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インターナショナル修斗コミッション プロフェッショナル修斗 公式ルール

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インターナショナル修斗コミッション プロフェッショナル修斗 公式ルール
インターナショナル修斗コミッション
プロフェッショナル修斗 公式ルール
宣言
インターナショナル修斗コミッション(International Shooto Commission = ISC)は、1996
年5月7日、修斗協会の推戴により、修斗、及びバーリ・トゥードを統括するために設立され
た。今後ISC管轄下で行われる総ての修斗の試合は、本ルールによって運営、管理されるもの
であることを宣言する。
1996年5月7日
ISCコミッショナー 浦田 昇
第1章 コミッショナーの権能
第1条【権能】
ISCコミッショナーは、ISC管轄下で行われる総ての修斗の試合を指揮、監督する権能を
有する。
第2章 ライセンス
第2条【ライセンス】
プロフェッショナル公式戦に関わるプロモーター、選手、そのチーフ・セコンド、審判員、タイ
ム・キーパーの総てが日本修斗協会(Japan Shooto Association = JSA)よりライセンスの交
付を受けていなければならない。ただし海外在住の者はこの限りではない。
第3条【交付】
総てのライセンスは申請する者の実績と能力に基づいてJSAが審議の上承認し、これを交付す
る。なお総てのライセンスはこれを他人に貸与または譲渡することは出来ない。
第4条【申請】
ライセンスを申請する者は、必要事項を記入済みのコミッション所定の申請書に、申請日より1
カ月以内に検査した血液検査報告書と眼底検査診断書、申請日より3カ月以内に撮影した、明白
に本人と判別できる顔写真(無帽、正面向き)1枚を添えてJSAに提出しなければならない。
第5条【種別】
ライセンスの種別は次の通りである。
I 種 プロモーター、マネージャー
II 種 セコンド
III種 クラスA選手、クラスB選手、クラスC選手
IV種 タイム・キーパー
V種 クラスA審判員、クラスB審判員
第6条【異種ライセンスの交付】
I∼III種ライセンスは、同一の者が同時に交付を受けることを認めるが、IV種ライセンスの交付を
同時に受けることは認めない。またI種、及びIII種ライセンスはII種ライセンスを兼ねる。IV種ラ
イセンスは、異なる総ての種別のライセンスを同一の者が同時に交付を受けること、並びに兼ね
ることを認めない。V種ライセンスは、コミッションが承認すれば同種ライセンスを互いに兼ね
ることが出来る。
第7条【III種ライセンスの取得】
III種ライセンスはJSAの実施する審査、或いはテストに合格し、かつJSAが信頼するに足る
と判断した医療機関の血液検査(B型肝炎・C型肝炎)と眼底検査(網膜裂孔・網膜剥離)に
合格した場合交付される。また未成年者に限り親権者の承諾書を必要とする。
第8条【有効期間】
総てのライセンスの有効期間は、4月1日から3月31日までの1カ年とする。ライセンスの更新
は、JSAが特に問題がないと判断した場合許可される。更新の手続きはライセンスの申請手続
きと同じである。
第9条【取り消し、停止】
ライセンスを交付された者が本ルール、或いは法律に違反するなどして、ライセンスを交付する
資格に欠けるとJSAが判断した場合、ライセンスの取り消し、もしくはJSAが指定した期間
ライセンスの停止 (以下、サスペンド) となる。
第3章 契約
第10条【作成】
総ての契約はISC認定の契約書で作成されるものとする。
第11条【厳守】
総ての契約は守られ、かつ履行されなければならない。
第4章 提訴
第12条【提訴】
日本在住の者はJSAによりライセンスを交付された者に限って、海外在住の者は当該選手、及
びそのマネージャーに限って、試合に対する異議、契約の不履行、及びその他一切の紛争につい
て、1週間以内に文書によりISCに提訴することが出来る。提訴を受けたJSAは提訴内容に
ついて審議を行い、判断を下し問題の解決に努めなければならない。
第5章 審判員
