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レジオネラ症(PDF:98KB)
2 高齢者施設で気をつけたい感染症 2 高齢者施設で気をつけたい感染症 (1)レジオネラ症 レジオネラ属菌が原因で起こる感染症です。レジオネラ属菌は、土 の中や河川、湖沼など自然界に広く生息しています。アメーバなどに 寄生し、20∼50℃で増殖します。土ぼこりなどで運ばれて空調の 冷却塔などに入るとそこで繁殖し、感染源となる恐れがあります。 最近では、高齢者施設の循環式浴槽を感染源として死亡者が出てい るので注意が必要です。 (※レジオネラ症は、大別してレジオネラ肺炎とポンティアック熱があります。) (健康安全研究センター提供) 感 染 源 感 染 ・冷却塔 経 (特徴) ・人から人へは感染しないので、患者を隔離 する必要はない。 ジー風呂、温泉利用施設) ・左記の様な共通の感染源から、複数の人が 感染し発症する。 ・循環式給湯設備 ・レジオネラ属菌に汚染された水のしぶきな ・家庭用加湿器(超音波式等) どエアロゾル(目に見えないような細かい ・修景施設(人工の滝、噴水など) 水滴)を吸入してレジオネラ症を起こす。 ・循環式浴槽(24 時間風呂、ジャグ 路 。 。 。 。 。 。。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 レジオネラ肺炎とポンティアック熱の違い 特徴 症状 レジオネラ肺炎 ポンティアック熱 感染しても全員が発病するわけではなく、無症 良性の発熱性疾患であり、症状は 5 日程度で自然に 状から致命的な肺炎まで起こりうる。 軽快。 全身倦怠感、高熱、寒気、筋肉痛、頭痛、おう 発熱、悪寒、頭痛などのインフルエンザのような症状 吐、下痢、意識障害等時は重症になる場合あり である。 注意すべき人 乳幼児、高齢者、免疫不全、透析患者、がん患者などの抵抗力の低下している人 胸部 X 線 肺炎 正常 治療 エリスロマイシン 自然に軽快 5%以下(年齢とともに発病率が高くなる。特 95%以上(特に年齢差はない。) 発病率 に 60∼79 歳での報告が多い。) 潜伏期 2∼10 日 48 時間以下 死亡率 5∼30% なし 予防対策は? レジオネラ症は、早期に診断されれば適切な治療が可能です。施設内でレジオネラ症と疑われ る利用者が発生した場合は、新たな感染者が発生しないように対処する必要があります。施設の 管理者(設備管理者など)は、原因と考えられる設備の使用を停止して、その現状は保持したま ま、速やかに保健所に連絡してください。 感染源となる設備や器具の衛生的な管理を行い、増殖を防止することが最も重要です。特にエ アロゾルを発生する設備には注意が必要です。レジオネラ症を防止するための設備の維持管理方 法については、P30∼P44「 (実践編)1浴槽水のレジオネラ属菌対策」を参照ください。 - 10 -