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2013 年度 Unit10 小児・女性 1.60 歳女性、性器出血と出血時の下腹痛

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2013 年度 Unit10 小児・女性 1.60 歳女性、性器出血と出血時の下腹痛
2013 年度
Unit10
小児・女性
1.60 歳女性、性器出血と出血時の下腹痛を訴えて来院した。最も考えられる疾患はどれか。
a.( )PID(み 9:79)
誤り。PID(骨盤内炎症)の主な症状は下腹部痛、発熱などであり、性器出血は見られない。
b.( )子宮頸癌(み 9:142)
誤り。子宮頸がんは 30~40 歳代が罹患のピークである。また腹痛はあまり見られず、進行すれば見られること
もある。
c.(〇)子宮体癌(み 9:158)
正しい。子宮体癌が 40~60 歳代に好発すること、下腹部痛があることなどから子宮体がんが最も考えられる。
初期には疼痛は伴わないが骨盤内組織へ浸潤すると疼痛が見られるようになる。
d.( )子宮脱(み 9:116)
誤り。高齢の多産婦に好発するが、主な症状は排尿困難、尿失禁、尿意切迫感、頻尿、骨盤痛などで、出血は見
られない。
e.( )卵巣腫瘍(み 9:166)
誤り。卵巣腫瘍では性器出血はまれである。ちなみに卵巣腫瘍は初期には症状に乏しい(サイレントキラー)た
め、腹部圧迫感や転移症状で見つかることが多い。
2.次のうち、正しいものを選びなさい。
a.( )クラミジア感染は STD ではなく、STI と言われている。
誤り。呼称について細かく言うと、性感染症は一般的に STD(Sexually Transmitted Disease)という単語が用い
られていたが、現在は不顕性感染も含めて STI(Sexually Transmitted Infection)ということも多い。だが正直ど
っちでよんでもいいので、STD というのも STI というのも自由である。
b.( )ヘルペス感染症では、耐性ウィルスが問題になっている。(み 9:88)
誤り。近年耐性が問題となっているのは淋菌である。
c.( )妊娠中に梅毒感染が見つかったら中絶する必要がある。(み 6:205)
誤り。逆に中絶が勧められる感染症ってあるの?胎盤形成前の 18 週未満までにペニシリン投与を受ければ経胎
盤感染を起こさないで済む。
d.(〇)淋菌感染症は重症化することがある。(み 9:86)
正しい。女性の淋菌感染症は子宮頸管炎が基本の病態となるが症状に乏しい。しかし放置すると PID をおこし、
不妊や異所性妊娠の原因となる。
e.( )HTLV-1 感染では、帝王切開する必要がある。
誤り。HTLV-1 は母乳による感染が最も多い。産道感染はしないので帝王切開の必要はない。
3.35 歳の女性。3週間前より不正性器出血があり来院した。内診上、子宮は前傾前屈で体部は小さい。子宮頸
部は鶏卵大に腫大し、カリフラワー様の腫瘤があり出血しやすい。頸 部から採取した組織診断は扁平上皮癌で
あった。この腫瘍は腟壁下 1/3 まで浸潤し、子宮傍結合織への浸潤はあるが骨盤壁に達しない。全身状態は比較
的良好で貧血はない。CT, MRI でリンパ節転移や遠隔転移は認めなかった。
適切な治療法はどれか。(み 9:148)
子宮頸部が鶏卵大に腫大(通常は鳩卵大)し頚部の組織診で扁平上皮癌であったので、子宮頸がんが考えられる。
治療方針は臨床進行期に準じて行われる。
■Ⅰ期:癌が子宮頸部に限局するもの
A;組織学的にのみ診断できる浸潤癌 B;臨床的に明らか)
■Ⅱ期:癌が頸部を超えて広がっているが、骨盤壁または膣壁下 1/3 には達していない。
A;膣壁浸潤が認められるが、子宮傍組織浸潤は認められない B;子宮傍組織浸潤が認められる。
■Ⅲ期:癌浸潤が骨盤壁にまで達するもの、または膣壁浸潤が下 1/3 に達するもの
A;膣壁浸潤は下 1/3 に達するが、骨盤壁まで達していない B;子宮傍組織浸潤が骨盤壁にまで達している
■Ⅳ期癌が小骨盤腔を超えて広がるか、膀胱、直腸の粘膜を侵す
A;膀胱、直腸粘膜への浸潤がある B;小骨盤腔を超えて広がる(肺、肝臓など)
・上皮内腫瘍~ⅠA 期:円錐切除術または単純子宮全摘術
・ⅠB 期~Ⅱ期:広範子宮全摘術、同時化学放射線療法(CCRT)
・Ⅲ期~Ⅳ期:放射線療法、化学療法、CCRT
この腫瘍は腟壁下 1/3 まで浸潤し、子宮傍結合織への浸潤はあるが骨盤壁に達しないのでⅢA である。というわ
けで治療は放射線療法と化学療法の併用。
a.( )広汎子宮全摘出術
b.( )抗がん剤による化学療法
c.( )腔内照射法による放射線療法
d.(〇)放射線と化学療法の同時併用療法
e.( )緩和医療を勧める
4.正しいのはどれか。
a.( )卵巣動脈は内腸骨動脈から分岐する。
誤り。卵巣動脈は精巣動脈と同じ場所、つまり腹大動脈から分岐する。
b.( )子宮動脈は尿管の下を通って子宮に至る。
誤り。子宮動脈が上である。橋(動脈)の下を水(尿)が流れる、と覚えよう。
c.( )尿管は総腸骨動静脈の下を交叉する。
尿管は子宮動脈の下を通る。交差するってそういうこと?
d.(〇)子宮円索は鼠径管に入る。
正しい。鼡径管を通り、大陰唇に終わる。
e.( )子宮動脈は外腸骨動脈から分岐する。
誤り。子宮動脈は内腸骨動脈から分岐する。
5.Human papilloma virus と関連のないものはどれか。(み 9:90)
a.(?)endometrial carcinoma
b.( )vaginal cancer
膣癌
c.( )vulvar cancer
外陰癌
d.( )cervical cancer
e.( )anal cancer
子宮内膜の癌→子宮体癌?
