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第5章 - 岡山市水道局

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第5章 - 岡山市水道局
基本施策の6本柱
第
章
岡山市水道事業総合基本計画
(アクアプラン2007)施策一覧
6本柱 主要事業 方針と施策 頁 ○水源林事業の継続実施
1 水道水源の保全
39
○水源水質の保全
○カビ臭対策の実施
○クリプトスポリジウム対策の推進
44
2 浄水処理のレベルアップ
安
全
で
お
い
し
い
水
の
供
給
○残留塩素の低減化
○浄水処理方法の調査・研究
45
○水質監視システムの拡大
47
3 水質検査・管理体制の充実
○流域市町村水質検査受託の拡大等による水質監視体制の強化
○水道GLPの取得
48
○給水装置の管理に対する広報の推進
51
○貯水槽水道維持管理の啓発及び巡回点検サービスの強化
4 給水装置等の適正な維持管理に向けて
○直結給水システムの拡大
52
○学校水飲み場直結給水化の検討
53
5 鉛製給水管の早期解消
○鉛製給水管解消事業の推進
54
6 水源から蛇口まで一貫した管理体制の構築
○水安全計画の策定
56
○必要水源の確保と水源の見直し
59
○浄水施設の再編・整備
60
1 水需要に応じた安定施設整備
信
頼
性
の
高
い
水
道
シ
ス
テ
ム
の
確
立
○効率的な水運用
62
2 運用・管理機能の強化
○水道管路システムの運用
○浄水場監視体制の強化
63
○将来の更新・事故に対応した浄水施設の整備
○水源の見直しによる施設の効率的再編
3 水道施設の計画的更新
69
○施設のレベルアップ
○配水池容量・機能の増強
○需要に応じた配水系統の見直し
70
○老朽管の計画的更新
○施設の計画的耐震化
基
本
施
策
の
6
本
柱
73
○配水管網の耐震化
1 リスク管理体制の充実
(災害被害の未然防止)
災
害
に
強
い
水
道
づ
く
り
○配水区域のブロック化
74
○浄水場自家発電設備の充実
75
○施設のセキュリティ対策
○配水池の2池化
78
○緊急遮断弁の設置
79
○耐震性緊急貯水槽の整備
80
2 危機管理体制の充実
(災害発生時の対応)
○応急給水栓の整備
○応急給水マップの作成
81
○「水道局退職者災害時支援協力隊(仮称)」の設立
○応急復旧体制の整備
82
○受水の効果的運用と水源間の連絡管整備
83
6本柱 主要事業 方針と施策 頁
○お客様センターの設置
1 受付体制の充実
85
○インターネットサービスの充実
○検針から収納まで一貫した料金徴収業務の効率化
お
客
様
の
満
足
に
応
え
る
水
道
づ
く
り
2 徴収事務の効率化
86
○自動検針システムの研究
○口座振替割引制度の検討
3 水道料金支払の利便性向上
○クレジットカード決済の検討
88
○2か月検針1か月請求の検討
4 多様な料金メニューの考案
○選択性料金制度の検討
89
○お客様に伝える広報
○子どもに伝える教育プログラムの実施
5 広報・広聴の充実
92
○広報効果の把握による効果的広報
○インターネットモニターの拡充等による広聴の充実
93
○お各様の声のデータベース化によるお客様満足度の向上
6 サービス拠点の整備
○庁舎等の整備
94
○時代のニーズにあった事務事業・組織・機構の再編整理
○民間的経営手法(多様な事業形態)の調査・研究
1 継続的な行財政改革
行
財
政
改
革
の
推
進
等
に
よ
る
経
営
基
盤
強
化
○民間委託等の推進
97
○定員管理の適正化
○資産の有効活用など増収策の拡大
○優先順位の明確化による効率的設備投資
2 財政基盤の強化
○企業債残高の削減
100
○合併地区を含めた財政見通しの策定・公表
3 事業評価の充実
○評価による事業の効率的実施及び説明責任
101
4 ICT(情報通信技術)の活用
○システム全体の最適化による経営の効率化、お客様サービスの推進
102
○研修体制の充実
○研修施設の設置
5 組織の活性化と技術の継承
○人材育成のための人事制度
106
○国際会議、海外派遣等の推進
○企業戦略的国際貢献
6 協働による水道事業
資
源
循
環
型
の
水
道
シ
ス
テ
ム
の
構
築
○市民等とのパートナーシップの推進
107
○ISO14001による環境負荷低減の継続的な取組
1 環境マネジメントシステムの改善
108
○環境会計、環境報告書の作成
2 水源保全活動 豊かな森づくり・水づくり
○緑のダムづくり
110
3 水の有効利用
○漏水防止事業の推進・有収率の向上
111
○浄水発生土の有効利用
4 資源リサイクルの推進
113
○有価物としての有効利用の研究
5 CO2 削減の促進
○水道施設の省エネルギー化
115
○太陽光発電の検討
116
○小水力発電の検討
117
基
本
施
策
の
6
本
柱
基本施策の6本柱
安全でおいしい水の供給
「安全でおいしい水」をお届けするためには、水源から給水栓までのすべての過程にお
ける適切な管理と対策が必要です。水源林事業、水質監視・検査体制の充実など従来から
の取組みを強化しながら、ミネラルウォーター等への関心も高まる中、飲料水としての「お
いしい水道水」のレベルアップに向けた取組みを行います。
(1)水道水源の保全
現状と課題
●水源林事業
岡山市水道局では健全で持続可能な水利用の構築を目指すとともに、安定した水
源及び安心できる水質の確保のため、水源林事業を行っています。
市の水源の大部分を旭川の恵みに頼っていることから、旭川上流(東支流域)に位
置する苫田郡鏡野町(旧富村)において、昭和40年を初年度として第1次から第4次
にわたり針葉樹の植栽(152.17ha)と天然林整備(16.66ha)を中心とした水源林
事業を、また平成13年度から平成17年度までの5年間、真庭郡新庄村(西支流域)
において、広葉樹の植栽と自然林整備・育成を中心とした水源林造成事業(30ha)を
行いました。
これらの取組みに加え、市民ボランティアが参加した植樹による水源地域との交
流などの活動が認められ、
平 成 1 7 年 7 月に国 土 交
通大臣から水資源功績者
表彰を受賞しました。
水源林事業に対する取
基
本
施
策
の
6
本
柱
組みは、意識調査におい
ても9割以上の利用者か
ら必要と認められており、
今後も市民が参加可能な
水源保全活動を継続して
いくことが求められてい
ます。
水資源功績者表彰受賞
【水源林事業の概要】
鏡 野 町
区 分
新庄村
第1次
第2次
第3次
第4次
施行地
鏡野町富西谷
鏡野町富西谷
鏡野町富西谷
鏡野町富東谷
新庄村茂村
施行面積
(計 198.83ha)
55.0ha
34.17ha
33.0ha
46.66ha
30.0ha
植栽年次
植
栽
昭和40年∼45年 昭和49年∼52年 昭和54年∼58年 平成9年∼13年
平成13年∼16年
樹 種
スギ ヒノキ
アカマツ
クヌギ
コナラ
スギ
ヒノキ
スギ
ヒノキ
クヌギ
コナラ
ヒノキ
ケヤキ
クヌギ
本 数
192,426本
126,350本
109,471本
99,000本
36,200本
−
−
−
16.66ha
15.5ha
天然林整備
方針と施策
●水源林事業の継続実施
安全でおいしい水の供給には、良質な水源の確保が重要です。今後も引き続き国・
県等関係機関と連携を図りながら、環境対策との両面から水源林事業を継続実施す
るとともに、水源林事業を通して水源地域や流域の方々との交流・協力関係を深め、
水道利用者の方々の水源保全に対する意識・理解を高めていきます。
●水源水質の保全
質・量の両面から水源を保全するため、岡山県、流域自治体や関係する利水者と連
携を取りながら上流域の水質保全に取り組みます。
また、開発行為、事業場排水、農薬、家畜等による水質汚染や不法投棄物対策など
の規制強化を県、流域市町村と協力し、進めていきます。
基
本
施
策
の
6
本
柱
(2)浄水処理のレベルアップ
現状と課題
① 水質監視
水道水の元となる原水については、浄水場に設置している魚類監視装置 ※1等の活
用による24時間監視体制の下、水道事業ガイドライン指標値に見られるとおり、年次
的に監視項目数を増やし、監視体制の強化を図っています。
これまでのところ、大きな変化もなく比較的良質な水質が保たれています。
○水道事業ガイドライン1101(原水水質監視度)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
原水水質
1101 監視度 原水水質監視項目数
(項目)
83
87
88
93
98
98
98
20団体
平均値
90.8
安全でおいしい水の供給のために、原水水質をどの程度詳細に監視しているかを示す指標であり、経年的に徐々に上昇し
監視度は高まっている。
100
95
90
85
80
75
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
※原水水質監視度の他団体との比較につい
ては、農薬の項目数の捉え方が団体によ
って異なるため比較が困難です。
※ガイドライン指標値の表中 は数値が
高いほど良い項目を示し、 は数値が低
いほど良い項目を示しています。
② カビ臭対策
水源水質は良好に保たれていますが、取水量の2/3の割合を占める表流水は、滞
基
本
施
策
の
6
本
柱
留によって藻類が発生しやすいことから、年に短期間ではありますが、藻臭、カビ臭
の発生が見られ、この時期には表流水処理を行っている各浄水場は、粉末活性炭 ※2
の注入を行うことにより、水質基準に適合した水道水を供給しています。
次の表のとおり、ガイドライン「カビ臭から見たおいしい水達成率」
(1105)は、
平均的な値を示していますが、平成19年からは、水質基準値が現行の1/2に強化さ
れたことからも、合併地区を含めた対策が急がれます。
※1 魚類監視装置
魚の活動電位を利用(センサ)して、河川水への急性毒物の混入を監視する装置。平成6年に三野と鴨越の各浄水場に1台ずつ導入され
ている。
※2 活性炭
表面に非常に小さな穴が無数にある炭素の物質で、表面積が極めて大きいために、有機物質の吸着力にすぐれている。水の中に溶け込
んでいる臭いの原因となる有機物質やトリハロメタンの原因となる物質などは、この穴の中に取り込まれ除去される。
○水道事業ガイドライン1105(カビ臭から見たおいしい水達成率)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
カビ臭か
ら見たお
1105 いしい水
達成率
(%)
[(1 −ジェオスミン
最大濃度 / 水質基
準値)+(1 −
2MIB 最大濃度 /
水質基準値)]/2 ×
100
データ
なし
データ
なし
25
データ
なし
88
93
75
20団体
平均値
84
給水栓水で、2種類のカビ臭物質最大濃度の水質基準値に対する割合をいい、水質基準値ぎりぎりであると0%、全くカ
ビ臭物質が含まれないと100%になる。 ③ クリプトスポリジウム対策
各浄水場での施設の更新や新設時にはクリプトスポリジウム ※ 対策に対応した施
設としていますが、さらに厚生労働省の「水道におけるクリプトスポリジウム等対策
指針」に基づき、濁度管理を徹底させるため、24時間連続監視を行う濁度計を各浄
水場に設置するなどの対策を行っています。
本市ではこれまでのところ、水道の原水及び浄水の検査においてクリプトスポリジ
ウムを検出したことはありませんが、引き続き濁度管理を徹底するとともに、浄水処
理方法の改良など安全対策の強化を図ります。
④ 塩素臭
安全な水を送るために水道水は塩素を加えて殺菌を行っています。この衛生上の
措置により、水道水には残留塩素が含まれ、わずかに塩素臭が感じられることがあり
ますが、近年、おいしい水へのニーズが高まる中、お客様にとって「塩素臭」は水道水
離れの要因の1つとなっています。
残留塩素については、給水栓で0.1㎎/
以上を確保しなければならないことが水
道法(施行規則)で定められていますが、0.4㎎/
以下ではほとんどの人が塩素臭
を感じないことから、厚生労働省では「おいしい水の要件」
(※)として0.4㎎/
以
下という目標値を掲げています。
※クリプトスポリジウム
人や牛など哺乳動物の消化管に寄生する大きさが4∼6 (1 は1㎜の千分の1)の原生動物(原虫)。食べ物や水を介して口から感
染し、2日∼5日後に下痢、腹痛などの症状を起こす。
環境中では厚い殻をもつオーシスト(接合体)となるため、水道水の消毒に用いられる塩素に対して強い耐性を持っているが、熱には
弱く、煮沸すれば原虫は死滅する。また、感染しても免疫機能が正常であれば1∼2週間ほどで自然に治癒する。
基
本
施
策
の
6
本
柱
(※)おいしい水の要件と岡山市の水道水
おいしい水研究会
水質要件
項 目
蒸発残留物
硬度
遊離炭酸
過マンガン酸カリウム消費量
臭気強度
残留塩素
水温(最高)
30∼200㎎/
10∼100㎎/
3∼30㎎/
3㎎/ 以下
3以下
0.4㎎/ 以下
20℃以下
三野浄水場系水道水
(平成18年度
曽根給水栓 年平均)
水質管理目標
設定項目
目標値
30∼200㎎/
10∼100㎎/
20㎎/ 以下
3㎎/ 以下
3以下
1.0㎎/ 以下
−−−
67㎎/
29.6㎎/
4.2㎎/
1.0㎎/ (注)
1未満
0.6㎎/
(注)全有機炭素(TOC)の量を過マンガン酸カリウム消費量に換算した。
しかし、残留塩素は、浄水場から遠方地域の管末に到達するまでに徐々に減少する
ため、浄水場での薬品注入量を減らすと、末端給水栓での確保が困難となります。
本市は給水区域が広く、送・配水管が長いため、特に夏季においては、水道水中の
塩素が消費されやすいなど課題はありますが、お客様により「おいしい」水をお届け
するため、残留塩素の低減に向けた取り組みが求められます。
○水道事業ガイドライン1106(塩素臭から見たおいしい水達成率)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
塩素臭か
ら見たお
1106 いしい水
達成率
(%)
基
本
施
策
の
6
本
柱
[1 −(年間残留塩素
最大濃度−残留塩
素水質管理目標値)
/ 残留塩素水質管理
目標値]× 100
0
0
0
0
0
0
0
20団体
平均値
12.8
残留塩素の多少による水道水のおいしさを示す指標の1つであり、指標は残留塩素最大濃度0.8㎎/ 以上で達成率が0%、
残留塩素水質管理目標値の0.4㎎/ 以下で100%となる。
残留塩素一斉測定
残留塩素一斉測定を平成18年7月に実施しました。これは、主に三野、旭東、鴨越
浄水場から配水池を経由せず直接送水するエリアについて残留塩素の詳細を把握
するため、2日間で一斉に行ったものです。
今後は今回の未調査区域も順次調査を行い、浄水場の送り出し残留塩素濃度や塩
素の追加場所の検討を行っていく必要があります。
残留塩素一斉測定結果
(平成18年7月実施)
約450か所
三 野 浄 水 場
送水残塩 0.73
旭 東 浄 水 場
送水残塩 0.70
西大寺配水池
配水残塩 0.77
鴨 越 浄 水 場
送水残塩 1.10
残留塩素の値(mg/ )
0 ∼0.1
0.1∼0.2