第13条【資格】
レフェリー、及びサブ・レフェリー (以下、審判員) は修斗の技術と理念を学んだ経験を有し、
ルールに精通していなければならない。また審判員となる者はJSAの審査に合格し、かつ一定
の教育を受けなければならない。
第14条【技術の向上】
審判員は少なくとも6カ月に1度会合し、審判技術や採点結果の批判、ルールの解釈に関する問
題の解決、修斗の技術の研究に努め、審判技術の向上に勉めなくてはならない。
第15条【種別】
審判員は経験と能力を考慮して、試合の総ての審判を司るクラスA審判員と、レフェリング以外
の審判を司るクラスB審判員に分けられる。
第16条【中立、公正】
審判員は中立、かつ公正な立場でなければならず、選手、及びその関係者との公私にわたる指
導、交際を自粛しなければならない。
第17条【不正】
審判員は買収、恐喝等のあらゆる不正に対し毅然たる態度でこれを拒絶しなければならない。
第18条【罷免】
審判員がルールの適用を誤ったり審判上の過失を犯したりした場合、JSA、及びISCの審
議の上ライセンスの剥奪、或いはサスペンドとなる。
第6章 公式試合
第19条【公式試合】
公式試合とは、ISCが承認し許可した試合をいう。ただし場合によっては、後日ISCは公
式試合の取消しをすることが出来る。
第20条【試合方式】
ひとつのラウンドを5分間とし、各ラウンドの間に1分間のインターバルを取る。
第21条【試合ラウンド】
試合のラウンド数は2回戦、3回戦、5回戦の3種類とする。クラスA選手は2回戦、3回戦、5回戦
に出場することが出来、クラスB選手は2回戦、3回戦、クラスC選手は2回戦に限り出場するこ
とが出来る。
第22条【試合の審判】
試合の審判は1名のレフェリーと2名のサブ・レフェリー、または1名のレフェリーと3名のサ
ブ・レフェリーによって行われる。
第7章 ランキング
第23条【ランキング】
ISC、ならびにJSAはクラスA選手の実績に基づいて審議し、1カ月に1度各クラスの1∼10
位までの世界ランキング、ならびに地区ランキングを決定しこれを公表する。
第8章 チャンピオンシップ
第24条【チャンピオンシップ】
チャンピオンシップとはISC、ならびにJSAが選手権試合として承認した試合であり、チャ
ンピオンとロジカル・コンテンダーの双方が規定のウエイトで行われなければならない。
第25条【チャンピオン】
チャンピオンは1クラスに1名を置き、同一の者が同時に複数のクラスのチャンピオンになるこ
とは認めない。従ってタイトルを保持したまま他のクラスのチャンピオンシップに出場すること
は出来ない。
第26条【指名試合】
チャンピオンはタイトル獲得後、原則として以後1年内毎にランキング1位の者と指名試合(防
衛戦)を行わなければならない。1位の者が出場出来ない場合は、ISC、ならびにJSAはラ
ンキング上位の者から順次適確者を指名する。チャンピオンが正当な理由なくこれを履行しな
い場合、タイトルは剥奪され空位となる。正当な理由がある場合であっても期限の猶予は120日
以内とする。
第27条【規定ウエイト以外】
チャンピオンシップにおいて、ISC、ならびにJSA指定の計量時に出場選手が規定のウエイ
トを維持していなかった場合次の通りとする。
(1)規定ウエイトでないチャンピオンと規定ウエイトである挑戦者によるチャンピオンシップ
において、タイトルは計量失格時点で剥奪され空位となり、チャンピオンの勝利、及びドロー
(引き分け)の場合タイトルは防衛とならない。
(2)規定ウエイトでないチャンピオンと規定ウエイトである挑戦者によるチャンピオンシップ
において、タイトルは計量失格時点で剥奪され空位となるが、挑戦者が勝利した場合タイトル獲
得となる。
(3)規定ウエイトであるチャンピオンと規定ウエイトでない挑戦者によるチャンピオンシップ
において、チャンピオンの勝利、及びドローの場合タイトルの防衛となる。
(4)規定ウエイトであるチャンピオンと規定ウエイトでない挑戦者によるチャンピオンシップ
において、挑戦者が勝利した場合タイトルは移動せず、剥奪され空位となる。
(5)チャンピオンと挑戦者の双方が規定ウエイトでない場合、計量失格時点でタイトルは剥奪
され空位となり、ノン・タイトル試合となる。
第28条【認定試合】
