Comments
Description
Transcript
題 目 医業広告看板とホームページを使った医療機関 PR 効果の意識
平成 22 年度 題 目 氏 名 卒業研究 (要約) 医業広告看板とホームページを使った医療機関 PR 効果の意識調査の研究 及部 航 (学籍番号 060781065) 1.研究目的 前田らは、名古屋鉄道駅構内の医業広告看板 の設置場所や記載内容の調査を行った結果から その看板の記載内容が医業広告規制緩和によっ て記載できる内容が増えたにも関わらず 6 割以 上が昭和 23 年の医療法改正世代であることを 明確にした1)。また、医療広告看板を設置して いる医療機関のホームページ公開率を調べ、病 院 6 割、診療所 4 割が公開していることを明らか にした。 本研究では情報提供する側である医療機関は これらの PR 効果についてどのように考えてい るか、またどの程度期待しているのかをアンケ ート調査することで医業広告看板が古い世代の ままであることの理由や新しい情報提供手段で あるホームページに対する考えを把握すること で適切な情報提供のあり方について検討する。 2.方法 前年度の研究結果から 1,499 施設が医業広告 看板を設置していることがわかった。本研究で は 1,499 施設から効率化を図るため、住所不定 および重複を削除し、診療所に関しては上記に 加え 2 箇所以上医業広告看板を設置していると ころに限定した、病院 89 施設、診療所 246 施設 を対象とした。調査項目は、医業広告看板、ホー ムページ、医療広告に禁止事項の 3 つの項目に 大別し、医業広告看板に関する項目では看板の 有無から設置時期、PR 対象、費用、看板の該当世 代、看板へ対する期待などを、ホームページに関 する項目では PR 対象、費用、ホームページへ対 する期待などを設問に入れ、病院長・事務部長宛 へ送付した。 3.結果 アンケート調査の回収率は病院 13 件 (14.6%) 診療所 38 件(16.4%)、合計 51 件(15.2%)と なり以下のことがわかった。 1)医業広告看板の駅以外の設置場所として病院、 診療所ともに 7 割以上が市街地の広告棟へ設 置しており、診療所は田んぼの中へも半数が設 置をしている。 2)医業広告看板の作成費は概ね 5 万円程であり、 費用をかけている施設でも 20 万円程であった。 年間維持費は施設によって大きく差が表れ 5 万円から 45 万円まで幅広く、病院は多く費用 をかけている。 3)病院、診療所ともに最後に看板を立替えた時 期が 10 年以上前と回答しているところが 6 割 以上あり、医業広告看板を立替えない理由とし 指導教員 酒井 順哉 て、病院の 7 割以上が、診療所の 5 割が現状で 十分と考えている。 4)医業広告看板への期待は期待している施設と 不満を感じている施設が同程度あり一定の評 価を得ている。 5)ホームページの公開率は病院 100%、診療所 6 割と高く、未公開の診療所の 6 割も今後の必要 性を感じている。 6)ホームページの作成更新等の年間維持費は 0 円から 50 万円と差があり、病院によっては院 内で維持管理している病院から、外部委託して いる病院まで様々であることがわかった。 7)医療機能情報提供制度の認識は病院がほぼ 100%なのに対して診療所は 6 割と認識の遅れ が目立った。 8)ホームページへの期待は病院、診療所ともに 6 割以上が明確に期待しており、更なる発展を 期待できることがわかった。 4.考察 アンケート回収率の低さから本研究へ対する 関心の低さは否めない。 医業広告看板を立替えていない施設が非常に 多くそのほとんどが現状で十分と感じており自 主的な立替えが期待できないものと考える、中 でも 2~3 割ほどの医業広告看板に期待を持って いない施設の医業広告看板の立替えは非常に難 しいが期待を持っている 3 割ほどと期待は普通 を回答した施設の立替えはきっかけさえあれば 立替えられるものと考える。 ホームページには期待を持っている施設は多 く医療機関情報提供制度等の便利なサービスは さらに拡大していくものと考える。 5.まとめ 維持費や手間をかけて設置や公開している医 業広告看板やホームページの PR 効力を限界ま で利用することが医療機関にとっても、来院さ れる患者に対しても有益である。特に医業広告 看板に関しては設置し続けている間は常にコスト が発生するために 10 年以上も同じ看板を放置 している現状は大変不利益と考える、情報が価 値を持っていることを考慮し新しい情報を提供 する努力をすべきである。 【参考文献】 1)前田唯衣、酒井俊彰、酒井順哉(2009):改正 医療法に伴う鉄道構内の医業広告看板の公開 内容に関する研究、第 38 回日本医療福祉設備 学会予稿集、病院設備、第 51 巻、第 5 号、pp.499.