 多 重伝送に拡張し,シンボル候補の絞り込み結果と送信 アンテナ順とを考慮した適応オーダリングを提案する. 適 応 オ ー ダ リ ン グ を 用 い る 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD は QRM-MLBD と 同 等 の ス ル ー プ ッ ト 特 性 を 達 成 し つ つ 演算量を大幅に削減できることを示す. 以下に本報告の構成を示す.第 2 章において 2 ステ ッ プ QRM-MLBD を 用 い る SC-MIMO 多 重 伝 送 に つ い て 述 べ る .第 3 章 で は 計 算 機 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り , 適 応 オ ー ダ リ ン グ を 導 入 し た 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD を 用 い る SC-MIMO 多 重 伝 送 の ス ル ー プ ッ ト 特 性 を 明 ら か に し , 従 来 の QRM-MLBD と 比 較 す る . 第 4 章 に て本報告をまとめる. 2. 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD を 用 い る SC-MIMO 多重伝送 2.1. 送 受 信 信 号 表 現 Mod +CP d nt Mod S/P ・ ・ ・ Mod +CP (a) 送 信 機 Ynr − CP ・ ・ ・ FFT YN r −1 −CP ・ ・ ・ FFT ・ ・ ・ QR Decomposition & MLD using M-algorithm FFT Adaptive Ordering − CP ・ ・ ・ N t −1 ∑H nt = 0 nr , nt Fd nt + Ν nr (1) こ こ で , Es は 送 信 シ ン ボ ル エ ネ ル ギ ー , H nr ,nt = diag[ H nr ,nt (0),L, H nr ,nt ( N c − 1)] は 第 n t 送 信 ア ン テ ナ と 第 nr 受 信 ア ン テ ナ 間 の 周 波 数 領 域 チ ャ ネ ル 行 列 を 表 す .Ν nr = [ Ν nr (0),L, Ν nr ( N c − 1)]T は 第 n r 受 信 ア ン テ ナ に 加 わる周波数領域雑音ベクトルであり各要素は零平均で 分 散 2N 0 /T s の 複 素 ガ ウ ス 過 程 で あ り ,N 0 は 加 法 性 白 色 ガ ウ ス 雑 音 (AWGN) の 片 側 電 力 ス ペ ク ト ル 密 度 を 表 す . F は 以 下 に 示 す N c × N c の 離 散 フ ー リ エ 変 換 (DFT) 行 列 を表す. F= 1 ⎡1 1×1 ⎢ − j 2π Nc e 1 ⎢1 ⎢ M N c ⎢M ( N −1)×1 − j 2π c ⎢ Nc ⎢⎣1 e ⎤ ⎥ ⎥ L e ⎥ O M ⎥ ( N c −1)×( N c −1) − j 2π ⎥ Nc ⎥⎦ L e L 1 − j 2π 1×( N c −1) Nc (2) ⎡ Y0 ⎤ ⎢ ⎥ Y=⎢ M ⎥ ⎢Y ⎥ ⎣ N r −1 ⎦ ・ ・ ・ Y0 Nr antennas 2Es Ts Nt antennas +CP d N t −1 Ynr = (1) 式 よ り 受 信 信 号 を N r N c × 1 の 拡 張 周 波 数 領 域 受 信 信 号 ベ ク ト ル Y = [Y0T ,L, YNTr −1 ]T を 用 い て 次 の よ う に 表 す こ とができる. d0 input data 変 調 を 行 う .第 n t 送 信 ア ン テ ナ (n t =0~N t −1)か ら 送 信 さ れ る Nc シ ン ボ ル か ら な る 送 信 シ ン ボ ル ブ ロ ッ ク は ベ ク ト ル dnt = [dnt (0),L, dnt (Nc −1)]T で 表 さ れ る .た だ し ,(.) T は転置操作を表す.この送信シンボルブロックの後尾 N g シ ン ボ ル を サ イ ク リ ッ ク プ レ フ ィ ッ ク ス (CP) と し て コ ピ ー し , ブ ロ ッ ク 先 頭 の ガ ー ド イ ン タ ー バ ル (GI) に 挿入して送信する. 送信された信号はシンボル長間隔の L 個の離散パス から構成される周波数選択性ブロックレイリーフェー ジ ン グ チ ャ ネ ル を 伝 搬 し て Nr 本 の 受 信 ア ン テ ナ に よ り 受 信 さ れ る . 