タイトルが空位となっているクラスのチャンピオン認定試合は次の通りとする。
(1)ISC、ならびにJSAに実績を認められチャンピオン認定有資格者(以下、有資格者)
として指名された者と、同じくISC、ならびにJSAに実績を認められ有資格者に準ずる者
(以下、準有資格者)として指名された者によって、チャンピオンの認定戦を行う。これに有資
格者が勝利した場合チャンピオンとして認定される。ドロー、及び準有資格者が勝利した場合、
準有資格者が有資格者として指名される理由となる。
(2)ISC、ならびにJSAに実績を認められ指名された有資格者2名によってチャンピオン
の決定戦を行う。これに勝利した者がチャンピオンとして認定される。ドローの場合、ISC、
ならびにJSAが指定した期限までに同一の2名によって再度チャンピオンの決定戦を行う。
(3)正当な理由なくチャンピオン認定試合への出場を忌避した者は、原則として以後1年間の
チャンピオンシップへの出場を認めない。有資格者または準有資格者が出場出来ない場合は、I
SC、ならびにJSAはランキング上位の者から順次適確者を指名し、チャンピオンの認定
戦、或いは決定戦を行う。
第9章 試合出場選手
第29条【規約】
試合に出場する選手は、次の事項を守らなければならない。
(1)第1試合開始時刻の30分前までに選手控え室に入らなければならない。
(2)試合前後に医事検査を受け、これに合格しなければならない。
(3)ライセンスの交付を受けたセコンドの付き添いがなければならない。
(4)試合開始後はレフェリーの許可を得ずにリングを出てはならない。レフェリーの許可を得
てリングの外に出たときは、審判員、またはISC役員を伴わなくてはならない。
(5)自己の責任において安全と判断したマウス・ピース、及びノー・ファウル・カップを装着
しなければならない。
(6)関節部へのテーピングは原則として自由とするが、ISC役員の判断に応じて試合中に剥
がれないようその上からサポーターを装着しなければならない。
(7)ワセリンやオイル、グリス等の油脂類、または不快な臭いのする薬品類や化粧品類、整髪
料の身体や頭髪へ塗布は、寝技、及び組み技の攻防の妨げとなる為これを禁じる。
(8)指輪やネックレス、ピアスなどの貴金属類はいかなる物も身に付けてはならない。
(9)試合終了後は速やかにリングを出なければならない。
第10章 プロモーター
第30条【責務】
プロモーターは試合に必要な試合報酬や適正な試合場の設備を用意出来、修斗の理念を深く理
解した社会的な信用を有する者でなければならない。
第11章 マネージャー
第31条【マネージャー】
マネージャーとは、契約下の選手に代わって一切の事を取り仕切ることの出来る者をいう。ま
た、マネージャーは契約下の選手の利益を守らなくてはならない。
第32条【ライセンス】
マネージャーとなる者はライセンスの交付を受けていなければならない。マネージャーがライセ
ンスの剥奪、或いはサスペンドとなった場合、契約下の選手は代理マネージャーを任意に選択す
ること、または新しいマネジャーと契約することが出来る。
第12章 セコンド
第33条【セコンド】
試合のセコンドは1名の選手につき3名までとし、内1名をチーフ・セコンドとする。
第34条【禁止事項】
セコンドは次の事項を守らなければならない。違反者には注意が与えられ、再三の注意にも関
わらず度重なる違反を犯した場合退場が命じられ、ライセンスの剥奪、或いはサスペンドとな
る。
(1)試合前、或いはラウンド間の休憩中にリング内に入るのは、チーフ・セコンドのみでなけ
ればならない。
(2)ラウンド開始の10秒前に「セコンド・アウト」とアナウンスされたら、リングに持ち込ん
だ用具と共にリング外へ速やかに退出しなければならない。
(3)試合中リングの内外に関わらず選手の身体に触れた場合、そのセコンド側の選手は失格と
なる。
(4)試合中いかなる理由であれリング内に入った場合、そのセコンド側の選手は失格となる。
(5)試合中は静粛にし、観客の妨げにならないよう自コーナー下で待機していなければならな
い。
(6)マナーに反する言動は慎まなければならない。
第35条【用具】
試合においてセコンドが使用出来る用具等は次の通りである。
