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八幡浜中央地域農業改良普及センター西予普及室だより(全文)(PDF
平成 17 年 1 月 第 71 号 せいよ普及室だより 八幡浜中央地域農業改良普及センター西予普及室 発 行 西予市宇和町卯之町4丁目445番地 TEL(0894)62-0407/FAX(0894)62-5543 e-mail:[email protected] 農村女性の起業活動を支援します! 西予普及室では、ITの活用と起業家のネット ワークをとおして都市への情報発信や規模拡大を 図り、女性の起業活動の高度化を支援するため、 平成 16∼17年度の2年間、 「農村女性起業e− ビジネス化支援事業」を実施しています。 起業活動に必要な食品衛生や原価計算に関する 知識や技術の向上と、パソコンを活用した経営管 理及び販売技術の習得をめざした講座を開設して います。 パソコン講座に参加して、 「出来るようには ならないが、出来ることがわかった。 」 「ラベ ルシールが印刷できて、感激!」など受講生 の声が聞こえてきました。中には手作りのシ ールでPRし、加工販売するグループも出て います。 1月には起業活動をPRするための起業活 動ネットワークや事例研修を含め2講座を予 定しています。 物を作るだけではない何か・・・女性が楽しみ、 地域とともに輝いて活動できるひとつと しての「起業活動」を考えてみませんか! 起業活動等お問い合わせは、西予普及室まで。 ITって?! IT:Information Technology・・・コンピュータやデータ通信 に関する技術を総称的に表わす語 1 平成 17 年 1 月 第 71 号 地域農業振興に向けて農業指導士からの声 ・金光 博隆 氏 農業者の高齢化が進んでいる中で、私の住む野村町においても、最近、酪農、タバコ 耕作者がリタイヤされるのが目立つようになりました。 一方では、数少ない後継者が中心になり、新しい形態での規模拡大を図っており、私 としても微力ながらも協力・助言をしたいと思います。 各戸の耕作地が点在している中で農地集積をどう図っていくのか、また国際化の進む 中で主要作目を守りながら、新しく付加価値のある農産物を取り入れる事が出来るか、 農家・行政・JA が一体となって取り組む必要があると思います。 ・松浦 愛子 氏 私は今の地域農業を思うとき、次の3つのことを特に強く思います。 まずは担い手についてです。少しでも多くの方に農業に興味を持ってもらおうと、我 が家では実習生を受け入れています。そして、若い方と交流をすることにより、自らも 学ぶこととしています。二つ目は、農業者として耕作されずに荒れた農地は見るに忍び なく、地域と一緒になって今後も増えるであろう遊休農地の活用・解消に取り組みたい ものです。 最後に、家族経営協定の推進による女性の積極的な経営参画です。女性の地位向上も 含め、前向きに経営に参画し、生き生き働く女性が一人でも多くなるよう共に頑張れた らと考えます。農業委員会に身を置きつつ、数少ない女性の視点で人と農地を見つめな がら、今後の活力ある農村形成に多少なりとも貢献できたらと考えます。 ・兵頭 幸男 氏 「農業者としての勉強がもっと必要!」 地域農業というのには、地域全体、そこに住んでいる人の意識が変わらなければなり ません。今までどおりのことをしていても、どうにもなりません。 「後継者がいない」 、 「高齢者が多くなった」という問題に、自分の代で終わりだから という個人的な意識があるのでは盛り上がってきません。地域という広い視野を持つ必 要があります。 そのためには、地域農業を引っ張るリーダーを育てることが不可欠です。認定農業者 協議会に入り、活動を充実させるのも大きなポイントです。せっかく農業者として認め てもらっているのだから、もっと勉強して、地域農業を集落農業としてやっていくこと が重要です。 