子宮頸がん
肛門癌
cancer が癌という意味で使われているなら、関係があるのは d だけ。膣内、外陰部、肛門に疣贅はできるが(尖
圭コンジローマ)これ癌じゃないよね。尖圭コンジローマもありにするなら子宮体の病変は HPV と関係ない。
6.次のうち正しいものを選べ。
a.(〇)妊娠が成立するためには、まず子宮から排卵された卵子が卵管采から取り込まれ。同時に膣内に射精され
て子宮さらに卵管を運動してきた精子と卵管膨大部で受精することが 必要である。
正しい。
b.( )不妊患者は増加傾向にあり、今や 10 組に1組とも言われている。その大きな原因は晩婚化・晩産化、予宮
内膜症の増加、性感染症の増加、男性不妊の増加である。
誤り。10 組に一人といわれていたのは 20 年前である。現在では 7 組に一人といわれている。
c.( )不妊の原因には原因不明のものが 30%を占め、卵管因子の次に多い。
誤り。原因不明の不妊(機能性不妊症)は 10~20%ほどである。最も多いのは内分泌・排卵因子(20~50%)
で、次いで卵管因子(30~40%)
、子宮因子(15~20%)、頸管因子(10~15%)と続く。
d.( )人工授精は、卵巣から卵子を取り出し、シャーレのなかで卵子と精子を受精させる方法 である
誤り。説明は体外受精のことを言っている。人工授精は子宮内腔に精子を注入する方法である。
e.( )体外受精では移植個数が複数のことが多く、多胎妊娠率は依然高い。
誤り。体外受精した後の胚移植で移植個数は原則 1 個である。以前は妊娠率を上げるために複数の胚を移植して
いたが、そのため多胎妊娠の確率が高かった。
7.腹腔鏡検査で写真のような所見が得られた。その疾病について正しいのはどれか(み:158)
設問から想像するに子宮体癌?とりあえずそう決めつけて解説する。
a.( )不育症の原因となる
誤り。不妊の原因とはなるが不育の原因とはならない。不妊とは妊娠が成立しないことで、不育とは妊娠成立後、
それを維持できないことを指す。
b.(△)MRI で子宮内膜肥厚が観察される
見れんことはないけど、どちらかというと超音波検査の所見。
c.( )黄体ホルモンの存在下で進行する
誤り。関係するのは黄体ホルモン(プロゲステロン)ではなく卵胞ホルモン(エストロゲン)である。
d.(△)内溶液から漿液性嚢胞性腺腫と呼ばれる
子宮体癌はほとんどが腺癌で、さらにそのうち類内膜腺癌というものが最も多い。こればかりは写真が無いと同
にも言えない。
e.( )異所性子宮内膜類似組織の増殖が原因である
誤り。子宮体癌のリスクとなる子宮内膜増殖症は子宮腔内で子宮内膜が増殖する。異所性の増殖を示すのは子宮
内膜症や子宮筋腺腫である。
8.誤っている組み合わせはどれか
a.( )トリコモナス腟炎- 泡沫状帯下(み 9:91)
正しい。トリコモナス原虫によって引き起こされる STD/STI で、外陰部の掻痒感、悪臭のある黄色~淡い灰色
の泡沫状帯下の増殖などが見られる。
b.(×)細菌性腟症- 酸性化(み 9:169)
誤り。細菌性膣症とは膣内常在菌細菌叢のバランスが崩れ、G,Vaginalis や嫌気性の Bacteroides 属などの複数
の菌が優位な状態をいう。嫌気性菌などの代謝産物であるアミン、アンモニアが増加し pH は上昇し弱酸性状態
になる。
c.( )カンジダ腟炎- 酒粕状帯下(み 9:92)
正しい。常在菌であるカンジダ属の繁殖によっておこる性器の炎症で、外陰部の掻痒感、発赤・腫脹、白色帯下
(酒粕・かゆ・ヨーグルト状)が見られる。
d.( )デーデルライン桿菌- 乳酸菌(み 9:72)
正しい。膣上皮細胞のグリコーゲンは膣の常在菌である Lactobacillus 属(デーデルライン桿菌、乳酸菌)によ
って分解され、乳酸に変えられることにより膣内は酸性に保たれ、酸性環境に弱い病原体の侵入や増殖を防いで
いる。これを膣の自浄作用という。
e.( )萎縮性腟炎- エストロゲン欠乏症状(み 9:109)
正しい。長期のエストロゲン低下状態により膣内 pH が中性に近づき、炎症が起きる。
9.年齢 50 歳、6か月の無月経をみとめ、産婦人科に来院した女性患者。細胞診、超音波検査などで器質的異常
はないことを確認した。閉経しているかどうか、ホルモン値 を検査したいと希望している。採血にて測定する
場合、最も適切なものを選べ。(み 9:98.99)
■閉経前
エストロゲン、プロゲステロンが低下する。プロゲステロンが先に減っていく。そしてエストロゲンの減少に伴
い GnRH,LH,FSH が増加し始める。
■閉経
卵胞が 0 になることか、エストロゲンやプロゲステロンのホルモン分泌がなくなることか、いまいちホルモンで
見た閉経の定義というものがわからないが、病みえの図ではプロゲステロンが 0 か卵胞が 0 かで閉経っぽい。閉
経してもエストロゲンの分泌は停止するわけではない。
■閉経後
老年期(55 歳ごろ)になるとエストロゲンの分泌は完全になくなる。ただし脂肪組織由来のエストロゲンはま
だ存在する。
a.( )LH
b.( )FSH
c.(〇)抗ミュラー管ホルモン
d.( )エストロゲン
e.( )アンドロゲン
抗ミュラー管ホルモンは卵胞から分泌されるホルモンである。この値は卵胞の数を反映している。その為これが
0 になったら卵胞がもうないということなので、もう月経は起きないと思っていいのか。
10.15 歳女性が、持続する軽度の下腹痛、骨盤内腫瘤にて近医より産婦人科に紹介。診断 を得るためにもっと
も有用となる検査はどれか。
年齢で考えたら子宮内膜症か、骨盤内の炎症による水分の貯留かなんかで腫瘤となるか、そんなところ。
a.(?)造影 CT
b.( )HSG
c.(〇)骨盤 MRI
d.( )ホルモン値採血
e.( )腫瘍マーカー採血
骨盤内の腫瘤なら画像検査がたぶん有用。年齢的に腫瘍や PCOS は考えにくいし。
CT と MRI だが、出血、脂肪、液体、線維化など病変の組織学的特徴の評価は MRI の方が優れているので答え
は多分 c。
11.25 歳女性。月経が2週間以上つづいているとのことで産婦人科に受診。超音波検査にて子宮腔内に多発する
微小嚢胞と出血が充満している。次のうち診断に必要な採血検査項目はどれか。
2 週間以上月経が続いているので過長月経といえる(月経が 8 日以上)
。代表的な原因に子宮筋腫、子宮腺筋症、
血液凝固異常などがある。
a.( )LH
b.(?)プロゲステロン
c.( )ヘモグロビンF
d.( )コレステロール
e.( )hCG
全くわからん。子宮内膜の維持にはプロゲステロンが必要だからそれが正解?
12.16 歳女性 原発性無月経にて産婦人科受診。低身長で、腹部超音波検査にて、子宮は小さく、卵巣は索状卵
巣であった。ターナー症候群の場合、染色体検査の結果はどれか。
a.(〇)45 XO(み 9:68) ターナー症候群
b.( )46 XX(み 9:64) 先天性副腎皮質過形成による染色体の性と外性器の性の不一致
c.( )47 XXY(み 9:69) クラインフェルター症候群
d.( )47 XX
ダウン症?
