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Weekly Outlook
投資情報部
2015 年 4 月 9 日(木)
Weekly Outlook
週刊投資情報
CONTENTS
1. 日本株見通しとポイント~好業績の輸出関連企業に注目 ....................................2
2. 米国株見通しとポイント~決算堅調なら上昇方向 ................................................3
3. 円相場見通しとポイント~QE 格差がドル高円安を依然サポート ..........................4
4. 国内経済動向~景況感は引き続き改善、内閣府は基調判断を上方修正.............6
5. 新興国市場・経済動向 ........................................................................................7
6. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 .......................................................10
7. 今週のストラテジー・セレクション ....................................................................... 11
8. 国内政治・政策動向~官邸は「痛み」を伴う改革を先送りか ...............................12
9. 中国株式~「シルクロード構想の将来ビジョンと行動」発表 ................................15
10. 来週・再来週の主なスケジュール ......................................................................16
1 / 19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
No.200
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
1.日本株見通しとポイント~好業績の輸出関連企業に注目
日本株担当
長谷川 浩
週初、日本株市場は米雇用統計の結果を受けてもたつく場面があったが、連休明けのNY市場が上昇し、ド
ル円は円高への動きが限定的だったこと等を好感して強含みの展開となった。1-3月期の米国景気の減速
は原油安や寒波等による一時的なものとみられる。足元の米国景気に関するネガティブなニュースは今し
ばらく続くとみられるが、先を見据えれば、輸出関連銘柄にも妙味があろう。
 リーマン・ショック後の高値を更新
先週末以降の日本株市場は、3日と週明け6日は東
証1部売買代金が1月26日以来の2兆円割れとなり、値
動きも小幅にとどまった。その理由として、3日は米国の
雇用統計を控えていたこと、また、6日は、3日が米国市
場がイースターで休場だったため、雇用統計の結果に
対する海外投資家の反応を見極めにくかったことがあ
げられる。3月の非農業部門雇用者数は予想を大きく下
回るものだったが、6日の米国市場は利上げ時期の後
ずれ観測から上昇。また、円高への動きも限定的だった
こと等から、7日以降の日経平均は強含みで推移した。
気の先行き判断において家計動向関連が継続して上
昇している一方、企業動向関連は低下に転じている。
特に製造業の悪化が大きいことから、足元の米国景気
の低迷が反映されている可能性がある。しかし、米国の
1-3月の景気低迷は、主に原油安や西海岸港湾の労使
問題、寒波による影響が大きく、これらは時間の経過と
ともに影響が薄れていくとみられることから、4-6月以降、
米国景気は回復に向かうと予想されている。今後の米
国景気に対する認識の変化を先取りする形で、輸出関
連銘柄の中でも好業績の銘柄に注目したい(図表2)。
図表1. 日経平均とドル円の推移(日次)
 円高方向への壁は厚い
3月中旬にかけてドル円が120円台まで円安が進んだ
際は、政府が過度の円安を警戒しているとの観測が取
りざたされることがあった。輸入品の値上がりによる地方
景気への影響を懸念したもので、4月の統一地方選挙
に対する配慮が背景にあったとみられる。そのため、4月
に為替は円安には振れにくく、場合によっては円高へ
の揺り戻しもある、という読みをする投資家も多かった。
そうした中、4月3日に発表された3月の非農業部門雇用
者数は事前予想を大きく下回り、1-3月の米景気の低迷
を示すとともに、FRBによる利上げ時期が遠のくとの観
測を高めるのに充分な結果であった。にもかかわらず、
その直後の円高への動きが限定的だった。ここから考え
られることは2点である。まず1点目は、これだけの条件
がそろっても円高にならないのならば、目先的には円高
にはならないのではないか、と思われる点。2点目は、
1-3月の米景気が弱いことを市場は織り込み済みであり、
今後、景気回復を織り込み始める可能性がある、という
点である。日経平均とドル円の連動性は比較的高い
(図表1)。そのため、雇用統計発表後に円高懸念が薄
らいだことが、日経平均上昇の隠れた理由のひとつであ
ったとも考えられよう。
 米国景気の回復を買う
日銀短観3月調査では、大企業製造業、非製造業と
もに業況判断の「先行き」は「最近」に対して弱めの見通
しとなっている。また、景気ウォッチャー3月調査でも、景
125
120
18,000
115
日経平均(左軸)
110
16,000
105
14,000
100
12,000
95
ドル円(右軸)
90
10,000
13/1/4
13/7/1
85
13/12/24 14/6/24 14/12/17 (年/月/日)
出所: Astra ManagerよりSMBC日興証券作成
図表2. 海外売上高比率の高い好業績銘柄の例
コード
銘柄名
6770
6976
6981
7276
6869
6479
6471
4503
6302
6506
アルプス
太陽誘電
村田製
小糸製
シスメックス
ミネベア
日精工
アステラス
住友重
安川電
業種名
電気機器
電気機器
電気機器
電気機器
電気機器
電気機器
機械
医薬品
機械
電気機器
4/8 終値
(円)
2,955.0
1,791.0
17,340.0
3,615.0
7,210.0
1,861.0
1,813.0
1,976.0
835.0
1,763.0
予想経常増益率(%)
2014年度
94.0
31.2
73.8
25.3
33.2
108.4
31.8
80.4
34.8
21.8
2015年度
19.3
18.8
15.2
11.5
11.1
10.3
9.7
9.1
9.0
7.6
海外売上高
比率(%)
80.7
82.3
90.5
54.9
78.2
81.2
62.2
54.2
51.9
58.7
注:TOPIX採用の3月期決算企業の内、①2013年度の海外売上高比率
が40%以上、②2014年度が前年度比10%以上経常増益予想、2015年
度が増益 予 想 、かつ、2013年 度 実 績ROEが5%以 上(予想 は東 洋 経
済)、③3月末時点の2014年度、2015年度の売上、経常利益予想(予想
はQUICKコンセンサス。各項目につき3社以上のデータがあるもの)が、
2月末と比べて増加、④1日当たり売買代金(5日移動平均)が5億円以
上、の条件を満たす企業の内、2015年度予想経常増益率の高い順に
10社を表示。4月8日時点でのデータを使用。
出所: Astra ManagerよりSMBC日興証券作成
2 / 19
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(円/ドル)
20,000 (円)
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
2.米国株見通しとポイント~決算堅調なら上昇方向
日本株・米国株担当
河田 剛
4月2日以降の米国株は、雇用統計の結果が事前予想を下回ったことから早期利上げ懸念が後退、上昇で
スタートした。その後は金融政策に対する見方が交錯し、上値が重くなった。4-6月期決算の直前予想のハ
ードルが下がっているため、有力企業の決算が予想以上なら、株価は上昇するとみられるが、ドル高の影響
が海外収益等にある場合、上値は限定的となろう。
 先週、今週のレビュー ~前半上昇も上値重い
4月2日の米国株市場は、3月28日終了週の新規失
業保険申請件数が事前予想を下回ったこと、イランと6ヵ
国の核協議が一定の合意に達したと報じられたことなど
から、ダウ工業株指数(NYダウ)は前日比+65ドルとなっ
た。連休明け6日は、3日に発表された雇用統計(非農
業部門雇用者数)が事前予想を大幅に下回ったことか
ら、売りが先行したものの、ニューヨーク連銀ダドリー総
裁の発言がハト派的と受け止められたことなどから、NY
ダウは同+117ドルとなった。7日は、ミネアポリス連銀のコ
チャラコタ総裁が2016年後半の利上げが適切との発言
を行ったことなどから、買いが先行したものの、4-6月期
企業決算に対する警戒感などからNYダウは同▲5ドル
となった。8日は、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)
理事が、雇用市場に依然弛みがあり、利上げプロセス
は慎重に行うべきと発言したことなどから朝方は上昇し
たものの、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が、6月利上
げの可能性も排除しないとコメントしたため、NYダウは
同+27ドルにとどまった。
 3月の雇用統計
日のFOMC(連邦公開市場委員会)の議事録では、数
名が6月の利上げを主張したが、2名が2016年以降の利
上げが適切だとし、他の参加者は2015年後半の利上げ
が適切だとするなど、意見が分かれた。3月雇用統計の
結果もFOMCの大勢を決めるものではなく、今後もFRB
は慎重姿勢を続けるものとみられる。これは株価の下支
え要因となろう。
 当面の見通し~決算堅調なら上昇方向
経済指標では14日発表予定の3月の小売売上高(事
前予想:前月比+1.0%)などが注目される。また1-3月期
決算発表シーズンが本格化する。目先はJPモルガン・
チェース(14日)、シティグループ(16日)などの金融大
手やインテル(14日)などの決算発表が予定されている。
S&P500指数の1株当たり利益(EPS)は前年比▲5.8%と
2009年7-9月期以来の減益となる見込みになっている
(3月27日時点のBloomberg集計)。ただし、2012年4-6
月期、2012年7-9月期、2013年1-3月期も直前予想は減
益だったが、実績は横ばいもしくは増益となった。今回
