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I 障害者施策の総合的取組 [PDF形式:33KB]

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I 障害者施策の総合的取組 [PDF形式:33KB]
平成17年度を中心とした障害者施策の取組
平成17年度を中心に障害者のために講じた施策を、「相互の理解と交流」、「社会参
加へ向けた自立の基盤づくり」、「日々の暮らしの基盤づくり」、「住みよい環境の基
盤づくり」の4つの視点に立ってまとめている。
〔
講じた主要な施策等は、平成17年度の
新規施策等を中心に記述。
〕
Ⅰ 障害者施策の総合的取組
○
平成17年度においては、4月に「発達障害者支援法」が施行されるとともに、
6月には「改正障害者雇用促進法」が成立し、10月には「障害者自立支援法」が
制定される等、障害者の自立と社会参加を促進するための制度的な取組が進展し
た。
○
第164回通常国会には「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律
案」及び「学校教育法等の一部を改正する法律案」が提出されるなど、雇用、福
祉、生活環境、教育等の複数の分野にわたって、障害者施策の総合的かつ計画的
な取組が推進された。
【講じた主な施策等】
○
従来の身体、知的、精神の3障害の枠組みでは的確な支援が困難であった発達
障害者に対し、保健・医療・福祉・教育・雇用等の関係機関が連携した一体的な
支援を行うため、平成17年4月から、
「発達障害者支援法」を施行。
○
精神障害者に対する雇用対策の強化を図る等、障害者の社会参加を促進するた
め、「障害者の雇用の促進等に関する法律」が平成17年6月に改正され、平成18年
4月から全面施行。
○
身体障害、知的障害、精神障害という障害種別にかかわらず、市町村が一元的
に福祉サービスを提供する仕組みの創設等を内容とする「障害者自立支援法」が
−1 −
●図表1
平成17年
平成18年
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月
改正障害者
主
な
事
項
障害者雇用促進法の一部
改正障害者雇用促進法の
改正法の成立(6月)
一部施行(10月)
雇用促進法
の施行(4月)
障害者自立支援法の
障害者自立支援法
成立(10月)
の一部施行(4月)
発達障害者支援法
の施行(4月)
中央教育審議会「特別支援教育を
学校教育法等の
推進するための制度の在り方につ
一部改正法案の
いて(答申)」(12月)
国会提出(3月)
高齢者、障害者等の
移動等の円滑化の促
進に関する法律案の
国会提出(2月)
ユニバーサルデザイン
政策大綱の公表(7月)
平成17年10月に成立、平成18年4月から一部施行。
○ 第164回通常国会に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律案」
及び「学校教育法等の一部を改正する法律案」を提出。
○
障害者施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、「障害者施策推進本部」の下
に設置された「障害者施策推進課長会議」において、総合的な対応が必要な課題
について検討する「課題別推進チーム」を設置。平成17年11月には、国が実施す
る資格取得試験等において各試験制度で共通的に対応すべき配慮事項を取りまと
め、各府省に周知。
○
平成16年6月の「障害者基本法」の改正に基づき、「障害者基本計画」の策定及
び変更に関し内閣総理大臣に意見を述べる「中央障害者施策推進協議会」を、内
閣府に新たに設置し、平成17年5月に第1回会合を開催。委員構成については、
半数が障害のある人本人とその家族の代表から成り、障害の多様性も反映。
○
平成17年度、障害者が社会活動をしていく上で障壁(バリア)となっている課
題を明確化するため、「生活環境」及び「情報・コミュニケーション」分野につい
て、
「障害者施策総合調査」を実施。
バリアを感じている人の割合が最も高いのは「歩道」で、「駅、鉄道」、「スーパ
−2 −
ー、コンビニ」、「レストラン、食堂」、「病院、診療所」などが続く。10年間の改
善状況については、全体として肯定的な評価が多数を占め、特に交通機関、公共
施設、電話・携帯電話の評価が高く、住宅、コミュニケーション支援は相対的に
評価が低い。
●図表2
障害者施策推進本部
本部会議
本部長
中央障害者施
策推進協議会
内閣総理大臣
副本部長 官房長官
内閣府特命担当大臣
(障害者施策)
障害者、障害者福
本部員
祉事業の従事者及
すべての国務大臣
び学識経験者
30名以内
参 与
幹事会
有識者
各省庁の事務次官
障害者施策推進課長会議
各省庁の課長級職員
各課題別推進チーム
主要関係省庁の職員等
−3 −
生活環境と情報・コミュニケーションに関する障害のある人のニーズ
(速報)
から
……平成17年度障害者施策総合調査の結果
利用したか(ほとんどの項目では過去1
内閣府では、障害者基本計画の「Ⅳ
年間に)、利用して困ったことがあるか、
推進体制等」において、「障害者関係団
利用しなかった理由は必要なかったから
体との意見交換やニーズ調査の実施等を
か環境条件などによるのか、などの回答
通じて施策・事業の有効性についての検
結果をもとに25の分野を一覧したもので
証を行い、」とされていることを踏まえ、
す。
平成17年度から、障害のある人が社会活
一番左は環境などが原因で利用できな
動をしていく上で障壁(バリア)になっ