e.( )上記のどれでもない
13.乳癌について正しいのはどれか。(み 9:276)
a.( )日本では男女ともに胃癌の方が罹患率が高い。
誤り。乳癌に罹患する女性は年々増加しており、日本人女性の罹患率は胃癌を抜いて 1 位になっている。
b.( )マンモグラフィーのカテゴリー分類は石灰化の形態と分布によってのみ決定する。
誤り。石灰化、腫瘤、乳腺実質の構築、などを見る。
c.( )非浸潤性乳管癌であれば乳房温存術の適応である。
誤り。乳房温存術の適応は、①腫瘍径 3cm 以下 ②広範な乳管内伸展を示す所見が無い ③多発病巣が無い
④患者が温存療法を希望する の 4 つを満たすもので、非浸潤性というだけでは適応にならない。
d.(〇)Luminal A type の浸潤性乳管癌は、術後に内分泌療法を 5 年間行う。
消去法的にこれかな。それぞれのサブタイプの特徴を記す。
・Luminal Atype:ホルモン感受性が高い。ホルモン療法が主軸となる
・Luminal Btype:A に比べ再発リスクが高く、ホルモン療法だけでなく化学療法や分子標的薬を用いる
・HER2-rich:HER2 陽性のため分子標的薬が使え、化学療法に奏功しやすい。
・Basal-like:ホルモン受容体が陰性で、HER2 も発現していないので化学療法の種類が少なく予後不良
e.( )Triple negative の浸潤性乳管癌は、術後に内分泌療法と化学療法の併用療法を行う。
誤り。Triple negative ということはホルモン受容体(エストロゲン、プロゲステロン)、HER2 の発現が陰性で
あるということ。ホルモン受容体を発現していない癌にはホルモン療法は効果がなく、HER2 を発現していない
癌には分子標的薬(トラスツズマブ)は効果がない。よって化学療法のみを行う。
14.産婦人科領域における各画像検査について正しいものを選べ(シラバス 7/1
中園)
a.( )超音波は放射線を用いる画像検査であり、妊婦や胎児の評価には向いていない
誤り。超音波は放射線を使用していない。
b.( )腹部単純写真と CT は、どちらも放射線を用いる検査であり、1回の検査あたりの被曝線量は、ほぼ同じ
である
誤り。CT の方が放射線被ばくが多い。
c.( )MRI 検査中に患者が急変した場合には、急いで MRI 検査室内に酸素ボンベや救急カードを持ち込む必要が
ある
_人人人人人人_
酸素ボンベや点滴台が MRI に引っ張られる→患者にあたる→ > 突然の死 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
d.( )CT と MRI で使用する造影剤は、どちらもヨード造影剤である
誤り。CT ではヨードが、MRI ではガドリニウムが使われる。
e.(〇)子宮頸癌の局所の浸潤の評価には MRI、遠隔転移の評価には CT が用いられる
正しい。組織の評価は MRI が優れる。CT は撮影範囲が広いため遠隔転移や腹膜播種などの評価に優れる。
15.28 歳経産婦 妊娠初期は血圧 120/78mmHg、蛋白尿陰性であったが、 妊娠 33 週に血圧が 156/106mmHg
まで上昇、蛋白尿は 200mg/日であった
この症例について誤っているのはどれか。(み 10:98)
a.(×)血圧は重症域である
誤り。収縮期>160 か、拡張期>110 のいずれかが条件であるが、どちらも満たしていない。
b.(?)蛋白尿は軽症域である
そもそも軽症域って蛋白尿 300~2000mg/日なんだよね。200mg じゃ軽症域ですらないんだけど。まあ蛋白陽性
なら軽症域といってもいいかも。正しい。
c.( )加重型ではない
正しい。加重型は高血圧もしくは蛋白尿、あるいはその両方が妊娠前から存在するもの。この患者ではどちらも
妊娠前には見られなかった。
d.( )遅発型である
正しい。32 週未満を早発型、32 週以降を遅発型という。ちなみに早発型の方が胎児発育不全が見られやすい。
e.( )胎児評価により妊娠帰結を決定する
正しい。治療の基本はターミネーション(妊娠の終了)である。しかし、児が未熟な場合は可能な限り妊娠を継
続し、適切な分娩時期を判断する。
16.超音波所見について正しいのはどれか。
a.( )羊水過多の原因として胎児尿路奇形が考えられる(み 10:142)
誤り。尿路奇形では尿の排泄障害が起きるため、胎児尿減少で羊水は少なくなる。
b.( )常位胎盤早期剥離では胎盤菲薄化が特徴的である(み 10:114)
誤り。胎盤後血腫のため胎盤は肥厚して見える。
c.( )双胎の膜性診断は妊娠中期以降が容易である(み 10:144)
誤り。妊娠 14 週以降では羊膜と絨毛膜が癒合し、診断が困難になるため膜性診断は 10 週までに行う。
d.(〇)胎児推定体重は、頭囲・腹囲・大腿骨長を用いて計算する
正しい。
・胎児の頭の横幅(児頭大横径:BPD)
・胎児のお腹の前後幅(腹部前後径:APTD)
・胎児のお腹の横幅(腹部横径:TTD)
・胎児の大腿骨の長さ(大腿骨長:FL)
e.( )子宮頚管長は切迫早産管理に有用である(み 10:166)
誤り。子宮頸管長の長さは早産のリスクを表しているが管理には使わない。管理に用いられるのは子宮収縮、破
水、出血、頸管開大の 4 つである。
17.胎児心拍数モニタリングにおいて、胎児機能不全を示唆するのはどれか。
(み 10:63)
■概念
胎児心拍基線の高さ:胎児の心拍数
胎児心拍数基線細変動:胎児の心拍数の細かい変動
胎児心拍数一過性変動:胎動や子宮収縮に対する胎児心拍数の変化
■正常・異常
・胎児心拍基線:正常:110~160bpm、頻脈:>160bpm、徐脈:<110bpm
頻脈では母体・胎児感染や胎児不整脈を、徐脈は胎児不整脈を疑う。甲状腺機能亢進症や塩酸リトドリンなどの
投薬により胎児心拍数が変化することがあるので注意が必要・
・胎児心拍数基線細変動:正常:6~25bpm、細変動増加:26bpm 以上、細変動減少:5bpm 以下
細変動消失:肉眼的に認められない。
サイナソイダルパターン:胎児心拍数基線が規則的でなめらか
細変動増加は急性低酸素血症に陥っている可能性がある。細変動減少では胎児がアシドーシスに陥っている可能
性があるが他の疾患でも起きうるので鑑別が必要。サイナソイダルパターンでは重症低酸素状態、胎児貧血、血
液型不適合妊娠時の胎児貧血などが考えられる。
・胎児心拍数一過性変動:正常:一過性頻脈、早発一過性徐脈 異常:遅発・変動・遅延一過性徐脈、一過性頻
脈が無い
胎児心拍数が一過性に増加、あるいは減少することを胎児心拍数一過性変動という。遅発一過性徐脈では胎盤機
能不全による胎児の低酸素血症が、変動一過性徐脈では羊水過少症や臍帯異常が、遅延一過性徐脈では胎盤の機
能不全が疑われる。
a.(?)胎児心拍数基線が 180bpm である
これから疑われることは母体・胎児感染症や胎児不整脈である。異常所見がこれだけだし、これが正解?