はハードルが下がっているため、有力企業の決算が予
想以上なら、株価は上昇するとみられるが、ドル高の影
響が海外収益等にある場合、上値は限定的となろう。
3日に発表された3月の雇用統計では、非農業部門
雇用者数が前月比+12.6万人(事前予想:+24.5万人、2
注:事前予想は Bloomberg、2015 年 4 月 9 日 10 時時点のもの
月は+29.5万人→+26.4万人、1月は+23.9万人→+20.1
図表1. 非農業部門雇用者数(前月比)の推移
万人に修正)、民間部門雇用者数が同+12.9万人(事前
(千人)
予想:+23.5万人、2月は+28.8万人→+26.4万人、1月は
600
非農業部門雇用者数
+23.7万人→+20.2万人に修正)と、事前予想を大幅に
(前月比)
下回り、1月、2月分ともに下方修正となった。失業率は2
400
月5.5% →3月5.5%と横ばいで、事前予想(5.5%)通り
の結果となった。労働参加率が2月62.8%→3月62.7%と
200
低下している中での横ばいのため、内容的には低調だ
ったと考えられる。FRBが重視する全人口に占める雇用
0
者数比率は2月59.3%→3月59.3%と横ばいだった。また、
27週以上の長期失業者は減少したが、経済的理由で
-200
3ヵ月平均
のパートタイマーは増加した。しかし、時間当たり賃金は
前月比+0.3%と事前予想(同+0.2%)を上回り、堅調な
-400
伸びとなった。ヘッドラインの非農業部門雇用者数は急
10/5 10/11 11/5 11/11 12/5 12/11 13/5 13/11 14/5 14/11
(年/月)
減速したものの、実質的には雇用市場の改善基調は維
出所: DatastreamよりSMBC日興証券作成
持されていると考えられる。8日に公表された3月17~18
3 / 19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
3.円相場見通しとポイント~QE格差がドル高円安を依然サポート
欧米・為替担当
本間 英至
米雇用統計は予想外の大幅下振れとなったが、一時的な特殊要因の影響であり、米景気の変調を示唆す
るものではないと判断される。ドル円は下値は堅いものの上値も重く、膠着感を抜け出すには米景気の先行
き不安の後退が求められよう。来週にかけては小売売上高など経済指標の発表が多く予定されており、ド
ル円は米景気の状況を確認しながら徐々に上値余地を模索する展開が予想される。
 この1週間(4/2~)のレビュー
ドル円は2日に119円台後半でスタート後、3日に米雇
用統計が大きく下振れしたのを機にドルが売られ、一時
118.72円まで下落した。しかし、週明け後はドルジリ高の
展開。内外株の堅調推移等を背景に徐々に水準を切り
上げ、7日には120.45円まで上昇した。豪ドルは、6日に
かけて概ね90円台後半で小動きとなったが、7日に豪中
銀が政策金利の据え置きを発表すると大きく上昇し、足
元92円台後半で推移している。一方、ユーロは米雇用
統計の結果を受けたドル売りユーロ買いの流れから対
円でも上昇し、6日には131円台を回復した。ただ、その
後は上値の重さから売りが優勢となり、現在129円台後
半で推移している。(東京時間4/9正午時点)
全てが「即」クリアという訳にはいかないものの、寒波要
因は季節が過ぎれば剥落し、労使紛争の影響も正常化
には時間を要するものの労使交渉は既に妥結済み。原
油安についても、原油価格は足元で上昇に転じており、
米国での稼働リグ数の減少ペースも最悪期を脱した可
能性が窺える。これらから、今回の雇用下振れは一時
的と推測され、米経済活動の正常化と共に雇用は順調
な拡大を今後も続けるものとみている。
QE格差はドル高円安を依然サポート
ドル円は一旦売られたものの、週明けには雇用統計
発表前の水準を取り戻し、7日には120円台半ば近くま
 ドル円の見通しと来週にかけての注目材料
図表1.米・非農業部門雇用者数の推移(前月比)
500
(千人)
3月の米雇用者数は大きく下振れたが
前月比+20万人のライン
ドル円は足元120円台前半で推移しているが、前週
末には米3月雇用統計の結果を受けて一時118円台後
半へと急落する場面があった。その雇用統計に関して
だが、非農業部門雇用者数は前月比+12.6万人と市場
予想(+24.5万人、Bloomberg調査)を大幅に下回る期
待外れの結果となった(図表1)。順調な雇用拡大ペー
スの目安とされる月当たり+20万人を13ヵ月ぶりに大きく
割り込んだことで、米景気の先行き不安や利上げ後ず
れ観測が浮上。米金融市場が祝日で取引が薄いことも
加わり、米ドルは同統計発表前の水準から短時間で1
円程度下落した。
非農業部門雇用者数
400
3ヵ月平均
300
200
100
0
11/1
11/7
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
(年/月)
出所: 米労働省よりSMBC日興証券作成
図表2.ドル円と日米中銀の総資産比率の推移
(円/ドル)
ただ、内容をみると悪化一辺倒ではなく、注目度の高
い時間当たり賃金が前月比+0.3%と前月(+0.1%)から
加速した他、失業者全体に占める27週以上の長期失
業者の比率は2009年6月以来初めて30%を割り込むな
ど、雇用市場の改善を示すものも確認できる。また、大
幅下振れとなった既述の雇用者数は元々上下に振れ
が大きく、ある程度均してみる必要がある。そこで、基調
をみるべく3ヵ月平均すると、3月は前月比+19.7万人。
良好な雇用拡大ペースを維持していると判断できる増
加幅といえよう。また、3月単月に関しても、寒波の影響
や米西海岸港湾の労使紛争の影響、原油安の影響等、
一時的な特殊要因が重なってしまった結果とみられる。
4 / 19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
15/1
140
130
(倍)
1.8
※日米の中銀の総資産を2012年初=100として指数化し、日÷米で算出。
※2015年末に想定される日米の中銀の総資産から算出。
・日本:マネタリーベース増加分を反映、
・米国:量的緩和実施前の平時における微増ペースに戻ると想定
1.7
1.6
120
1.5
110
1.4
日米の中銀の総資産比率※(右軸)
100
1.3
1.2
90
(推計)
1.1
80
1.0
70
0.9
ドル円(月末値、左軸)
60
0.8
09
10
11
12
13
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
14
15
(年)
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
で買われている。既述したような雇用下振れは一時的と
の判断が働いたものとみられるが、もう一段のドル下押
しがあっても不思議ではない下振れだったのは確かで
ある。利上げ後ずれ観測が浮上する中でも、米国は主
要先進国の中で最もタカ派的との見方がドルをサポート
していることに加えて、日米のQE(量的緩和)格差につ
いても紹介したい。昨年10月、米FRB(連邦準備制度理
事会)がQEを終了した一方、日銀は異次元緩和の拡大
を決定。その後の大幅ドル高円安をもたらしたわけだが、
これらの政策決定から既に半年以上も経過。ドル円は
既にQE格差を消化済みであり、日銀による一段の異次
元緩和拡大がない限りQE効果は最早限定的との声も
聞こえる。しかし、図表2で示した通り、ドル円は日米の
中銀の総資産比率と連動して動いており、日米のQE格
差は依然としてドル高円安を支援している様子が確認
できよう。ドル円の基調は変わっておらず、ドルが下振
れする場面があれば引き続き押し目買いスタンスが有
効との見方を継続する。
経済指標で米景気の回復度合いを確認へ
米ドルの下値は確かに堅いが、一方で上値が重い状
況が続いているのも事実である。相次ぐ期待外れの経
済指標結果を受けて米景気の先行き不安が燻っている
ことが背景にあるとみられ、ドル円は米景気の状況を経
済指標で一つ一つ点検しながらの値動きが当面予想さ
れる。来週に入ると、地区連銀の製造業景況指数をは
じめ注目度の高い経済指標の発表が続く。特に3月小
売売上高(4/14)については、雇用所得環境や家計心
理が基調として良好にもかかわらず、2月まで3ヵ月連続
で減少してきた。個人消費は米経済の約7割を占め、米
景気の好調推移には堅調な個人消費が欠かせないた
め要注目である。金融政策面では、FRB関係者の講演
が多く予定されている他、15日にはベージュブック(地
区連銀経済報告)が公表される。また、昨日(4/8)のア
ルコアを皮切りに、米企業の1-3月期の決算発表が本格
化する。来週にかけては、JPモルガンやシティといった
金融セクターの他、GEやインテル等も決算発表を予定
している。S&P500ベースの1株当たり利益は5年半ぶり
の前年割れが予想されている中、米株はバリュエーショ
ン面で割高感も窺え、決算結果次第では米株が調整
色を強めるリスクもあり注意しておきたい。
 米ドル以外の来週にかけての注目材料
ユーロは、対円で130円を挟んでのボックス推移が続
いているが、対米ドルでは3月後半以降、1.10ドル/ユー
ロ超えを何度も試したものの明確に上抜けできず、上値
の重さが印象付けられる値動きとなっている。ユーロ圏
の企業景況感を表すマークイットPMI総合指数が3月に
11ヵ月ぶりの水準まで上昇するなど、ユーロ圏の景気は
足元で持ち直し傾向を強めている様子が窺える。しかし、
ドラギECB(欧州中央銀行)総裁は、同地域の消費者物
価 指 数 が足 もと前 年 水 準 を割 り込 む等 インフレ目 標
(+2%弱)から大幅に下方かい離していることを重視。3
月に開始した国債購入を含めたQEを今後も計画通り進
めていく意向を示しており、ECBの総資産は今後も拡大
傾向を辿る見込みである。また、こうしたQE効果もあっ
て欧州の10年国債利回りは軒並み最低利回り水準にあ
り、ドイツでは7年物までのマイナス金利が定着の様相を
強めている。ユーロは、QE効果に加えて金利面からも
上値を追うのは時期尚早と推測され、対円でも当面は
戻り売り姿勢で臨みたい。来週にかけては、15日にECB
理事会の開催が予定されている。
なお、ギリシャの動向に関してだが、IMF(国際通貨
基金)やEU(欧州連合)など国際債権団との協議は依
然難航している模様であり、同国の3年国債利回りは
20%台での高止まりが続いている。本日(4/9)に期限を
迎えるIMFへの約4.5億ユーロの返済は問題なく実施さ
れる見込みだが、これを乗り越えても断続的に資金返
済期限が控えており、ギリシャは資金枯渇寸前での綱
渡り状態が続こう。金融支援を得る為には4月末までに
財政改革の詳細について国際債権団との合意が必要
であり、同国を巡る関係者の発言には留意しておきた
い。
豪ドルについては大幅反発となった。7日に開催され
