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Title №12:粘膜における樹状細胞,CD8陽性T 細胞 ,CD68陽性
Title Author(s) Journal URL №12:粘膜における樹状細胞,CD8陽性T 細胞 ,CD68陽性マクロファージ密度 小林, 功明; 大峰, 悠矢; 芹川, 雅光; 森田, 純晴; 山 本, 将仁; 阿部, 伸一 歯科学報, 115(5): 476-476 http://hdl.handle.net/10130/3889 Right Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/ 476 学 会 講 演 抄 録 №11:扁平根管の水酸化カルシウムペースト除去に関する Self-adjusting file システム の有効性 藤井理絵,加藤広之,森永一喜,関谷紗世,宮吉教仁,村松 敬,古澤成博(東歯大・保存) 目的:根管貼薬には水酸化カルシウムペーストが世 界的に広く用いられ,シリンジに装填された製剤が 数多く製品化されている。しかしこれらのペースト 応用後に根管内からの洗浄除去が困難な場合のある ことも報告されている。そこで今回我々は,ペース ト除去の困難性が高い扁平根管に貼付されたプレ ミックスタイプ水酸化カルシウムペーストの除去に 際して,根管形態に応じ変形し根管壁面適合性が高 い と さ れ る NiTi 製 フ ァ イ ル の Self-adjusting file (SAF)システムを応用した場合の有効性を検討し たので報告する。 方法:水酸化カルシウムペーストは異なる性状の2 製 剤,水 性 ペ ー ス ト の CalcipexⅡ(日 本 歯 科 薬 品:以下 CP)とシリコンペーストの Vitapex(ネ オ製薬:以下 VP)とを採択した。被験根管には扁 平根管形態を有する下顎犬歯複製根髄腔模型歯(B 22X-END:ニッシン)40本を用いた。根管形成は 06 NiTi ロータリーファイルシステムを用い, #40/. (先端径0. 4mm,テーパー0. 06)で最終形成した。 CP,VP を各々20根管に注入した。これらを2つの 0 根 管 洗 浄 方 法 に よ り4群,実 験 群 の SAF(φ2. mm)と オ サ ダ SAF モ ー タ ー シ ス テ ム(長 田 電 気)を用いた洗浄群:CP-SAF 群,VP-SAF 群,対 照群の根管洗浄用チップ(31G:ウルトラデント) とディスポシリンジの洗浄群:CP-SI 群,VP-SI 群 である。根管洗浄状況は,根尖側から3mm 毎の3 区 域(Apical : AP, Middle : MD, Coronal : CO)に つき,エックス線的 Score 評価を洗浄時間15秒毎に 90秒まで各根管6回行った。 結果および考察:全域 Score では,CP-SAF 群が最 も短い時間で小さな Score 値を示した。次いで CPSI 群,VP-SAF 群,VP-SI 群の順であった。90秒洗 浄時に は CP-SAF 群 と CP-SI 群 は Score 値 が 近 似 し,CP が ほ ぼ 除 去 さ れ て い た。一 方,VP-SAF 群,VP-SI 群では洗浄90秒でも,扁平根管非形成領 域 の fin 部 分 に ペ ー ス ト 残 存 が 認 め ら れ た が, AP,MD,CO のいずれ の 区 域 で も VP-SAF 群 の Score が VP-SI 群よりも小 さ な 値 で あ っ た。NiTi 製でステント様の特殊形態の SAF は,根管壁面に 4mm の上下動で根管壁面に接触 適合・変形し,0. する。SAF はそれらの効果により,扁平根管内の 水酸化カルシウムを効率的に除去したと考えられ た。 №12:粘膜における樹状細胞,CD8陽性 T 細胞,CD68陽性マクロファージ密度 小林功明,大峰悠矢,芹川雅光,森田純晴,山本将仁,阿部伸一(東歯大・解剖) 目的:粘膜の免疫システムには,マクロファージ・ 樹状細胞・サプレッサー T 細胞が深く関与してい る。近年,口腔内における免疫細胞が,舌下部に多 く,口腔底・硬口蓋・頬粘膜では少ないことが報告 された。しかしながら,全身のあらゆる粘膜に焦点 を当て,免疫細胞数を比較した報告は少なく,また 加齢による変性が認められた粘膜の免疫細胞につい ても不明な点が残されている。そこで今回は,高齢 者献体の口腔・眼瞼結膜・肛門管・陰茎粘膜におけ る,樹状細胞・サプレッサーT細胞・マクロファー ジの分布と密度を比較した。 方法:試料として高齢者男性献体8体を使用した。 そ れ ぞ れ の 献 体 か ら1)舌 下 腺 付 近 の 口 腔 底 粘 膜,2)下唇,3)上眼瞼と下眼瞼の付着部位を覆 う 眼 瞼 結 膜,4)歯 状 線 よ り2cm 下 の 肛 門 管, 5)陰茎皮膚の冠状溝(包皮の下の皮膚の溝)を採 取した。採取した標本は通法にしたがいパラフィン 包埋を行い,10μm の連続切片を作成した。H-E 染 色ならびに免疫組織化学的染色(CD1a:樹状細 胞,CD8:サプレ ッ サ ー T 細 胞,CD68:マ ク ロ ファージ)を行い,撮影した対物20倍の切片画像か ら細胞が高密度に存在する0. 8mm 四方を決定し, その部位の細胞密度を算出した。 結果:各粘膜に分布する樹状細胞については,全て の部位の細胞密度に有意差は認められなかった。粘 膜に存在するサプレッサー T 細胞は,肛門管粘膜 には極端に少なく,口腔と下唇,口腔と肛門管,下 唇と陰茎,眼瞼結膜と肛門管,肛門管と陰茎の間で 有意に差を認めた。また,各部位の粘膜におけるマ クロファージ数は,口腔粘膜・下唇・眼瞼結膜に多 く,肛門管と陰茎には少ないことがわかった。一 方,各粘膜の個体差を検索した結果,口腔と下唇粘 膜の樹状細胞の密度は個体差が大きく,最大で10倍 以上の差が認められた。 考察:これまで,口腔内における細菌数は肛門や陰 茎と比較すると10倍以上多いことが分かっている。 したがって,細菌とマクロファージの数には正の相 関があることが示唆された。また,口腔と下唇粘膜 における樹状細胞の密度は個体差が大きく,口腔清 掃状態が深く関与していると考えられた。さらに は,免疫関連細胞は肛門管に極端に少なく,肛門に は局所免疫反応がほとんど起きていないことが分 かった。 ― 94 ―