(1)水
(2)ボトル
(3)バケツ
(4)氷
(5)粘着テープ
(6)ハサミ
(7)ガーゼ
(8)綿
(9)綿棒
(10)タオル
(11)時計
(12)腫れ止め用具
(13)止血剤
(14)椅子
第13章 クラスとウエイト
第36条【体重制】
試合は体重制とし、そのクラスとウエイトのリミットは次の通りである。
ミニマム級 44.0kg以下
ストロー級 48.0kg以下
フライ級 52.0kg以下
バンタム級 56.0kg以下
フェザー級 60.0kg以下
ライト級 65.0kg以下
ウェルター級 70.0kg以下
ミドル級 76.0kg以下
ライトヘビー級 83.0kg以下
クルーザー級 91.0kg以下
ヘビー級 110.0kg以下
スーパーヘビー級 110.0kgから無制限
第37条【属するクラス】
選手は必ずひとつのクラスに属し、同一の者が同時に複数のクラスに属することを認めない。試
合は原則として双方の選手が同じクラスに属していなければならない。ただし異なるクラスに属
する選手同士であっても、同じウエイトであれば契約により試合を行うことが出来る。
第38条【ウエイト差】
試合を行う双方の選手のウエイト差は、次の範囲内でなければならない。また双方の選手のウ
エイトがふたつの範囲にまたがる場合は軽い方のウエイト差が適用される。なお双方の選手の
ウエイト差が次の範囲内にない場合ISCの承認を必要とする。
44.0kg以下 1.5kg
48.0kg以下 2.0kg
52.0kg以下 2.0kg
56.0kg以下 2.5kg
60.0kg以下 3.0kg
65.0kg以下 4.0kg
70.0kg以下 4.5kg
76.0kg以下 5.0kg
83.0kg以下 5.5kg
91.0kg以下 6.5kg
110.0kg以下 16.0kg
110.0kgから上 無制限
第14章 計量
第39条【計量】
試合に出場する選手は、ISCが指定した時刻(原則として試合開始の24時間前以内)に指定
した場所へISC発行の計量通知書を持参の上出頭し、ISC役員立ち会いのもと裸体になっ
て計量しなければならない。正当な理由なく計量に遅刻、或いは出頭しない場合失格となる。
正当な理由がある場合は、再度ISCが指定した計量に出頭しなければならない。また計量時
にISC役員により爪、頭髪等のチェックを受け、その処置が指示される。
第40条【規定ウエイト以外】
計量の結果契約書に記された規定のウエイトを維持していなかった場合、ISCが指定した時刻
の間は何度計ってもかまわない。猶予時間内に規定ウエイトに達していなかった場合不合格とな
り、契約書に記されている罰則が科せられる。
第15章 リング
第41条【リング】
試合のリングは以下の通りとする。
(1)ISCが本ルールに充分対応し得ると判断し承認した、3∼4本のロープを硬く張り巡らせ
た正四角型リングでなければならない。
(2)リングのフロアは水平で、適当な広さの残余部分を有しなければならない。
(3)リングのフロアは畳と同じ程度の硬さの下敷きを置き、表面をキャンバスで覆わなければ
ならない。
(4)リングの対角にある選手が入場する2つのコーナーは赤と青とに色分けし、その他のコー
ナーはニュートラル・コーナーとする。
(5)リング・サイドにはISC席と、リングを挟んで向かい合わせにした2カ所のサブ・レフ
ェリー席を設けなければならない。
(6)リングの照明は試合が円滑に行える明るさを有していなければならない。
第16章 グローブ
第42条【修斗グローブ】
試合で使用するグローブは、ISC認定のオープン・フィンガー・タイプの修斗グローブでなけ
ればならない。
第43条【グローブのサイズ】
試合で使用するグローブは、契約ウエイトにより以下の通りサイズが異なる。
ミニマム級∼ライト級 ナックル・パート部25mm厚(Sサイズ)
ウェルター級∼ミドル級 ナックル・パート部30mm厚(Mサイズ)
ライトヘビー級から上 ナックル・パート部35mm厚(L、LLサイズ)
第44条【装着】
グローブはISCの検査済みのものを正しく装着しなければならない。試合中に脱げぬよう紐
は手首のところで固く結び、その上から粘着テープを巻いて固定しなければならない。
第45条【細工】