かった人、その次が利用はしたが困った
ている事項を抽出し、その解消に向けた
ことがあった人で、この2者の合計がバ
課題を明確化するため、障害者施策総合
リアを感じている人の割合となります。
調査を実施することとしました。具体的
図に見るように、「歩道」の割合が最も
には、障害種別横断的な団体である「日
高く、「駅、鉄道」、「スーパー、コンビ
本障害フォーラム」(JDF)の事務局で
ニ、デパート」、「レストラン、食堂」、
ある(財)日本障害者リハビリテーショ
「病院、診療所」などが4割以上で続い
ン協会や、同フォーラムを構成している
ています。これらの場所は誰もが利用す
障害者団体の協力を得て、障害のある人
る場所であるだけに、障害のある人がバ
にアンケート調査を実施する形で行いま
リアを感じる機会も多かったようです。
した。
ただし、バリアを感じる人の割合が少
アンケートは、平成17年11月から12月
なければよいかというとそうでもありま
にかけて、4,651人を対象に郵送等によ
せん。例えば、空港・飛行機の例のよう
り実施され、47%にあたる2,191人から
に、過去1年間に空港・飛行機を利用す
回答がありました。平成17年度は、障害
る必要がなかったという人が多かった項
者基本計画に掲げられた個別施策分野の
目では、バリアを感じる人の割合が全体
うち、「生活環境」と「情報・コミュニ
ケーション」について調査しましたが、 の中では2割以下と少ないものの、図の
左から3番目の「利用して困ったことが
平成18年度以降も、他の分野について順
ない」人の割合と比べるとほぼ同じで、
次調査を行う予定です。
空港・飛行機の利用が必要だった人の約
今回の調査では全都道府県から複数人
半数はバリアを経験しています。この観
の回答があり、障害種別の構成比は、肢
点から見ると、住宅探し、インターネッ
体不自由23.7%、内部障害16.4%、精神
ト、手話通訳等、駅・鉄道では、利用す
障害13.6%、視覚障害10.9%、聴覚障害
る必要があった人の6割以上が困難を経
9.2%、知的障害8.6%、難病4.6%、発達
験していました。
障害2.2%でした。
次に、図表1-7は、「次の分野はこの10
図表1-6は、交通機関、公共施設等の
年間で利用しやすくなりましたか」とい
「生活環境」と、「情報・コミュニケーシ
ョン(支援サービスを含む)」について、 う問いにより、バリアの改善状況を聞い
(6ページに続く。
)
−4 −
生活環境と情報・コミュニケーションに関する障害のある人のニーズ
●図表1-6 施設、サービスの利用の有無と困ったことの有無
Ⅰ.生活環境
〈交通〉
駅、鉄道
45.9%
バス、バス乗り場
39.3%
タクシー
26.9%
空港、飛行機
設備、環境、条
件等の理由で利
用しなかった
18.7%
歩道
利用して困った
ことがある
56.4%
車の移動
利用して困った
ことがない
40.7%
〈公共施設〉
スーパー、コンビニ、デパート
45.3%
レストラン、食堂
必要がないので
利用しなかった
40.8%
無回答、その他
旅館、ホテル
37.4%
映画館、劇場、遊園地
31.8%
公園、体育館
26.6%
役所、警察・交番、救急・消防等
32.3%
36.8%
銀行、郵便局
17.8%
図書館
40.8%
病院、診療所
〈住宅〉
住宅を探す、引っ越す 9.3%
住宅の改造
Ⅱ.情報コミュニケーション
〈マスメディア〉
12.8%
テレビ
30.7%
新聞、雑誌
〈インターネット〉
インターネット
〈電話等〉
電話、携帯電話
27.5%
39.1%
40.0%
ファックス
22.3%
〈コミュニケーション支援体制〉
手話通訳、要約筆記、盲ろう者通訳派遣 8.2%
5.0%
点訳、音訳、拡大図書
7.3%
その他の情報支援サービス
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
資料:内閣府
−5 −
生活環境と情報・コミュニケーションに関する障害のある人のニーズ
●図表1-7
バリアフリー化に関するこの10年間の変化
やや利用
しにくく
なった
とても利用しや
すくなった
やや利用し
やすくなった
ア)交通
58.4%
23.7%
エ)生活用品
45.3%
ア)マスメディア
45.2%
イ)インターネット
41.1%
ウ)電話、携帯電話(メールも含む)
エ)コミュニケーション支援体制
0%
回答なし
変わらない
61.7%
イ)公共施設
ウ)住宅
とても利
用しにく
くなった
58.5%
26.8%
20%
40%
60%
80%
100%
棒グラフ内の数字は(%)は、
「とても利用しやすくなった」
「やや利用しやすくなった」の合計
資料:内閣府
た結果です。いずれの分野でも「利用し
やすくなった」及び「やや利用しやすく
なった」が多数を占め、全体としてバリ
アフリー化が進んだことが伺われます。
特に交通機関、公共施設(公的機関や商
店・銀行など)、電話・携帯電話などで
は6割前後が利用しやすくなったと答
え、比較的高い評価となっています。一
方、「住宅」、「コミュニケーション支援
体制」、「インターネット」、「マスメデイ
ア」、「生活用品」などでは肯定的な評価
は5割未満で、「住宅」、「コミュニケー
ション支援体制」は相対的に低い評価で
した。
なお、詳しい調査結果については、内
閣府ホームページに公表、掲載すること
としています。
(http//www8cao.go.jp/shougai/index.html)
−6 −
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