た金融政策決定会合で政策金利(2.25%)が据え置か
れたが、事前予想では据え置きと利下げ実施の見方で
大きく割れていたため、利下げを見込んだ向きの買い
戻しが発生。また、豪ドルは3月24日以降、対円で10営
業日続落(NY引け値ベース)しており、その反動が上昇
幅の拡大をもたらす格好となっている。ただ、会合後の
声明でスティーブンス同国中銀総裁は「一段の緩和が
適切となる可能性がある」と指摘。一段の利下げに含み
を残す形となっている。追加利下げは市場でも既に織り
込み済みであり、今後実際に利下げが行われても豪ド
ル大幅安は回避される見込みだ。一方で、中銀の緩和
姿勢が続く中では上値も追い難く、当面はレンジ内での
推移が続くものと予想される。来週にかけての注目材料
として、16日に3月雇用関連統計が発表される他、中国
で10日以降、消費者物価、小売売上高などの主要月
次指標(いずれも3月分)や、1-3月の実質GDP(4/15)が
発表予定となっている。
5 / 19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
4.国内経済動向~景況感は引き続き改善、内閣府は基調判断を上方修正
日本経済・金利担当
野村 真司
3月の景気ウォッチャーでは現状、先行き判断DI共に改善。特に現状判断DIは52.2と、4ヵ月連続の上昇で
消費増税が実施された昨年4月以降では最高となった。背景として株高、大手企業の賃金増に伴う消費マイ
ンド改善、訪日外国人の増加に伴う売上等が挙げられる。ガソリン価格低下、円安一服も景況感に改善に
つながった。今後はベアを含む賃上げの動きが大手企業から中小企業にも広がるか否かが注目されよう。
 3月景気ウォッチャー調査:現状、先行き共に改善
3月の景気ウォッチャー調査(調査期間3月25~31日)では、
足元の景況感を示す現状判断DIが前月比+2.1ポイントの
52.2となり4ヵ月連続の上昇、横ばいを示す50を2ヵ月連続で
上回った。DIは消費増税が実施された昨年4月以降では最
高を記録。家計関連では、飲食関連、サービス関連中心に
上昇(2ヵ月連続)、DIでも50.9と昨年4月以降では初の50超を
記録。背景として株高、大手企業の賃金増に伴う消費マイン
ド改善、中国、韓国、東南アジア等からの訪日外国人の増加
に伴う売上増等が挙げられる。企業関連では非製造業中心
に上昇(4ヵ月連続)、ガソリン価格の低下や、円安一服が景
況感改善につながっている。雇用関連では求人の増加がみ
られたこと等から上昇(4ヵ月連続)。判断理由として、「これま
で人材募集を出していなかった企業の求人情報を見かける
ことが増えている(四国=人材派遣会社)」との回答があっ
た。
2~3ヵ月先の景気に対する先行き判断DIは、前月比+0.2ポ
イントの53.4となり4ヵ月連続の上昇で、節目の50超えは2ヵ月
連続となる。物価上昇への懸念等が引き続きみられるものの、
賃上げや訪日外国人の観光需要への期待等から家計関連、
雇用関連で上昇した。先行きも円安のデメリットよりもメリット
(訪日外国人観光客の増加〈インバウンド消費への期待〉、製
造業の生産拠点の国内回帰の動き等)や、昨年に続く賃金
のベースアップ(ベア)への期待等が上回っている。特にベ
アの動きが大手企業から中小企業へと広がりを見せるか否
かが一段の景況感改善のカギを握ろう。地域別では、北海
道、沖縄の改善が目立った。内閣府は基調判断を「緩やかな
回復基調が続いている」とし、2ヵ月連続で上方修正。2月に
記述していた「一部に弱さが残るものの」との表現を削除して
いる。
らんだ反動の影響もあった。内閣府は、一致CIの前月差は
一時的な要因に左右され、安定しないため3ヵ月後方移動平
均等の前月差を中心に基調を判断している。2月の一致指数
の3ヵ月後方移動平均は111.6となり、前月差では6ヵ月連続の
プラスとなった。内閣府は一致指数の動きから機械的に求め
る景気の基調判断を「改善を示している」で据え置いている。
図表1. 景気ウォッチャーと消費者態度指数の推移
(DI)
60
55
50
45
40
35
30
25
景気ウォッチャー調査:先行き判断DI
消費者態度指数(訪問留置法による)
15
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
出所: 内閣府「景気ウォッチャー調査」、
「消費動向調査」よりSMBC日興証券作成
図表2. 景気動向指数の推移
120
(2010年=100)
量
的
緩
和
①
東
日
本
大
震
災
115
110
105
100
95
衆
院
解
散
90
85
量
的
緩
和
②
⇒
75
消
費
税
引
き
上
げ
(
五
先行CI
先行・3ヵ月後方移動平均
一致CI
一致・3ヵ月後方移動平均
リ
ー
マ
ン
・
シ
ョ
ッ
ク
80
2月の景気動向指数(速報、CI)は、一致指数が前月差▲
2.8ポイントの110.5と、3ヵ月ぶりに悪化した。悪化幅は消費増
税が実施された昨年4月(同▲3.3ポイント)以来の大きさ。一
致指数を構成する11指標のうち8指標が悪化している。工場
の生産等に使われるボイラー、タービン等の資本財、橋梁等
の建設財、自動車等の耐久消費財の出荷が低迷。また、ス
マホのアジア向けの部品出荷が春節(旧正月)前の1月に膨
消費者態度指数(郵送法による)
(シャドウ部分は景気後退期)
10
 2月景気動向指数:内閣府は基調判断を据え置き
八
%
)
(シャドウ部分は景気後退期)
70
2007
2008
2009
2010
2011
2012
出所: 内閣府「景気動向指数」よりSMBC日興証券作成
6 / 19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
景気ウォッチャー調査:現状判断DI
20
2013
2014
2015
(年)
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
5.新興国市場・経済動向
新興国担当 山本 正樹 白岩 千幸 武田 泰典 前田 佑太
足元の新興国株式市場は、米雇用統計発表後の米利上げ後ずれ観測などから総じて堅調となった。為替
市場では、円安新興国通貨高の典型的なリスク選好パターンとなった。来週にかけても比較的リスク選好的
な地合いが継続しやすいとみている。新興国では来週にかけて、中国で重要な経済指標の発表が相次ぐ他、
インドでも鉱工業生産等の指標に注目したい。ブラジルでは引き続き政局の動向に市場の注目が集まろう。
 最近の新興国市場の動向
足元の新興国株式市場は、3月米雇用統計(3日発
表)を受けた米国の利上げ後ずれ観測の高まりなどを
背景に、総じて上昇した。直近1週間の株価指数騰落
率(図表1、8日時点)では、中国株(上海:+4.8%、香
港:+4.6%)やブラジル株(+2.6%)等が堅調となっている。
追加金融緩和やシルクロード構想への期待等を背景に
中国株式市場への資金流入が続いており、上海総合
指数は、一時2008年3月以来となる4,000を突破した。ブ
ラジルでは、国営石油会社ペトロブラスの監査済み決
算(2014年7-9月期および10-12月期)が月内に発表さ
れる見通しとなったことが好感された。同決算は、大規
模な汚職疑惑の発覚等により、発表が延期されていた。
為替市場では、米国の利上げ後ずれ観測の高まりを
背景に円安新興国通貨高という典型的なリスク選好の
パターンとなった。直近1週間の通貨騰落率(図表1、8
日時点)をみると、ロシアルーブル(+7.5%)やブラジルレ
アル(+4.0%)が大幅高。ロシアルーブルは、原油価格
の底打ちやウクライナ情勢の緊張緩和を背景に、2月以
降反発の動きが顕著となっている。直近では10-12月実
質GDP成長率(1日)が市場予想を上回ったことなども
好材料となった。ブラジルレアルは、8日の政府と与党
幹部との交渉で、一部財政再建策について合意に至っ
たことが好感され大幅高となった(後述)。(前田、武田)
図表1. 主な新興国市場の動向
直近値
騰 落 率 (% )
4月 8日
2015年 初 来 2014年 年 間 過 去 1週 間 過 去 30日 間 過 去 90日 間 過 去 1年 間
株価指数
中国
インド
韓 国
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ロシア
トルコ
南アフリカ
ブラジル
メキシコ
為替
上海総合指数
香港ハンセン指数
SENSEX30種指数
韓国総合指数
ジャカルタ総合指数
SET指数
FBM KLCI総合指数
フィリピン総合指数
MICEX指数
イスタンブール100種指数
JSE全株指数
ボベスパ指数
ボルサ指数
3,994.81
26,236.86
28,707.75
2,059.26
5,486.58
1,544.86
1,850.31
8,052.69
1,683.63
82,799.38
52,806.00
53,661.11
44,980.56
23.5
11.1
4.4
7.5
5.0
3.2
5.1
11.4
20.6
▲3.4
6.1
7.3
4.3
52.9
1.3
29.9
▲4.8
22.3
15.3
▲5.7
22.8
▲7.1
26.4
7.6
▲2.9
1.0
4.8
4.6
1.6
1.5
0.4
1.3
1.3
0.7
1.3
2.0
1.0
2.6
1.8
21.0
8.8
▲0.5
3.3
0.8
▲1.0
3.3
3.0
▲2.6
2.7
0.4
9.1
4.0
21.3
10.1
5.3
8.1
5.3
1.5
7.1
9.3
8.8
▲5.6
6.5
7.4
6.1
90.4
16.1
28.5
3.3
11.5
12.0
▲0.1
22.2
24.5
12.0
9.9
3.9
10.0
0.4
1.8
0.5
▲4.0
1.4
▲3.4
0.9
8.4
▲9.9
▲1.8
▲12.6
▲0.7
10.9
11.4
9.4
11.7
13.0
6.5
12.8
▲35.6
4.6
3.2
1.0
0.5
0.2
0.3
0.8
1.0
0.1
1.6
0.0
7.5
0.3
1.8
4.0
1.9
0.1
▲0.3
1.1
▲0.1
▲0.7
0.6
▲1.3
11.2
▲0.8
1.5
1.4
2.9
0.6
1.1
0.6
▲1.8
1.4
▲1.6
1.5
11.9
▲11.2
▲1.5
▲12.4
▲1.3
17.9
13.9
13.3
2.8
16.9
4.3
17.9
▲21.7
▲4.8
4.5
▲14.9
3.3
※プラスは外貨高・円安、マイナスは外貨安・円高
中 国
インド
韓 国
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ロシア
トルコ
南ア
ブラジル
メキシコ
円/人民元
円/インドルピー
円/韓国ウォン(x100)
円/ルピア(x100)
円/バーツ
円/リンギ
円/フィリピンペソ
円/ルーブル
円/トルコリラ
円/ランド
円/レアル
円/メキシコペソ
19.36
1.93