ナックル・パートに当たる部分の詰め物を移動させる等、グローブを変形させたり傷をつけたり
してはならない。
第17章 バンテージ
第46条【使用】
バンテージはナックル・パートの保護を目的としてのみ使用することが出来る。またバンテージ
を使用せず粘着テープのみを使用する場合もバンテージと同様である。
第47条【着用】
バンテージは布製のものをナックル・パートのみに使用し、その内部にはいかなる物をも巻き
込んではならない。バンテージを固定するための粘着テープの使用は認める。
第48条【検査】
バンテージ、及び粘着テープ装着後は、試合前にISCの検査を受けなければならない。検査後
バンテージを巻き直したり、粘着テープを貼り直したりしてはならない。
第18章 服装
第49条【出場選手の着衣】
試合出場選手のリング内での着衣は、試合中に妨げとならず攻撃に対して防護とならないタイ
ツ、及び膝上丈のトランクスでなくてはならない。着衣の色、模様、デザインは自由とするが、
対戦者に対して不快感を与える装飾は禁じる。またリング入場の際のガウン等の着用は認める。
第50条【禁止事項】
試合出場選手は上半身は裸、足は素足とし、規定の着衣以外いかなる物も着用してはならな
い。なお任意によるサポーター、及びニー・パッドの装着は認める。
第19章 衛生
第51条【出場選手の衛生】
出場選手は、次の事項を守らなければならない。
(1)身体や頭髪は清潔、かつ衛生的でなければならない。
(2)着衣は清潔で、かつ不快な臭いのない乾燥したものでなければならない。
(3)手や足の爪は、対戦者の皮膚を傷つけないよう短く処置しなければならない。
(4)長く伸びた頭髪はISC、及び審判員の判断に応じて、束ねて結ばなければならない。
(5)髭は剃りたてか、対戦者に不快感を与えない程度に伸ばした状態でなければならない。
第20章 試合の勝敗
第52条【勝敗の決定】
試合の勝敗の決定は次の通りとする。
(1)一本(Submission = S)
関節技や絞め技を施された選手が、「ギブ・アップ」、または「参った」と言うか、或いは対
戦者の身体やフロアを手や足で連続して2度以上叩く(タップ)などして、ギブ・アップの意志
表示をした場合。双方の選手が同時に一本を取った場合はドローとする(ダブル一本)。
(2)テクニカル一本(Technical Submission = TS)
関節技や絞め技が完全に極まったとレフェリーが判断した場合。
(3)ノック・アウト(以下、Knock Out = KO)。
打撃、投げによるダメージのため、試合続行が不可能であるとレフェリーが判断した場合 。双
方の選手が同時に試合続行が不可能であるとレフェリーが判断した場合はドローとする(ダブル
KO)。
(4)テクニカル・ノック・アウト(以下、Technical Knock Out = TKO)
a. 打撃、投げ、関節技等による負傷のため、試合続行が不可能であるとレフェリーが判断した場
合。
b. 打撃や投げを受けた選手が戦意喪失したりギブ・アップの意志表示をした場合。
c. セコンドがリング内にタオルを投入したり棄権を申し出た場合。
(5)判定
各審判員の票は同等の1票であり、最終ラウンド終了後の審判員の採点で2票以上を獲得した者
を勝者とし、他を敗者とする。2票未満の場合ドローとする。なお審判員が下した判定結果は、
採点記載や集計の誤りを除き、ISC以外によって変更されることはない。
(6)テクニカル判定(Technical Decision = TD)
偶発的な事故による負傷、或いはダメージにより、一方または双方の選手の試合続行が不可能に
なった場合、または災害や設備の破損等、試合続行を不可能に至らしめるような事態が生じた
場合、原則として試合の後半(2回戦は最終ラウンド、3回戦は2ラウンド以降、5回戦は3ラウン
ド以降)ならばそのラウンドまで含めた採点で2票以上を獲得した者を勝者とし、他を敗者とす
る。2票未満、或いはそのラウンドが試合の前半(2回戦、3回戦ともに1ラウンドまで、5回戦は
2ラウンドまで)ならばドローとする。なお審判員の採点上の攻防の評価やレフェリーの処置に
明確な誤りが認められた場合、或いは審判員に不正があった場合は、審判員による採点は採用
せず、ISCの判断により妥当な試合結果へ変更される。