0.2∼0.3
0.3∼0.4
0.4∼0.5
0.5∼0.6
0.6∼0.8
0.8∼1.0
1.0∼1.2
基
本
施
策
の
6
本
柱
方針と施策
●カビ臭対策の実施
水質基準の改正で強化されたカビ臭基準より厳しい本市独自の水質目標を設定
することで、お客様によりおいしく、安心して飲んでいただける水道水を供給します。
この独自目標を達
【カビ臭の岡山市独自目標】
成 す るた め 、活 性 炭
注 入 設 備 の 設 置 、活
性炭によるろ過装置、
高度浄水処理
※1
導入
の検討など合併地区
項 目
岡山市の目標値
国の基準値
ジェオスミン※2
5ng/
以下
10ng/
以下
2−メチルイソボルネオール
(2−MIB)※2
5ng/
以下
10ng/
以下
を含めたカビ臭対策
を実施します。
●クリプトスポリジウム対策の推進
クリプトスポリジウム対策
として 、原 水 の 監 視 などの
【クリプトスポリジウムのライフサイクル】
水道水・食物に混じった
オーシスト
ほか浄水処理を徹底するた
めに、急速ろ過池の改良、紫
スポロゾイト
外線(UV)照射による不活
化対策、膜ろ過設備の新設
増殖
など最 適 な 処 理を 選 択し、
高感度濁度計や定期的な
水質検査による水質監視体
制の強化を図ります。
有性生殖
メロゾイト
小腸の中
オーシスト
オーシストが再び下水や川へ
基
本
施
策
の
6
本
柱
●残留塩素の低減化
平成18年から管路の更新には、管路内での塩素消費量が少ない内面エポキシ樹
脂粉体塗装管 ※3を標準的に使用することとしています。
今後は、更新計画に基づいて管路の布設替えを進める一方で、市内残留塩素一斉
測定の範囲を合併地区にも拡大し、さらに詳細なデータ調査を行った上で次のよう
な取組を行います。
※1 高度浄水処理
通常の浄水処理では、清浄で異臭味などのない水道水の供給を確保できない場合に対処する処理のこと。代表的な方法としてオゾン処
理、活性炭処理、生物処理などがある。
※2 ジェオスミン、2−メチルイソボルネオール(2−MIB)
藍藻類や放線菌が産出する発臭物質。カビ臭の原因となる。
※3 内面エポキシ樹脂粉体塗装管
鋳鉄管の内面を腐食防止のため粉体のエポキシ樹脂を溶融・密着させてコーティングしているもので、従来のモルタルライニング管に
比べ塩素消費量が少ない。
◎ 塩 素 消 費 量 の 減 少を 目 的とした 浄 水 水 質 の
向上(浄水処理方法の調査研究)
◎水質監視局、残塩webシステムの活用による
適切な薬品注入
◎到達時間を要する地域 の 配水管 へ の 塩素注
入設備の設置
◎配水池、配水管内での滞留を考慮した配水エ
リアの変更
おいしい水の要件
0.8
:現在のイメージ
[
0.4
]
残
留
塩
素
濃
度
㎎
/
0.1
:理想のイメージ
滞留時間
【残留塩素の岡山市独自目標】
岡山市の目標値
残留塩素濃度
現状(18年度)
0.4㎎/ 以下
0.1㎎/ 以上
0.71㎎/
国の目標値
1.0㎎/ 以下
0.1㎎/ 以上
*岡山市の目標値及び現状は水質監視局年間平均値
●浄水処理方法の調査・研究
安全でおいしい水に対する利用者のニーズの高まりから異臭味等水道水質に関す
る問題がクローズアップされています。
水源水質の悪化または水質基準の強化により現状の浄水施設では対応できなく
なる場合に備え、またさらに安全性、おいしさ、経済性を追求するため、高度浄水処理・
高効率浄水処理の調査・研究を行います。
消毒剤
凝集剤
原水
後塩素注入
凝集沈澱
オゾン
砂ろ過
浄水
活性炭
【オゾン・活性炭を使用した高度浄水処理の一例 】
基
本
施
策
の
6
本
柱
(3)水質検査・管理体制の充実
現状と課題
平成13年1月に完成した水質試験所では最新の検査機器を整備し、以前にも増し
て精度の高い水質検査の実施が可能となりました。
「安全でおいしい水」をお客様
にお届けするために、水道水源から蛇口に至るまでの各工程で厳しい水質検査を日々
実施し、お客様の水道水への関心や期待に応える水質管理体制を整えています。
さらに、平成13年4月からは近隣町村の水質検査業務を受託するなど広域的な連
携にも努め、県内事業体における水質検査機関の中心的な役割を果たしています。
平成16年4月の水質基準の改正では、検査項目が増大し※1、水質検査計画 ※2 の策
定 が 義 務 付 けら れ
ました が 、これらに
も対応するとともに、
検査計画の内容、水
質検査結果につい
ては、ホームペ ージ
で の 公 表 を 行って
い ま す 。しかし 、水
質基準は今後も逐
次追加、強化が行わ
れることが予想され、
更 なる検 査 体 制 の
充 実を 図る必 要が
あります。
岡山市水道局水質試験所
水質基準の適合状況
基
本
施
策
の
6
本
柱
平成16年度からは新しい水質基準に基づき、より厳しい検査を行っています。水
質基準の適合状況は、下図の水道事業ガイドラインに示すとおり、継続して基準値を
クリアしており、お客様に安心して飲んでいただける水道水をお届けしています。今
後とも安全でよりおいしい水をお届けできるよう引き続き厳重な検査を行って参り
ます。
※1 水質基準項目等(平成16年4月)
◎水質基準項目 50項目
安全性・信頼性の確保の要件から人の健康に影響を及ぼすおそれのある項目、水道としての基礎的・機能的条件の確保の要件か
ら生活上の支障を生ずるおそれのある項目が水質基準として定められている。
◎水質管理目標設定項目 27項目
将来にわたり水道水の安全性の確保等に万全を期する見地から、水質基準に係る検査に準じて、体系的・組織的な監視によりそ
の検出状況を把握し、水質管理上留意すべき項目として定められている。
※2 水質検査計画
水質検査の適正化を図るとともにその透明性を確保するための計画。水道水源やその周辺の状況等を勘案し、どのように水質検査を実
施するか(採水の場所、検査の回数等)について立案、文書化し、毎事業年度の開始前に情報提供する。
○水道事業ガイドライン1104(水質基準不適合率)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
1104
水質基準 (水質基準不適合回
不適合率 数 / 全 検 査 回 数 )×
(%)
100
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
20団体
平均値
0.1
水質基準不適合はなく、指標値は0である。
方針と施策
●水質監視システムの拡大
水質監視を行う水質監視局(自動水質計器)、残留塩素の監視システムである「残塩
webシステム 」を合併
残塩webシステム
地 区 にも 設 置し 、市 内
全域の水質監視体制を
保育園
整 えま す 。こ れ に より
濁水事故などの処理の
保育園
保育園
迅速化や残留塩素の適
正化などに努めます。
また 、水 源 の 汚 染 を
残塩webシステム
監 視 する「 魚 類 監 視 装
置」等を活用しながら、
原水の24時間監視体
制 を 強 化し 、水 質 汚 染
水質試験所
事故、災害、テロなどに
備えます。
●流域市町村水質検査受託の拡大等による水質監視体制の強化
旭川水系について、流域市町村における水質検査受託の拡大を行うなど、広域的
な水質監視体制の確立を目指します。また、吉井川、高梁川水系についても岡山県
広域水道企業団、岡山県南部水道企業団との連携を強化し、流域の水質監視を強化
します。
基
本
施
策
の
6
本
柱
●水道GLPの取得
GLP(Good Laboratory Practice「優良試験所規範」)とは、検査や試験が正
確かつ適正に行われたことを第三者(社団法人日本水道協会)が利用者に対して保
証する制度です。水道GLPを取得することにより、更なる水質検査精度の向上と信
頼性が確保されます。お客様により安心して水道水をご利用していただくため、また、
県内水質検査機関の中核として、信頼性向上に向け早期の取得に取り組みます。
(4)給水装置等の適正な維持管理に向けて
水源からお客様のご家庭の蛇口まで安全でおいしい水をお届けするためには、水
源保全や浄水処理の向上に努力するだけでなく、よりお客様に近い給水装置あるい
は貯水槽以下の維持管理が適正に行われることが重要です。
現状と課題
① 給水装置等の管理
給水装置の使用材料は、国の基準に適合している材料であればお客様が自由に選
択し、使用することができます ※1。
近年、生活様式の多様化に伴い、給水装置に取付けられる給水用具は利便性や快
適性に優れた各種製品の開発が行われています。しかし、取付け方法が不備であっ
たり、定期的な清掃、部品交換等の日常維持管理が適正に行われなければ、故障や漏
水事故の原因となり、水の安全性・快適性が損なわれます。
お客様が日常的に使用する給水装置を便利で快適なものにするためには、確実な
工事が施工され、適切な維持管理が行われることが重要であります。そのためには、
水道事業者、指定給水装置工事事業者とお客様が協力し、それぞれが給水装置の維
持管理の重要性を認識することで水質面、機能面における安全・快適な水道の保持
に努めなければなりません。
基
本
施
策
の
6
本
柱
※1 配水管の取付口から水道メーターまでの間の給水装置については、災害等による損傷の防止、迅速な復旧の観点から構造、材質を水道
局が指定することができます。
② 貯水槽水道の管理
●貯水槽水道の適正な管理
3 階 建て 以 上 の 中 高 層 建 物に
貯水槽水道の内訳(平成18年度現在)
多く採用されている貯水槽水道※1
は、十分な管理が行われず衛生上
合計6,238件
の問題が生じるケースも指摘され、
1,480件
改正水道法(平成14年4月施行)
により、設置者の責任及び水道事
4,758件
業者 の 適切な関与が明確にされ
ました。
これを受けて本市では、貯水槽
の設置状況、規模などを実態調査
簡易専用水道
小規模貯水槽水道
(有効容量10m3超)
(有効容量10m3以下)
した上で、水道法の適用を受けな
い10m 3 以下の小規模な貯水槽
水道を対象に「清掃が行われているか」、
「亀裂や破損など貯水槽の構造に問題はな
いか」などの管理状況を点検し、簡易5項目※2 の水質検査を行う巡回点検サービスを
平成16年度から始めました。
○水道事業ガイドライン5115(貯水槽水道指導率)
指 標 値
番号
業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
貯水槽水 貯 水 槽 水 道 指 導 件
5115 道指導率 数 / 貯水槽水道総数
(%)
×100
データなし
6.0
8.9
8.6
20団体
平均値
14.1
平成16年度から貯水槽巡回点検サービスを開始し、平成18年度は16年度に比較し2.6ポイント上昇した。
ガイドライン業務指標で見ると、平成18年度で8.6%であり16年度に比べ2.6ポイント上
昇しています。この数値は貯水槽水道巡回点検を実施した件数の、点検対象となる貯水槽水
道に占める割合であり、20団体平均値と比べるとやや低い値を示しています。
その結果、
「年1回の清掃を実施していない」
(34.6%)、
「貯水槽内部にさび、沈
でん物がある」
(19.7%)、
「マンホールに施錠設備がない 」
(17.3%)、など全体
の約5割に何らかの不備が見られ、管理が不十分なものが多くありました。設置者等
への維持管理の重要さについて意識の向上を図る必要があります。
※1 貯水槽水道
ビル・マンション等の建物で、水道局から供給される水をいったん受水槽に受けたのち利用者に給水する施設。
※2 簡易5項目
色、臭気、味、濁度、残留塩素の5項目。
基
本
施
策
の
6
本
柱
点検総数1,517件に対する不良件数(複数項目に該当するものあり)
年1回の清掃を
実施しているか
525
管理状況
貯水槽内部にさび、
沈でん物がないか
構 造
299
マンホールに施錠
設備があるか
262
0
100
200
300
400
500
600 件
(平成18年度末現在)
●直結給水システムの拡大
貯水槽水道の衛生上の問題を解消するため、貯水槽を介さずに直接給水する「3階
「直結増圧給水方式 ※2 」の直結給水を推進しています。一般家庭
直圧給水方式 ※1 」、
の3階建て建物が増えてきたことから平成2年度から3階建物へ の直圧給水を行っ
てきていますが、
平成13年度からは、
直結増圧給水方式の件数・戸数
建物規模で概ね
1 0 階 程 度まで の
建物について直結
4,676
戸数
450
件数
4,000
用しています。
3,500
グラフ の とおり
3,000
水方式を採用する
件数
500
4,500
増圧給水方式を採
年 々 、直 結 増 圧 給
基
本
施
策
の
6
本
柱
戸数
5,000
400
350
3,323
300
2,500
2,264
266
200
2,000
1,000
す が 、貯 水 槽 水 道
500
から の 切り替 えに
0
205
1,497
1,500
建物は増えていま
250
150
140
839
100
94
283
50
57
24
平成13
0
14
係る費用負担等が
15
16
17
18
年度
(件数、戸数は13年度からの累積値を示しています。)
課題となっています。
また、小学校においては、児童数の減少、学校週休2日制等を背景として特に夏季
には貯水槽内の水温が上昇しやすいことなどから、子どもたちは自宅から持参した
水筒で水分補給をしている実態があります。こうした子どもの頃からの意識、習慣は
将来にわたる「蛇口離れ」を進めることにつながります。教育委員会とも連携しながら、
新鮮な水道水を子どもたちが蛇口から直接飲むための環境整備を行う必要があります。
※1 3階直圧給水方式
配水管の水圧をそのまま利用して、3階までの蛇口に直接給水する方式。
※2 直結増圧給水方式
水道用直結加圧形ポンプを設置して給水管内の水圧を増圧して蛇口まで直結給水する方式。
方針と施策
●給水装置の管理に対する広報の推進
給水装置を便利で快適に使用していただくためには、給水装置はお客様の所有で
あり、お客様自身が日常の適正な維持管理を行わなければならないことをしっかりと
認識していただく必要があります。
そのため、ホームページ、広報誌を活用するほかパンフレットを作成して、お客様
に配布し、給水装置等の適正な維持管理を呼びかけます。
また、公道下に埋設された給水管は、お客様による維持管理が困難なことから現在、
水道局の費用で修繕等を行っています。宅地内に埋設された給水管の漏水修理に
ついては、すべてお客様の費用負担となりますが、水道メーターより公道側の漏水修
理は、水道料金に算定されないことから遅れがちです。貴重な水資源を有効に利用
する観点からも、本管から水道メーターまでの給水管の修理については、水道局の
費用負担による修理を検討します。
給水装置
給水装置
高置水槽
道路
洗タ
浄ン
大ク
便レ
器ス
貯
水
槽
・
ポ
ン
プ
水
道
メ
ー 止
タ 水
ー 栓
分水栓
水
道
メ
止 ー
水 タ
栓 ー
給水管
メーターボックス
配水管
給水装置は定期的な点検と
日頃の管理が大切です
ブ
ー
ス
タ
ポ
ン
プ
逆止弁
メーターボックス
給水装置は各ご家庭で管理
するものです。定期的な点
検もお忘れなく!