受 信 機 側 で は CP を 除 去 し た 後 に 各 受 信 ア ン テ ナ の 受 信 信 号 に 対 し Nc ポ イ ン ト の 高 速 フ ー リ エ 変 換 (FFT) を 適 用 す る . 第 n r 受 信 ア ン テ ナ (n r =0~N r −1) に お け る 周 波 数 領 域 受 信 信 号 ベ ク ト ル を Ynr = [Ynr (0),L,Ynr (Nc −1)]T と 表 す 時 , Ynr は 次 式 の よ う に 表 される. DeMod. ・ ・ ・ DeMod. output data P/S ・ ・ ・ DeMod. Symbol candidate limitation MMSED (b) 受 信 機 図 1 送受信機構成 図 1 に 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD を 用 い る SC-MIMO 多重伝送の送受信機構成を示す.以降,シンボル時間 T s 間 隔 の 離 散 時 間 低 域 等 価 表 現 を 用 い る .送 信 機 で は , N t 本 の 送 信 ア ン テ ナ に 入 力 さ れ た 信 号 に 対 し ,デ ー タ ⎡ H 0, 0 L H 0, Nt −1 ⎤ ⎡ d 0 ⎤ ⎡ N 0 ⎤ ⎥⎢ ⎥ ⎢ ⎥ 2Es ⎢ = O M ⎢ M ⎥⎢ M ⎥ + ⎢ M ⎥ Ts ⎢ ⎥⎢ ⎥ ⎢ ⎥ ⎣ H N r −1,0 L H N r −1, Nt −1 ⎦ ⎣d Nt −1 ⎦ ⎣N N r −1 ⎦ = Hd + Ν (3) た だ し , H nr ,nt = H nr , nt F , N = [NT0 ,L, NTNr −1 ]T は N r N c × 1 の 拡 張 周 波 数 領 域 雑 音 ベ ク ト ル , d = [dT0 ,L, dTNt −1 ]T は N t N c ×1 の 拡 張 送 信 信 号 ベ ク ト ル , H は NrNc×NtNc の 拡 張 等価チャネル行列をそれぞれ表す.このようにして, 空 間 重 畳 さ れ た SC-MIMO 多 重 伝 送 の チ ャ ネ ル を 1 つ の 等 価 チ ャ ネ ル 行 列 と し て 扱 う こ と で , QRM-MLBD による信号検出が可能となる. 2.2. MMSED 軟 判 定 値 を用 いたシンボル候 補 絞 り 込み (1) 式 で 表 さ れ る 受 信 信 号 の 第 k 周 波 数 成 分 に 対 し , MMSE 規 範 に 基 づ く 重 み を 乗 算 す る こ と で ,信 号 を 分 ~ 離 す る . 分 離 後 の 第 n t 送 信 ア ン テ ナ の 信 号 Dnt (k ) は 次 のように表される. N r −1 ~ Dnt (k ) = ∑ Wnt ,nr ( k )Ynr ( k ) nr = 0 ⎧⎪ N t −1 ⎫⎪ ∑ Wnt ,nr (k )⎨ ∑ H nr ,nt′ (k ) Dnt′ (k ) + N nr (k )⎬ ⎪⎩ nt′ =0 ⎪⎭ nr =0 N r −1 = 2Es Ts = 2Es ~ Wnt ( k )H (k ) D( k ) + N nt ( k ) Ts (4) た だ し , D(k ) = [ D0 (k ),L, DNt −1 (k )]T は 周 波 数 領 域 送 信 信 号 の 第 k 周 波 数 成 分 , H(k ) は (n r , n t ) 要 素 が 第 n t 送 信 ア ン テ ナ と 第 nr 受 信 ア ン テ ナ 間 の 周 波 数 領 域 チ ャ ネ ル 行 列 ~ の 第 k 周 波 数 成 分 で 構 成 さ れ る N r × N t の 行 列 ,N nt (k ) は 重 み 乗 算 後 の 雑 音 を 表 す . Wnt (k ) = [Wnt , 0 (k ),L,Wnt , N r −1 ( k )] は ,第 n t 送 信 ア ン テ ナ の 送 信 信 号 の 第 k 周 波 数 成 分 を 分離するために受信信号の第 k 周波数成分に対し乗算 する重みベクトルであり,次のように表される. Wnt (k ) = H nHt −1 ⎤ ⎞ ⎟ IN ⎥ r ⎟ ⎥ ⎠ ⎦ ⎡ ⎛E (k ) ⎢H(k )H H (k ) + ⎜⎜ s ⎢ ⎝ N0 ⎣ −1 (5) I N r は N r × N r の 単 位 行 列 で あ る .(.) H は 行 列 の エ ル ミ ー ト 転 置 操 作 を 表 す . (4) 式 に 対 し , N c ポ イ ン ト の 逆 ~ FFT(IFFT) を 行 う こ と で 軟 判 定 値 d nt (t ) を 得 る . ~ d nt (t ) = 2Es 1 Ts N c N c −1 ~ ∑ H n , n ( k ) d n (t ) k =0 t t t (6) + μ ISI ,nt (t ) + μ IAI ,nt (t ) + μ noise ,nt (t ) ~ H nt ,nt (k ) は 重 み 乗 算 後 の チ ャ ネ ル の 第 k 周 波 数 成 分 を 表す.