...

Straight away

by user

on
Category: Documents
10

views

Report

Comments

Transcript

Straight away
pwcinform.com
Straight away
Financial reporting bulletin from PwC
14 March 2013
新しい英国会計基準公表
何が公表されたのか?
財務報告評議会(FRC)が、財務報告基準
102号「英国およびアイルランドにおける
財務報告基準」(FRS 102)を公表しました。
これは新しい英国会計基準で、現行の会計
基準や指針が置き換えられるものです。
FRS102は昨年に公表された財務報告基準
100号「財務報告の要求事項の適用」(FRS
100)と財務報告基準101号「簡易化された
開示のフレームワーク」(FRS 101)を受け
て公表されました。
企業は直ちにこの新しい会計基準を適用す
ることができます。ただし、どちらの基準
を適用するか決定する前に、そのメリット
とデメリットを慎重に検討する必要があり
ます。
英国会計基準への主な変更点
FRS 102には、中小企業向け国際財務報告
基準(IFRS for SMEs)に基づき、英国特有
の状況を考慮した修正が加えられています。
多くの場合、FRS 102は現行の英国会計基
準と同様ですが、以下に挙げるいくつかの
重要な差異があります。
金融商品
財務報告基準26号「金融商品:測定、認
識および再認識」(FRS 26:これは国際会
計基準39号「金融商品:認識および測定」
(IAS 39)の英国版です)を現在適用してい
る企業は、FRS 102への移行により大きな
影響を受けるでしょう。
基本的な金融商品は、償却原価により測定
されます。また、複雑な金融商品は一般的
に損益を通じて公正価値で測定されます。
減損とヘッジのモデルはIAS 39の原則に基
づいていますが、これは近い将来国際財務
報告基準9号「金融商品」(IFRS 9)の導入
によって期待される変更を取り入れるため
に、改訂されることが想定されます。IAS
39またはIFRS 9の認識と測定の要件を適
用するかもしれません。
デリバティブや多くの資本性投資は公正価
値で測定され、貸借対照表に認識されます。
FRS 102には、金融商品に関して追加の開
示規定があります。
従業員給付
FRS 102は、年金純欠損/余剰に割引率を
適用し、利息費用と運用収益の純額を計算
する国際会計基準19号「従業員給付」
(IAS 19) の変更を想定しています。「期待
運用収益」は適用されなくなります。
複数事業主型の確定給付年金の会計処理は、
財務報告基準17号「退職給付」(FRS 17)と
異なります。FRS 102では、グループ内の
年金費用負担のポリシーにしたがって、少
なくとも1つの企業が、個別財務諸表にお
いて確定給付型の会計を適用する必要があ
ります。
繰延税金
繰延税金は、「期間差異プラス」アプロー
チに基づいて認識されます(これは国際会
計基準12号「法人所得税」(IAS 12)の「一
時差異アプローチ」よりも、むしろ財務報
告基準19号「繰延税金」(FRS 19)における
原則に基づいています)。この「プラス」
は資産の再評価(ただし、のれんは除く)や
企業結合により生じる資産と負債について
繰延税金を認識することを要求しています。
繰延税金は割引計算されません。
のれんおよび無形資産
のれんを含むすべての無形資産に耐用年数
が存在することを想定しており、償却する
必要があります(現行の英国会計基準では、
耐用年数のない無形資産が存在し得ます)。
もし企業が信頼性を持って資産の耐用年数
を見積ることができない場合、耐用年数は
5年を超えることはできません。従前の財
pwcinform.com
務報告基準10号「営業権および無形資産」
(FRS 10)では20年とされていました。
投資不動産
投資不動産は、過度の負担なしに公正価値
を測定可能な場合には、損益を通じて公正
価値で測定されます。もしくは「有形固定
資産」として、取得原価により計上されま
す。現行の英国会計基準は、公正価値の変
動を認識収益費用計算書に計上することを
要求しています。
 国際財務報告基準4号「保険契約」
(IFRS 4)は適用されず、代わりに新た
な会計基準(財務報告基準103号)を開発
適用日
FRS 102は、2015年1月1日以降開始会計期
間より適用されます。早期適用については、
2012年12月31日以降に終了する会計期間
から認められていますが、会計実務勧告書
(SORP)の適用対象企業には制限がありま
す。
その他の重要な変更点
影響を受ける企業は?
企業グループは、投資ポートフォリオの一
部として所有する子会社の連結を免除され
ます(これらの子会社は売却目的で保有し
ているものと想定されるためです)。ポー
トフォリオ投資は損益を通じて公正価値で
測定さます。これらの子会社は、現行の英
国会計基準では連結されます。
英国会計基準に従って財務報告を行うすべ
ての企業が影響を受けることになります。
なぜなら、すべての企業は、IFRS、FRS
101、FRS 102または適用可能な場合には、
小規模企業向け財務報告基準(FRSSE)のい
ずれを適用するか決定しなければならなく
なるためです。
外貨建売上と仕入を先物取引レートで測定
することはできなくなります。
適用要件を満たす企業は、FRS 101の簡素
化された開示フレームワークを適用するか
否か検討する必要があります。IFRSを適
用している企業グループの子会社で、
IFRSに基づく連結数値と整合させて法定
財務諸表を作成したいものの、開示は簡素
化したいと望んでいる企業にとっては魅力
的かもしれません。こうした企業は、早期
適用によるメリットを得られるかもしれま
せん。
キャッシュフロー計算書は、IFRSと同様
に、現金および現金同等物の変動額を表示
しますが、財務報告基準1号「キャッシュ
フロー計算書」(FRS 1)よりも項目は少な
くなります。適用要件を満たす企業は、キ
ャッシュフロー計算書の作成を免除されま
す。
FRED48からの変更点
公開草案(FRED48)からの重要な変更点は
以下の通りです。
 「金融機関」の定義が拡大
 金融保証契約は引当金として会計処理
 リース契約、もしくはリースを含む契
約か否かを決定するガイダンス
 生物資産に公正価値モデルを使用する
ことは会計方針として選択可能
 サービス委譲契約の委譲者の会計処理
の追加
 採取活動に関して国際財務報告基準6号
「鉱物資源の探査および評価」(IFRS
6)との相互参照
あるいは、企業グループは、企業グループ
とその子会社にFRS 102を適用することを
望むかもしれません。FRS 102もまた、一
定の適用要件を満たした企業に対して簡素
化された開示を認めています。
何をすべきか?
IFRS、FRS 101、FRS 102のいずれを適用
するか決定する際に、経営者はその結果生
じる税金、配当支払能力への影響、データ
およびシステム要件、そして企業構造を検
討する必要があります。
新しい基準についての質問や、より詳しい
情報が必要な場合には、PwCにご連絡下さ
い。
This publication has been prepared for general guidance on matters of interest only, and does not constitute professional advice. It does not take into
account any objectives, financial situation or needs of any recipient; any recipient should not act upon the information contained in this publication
without obtaining independent professional advice. No representation or warranty (express or implied) is given as to the accuracy or completeness of
the information contained in this publication, and, to the extent permitted by law, PricewaterhouseCoopers LLP, its members, employees and agents
do not accept or assume any liability, responsibility or duty of care for any consequences of you or anyone else acting, or refraining to act, in reliance
on the information contained in this publication or for any decision based on it.
© 2013 PricewaterhouseCoopers. All rights reserved. PricewaterhouseCoopers refers to the network of member firms of PricewaterhouseCoopers
International Limited, each of which is a separate and independent legal entity.
Fly UP