●貯水槽水道維持管理の啓発及び巡回点検サービスの強化
安心して水道水を利用していただくため、貯水槽水道方式を採用されているお客
様に対しては、適正な管理に向けた点検・調査、助言などの積極的関与を行いながら、
直結給水方式へ の切り替えを促進し、新規のお客様に対しては、給水申請段階から
の直結給水方式採用の普及・拡大を図ります。
基
本
施
策
の
6
本
柱
●直結給水システムの拡大
【貯水槽水道巡回点検サービスの強化】
平 成 1 6 年 度に開 始した 巡
回点検サービスは、平成19年
度で一巡する予定です。
点検にご協力をいただけな
かった お 客 様 も 含 め 、維 持 管
理の重要性を認識いただくため、
パンフレットを作成するなどし
て積極的に広報を行っていき
ます。また、点検により管理状
況 に不 備 が あった 場 合 は 、設
置者等に対して適切な指導や
助言を行います。
貯水槽巡回点検サービス
●直結給水システムの拡大
「直圧給水方式」、
「直結増圧給水方式」の直結給水システムは、衛生上の問題が
解消されるなどメリットが多いため、今後、より多くのお客様に蛇口から直接水を飲
んでいただけるよう、さらに高層階への直圧給水や市内全域において直結増圧給水
が可能となるように配水管網の整備を推進し、条件の緩和を検討します。
基
本
施
策
の
6
本
柱
増圧装置
3階直圧給水方式
配水管
直結増圧給水方式
直結給水方式のメリット及びデメリット
デメリット
メリット
管理の十分でない受水槽、高置水槽で
の水質の劣化が解消され、常に安全な
水の供給が得られます。
衛生的
・ 3 階直圧給水方式 ポンプが必要な
く、電気代はかかりません。
貯水槽方式では災害等に断
・直結増圧給水方式 配水管水圧で不
水があっても高置水槽に貯
省エネルギー 足する水圧を増圧すればよいので、
まった水を利用することが
エネルギーロスが少なく、電気代の 断水時の影響
できますが、直結給水方式
節約が期待できます。
では断水になった場合、す
受水槽、高置水槽を設置するスペース
ぐに水か出なくなります。
省スペース が不要となり、そのスペースを他の用
途に有効利用することができます。
受水槽、高置水槽の清掃や保守などが
なくなるので、
メンテナンスが楽になり
ます。
省力化
●学校水飲み場直結給水化の検討
「蛇口から直接水を飲む」水道文化を次世代に継承し、育むためには、
「直接飲む」
という水に対する意識や行動が子どもの頃から培われることが重要です。
この た め、子どもた ちに対して水道に対する
理解を深める広報活動も積極的に行い ながら、
ハード面での整備として教育委員会と連携し、小学
校において飲用の機会が多い運動場に面した屋
外水飲み場の直結給水化を検討します。
直結給水
水飲み場
(出典:日本水道協会)
(出典:横浜市水道局)
学校直結給水イメージ図
高置水槽
高置水槽
改修前
配
水
管
校舎用
水道メータ
受水槽
改修後
配 校舎用
水 水道メータ
管
受水槽
新設配管(水飲み場系統)
プール用水道メータ
プール用水道メータ
基
本
施
策
の
6
本
柱
(5)鉛製給水管の早期解消
現状と課題
鉛は、柔らかい特性から加工しやすく給水管の材料として広く普及していましたが、
漏水が発生しやすく、その後の硬質塩化ビニル管 ※1やポリエチレン管 ※2 の普及もあ
って、本市では昭和53年3月以降の使用を中止しました。
また、鉛製給水管からの溶出による鉛の体内への蓄積が一定量以上、長期間にわ
たった場合、健康面での影響も懸念されることから、厚生労働省では、毎日水道水を
飲用しても日本人の健康に問題がないとされる鉛の水質基準0.05㎎/
を平成15
以下へさらに強化しました。
年に0.01㎎/
本市の鉛管の使用実態は、配水管本管ではすでに解消されています。給水管につ
いても、水道局の管理区分である公道部分の取替を解消するため、
「鉛製給水管解
消事業」として第1期計画を立て、平成14年度から解消事業を進めています。しかし、
民地(宅地)内の鉛管は所有者の管理下にあり、取替が進んでおらず課題となってい
ます。
鉛製給水管解消件数及び解消率 (平成18年度末現在)
解消件数
解消件数
2,000
1,876
解消率(%)
100
解消率
1,760
1,800
90
1,600
1,600
1,600 1,600 1,600 1,600
80
1,432
1,400 1,367 1,379
73.64 70
66.19
1,200
60
58.74
1,000
50
51.29
800
40
43.84
600
30
36.39
27.65
400
20
20.99
200
基
本
施
策
の
6
本
柱
6.37
0
平成14
10
12.79
15
16
17
18
19
20
21
22
23
0
年度
※平成19年度から23年度の年間解消件数を1,600件として解消率を計算しています。
方針と施策
●鉛製給水管解消事業の推進
漏水防止・水質の安全性確保を目的に、これまでも配水管改良工事や修繕工事に
合わせて鉛製給水管の取替えを順次進めてきましたが、平成14年度から実施中の「鉛
製給水管解消事業」を引き続き積極的に推進し、鉛製給水管の早期の解消を目指し
ます。
※1 硬質塩化ビニル管
塩化ビニル樹脂を主原料とする。耐食性・耐電食性に優れ、軽量で接合作業が容易であるが、反面、熱に弱く、紫外線により劣化し、凍結
すると破損しやすい。
※2 ポリエチレン管
プラスチック管の一種。軽量で耐寒性・耐衝撃性・施工性に優れている。
第1期解消計画
平成1 4 年度から平成2 3年 度まで の 1 0 年を 第 1 期 解 消 計 画と定 め、公 道 部 分 の 約
21,500件のうち、解消率50%を目指します。
第2期解消計画
引き続き、第2期解消計画を定め、残る公道部分の早期解消に努めます。
鉛製給水管の取り替え
この間を鉛管から
ポリエチレンに取り替えます
官
民
境
界
公道
民地
約1m
分水栓
鉛製給水管
メーター
ボックス
水道本管
分水栓
メーターまでの取り替え
鉛製給水管
メーターボックス
第一止水栓
水道本管
第一止水栓までの取り替え
官
民
境
界
《 鉛製給水管解消事業の目標(公道部分)》
鉛製給水管残存数
事業開始前
(13年度)
現 状
(18年度)
目 標
(28年度)
21,500か所
13,700か所
0 か所
基
本
施
策
の
6
本
柱
(6)水源から蛇口まで一貫した管理体制の構築
方針と施策
●水安全計画の策定
「安全でおいしい水の供給」に向け、原水から給水に至る一貫した水質管理の徹
底が求められています。
WHOの飲料水水質ガイドライン(第3版)で提唱された「水安全計画」の手法は、食
品分野における衛生管理の手法として採用されているHACCP(Hazard Analysis
(=危害分析)and Critical Control Point(=重要管理点))の考え方を用いて、水源
から蛇口までのすべての過程における統合的な水質管理を実現し、各段階でのリスク
要因の把握・評価を行い、重要な工程の管理を集中的に行うことで危害の発生を未然
に防ごうとするものです。
水道ビジョンでは、
「統合的アプローチによる水道水質の向上」実現のための具体
的方策のひとつとして、この「水安全計画」の策定が提唱されており、本市において
も今後策定が予定されている厚生労働省の「水安全計画策定ガイドライン」を踏ま
えて総合的な水安全に係る計画の策定に取り組みます。
水質検査業務
健康に関する
検査データ
A:計画見直し
P:データから計画
C:計画を評価
D:システムで実施
定期浄水水質検査
毎日給水水質検査
定期水源水質検査
送水連続監視制御
水源連続監視制御
水質の苦情
浄水連続監視制御
苦情データ
安全指標の
トレンド
お客様対応業務
基
本
施
策
の
6
本
柱
浄水処理・送配水運用業務
【水安全計画のイメージ図】
信頼性の高い水道システムの確立
機能診断を踏まえた計画的な老朽施設・老朽管の更新に合わせて、耐震化を進めると
ともに、将来の更新や事故時に対応した施設づくり、水需要に応じた効率的な施設の再編
整備を行います。また、配水池機能の増強、配水制御システム等の充実を図り、水道シス
テム全体の安定性を高めます。
(1)水需要に応じた安定施設整備
現状と課題
① 水需要
水需要は平成8年をピークに減少傾向にあり、給水人口は増加しているものの、配
水量は比例していません。これは、節水意識の浸透、生活様式の変化によるものと思
われ、
この傾向は資源の有効利用、
リサイクル型社会への潮流が高まる中、今後定着
していくものと予想されます。
また、1日の平均使用水量を業種別に分析すると(グラフ 用途別水量の推移 )、
生活用水は人口の微増に伴って緩やかに増加していますが、業務・営業用、工場用に
ついては横ばい及び微減傾向を示しています。
今後も、水需要の急激な伸びは見込めないものと考えています。
なお、合併に伴う水需要動向の変化も加わるため、岡山市全体の水需要予測の再
点検が必要となっています。
年 間 配 水 量と給 水 人 口
人口[人]
水量[m3/ 日]
800,000
125,000,000
給水人口
年間総配水量
120,000,000
750,000
115,000,000
700,000
110,000,000
105,000,000
650,000
100,000,000
600,000
95,000,000
550,000
90,000,000
500,000
昭和59 60 61 62 63 平成1 2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12 13 14 15 16 17 18
年度
平成14年3月に、旧山陽町との分水契約が終了しました。
平成16年度、18年度の給水人口、配水量増加の主な要因は合併によるものです。
また、平成16年度、18年度の配水量については、岡山地区と合併地区との年間合計となっています。
85,000,000
基
本
施
策
の
6
本
柱
【用途別水量の推移】
(m3/ 日)
300,000
248,222 249,627 246,252 246,572
243,372
237,935
250,000
237,930
233,893 234,852 233,267
有収水量 計
200,000
171,919 172,212 174,409 172,857
168,092 169,548 168,399 170,493 170,767
水
150,000
量
178,519
生活用
100,000
業務・営業用
60,471
50,000
60,140
58,945
58,111
55,566
53,803
50,318 49,000
47,987 45,896
工場用
11,935
11,940
11,807
11,650
11,405
11,247
11,212
11,302
12,408
13,476
平成9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
年 度
② 水源
●河川の流況
河川の流況を見ると、下のグラフのとおり吉井川は旭川に比べて流量の変動が大
きく、不安定であったことが分かります。
これは、旭 川 水 系には
基
本
施
策
の
6
本
柱
旭川ダムと湯原ダムがあり、
流量の調整が行われて
い た のに対し、吉井川水
系には十分な貯留施設が
なかったためです。
しかし、平成17年に苫
田ダムが完成し稼動した
ことにより、旭 川 水 系 同
様に流量の調整が可能と
なり、水源 の 安定性が確
保されています。
苫田ダム
渇水流量の推移
(国土交通省河川局「流況表」より)
m3 / S
25
旭川(牧山)
吉井川(御休)
20
平成6渇水
平成14渇水
15
渇水流量とは
10
年間を通じて355日間はこの
値を下回らない河川の流量。
逆に言えば、1年間 のうち の
10日間はこの流量が確保さ
れないことになります。渇水
時の流況を示す指標です。
5
0
昭和59 60 61 62 63 平成1 2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16
年度
方針と施策
本市は平成19年6月に人口70万人に到達し、平成21年の政令指定都市の実現
を目指していますが、水道事業も70万人を超える中四国の中枢拠点都市として安
定した水源の確保に努めます。
●必要水源の確保と水源の見直し
従来の自己水源に加え、平成9年度から開始した岡山県広域水道企業団からの受
水分も含めると、岡山市に将来必要な水源も十分に確保されています。
しかしながら、水系別にその内訳を見ると、旭川水系表流水や地下水、伏流水に比べ、
吉井川表流水が全体の19%と少なくなっています。
今後は、自己水源を十分に活用しながら効率的な受水の運用を行うとともに、旭川、
吉井川の各水源を見直し、将来の水需要への備えや渇水、事故などの災害対策とし
てバランスの取れた水源の分散化を検討します。
必要水源の内訳
将来計画
平成18年度末現在
吉井川系表流水
19%
地下水・伏流水
39%
地下水・伏流水
33%
吉井川系表流水
33%
旭川系表流水
42%
岡山県広域水道企業団は吉井川系表流水
岡山県南部水道企業団は伏流水
旭川系表流水
33%
(計100%)
基
本
施
策
の
6
本
柱
【岡山県広域水道企業団及び南部水道企業団からの受水図】
岡山市
西祖受水地点
観音寺受水地点(計画)
岡山浄水場
久保受水地点
円山受水地点(計画)
富崎受水地点
彦崎分岐
植松分岐
片岡分岐
宗津分岐
基
本
施
策
の
6
本
柱
●浄水施設の再編・整備
水需要予測の再点検により、旭川、吉井川の各水源を見直し、効率の悪い浄水施設
は縮小ないしは休止します。また、取水量の見直しとともに、表流水、伏流水、地下水
の割合を見直し、将来にわたって継続的な取水ができるよう、地下水へ の負荷を抑
制しながら休止の水源(地下水)については、災害時等の緊急予備水源として利用し
ます。
合併地区の小規模水源についても、水需要に応じた再編整備を行います。
なお、現在、高梁川を水源とする岡山県南部水道企業団から受水している灘崎地
区については、水量的に不足しているため、岡山地区からの連絡管を布設し不足分
を補います。
(2)運用・管理機能の強化
現状と課題
① 配水制御システム
配 水 制 御システ
ムは、平成9年から
配水制御システム
開 始した 岡 山 県 広
域 水 道 企 業 団 から
企業団受水
の受水と、既存の浄
水 場 から の 配 水 を
三野浄水場
旭東浄水場
鴨越浄水場
効 率 よく運 用 す る
ために開発され、平
成17年から本格稼
動しています。
市内全域を1つ
の エリアとし、市内
に配 置 され た 圧 力
監視局等により各地区の需要量を把握し、各浄水場からの配水圧力、配水制御所の
バルブの開きを調整することによって配水を相互融通し、安定給水・浄水コストの低
減や災害時の即時対応に効果を発揮しています。
② 水道管路システム
水道管路システムは、本市で全庁的に整備されている電子地図図面を利用して水
道管等の水道施設が地図上に展開されるシステムで、それぞれの関連の台帳データ
等が取り込まれています。
現在では水道管路システムをメインシステムとして、各種システムが連携して運
用されており、日常業務に欠くことのできないものとなっています。
水道管路システムとデータを共有する主なシステム
鉛管管理システム
鉛管給水家屋の情報をデータベース化したシステム
給水装置図システム
給水装置図を電子化したファイリングシステム
貯水槽管理システム
貯水槽のある家屋の情報をデータベース化したシステム
台帳管理システム
各種台帳類を水道管路システムに取り込むためのファイ
リングシステム
基
本
施
策
の
6
本
柱
③ 小規模浄水施設の管理
浄水施設は、合併により旧町の施設5か所を引継ぎ10か所に増えました。
これら浄水場は、ほとんどが小規模施設であり無人で管理しています。
安全な水を安定的に供給するためには、水質事故、施設事故、テロ対策など非常事
態に対する十分な備えが必要です。
岡山地区の小規模無人施設については、既にこれらの事故に対応する安全対策、
遠方監視システムを整備しており、今後は合併地区の対策が急がれます。
方針と施策
●効率的な水運用
水運用の合理化、水道施設管理の効率化及び情報の共有化などの監視体制の充
実を図ります。
配水制御システムを次の表のように発展させることにより、良質な水を効率良く
運用し、適切かつ合理的な配水を目指します。また、事故等非常時にも断水、濁水の
発生を抑制します。
《効率的水運用の具体策》
内 容
実現を目指す項目
① 効率的な運用
② 水圧の適正化
③ 水質の管理
④ 受水の効率的な運用
●
全浄水場・ポンプ場・配水制御所の運用を一元管理
し、トータル的に効率の良い運用を目指します。
●
水圧低下を起こさない運用を、経済性を考慮しなが
ら行います。
●
安全かつおいしい水実現のために残留塩素の管理を
行います。
●