b.( )胎児心拍数基線細変動が 10bpm である
誤り。これは正常範囲である。
c.( )一過性頻脈を認める
誤り。一過性頻脈は胎児が正常に発育している指標である。一過性頻脈が無ければ何らかの異常があるとする。
d.( )早発性一過性徐脈を認めない
e.( )変動性一過性徐脈を認めない
一過性徐脈が無いのは胎児の状態が良好であることを示す。早発性一過性徐脈はあってもなくても胎児の状態が
良好であるとされる。
18.妊娠について正しいのはどれか。(み 10:12~)
a.( )受精は排卵後7日目に起こる。
誤り。受精は排卵直後に起きる。排卵後 7 日目に起きるのは着床。
b.( )受精卵は桑実胚となって着床する。
誤り。胚盤胞となって着床する。
c.( )通常、受精は卵管狭部で起こる。
誤り。通常卵管膨大部で着床する。
d.(〇)妊娠非成立時の黄体寿命は約2週間である。
正しい。これはイコール分泌期の期間でもある。分泌期の間、黄体はプロゲステロン(と少量のエストロゲン)
を分泌し、黄体の寿命が来て白体となると、エストロゲン・プロゲステロンが急激に低下し消退出血を起こす(月
経)
。
e.( )通常月経は破綻出血である。
誤り。通常月経は消退出血である。
・消退出血:プロゲステロンとエストロゲンが急激に低下する(消退)ことで子宮内膜が血行障害を起こし、壊
死して剥脱する
・破綻出血:プロゲステロンの作用が無いまま子宮内膜が増殖したため、子宮内膜を維持できず(破綻)肥厚し
た子宮内膜が不規則に剥脱する
19.正しいのはどれか
a.( )生殖器は内胚葉由来である。(み 10:22)
誤り。尿生殖器は中胚葉由来である。
・外胚葉:中枢神経系、末梢神経系、表皮、毛、爪、水晶体、エナメル質など
・中胚葉:骨、骨格筋、真皮、心臓、血管、脾臓、尿生殖器など
・内胚葉:食道・胃・腸の上皮、肺の上皮、咽頭・気管、肝臓、膵臓、甲状腺、副甲状腺、胸腺など
b.(〇)羊水細胞は胎児由来である。
正しい。羊水検査では羊水中の物質や羊水中の胎児細胞をもとに、染色体や遺伝子異常の有無を調べる。
c.( )絨毛膜は母体由来である。(み 10:33)
誤り。絨毛膜は胎児由来である。卵膜は、母体由来の脱落膜、胎児由来の絨毛膜・羊膜の 3 層から構成される。
d.( )羊水は BTB 試験にて青色が黄色になることで確認できる。
誤り。BTB 試験では、pH 試験紙は酸性ならば黄色、アルカリ性なら青色に変色する。羊水はアルカリ性なので
青色にならないといけない。
e.( )卵膜は胎児側から羊膜、脱落膜、絨毛膜の順に構成される。(み 10:33)
誤り。胎児側からは羊膜、絨毛膜、脱落膜の順に構成される。羊膜と絨毛膜は胎児由来で脱落膜は母親由来であ
る。
20.胎児循環について正しいのはどれか。(み 2:143)
a.( )アランチウス管は臍動脈と下大静脈の間に存在する。
誤り。アランチウス管(静脈管)は臍静脈と下大静脈の間に存在し、酸素量が多い血液を下大静脈に優先的に流
している。
b.(〇)通常の動脈管血流は肺動脈から下行大動脈へと流れる。
正しい。動脈管により肺動脈と大動脈が交通しており、肺動脈の血流が大動脈に流れるので肺への血流は少ない。
c.( )通常、臍動脈は1本である。
誤り。臍動脈は 2 本で臍静脈が 1 本である。
d.( )胎児ヘモグロビンは酸素親和性が低い。
誤り。胎児の体内の酸素分圧は高いため、酸素親和性が高くても酸素はヘモグロビンをはなれ、胎児に供給され
る。
e.( )通常、卵円孔は生後7日目に閉鎖する。
誤り。卵円孔の機能的閉鎖は生後数時間で起き、構造的閉鎖は数週間後に起きる。生後 7 日目で構造的閉鎖をす
るのは動脈管(機能的閉鎖は 1~3 日)
。
21.分娩の経過について正しいのはどれか。(み 10:226)
a.( )陣痛発来とは陣痛が 10 分毎に起こることである。
誤り。陣痛発来は分娩の始まりを意味する。分娩の始まりを告げる陣痛は前駆陣痛といって不規則な陣痛である。
b.(〇)分娩第1期とは分娩開始から子宮口全開大までの期間である。
正しい。開口期ともいい、分娩開始から子宮口が全開大するまでの期間をいう。全開になることによって頸管と
膣との間に境がなくなり内診でも子宮口唇をふれなくなる。この開口期は、平均で初産婦 12 時間、経産婦 7 時
間とされる。
c.( )分娩第2期は子宮口全開大から胎盤が娩出されるまでの期間である。
誤り。第 2 期は娩出期といい、子宮口開大から、児の娩出を完了するまでの期間をいう。胎児が産道を下降して
くる過程の時期に相当し、平均で初産婦 1 時間、経産婦 30 分とされる。
胎盤が娩出されるのは第 3 期なので、問題文は第 2 期と第 3 期を合わせた期間を言っている。
d.( )分娩第3期の平均所要時間は 20~30 分である。
微妙。胎児娩出から、胎盤付属物(胎盤並びに卵膜)の排出が完了するまでの期間をいう。これによって分娩が
完全に完了したことになる。第 3 期は平均 10~15 分である。
e.( )適時破水とは排臨した時の破水である。(み 10:243)
誤り。子宮口全開大の頃に破水するものを適時破水という。
児頭は陣痛発作時に大きく下降し、やがて陰裂の間から胎児先進部がみえるようになるが、陣痛間欠時には産道
抵抗によって児頭は膣内に後退しみえなくなる。この状態を排臨という。間欠時に後退しなくなった状態を発露
という。
22.Bishop 採点法について、正しいのはどれか。(み 10:252)
a.( )総合得点 9 点以下を成熟とする。
誤り。9 点以上を頸管成熟、8 点以上を分娩誘発の成功、4 点以下を頸管未成熟とする。
b.( )分娩誘発を行う場合、O~4 点は 24 時間以内に 90%が成功する。
誤り。4 点以下は頸管未成熟で、分娩誘発を行っても誠子する確率はそう高くない。
c.( )8~10 点は容易に分娩に至らない。
誤り。8~10 点なら頸管成熟はなっている。容易に分娩に至るだろう。
d.(〇)児頭の位置とは児頭の先端と座骨棘間線の関係をいう。
正しい。坐骨棘をつないだ線を 0 とし、それより上なら-、下なら+で表す。
e.( )子宮口の全開大とは、頸管開大度 10cm で展退 0%である。
誤り。子宮の開口度とはつまりどれだけ頸管が展退しているかということである(もちろん厳密には違うのだろ
うが)
。頸管開大が 10cm もあれば展退はかなり進んでいるはずである。
23.分娩時の児頭回旋異常について正しいのはどれか。
・初めの児頭の向き
:仰臥位の母体の腹側を 12 時、背側を 6 時とすると顔はさ 3 時あるいは 9 時を向いている
第 1 回旋:屈位になる
第 2 回旋:6 時の方向へと回旋する
第 3 回旋~脱出:頭を背屈させたり時計下半分の領域で回旋しながら脱出する。
a.( )後方後頭位は第 1 回旋の異常である。(み 10:274)
誤り。後方後頭位は第 2 回旋の異常である。第 2 回旋で児の後頭部が母体の後方に向けて回転したもの。胎児の
顔が 12 時を向いている。
b.( )低在横定位は第 1 回旋の異常である。(み 10:274)
誤り。低在横定位は第 2 回旋の異常である。第 2 回旋が起こらず、児頭が横向きのまま下降するため縦長の骨盤
峡部で引っかかったもの。
c.( )額位は第 2 回旋の異常である。(み 10:273)
誤り。額位は反屈位の一つで、第 1 回旋の異常である。
d.( )顔位は第 2 回旋の異常である。(み 10:273)
誤り。顔位は反屈位の一つで、第 1 回旋の異常である。
e.(〇)前頭位は第 1 回旋の異常である。(み 10:273)
正しい。前頭位は反屈位の一つで、第 1 回旋の異常である。
■第 1 回旋の異常
■第 2 回旋の異常
24.子宮病変の細胞診ならびに病理組織像を示す。正しいのはどれか。
a.( )自然消退することはない
b.( )未産婦、肥満、糖尿病患者に多い
これは子宮体癌の特徴。
c.( )50 代以上に頻度が高い疾患である
これは子宮体癌の特徴。