(7)反則失格
a. 故意、または偶然に関わらず反則(以下、ファウル)を犯し、再三のレフェリーの注意にも
関わらず度重なるファウルを犯した場合。ただし、あまりに悪質なファウルであった場合、一度
の注意もなく即失格となることもあり得る。
b. 故意、または偶然に関わらず悪質なファウルによる負傷、或いはダメージが原因で、ファウル
を受けた選手の試合続行が不可能であるとレフェリーが判断した場合。なおレフェリーの判断に
よりファウルを受けた選手に休息を与えた後、試合を続行することもあり得る。
c. 試合中にセコンドがリング内に入ったり、選手の身体に触れた場合。
d. 双方の選手が悪質なファウルを犯した場合、両者反則負けとなることもあり得る。
第21章 採点
第53条【採点】
採点は各ラウンド毎、双方の選手の持ち点を10点として減点する。減点するポイント数は次の
通りとする。
10対10 互角の場合(双方の選手の攻防が同等)
10対 9 若干の差が認められた場合(有効な打撃、またはキャッチ)
10対 8 明らかな差が認められた場合(ダメージの見られる打撃、或いは限りなく一本に近い
キャッチ)
10対 7 圧倒的な差が認められた場合(KO、或いはTKO寸前)
10対 6 明らかな差が数度認められた場合
第54条【採点基準】
採点は次の順に評価される。
(1)クリーン・エフェクティヴ・オフェンス(的確で有効な攻撃):ダメージを与えた攻撃。
(2)アグレッシヴネス(積極性):ダメージは与えられないものの積極的で有効な攻撃。
(3)リング・ジェネラルシップ(ペース支配): 対戦者の攻撃を無効にするような巧みな試合
運び。
第22章 キャッチ
第55条【キャッチ】
キャッチとは、関節技または絞め技が極まりかかっているとレフェリーが判断した状態をいう。
第23章 ポジション
第56条【ポジション】
選手が足の裏以外、身体のいかなる部位も継続的にフロアに触れていない状態をスタンド・ポ
ジションという。足の裏以外の身体の部位が継続的にフロアに触れている状態をグラウンド・
ポジションという。
第24章 ドント・ムーブ
第57条【ドント・ムーブ】
攻防の継続中、選手がリング外へ出そうになった場合、または選手の着衣や装備が外れたり、
或いは外れそうになった場合、レフェリーにより双方の選手にドント・ムーブが命じられる。ド
ント・ムーブを命じられた双方の選手は直ちに動作を止め、レフェリーが試合続行を命じるま
で、そのままの態勢を維持しなければならない。
第25章 ブレイク
第598条【ブレイク】
攻防が膠着し明らかな進展がないとレフェリーが判断した場合、或いはドント・ムーブの際に故
意、または偶然に関わらず動作を止めた体勢を維持出来ない場合、及び出来なった場合、レフェ
リーにより双方の選手にブレイクが命じられる。ブレイクを命じられた双方の選手は直ちに攻防
を止め、分かれなければならない。
第26章 ファウル
第59条【ファウル】
ファウルは次の通りとする。なお故意または偶然に関わらず悪質なファウルを犯した場合、その
程度によりレフェリーから注意(コーション)が与えられ、1∼2ポイントの減点となる。
(1)禁じる攻撃
a. 頭突き。
b. 前腕や肘での加撃。
c. 掌での加撃。
d. 脊椎への加撃。
e. 指へのあらゆる攻撃。
f. 金的へのあらゆる攻撃。
g. グラウンド・ポジションにある対戦者の頭部、頚部への脚での加撃。
(2)禁じる行為
a. 噛みついたり、歯を押しつけたりする。
b. 爪で引っ掻く。
c. 目、鼻の穴、耳の穴、口の中、肛門に指を入れる。
d. 皮膚をつまむ。
e. 頭髪、体毛、鼻、耳を掴む。
f. 着衣、装備を掴む。
g. 一度に3本未満の指を掴む。
h. ロープ、コーナー・マットに顔面や喉を叩きつける。
i. ロープ、コーナー・マットやエプロン・サイド等をてこに、関節を極める。
j. ロープ、コーナー・マットを掴んだり腕や脚を掛ける。
k. ブレイク後やドント・ムーブ後、レフェリーが試合続行を命じる前に攻防を再開する。
l. ラウンド中以外の攻撃。
m. 対戦者を故意にリング外へ出す。
n. レフェリーの指示に従わない。
o. 対戦者、審判員等への暴言や侮辱的行為。
p. 奇声や大声を発する。
(3)逃避行為