受水を効率的に運用して、浄水場の運転を平準化し
浄水処理の安定と電力の抑制を図ります。
浄水、送水施設の能力低下や配水管破裂など事故等
非常時には、他施設からバックアップをするように運
用を切替えるなど、断水や濁水を最小限にします。
● 非常時に迅速な状況判断と指示が出せるよう、浄水
場の情報が共有できるシステムを構築します。
●
⑤ 事故等非常時の危機
基
本
施
策
の
6
本
柱
管理強化
●水道管路システムの運用
合併地区の施設データを早急に入力し、全市での利用ができるよう努めます。
システム自体としてはほぼ完成しているため、今後は営業情報オンラインシステ
ムなど地図情報を必要とするシステムとのリンクを検討します。
また、最新データの更新を迅速化し、下水や道路など他部署と情報の共有化など
管理面を充実させ、破損等の突発事故にも早急・的確な対応ができるよう努めます。
マッピングシステム
(水道管路システムのイメージ図)
●浄水場監視体制の強化
新たに加わった合併地区を含め、新市全体としての浄水施設のあり方を再点検し、
管轄する浄水場からの遠方監視システムを整備するなど管理体制の強化を図ります。
遠方監視システムは、無人の浄水施設の浄水・運転データ等を電話回線により管
轄の浄水場に転送し、常時監視することによって事故を未然に防止するシステムです。
三野浄水場、旭東浄水場など拠点浄水場に監視体制を充実させ、危機管理強化と維
持管理経費の最適化に努めます。
遠方監視システムのイメージ図
電話回線
無人の水道施設
遠方監視制御装置
基
本
施
策
の
6
本
柱
(3)水道施設の計画的更新
現状と課題
① 浄水施設
現在、大小10か所の浄水場がありますが、三野浄水場の緩速ろ過池、鴨越浄水場
の高速凝集沈でん池など、創設当時のまま今日まで使用しているものも多く、水道
事業ガイドライン「経年化浄水施設率」からも他団体に比べ、施設の老朽化が進んで
いることがわかります。特に昭和30∼40年代の高度成長期に建設された施設の老
朽化が集中的に進行しており、耐震性の低さや設備更新も課題となっています。
また、既に老朽化が著しい小規模の長野浄水場、西祖浄水場を休止して他の水源
に切替えるなど施設の効率化を行っていますが、小規模浄水施設については、合併
を機に新市としての効率的な再編整備が必要です。しかしながら、代替施設を有し
ない施設の更新は困難な課題となっています。
○水道事業ガイドライン2101(経年化浄水施設率)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
経年化浄
2101 水施設率
(%)
法定耐用年数を超
えた浄水施設能力 /
全浄水施設能力×
100
12.8
12.8
12.8
12.8
12.8
11.3
10.5
20団体
平均値
3.8
13
12.5
法定耐用年数を超えた浄水施設能力の割
合を示す経年化浄水施設率は、平成12年
度に比べ平成18年度はやや改善していま
すが、20団体平均値と比べると経年化が
進んでいる状況です。
12
11.5
11
10.5
10
12年度
基
本
施
策
の
6
本
柱
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
各 浄 水 場 設 置 年 度と浄 水 能 力
(m3/ 日)
施設能力
160,000
大内
鴨越
140,000
牟佐
120,000
旭東
100,000
紙工
三野
80,000
40,000
川口
大内
60,000
三野
三野
鴨越
三野
矢原
山浦
宇垣
大内
三野
20,000
旭東
三野
0
明
治
38
∼
42
年
明
治
43
∼
大
正
3
年
大 大
正 正
4 9
∼ ∼
8 13
年 年
大
正
14
∼
昭
和
4
年
昭 昭 昭 昭 昭
和 和 和 和 和
5 10 15 20 25
∼ ∼ ∼ ∼ ∼
9 14 19 24 29
年 年 年 年 年
昭
和
30
∼
34
年
昭
和
35
∼
39
年
昭
和
40
∼
44
年
昭
和
45
∼
49
年
昭
和
50
∼
54
年
昭
和
55
∼
59
年
昭
和
60
∼
平
成
元
年
平 平 平
成 成 成
2 7 12
∼ ∼ ∼
6 11 16
年 年 年
平
成
17
∼
設置年度
② 送配水施設
送配水施設は水道の動脈に相当し、平成18年度末において、配水池は108か所、
加圧ポンプ場106か所、管路総延長(導水管を含む)は4,300㎞(岡山∼北海道の
往復距離)に達しています。
ア. 配水池容量・機能の不足
配水池 ※1 には、配水量 の
時間的な変動を調整する機
計画 一 日最大配水量
365,000m3
能ばかりでなく、非常時にお
いても断水することなく水
不足有効容量
33,506m3
必要容量
(計画 一 日最大
配水量の12時間分)
182,500m3
の供給ができる高い安定性
が求められます。
現状配水池容量
148,994m3
現 在 、安 定した 給 水 の 役
割を果たす配水池の有効容
量は148,994m 3で、これは水道施設設計指針 ※2で定めている計画一日最大配
水量の12時間分の有効容量182,500m 3に対して2.2時間分の不足になって
います。また、ガイドライン「配水池貯留能力」も他団体に比べ低い数値となって
います。
○水道事業ガイドライン2004(配水池貯留能力)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
配水池貯
配水池総容量/ 一 日
2004 留能力
平均配水量
(日)
0.62
0.63
0.66
0.67
0.68
0.68
20団体
平均値
0.70 0.88 一日平均配水量の何日分が配水池で貯留可能であるかを表しており、災害等に対する危機対応性を示すものである。一日
平均配水量の年次的減少により、指標値は増加傾向にある。平成16年度については、合併による減少要因があるが、吉
備津配水池の完成により指標値は増加した。
0.72
0.70
0.68
0.66
0.64
0.62
0.60
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
「一日平均配水量の何日分を貯留してい
るか」を示している配水池貯留能力を見
ると、平成18年度で0.7日分であり、経年
的には上昇していますが、20団体平均値
に比べ低くなっています。
※1 配水池
需要に応じて適切に配水を行うために浄水を一時的に貯える池(タンク)。以前は、全体として1つの池(槽)のものがほとんどであっ
たが、近年では2つの池(槽)に仕切られている構造のものが採用されている。
※2 水道施設設計指針
水道施設(取水施設から配水施設及び給水施設まで)の計画、設計に関して、基本的な考え方や仕様などの技術的水準を示したもの。
基
本
施
策
の
6
本
柱
また、市内に点在する配水池は耐震化されていないものも多い上、1槽構造のため、
稼動中の点検や清掃、整備等が困難であり、近年問題となっているコンクリート構造
物の劣化、老朽化の対策も含め、早急な機能診断の実施と対応が必要となっています。
イ. 周辺部に点在する配水池
配水池、加圧ポンプ場は市の周辺地域に多く点在し、中心部は、配水量の大部
分を三野浄水場からのポンプによる直送給水が占めています。
配水池方式となる半田山配水池の貯留量の有効時間は約2時間しかないため、
ピーク時や非常時には余裕が無く、安定給水のための整備が必要となっています。
凡 例
容量6,000m3以上
容量3,000m3以上6,000m3未満
容量1,000m3以上3,000m3未満
川口配水池
矢原配水池
日応寺配水池
坂根配水池
第2リサーチパーク配水池(休止中)
足守第2配水池
高松稲荷配水池
佐山配水池
西辛川配水池
吉備津配水池
基
本
施
策
の
6
本
柱
西祖配水池
横井配水池
東岡山配水池
津高配水池
西大寺配水池
半田山配水池
鳥打山配水池
保木山配水池
久保配水池
矢坂山配水池
操山配水池
大内田配水池
山南配水池
百間川
吉井川
旭川
妹尾配水池
笹ヶ瀬川
児島湾
甲浦配水池
倉敷川
主要配水池分布図
ウ. 老朽管対策
平成18年度末における管路総延長は4,300㎞となっており、このうち耐用年
数40年が過ぎた老朽管は約550㎞あります。今後は、高度成長期に布設した管
路が更新時期を迎えることから老朽管延長がさらに増加すると予測されます。老
朽管は耐震性が劣るだけでなく、赤水の発生や破裂、漏水及び折損事故の原因と
なり、日常生活や経済活動に多大な影響を及ぼすおそれがあるので、将来にツケ
を回さないように計画的に改良を進めていく必要があります。
【増加する老朽管残存延長】
[ ]
延
長
㎞
平成58 老朽管
2,164㎞
4,000
老朽管残存延長
現在の更新ペース
3,500
平成48 老朽管
1,739km
3,000
2,500
平成38 老朽管
1,150㎞
2,000
平成28 老朽管
735km
1,500
平成18 老朽管
550km
1,000
500
0
平成18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58
年度
管路法定耐用年数の40年を基準として、仮に現在の更新ペースを今後も続けた場合、既設管の老朽ペースに更新
が追いつかず、約40年後の平成58年には2,164㎞の老朽管が残存することになります。
○水道事業ガイドライン2103(経年化管路率)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
経年化管 法 定 耐 用 年 数 を 超
2103 路率
えた管路延長 / 管路
(%)
総延長× 100
13.1
13.1
13.6
14.0
13.4
13.3
12.9
20団体
平均値
6.2
法定耐用年数を超えた管路延長は増加傾向にある。平成16年度の指標値の減少は、法定耐用年数を超えた管路延長のない合
併地区が加わったことによるものであり、計画的な管路更新が望まれる。類似団体の平均値の2倍以上になっている。
14.2
14.0
13.8
13.6
13.4
13.2
13.0
12.8
12.6
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
法定耐用年数を超えた管路延長の割合を
示す経年化管路率は、平成15年度をピー
クにやや低下しているとはいえ、20団体
平均値の2倍を超え、経年化が進んでいる
ことを表しています。
基
本
施
策
の
6
本
柱
●石綿セメント管の解消
石綿セメント管は、耐食性等に優れ安価であることから昭和30∼40年代にかけ
て多く使用されましたが、強度面や耐衝撃性で劣り、近年、交通量や重車両の増加に
伴い折損事故が多発し、また過去の地震でも被害事例が目立っています。
平成12年度からは石綿セメント管解消事業として国庫補助を受け管路近代化事
業にも新たに取り組み、ここ数年は約7.3㎞/年の解消を行ってきましたが、合併に
よって合併地区の石綿管延長が約12㎞増加し、平成18年度末における本市全体の
石綿セメント管残存延長は約38.4㎞になっています。
石 綿 セメント 管 解 消 状 況
撤去延長〈m〉
残延長〈m〉
120,000
14,000
配水管整備事業
による撤去延長
12,000
100,000
管路近代化事業
による撤去延長
残延長
10,000
80,000
8,000
60,000
6,000
40,000
4,000
20,000
2,000
0
平成8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
0
年度
基
本
施
策
の
6
本
柱
方針と施策
漏水事故の教訓、ガイドライン分析による安定性の遅れから、老朽施設・老朽管の
計画的更新は重要課題と考えています。
これからの水道施設の整備・更新は、設備投資が収益の増加に直接つながらない
ため、広報・広聴の施策と連動して事業の必要性や便益をお客様に分かりやすく説
明し、限られた財源を有効に活用しながら効果的な施設更新に努めます。
① 浄水施設の整備・更新
●将来の更新・事故に対応した浄水施設の整備
代替施設のない施設
は更新が困難であること
から、現在は、更新時の代
替機能の確保を前提とし
た 計 画を 立 案し、実 施し
て い ます 。また 、稼 働 中
の 施設についても代替
施設の建設を実施してい
ます。
今後も浄水施設の代
替機能や予備能力を持
たせ、更新や改良のため
の施設停止や休止に伴う
能力低下、あるいは万一
現在、三野浄水場1,2号急速ろ過池の予備施設として、
処理能力46,000m 3/日の3号急速ろ過池(写真)を建設しています。
の 事故にバックアップ体
制のとれる施設能力の確保に努めます。
●水源の見直しによる施設の効率的再編
浄水施設の更新にあたっては、現状施設のリプレイスにとどまらず、これを再構築
の好機と捉え、水需給計画の下、合併後の新岡山市としての各水源バランス、施設の
老朽度と重要度を総合的に評価した上で更新計画を策定し、効率的な施設の再編整
備を行います。
●施設のレベルアップ
更新に合わせて、耐震化の推進をはじめとした災害対策、新たな付加価値の導入
など施設のレベルアップを図ります。現在、三野浄水場では集中監視制御設備を更
新予定であり、更新後は局内LANを通じて市内各水道施設の監視データが本局(事
故対策本部等)においても確認可能となるなど緊急時の危機管理体制強化を図って
います。
また、浄水施設は水道施設において環境負荷の大きい施設であることから、環境
面への影響も配慮します。
基
本
施
策
の
6
本
柱
② 送配水施設の整備・更新
●配水池容量・機能の増強
効率的な送配水及び停電事故などの非常時にも安定した給水が出来るよう、計画
一日最大配水量の12時間分以上の配水池容量確保に努めます。
さらに、維持管理、災害対策の面からも2池化を進め、併せて緊急遮断弁の設置を
行います。
●需要に応じた配水系統の見直し
拡張から維持管理の時代を迎え、配水管整備は、都市計画事業の動向や将来の水
需要を勘案し、適正な管網の構築を目指して計画的かつ効率的に整備を進めます。
また、中小の配水池の廃止を含めた配水系統の見直しを行います。
●老朽管の計画的更新
水道管は、埋設年度が同じであっても、土壌、地下水などの埋設環境によって老朽
度が異なるため、画一的な評価は行えず、管路の状態を見極めた上で更新計画を策
定する必要があります。このため、本市では管路全体の約92%を占める鋳鉄管につ
いて、平成15年度から平成18年度までの4年間で54か所の管体調査 ※を実施しま
した。今後はこの調査に基づいて管路全体を総合的に評価し、出水不良や赤水の原
因となっている老朽管を計画的かつ効率的に更新します。
この長さが長いほど
更新優先順位が高い
100
基
本
施
策
の
6
本
柱
物
理
的
評
価
S
短期
5年計画
短期
10年計画
中期
15年計画
中期
20年計画
長期
40年計画
将来
計画
更新の必要性:小
更新の必要性:大
0
0
100
重要度評価I
更新優先順位の算出方法
更新優先順位図
【管体調査に基づく更新計画】
※管体調査
既設管を掘削し、管の状態を調査することにより、腐食予測式を算定し、管路更新計画を策定するための資料とする調査。
また、石綿セメント管については、事業を強化し、合併地区についても早期に解消
計画を策定した上で、今後10年間での全面解消を目指します。
【石綿セメント管残存率】
石綿セメント管残存率
管路近代化事業
開始前(11年度)
現 状
(18 年度)
目標値
(29 年度)
2.1%
0.9%
0%
基
本
施
策
の
6
本
柱
災害に強い水道づくり
将来発生が予測されている大規模地震に備えて、市民生活のライフラインとして、断水
や濁水などの被害を最小限に抑えるため、また発生後も最低限の給水は確保するため、
施設の耐震化や応急給水拠点の整備など災害に強い水道づくりを目指します。
(1)リスク管理体制の充実(災害被害の未然防止)
現状と課題
阪神・淡路大震災以降発生した地震では、送配水施設が破壊され、長期間にわたっ
て給水に支障が起き、ライフラインとしての重要性が再認識されました。
今後30年以内に東南海・南海地震の発生も危惧されるなか、本市における施設・
管路の耐震状況は下表のとおり、耐震化率も低いことから、施設・管路の耐震化を進
めるとともに、テロ等に備えたセキュリティ対策の強化など被害の未然防止に向けた
災害対策の強化が求められます。
施 設・管 路 の 耐 震 化 状 況
種別
耐震化状況
耐震化率
(平成18年度現在)
浄水場
ほとんどの施設が、建設当時のままで現在の耐震
基準を満たしていない。
三野浄水場の急速ろ過池と薬品沈殿池については、
耐震劣化診断を行っているが、耐震化工事はこれ
からの予定である。その他の施設については、診
断調査が未実施である。
0%
建設当時のままで現在の耐震基準を満たしていな
い施設が多い。
未対策の施設に対しては診断調査も未実施である。
15.6%
配水池