10.99
0.92
3.68
33.02
2.69
2.23
46.20
10.16
39.36
8.05
注: 「直近値」については、当該日付が休場となっている場合は、その前営業日の値を掲載
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
7 / 19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 4 月 9 日(木)
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Weekly Outlook No.200
 新興国市場関連トピック
インド~政策金利据え置きもハト派スタンスが明瞭に
インド準備銀行(RBI)は7日、政策金利を据え置くこ
とを決定した(主要な政策金利であるレポレートは
7.50%)。RBIは、2013年9月から14年1月にかけて3回、
合計0.75%ポイントの利上げを実施した後は据え置きを
続けていたが、今年1月と3月に相次いで利下げに踏み
切っていた。今回は、前回利下げから約1ヵ月しか経過
していないこともあり、市場予想は現状維持がコンセン
サスとなっていた。
品・飲料」は+14.12%(2月:+13.70%)と、予想外に加速
し、インフレ率上昇の主因となった。他方、コアCPI(食
品、飲料、エネルギー、タバコ、金を除く)は+7.10%と、2
月の+7.73%および市場予想の+7.20%をともに下回った。
低調な景気などを背景に、インフレの基調は鈍化傾向
が続いている。
トルコ中銀はインフレターゲット(+5%±2%)としてコア
CPIではなく総合CPIを採用しているため、今回の結果
を受けて22日の金融政策決定会合で政策金利が据え
置かれるとみる向きもある。もっとも、総合CPIインフレ率
声明文では、インフレ見通し(消費者物価指数の前 の上昇は前述の通り食品価格が主因であり、一時的な
年比)について具体的な経路を示しつつ、ターゲット ものとみられる。また、弱い国内景気および6月7日に控
(2016年1月:+6%)の達成に自信を示した。具体的には、 える総選挙に加え、足元で米国の利上げ後ずれ観測が
4-6月に現行と同水準(+5%台)で推移した後、8月まで 高まっていることなどを考慮すると、0.25%pt程度の小幅
に+4%前後まで鈍化、年末までに+5.8%まで再び上昇 な追加利下げが決定される可能性は高まりつつあると
するとしている。国内の天候要因による食品価格の上昇 考えている。(前田)
など複数の物価上振れリスク要因を指摘しつつも、世界
図表3. トルコの消費者物価指数
的なディスインフレ傾向に起因する下振れリスク要因に
(前年比、%)
12
より相殺されるとの見方を示した。今後の金融政策につ
11
CPI
コアCPI
10
いては、「データ次第」であるとしつつも、緩和スタンスが
9
維持されるだろうとして、前回に比べるとハト派トーンが
8
目立っている。インド通貨ルピーは、米国の金融政策を
7
6
巡るドル高新興国安局面でも底堅く推移していることも
5
あり、年内に小幅な追加利下げが決定される可能性は
インフレターゲット
4
(+5%±2%)
あろう。(山本)
3
2
図表2. インドの政策金利
11
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
(%)
15/1
(年/月)
出所: CEIC、トルコ統計機構よりSMBC日興証券作成
10
9
ブラジル~レアルが約1ヵ月ぶりの高値
MSFレート
8
レポレート
7
リバース
レポレート
6
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
(年/月)
レアルは3月19日に2003年4月以来の安値となる1ド
ル=3.291レアルをつけた後、財政再建が進展するとの
期待感などを背景に反発している。8日には3.049レアル
と、3月5日以来約1ヵ月ぶりの高値をつけた(数値は全
て終値ベース)。
ルセフ大統領は1日のインタビューで、「財政目標の
達成に向けて、大幅な歳出削減を含むあらゆる手段を
検討する」と発言するなど、支持率の低下や議会の反
トルコ~3月CPIは市場予想に反し伸びが加速
発にもかかわらず、財政再建に対して繰り返し強い意欲
3日に発表されたトルコの3月消費者物価指数(CPI) を示している。更に、7日には選定が難航していた大統
は前年比+7.61%と、2月の+7.55%から伸びが加速した。 領府政局調整長官(議会との交渉役)にテメル副大統
市場予想(Bloomberg)は+7.20%と、鈍化が見込まれて 領が就任することが決定。テメル副大統領は財政再建
い た 。 項 目 別 で み る と 、 「 運 輸 」 が ▲ 1.47% ( 2 月 : ▲ 策を巡って政府と対立している連立与党・ブラジル民主
1.49%)となるなど、原油安による物価下押し圧力が継 運動党所属の議員で、カリェイロス上院議長など同党幹
続。一方、悪天候の影響が一服するとみられていた「食 部とのパイプを持つとされている。副大統領は8日、与
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
8 / 19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
党幹部議員と会合を開き、失業保険や遺族年金の給
付要件厳格化および増税案の一部について合意した。
これらは昨年12月末から今年1月にかけて議会に提出
され、採決が先送りされていた。今回の合意により、議
会に提出された一連の財政再建策がすべて成立する
可能性が高まった。これら法案成立の可否を勘案して
規模を調整するとしていた今年度予算の歳出削減策に
ついても、提出される見通しとなった。最近は議会側
(与党幹部議員)が財政再建策について妥協する姿勢
を見せ始めており、今年度予算の歳出削減策について
も同様に議会からの合意が得られれば、レアルは一段
と上値を切り上げるとみている。(武田)
図表4. ブラジルレアル相場
52
(レアル/ドル)
(円/レアル)
50
レアル・円
(左軸)
48
46
42
40
レ
ア
ル
高
この他、インドでは、2月鉱工業生産、3月消費者物価
指数(13日)、3月卸売物価指数(15日)の発表が予定さ
れている。生産の持ち直し傾向が一段と鮮明になれば、
市場でもポジティブに受け止められよう。インドネシアで
は、金融政策決定(14日)が予定されているが、今回も3
月に続いて政策金利は据え置かれる可能性が高いとみ
られ、市場への影響は限定となろう。ブラジルでは、2月
小売売上高指数(14日)、2月経済活動指数(15日)の
発表が予定されているが、経済指標よりも前述したよう
な政局の動向に市場の注目が集まろう。(山本)
2.1
2.3
2.7
2.9
38
36
米ドル・レアル
(右、逆軸)
新興国のスケジュールでは、中国で3月新規銀行融
資 、消 費 者 物 価 指 数 (10 日 ) を皮 切 りに、1-3 月 実 質
GDP(15日)など経済指標が相次いで発表される。中国
株式市場では、景気の持ち直しを示す経済指標に対し
ては素直に好感するとみられる一方、経済指標が弱い
結果となった場合も、追加金融緩和や景気対策への思
惑から、上昇トレンドが崩れる可能性は低いとみている。
1.9
2.5
44
これから来週にかけてのスケジュールでは、米国で個
人消費や住宅関連等の経済指標の発表などが相次ぐ
他、米主要企業の1-3月期決算発表も本格化する。米
国の経済指標や決算の下振れがリスクオフにつながり、
新興国市場にも影響を及ぼす可能性はあろうが、利上
げ後ずれ観測が下支え要因となり、大きな波乱にはつ
ならないとみている。
3.1
34
3.3
13/1 13/4 13/7 13/10 14/1 14/4 14/7 14/10 15/1 15/4(年/月)
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
 来週にかけてのスケジュールと見通し
注目の米雇用統計(3日発表)では、予想下振れ→
米株安→グローバルなリスクオフ商状(株安、円高新興
国通貨安等)といった展開に警戒が必要とみていたが、
実際には雇用統計下振れにもかかわらず、逆にリスク選
好的な動きとなった。雇用統計発表後の米株市場の反
応がリスクオフの起点になる可能性を想定していたが、
実際は雇用統計当日が休場であったことも幸いしたとい
えよう。3月に入って以降、2月雇用統計(3月発表)を起
点に、FOMC(連邦公開市場委員会)、3月雇用統計(4
月発表)と続いた一連のイベントを通じて、米国の金融
政策が大きな焦点となった。現時点では、6月利上げの
可能性は後退する一方で、米国経済は景気腰折れを
懸念するほど悪くもないというのが、大方のコンセンサス
といってよいだろう。いわば、熱すぎず冷たすぎずという、
市場にとっては心地良い結果でのイベント通過となった
ことにより、来週にかけても比較的リスク選好的な地合い
が継続しやすいとみている。
9 / 19
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Weekly Outlook No.200
6.主な国内株価指数とテクニカル指標の推移
日本株担当
横山 敦史
日経平均株価は短期の調整を経て再び上昇基調を取り戻しつつある。テクニカル的な過熱感もほとんどなく、
8日には約15年ぶりの高値を更新した。一方で、国内の長期金利が1月末以降ボックス圏で推移しているこ
となどから、東証REIT指数はほぼ横ばい。米国の利上げ時期に対する思惑などから国内金利が左右され
る場面も想定されるものの、良好なオフィス市況などを背景に底堅い推移が続こう。
図表1. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移
【国内主要株価指数】
140
2,100
(150日前を100として指数化)
130
2,000
120
1,900
110
1,800
100
1,700
90
1,600
80
1,500
【東証REIT指数と日本10年物国債利回り】
(pt)
(%)
0.8
0.7
日本10年物国債利回り(右軸)
0.6
0.5
0.4
日経平均
日経JASDAQ指数
70
8/27
9/26
(円)
1/24
2/23
2015年
【日経平均と25日移動平均・乖離率】
3/25
0.1
(%)
20
0
8/27
(月/日)
日経平均株価
(左軸)
18,000
0.2
東証REIT指数(左軸)
1,400
10/26 11/25 12/25
2014年
20,000
東証マザーズ指数
0.3
9/26 10/26 11/25 12/25 1/24
2014年
20,000
(円)
2/23
3/25
(月/日)
2015年
【日経平均と100日移動平均・乖離率】
(%)
15
18,000