d.( )ヒトパピローマウィルス感染が原因となる
これは子宮頸がんの特徴。
e.( )子宮体部から採取された可能性が高い検体である
子宮体癌を示唆している。
25.転移性卵巣腫瘍の病理組織像を示す、最も適当でないものはどれか。
(み 9:190)
卵巣は多臓器からの転移が多い。急速に増大し、原発巣より先に発見され、卵巣原発の悪性腫瘍として外科的に
摘出された後に転移であることが判明することもある。特に原発/転移の区別が問題となる腫瘍に、粘液性腫瘍(大
腸癌、虫垂粘液性腫瘍の転移)と類内膜腺癌(子宮内膜の類内膜腺癌の転移)がある。
a.( )組織型は印環細胞癌である
典型的な胃癌の転移では、増生した線維性結合組織中に多数の印環細胞紙秩序に存在する。
b.( )胃癌の転移が最も頻度が低い
誤り。原発巣としては胃、組織型は印環細胞癌が多く、一般的に予後不良である。
c.( )Krukenberg 腫瘍とも言われる
Krukenberg 腫瘍は、古典的には胃癌の転移について用いられていた用語だが、消化管からの転移もしくはすべ
ての転移性卵巣腫瘍を指して用いられることもある。多くは両側性に、表面平滑で凸凹のある弾性軟な充実性腫
瘤を形成する。組織型は印環細胞癌が多い。
d.( )粘液性嚢胞腺癌と混同されることがある
卵巣の粘液性腫瘍は大腸癌、虫垂粘液性腫瘍の転移である可能性がある。
e.( )およそ 10~15cm 大の腫瘍として見つかることが多い
卵巣がんはサイレントキラーと呼ばれ、ある程度の大きさになって見つかることが多い。とはいっても 4cm 程
度で症状が出ることもあるし、10cm 以上で初めて見つかることもある。よくわかんね。
26.非ヘルペス族ウイルスにより発症する疾患はどれか。
人間が感染するヘルペス族ウイルスを載せる。
単純ウイルス属(simplex virus)
学名:HHV-1 = 一般名単純ヘルペスウイルス 1 型(HSV-1:herpes simplex virus-1)
学名:HHV-2 = 一般名単純ヘルペスウイルス 2 型(HSV-2:herpes simplex virus-2)
水痘ウイルス属(varicella virus)
学名:HHV-3 = 一般名水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV:varicella zoster virus)
リンフォクリプトウイルス属(lymphocryptovirus)
学名:HHV-4 = 一般名エプスタイン・バール・ウイルス(EBV:Epstein-Barr virus)
サイトメガロウイルス属(cytomegalovirus)
学名:HHV-5 = 一般名サイトメガロウイルス(CMV:cytomegalovirus)
ロゼオロウイルス属(Roseolovirus)
学名:HHV-6:突発性発疹を引き起こす。
学名:HHV-7:突発性発疹を引き起こす。
Rhadinovirus 属
学名:HHV-8 = 一般名カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV:Kaposi's sarcoma-associated
herpesvirus)
a.( )伝染性単核症
EBV
b.( )水痘
VZV
c.(〇)伝染性紅斑
パルボウイルス B19
d.( )突発性発疹症
HHV6.7
e.( )帯状疱疹
VZV
27.1 歳を過ぎてから接種が推奨されるワクチンはどれか。
a.( )肺炎球菌ワクチン
2 か月からが推奨される
b.( )H.influenza ワクチン
2 か月からが推奨される
c.( )BCG
5 か月からが推奨される
d.( )ロタウイルスワクチン
2 か月からが推奨される
e.(〇)日本脳炎ワクチン
3 歳からが推奨される
28.生後 7 ヵ月の正常乳児の所見として適当でないものはどれか。
a.( )横のパラシュート反射が陽性。
7-8 か月で獲得
b.( )一人で座れる。
6-7 か月で獲得
c.( )寝返りができる。
5-6 か月で獲得
d.(×)非対称性緊張性頸反射が陽性。
4 か月を過ぎたあたりから見えなくなる
e.( )顔にかかった布を手でとれる。
2-3 か月で獲得
29.Floppy infant で筋力低下がないのはどれか。(シラバス 7/25
松尾)
筋肉がやわらかくなってぐにゃぐにゃする(フロッピー)乳幼児(インファント)という意味。筋肉の緊張度が
低下してやわらかくなり、正常な子どもにはみられない特異な姿勢になる。
末梢か中枢かで筋力低下の有無が異なる。
・筋力低下有(前角細胞以下の障害)
脊髄性筋委縮症、先天性筋ジストロフィー、先天性ミオパチー、先天性筋緊張性ジストロフィー
・筋力低下無(中枢性の障害)
ダウン症候群、Prader-Willi 症候群、代謝-変性疾患
a.( )福山型先天性筋ジストロフィー
b.( )脊髄性筋萎縮症I型
c.(〇)Prader-Willi 症候群
d.( )先天性筋緊張性ジストロフィー
e.( )先天性ミオパチー
30.神経性食欲不振症について正しいのはどれか。(シラバス 7/25
藤田)
痩せに逃避することで現実のストレスを回避できるような心理的要因により、過度の食事制限をしたため著しい
痩せをきたす疾患(心身症)。食行動の異常や精神症状のほか、体重減少により無月経をはじめ様々な内分泌・
代謝異常を起こす。
・低代謝状態:徐脈、低血圧、低体温、T3 減少
・飢餓状態:低血糖、脂質以上、汎血球減少、肝機能障害
・性機能:第 2 度無月経または第 1 度無月経(エストロゲン減少、プロゲステロン減少)
a.( )器質的疾患をもとに発症するが、比較的多いのは急性胃粘膜病変である。
誤り。器質的な疾患ではなく、ストレスが主で発症する。
b.( )痩せてはいるが、血液循環は良好なので手足は暖かい。
誤り。低代謝状態となって体温は低くなる。
c.(?)無月経になるので、月経誘発のためにホルモン療法が必要である。
この疾患における無月経は体重減少が主な原因なので、体重が増加すれば月経は起こる。体重の増加が見られな
い場合にはホルモン療法をすることもある。
d.( )安静時の脈拍が速くなり、動悸がするようになる。
誤り。徐脈が見られる。
e.(〇)身長の伸び率が低下して、骨折しやすくなる。
正しい。栄養失調により骨粗鬆症を起こす。
31 14 歳の女子。全身倦怠感を主訴に来院した。2 週前から著明な口渇、多飲および多尿をきたした。全身倦怠
感が出現し、改善しないため受診した。意識は清明。身長 158cm、体重 45 kg。体温 36.7℃。脈拍 116 /分。整。
血圧 92/64 mmHg。呼吸数 28/分。Sp02 98%(room air)。皮膚のツルゴールは低下している。尿ケトン体 3+。
血液生化学所見:随時血糖 385 mg/dl、HbAlc 10.4%(基準 4.3~5. 8)、尿素窒素 30 mg/dl、クレアチニン 1.3 mg/dl,
Na 133 mEq/l、K 4.9 mEq/l、 Cl 96 mEq/1。 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):PH 7.26、PaCO2 16 Torr、
Pa02 105 Torr、HC03- mEq/l。
現時点の対応として適切なのはどれか。(み 3:60)
血液糖と尿ケトン体が非常に高い。また血液ガス分析で pH が酸性に傾いていることから糖尿病性ケトアシドー
シスが疑われる。
a.(△)生理食塩液の輸液
b.( )スルホニル尿素薬の投与
c.( )重炭酸ナトリウムの静注
d.( )遅効型インスリンの皮下注
e.(〇)速効型インスリンの大量急速静注
治療だが、輸液とインスリン投与による脱水・インスリン不足の改善が基本。基本的にアシドーシスの補正は行
わないので、重炭酸ナトリウムの投与はしない。Na が 133 とわずかに少ない(正常値 135~145)ぐらいなの
で、どちらをするかというとインスリンの方?