また,第 1 項は希望信号成分,第 2 項は残留符 号 間 干 渉 (ISI) 成 分 ,第 3 項 は 残 留 ア ン テ ナ 間 干 渉 (IAI) 成 分 , 第 4 項 は 雑 音 成 分 を そ れ ぞ れ 表 す . ~ A = 2Es / Ts {(1/ N c )∑ kN=c 0−1 H nt ,nt (k )} を 用 い て 正 規 化 し た 値 ~ d n′t (t ) は 次 の よ う に 表 す こ と が で き る . ~ d n′t (t ) = d nt (t ) + μ′ISI ,nt (t ) + μ′IAI ,nt (t ) + μ′noise,nt (t ) (7) この時,正規化後の干渉項及び雑音項はそれぞれ次の ように表される. N c −1 ⎧ ~ −1 2 E s 1 ⎪μ′ISI ,nt (t ) = A ∑ H nt ,nt (k ) T N ⎪ s c k =0 ⎪ N c −1 ⎛ (t − τ) ⎞ ⎪ ⎟ × ∑ d nt ( τ) exp⎜⎜ j 2πk ⎪ N c ⎟⎠ τ= 0 ≠ t ⎝ ⎪ ⎪ ⎪ 2 E s 1 Nt −1 N c −1 ~ ⎪μ′IAI ,nt (t ) = A −1 ∑ ∑ H n ,n′ (k ) Ts N c nn′ t =0≠nt k =0 t nt ⎨ ⎪ N c −1 ⎛ ⎪ (t − τ) ⎞ ⎟ × ∑ d nn′ (τ) exp⎜⎜ j 2πk ⎪ t N c ⎟⎠ τ =0 ⎝ ⎪ ⎪ ⎪ N r −1 N c −1 ~ −1 1 ⎪ μ′ = ( ) t A ∑ ∑ Wn ,n (k ) N nt (k ) noise , n t ⎪ N c nr = 0 k =0 t r ⎪ ⎩ (8) こ こ で , 残 留 ISI お よ び 残 留 IAI 項 を 零 平 均 複 素 ガ ウ ス変数と近似することで,干渉及び雑音項を 1 つの零 平 均 複 素 ガ ウ ス 変 数 μ′nt (t ) = μ′ISI ,nt (t ) + μ′IAI,nt (t ) + μ′noise,nt (t ) と し て 表 す こ と が で き る . こ の 時 μ′nt (t ) の 分 散 σ2nt は 次 の よ う に 表 さ れ る [13] . 2 σ n2t = σ 2ISI ,nt + σ 2IAI ,nt + σ noise ,nt 2⎤ ⎧ ⎡ N c −1 2 ~ 1 N c −1 ~ ⎪ σ 2 , = A−2 E s ⎢ 1 ∑ H ∑ H n ,n (k ) ⎥⎥ nt ,nt ( k ) − ⎪ ISI nt Ts ⎢ N c k =0 N c k =0 t t ⎣ ⎦ ⎪ (9) ⎪⎪ 2 ⎡ 1 Nt −1 N c −1 ~ 2⎤ −2 E s H nt ,nt′ ( k ) ⎥ ⎢ ⎨ σ IAI ,nt = A ∑ ∑ Ts ⎢⎣ N c nt′ =0≠ nt k =0 ⎥⎦ ⎪ ⎪ N r −1 N c −1 ⎡ ⎤ 2 1 2 −2 N 0 ⎪σ noise ⎢ ∑ ∑ Wn , n ( k ) ⎥ ,nt = A ⎪ Ts ⎢⎣ N c nr =0 k =0 t r ⎥⎦ ⎩⎪ 次に各シンボル候補の事後確率を計算する. ~ MMSED に よ る 軟 判 定 値 dn′t (t ) が 得 ら れ た 時 の シ ン ボ ル sk (k=0~X−1,X: 変 調 多 値 数 ) の 事 後 確 率 は ベ イ ズ の 定 理 より次のように求めることができる. ~ P ( s k ) p ( d n′t (t ) | s k ) ~ (10) P ( s k | d n′t (t )) = ~ p ( d n′t (t )) ~ P(sk ) は 送 信 信 号 が sk で あ る 事 前 確 率 を 表 す . p(d n′t (t )) は MMSED 後 の 軟 判 定 値 の 確 率 密 度 関 数 で あ り 次 の よ うに表される. X −1 ~ ~ p( d n′t (t )) = ∑ p (d n′t (t ) | sk ′ ) P( sk ′ ) (11) k '=0 ~ ま た , p(d n′t (t ) | sk′ ) は 次 式 で 表 さ れ る 条 件 付 き 確 率 密 度 関数である. ~ p (d n′t (t ) | sk ) = ⎛ ~′ ⎜ d nt (t ) − s k 1 exp⎜ − 2 2πσ nt 2σ 2nt ⎜⎜ ⎝ 2 ⎞ ⎟ ⎟ ⎟⎟ ⎠ (12) ここで,全てのシンボルが等確率で送信されていると 仮 定 す る と (10) 式 の 事 後 確 率 は 次 の よ う に 表 す こ と が できる. ~ P ( s k | d n′t (t )) = ~ 1 p ( d n′t (t ) | s k ) X = 1 X −1 ~ ∑ p(d n′t (t ) | s k ′ ) X k '= 0 ~ p (d n′t (t ) | s k ) X −1 ~ ∑ p (d n′t (t ) | s k ′ ) (13) k '= 0 計算した事後確率からシンボル候補の絞り込みを行う. 