日経平均株価(左軸)
15
10
16,000
20
100日移動平均(左軸)
10
16,000
25日移動平均
(左軸)
5
14,000
5
14,000
0
12,000
-5
25日移動平均乖離率
(右軸)
10,000
8/27
9/26 10/26 11/25 12/25 1/24
2014年
(円)
0
12,000
-10 10,000
2/23
2015年
3/25
-10
8/27
(月/日)
(円)
300 20,000
日経平均株価(左軸)
東証一部25日騰落レシオ(右軸)
17,000
15,000
120%ライン
14,000
100
13,000
12,000
50
8/27
2014年
9/26 10/26 11/25 12/25 1/24
2015年
18,000
2/23
3/25
(月/日)
【日経平均 ストキャスティクス(9日)】
300
250
200
150
(%)
80%ライン
100
14,000
50
13,000
70%ライン
3/25
2015年
200 17,000
(%)
16,000
150 15,000
16,000
2/23
日経平均株価(左軸)
%D(右軸)
Slow %D(右軸)
19,000
250
18,000
9/26 10/26 11/25 12/25 1/24
2014年
【日経平均と東証一部25日騰落レシオ】
20,000
19,000
-5
100日移動平均乖離率(右軸)
20%ライン
12,000
(月/日)
0
8/27
2014年
9/26 10/26 11/25 12/25 1/24
2015年
2/23
3/25
(月/日)
注: データは2015年4月8日まで。
出所: 各図表ともAstra ManagerよりSMBC日興証券作成
テクニカル指標の見方
 騰落レシオ(25 日):過去 25 日間の値下がり銘柄数に対する値上がり銘柄数の割合。一般的に、120%以上で買わ
れ過ぎを、70%以下で売られ過ぎを表す。
 ストキャスティクス(9 日):直近の終値が過去のレンジで相対的にどのレベルに位置するのかを見るための指標。
%D=(直近終値と直近 9 日間の安値の乖離の 3 日移動平均)÷(直近 9 日間の高値と安値の乖離の 3 日移動平均)
Slow%D は%D の 3 日移動平均。一般的に%D が 80%以上で買われ過ぎ、20%以下で売られ過ぎを表す。
10 / 19
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2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
7.今週のストラテジー・セレクション
日本株担当
太田 千尋 松永 良輔
日興ストラテジー・セレクションのなかから、株価トレンド面を踏まえて以下の銘柄を紹介する。それぞれのポ
イントは下記の通り。内需系銘柄を中心に堅調な株価推移のものが多くみられ、注目される。
◎三越伊勢丹ホールディングス(3099) 売買単位:100 株
【会社概要と株価状況】
国内最大の百貨店グループ。2008
年 4 月に三越と伊勢丹が統合。
週次移動平均線状況
4/9 現在
2,236.0 円
株価
13週線
1,837 円 乖離率
21.69%
26週線
1,667 円 乖離率
34.10%
【注目ポイント】
3 月の首都圏三越伊勢丹売上高は前
年同月比▲14%と、前年の消費増税
前駆け込みの反動がみられたが、
前々年同月比では+7%と堅調。賃上
げや来日観光客増を背景とした消費
活発化を期待する株価推移が続こう。
◎富士フイルムホールディングス(4901) 売買単位:100 株
【会社概要と株価状況】
写真フィルムから医療、液晶材料等
に転換。傘下に富士ゼロックス。
週次移動平均線状況
4/9 現在
4,630.0 円
株価
13週線
4,097 円 乖離率
13.00%
26週線
3,926 円 乖離率
17.92%
【注目ポイント】
3 月末に iPS 細胞開発・製造のリーデ
ィングカンパニーである米セルラー・ダ
イナミクス・インターナショナル社(CDI)
買収を発表。京大 iPS 細胞研究所山
中教授も CDI と連携意向との報道もあ
り臨床応用への期待が高まろう。
【株価チャート(週次)】
2,500
(円)
2,000
13週線
26週線
1,500
1,000
13/4
週次移動平均線状況
4/9 現在
4,740.0 円
株価
13週線
4,192 円 乖離率
13.06%
26週線
4,134 円 乖離率
14.65%
週次移動平均線状況
4/9 現在
799.5 円
株価
13週線
732 円 乖離率
9.18%
26週線
683 円 乖離率
17.12%
週次移動平均線状況
4/9 現在
5,520.0 円
株価
13週線
4,877 円 乖離率
13.20%
26週線
4,599 円 乖離率
20.04%
【注目ポイント】
3 月 18 日発表の公示地価で、三大都
市圏商業地は前年比+1.8%と前年の
+1.6%から上昇率が拡大し、収益環境
は良好。株価は昨年 6 月と 11 月の戻
り高値となった 4,600 円処を上抜き、
新上昇局面に入った可能性あり。
4,000
3,000
2,000
13週線
26週線
1,000
13/4
13/10
14/4
14/10
(年/月)
5,500
(円)
5,000
4,500
4,000
3,500
13週線
26週線
3,000
13/4
13/10
14/4
14/10 (年/月)
【株価チャート(週次)】
【注目ポイント】
来春の電力小売り全面自由化を睨
み、3 月 27 日には出光興産、九州電
力と東京湾岸で石炭火力発電所の共
同開発検討で合意。積極的な株主還
元に伴う自社株買いもあって、株価は
順調な上昇トレンドが継続中。
900
(円)
800
700
600
500
13週線
26週線
400
13/4
13/10
14/4
(年/月)
14/10
【株価チャート(週次)】
6,000
【注目ポイント】
4 月 1 日発表の日銀短観では、情報
サービス産業の“製商品・サービス需
給 DI”及び“雇用人員 DI”は、需要超
過&人員不足を示した。システムエン
ジニアの稼働向上で、IT サービス企
業の収益性は改善傾向を辿ろう。
(円)
5,500
5,000
4,500
4,000
3,500
3,000
13/4
13週線
26週線
13/10
注: 中期的な株価トレンドが良好な銘柄を紹介。各種テクニカル指標をベースに判断。
出所: 株式調査部アナリストレポート、東洋経済会社四季報最新銘柄レポート、Astra Manager等よりSMBC日興証券作成
11 / 19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
(年/月)
【株価チャート(週次)】
◎NTT データ(9613) 売買単位:100 株
【会社概要と株価状況】
SI 専業国内最大手。官公庁、金融
機関向け大型システムに強み。
14/10
(円)
◎東京ガス(9531) 売買単位:1,000 株
【会社概要と株価状況】
都市ガス最大手。規制緩和で電力
事業に進出。海外ガス田開発も。
14/4
【株価チャート(週次)】
5,000
◎住友不動産(8830) 売買単位:1,000 株
【会社概要と株価状況】
総合不動産大手。都心オフィスビル
賃貸主力。住宅リフォームも。
13/10
14/4
14/10
(年/月)
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
8.国内政治・政策動向~官邸は「痛み」を伴う改革を先送りか
日本政治・政策担当
司 淳
企業や家計の1年後の物価見通しは変わっていないが、昨年の追加金融緩和がなければ下振れていた可
能性がある。4月末にも追加緩和との見方が市場の一部に台頭しているが、安倍総理と黒田総裁との間に
は微妙な空気の変化が目につくようになった。黒田総裁がオフレコで財政リスクの危機感を訴えたが、安倍
総理は経済成長頼みで、「痛み」を伴う改革を先送りする方向に進みつつある。
 QEⅡなければ落ち込んでいたかもしれない物価
見通し
最近公表された統計から、企業も家計も1年後の物
価上昇の見通しを変えていないことがわかった。企業に
ついては、日銀「短観」の「企業の物価見通し」であり、
家計については、「生活意識に関するアンケート調査」
(第61回)である。いずれも3月調査で、発表元も同じ日
銀、発表日も同じ4月2日だった。デフレマインド払拭を
狙う日銀にとっては、いくつかある重要な参考指標に含
まれる2指標であり、現状の金融政策を維持する材料に
なったと見られる。
1年後の平均的な物価上昇率を、企業は+1.4%、家
計は+4.8%と見ており、3ヵ月前(2014年12月調査)と同
じ上昇率となった。原油価格(アジアの指標となる中東
ドバイ産)は昨年12月調査時点の70ドル/バレル前後から3
月調査時点では50ドル/バレル台まで下落した。直近の全
国コアCPI(生鮮食品を除く総合)は消費税の影響を除
くと2月で前年同月比±ゼロ%と、横ばいとなった。
注:「生活意識に関するアンケート調査」は世論調査であり、ハ
ードデータによる経済統計に比べると厳密なものではない点に注
意が必要である。
昨年10月31日、日銀は「量的・質的金融緩和」を拡
大した。当時の説明として日銀は「これまで着実に進ん
できたデフレマインドの転換が遅延するリスクを未然に
防ぎ、好転している期待形成のモメンタム(勢い)を維持
する」ためとした。タイミングとして、同日に発表された9
月の全国コアCPIが前年同月比+1.0%と、8月(+1.1%)
から鈍化し、日銀の当面の見通し(1%台前半)の下限を
示すものになった。つまり、なんとか「未然に防ぐ」格好と
なったわけだが、前述のとおり2月のデータはゼロ%まで
鈍化している。
このように現実の物価上昇率は鈍化してきたものの、
経済主体(企業や家計)のインフレマインドは落ち込ん
でいない。マインドが盛り上がっていないから、追加緩
和を模索するのではなく、下振れそうなのを未然に防ぐ
ことができたから量的・質的金融緩和拡大の効果があっ
た、というのが日銀の現状分析とみられる。つまり、昨年
10月末に追加緩和を決断しなかったならば、企業や家
計の物価見通しはもっと低下して、実際の物価上昇率
ももっと下振れていたかもしれない。黒田日銀総裁のそ
れまでの言動からは、そう判断できよう。4月30日には日
銀は「展望リポート」を発表する。その翌日に3月分の全
国コアCPIが発表され、場合によっては前年同月比でマ
イナスに落ち込む可能性もあるため、市場の一部では、
4月30日に「量的・質的金融緩和」の更なる拡大に踏み
切るとの見方もでてきた。もう一度サプライズを狙うなら、
あり得るシナリオと言えよう。
注:日銀は 4 月 8 日に開いた金融政策決定会合で現状の大規
模な金融緩和の継続を決めた。記者会見で黒田総裁は、物価
に対してやや強気(楽観的)な認識を示したが、市場には追加金
