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国際化指標2010のモデル(358KB
国際化指標2010のモデル 企業の国際化のモデル例 ◎バーノンのプロダクト・ライフ・サイクル(PLC) ◎ゴシャールの4類型 ◎パールミュッターのEPRG 企業が海外進出する要因を、60年代米国企業の製品ライフサ イクルに着眼したモデル 企業の成長は、まず国内企業として技術を中心にして国内で 成長し、その後、新市場を求めて輸出企業になる。やがて海 外投資に向かい、その製品を扱う企業は海外の労働力の安い 企業となり、企業は多国籍企業の形態に至る。 ゴシャールとバートレットによる多国籍企業のモデル類型。 ■マルチナショナル:各国事業会社の独自性を残したまま運営。現地 適応が強く、本社のグループ運営は資金を動かすことのみ 。(1920年代に海外展開した欧州企業がモデル) ■インターナショナル:経営管理手法を持ち込み、地域特性に左右され ない経営を強いた一方で現地経営幹部は現地人を採用し、 権限を本国に集中させなかった。(1960年代に圧倒的な技 術力、資金力、生産性を誇った米国企業がモデル) ■グローバル:本国技術者を現地に大量に派遣し、技術移転と経 営コントロールを集権的に運営。(1980年代に国際ビジネスで台頭 した日本企業) ■トランスナショナル:これからの類型として提唱。コントロール性を 維持しながらも現地適応を重視。(多国籍企業のモデルとさ れるGEやIBM等) パールミュッターが多国籍企業の国際戦略モデルとして、 四つに類型化(E-P-R-Gプロファイル) ①国内 ②輸出 ③海外 ④多国籍 企業 企業 企業 企業 中 央 集 権 度 合 い グローバル企業 トランスナショナル企業 インターナショナル企業 マルチナショナル企業 ■本国志向(Ethnocentric) 多くの日本企業のタイプ。経営の意思決定を全て本国 で行い、現地ではローカル人材は登用せず、本社がコント ロールする志向にある企業のタイプ。 ■現地志向(Polycentric) 現地での意思決定に権限委譲されるタイプ。 ■地域志向(Regiocentric) アジア圏、北米圏といった地域単位での意思決定にシ フトしたタイプ。 ■世界志向(Geocentric) グローバルで経営資源を共有し、本国と外国の関連会 社は全社的に統合された理想形を現している。 地域への適応度合い ◆上記3モデルが提示している理想モデルの共通項は、①各地域の最も競争力のある資源(人材含む)を活用しつつ、 ②グループ企業間の活動の調整のための「標準」が策定される志向にある。 ◆人材マネジメントの標準化を「制度的に推進」する際、大掛かりな変更となり、多くの企業では対応が困難 →国際化指標がより多くの日本企業の国際化のモチベーションを高めるツールとして機能するために、 日本企業に馴染みやすい段階的発展類型が必要 今回の国際化指標で採用した国際化モデル ■タイプ0:海外ビジネスを展開していない企業を想定。現時点ではかなりの比率でこのタイプの企業が多い。 ■タイプA:輸出・輸入を行っており、海外拠点の配置を進めている。海外事業所の運営強化や海外ビジネスでの 競争力強化のために人材マネジメントを変更するという強い動機を生むまでには至っていない。 ■タイプB:海外の事業所で広範なビジネス展開が企画実施されつつある。ただし、多くの海外事業所は、日本の 統括会社と一対一の関係での調整がなされているマルチドメスティックな形態の組織運営を行っている。 ■タイプC:企業文化は国民性から離れ、エクセレントカンパニーを目指す。グローバルな視点からの最適な製品 開発、製造、販売活動、人材獲得、資源配分が行われる。各地域に分散して配置された拠点間での技術や人 材の交流が実施され、クロス・ソーシングを行うことが組織運営の重要な課題となる。 企業の国際化タイプ別の対応状況 「国際化指標 2010」が適切に構成されていれば、国際化が十分進んでいる企業は偏差値が高く、 不十分な企業では低くなるはずである。 分析表の結果、18指標中の14指標で、全体的に有意な差があるとの判定となった。「グローバルに 最適化」は全ての指標で偏差値が最も高く、「海外拠点の現地化」の偏差値は概ね「海外拠点を日 本人幹部が主導」を上回る結果となっている。 【人材の選抜・配置、評価・処遇】 60 ダイバーシティ・ マネジメント 55 企業理念の浸 透 65 海外での キャリア採用 65 グローバル リーダーの 選抜・配置 50 45 60 60 知名度・ イメージ向上 55 海外採用 人材の育成 40 海外勤務 ポリシーの 明確化 【業務プロセス】 【人材採用、人材育成】 人事部門の 戦略的位置付 け 65 50 45 (A)海外拠点を日本人が主導 (C)グローバルに最適化 50 海外での 新卒採用 45 40 40 公正な評価・ 報酬システム グローバルな 人材配置 多様な文化・ 制度の尊重 55 職務とキャリア パスの明確化 (B)海外拠点の現地化 技術・ ノウハウの共有 国内採用 人材の育成 (A)海外拠点を日本人が主導 (C)グローバルに最適化 日本国内で の 外国人採用 (B)海外拠点の現地化 コミュニケーション 環境の整備 社員との対話 (A)海外拠点を日本人が主導 (B)海外拠点の現地化 (C)グローバルに最適化 タイプA:海外に生産・販売等の拠点を構築し、日本人幹部等が主導する経営・運営を行っている タイプB:海外拠点の現地化(経営者・幹部等に現地の人材を登用する等)を行っている タイプC:グローバルな視点から最適な製品開発、製造・販売活動、人材獲得、資源配分等を行っている 「海外拠点ある」企業168社をベースにした偏差値の、3タイプ別の平均値