建設当時のままで現在の耐震基準を満たしていな
い施設も多い。現在、矢坂山配水池については、
耐震診断を行い耐震補強工事を実施しているが、
他の未対策の施設は診断調査ができていない。
21.4%
配水管
平成19年度9月以降は、φ50㎜以下の小口径を除
く全ての管路について耐震管を標準使用としてい
るが、それ以前は、φ400㎜以上の配水本管は全
域で、φ200㎜以上の配水支管については耐震化
区域を限定しながら耐震化を図っていた。また、
平成8年度以前に布設した管路については耐震管で
ないものもある。そのため、浄水場や配水池を連
絡する管や、被災時の後方医療施設へ至る管路な
どの重要な管路で耐震管を使用していないところ
も多い。
3.7%
加圧
ポンプ場
基
本
施
策
の
6
本
柱
方針と施策
●施設の計画的耐震化
新 設 する基 幹 施 設 の
耐震化はもとより、既存
の 浄 水 場 、配 水 池 、ポン
プ場などは重要度ランク
によって耐震及び劣化診
断を行い、耐震補強と施
設 更 新 の 整 合 を 図りな
がら 計 画 的 に 施 設 の 耐
震化を進めていきます。
<矢坂山配水池耐震補強写真>
【水道施設が地震時に保持すべき耐震基準】
対
象
施
設
地震動レベル 1
重 要 度
ランク A
全ての浄水施設、1000m3
以上の配水池及びそれに送
水するポンプ場、本局等の
庁舎。
重 要 度
ランク B
個々の施設に軽微な被害が
ランク A 以外の水道施設。 生じても、その機能保持が
可能であること。
地震動レベル 2
人命に重大な影響を与えな
いこと。個々の施設に軽微
な被害が生じてもその機能
保持が可能であること。
重要度の高い施設(ランクA)については、レベル2の高い地震動にも表の記載事項に対応
できるように、また、ランクA以外の重要度ランクB施設についてはレベル1の地震動に対し
て表に記載の事項に対応できる耐震構造を目指します。
●配水管網の耐震化
地震等災害時において配水管の破損が生じても、断水等の被害が最小限にとどま
るよう、主要幹線管路の耐震管によるネットワーク化を構築します。
◎ 浄水場と配水池等の基幹施設を連絡している管路の耐震化
◎ 災害時の医療施設や広域避難所等へ給水する管路の耐震化
◎ 市南部地域で液状化現象の発生する可能性が高い管路の耐震化
また、その他の管路についても、更新時には現在、地震時の地盤変動に対応できる
伸縮機能と離脱防止機能を兼ね備えた耐震管を標準使用しており、計画的な更新に
合わせて管路全体の耐震化を推進します。
【φ200㎜以上の管路の耐震化率】
管路耐震化率
(φ200㎜以上)
現 状
目 標 値
(平成18年度)
(平成28年度)
18%
30%
基
本
施
策
の
6
本
柱
〈配水ルート重要度〉
重 要 度
レベル5
高
レベル4
レベル3
レベル2
レベル1
低
●配水区域のブロック化
本市の配水管は、樹枝状に埋設され管網が複雑であるため、大規模地震等の災害
発生時には被害が広範囲に及ぶ恐れがあり、復旧のための労力も相当要するものと
思われます。
このため、震災や事故時に断水区域を最小限に抑え、災害時の復旧作業の迅速化
につながる配水区域のブロック化を推進します。
基
本
施
策
の
6
本
柱
《配水区域ブロック化のメリット》
●
●
●
●
水圧、流量、水質の管理が容易となる。
配水管整備を計画的、合理的に行うことができる。
災害、事故時等において影響範囲を最小化でき、対応が容易となる。
ブロック毎の水量把握により、漏水防止対策に効果を発揮する。
管路の更新に合わせて、配水管密度の高い市街地の小ブロック化を推進します。
◎ 市全給水区域を地勢、水源を考慮した大ブロックに分割
◎ 大ブロックをさらに配水池水系ごとの中ブロックに分割
◎ 中ブロックから管網整備に合わせて小ブロックに分割
ブロック化の概念図
配水幹線
配水幹線
配水池
P
配水幹線
配水幹線
●浄水場自家発電設備の充実
大地震等 の 災害時にも
浄 水 場 などの 重 要 施 設は
稼 動 を 続 け る必 要 が あり
ます。電源は電力会社から
受電していますが、非常用
自家 発 電 設 備を 設 置 する
ことにより商 用 電 源 が 事
故 のときも 運 用を 続 ける
ことができます。浄水場や
取水場など重要な施設 の
自家発電設備 の 充実を行
います。
牟佐浄水場発電機
●施設のセキュリティ対策
水道施設への毒物混入等の犯罪行為を防止するため、浄水場、配水池などにはセ
ンサ装置等のセキュリティシステムやフェンスなどを設置しています。今後さらに合
併地区等への拡大・整備を行います。
基
本
施
策
の
6
本
柱
(2)危機管理体制の充実(災害発生時の対応)
災害の発生に備えて、施設の耐震化など未然対策にも力を入れていきますが、発
生時に速やかに給水を確保するための給水拠点整備、迅速な復旧を行うための修繕
体制を整備し、災害訓練を実施します。
現状と課題
① 応急給水体制
●拠点給水施設の整備
一度大地震が発生し水道施設が破壊されると、復旧に長期間を要し飲料水の確保
が困難となります。そこで、あらかじめ応急給水槽に飲料水を貯え、被災時にはその
応急給水槽から飲料水を供給できる拠点給水施設の整備が必要です。
◎ 1 日目∼ 3 日目までの 3 日間・・・・・・1 人/ 1日 3
(生命維持に必要な水量)
◎ 4 日目∼ 7 日目までの 4 日間・・・・・・ 1 人/ 1 日20 (炊事、洗面等生活に最低限必要な水量)
◎ 市民1人当りの生活に必要な最低限の1週間分の水量(89 )を確保する
現在の緊急時確保水量・・・・・・42,740m3
給水可能な対象人口・・・・・・・・479,100人 (平成18年度末)
現在、地震等災害時の飲料水の確保として、共同溝 ※ 内の配管には非常用給水施
設を設置し、新設する配水池には緊急遮断弁を設置しています。被災時には、水道施
設の応急復旧と併せてこれらの施設から避難所等に応急給水を行う計画です。ガイ
ドラインでは「給水拠点密度」
「可搬ポリタンク・ポリパック保有度」などの数値が低く、
今後さらに給水車や貯水タンク等、飲料水の輸送手段、緊急資材等の確保を充実させ、
また、災害時の給水拠点場所については、平時から利用者の方に認識していただけ
るよう広報を積極的に行う必要があります。
基
本
施
策
の
6
本
柱
※共同溝
道路の収容空間としての機能をより効率的にするため、電気・ガス・電話・上下水道・工業用水道の公益事業物件を複数以上で共同収容
するトンネルなどの道路付属物。
○水道事業ガイドライン2205(給水拠点密度)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
2205
給水拠点
配水池・緊急貯水
密度
槽数 / 給水区域面積
(箇所 × 100
/ 100)
1.8
1.8
2.0
1.9
1.9
1.7
1.8
1.6
20団体
平均値
18.2
100平方㎞当たりの応急給水拠点数を示し、震災
時等における飲料水の確保のしやすさを示す業務指
標である。平成16年度には、給水拠点の吉備津配
水池が1か所増加したが、合併により給水区域面積
が増加し、結果的に指標値は減少した。20団体平
均値の約10分の1となっている。
1.9
1.8
1.7
1.6
1.5
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
○水道事業ガイドライン2213(給水車保有度)
指 標 値
番号 業務指標
2213
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
20団体
平均値
0.011
0.014
0.006
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
20団体
平均値
給水車保
有 度( 台 給水車数 / 給水人口
/ 1 , 0 0 0 × 1,000
人)
0.013
0.016
0.014
0.012
0.010
0.008
0.006
0.004
0.002
0.000
0.013
0.013
0.014
0.014
他団体に比べ保有度は高い。
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
○水道事業ガイドライン2214(可搬ポリタンク・ポリパック保有度)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
可搬ポリタ
ンク・ポリパ 可搬ポリタンク・ポ
2214 ック保有度 リパック数 / 給水
(個 /1,000 人口× 1,000
人)
10.7
9.8
12.0
8.9
8.5
8.1
6.5
5.0
51.4
類似団体の平均値に比べても極めて少ない。
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
災害時の応急体制についてのガイドライン業務指標を見ると、給水車保有台数(タンク積載トラックを含む)は、平成12年度
の7台から平成18年度には9台に増加しており、給水人口1,000人当たり給水車保有度は20団体平均値の約2倍になって
います。
これに対して、
「10キロ四方の中に何か所の応急給水設備があるか」を示している給水拠点密度、給水人口1,000人当たり
可搬ポリタンク・ポリパック保有個数は20団体平均値に比べ、約10分の1となっています。
基
本
施
策
の
6
本
柱
方針と施策
●配水池の2池化
災害発生時に必要な給水を確保するため配水池の2池化を推進するとともに、新
設する配水池等の施設は最新の耐震設計法に基づく信頼性の高い構造とします。
凡 例
2 池化、緊急遮断弁整備済
2 池化整備済
矢原配水池
坂根配水池
第 2 リサーチパーク配水池(休止中)
足守第 2 配水池
西祖配水池
西辛川配水池
半田山配水池
西大寺配水池
吉備津配水池
矢坂山配水池
操山配水池
基
本
施
策
の
6
本
柱
吉井川
百間川
山南配水池
旭川
児島湾
笹ヶ瀬川
甲浦配水池
倉敷川
2池化した配水池と緊急遮断弁設置状況
●緊急遮断弁の設置
配水池に緊急遮断弁を設置し、給水拠点として被災から7日目までに全市民に最低
限必要な水量(89
/日/人)を確保します。
【 緊急遮断弁等による緊急時の飲料水確保 】
確保水量による1 週間分の給水可能人口
現 状(平成18年度)
目標値(平成28年度)
479,100人
565,300人
69%
79%
給水人口に対する確保率(※)
※平成28年度の給水人口は見込値
〈緊急遮断弁のイメージ図〉
地震計付
緊急遮断弁
耐震性
配水池
市内へ配水
浄水場やポンプ場から
地震等の災害時には、緊急遮断弁が自動的に閉止し、配水池に飲料水を確保します。
【 主要配水池一覧表
主要配水池一覧表 】
(平成18年度末現在)
配水池名
非常用貯水量(m3) 給水対象
耐震
有効容量(m )
施工年度
(緊急遮断弁)
人口(人) 構造
規模×池数
半田山第 1
×
1,170
半田山第 2
×
2,390
半田山第 3
×
5,000
半田山第 4
×
10,000
操山第 1
×
1,315
操山第 2
×
3,500
矢坂山( 1 、 2 号池)
×
7,500
矢坂山( 3 、 4 号池)
×
7,500
甲浦
×
500
妹尾
×
5,000
横井
×
3,000
日応寺
×
1,000
佐山
×
3,000
大内田
×
2,000
岡山第 2 リサーチ(休止中) (550+550)
津高
×
1,590
西辛川
×
2,500
(4,000+2,000)
吉備津
10,000
東岡山
×
3,000
鳥打山
×
900
高松稲荷
×
600
保木山
×
3,000
久保
×
2,500
山南
×
(3,900+8,100)
西大寺
780
西祖
×
1,500
西祖第 2
×
(470+530)
足守第 2
565
矢原
×
3,000
坂根
×
1,130
川口
×
3
3
2
1
1
1
1
2
2
2
1
1
1
1
1
2
1
2
2
1
1
2
2
1
2
2
2
1
2
2
2
1
3,510
4,780
5,000
10,000
1,315
3,500
15,000
15,000
1,000
5,000
3,000
1,000
3,000
2,000
1,100
1,590
5,000
6,000
10,000
3,000
1,800
1,200
3,000
5,000
12,000
1,560
1,500
1,000
1,130
6,000
1,130
○
7,500
84,200
1,500
16,800
200
2,200
○
3,700
1,000
41,500
11,200
○
○
6,700
2,500
75,200
28,000
○
○
700
200
7,800
2,200
○
○
○
明治38
大正 8
昭和47
平成 8
昭和 9
昭和55
昭和55
昭和55
昭和63
昭和49
昭和62
昭和62
昭和52
昭和58
平成 8
平成 5
平成10
平成16
昭和52
昭和47
昭和49
昭和17
昭和41
平成12
平成 7
昭和46
平成17
平成 9
昭和52
昭和55
昭和52
基
本
施
策
の
6
本
柱
●耐震性緊急貯水槽の整備
関 係 機 関と協 議 連 携して
市街地の人口密集地区を中
心 に 、市 内 の 公 園 施 設 や 災
害時の避難場所に拠点給水
設 備として 耐 震 性 緊 急 貯 水
槽を設置します。
平成19年度中には、市長
事務部局と連携の上、1基の
設置を予定しています。
【耐震性緊急貯水槽のイメージ図】
●応急給水栓の整備
地域防災計画で避難場所に指定されている市内の小学校、中学校の受水槽に非常
用給水栓を設置し、災害時の応急給水槽として整備します。浄水場や配水池の給水
拠点から補給できる設備や体制を整え、市民の生活用水を確保します。
【避難場所(小、中学校)の応急給水栓整備 】
現 状
目 標 値
(平成18年度)
(平成28年度)
計画中
100%
応急給水栓整備
警報器
基
本
施
策
の
6
本
柱
通気管
非
常
用
水
栓
マンホール
オ
ー
バ
ー
フ
ロ
ー
管
P
【 受水槽を利用した応急給水栓のイメージ図 】
凡 例
… 小学校
… 中学校
… 浄水場
拠点給水応急給水栓配置計画(小学校 93か所、 中学校 37か所)
●応急給水マップの作成
平時から市民の方に自宅や職場付近での応急給水場所を広く知っていただくため、
応急給水マップを作成し、全戸に配布します。
併せて、公共施設等へ の掲示、市民のひろば、ホームページへも掲載し、災害時の
スムーズな給水体制の確立を目指します。
●「水道局退職者災害時支援協力隊(仮称)」の設立
大規模災害が発生した際に、元職員の知識、技能、経験を活かして被害情報の収集、
給水活動や復旧活動を支援していただくため、水道局退職者で構成する「災害時支
援協力隊(仮称)」を設立します。
平時から水道局との連携を図り、地域の方々への給水拠点場所の周知、緊急貯水槽、
応急給水栓の使用方法など災害対策の普及・啓発活動にも協力をいただき、災害時
の市民の給水確保に努めます。
基
本
施
策
の
6
本
柱
② 応急復旧体制の整備
現状と課題
災害時に迅速な対応を行うため、水道局では県・市長事務部局と連携した防災訓
練に加えて、独自の防災訓練、水質事故に備えた取水停止訓練を実施しています。
また、近隣事業体との広域的な連携を推進するため、隣接した倉敷市と相互応援
協定を締結し、さらには災害時の迅速な復旧を目指して「岡山市管工設備協同組合」
と災害協定を結んでいます。
しかし、災害が頻発している昨今の状況を見ると、災害発生時の初動対応、被害施
設を早急に復旧するためには一層の対策強化が必要です。
方針と施策
大規模地震など災害の発生により水道施設に被害があり、給水に支障が生じた場
合は、速やかな復旧と給水を確保するため、次の施策の充実を図ります。
目 標
施 策
水道施設の早期復旧のために
○緊急資機材の備蓄
○水道資機材メーカー等との協定
○現場調査隊の創設
2
近隣市町村との連携強化と
相互支援体制の確立
○隣接自治体との災害協定
○隣接市町村との相互融通・連絡管整備
○所有資機材の融通
○職員の合同訓練、情報交換
○他都市への積極的支援
3
防災情報ネットワークの構築
○双方向情報伝達網の整備
○無線設備の再配備
○利用者に対する災害情報の迅速な提供
4
ソフト面での充実
○水道スーパー防災マニュアルの整備
1
基
本
施
策
の
6
本
柱
水道防災対策訓練(平成18年)
③ 渇水対策
現状と課題
本市は東部に吉井川、中央部に旭川の一級河川を抱え、水源としては恵まれた環
境といえます。
しかし、平成6年及び平成14年には渇水に見舞われ、特に平成6年には西日本を
中心にした異常渇水のため、史上初めて減圧給水を経験しました。
こうした渇水に備えて、水源能力のリスク分散をはかる必要があります。
【貯水量( 湯原ダムと旭川ダム の 合計 )】
m
3
110,000,000
100,000,000
90,000,000
80,000,000