融緩和観測がなおくすぶっている。
ただ、政府と日銀の連携という意味では、表向きは変
わったようには見えなくても、安倍総理と黒田総裁との
間には、微妙な空気の変化があると言われている。
 「ここだけの話」と財政リスクを訴えた黒田総裁
日銀が量的・質的金融緩和を実施して4月4日で2年
が経過した。しかし、安倍総理と黒田総裁との「蜜月」関
係は次第に変化し、財政再建の手法などについて、す
れ違いが目につくようになった。2月12日の経済財政諮
問会 議で、民 間 議員が2020年 度の基 礎的 財 政収 支
(プライマリーバランス=PB)GDP比の黒字化目標に向
けた提言を行った。その中で、2020年度までの5年間で
2015年度と比べて3.3%程度赤字を改善するためのアク
ションプラン(行動計画)を策定するよう提案した。
その際、この案が2020年度のPB黒字化目標を変更
するものではないとしつつ、経済活性化による税収増と
GDP拡大の重要性を強調した。それは消費税率引き上
げ時期を2015年10月から2017年4月に先送りしたにも
関わらず、2015年度のPB赤字半減目標が達成できる
見通しになったことを踏まえたものであった。
その時、黒田総裁が自ら発言を求めた。同会議のホ
ームページに公開された議事録には「具体的な計画を
策定していくことは重要であり、諮問会議でもしっかり議
論していくべきだと思う。日本銀行としては、政府による
財政健全化に向けた取り組みが着実に進んでいくこと
12 / 19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
を強く期待している」と記載されている。内容はこれまで
日銀が公表してきたものと同様であるが、黒田総裁は
「ここだけの話(オフレコ)」と断った上で、日本の財政の
信任への危機感を強調したそうである。一部報道によれ
ば、黒田総裁は、銀行監督当局で構成するバーゼル銀
行監督委員会で銀行の国債保有を規制する議論が行
われているとした。現時点では銀行が自国の国債を持
ってもリスクゼロとして計算されるが、独英などはリスクを
判定して資本を積むべきであると主張しているというの
である。同監督委での合意は困難との見方を示しなが
らも、ドイツなどが自国でそうした規制を導入する可能性
があるという。仮に、それが実現した場合、日本の銀行
の国債保有残高や同じルールを適用した場合の資本
不足をアナリストが指摘し始めると、邦銀の株が売られ、
邦銀は国債の売却を迫られかねない。そうした情勢を
踏まえ、経済活性化による税収増やGDP拡大を強調す
ることによって、社会保障改革など抜本的な歳出改革
や更なる消費税率引き上げなどの歳入改革に消極的と
受け止められるような姿勢を正し、もっと財政健全化に
本腰を入れるべきと強調したのである。
注:日銀の調べでは、邦銀の国債保有残高は 1 月末で、資産
の約 13%にあたる約 128 兆円にのぼる。日銀が大量に買い取っ
ているため減少傾向にあるが、4%台とされる英独の銀行に比べ
れば依然として水準は高い。
政府は6月をめどに財政健全化計画の具体策を取り
まとめる方針であるが、社会保障制度改革の本格的な
見直し作業は来年の参院選後まで先送りするとの見方
も政府関係者の間で台頭している。3月13日の参院財
務金融委員会で安倍総理は「10%までは消費税を引き
上げていくが、それ以上の消費税の引き上げで税収を
増やすことは考えていない」と述べた。安倍総理は2017
年4月に消費税率を10%にするとしたが、その後の対応
はそれまで明言してこなかった。内閣府の試算では消
費税率を10%に引き上げ、名目で毎年3%超の高い成
長が実現しても2020年度に9.4兆円の赤字が残る。その
対応において消費税増税を考えていないことを示したも
ので、いわゆる「上げ潮派」と呼ばれる成長重視派の論
理に乗っているものとみられ、黒田総裁の直言に真っ向
から対立する内容となっている。
一部報道(3月29日付)によれば、政府は2020年度ま
での財政健全化目標として、国と地方の債務残高の総
額を名目GDP比で低下させることを掲げる方針を固め
たと報じられた。これまでは2020年度までにPB黒字化を
目標とし、債務残高GDP比の引き下げは2021年度以降
としていた目標の一部を前倒しする意味合いがある。経
済成長が財政に与える影響を直接的に反映した指標
で、成長が財政再建につながっているとアピールする狙
いがあると指摘されている。
財政再建計画をまとめる際には、「痛み」を伴う歳出・
歳入改革の議論を避けて通るべきではなく、黒田総裁
が危機感を訴えたにも関わらず、官邸での議論は経済
成長頼みの方向に進みつつあることが懸念される。
 中小企業への賃上げ波及を促す安倍総理
4月2日、「経済の好循環実現に向けた政労使会議」
の平成27年度第1回会合が開催された。そこで政府と
経団連は、中小企業が賃上げしやすくする環境づくりで
合意した。中小企業が大企業に納入する製品価格に、
原材料費の高騰を転嫁しやすくするのが柱となっている。
たとえ企業間取引への異例の政治介入と言われようとも、
アベノミクスの目玉と位置付ける賃上げで、大企業の実
績を中小企業まで広げるため、あの手この手で実現を
図ろうとしているようだ。
具体的には、「価格転嫁や支援・協力についての取り
組み策およびサービス業の生産性向上に向けた取り組
み策」が、政労使会議で合意された。「日本経済の自立
的成長を確たるものとするためには、今春の賃上げの
労使交渉が好循環の二巡目を形成しつつあるこの機を
とらえ、全国に、中小・小規模事業者に、さらに好循環
を拡大することが何よりも重要である」との現状認識に基
づくものである。
内容は大きく二つに分けられる。一つは、取引先企
業の仕入れ価格の上昇等を踏まえた取り組み(中小企
業の価格転嫁促進策)であり、もう一つは、サービス業
の生産性向上策である。
中小企業の価格転嫁促進策のうち、経済界による総
合的取り組みとして経団連が、①価格転嫁が適正に行
われるように需給変動に基づく損益の分担方法をあら
かじめ合意しておくことなど、全国各地での会員企業に
対して周知活動を展開すること、②生産性向上に向け
て支援・協力などに努めるよう、会員企業に対して勧奨
する。
また政府による対応としては、①14業種の「下請け取
引ガイドライン」に沿って取引を行うよう下請代金検査官
や消費税転嫁Gメンが徹底して要請する、②全国約500
回の講習会を開催し「下請け取引ガイドライン」の理解・
活用を促す、③下請代金法に基づく監視・取り締まりを
強化する(今年度上期に約500社の大企業に対して集
中的な立ち入り検査を実施する)。具体的な対処方法
は明記されていないが、罰則として社名の公表などが検
討されているものとみられる。
13 / 19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
二つ目のサービス産業の生産性向上については、サ
ービス業と製造業等との異業種連携による生産性向上
に向けた取り組みを推進する。具体的には、小売業、飲
食業、宿泊業、介護、道路貨物運送業等の分野におい
て官民の協議会を設立し、製造業等の専門家の助言を
受けながら、ベストプラクティスの普及、IT利活用、業務
改善等の生産性向上策を検討する。サービス産業の生
産性向上については、アベノミクス第3の矢「民間投資を
喚起する成長戦略」の主目標に掲げられている。いわ
ゆる供給側の改革であり、潜在成長率を直接押し上げ
る改革と言えよう。
図表1. 当面の主な政治・政策スケジュール
4月5日
菅官房長官沖縄訪問、翁長知事と会談
4月7日
日銀金融政策決定会合(~8日)
4月8日
日米防衛相会談(東京)
4月9日
2015年度予算成立
4月12日
統一地方選(道県知事選、道府県議選、政令市長、市議選)
4月14日
G7外相会議(~15日、独リューベック)
〃
ECB理事会
4月16日
G20財務相・中央銀行総裁会議(~17日、米ワシントン)
4月17日
IMF・世銀春季総会(~19日、ワシントン)
4月19日
アジア・アフリカ60周年記念会議(~24日、バンドン会議)安倍総理講演は22日
4月中旬
政府が安保関連法案を作成し、与党協議再開
4月21日
世界経済フォーラム東アジア会議(~23日、インドネシア・ヌサドゥア)
〃
 中小企業の春闘は5~6月まで続く
中小企業の春闘は、大手の交渉結果を踏まえて、今
後、本格化する。夏にかけて妥結していくが、労使交渉
については、大手と異なる。大手企業は、同業他社を睨
みながら交渉を進めるのが慣例であるが、中小企業は
個別企業の経営に大きく左右される。
日韓安保対話(ソウル)~2009年12月以来
4月15日
靖国神社で春季例大祭(~23日)
4月23日
TPP首席交渉官会合(米国、~26日)
4月26日
統一地方選(政令市以外の市区町村の首長・議員選)
〃
拉致問題「国民大集会」(都内)に安倍総理出席
〃
安倍首相訪米(~5/3、ボストン、ワシントン、LA、サンフランシスコ)
4月下旬
自民、公明両党の検討委員会で軽減税率の議論が本格化
4月27日
日米安保協議委員会(2プラス2)(ワシントン)防衛指針再改定
4月28日
日米首脳会談(ワシントン)
〃
FOMC(~29日)
4月29日
米上下両院合同会議で安倍首相演説
4月30日
日銀「展望リポート」公表
5月2日
ADB年次総会(~5日、アゼルバイジャン・バクー)
5月3日
ASEANと日中韓の財務相・中央銀行総裁会議(アゼルバイジャン・バクー)
~日中韓財務相・中央銀行総裁会議(アゼルバイジャン・バクー)調整中
連合が4月2日に公表した春闘の中間集計(3月31日
時点の第3回集計)によると、大企業・中堅企業は平均
賃上げ率が2.35%となったが、中小企業は2.08%にとど
まった。中小企業の労組が賃上げの要求を提出するの
は4月以降であり、経営側が賃上げ額などを回答するの
は5~6月ごろまで続く。連合の最終集計は7月1日時点
であり、一部報道によると、大企業・中堅企業は2.25%
程度(昨年度2.12%)、中小企業は1.87%程度(同1.76%)
が予想されている。
5月4日
自民・高村副総裁と公明・北側副代表が日中友好議員連盟として訪中(~6日)
5月7日
英国総選挙
5月9日
中国の「国恥記念日」(対華21ヵ条要求100周年)
〃
ロシアで対ドイツ戦勝70周年記念式典(モスクワ)
上旬
政府、安全保障関連法案を閣議決定、国会提出(調整中)
5月17日
大阪都構想の是非を問う住民投票
5月18日
安全保障関連法案が衆院本会議で審議入り。特別委員会設置
5月20日
党首討論(開催は昨年6月11日以来1年ぶり)
5月21日
日銀金融政策決定会合(~22日)
5月22日
第7回太平洋・島サミット(~23日、福島県いわき市)
〃
5月23日
(以上)
自民党の額賀元財務相が党所属議員と訪中
5月15日
自民党、二階総務会長が観光業界関係者ら約3000人と訪中
APEC貿易相会合(フィリピン、~23日)~TPP閣僚会合?