・輸液:直ちに生食の点滴静注を行う
・インスリン:直ちに速効型インスリンを静注、次いで持続点滴静注を行う
32.国家試験 106G051
7 歳の男児。背が低いことを心配した母親に伴われて来院した。幼稚園では他の児に比べて少し背が低い程度
であったが、最近、小学校の同級生との身長差が徐々に拡大してきているという。在胎 38 週、体重 2,780g、骨
盤位で出生した。母子健康手帳によると、 出生時身長 49.0 cm、Apgar スコア 2 点(1 分)であった。小学校
の成績は普通で、家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。活気はある。身長 106.3 cm (平均-2.6 SD)、体
重 21.0 kg (平均-0.5 SD)
。外表奇形や四肢短縮を認めない。血液生化学所見:TSH 1.1μU/ml(基準 0. 44~4.D、
FT3 3.0 pg/ml (基準 2.5~4.5)
、FT4 1.2 ng/dl(基準 0.8~2.2)。手エックス線写真(Xray.pdf)を別に示す。
現時点の対応で適切なのはどれか。
a.( )染色体検査を行う。
外表奇形や四肢短縮を認めない、ということからダウン症が否定的。
b.( )心配ないと説明する。
誤り。身長が同年齢同性の-2.0SD 以下、あるいは年間伸び率が-1.5SD を下回った場合、精査が必要となる。
c.( )1 年後の再診を指示する。
今でしょ。
d.(〇)アルギニン負荷試験を行う。
正しい。症例からおそらく成長ホルモン分泌不全性低身長症が疑われる(低身長、ダウン症でない、甲状腺機能
低下でない、くる病でない)。アルギニン負荷試験をおこなっても GH(成長ホルモン)の上昇が見られなかっ
たとき、成長ホルモン分泌不全性低身長症が考えられる。
e.( )血中ビタミン D 濃度を測定する。
これはくる病の検査である。写真からくる病が否定的らしい。
33.以下の文で正しいものを選べ。(シラバス 7/16 田代)
a.(〇)胎児循環において。左室から駆出される血液の大部分は臍帯静脈血よりなる。
正しい。酸素化された血液は卵円孔を通じて選択的に左房へ流入するため、酸素飽和度は左室の方が高い。ちな
みに右室が循環の中心的な役割を果たしており、血流は右室の方が多い。
b.( )心室中隔欠損では、左右シャントによりで早期から右室が拡大する。(み 2:148)
誤り。VSD を介したシャント流は通常右室にいったん貯留することなく、速やかに肺動脈へ流入するため、右
心系への負荷は軽微で左心系への負荷が中心である。
c.( )心房中隔欠損症では、右心系と共に左房も拡大する。(み 2:144)
誤り。左→右シャントにより右房への血流が増加し、右心系が拡大する。それに伴い肺循環も増えるが、左房に
流れた血液はシャントで右房に流れるので左房の拡大はあまり見られない。
d.( )典型的ファロー四徴症の心室中隔欠損も自然閉鎖が期待できる。(み 2:164)
誤り。小~中欠損の心室中隔欠損症は自然閉口が期待できるが、Fallot 四徴候の心室中隔欠損は根治手術が必要
である。
e.( )川崎病における冠動脈病変は 5 病日ぐらいから明らかになることが多い。(み 6:110)
誤り。重症例では発症後 10 数日で冠動脈瘤を形成する。
34.以下の文で正しいものを選べ。
a.( )先天性心疾患の頻度は 1000 人出生あたり3人程度で口唇口蓋裂とほぼ同様の頻度である。(7/16
田代)
誤り。先天性心疾患の頻度は 1000 人に 7-8 人ほどで、先天性疾患ではもっとも頻度が高い。口唇口蓋裂は 1000
人当たり 1-3 人ほどである。
b.( )Eisenmenger 症候群を呈した患者では肺動脈末梢の拡大と肺鬱血がみられる。(み 2:153)
誤り。肺動脈の末梢は肥厚し、径が小さくなる。
c.( )肺動脈狭窄症で聴取する心雑音は 4LSB を最強点とする駆出性収縮期雑音である。(み 2:160)
誤り。2LSB を最強点とする収縮期駆出性雑音である。
d.( )心房中隔欠損症は心雑音が著明ではないため、小児期早期に自覚症状で見つかる。(み 2:144)
誤り。幼児期や学童期に心雑音で発見されることが多いが、自覚症状に乏しく放置されることもある。
e.(〇)先天性風疹症候群では動脈管開存の合併が知られている。(み 2:174)
正しい。先天性風疹症候群に動脈管開存症は合併しやすい。
35.次のうち正しいものを一つ選べ。(シラバス 7/18
尾形)
a.( )小児全身性エリテマトーデスでは男児が女児よりも多い。
誤り。女児の方が多い。ちなみに成人では男女比は 1:12 ほどだが小児では 1:5 である。
b.( )小児全身性エリテマトーデスでは腎炎を合併する事はない。
誤り。小児 SLE の特性の一つで、臨床症状では腎炎合併が約 70%と多い(成人では約 50%)。
c.( )小児全身性エリテマトーデスでは血清補体価は上昇を認める。
誤り。SLE は免疫複合体によるアレルギー反応なので血清補体価は低下する。ちなみに頻度は約 80%と成人に
比べ多い(成人では約 60%)
。
d.(〇)全身型若年性特発性関節炎では弛張熱を認める。
正しい。若年性特発性関節炎には全身型、多関節型、少関節型の 3 つに分類できる。全身型では 2 週間以上続く
発熱(3 日の弛張熱を含む)と関節炎、および紅斑・リンパ節腫脹・肝脾腫・漿膜炎のいずれか一つが見られる。
e.( )関節型若年性特発性関節炎ではリウマトイド疹を認める。
誤り。リウマトイド疹を認めるのは全身型である。ちなみに多発関節型ではリウマチ因子が陽性となる。
36.以下の食物アレルギーの病型のうち、特異的 IgE の関与が最も少ないと考えられているものはどれか。
a.(?)新生児・乳児消化管アレルギー
b.( )食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎
c.( )即時型症状
d.( )食物依存性運動誘発アナフィラキシー
e.(?)口腔アレルギー症候群
新生児・乳児消化管アレルギーは IgE 依存型反応と非 IgE 依存型反応の二つがあり、主に非依存型の機序によっ
てアレルギーが発症している。口腔アレルギー症候群の診断は食物を摂食した直後から始まる口腔内に限局した
アレルギー症状の病歴と該当食品に対する IgEの証明によってなされるとあるし、IgE 依存的?よくわからない。
37.乳児の脱水の所見として適当なものはどれか。
乳児の脱水症診断のポイントを挙げる。
・体重減少度(発症前と現時点の差)
・バイタルサイン:意識状態、血圧(脈圧の減少)
、心拍数、尿量(の減少)
、顔色など
・皮膚緊張低下の有無:腹部や大腿部の皮膚をつまんでみるとわかりすい
・皮膚、粘膜の乾燥度
・眼球や大泉門の陥凹
・嗜眠や弱い啼泣