図 2 に絞り込みの一例を示す.事後確率の高いシンボ ル候補から選択を行い,選択したシンボルの事後確率 の累積値を計算する.累積事後確率があらかじめ設定 した所要値αを超えた時点でシンボル候補の選択を終 了し,残りのシンボル候補を木構造から除外する.こ の よ う な 絞 り 込 み を 行 う こ と で ,M ア ル ゴ リ ズ ム に お ける木構造探索に要する演算量を大幅に削減すること が で き る .こ の 際 ,所 要 値 α を 大 き く 設 定 し た 場 合 は , 候補シンボル数が増加してしまうため演算量低減効果 が小さくなり,一方でαを小さく設定した場合,演算 量削減効果が大きくなる傍ら伝送特性に劣化が生じて しまう.それゆえ,αの値は軟判定値を用いる 2 ステ ッ プ QRM-MLBD の 重 要 な パ ラ メ ー タ と 言 え る . 本 報 告 で は 生 き 残 り パ ス 数 M=1024 と し た 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD に お い て 所 要 値 α を 変 数 と し た SER 特 性 を事前に計算機シミュレーションにより計算し, M=1024 と し た QRM-MLBD の 平 均 シ ン ボ ル 誤 り 率 (SER) 特 性 か ら 劣 化 の 生 じ な い 最 小 の α を 平 均 受 信 E s /N 0 毎 に 求 め , そ れ ら を 所 要 値 と し て 用 い て い る . ステージでは,最も累積パスメトリックの小さいパス に 対 応 す る シ ン ボ ル 系 列 を QRM-MLBD の 検 出 値 と し て出力する. Q 2.3. 適 応 オーダリング QRM-MLBD を 用 い る 信 号 検 出 で は 拡 張 チ ャ ネ ル 行 列 H の列成分を入れ替えることで検出順序を任意に 選 択 す る こ と が で き る .文 献 [8] に お い て ,信 号 の 検 出 順序を異なるアンテナからの信号が交互になるように 配 置 す る code-first ordering を 用 い る こ と で QRM-MLBD の 伝 送 特 性 を 改 善 で き る こ と が 報 告 さ れ て い る . 一 方 , 文 献 [13] で は , 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD における第 1 ステップによる絞り込み後のシンボル候 補数に応じたオーダリングを行うことで伝送特性を改 善できることが報告されている. 本報告では次に示すような 2 段階の処理を行う適応 オーダリングを用いることを提案する.図 3 に提案法 nt の 動 作 を 示 す .図 中 の N cand (k ) は シ ン ボ ル d nt (k ) の シ ン ボル候補数を表す.木構造はオーダリングを行う前は 図 3(a) に 示 す よ う に 同 一 ア ン テ ナ か ら の 信 号 が 固 ま り , かつ第 1 ステップによる絞り込み後のシンボル候補数 と は 無 関 係 な 構 造 と な っ て い る .こ れ に 対 し Phase1 と して,絞り込み後のシンボル候補数の少ないシンボル を 木 構 造 の 上 位 ス テ ー ジ に 配 置 す る ( 図 3(b)) .そ の 後 , Phase2 と し て シ ン ボ ル 候 補 数 の 等 し い シ ン ボ ル 群 を 1 つのグループとして扱い,そのグループ内で異なるア ン テ ナ か ら の 信 号 が 交 互 に な る よ う に 配 置 す る (図 3 (c)) . こ の よ う な オ ー ダ リ ン グ を 施 す こ と で , 隣 接 シ ン ボ ル 間 の 相 関 を 低 減 し つ つ ,M ア ル ゴ リ ズ ム に よ る パスの削減が行われるステージをより下位のステージ にすることができる. 