70,000,000
60,000,000
50,000,000
40,000,000
30,000,000
平成18年
20,000,000
平成17年
平成14年
10,000,000
平成 6 年
0
6/1
6/16
7/1
7/16
8/1
8/15
8/30
9/14
9/29
10/14 10/29 11/13 11/28
月 日
渇水被害が深刻であった平成6年、14年には、本市取水量の大部分を占める旭川上流のダム貯水量が大
幅に減少していたことがわかります。
方針と施策
●受水の効率的運用と水源間の連絡管整備
河川の取水制限などの渇水時に備えて、岡山県広域水道企業団からの受水を効率
的に行い、旭川に集中している水源の分散を図るとともに、自己水源である地下水の
活用と水源間の連絡管整備により、渇水時においても市内で均等に給水できるようリ
スクの低減を図ります。
また、平成6年の渇水を教訓として翌年の平成7年には隣接した倉敷市と連結管に
よって相互に水道水を融通する協定を締結しており、平成18年には「渇水対策マニュ
アル」を策定するなど対応の迅速化に努めています。
今後さらにマニュアルの充実、活用を図りながら被害の最小化と安定供給に努め
ます。
基
本
施
策
の
6
本
柱
お客様の満足に応える水道づくり
お客様の利便性や満足度を高めるため、時代とともに変化するお客様ニーズを的確に
把握するとともに、双方向の情報伝達を推進し、お客様の視点に立ったサービスの提供に
努めます。
(1)受付体制の充実
現状と課題
① 受付窓口業務
全体の受付件数の約半数が使用開始又は中止の受付で(年間約5万件)、異動時期
である3月は約7千件を上回っており、
この時期には、お客様からすれば電話がかかり
にくい状況になっているものと推測されます。また、インターネット、携帯電話からの
開閉栓受付の利用件数も年々増加していますが、全体件数に対する割合はまだ低く、
利用促進に向けて今後も取り組んでいく必要があります。
受付窓口は、従来から「漏水などの工事に関すること」、
「料金に対するお問い合わせ」
など業務内容・給水場所によって異なる体制をとっていることから、お客様にとって
わかりにくい面があること、また、時間外電話受付の約6割が開閉栓の受付となって
いることなどから窓口業務のあり方を検討する必要があります。
開閉栓受付件数
月別電話受付件数
受付総件数
件
14,000
電話受付件数
受付総件数(件)
開閉栓受付件数
60,000
11,832
50,000
10,000
8,000
インターネット
受付件数(件)
6,000
50,206
12,000
基
本
施
策
の
6
本
柱
インターネット
受付件数
5,000
41,434
40,000
7,242
4,000
6,620
5,339
6,000
5,452
3,143
4,000
2,260
2,221
30,000
2,115
20,000
3,000
2,000
2,000
10,000
0
3月
4月
5月
(平成17年 3 月から 6 月まで)
6月
1,000
178
0
0
平成13 平成14 平成15 平成16 平成17 平成18
年度
方針と施策
●お客様センターの設置
業務内容や給水場所に
よって 異 なる受 付 窓 口を
一本化し、お客様にとって
わかりやすい組織・体制づ
くりを目指して平成19年
5 月、
「 お 客 様センター 」
を設置しました。
お客様センターによる受付
お客様センター設置による効果
□ 受付窓口を一本化することでワンストップサービスの提供を目指します
□ 受付時間も延長し、お客様の利便性の向上を図ります
□ 事務が集約化され、効率化が進みます
●インターネットサービスの充実
これまでもインターネットを利用したサービスの提供を行ってきましたが、お客様
のさらなる利便性の向上策として、セキュリティ対策を厳重に行ったうえで、
「インター
ネット料金照会」、
「口座振替申込書の郵送受付」、
「請求先の変更受付」なども検討
します。
24時間体制で様々なサービスを提供することにより、お客様の多様なライフスタ
イルに対応します。
基
本
施
策
の
6
本
柱
(2)徴収事務の効率化
現状と課題
●検針・滞納整理業務
検針業務については、平成11年から財団法人岡山市水道サービス公社への委託
と同時にハンディーターミナルを導入し、効率化とサービスの向上を図っています。
また、平成14年度からはマンション等共同住宅についても、個別住宅と同様に検針・
料金算定を行う「共同住宅等の各戸検針及び各戸徴収」を実施しています。
滞納整理業務については、共働き世帯や単身者の増加、核家族化の進行などで昼間
不在の世帯が増加し、効率低下を招いたことなどから、平成14年から順次民間専門業
者に委託しました。委託後も高い収納率を維持しながら経費削減に努めています。
方針と施策
●検針から収納まで一貫した料金徴収業務の効率化
水道メーター検針 ⇒ 料金調定(調査決定)⇒ 納入の通知 ⇒ 収納 という水道局
の料金徴収業務全体の流れの中で、現在は、検針業務、滞納整理業務とそれぞれ業
務ごとに委託を行っています。
今後は、さらにお客様サービス向上の観点から、委託効果を高めるため料金徴収
業務全体の委託のあり方について検討します。
●自動検針システムの研究
合併により市域が拡大し、検針業務の効率化が課題となっています。経費面等で
の課題もありますが、将来的には、不在等による検針不能が解消され、さらには、毎月
検針にも対応できる自動検針システムの導入も視野に入れた研究を進めます。
水道自動検針システムのイメージ
基
本
施
策
の
6
本
柱
水道局
送信機
電話回線
自動検針
(3)水道料金支払の利便性向上
ライフスタイルや料金の支払方法が多様化する中、お客様にとって便利でお支払
のしやすい新しい制度を検討します。
現状と課題
料金の収納方法は、口座振替と納付制になっています。
納付窓口については、お客様の利便性の向上を図るため、コンビニエンスストア
(コンビニ)及び郵便局での取扱いを開始し、拡大を図ってきました。
現在、水道料金の口座振替利用率は83.4%(平成18年度末)と大半のお客様が
口座振替をご利用いただいていますが、その割合は徐々に低下しています。逆に納
付制の割合はコンビニ収納件数の増加から16.6%と微増傾向にあります。コンビ
ニ収納により支払の利便性が高まった反面、収納手数料は銀行などに比べ割高であ
るため、料金収納に係る事務処理経費の増加が課題となっています。
また、近年では公共料金にもクレジットカード、電子マネーなどの決済方法が広が
りつつあります。お客様の利便性向上を図るため、経費の増加を抑えながら多様な
支払方法の検討を行う必要があります。
口座振替及び納付の割合の推移
(%)
100
86.4
86.9
86.0
85.1
84.2
83.4
14.9
15.8
16.6
16
17
18
80
60
口座振替(%)
納付(%)
40
20
0
13.2
14.0
13.6
平成13
14
15
年度
コンビニ 収 納 件 数 の 推 移
件
200,000
149,001
150,000
100,000
87,438
99,542
111,140
126,572
71,412
50,000
0
平成13
14
15
16
17
18
年度
基
本
施
策
の
6
本
柱
方針と施策
●口座振替割引制度の検討
納付制のお客様に比べ 事務処理経費の安い口座振替をご利用のお客様に対し、
負担の公平化の観点から口座振替利用時の割引制度の導入を検討し、口座振替へ
の移行推進に努めます。
●クレジットカード決済の検討
平成18年の地方自治法の改正によって、自治体の公金についてもクレジットカー
ド決済が可能となり、水道料金のクレジットカード決済に対するお客様からのお問い
合わせやご要望も多く寄せられています。お客様にとって支払い方法の選択肢が
増え、利便性の向上にもつながるため、収納率の向上、取扱い手数料の問題等費用
対効果を見極めながら検討します。
「水道料金クレジットカード支払サ ービス」のイメージ図
カード契約申込
カード支払申込
お客様
預金
カ
ー
ド
発
行
・
明
細
書
送
付
クレジット
カード会社
金融機関
口座引落
検
針
︵
お
支
払
予
定
額
を
お
知
ら
せ
︶
水道局
加盟店契約
立替払い
基
本
施
策
の
6
本
柱
●2か月検針1か月請求の検討
現在、本市では2か月に1度メーターの検針を行い、2か月ごとに料金請求を行う
(※)電気、
ガスなど他の公共料金は毎
ことで料金徴収に係る経費を抑制しています。
月検針・毎月請求となっており、水道料金だけ2か月分まとめて請求が来ることに負
担感を感じるといった声や、家計管理の面からも1か月ごとの料金請求を望まれるお
客様の声も聞かれます。
他都市での導入事例もあり、今後、毎月請求に対するお客様のニーズを把握し、また
経費とのバランスも考慮しながら、検針は2か月ごとに実施し、請求を1か月ごとに
することも選択できる制度の導入などについて研究していきます。2か月請求に比べ、
負担感が和らぐことで収納率の向上も期待されます。
※御津、建部、瀬戸地区は、現在毎月検針、毎月請求を実施。
(4)多様な料金メニューの考案
現状と課題
●料金制度
本市では、平成17年の料金改定に際し、水道料金では全国初の試みとして、お客
様の選択による「個別需給給水契約制度」を創設しました。
通常時には、廉価な単価で供給する一方、非常時には率先して節水を求めるとい
う供給者(水道局)とお客様の双方にメリットがあり、契約の申込みはお客様が判断
するという選択度を加味した制度です。
過去1年間で2か月の使用水量が6,000m 3 以上の使用実績があり、申込みをい
ただいたお客様が対象となります。
制度創設以来2年が経過しましたが、対象が大口のお客様に限定されているため、
今後はより多くのお客様が対象となるような制度を検討していく必要があると考え
ます。
【個別需給給水契約の概要】
通常時
最大使用水量
基準水量
渇水
などの
非常時
基準水量
調整期間
調製率
5 ∼30%
調整水量
1
2 3 4 5
平成A年度
6
1
2 3 4 5
平成B年度
6
一般用
水 量
単 価
100m3まで
水の使用をこれ以下に
抑えてください。
1日
個別
需給給水
契約
2日
3日
水 量
単 価
170円
100m3まで
100m を超え∼600m まで
195円
100m を超え∼600m まで
195円
600m3を超える水量
216円
600m3を超え∼基準水量まで
216円
3
3
3
基準水量を超える水量
170円
3
70円
調整水量設定後、
調整水量を超えた水量1 m3につき430円
( 2 か月当たり)
方針と施策
●選択性料金制度の検討
現在、適用範囲が限られている「個別需給給水契約制度」の一般家庭のお客様へ
の拡大、さらに料金の早期回収につながる「割引制度を持った料金の年間一括納入
制度」など他の公共料金に負けないお客様がライフスタイルに合わせ選択できる料
金制度を研究していきます。
基
本
施
策
の
6
本
柱
(5)広報・広聴の充実
水道水質や水道料金に関することなど、お客様が知りたいと思われる情報を広報誌
「アクア通信」、局ホームページ、水道週間行事、水道記念館などを通じてわかりやす
く広報するよう努めます。
また、意識調査、水道事業審議会、水道モニターなどを通じて、水道事業に対する
要望、意向の把握に努め、お客様の目線に立った事業運営を進めます。
現状と課題
平成17年に上水道の原水であ
る旭川 の 地下水( 浅井戸水 )を充
填したペットボトル水「ごっくん桃
太郎おかやまの水」の販売を開始
しました 。お客様からも好評をい
ただいており、飲料水の水道水離
れが進む中、岡山のおいしい水が
再認識され、全国にPRできればと
考えています。
また、通水100周年記念式典で
は、通水開始の7月23日を「 岡山
市水道の日」と定め、新たな100
年に向けた決意を宣言しました。
水道の日にはお客様が本市の水道
を再発見し、理解を深めていただけるよう施設見学など体験型の行事を行っています。
基
本
施
策
の
6
本
柱
通水100周年記念式典での「岡山市水道の日」宣言
広報事業ではこのほか、市内全戸配布のアクア通信をはじめ、ホームページ、水道
週間、水道記念館、小学校への出張授業、お客様への出前教室等を行っていますが、
今後は広報効果も把握し、より質を高めていく必要があります。
また、公共事業においても、これまで以上にお客様の声に耳を傾け、事業に反映し
ていくことが求められています。広聴に関しては、水道事業審議会、水道モニター、
意識調査などによりお客様の視点に立った事業運営を行うよう努めていますが、今
後は、それらの制度をより充実させ、お客様の潜在ニーズを掘り起こすような積極的
な広聴を行う必要があると考えています。
○水道事業ガイドライン3201(水道事業に係る情報の提供度)
3203(アンケート情報収集割合)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
水道事業
に係る情
広報誌配布部数 /
3201 報の提供
給水件数
度
(部 / 件)
3.2
3.2
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
3.1
3.1
4.0
3.1
3.0
20団体
平均値
7.7
広報誌は年間3回発行しているため、指標はほぼ横ばい
である。16年度は料金改定等のため年間4回発行し、
指標が上昇した。
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
アンケー
ト情報収 ア ン ケ ー ト 回 答 人
3203 集割合
数 / 給水人口×
(人/
1,000
1,000人)
17年度
2.03
18年度
4.50
6.00
1.23
1.01
1.41
5.33
1.19
1.21
13年度及び17年度は意識調査等を実施したため、高
い数値となっているが、他の年度はほぼ横ばいである。
5.00
4.00
3.00
2.00
1.00
0.00
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
ガイドライン業務指標で見ると、水道事業に係る情報の提供度は平成18年度で、給水件数一
件当たり3.0部であり、20団体平均値の半数以下となっています。
アンケート情報収集割合は、平成13年度及び17年度には意識調査等を実施したため大きく
上昇しています。
基
本
施
策
の
6
本
柱
方針と施策
●お客様に伝える広報
水道事業ガイドライン業務指標や総務省が作成する水道事業経営指標などを活
用し、同規模の水道事業体との比較を行うなどのほか、キャッシュフロー計算書 ※1 の
導入やABC分析 ※2 の活用といった民間企業の経営理念や経営手法を取り入れるな
ど客観的でわかりやすい経営状況の公表に努めます。
また、局ホームページにお客様からよく寄せられる質問とその回答をまとめたQ&
Aを充実させ、お客様が必要とする情報を簡単に入手できるようにします。
●子どもに伝える教育プログラムの実施
浄水場の施設見学と小学校への出前授業を組み合わせた教育プログラムを実施
する等、子どもたちへの水道事業に関する啓発を積極的に行います。
浄水場の施設見学
●広報効果の把握による効果的広報
局広報誌、ホームページなど一般的な広報の効果は、意識調査、水道モニターアン
ケートなどを通じて評価
基
本
施
策
の
6
本
柱
いただき、広報効果の向
上を図ります。
また、水道記念館や水
道週間などのイベントは、
施設利用者やイベント来
場者に対するアンケート
を通じてその広報効果を
把握し、広報効果 の向上
を図ります。
※1 キャッシュフロー計算書
企業がキャッシュ(現金と現金等価物)の増減を一会計期間で示したもの。
※2 ABC(Activity-Based Costing:活動基準原価計算)分析
企業活動を業務(活動)単位に分類し、その単位ごとにコストを把握する管理会計手法で、水道事業では「水を作るための費用」、
「水を
配るための費用」、
「料金を徴収するための費用」などの活動単位ごとにコストを分析することでわかりやすい情報提供、経営改善等に
活用される。
Q 「おかやま水道フェア」は
ためになりましたか?
0人
0.0%
5人
2.1%
7人
2.9%
72人
30.3%
とてもためになった
まったくためにならなかった
ためになった
無回答
あまりためにならなかった
154人
64.7%
「おかやま水道フェア」で実施した水道アンケートと集計結果(平成19年度)
●インターネットモニターの拡充等による広聴の充実
インターネットを利用してアンケートを行うインターネットモニターを拡充し、アン
ケートの数を増やすよう工夫します。
さらに、局ホームページの充実を図り、ホームページから要望、意見等の提出がで
きるページを作成します。
水道局ホームページ
http://www.
water.
okayama.
okayama.