〃
日韓財務対話(東京)
5月下旬
TPP12ヵ国閣僚会合
5月27日
G7財務相・中央銀行総裁会議(~29日、ドレスデン)
5月29日
日EU首脳会議(東京、調整中)
6月3日
ECB理事会
6月6日
日中財務対話(北京)~3年2か月ぶり開催(調整中)
6月7日
G7首脳会議(~8日、独オーバーバイエルン)
6月8日
IAEA(国際原子力機関)定例理事会(~12日、ウィーン)
6月16日
FOMC(~17日)
6月18日
日銀金融政策決定会合(~19日)
6月22日
日韓基本条約の署名から50年
6月23日
沖縄「慰霊の日」に安倍・翁長会談を調整中
6月24日
通常国会閉幕(8/10まで47日間延長を軸に調整中)
6月25日
EU首脳会議(~26日、ブリュッセル)
6月30日
米英ロなど6ヵ国とイランとの核協議の最終合意目標
〃
アジア・インフラ投資銀行の設立協定に署名(参加最終期限)
6月
地方創生総合戦略基本方針策定(骨太の方針に盛り込む)
〃
基礎的財政収支の改善目標達成に向けた具体策の計画策定
夏ごろ
関西電力高浜原発(福井県)再稼働
年後半
米国大統領選挙モード入り
7月上旬
九州電力川内原発の再稼働
7月4日
北朝鮮の拉致問題特別調査委員会設置から1年
7月9日
BRICS首脳会議(~10日、ロシア中部ウファ)
7月11日
ミラノ万博・ジャパンデーに安倍総理訪問(調整中)
7月14日
日銀金融政策決定会合(~15日、展望リポートの中間評価)
7月16日
ECB理事会
7月28日
FOMC(~29日)
7月
21世紀構想懇談会、70年談話の答申策定
〃
安倍総理がイタリア訪問(?)
7月末
安保法制成立メド(国会は8月上旬まで延長する方向で調整中)
出所:各種報道よりSMBC日興証券作成)
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2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
9.中国株式~「シルクロード構想の将来ビジョンと行動」発表
中国担当
白岩 千幸
今年の全国人民代表大会で重要プロジェクトとして紹介されたシルクロード構想(一帯一路)の概要によると、
シルクロード構想は単なる交通インフラ整備計画にとどまらず、経済共同体に発展する可能性もある。来年
には本格的にプロジェクトが始動するとみられ、中国株式市場ではインフラ投資関連銘柄が買われている。
今後も景気下支え策の他、シルクロード構想を支えに、中国株は上昇傾向が続こう。
 陸と海のシルクロード構想
始動しよう。このため、足元の中国株式市場では、イン
3月28日に中国政府は「シルクロード構想(一帯一路) フラ投資関連銘柄が買われている。
の将来ビジョンと行動」を発表した。シルクロード構想と
上海総合指数は昨年6月末から今3月末までに
は、中国から欧州に至る陸のシルクロード(シルクロード +82.9%となり、高値圏にある。ただし、足元で景気減速
経済帯、「一帯」と呼称)と、海のシルクロード(21世紀海 が続き、今後も追加金融緩和を含めた景気下支え策が
洋シルクロード、「一路」と呼称)の2つのシルクロード構 期待できること、また、シルクロード構想等の好材料もあ
想から成り立つ。2013年に習近平国家主席がアジア歴 ることから、しばらく上昇傾向が続こう。一方、香港市場
訪時に初めて提唱し、今年の全国人民代表大会の政 は、上海市場に比べPER等の指標からみて割安となっ
府活動報告では重要プロジェクトとして紹介された。
ている。3月27日に政府が資本市場自由化の一環とし
発表によると、陸のシルクロードの主要ルートは、①
中国⇒中央アジア⇒ロシア⇒欧州(バルト海)、②中国
⇒中央アジア⇒西アジア⇒ペルシャ湾/地中海、③中国
⇒東南アジア⇒南アジア⇒インド洋である。一方、海の
シルクロードは、①中国⇒南シナ海⇒インド洋⇒欧州、
②中国⇒南シナ海⇒南太平洋、が主要ルートとなる。
て、本土の投資信託会社に上海証券取引所を経由し
た香港株投資を認可した。今後は香港証券取引所と上
海証券取引所の両方に上場している中国企業に裁定
取引が入りやすくなり、割安感のある香港銘柄の株価は
押し上げられると予想する。
 シルクロード構想の重点協力プロジェクト
シルクロード構想に含まれる沿線各国との重点協力
プロジェクトは、道路や鉄道等の交通インフラ建設のみ
ならず、交通インフラを管理する制度の統一化、関税を
含む貿易の諸手続きの統一化や簡素化に及ぶ。加え
て、投資協力や共同開発、企業の共同研究も含まれ、
その範囲は広い。また、国家間の相互理解を図るため、
政府間の人材交流や地域内での体育大会開催も計画
されている。これが全て計画通りに完成すれば、シルク
ロード構想は単なる交通インフラ整備計画にとどまらず、
経済共同体に発展する可能性もある。
図表1. 陸と海のシルクロード構想
 シルクロード構想が中国株上昇の好材料に
中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)はシ
ルクロード構想の主要な資金提供機関と位置付けられ、
3月末までにシルクロード沿線諸国を含む50ヵ国以上が
加盟申請を行った。また、中国政府は一部のシルクロー
ド構想の沿線国と既に覚書を交わしており、シルクロー
ド構想は順調なスタートを切るとみられる。国内の関連
投資は今年だけで3,000億~4,000億元(約5.8兆~7.7兆
円)に達するとの見通しが報じられた。AIIBは今年末に
発足予定であるため、来年には本格的にプロジェクトが
出所: 新華社よりSMBC日興証券作成
15 / 19
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2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
10.来週・再来週の主なスケジュール
発表日
国・ 地域
ロシア
-
-
日本
フィンランド
-
-
日本
4月 13日 (月 )
中国
インド
日本
米国
4月 14日 (火 )
ユーロ圏
英国
インドネシア
ブラジル
-
日本
米国
ユーロ圏
4月 15日 (水 )
中国
インド
インドネシア
ロシア
ブラジル
米国
4月 16日 (木 )
豪州
-
米国
ユーロ圏
4月 17日 (金 )
市場予想 前月・ 前期・ 前年
2月
-
3月
3月
3月
2月
3月
-
3月
3月
1-3月期
1-3月期
2月
3月
-
2月
-
-
4月
3月
-
1-3月期
2月
-
-
1-3月期
3月
3月
1-3月
3月
3月
3月
2月
3月
3月
3月
3月
4月
1-3月期
1-3月期
3月
3月
-
3月
4月
1-3月期
3月
3月
12-2月
3月
-
-
英国
機械受注( 船舶・ 電力除く 民需、 前月比)
日銀金融政策決定会合議事要旨(3月16~17日分)
貿易収支
輸出( 前年比)
輸入( 前年比)
鉱工業生産(前年比)
消費者物価指数(前年比)
日韓安保対話(韓国・ソウル)
小売売上高( 除自動車、 前月比)
小売売上高( 前月比)
JPモ ルガン・ チェース決算( 1株当たり利益)
インテ ル決算( 1株当たり利益)
鉱工業生産(前月比)
消費者物価指数(前年比)
政策金利
小売売上高指数(前月比)
G7外相会合(~15日、ドイツ・リューベック)
黒田日銀総裁講演(第90回信託大会)
ニュ ーヨーク連銀製造業景況指数
鉱工業生産指数( 前月比)
地区連銀経済報告( ベージ ュ ブッ ク)
バンク・ オブ・ ア メリカ決算( 1株当たり利益)
貿易収支(季調済)
政策金利
ECB( 欧州中央銀行) 理事会
実質GDP( 前年比)
鉱工業生産( 前年比)
小売売上高( 前年比)
固定資産投資( 都市部、 年初来、 前年比)
卸売物価指数(前年比)
貿易収支
鉱工業生産(前年比、発表日未定、~16日)
経済活動指数(前月比)
住宅着工件数( 前月比)
住宅着工件数(年率換算)
住宅着工許可件数( 前月比)
住宅着工許可件数(年率換算)
フィラデルフィア 連銀製造業景況指数
ゴ ールドマン・ サッ クス決算( 1株当たり利益)
シ テ ィグループ決算( 1株当たり利益)
新規雇用者数(前月比)
失業率
G20財務大臣・中央銀行総裁会議(~17日、米国・ワシントンD.C.)