10% 10% 2% 4% 15% 35% 1% 2% 4% 5% 1% 1% 2% 3% 図 2 シ ン ボ ル 候 補 絞 り 込 み の 例 (16QAM) 2 d1(2) 3 d1(1) 1 d1(0) d0(3) 2 1 d0(2) 2 d0(1) 1 d0(0) 2 (a) オ ー ダ リ ン グ 前 few d1(1) d0(3) d0(1) nt N cand (k ) d1(3) d1(0) d0(2) d0(0) many d1(2) (b) Phase 1 前節で示すオーダリングを行った後の拡張等価チ ャ ネ ル 行 列 を H order と 表 す 時 , H order を N c N r × N c N t の ユ ニ タ リ 行 列 Q と N c N t × N c N t の 上 三 角 行 列 R に QR 分 解 することで次式を得る. d1(1) d1(2) nt N cand (k ) = 1 d1(0) d0(3) nt N cand (k ) = 2 d0(2) d0(1) nt N cand (k ) = 3 d0(0) (14) 次 に , QH を 受 信 信 号 Y に 乗 算 す る こ と で 次 式 を 得 る . nt N cand (k ) antenna #0(n t=0) antenna #1(n t=1) d1(3) d1(3) Z (0) ⎡ ⎤ ⎢ ⎥ H Z=⎢ M ⎥=Q Y ⎢⎣ Z ( N t N c − 1)⎥⎦ ⎡ R0,0 L R0, Nt Nc −1 ⎤ ⎥ order 2Es ⎢ = + QH N O M ⎢ ⎥d Ts ⎢ ⎥ RNt Nc −1, Nt Nc −1 ⎦ ⎣ 0 3% I 2.4. QRM-MLBD H order = QR 2% (c) Phase 2 図 3 提 案 オ ー ダ リ ン グ の 動 作 (N t =2,N c =4) 3. 計 算 機 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン (15) Z は Q H 乗 算 後 の 周 波 数 領 域 受 信 信 号 ベ ク ト ル , d order はオーダリング適用後の拡張送信信号ベクトルをそれ ぞ れ 表 す .(15) 式 に よ り , MLD の シ ン ボ ル 探 索 は N t N c ステージからなる木構造の形に置き換えることができ る.各ステージでは二乗ユークリッド距離に基づくパ スメトリックを計算し,累積パスメトリックの小さい 順 に M 個 の パ ス を 生 き 残 り パ ス と し て 選 択 す る .最 終 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD を 用 い た SC-MIMO 多 重 伝 送 の ス ル ー プ ッ ト 特 性 並 び に 演 算 量 (複 素 乗 算 回 数 )を 計 算機シミュレーションにより評価する.計算機シミュ レ ー シ ョ ン 諸 元 を 表 1 に 示 す .送 信 機 で は N t =2 本 の 送 信 ア ン テ ナ か ら N c =64 の 信 号 ブ ロ ッ ク に N g =16 シ ン ボ ル と し た CP を 付 加 し 送 信 す る . 送 信 さ れ た 信 号 は L=16 パ ス の 等 電 力 遅 延 プ ロ フ ァ イ ル を 有 す る 周 波 数 選択性ブロックレイリーフェージングチャネルを伝搬 す る も の と 仮 定 す る .受 信 機 で は N r =2 本 の 受 信 ア ン テ ナで受信される.受信機においてチャネル推定は理想 的に行えるものとする. 3.1. スループット特 性 図 4 に 平 均 受 信 E s /N 0 対 ス ル ー プ ッ ト 特 性 を 示 す . な お ス ル ー プ ッ ト は パ ケ ッ ト 誤 り 率 (PER) を 用 い て 次 の よ う に 定 義 さ れ る [15] . Throughput = (1 − PER ) × N t × log 2 X × Nc Nc + N g (16) 提 案 オ ー ダ リ ン グ を 用 い た 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD で は , M=1024 と し た 時 の QRM-MLBD と 同 等 の 伝 送 特 性 を 達 成 す る た め に 必 要 な M の 値 が 64 ま で 低 減 で きていることが分かる.この理由は,提案オーダリン グ を 用 い る こ と で , 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD の 第 1 ス テップによる絞り込み後の候補シンボル数が少ないも のを木構造の上位ステージに割り当てているため,木 構造の初期ステージでのパスの削減が行われる確率を 低 く す る こ と が で き ,そ の 上 で code-first ordering と 同 様,隣接シンボル間のフェージング相関低減効果を得 られているためと考えられる. 