jp/
基
本
施
策
の
6
本
柱
●お客様の声のデータベース化によるお客様満足度の向上
お客様からの問い合わせ、要望等の内容をデータベース化し、業務改善、事業計画
に反映させます。
(6)サービス拠点の整備
方針と施策
●庁舎等の整備
本局庁舎の改築
水道局の本局庁舎は昭和38年の築後、40年以上経過し、老朽化が進んでいます。
阪神・淡路大震災後に実施した耐震診断では、震度6強の地震では倒壊など相当の
被害が予測される結果となっています。
本局庁舎は、災害対策本部の設置など災害時の拠点場所となる重要施設であり、
加えて、高度情報化社会に対応した機能面の向上も求められています。水道サー
ビスの拠点性を高めるため、立地も含めて改築を検討します。
基
本
施
策
の
6
本
柱
水道局本局庁舎
出先機関の整備
お客様が求められるサービスの質と水準を見極めながら、出張所、水道センター
などの出先機関についても、高度情報通信技術の進展状況とワンストップサービス
の視点等、合併後の新岡山市として総合的に勘案した上でサービス拠点の整備を
進めます。
行財政改革の推進等による経営基盤強化
水道事業は、経営に必要な費用は水道料金によってまかなわれる独立採算制度により
運営されるため、民間企業と同様に能率的、効率的な経営が必要です。
本市では、
これまでも経営の効率化に努め、料金水準は中核市、県内においても平均以
下の水準を維持していますが、全国の水道事業体と同様に老朽施設の更新需要の増、経
験豊富な職員の退職に伴う技術の継承などの課題に直面しています。
安全でおいしい水を送り続けるためには、施設の更新等ハード的な整備に加えて、安定
的な財政基盤を維持するとともに、専門的な技術の継承、人材育成などによって将来にわ
たって持続可能な組織・体制を構築することが必要です。
このため、以下に掲げる改革事項を今後10年間の長期的な行財政改革のビジョンと位
置付け、引き続き経営効率化を進める一方で、研修制度・広報・広聴等の充実を図り、事業
の評価やニーズに基づいた効率的な更新計画、お客様の求められるサービスの充実を図
るなどの施策に取り組みます。
(1)継続的な行財政改革
現状と課題
水道事業における行財政改革の目的は、効率的な事業運営を行うことによって、
健全財政を維持し、またお客様サービスの向上を図ることにあります。
本市では、職員数の抑制を図りながら、企業債残高の削減による支払利息の削減、
工事コストの縮減を進め、さらには滞納整理業務の民間委託、小規模浄水場(長野・
西祖)の休止等による事業の効率化を行うなど経費の縮減に努めてきました。
一方では遊休地の処分や検針票の広告、他事業体の水質検査受託等により増収
策を講じるなど、これまでも公営企業として継続的にコスト意識を持って経営改革
に取り組み、お客様サービスの向上にも努めてきました。
しかしながら、水需要の増加が見込まれない中、今後、老朽化した施設の更新時期
を集中的に迎え、また、合併後の新岡山市としての一体的な施設整備など多くの財
政需要が見込まれています。こういった事業は直接収入の増加につながるものでは
ないため、財政状況は現在、健全性を維持しているとはいえ、ますます厳しい環境が
予測されます。
また、次表のとおり、本市の労働生産性は、類似団体の中では中位に属していま
すが、将来にわたる安定的な経営基盤の確立に向けて、生産性の向上が必要と考え
られます。
基
本
施
策
の
6
本
柱
職員1人当たり労働生産性の類似団体比較(平成17年度)
職員 1 人当たり
給水人口(人)
6,000
職員1人当たりの給水人口(人)
職員 1 人当たり
有収水量(m3)
600,000
職員1人当たりの有収水量(m3)
503,922
5,000
500,000
360,223
4,000
400,000
385,457
276,924
271,782
3,000
321,697
281,579
285,932
292,587
270,832
189,512
230,875
209,887
221,428
2,000
1,000
0
300,000
200,000
4,191
3,298
3,114
2,594
2,471
2,312
2,287
2,155
富
山
市
岡
崎
市
枚
方
市
宮
崎
市
鹿
児
島
市
郡
山
市
岡
山
市
新
潟
市
2,135
水八
道戸
企圏
業域
団
2,069
1,997
1,955
1,871
2,367
大
津
市
大
分
市
秋
田
市
い
わ
き
市
13
団
体
平
均
100,000
0
(注)● 平成17年度「水道事業経営指標」及び平成17年度「地方公営企業年鑑」による。
● 類似13団体とは、表流水(ダムを除く)を主な水源とする事業のうち、給水人口30万人以上の団体をいう。
労働生産性を示す指標として、職員一人当たりの給水人口、有収水量※1などがあり、数値が大きいほど生
産性が高いことを示します。
これらの指標について、平成17年度の数値で類似団体と比較すると、本市はほぼ平均値となっています。
方針と施策
本市では、平成18年3月に総務省からの通知 ※2に対応した「岡山市水道局集中
改革プラン」を策定し、平成17年度∼21年度までの5年間の具体的な行財政改革
として「事務事業の再編・整理、廃止・統合」をはじめとする5項目の改革に現在取り
組んでいます。また、平成18年度からは市全体を挙げて、時代とともにニーズの薄
基
本
施
策
の
6
本
柱
れた事業を縮小、廃止し、市民(お客様)ニーズにフィットした事務事業に再編整理す
る「行政サービス棚卸し(事業仕分け)」を実施しており、
これらの手法を活用しなが
ら今後はさらに経営形態を含めた長期的な効率化についての調査研究を進めます。
※1 有収水量
料金徴収の対象となった水量。
※2 総務省からの通知
「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針」
(平成17年3月)
●時代のニーズにあった事務事業・組織・機構の再編整理
多様化するお客様のニーズに対応するため「行政サービス棚卸し(事業仕分け)」
の手法を用いて、継続的に事務事業の見直しを行うとともに、急速に変化する社会
情勢に迅速かつ柔軟に対応できるスリムで効率的な組織の構築を目指します。
・
・
・
・
お客様センターの設置
配水部門の施設整備機能と維持管理機能の統合再編
修繕工事部門の効率化
組織のフラット化の進展
●民間経営手法(多様な事業形態)の調査・研究
包括第三者委託、指定管理者制度、PFI制度など、多様な経営形態の中で、本市に
有効な制度の調査・研究を行います。しかし、水道事業の目的は、お客様が安心して
ご利用いただける水道水を安定的に供給することです。経営のあり方を見直す際は、
お客様に不安を与えることのないよう十分な情報を提供し、意識調査等を実施し、お
客様の意向を踏まえて決定します。
●民間委託等の推進
経営改善策として、これまで各種業務の委託化など民間活力の導入に取り組んで
きましたが、さらに業務の効率化、サービス水準の向上を図ることができる事務事業
については引き続き委託化を検討します。
●定員管理の適正化
事業の委託化、組織の再編等により職員数は減少していますが、今後とも効率的
な事業運営に努めながら、将来にわたる安定的な経営体制を踏まえた上で、職員数
の適正化に努めます。
●資産の有効活用など増収策の拡大
所有する未利用土地の売却、貸付(駐車場による貸付など)を積極的に実施し収入
を確保します。また、管路用地などで、すでに公衆用道路として供用されている場合
は譲渡(無償移管を含む)して維持管理費を軽減します。
さらに、現在、実施中の水質検査業務の受託、検針票の広告などの拡大に加え、新た
な増収策を検討します。
基
本
施
策
の
6
本
柱
( 参 考:1 7 ∼ 2 1 年 度 集 中 改 革 プ ラン 取 組 事 項 )
取組項目
取組の内容
1 事務・事業の再編・整理、 廃止・統合
2 民間委託等の推進
3 手当の総点検をはじめと する給与の適正化
4 その他の経費節減等
5 定員管理の適正化
お客様センターの設置
及び関係組織の見直し
19年度
浄水場交替勤務体制の見直し
18年度
料金清算業務の委託
20年度
配水管布設工事監督補助
業務の委託
20年度
工事立会業務の委託
19年度
退職時特別昇給の廃止
17年度
特殊勤務手当の見直し
17年度
地域(調整)手当の見直し
17年度
住居手当の見直し
17年度
遊休地の有効利用
18年度
職員車両駐車の有料化
18年度
公用車(軽自動車)管理の見直し
18年度
電話交換業務の見直し
19年度
職員互助会への負担金の削減
18年度
臨時的任用職員の配置見直し
18年度
出先施設宿日直業務の見直し
19年度
本局庁舎清掃業務の見直し
20年度
平成22年4月1日におけ
る目標職員数367名とし、
17∼21年度
5年間で25名の削減(削
減率6.4%)を目指します。
5年間の縮減目標合計額
基
本
施
策
の
6
本
柱
実施(予定)年度
縮減目標額
3億4,600万円
1億4,190万円
2億7,619万円
1億4,307万円
縮減目標額は上
記に含まれます。
9億716万円
(2)財政基盤の強化
現状と課題
水道局の財政は、配水量が減少傾向にあるため料金収入の伸びが望めないなかに
あって、平成17年の料金改定を経ながら経営効率化に努めた結果、ほぼ黒字基調を
維持しており、おおむね順調に推移しています。
しかしながら、今後の配水量の伸びは期待できない中、料金収入の増加に直接つ
ながらない財政需要は山積しています。
また、従来から建設改良の財源として企業債を限定的に考え、借入れの抑制に努
めてきましたが、なお、企業債残高は給水収益の約3倍にも達しています。
人口の減少時代を迎える中で将来世代への負担軽減のため継続的に企業債残高
を減らしていくことが求められています。
料金収入と損益の状況
料金収入(税抜) 18,000
(単位:百万円)
700
16,000
600
14,000
500
12,000
400
10,000
300
8,000
200
6,000
100
4,000
0
2,000
-100
0
平成13
料金収入(税抜)
純利益
平成14
13年度
12,429
75
平成15
14年度
12,056
−138
平成16
15年度
11,870
177
平成17
16年度
11,905
102
平成18
17年度
13,366
410
純利益
(単位:百万円)
純利益
料金収入(税抜)
-200
年度
18年度
13,230
571
(注)
:平成17年 3 月御津町・灘崎町と合併、平成19年1 月建部町・瀬戸町と合併。平成17年 4 月料金改定
企業債残高と元利償還金の推移
38,500
企業債残高
(単位:百万円)
4,000 (単位:百万円)
3,500
38,000
3,000
2,500
37,500
2,000
37,000
1,500
1,000
36,500
500
36,000
平成13
平成14
13年度
企業債残高
平成15
14年度
平成16
15年度
平成17
16年度
平成18
17年度
0
年度
18年度
38,106
37,973
37,400
37,621
36,714
37,032
支払利息
1,684
1,616
1,530
1,483
1,389
1,360
元金償還金
1,557
1,643
1,730
1,981
2,170
2,324
元利計
3,241
3,259
3,260
3,464
3,559
3,684
(注)
:平成17年3月御津町・灘崎町と合併、平成19年1月建部町・瀬戸町と合併。平成17年度の元金償還金には借換債を含みます。
企業債残高
支払利息
元金償還金
元利計
基
本
施
策
の
6
本
柱
○水道事業ガイドライン3012(給水収益に対する企業債残高の割合)
指 標 値
番号 業務指標
給水収益
に対する
3012 企業債残
高の割合
(%)
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
20団体
平均値
303.4
394.6
企業債残高 / 給水収
益× 100
306.6
315.0
320
315.1
306.6
274.7
270.9
企業債が経営に与える影響を分析するための指標で
あり、低いほうが望ましい。企業債残高、給水収益
ともに減少傾向にあるが、給水収益の減少の影響が
大きく、平成14年度まで増加傾向にあった。平成
17年度は料金改定により給水収益が増加したため、
大きく低下した。
310
300
290
280
270
260
250
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
方針と施策
●優先順位の明確化による効率的設備投資
施設の更新にあたっては、類似都市との比較を行うなど、客観的な事業の優先順
位に基づき、適正規模の効率的な設備投資を行い、健全財政を維持していきます。
●企業債残高の削減
人口減少時代を迎える中で将来世代へ の負担の軽減を図るため、継続的に企業
債残高を減少させ、10年後を目途に企業債残高を300億円以下とし、支払利息の
低減も図ります。
【企業債残高の目標】
基
本
施
策
の
6
本
柱
企業債残高
現状
(18年度)
目標値
(28年度)
370億円
300億円以下
●合併地区を含めた財政見通しの策定・公表
平成19年度中に、合併地区を含めた財政計画を策定し公表します。
(3)事業評価の充実
方針と施策
●評価による事業の効率実施及び説明責任
水道局の実施する事務事業を効率的かつ効果的に実施し、お客様に対する説明責
任を果たすため、事業評価制度を実施します。事業評価では、PDCA(Plan−Do−
Check−Action)サイクルの中で、事務事業の必要性、効率性及びその成果をお客
様の立場に立って評価することにより、事務事業の不断の見直しや改善を加えます。
●評価の結果は水道局の広報誌やホームページに掲載することにより、透明性を向上させ、
お客様への説明責任を果たします。
●評価は、対象となる事務事業の特性に応じて、実施前、実施途中、実施後の各段階にお
ける評価を組み合わせて実施します。
●事務事業の成果目標は、水道事業ガイドラインに基づく業務指標や総務省が作成する水
道事業経営指標などを活用し、客観的でわかりやすい目標値を設定するよう努めます。
PDCA
サイクル
継続的改善
事業の見直し・改善
事業の方針決定
計画・目標の設定
点検・評価
実施・行動
基
本
施
策
の
6
本
柱
(4)ICT(情報通信技術)の活用
方針と施策
●システム全体の最適化による経営の効率化、お客様サービスの推進
水道局のOA化については、昭和46年の水道料金調定業務の電算処理に始まり、
平成17年度までに25のシステムを構築し、利便性向上及び業務の効率化を図って
きました。
しかしながら、これまでシステムごとの改善を行ってきた結果、単体での効率化は
進んでいますが、相互連携によるシステム全体の効率化が進んでいないのが現状で
す。今後は日々進歩するICT ※を活用し、さらなる利便性向上に努めるとともに、局の
システムを総合的に再評価・再構築します。
また一方で、多くの業務のOA化により情報システムで取り扱う情報量も増加して
きました。個人情報等の重要データを適切に管理・保護するためセキュリティ面での
運用強化にも努めていきます。
戦略的な情報技術の活用
● お客様満足度向上を目指した戦略的な ICT 活用
セキュリティ管理
● セキュリティポリシーなどの運用強化
システム効率化
● 再評価、再構築によるシステム全体の最適化
戦略的な情報技術の活用
情報技術の活用においては、さらなるお客様満足の向上を目指し、
『お客様の視点』、
基
本
施
策
の
6
本
柱
『財務の視点』、
『業務の視点』、
『人材の視点』から体系的に情報化戦略を策定し、
効果的なITIM(Information Technology Investment Management:IT投
資管理)を行っていくよう努めます。
(次頁図)
※ICT
Information and Communication Technologyの略。情報通信技術を表す言葉。
鉛製給水管データベース化システム
人材の視点
残留塩素WEBシステム
苦情の削減
職員スキルアップ
文書管理システム
例規執務サポートシステム
個人情報保護の強化
(岡山市情報セキュリティポリシーの遵守)
職員の情報リテラシー向上
情報活用の拡大
お客様満足度の向上
電算処理の外部委託
外部委託の推進
公募型入札参加資格申請システム
技術者データ送受信システム
契約事務管理システム
電子入札の導入
契約事務の適正化・効率化
財政の健全化
局内LANの安定性向上
IP電話の導入
施設稼働率の向上
グループウェア
内部事務効率化
システムの研究
職員のスリム化
経費の縮減
歳出の削減
滞納の削減
歳入の安定
営業情報オンラインシステム
修繕工事事務システム
CAD設計積算システム
指定工事業者管理システム
工業用水WEBシステム
委託者管理システム
ハンディーターミナルシステム
財務会計システム
固定資産管理システム
給与計算システム
人事管理システム
既存システムの再構築
共通基盤整備による
システムの効率化
事務効率の向上
「お客様の視点」「財務の視点」「業務の視点」「人材の視点」から、局の戦略目的とそれらを達成するた
めの新たな情報化施策、既存システムの因果関係や関連を図式化したものです。この戦略マップから、
戦略の全体像を把握することができます。
給水装置工事電子申請システム
インターネット開閉栓システム
コンビニ収納システム
サービス・窓口の拡大
インターネットを利用した
料金・水量履歴照会など
クレジットカード支払い、
ペイジーの導入
情報共有の拡大
職員意識の向上
eラーニング等の
ITを活用した人材育成
教育訓練の充実
契約公開ホームページシステム
広報活動の強化
ホームページの内容強化、
Webアクセシビリティへの対応
webFAQ、
お客様の声データベースの構築
情報公開システム
市民との連携強化
貯水槽水道管理台帳システム
給水装置図システム
水道管路システム
安定的なサービス提供
業務の視点
財務の視点
安全性の向上
イメージアップ
戦略的な情報技術の活用
お客様の視点
基
本
施
策
の
6
本
柱
収益事業の展開
:現行システム
:新たな情報化施策
:戦略目的
ホームページへの広告掲載
(5)組織の活性化と技術の継承
現状と課題
① 組織・人材育成・技術の継承
水道局における職員数の推移は下表のとおりです。年齢構成では、団塊世代の55
歳以上の職員と第2次ベビーブームと呼ばれる30代が突出しており、働き盛りとい
われる45∼54歳の職員が少なくなっています。豊富な経験やノウハウを有する団
塊世代の職員が今後5年間で退職を迎え、事務・技術両部門において水道技術の継
承が大きな課題となっています。
OBの活用も含めた実務・実技研修の開催、受講者の資質・意欲形成のための研究
発表会や報告会の開催等による研修制度の充実、やる気を引き出す人事制度など有
効な対策が必要です。
【職員数の推移】
【年代別職員数(平成18年4月1日)】
人
人
420
90
事務
412
410
80
409
合計
70
398
400
技術
合併
405
60
394
392
388
390
386
380
50
40
30
20
370
10
360
11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
基
本
施
策
の
6
本
柱
0
20未満 20∼24 25∼29 30∼34 35∼39 40∼44 45∼49 50∼54 55∼59
歳
② 国際貢献
これまでも、JICA等を通じた技術者の派遣や、研修生の受入れを行っていますが、
水道事業ガイドラインに示されるとおり、数値は伸び悩んでいます。
研修の充実等により幅広い知識と語学力を有する職員を養成し、技術協力を行う
とともにAMDA ※等地域において国際貢献活動を行っている団体との連携も図るな
ど政令市を目指してより広い視野に立った国際貢献に取り組む必要があります。
第
5