a. 故意にリングの外に出る。
b. マウス・ピースを故意に吐き出すこと等による遅延行為。
(4)八百長行為
a. 一方または双方の選手による出来試合。
b. 馴れ合い、或いはショー的行為を行う等全力で戦わない。
(5)マナーに反する行為
レフェリーの判断により、マナーに反するとされる行為。
第27章 レフェリー
第60条【レフェリー】
レフェリーは公式試合を審判する全権を有する。レフェリーはルールと選手の安全が厳格に守ら
れるように監視し、適正な指示を為し、試合が円滑に行われるように努めなければならない。
第61条【服装】
レフェリーの服装は次の通りとする。
(1)見苦しくなく動きやすい、清潔な服装でなければならない。
(2)レスリング・シューズ等、軽快に動くことの出来る靴でなければならない。
(3)左右の手首に赤と青とに色分けして、リスト・バンドを装着しなければならない。
(4)ウイルス感染を防止するためのラバー・グローブを両手に装着しなければならない。
(5)眼鏡や腕時計、或いは指輪等の貴金属類は、いかなる物も身に着けてはならない。
第62条【任務】
レフェリーの任務は次の通りとする。
(1)試合開始前、試合場の設備や試合役員の配置が総て正しくあるかを確認する。
(2)リング内に入場した双方の選手の身体検査を行い、違反がないかを確認する。
(3)リングの中央で双方の選手にルールについて注意すべき事項等を簡潔に述べ、双方の選手
を自分のコーナーへ退かせ、レフェリー及び選手以外の者がリング外へ出たことを確認した後、
タイム・キーパーに試合開始の合図をする。
(4)試合中は攻防の妨げとならず、双方の選手の攻防を明確に観察出来るよう位置する。
(5)関節技または絞め技が極まりかかっていると判断した場合、親指と人差し指を立てた手
(以下、キャッチ・サイン) を掲げ「キャッチ」とコールする。キャッチ・サインはその状態が解
けるまで表示し続け、その状態が解けたら表示を止める。なおキャッチ・サインは技を施した選
手のコーナーの色と同じ色のリスト・バンドを装着した方の手で表示する。
(6)一旦コールした「キャッチ」を無効とする場合、キャッチ・サインを掲げた方の手を水平
に伸ばし「ノー・キャッチ」とコールする。
(7)攻防が膠着した場合「ブレイク」とコールし、速やかに双方の選手を分けスタンド・ポジ
ションから攻防を続行させる。
(8)攻防の継続中選手がリングの外へ出そうになった場合「ドント・ムーブ」とコールし、双
方の選手を動作を止めた状態を維持したまま攻防が可能な位置に移動させ攻防を続行させる。
(9)攻防の継続中選手の着衣や装備がはずれる、或いははずれそうになった場合、攻防の妨げ
にならぬよう速やかに装着させる。
(10)攻防の開始、続行、促進を命じる場合「ファイト」とコールする。
(11)故意、または偶然に関わらず選手がファウルを犯した場合、必要とあらば試合を停止し
てファウルを犯した選手に警告を与える。
(12)故意、または偶然に関わらず選手が悪質なファウルを犯した場合、試合を停止して「コ
ーション」とコールし、ファウルを犯した選手に注意を喚起し減点する。
(13)減点する場合、減点する選手の氏名、減点の理由、減点するポイント数をISC席とサ
ブ・レフェリー2名に通告する。
(14)一本、或いはKO等により、最終ラウンドの終了を待たずして勝敗の決定を宣告する場
合、頭上で手を数度振り試合が終了したことを表示する。
(15)試合を停止または中止する場合、「ストップ」とコールする。
(16)試合の計時を一時停止する、または再開する場合「タイム」とコールする。
(17)試合を中止する場合、その理由をISC席に通告する。
(18)各ラウンド間のインターバル中、次のラウンドが何ラウンド目であるかを双方の選手に
通告する。また必要とあらば試合続行の意志を尋ねたり警告を与える。
(19)試合中双方の選手の攻防を中立、かつ公正に評価し、各ラウンド毎に本ルールに従って
採点してスコア・カードに記入し、採点集計時にサブ・レフェリーから回収したスコア・カード
と共にISC席に提出する。
(20;)試合終了後、勝者の片腕を取り掲げ、その選手が勝者であることを表示する。ドローの
場合、双方の選手の片腕を取り掲げ、ドローであることを表示する。