表 1 シミュレーション諸元 Transmitter Number of N t =2 Transmit antennas Modulation 16QAM Block size N c =64 Packet size 1024 bits GI length N g =16 Num. of paths L=16 Channel Fading type Frequency-selective block Rayleigh Power delay Uniform profile Delay time τ l =l(l=0~L−1) Receiver Number of receive N r =2 antennas Channel estimation Ideal QRM-MLBD w/ code-first ordering 2-step QRM-MLBD w/ proposed ordering MMSED M=1024 6 M=64 16QAM M=16 Nc=64 5 Ng=16 Nr=2, Nt=2 L=16-path uniform power delay profile 4 Frequency-selective QRM-MLBD w/ block Rayleigh fading code-first ordering 3 IFFT Symbol candidate limitation ___ Calc. H and QR decomposition Computation of ___ QH Y Path metric computation 109 2 1 16 18 20 22 24 NrNtNc2 NrNtNc2 X{2+(M/2) (N t N c +4) (N t N c -1)} nt E[ N cand ( k )] {2+(M/2) (N t N c +4)(N t N c -1)} QRM-MLBD (M=1024) 2-step QRM-MLBD (M=64) MMSED worst average 2-step QRM-MLBD (M=64) worst 0 Average received Es/N0 per antenna[dB] NrNtNc2 +N r N t 2 N c 3 107 106 MMSED 14 NrNtNc2 +N r N t 2 N c 3 108 2-step QRM-MLBD w/ proposed ordering 12 N t N c log 2 N c N t {N c (N r +N t −1)+1} QRM-MLBD (M=1024) Num. of complex multiplexing Throughput[bps/Hz] 7 nt 作 を 表 し , E[ N cand ( k )] は 1 ブ ロ ッ ク 検 出 時 の 1 ス テ ー ジあたりの平均シンボル候補数を表す.図 5 に平均受 信 E s /N 0 対 複 素 乗 算 回 数 (N c N t =128 シ ン ボ ル ) の グ ラ フ を 示 す .図 中 の worst で 表 さ れ る 値 は 各 平 均 受 信 E s /N 0 においてシミュレーションの結果 1 ブロック検出時に nt E[ N cand ( k )] の 値 が 最 も 大 き い 値 に な っ た 時 の 複 素 乗 算 回数を表している.一例としてピークスループットを 達 成 す る 平 均 受 信 E s /N 0 =24[dB] に お け る 複 素 乗 算 回 数 を比較すると,適応オーダリングを用いる 2 ステップ QRM-MLBD の 複 素 乗 算 回 数 は QRM-MLBD の お よ そ 1/30 ま で 低 減 す る こ と が で き て い る . こ の 理 由 は , 木 構 造 を 簡 略 化 し ,か つ 生 き 残 り パ ス 数 M の 値 が ,提 案 オ ー ダ リ ン グ を 用 い る 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD で は ス ループット特性の改善により所要の生き残りパス数 M を 64 ま で 小 さ く す る こ と が で き ,大 き な 演 算 量 削 減 効 果が得られているためである. 表 2 1 ブ ロ ッ ク (N t N c シ ン ボ ル ) 検 出 に 要 す る 平 均 複 素乗算回数 QRM-MLBD 2-step QRM-MLBD w/ proposed ordering FFT N r N c log 2 N c N r N c log 2 N c Calc. Weight 2N r 2 N t N c +N r 3 N c 2 and FDE +N t N r N c 26 図 4 スループット特性 3.2. 