章
104
※AMDA
アジア、アフリカ、中南米において戦争・自然災害・貧困等により社会的・経済的に恵まれず社会から取り残されている人々への医療救援
と生活状態改善のための支援を実施している、NGO・国際医療ボランティア組織。昭和59年に設立し、岡山県に本部を置く。
○水道事業ガイドライン6101(国際交流数)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
配水池貯
国際交流 配水池総容量/ 一 日
2004
6101 留能力
年間人的交流件数
数(件) 平均配水量
(日)
0.62
2
0.63
2
0.66
3
0.67
2
0.68
1
0.68
2
20団体
平均値
0.70
2 0.88 7.2
4
この6年間、2人前後が続いている。平成18年度は
海外研修1人、世界会議1人となっている。
3
2
1
0
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
方針と施策
安定供給のためには、時代の潮流に呼応して組織が効率的に機能しながら持続す
る必要があります。組織づくりはまさに人づくりであり、100年の歴史の中で先人が
これまで培ってきた技術を継承するとともに、複雑化する社会へ対応するため、
「人
材育成マスタープラン」を策定し、次の事項の具体的な取り組みを進めます。
職員としてあるべき将来像
人材育成の柱
施策とコストのバランスを図りながら、お客様の満足を高める視点
をもって積極的に業務に取り組む職員
経営
能力
企画力
調整力
判断力
など
経営面であれ技術面であれ自己の得意分野をもって、改革と挑戦
の意欲を実践できる職員
探求心
創造力
企画力
行動力
など
組織が有機的連合体として機能するために、計画性をもって業務を
マネージメントできる職員
管理
能力
統率力
指導力
調整力
など
市勢の基盤を支える水道事業を担う気概とプロ意識をもって、自ら
の使命を果す職員
洞察力
統率力
責任感
実行力
など
標準仕様(マニュアル)以外の不測の事態にも柔軟な対応ができる、
危機管理能力を備える職員
判断力
柔軟性
統率力
責任感
など
人
材
を
育
成
す
る
土
壌
の
確
立
職
員
の
モ
チ
ベ
ー
シ
ョ
ン
職
員
研
修
体
制
︵
自
己
啓
発
、
O
J
T
、
O
F
F
︱
J
T
︶
基
本
施
策
の
6
本
柱
第
5
章
105
●研修体制の充実
職務遂行能力の向上、技術継承のためマニュアル整備、研修制度の充実を図る。
①管理監督者がリーダーシップを示したOJT(On the job training)※1によ
る「効率的な仕事の達成」
「職場の活性化」
「職員の意欲喚起」
②実務研修の充実
配水管維持管理研修、大規模配管研修、現場見学会、実務研修の開催、事故対応訓練、
給水車操作習得など
③一般研修の充実
既存の研修の見直し、局内業務講習会の開催など
④派遣研修、会議出張等の報告会開催、国際会議等への参加
⑤職員OB講師等の活用
●研修施設の設置
①配管研修施設の設置
②水道技術開発・研修所の設置及び産・官・学の連携
●人材育成のための人事制度
①人事評価システムの構築
客観的で公正な人事評価や適材適所の人事配置を行う。
②人事交流の活性化
市長部局、国、他都市等への人事交流や派遣を含め、民間への派遣についても検討する。
③事務系・技術系の垣根の廃止
業務内容が多岐にわたり、的確な判断が要求される昨今、総合的な知識を持った職員が必
要となることから、事務技術の垣根を越えた配置を行い、相互の能力を引き出す人事異動
を行う。
また、人材育成を図りながら、政令市を目指すにふさわしい都市格を実現するため、
積極的な国際貢献に努めます。
●国際会議、海外派遣等の
基
本
施
策
の
6
本
柱
推進(JICA、WTI※2など)
●企業戦略的国際貢献(他
国への事務・技術指導の
継続的派遣の検討)
JICA派遣事業による職員派遣(水道技術協力)
バングラデシュ人民共和国において深井戸利用状況の調査中
※1 OJT(On the job training)
仕事の現場で、業務に必要な知識や技術を習得させる研修。
※2 WTI
イギリスWTI(ウォーター・トレーニング・インターナショナル)研修。
(6)協働による水道事業
方針と施策
●市民等とのパートナーシップの推進
災害対策、環境に対する取り組みなど今後水道事業に求められる課題は数多くあ
ります 。しかし、これら
の課題には多額の経費
が か かり、水 道 局 だ け
で対応するのは困難です。
そこで、市民、NPO(非
営利団体)、企業などと
課 題 を 共 有し 、地 域 社
会 の 力を合わせて取り
組んでいきます。
特 に、水 源 林 事 業 や
災 害 対 策 、水 道 記 念 館
での実験工作室の運営
水源林ボランティア植樹
などにお い て 、協 働 に
よる事 業を 推 進します。
基
本
施
策
の
6
本
柱
学生ボランティアとの協働による実験工作室
資源循環型の水道システムの構築
地球温暖化による自然環境の変化は、世界的に発生する異常気象の原因とも言われ、
水の循環機能にも深刻な影響を与えています。近年、数年おきに発生する渇水は、それを
物語っていると言えます。
21世紀は環境の世紀と言われるように、環境問題は地球規模の課題であり、水道事業
者も公共事業として循環資源である水を利用する立場であることから率先して環境対策
に取り組む必要があります。
水が育む豊かな自然環境を次世代に継承し、安全・安心な水道水を送り続けるため、引
き続き様々な環境にやさしい施策を行います。
(1)環境マネジメントシステム※1の改善
現状と課題
水道事業は、事業活動の中で多量の電力の使用、工事による建設残土や浄水処理
による汚泥の発生、オフィス活動による資源、エネルギーの消費など、自然環境に対
し大きな負荷を与えていることから、平成15年に本局庁舎のISO14001認証を取
得し、その後、順次認証範囲を拡張しながら継続的な環境改善に取り組んでいます。
残る合併地区についても、引き続き早期の認証取得が必要です。
方針と施策
●ISO14001による環境負荷低減の継続的な取り組み
引き続き、職員全員参加で環境マネジメントシステムの継続的改善を続けながら、
環境負荷の低減に取り組みます。
◎合併地区(建部・瀬戸地区)の認証を早期に取得し、局内全課所へ拡張します。
◎ISO14001は水道局に定着しつつあると考えられます。今後、本来業務の中で
の環境保全の施策の充実を図るとともに、自己宣言方式※2についても検討します。
基
本
施
策
の
6
本
柱
●環境会計、環境報告書の作成
外部コミュニケーションを重視し、環境会計※3、環境報告書※4の作成を通し、積極的
な情報発信に努めるとともに、お客さまから寄せられるご意見にも適切に対応します。
※1 環境マネジメントシステム
仕事の現場で、業務に必要な知識や技術を習得させる研修。組織体が自主的に環境保全に関する取り組みを進めるにあたり、環境に関
する方針や目標等を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいくことを環境マネジメントといい、環境マネジメントを実施するた
めの組織、手順、プロセスなどをいう。
※2 ISO自己宣言方式
市が責任を持って、環境マネジメントシステムを構築・運用し、そのことを内外に自己宣言する方式。
※3 環境会計
事業活動での環境保全のために投じたコストと、その活動によって得られた効果を可能な限り定量的に測定する会計手法のこと。
※4 環境報告書
企業など事業者が、環境保全・負荷軽減への考え方や目標、活動などをまとめたもの。
(2)水源保全活動 豊かな森づくり・水づくり
現状と課題
岡山県の森林面積は県土の約7割(484,000ha 06年岡山県森林・林業統計)
で、そこで育まれた水が私たちの暮らしを支えています。
水道局では、水源の保全を目的として、昭和40年から苫田郡鏡野町(旧苫田郡富
村)において、平成13年からは真庭郡新庄村において水源林事業を実施し、近年は
特に保水力に優れた広葉樹を中心とした整備の拡大を図っています。
森林は、自然の貯水場として洪水や渇水を緩和する水源かん養機能、木が根を張
ることによる土砂流出の防止機能、土壌がフィルターの役目をして雨水から空気中
のちりや不純物をろ過する水質浄化機能のほか二酸化炭素の削減による地球温暖
化防止機能、人々の心を和らげる「癒し」の機能など様々な環境保全の役割を果た
しています。
地球環境を保護し、健全な水循環を将来にわたって持続するため、水源林事業は、
今後も継続的な取り組みが求められます。
水源かん養機能
土砂流出の防止機能
水質浄化機能
森に降った川は、地下に浸透し長
森林では木が根を張ることにより、
雨水が土の中にしみ込むと土壌が
い年月をかけて地下水からせせらぎ
土が移動するのを抑え、土砂の流出
フィルターの役目をして、空気中のち
となっていきます。森林は自然の貯
や山崩れなどを少なくしています。
りや不純物がろ過されきれいな水に
水槽といえます。
なります。また、地層の中にあるミネ
このような働きをもつことから森
ラルが溶け込みおいしい水に変わり
林は「緑のダム」といえます。
ます。
このため森林は「天然の浄水場」
とも呼ばれています。
【水源かん養林のはたらき】
基
本
施
策
の
6
本
柱
方針と施策
●緑のダムづくり
平成19年度から開始した新庄村第2次水源林事業は、源流域で放置された天然林
の日当たりを良くするための除伐や下刈などの整備を行うことにより、森の活力を取
り戻して健全な水源林を育成するものです。
鏡野町の水源林事業と合わせて旭川源流域の両地域での水源かん養林整備を行う
ことによって、市民の水を守る「緑のダム」づくりを進め、安定した水源、安心できる水
質を確保します。
水源林事業に対しては、今後も国・県への財政要望を行い、
「おかやま森づくり県民
税(基金)」により県が実施する森林保全事業との連携を図りながら水資源の有益性
を次世代に受け継いでいきます。
基
本
施
策
の
6
本
柱
(3)水の有効利用
方針と施策
●漏水防止事業の推進・有収率の向上
平成13年度からは第5次漏水防止事業計画を策定し、漏水防止事業を推進してき
ましたが、合併に伴って新たに加わった有収率 ※ の低い地区の漏水調査を積極的に行
うなど、今後も水資源の有効利用を図っていきます。
漏水防止計画の中で、配水管や給水施設の改良、配水施設の点検作業、配水区域の
ブロック化など特に予防的対策に重点をおいて事業を推進します。
平成18年度末の有収率は88.2%ですが、今後も、漏水防止事業、老朽管の更新等
により漏水要因を改善するとともに、管網整備等により水質確保のための放水を減少
させるなど、有収率の向上に努めていきます。
【有収率】
有収率
現状
(平成18年度)
目標値
(平成28年度)
88.2%
90.0%
基
本
施
策
の
6
本
柱
※有収率
有収水量を配水量で除したもの。
(4)資源リサイクルの推進
現状と課題
浄水処理過程で発生する浄水発生土は、産業廃棄物として埋め立て処分を行って
いましたが、環境対策として資源の有効利用を図るため、現在、
「園芸土」や「セメン
ト原料」として再利用しています。平成16年度には発生量の大部分を占める三野浄
水場、鴨越浄水場において、再利用が促進されたことから、以後水道事業ガイドライ
ン「浄水発生土の有効利用率」も向上しています。
○水道事業ガイドライン4004(浄水発生土の有効利用率(%)
)
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
4004
浄水発生
土の有効 有効利用土量 / 浄水
利用率
発生土量× 100
(%)
29.7
37.1
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0
43.2
52.1
86.5
87.9
91.3
20団体
平均値
76.9
脱 水 機 で 処 理した 汚 泥 は ほぼ 全 量 有 効 利 用して
い る。配 水 量( 浄 水 量 )の 低 下 及び三 野 浄 水 場 脱
水機 の 運転時間延長により、指標値は経年的に上
昇している。平成16年度からは鴨越浄水場におい
て天日乾燥した汚泥の有効利用(セメント資源化)
を実施したことによりさらに上昇している。
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
一方で、再利用に係
18年度
( 図1 )浄水発生土と処分コストの変化
る経費は、従来 の 埋め
立て処分に比べ割高で
17年度
処分コスト 円/m3
浄水発生土量 m3
3,000
8,000
あることから、発 生 量
基
本
施
策
の
6
本
柱
が減少しているにもか
かわらず処分コストは
7,000
2,500
6,000
2,000
増加しています。
(図1)
5,000
今後は、新技術の導
4,000
入等によるコストの縮
3,000
減が課題となります。
2,000
1,500
1,000
浄水発生土処分コスト(有効利用含む)
浄水発生土量
500
1,000
0
12年度
0
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
方針と施策
●浄水発生土の有効利用
浄水発生土については、発生量の全てを利用できているわけではなく一部埋め立
て処分を行っているのが現状です。環境への負荷を低減するためにはより多くの手段
を用い、浄水汚泥を有効利用していきます。
平成18年度の浄水発生土の有効利用率(%)は91.3%ですが、一層の利用率向上
に努めます。
汚泥
加圧脱水機
園芸土利用
中間処理業者へ
・セメント材料再生中間処理業者へ
・所有最終処分場へ
天日乾燥床
●有価物としての有効利用の研究
現在、浄水汚泥の有効利用については、廃棄物として費用を負担して行っていますが、
有価物としての販売を検討する必要もあり、技術の開発や市場の開拓が課題となって
います。そこで、大学、各種研究所、メーカー等と連携し浄水汚泥に付加価値をつけて
収益事業となるよう調査検討を進めて行きます。
基
本
施
策
の
6
本
柱
(5)CO2 削減の促進
① 水道施設の省エネルギ ー対策
現状と課題
水道施設の中でも多量の電力を消費する浄水施設については、平成15年までは配
水量の減少に伴い総電力使用量も減少傾向となっていますが、平成16年度は合併に
より、配水量の増加に対する電力使用量の増加割合が大きくなっています。
(表1) この結果、ガイドライン数値「配水量1立方メートル当たり電力消費量」は、平成16
年度に0.32kWh/m 3に悪化しましたが、その後老朽化した小規模浄水場(西祖浄
水場)を休止し、効率化のため受水へ切替えたことなどの要因もあり、平成18年度
には合併前の水準に改善されています。
( 表1 )配水量及び総電力量の変化
年 度
平成12
平成13
平成14
平成15
平成16
平成17
平成18
総 電 力 量 (kWh)
28,988,411
29,299,442
28,289,926
27,648,439
31,056,819
29,769,901
29,949,935
年 間 配 水 量 ( m3 )
100,613,747
99,211,521
94,831,647
93,392,448
96,392,599
96,248,560
98,410,085
○水道事業ガイドライン4001(配水量1立方メートル当たり電力消費量(kWh/m3))
指 標 値
番号 業務指標
定 義
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
配水量1
立方メー
トル当た 全 施 設 の 電 力 使 用
4001
り電力消 量 / 年間配水量
費量
(kWh/m3)
基
本
施
策
の
6
本
柱
0.29
0.30
0.33
0.30
0.30
0.32
0.31
0.30
20団体
平均値
0.34
環境保全への取組み度合いを見る指標の1つであり、
平成16年度は合併により電力使用効率が悪化し、指
標値が増加している。
0.32
0.31
0.30
0.29
0.28
0.27
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
電力消費の大きい三野、旭東、鴨越浄水場では、すでにエネルギーの省力化シス
テムを採用していることから、設備の改良による電力使用量の大幅な低減は困難な
状況となっています。今後の数値改善に向けては、省エネルギー化推進のため、合
併地区を含めた水道システムの再構築などの検討が必要です。
水道局の施設における電力使用量の割合
1.1% 0.9%
三野浄水場
2.3%
4.4%
7.2%
7.5%
54.9%
21.6%
御津出張所
旭東浄水場
建部出張所
鴨越浄水場
本局
瀬戸出張所
その他
*各出張所は浄水場を含む
(平成18年度現在)
方針と施策
●水道施設の省エネルギー化
地球温暖化の原因となるCO 2は石油や石炭などの化石燃料を燃焼することで排出
されます。石油や石炭を多量に使用して生まれる電力の使用を削減することはCO 2
排出量の削減につながり、地球温暖化防止に大きく寄与できると考えています。
高効率機器の導入
現在使用している機器を更新する場合は高効率機器を導入することで省エネル
ギー化を進めていきます。特に電力使用量の多い浄水及び送水施設の電力使用量
の削減として原単位(配水量1立方メートル当たりの電力消費量)を年間1%削減
することを目指します。
水道システムの再構築
御津地区での送配水システムは受水槽方式が多く、水圧などをいったん解放し
てその後再加圧しているのが現状です。ポンプの直結方式等を行うなどのエネル
ギー損失の少ない手法を検討実施していきます。
基
本
施
策
の
6
本
柱
② クリーンエネルギ ーの推進
現状と課題
水道施設におけるクリーンエネルギーの導入事例としては、太陽光発電や小水力発
電等があります。しかし、太陽光発電については、多くのエネルギーを得るために広い
設置面積が必要であること、また、小水力発電については、発電したエネルギーを使
用できる施設が発電設備の近くにないことなどから、本市においては、
これらに対する
取り組みは進んでいません。今後、企業の社会的責任の観点から対策を検討する必要
があると考えています。
方針と施策
●太陽光発電の検討
1年間における降水量1㎜未満の日数が全国1位(岡山県気象年報(岡山地方気象台)
より1971∼2000年平年値)である岡山県は「晴れの国おかやま」として広く知ら
れており、太陽光発電システムは環境対策として導入する新エネルギーの中では最適
と考えています。
温 室 効 果ガス の 削
減効果に加えて、ろ過
池・沈でん池の覆いと
してセキュリティ対策
や 藻 類 の 発 生を 抑 制
する効 果 など複 合 的
メリットを考慮し導入
の検討をします。
(岡山県企業局 鶴新田浄水場太陽光発電)
基
本
施
策
の
6
本
柱
1 0 k W の 太 陽 光 発 電 シ ス テ ム を 設 置し た 場 合 、全 国 平 均 で は 年 間 約
10,000kWhの発電量が期待できます。
これを火力発電所の代替と仮定すると、地球温暖化の原因であるCO2の年間発
電量を炭素〈C〉量に換算すると年間1.89t-Cの二酸化炭素排出削減となります。
原油量は年間約2,430リットルの節約となります。
またそのCO2吸収効果を森林面積に換算削減すると、森林1.94ヘクタールに
相当します。
(出典:太陽光発電導入ガイドブック NEDO)
●小水力発電の検討
市内に点在する圧力・水量調整を行っているバルブでは水圧・水量からなるエネル
ギーを放出して調整を行っています。小水力発電設備により流量・圧力調整によるエ
ネルギー損失を電気エネルギーとして回収し利用ができるよう検討をします。
小水力発電イメージ
配水池
発電
給
水
管
配水管
タービン
基
本
施
策
の
6
本
柱
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