a.( )元気がある
b.( )尿量が増加する
c.(〇)皮膚の Turgor (弾力性・緊張性)が低下する
d.( )大泉門が膨隆する
e.( )口腔粘膜が湿潤である
38.新生児医療について正しいのはどれか。
a.( )出生率の低下に伴い NICU 入院新生児数は減少している。
b.(〇)出生体重は減少傾向にある。
c.( )体重 1000g 未満の児の死亡率は 30%前後である。
d.( )脳性麻痺の発症率は急激に減少している。
e.( )低出生体重児は母乳より人工栄養が推奨される。
晩婚化などが原因で早産が増えたり低出生体重児が増加したりしている。しかし、医療技術の発達により今まで
では救えないほどの低出生体重児でも救えるようになった。その結果出生体重は減少傾向にあり、NICU に入る
児の数は増えている。
39.正しいのはどれか。
a.( )大泉門は 3 ヵ月までに閉鎖する。
誤り。正常では 1 歳半で閉鎖(S 小:9)
b.( )動脈管の閉鎖は1週間以降に起こる。
微妙。動脈管はまず 1~3 日後で機能的閉鎖をし、数日後に器質的閉鎖をする。どちらのことを言っているのか
わからない。
c.( )第一排尿は 24 時間以降である。
誤り。第一排尿は生後 15 時間以内に見られる。
d.(〇)血清免疫グロブリン IgA は成人にくらべて低値である。
正しい。IgA は母乳を通じて得るまでは新生児の体には存在していない。新生児の免疫グロブリンで、例外的に
出生時に成人と同じほどの値があるものは IgG である。
e.( )生理的黄疸が出生時にみられる。
誤り。生理的黄疸が見られるのは 2~3 日ほどたってから。出生後すぐにみられる横断は血液型不適合による溶
血性黄疸などが疑われる。
40.次の組み合わせで適当でないものはどれか。
a.( )心奇形- 先天風疹症候群(み 6:231)
正しい。先天性風疹症候群の 3 大症状は白内障、心奇形、難聴である。とくに動脈管開存症が見られる。
b.( )先天性難聴- サイトメガロウイルス感染症(み 6:241)
正しい。感音性難聴のほかに脳内石灰化、小頭症、発達遅延、肝脾腫、網脈絡膜炎などがある。
c.( )新生児敗血症- B 群連鎖球菌(GBS) (み 6:156)
正しい。また GBS は生後 3 か月以内の小児の細菌性髄膜炎の主要な起炎菌としても重要である。
d.( )Small for date 児- 貧血(み 10:151)
誤り。Small for date 児とは体型の均整は取れているが、身長も体重も標準の 10 パーセンタイル未満の新生児
のことを言う。また体型の均整にかかわらず体重が標準の 10 パーセンタイル未満の新生児のことを light for
date という。
Light for date 児では低体温、低血糖、低 Ca 血症、多血症、高ビリルビン血症に陥りやすい。
e.( )新生児メレナ- ビタミンK欠乏(シラバス 7/23
永井)
正しい。新生児メレナとは、ビタミン K 欠乏のため凝固因子を体内で十分につくることができず、消化管出血の
結果、黒色便をきたした状態のこと。
41.腎性尿崩症の診断で有効な試験はどれか。(み 8:171)(み 3:198)
集合管のバソプレシンに対する反応性低下により尿濃縮能低下をきた疾患である。中枢性尿崩症と異なり、バソ
プレシン合成・分泌能は正常である。
a.( )フロセミド負荷試験
誤り。フロセミド立位負荷試験とは原発性アルドステロン症を診断する際に行われる検査のこと。
b.( )DDAVP(1-de amino-8-D-arginine vasopressin)負荷試験
正しい。尿崩症において、バソプレシン(DDAVP)を投与して尿浸透圧が上がるか(中枢性、バソプレシンの
産生・分泌異常)変わらないか(腎性、バソプレシンの反応性低下)をみる。
c.( )ブドウ糖試験
誤り。糖尿病が疑われる患者に対し、短時間に一定量のブドウ糖水溶液を飲んでもらい、一定時間経過後の血糖
値の値から、糖尿病が存在するかどうかを判断する方法である。
d.( )顔面冷水試験
誤り。QT 延長症候群に対し行われる試験である。
e.( )Ellsworth-Howard 試験
誤り。副甲状腺機能低下症に対し行われる試験である。
42.次の記載のうち。正しいのはどれか。
a.( )鉄欠乏程度が進むとまず血清鉄が先に低下して次にフェリチンが低下する。(み 5:24)
誤り。鉄欠乏性貧血では、まず血清フェリチン(貯蔵鉄)が低値となり、次に血清鉄が低値となる。さらにヘモ
グロビン鉄が減少して Hb 値が低下し、最期には組織鉄が少なくなる。
b.( )動物性鉄(肉・レバー)より植物性鉄(ほうれん草・わかめ)の方が、消化管での吸収効率が良い。
誤り。動物性鉄はヘム鉄で植物性鉄は非ヘム鉄である。ヘム鉄の方が吸収効率は良い(ヘム:30%、非ヘム 10%)
。
しかし、肉魚類から摂取する鉄は 3 割程度に過ぎず、日本人の食生活では野菜や豆、海藻など植物性食品が主な
鉄の補給源となる。
c.(〇)Wiskott-Aldrich 症候群は、血小板減少、脂漏性湿疹、易感染性を3主徴とする。(7/17_5:6)
正しい。Wiskott-Aldrich 症候群は、血小板減少、脂漏性湿疹、易感染性を 3 主徴とする X 連鎖劣性の免疫不全
で、男児にのみ発症する。
d.( )ビタミン K 欠乏症では活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は延長し、プロトロンビン時間(PT)
は正常である。
誤り。ビタミン K は凝固因子のⅡ、Ⅸ、Ⅶ、Ⅹ(肉、納豆)に関与している。このうちⅨが内因系(APTT)で
Ⅱ.Ⅶが外因系(PT)のためどちらも延長する。
e.( )慢性肉芽腫症の原因は、リンパ球の細胞傷害活性の異常である。
誤り。好中球の殺菌能の異常である。
43.次の記載のうち、誤りはどれか。(7/17_6 永井:小児の腫瘍疾患(小児がん))(み 5:92~95)
a.( )小児リンパ性白血病において、発症時年齢が1歳未満、10 歳以上は予後が悪い。
正しい。1 歳以下の患児、9 歳以上の患児は高リスク群となっている。また急性リンパ性白血病自体は小児より
も成人の予後が悪い。
b.( )ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)好発する部位は、皮膚・骨・肝臓・脾臓・肺である。(み 4:159)
正しい。ランゲルハンス細胞とは表皮を始め人体の様々な組織に散在する抗原提示細胞であるが、この細胞が原
因不明の異常増殖をきたした炎症性疾患をランゲルハンス細胞肉芽腫症という。
標的臓器は様々だが、小児は骨、成人は肺が多い。
c.( )Down 症候群では急性白血病に罹患する確率が一般人より高い。