演 算 量 の比 較 表 2 に 1 ブ ロ ッ ク (N c N t シ ン ボ ル ) 検 出 に 要 す る 平 均 複 素 乗 算 回 数 を 示 す . た だ し 表 中 の E[.] は 時 間 平 均 操 105 2-step QRM-MLBD (M=64) average 16QAM Nc=64 Ng=16 Nr=2, Nt=2 L=16-path uniform power delay profile Frequency-selective MMSED block Rayleigh fading 14 16 18 20 22 24 Average received Es/N0 per antenna[dB] 図 5 複 素 乗 算 回 数 の 比 較 (1 ブ ロ ッ ク 検 出 時 ) 26 4. ま と め single-carrier MIMO spatial multiplexing,” Proc. IEEE International Conference on Communications (ICC 2011), Jun. 2011. D. Falconer, S. L. Ariyavisitakul, A. Benyamin-Seeyar, and B. Edison, “Frequency domain equalization for single-carrier broadband wireless systems,” IEEE Commun. Mag., Vol.40, No. 4, pp.58-66. Apr. 2002. F. adachi, H. Tomeba, and K. Takeda, “Introduction of frequency-domain signal processing to broadband single-carrier transmissions in a wireless channel,” IEICE Trans. Commun., Vol.E92-B, No.09, pp. 2789-2808, Sep. 2009. K. 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(VTC), pp.965-969, Sept. 2007. 本報告では,シンボル候補の絞り込み結果と送信ア ンテナとを考慮した適応オーダリングを導入した 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD を 提 案 し , ス ル ー プ ッ ト 特 性 並 び [10] に 複 素 乗 算 回 数 の 評 価 を 行 っ た .生 き 残 り パ ス 数 M の 値 を 1024 と し た QRM-MLBD と 同 等 の ス ル ー プ ッ ト を 達 成 す る た め に 必 要 な M の 値 は ,提 案 オ ー ダ リ ン グ を 導 入 し た 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD で は M=64 で 十 分 で [11] あることを示した.これは適応オーダリングを導入す る こ と で ,M ア ル ゴ リ ズ ム で パ ス 削 除 の 行 わ れ る ス テ ー ジ を QRM-MLBD よ り も 下 位 の ス テ ー ジ に 移 動 で き ることと,アンテナ順を交互にすることによる隣接シ ン ボ ル 間 の 相 関 低 減 効 果 が 得 ら れ る こ と の た め で あ る . [12] M の 値 を 大 き く 低 減 す る こ と が で き る た め ,提 案 オ ー ダ リ ン グ を 用 い る 2 ス テ ッ プ QRM-MLBD で は 演 算 量 を QRM-MLBD か ら 大 幅 に 削 減 す る こ と が 可 能 で あ る ことを示した.今後の検討課題として符号化やチャネ ル推定誤差の影響などがあげられる. [13] 引用文献 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] G. J. Foschini and M. J. Gans, “On limits of wireless communications in a fading environment when using multiple antennas,” Wireless Personal Commun., Vol. 6, No. 3, pp. 311-335, 1998. 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