消費者物価指数(除食品&エネルギー、前年比)
ミシ ガン大学消費者信頼感指数( 速報)
GE決算(1株当たり利益)
消費者物価指数(前年比、確報、前回値は速報値)
失業保険申請件数
ILO失業率
実質小売売上高(前年比)
国際通貨金融委員会(~18日、米国・ワシントンD.C.)
IMF・世銀春季総会(~19日、米国・ワシントンD.C.)
▲2.1%
-
405.5億 ド ル
10.0%
▲10.5%
-
-
-
0.7%
1.0%
1.41ド ル
0.41ド ル
-
-
-
-
-
-
6.00
▲0.2%
-
0.30ド ル
-
-
-
7.0%
7.0%
10.9%
13.9%
-
-
▲1.5%
-
15.9%
104.0万戸
▲2.0%
108.0万戸
5.0
4.21ド ル
1.39ド ル
-
-
-
1.7%
93.7
0.30ドル
-
-
-
▲9.0%
-
-
▲1.7%
-
606.2億 ド ル
48.3%
▲20.5%
2.6%
5.37%
-
▲0.1%
▲0.6%
1.33ド ル
0.74ド ル
▲0.1%
0.0%
7.50%
0.8%
-
-
6.90
0.1%
-
0.32ド ル
228億ユーロ
0.05%
-
7.3%
7.9%
11.9%
13.9%
▲2.06%
7.38億ドル
▲1.6%
▲0.11%
▲17.0%
89.7万戸
4.0%
110.2万戸
5.0
4.61ド ル
1.16ド ル
15,600人
6.3%
-
1.7%
93.0
0.56ドル
▲0.1%
▲31,000人
5.7%
▲7.7%
-
-
-
-
-
-
4月 18日 (土 )
4月 19日 (日 )
アジア・アフリカ60周年記念会議(~24日、バンドン会議)、安倍首相講演は22日
フィンランド総選挙
注:発表日は現地時間。市場予想と実績は 2015 年 4 月 9 日 12 時時点の Bloomberg の値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります。
出所:Bloomberg および各種報道などよりSMBC日興証券作成)
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2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
発表日
国・ 地域
4月 20日 (月 )
日本
米国
NZ
4月 21日 (火 )
日本
独
日本
4月 22日 (水 )
米国
英国
豪州
マレーシア
トルコ
南ア
日本
米国
4月 23日 (木 )
ユーロ圏
中国
韓国
4月 24日 (金 )
米国
独
市場予想 前月・ 前期・ 前年
3月
1-3月期
1-3月期
3月
3月
-
4月
3月
3月
3月
3月
3月
2月
3月
-
1-3月期
3月
-
3月
-
3月
1-3月期
1-3月期
4月
4月
4月
1-3月期
3月
3月
4月
全国コンビニエンスストア売上高(前年比)
モルガン・ スタンレー決算( 1株当たり利益)
消費者物価指数(前期比)
全国百貨店売上高(前年比)
全国スーパー売上高(前年比)
靖国神社で春季例大祭(~23日)
ZEW景気期待指数
貿易収支
輸出( 前年比)
輸入( 前年比)
貿易収支( 季調済)
JNTO訪日外客数
FHFA住宅価格指数(前月比)
中古住宅販売件数( 前月比)
MPC(金融政策委員会)議事要旨(4月8~9日開催分)
消費者物価指数(前期比)
消費者物価指数(前年比)
政策金利
消費者物価指数(前年比)
TPP首席交渉官会合(~26日、米国)
新築住宅販売件数( 前月比)
グーグル決算(1株当たり利益)
キャタピラー決算(1株当たり利益)
サービス業PMI(速報)
製造業PMI(速報)
HSBC製造業PMI( 速報)
実質GDP(前期比、速報)
耐久財受注( 除輸送用機器、 前月比)
耐久財受注( 前月比)
IFO景 況 指 数
-
0.78ド ル
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
6.64ドル
1.34ドル
-
-
-
-
-
-
-
▲1.4%
0.39ド ル
▲0.2%
1.1%
▲0.8%
-
54.8
▲4,250億 円
2.5%
▲3.6%
▲6,388億 円
138.7万人
0.3%
1.2%
-
0.2%
0.1%
7.50%
3.9%
-
7.8%
6.88ドル
1.35ドル
54.2
52.2
49.6
0.3%
▲0.6%
▲1.4%
107.9
-
-
-
-
4月 25日 (土 )
4月 26日 (日 )
日本
-
-
安倍首相訪米(~5月3日、米国・ボストン、ワシントン、ロサンゼルス、サンフランシスコ)
統一地方選投開票(政令市以外の市区町村の首長・議員選)
注:発表日は現地時間。市場予想と実績は 2015 年 4 月 9 日 12 時時点の Bloomberg の値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります。
出所:Bloomberg および各種報道などよりSMBC日興証券作成)
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2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
投資情報部作成最新レポートのご紹介
【定期発行レポート】
Daily Outlook(日刊投資情報)、Weekly Outlook(週刊投資情報)、月刊投資情報(株式・為替・金利の見通し)、
日本株投資戦略(月刊プレゼン資料)、日興ストラテジー・セレクション(注目銘柄リスト)、注目スケジュール etc
【スポット・レポート】
<株式>
2015/03/09
日本株式
日本株にバブルの兆候はみられるのか
2015/03/09
米国株式
米国株見通し~目先は上値重いが年後半には上昇へ
<マクロ・為替・金利・新興国>
2015/04/08
中国株式
4 月 8 日に香港 H 株が再び急騰
2015/04/06
中国経済
「シルクロード構想の将来ビジョンと行動」発表
2015/04/06
日本政治
官邸は「痛み」を伴う改革を先送りか
2015/04/02
日本政治
中国の中国による中国のための AIIB なのか
2015/04/02
トルコ経済
景気は再び回復基調へ
2015/03/31
中国株式
3 月 30 日の香港H株の上昇について~割安感から上昇続こう~
2015/03/25
日本政治
外交日程目白押しで国会は大幅延長へ
2015/03/24
中国株式
今年の全人代と上海株式市場~投資対象としての魅力増す~
2015/03/20
NZ ドル
今年半ば以降、徐々に対円で上昇へ
2015/03/19
日銀金融政策
当面は原油価格、及び賃上げ動向を注視する時間帯
2015/03/19
トルコ経済
政策金利は据え置きも、トルコリラになお下値リスク
2015/03/18
日本政治
戦後 70 年談話は経済活動を悪化させない
2015/03/18
インドネシア
今回は政策金利据え置き
【カンパニー・ブリーフ】
2015/04/01
GS ユアサ(6674)
2015/03/31
楽天(4755)
インド概観
2015/02/16
南アフリカ共和国概観
【カントリー・レポート】
2015/03/10
【業界ナビ】
2015/02/20
地方創生関連
【その他プレゼン資料】
2015/04/08
トルコリラの見通し
2015/04/08
インドネシアルピアの見通し
2015/04/03
投資部門別売買動向(現物・先物)
2015/04/02
3 年目を迎える異次元緩和
2015/04/02
NZ ドル外債投資を検討されているお客様向け情報
2015/04/02
メキシコペソ外債投資を検討されているお客様向け情報
2015/04/01
海外・個人投資家売買動向
2015/04/01
日銀の金融緩和策(ETF・REIT)
2015/04/01
日経平均株価・ドル円の推移と主な出来事
2015/03/31
コーポレートガバナンス・コードの威力
* 上記レポートをご希望の方は、最寄りの支店までお問い合わせください。
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本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 4 月 9 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.200
本資料について
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的に作成したものです。本資料は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づいて作成していますが、これらの情報
が完全、正確であるとの保証はいたしかねます。情報が不完全または要約されている場合もあります。本資料に記載する価格、数値等
は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。かかる価格、数値等は予告なしに変更する
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論見書、お客様向け資料等をよくお読みになり、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
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手数料等について
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の金融商品取引所に上場する株式等(売買単位未満株式を除く。)の場合は約定代金に対して最大 1.242%(ただし、最低手数料
5,400 円)の委託手数料をお支払いいただきます。投資信託の場合は銘柄ごとに設定された各種手数料等(直接的費用として、最大
4.32%の申込手数料、最大 4.5%の換金手数料又は信託財産留保額、間接的費用として、最大年率 5.61%の信託報酬(又は運用管理
費用)及びその他の費用等)をお支払いいただきます。債券、株式等を募集、売出し等又は相対取引により購入する場合は、購入対価
のみをお支払いいただきます(債券の場合、購入対価に別途、経過利息をお支払いいただく場合があります。)。また、外貨建ての商品
の場合、円貨と外貨を交換、又は異なる外貨間での交換をする際には外国為替市場の動向に応じて弊社が決定した為替レートによるも
のとします。上記手数料等のうち、消費税が課せられるものについては、消費税分を含む料率又は金額を記載しております。
リスク等について
各商品等には株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等及び有価証券の発行者等の信用状況(財
務・経営状況を含む。)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)、又は元
本を超過する損失を生ずるおそれ(元本超過損リスク)があります。
なお、信用取引又はデリバティブ取引等(以下「デリバティブ取引等」といいます。)を行う場合は、デリバティブ取引等の額が当該デリバ
ティブ取引等についてお客様の差入れた委託保証金又は証拠金の額(以下「委託保証金等の額」といいます。)を上回る場合があると共
に、対象となる有価証券の価格又は指標等の変動により損失の額がお客様の差入れた委託保証金等の額を上回るおそれ(元本超過
損リスク)があります。
また、店頭デリバティブ取引については、弊社が表示する金融商品の売付けの価格と買付けの価格に差がある場合があります。
上記の手数料等及びリスク等は商品毎に異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書又はお客様向け資料等をよ
くお読みください。なお、目論見書等のお問い合わせは弊社各部店までお願いいたします。
商 号 等 SMBC日興証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2251 号
加入協会 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商
品取引業協会
(2015/04/09 版)
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