第63条【権限】
レフェリーの権限は次の通りである。
(1)打撃、投げ、関節技等によるダメージ、または負傷のため試合の続行が不可能であると判
断した場合、試合を中止し勝敗を決定することが出来る。
(2)関節技や絞め技が完全に極まったと判断した場合、試合を中止し勝敗を決定することが出
来る。
(3)ファウルを故意に犯した選手に対して数度注意した後、或いは一度の注意もなく、その選
手を直ちに失格にすることが出来る。
(4)ラウンド中以外であっても選手がファウルを犯した場合は、その選手に注意を喚起し減点
することが出来る。
(5)ファウルを受けた選手に対して回復のための休息を与え、試合の続行を命じることが出来
る。
(6)選手が試合続行の指示に従わず戦意を示さない場合、TKOにすることが出来る。
(7)キャッチ、ギブ・アップの意思表示、ファウル等について確認出来ない場合、サブ・レフ
ェリーの意見を聞くことが出来る。
(8)ドント・ムーブの際、サブ・レフェリーの補佐を要請することが出来る。
(9)ダメージ、または負傷による試合続行の可否の判断について、ドクターの意見を聞くこと
が出来る。
(10)災害や設備の破損等、試合の続行を不可能に至らしめるような事態が生じた場合、その
試合を中止することが出来る。
第28章 サブ・レフェリー
第64条【サブ・レフェリー】
サブ・レフェリーは試合中サブ・レフェリー席に着席し、冷静かつ注意深く試合を見守り、必要
とあらばレフェリーに対する適正な補佐により、試合が円滑に行われるように努めなければな
らない。
第65条【任務】
サブ・レフェリーの任務は次の通りである。
(1)試合中双方の選手の攻防を中立、かつ公正に評価し、各ラウンド毎に本ルールに従って採
点してスコア・カードに記入し、採点集計時にレフェリーに提出する。
(2)レフェリーの確認できないギブ・アップの意志表示やファウル等をレフェリーに指摘す
る。
(3)試合中レフェリーの要請があらば、「ドント・ムーブ」のコールと共に速やかにリング内
に入り、レフェリーと共に双方の選手を動作を止めた状態を維持したまま、攻防が可能な位置
に移動させる。
第29章 タイム・キーパー
第66条【タイム・キーパー】
タイム・キーパーはISC席に着席し、正確な時計を使用して総ての計時を厳正に行わなければ
ならない。
第67条【任務】
タイム・キーパーの任務は次の通りである。
(1)各ラウンドの開始及び終了を、ゴングを打ち鳴らすことによって知らせる。
(2)各ラウンドの開始10秒前に「セコンド・アウト」とアナウンスする。
(3)レフェリーの「タイム」のコールと共に、計時を一時停止、または再開する。
(4)最終ラウンドの終了を待たずして勝敗が決定した場合、試合終了を告げるゴングを打ち鳴
らすと共に、その時刻を記録する。
第30章 アナウンサー
第68条【任務】
アナウンサーの任務は次の通りである。
(1)試合に先立ちクラス、ラウンド数、双方の選手のウエイト、氏名、審判員の氏名をアナウ
ンスする。
(2)減点があった場合、ラウンド終了後のインターバル中に減点した選手の氏名、減点の理
由、減点するポイント数をアナウンスする。
(3)試合終了後、終了時刻、及び勝者の氏名と勝敗の決定内容をアナウンスする。
(4)ISCから特に要請のあった事項をアナウンスする。
第69条【禁止事項】
ISCが認めた事項以外のアナウンスは許されない。
第31章 ドクター
第70条【ドクター】
ドクターはスポーツ医学に明るく、修斗の技術やルールに精通している、選手の健康を第一義と
するISCが認めた者でなければならない。
第71条【任務】
ドクターの任務は次の通りである。
(1)試合当日、総ての試合出場選手の医事検査を試合の前後に行い、必要とあれば試合出場の
可否をISC役員に進言する。
(2)リング・サイドに設けられたISC席に着席し、レフェリーの要請があれば選手を診断
し、試合続行の可否をレフェリーに進言する。
【[編] 鈴木利治(ISC)】
2008年6月1日一部改正 / 2009年1月1日施行
2008年6月1日一部改正 / 2008年9月1日施行
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