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オペラの魔法の笛
ヨーロッパで独自の位置を占めるワルシャワ室内歌劇場の十八番。 魔法の笛の音に幻惑される不思議な物語。 モーツァルト最後の傑作オペラ。 POLAND STATE WARSAW CHAMBER OPERA Die Zauberflöte 魔笛 Story 旅の途中、魔物に襲われて気を失った王子タミーノを、奇妙な格 好の鳥刺しパパゲーノと、3人の侍女が発見する。落雷音と共に 闇を支配する夜の女王が現れて、 ザラストロに誘拐された娘の王 女パミーナを救出するようタミーノに依頼する。 美しい王女を救うため、 お調子者のパパゲーノをお供に連れ、護 身用の魔法の笛 (マジック・フルート) を携えて、王子タミーノはザラ ストロのところへと旅立つのだった。出会って一目でパミーナと恋 におちたタミーノ。 タミーノはザラストロが徳の高い聖人であると知 らされ、 ふたりが結ばれるため3つの試練を受けることに・・・・・・。 暗示のように3の数字が多用されている。モーツァルトが死の直前 に作曲した大作オペラ。 ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラ ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラはモーツァルトのオ ペラを全作品随時上演できるということで世界的に知られてい る。また、モンテヴェルディ、テレマン、モーツァルト、ロッシーニ などのバロック期の作品から20世紀音楽家の作品まで幅広い時 代のオペラを上演することでオペラ芸術の研究機関としての役 割も果たしている。 「モーツァルト・フェスティバル」 「ロッシー ニ・フェスティバル」 「バロック・オペラ・フェスティバル」など、 内外問わず様々なフェスティバルを主催もしくは参加し、フラン ス、イタリア、ドイツ、ロシア、イスラエル、アメリカ、カナダ、スペ インほか様々な国々で1500公演を超える海外ツアーを行って いる。来日は今回で7回を数え、ますます人気を博している。 9/19 2015. [土] 講師:田中良幸(音楽ジャーナリスト) 料金:500 円 Profile ルベン・シルヴァ(芸術監督/指揮) 1955年、ボリビアのラパス生まれ。ボリビアのカトリック大学にて指揮と作曲を 学び、78年にはポーランド政府からの奨学金を受け、 ワルシャワのF.ショパン 音楽院へ進学する。 1983年、カトワイズで行われた第三回国際G.フィテルバーグコンクールにおい て歴代最年少で入賞。同年より、指揮者としてポーランド国立ワルシャワ室内 歌劇場に入団する。劇場の指揮者となってからは、オーストラリア、 フランス、 ド イツ、 イタリア、オランダ、スペインなどの音楽祭に参加するなど海外公演も数多 く行っており、40以上にもなるオペラレパートリーを武器に、数多くの著名劇場、 楽団での客演指揮を務める。 2009年より、祖国であるボリビア国立交響音楽団の主席客演指揮者に任命さ れ、2012年にはウッチ・グランド・シアターの音楽監督に抜擢、2013年からは、創立者であるステファ ン・ストコフスキに代わり、 ワルシャワ室内歌劇場の芸術監督としてその活躍に期待が寄せられている。 「ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラ『魔笛』」公演をさらに楽しむための講座開催! 平成27年度 浜松市アクトシティ音楽院 コミュニティコース [音楽監督]竹森 道夫 14:00 ∼ 16:00 [ 開場 ]13:30 トシティ浜松 音楽工房ホール 会場:アク 「いまオペラ公演から帰ってきたところ。相変わらず満員です。パパゲーノとパ ミーナの二重唱『愛を感じる男の人は』や、第1幕のグロッケンシュピール(パ パゲーノが持つ銀の鈴)の場はいつものようにアンコールされました。第2幕 の三人の童子の三重唱も同様。でも、ぼくにとって一番うれしいのは無言の喝 采だ!このオペラがどんなに評判を高めつつあるか、 よくわかるでしょう」 (モー ツァルトが妻宛に送った手紙から) ウィーンの街外れにあるヴィーデン劇場はずっと不入りが続いていたが、1791年、モーツァルトの 『魔笛』が初演されるや、評判が評判を呼び、連日市民が押し寄せた。取り澄ました貴族相手の宮 廷劇場にはない、一般人のための娯楽オペラが喝采を受けた瞬間だった。 この時、身体は衰弱し ていたモーツァルトだったが、劇場にいるときだけは幸せを感じていたことだろう。 モーツァルトの精神(エスプリ)を今に甦らせるポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラが5年 ぶり7度目の来日をする。ヨーロッパきっての「モーツァルト歌劇場」だ。なにしろ、モーツァルトの 全26舞台作品(歌劇21作品やパントマイム劇、オラトリオなど)を“常時”上演できる態勢をとって いるという、奇跡のような室内歌劇場なのだ。 美しく生き生きとした音楽を台詞でつないでいく歌芝居(ジングシュピール) 『魔笛』は、 ワルシャ ワ室内歌劇場オペラの手にかかるとより一層その魅力を増す。常日頃、 アンサンブルを組んでいる 者同士の「呼吸」の妙が発揮されるからだ。だから、見ていて「楽しく、寛げる」。224年前のウィー ン市民が熱狂したように「オペラって、 こんなにも身近なものなんだ」 と実感できる。 『魔笛』はひと言で言えばお伽話なのだが、聴けば聴くほど奥深い「象徴劇」になっていて、子供 心を忘れない大人のための永遠の知的ドラマと言えるだろう。日頃から「『魔笛』の本質は何か?」 を問い続けているワルシャワ室内歌劇場(=研究機関でもある)ならではの答えがここにある。 沸きに沸いた公演から2ヶ月後には帰らぬ人となってしまったモーツァルトだが、彼が精魂込めた 大傑作を今年の秋に堪能できるのは音楽ファンにとって幸せなことだ。 音楽アラカルト 「音楽アラカルト」 は、広いジャンルと様々な視点から題材をとりあげ、音楽により親しんでいただくための講座です。 第 3回 オペラに飛び込め ∼国立ワルシャワ室内歌劇場「魔笛」公演に寄せて∼ 「音楽アラカルト」 に関する お問い合わせ先 TEL.053-451-1150