ダウン症は白血病発症リスクが非ダウン症に比較して 10~20 倍とされ、さらに急性巨核芽球性白血病(以下
AMKL)に限ると、そのリスクは 400~500 倍とされている。
d.(×)神経芽腫では1歳未満と Stage 4s での予後は不良である。
誤り。病期4S の神経芽腫ではある時期をすぎると腫瘍も転移も自然に消えていく 自然退縮のおこることがし
ばしば経験されていた。この自然退縮の理由は長いこと不明とされ、神経芽腫は”enigmatic(不可思議)な腫瘍”
と言われてきた。また転移巣は化学療法によって容易に消失し予後が良い(7/17_6:4)
e.( )寛解導入療法における腫瘍崩壊症候群での、尿酸と P(リン)は上昇している。
正しい。腫瘍崩壊症候群とは抗がん剤治療や放射線療法等でがん細胞が短時間に大量に死滅することで起こる症
候群で、腫瘍学的緊急症の一つである。がん細胞が一度に大量に細胞破壊を起こすと、それは核酸に富むため、
核酸の分解産物が血流中に大量に放出されて、高リン酸血症、低カルシウム血症、高カリウム血症、高尿酸血症
などを引き起こす。
44.小児・乳児の胸骨圧迫で推奨される深さは胸郭前後径のおよそどれくらいか。
a.( )約 1/6
b.( )約 1/5
c.( )約 1/4
d.(〇)約 1/3
e.( )約 1/2
45.6 歳男児。朝食後頭痛、数回続けて起こる痙攣発作にて救急搬送された。主訴に来院した。患児の MRI(図 1)
と脳血管造影写真(図 2)を示す。診断はどれか。
a.( )モヤモヤ病
b.( )静脈洞血栓症
c.( )脳動静脈奇形
d.( )硬膜動静脈瘤
e.( )Sturge-Weber 症候群
画像が無いと何とも言えないが、けいれん発作があるなら Sturge-Weber 症候群か?
46.停留精巣について正しいものを次の中から1つ選べ。(み 8:316)
a.( )停留精巣は 4~5 歳頃までに陰嚢内へ下降する。
誤り。精巣の下降は満期産児では 6 か月まで、早期産児では 1 歳までである。
b.(?)停留精巣は発がんのリスクがあり。精巣固定術でそのリスクは軽減できない。
停留精巣には発がんのリスクがあるが、まず本邦ではデータが少なく具体的な根拠を示すことはできない。精巣
固定術でそのリスクが減るのかもよくわかっていない。消去法的には正解か?
c.( )手術時期は、小学生入学前頃(5 歳~6 歳頃)がベストである。
誤り。手術時期は 1 歳~2 歳までである。
d.( )片側停留精巣でも対側が陰嚢内にあれば妊孕性の問題はおこらない。
誤り。片側停留精巣で男性の不妊率は 10~30%ほどといわれている。
e.( )精巣が触知できない場合は、造影 CT にて局在診断を行う
誤り。超音波検査や腹腔鏡検査を行う。
47.小児科領域の画像診断について正しいものを選べ。(シラバス 7/18
中園)
a.( )CT はブラインドエリア(正常構造の重なり)がなく。病変の詳細な評価が可能でるので、胸部単純エック
ス線写真よりも優先するべきである。
誤り。CT は正常構造の重なりがなく病変の詳細な評価が可能だが、放射線被ばくが多いため小児では安易に CT
を撮影すべきではない。
b.( )シルエットサイン陽性とは、水濃度のもの(心臓。縦隔構造、腫瘤性病変など)同士 が接しているため。
その境界線が不鮮明化する現象である。
正しい。
c.( )新生児呼吸窮迫症候群では、胸部単純エックス線写真での肺野の透過性低下は一過性 であり、数時間で軽
快することが多い。
誤り。新生児呼吸窮迫症候群は肺のサーファクタンとの産生が少ないため肺が虚脱している状態である。そのた
め人工サーファクタントを投与しなければ軽快しない。問題文は新生児一過性多呼吸のことを言っている。
d.( )結核の初期変化群では、肺門リンパ節腫大を伴うことは稀である。
誤り。結核の初期変化群には肺野初感染巣、肺門縦隔リンパ節腫大などが見られる。
e.( )縦隔神経芽腫は前縦隔に好発する。
誤り。後縦隔に好発する。
48.児童虐待および児童虐待に伴う頭部外傷について間違っているものを選べ。(シラバス 7/23
西原)
a.( )児童虐待は身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待に分類される。
b.( )虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、速やかに通告しなければならない。
c.(×)急性硬膜外血腫が多い。
d.( )頭部外傷の主たる原因の一つに shaken baby syndrome がある。
e.( )眼底出血を伴っていることが多い。
多分 c が間違い。小児では中硬膜の血管溝が未発達で浅く、血管の可動性が良好なため、成人と比較して硬膜外
血腫はできにくい。
49.次のうち正しい文章はどれか。
a.( )知能指数が 90 であれば精神発達遅滞(知的障害)と言える。
誤り。精神の発達停止、発達不全の状態、知的障害をいう。知能が周りと比べて 2SD 以上低く、IQ が 70 以下
で先天性のものをいう。
b.( )広汎性発達障害の大半は精神発達遅滞(知的障害)を合併する。
誤り。コミュニケーション能力や社会性に関連する脳の領域に関係する発達障害の総称を広汎性発達障害という。
精神発達遅滞は合併することもある、というほどの頻度で大半が合併するとは言い難い。ただし、自閉症では約
80%で精神発達遅滞が見られる。
c.(〇)精神発達遅滞(知的障害)には他の精神症状の合併が多い。
d.( )アスベルガー症候群は広汎性発達障害の中に含まれない。
誤り。アスペルガー症候群は広汎性発達障害の一つである。
e.( )広汎性発達障害には薬物治療は禁忌である。
誤り。そんなことはない。しかし社会性の欠如が薬物で治るわけではないので、随伴する症状に対し対症的に使
われる。
50.次の中から間違いを1つ選べ。
a.( )小児鼠径ヘルニアの手術の基本は高位結紮である。
正しい。小児鼡径ヘルニアはほとんどが外鼡径ヘルニアで、治療は小児の場合ヘルニア嚢の行為結紮が行われる。
b.( )先天性横隔膜ヘルニアの最も重要な予後因子は肺低形成である。
正しい。
c.( )高圧浣腸は腸重積症の重要な診断的治療法の1つである。
正しい。硫酸バリウムの高圧浣腸を行う。
d.( )先天性胆道閉鎖症では出生直後から灰白色便がみられる。
たぶん間違い。2012 年から母子手帳で、便の色をチェックするようになったんだけど、そのチェックする時期
が生後2週、1カ月、1~4カ月だから、出生直後に灰白色便がみられる、ということはなさそう。
e.( )小児の急性虫垂炎は緊急手術の適応である。
正しい。小児では大網が発達しておらず、虫垂壁も薄いため腹膜炎に移行しやすい。
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