行政もその道のプロを育てて下さい。農業者と一緒になって考え、行動する人が今こ そ必要でではないでしょうか。 2 平成 17 年 1 月 第 71 号 地域全体で法人化が進む 城川 川向地区 営農組織“魚成粋酔 Ag 里” 西予市城川町では、農地を維持振興するため、集落営農を推進しています。 その中で、中山間地における水田農業振興を図る営農組織「魚成粋酔 Ag 里(すいすい あぐり) 」を紹介します。 魚成粋酔 Ag 里は、平成 14 年に合理的な水田農業を行なうため設立され、現在 14 人の 構成員で 5ha の農地集積や作業受託に取り組み、水田を守っています。 平成 16 年は、平成 3 年に設立された当集落にある魚成脱穀乾燥調製組合の事業拡大を 含めた集落全体の農地を守るため、集落の合 意形成を図り、水田にエンドウを栽培するな ど生産性の向上を図っています。 また米をめぐる厳しい情勢を踏まえ、将来 の集落における水田農業のあり方を検討しな がら法人化への検討をしています。 本年は構成員が積み立てた研修費で優良事 例研修も実施し、法人設立が具体化される予 定で、近隣の農家や関係機関からも注目され ています。 明浜 脇・新田地区 特定農業団体“脇・新田農地ヘルパー組合” 西予市明浜町は、南予用水事業による多目的スプリンクラー営農が行われています。 脇・新田南予用水利用組合(108 戸)では、受益地における耕作放棄地の受け皿として 昭和 62 年に 6 人から成る農地委員会を設立し、5.5ha のかんきつ園地の利用集積が行わ れてきました。そして、昨年 10 月に特定農業団体“脇・新田農地ヘルパー組合”として 新たに独立した集落営農組織へと生まれ変わり、耕作放棄地の担い手だけではなく、価 格が低迷しているかんきつ以外の新たな作物に取り組むなど、かんきつ傾斜地農業地帯 の新たな営農形態として注目されています。 今年度は、極早生タマネギを導入し、相次ぐ台風で被害を 受けた 60 戸のかんきつ農家に農地ヘルパー組合が窓口とな りタマネギ苗を配布しました。又、樹園地にニワトリを放し 飼いにして採卵する放飼養鶏にも取り組み始め、今年は集落 の農家に親鶏と鶏小屋とセットにして配布することで放飼養 鶏を普及させる計画も立てています。 また、温暖な気候を活かした花木や野菜の導入を新たに図 りながら、明浜町の農家に新しい経営感覚を吹き込んでくれ ることが期待されています。 3 平成 17 年 1 月 第 71 号 新規就農者を応援します 新たに農業を始めようとする青年を対象に各種支援制度があります。 今回は、次代を担う若い農林漁業就業促進制度を紹介します。 ・就農研修資金償還免除事業(県、市) 農業大学校等で研修を受けるため就農研修資金を借り受け、卒業後、県内で就農し た場合、償還に必要な額を助成します。 ・高校奨学金返還助成事業(県、市) 高等学校在学中に奨学金を借り受け、卒業後、県内で農林漁業に就業した場合、返 還に必要な額を助成します。 詳細は、西予普及室まで問い合わせ下さい。 新しい年を迎えて 明けましておめでとうございます。皆様にはご家族お揃いで希望に満ちた新春を迎え られたこととお慶び申し上げます。 平素は農業改良普及事業の推進につきまして、格別のご理解とご協力を賜り厚くお礼 申し上げます。 農業を取り巻く環境は多くの課題を抱え、さらに食の安全性が問われる中、各政策課 題への適切な対応や、地域農業の振興に向け関係機関・団体と一体となって取り組んで いるところでございます。 昨年は相次ぐ台風の襲来により、農畜産物に多くの被害をもたらしました。普及室で は「農業災害対策推進班」を設置し農家の生産意欲の向上と産地復興対策の推進に努め ております。 また、農業従事者の高齢化・担い手不足・耕作放棄地が増加し集落の維持管理が懸念 される中、各地で集落営農の組織化に向けた取り組みが着実に進んでおります。 普及室といたしましても、特性を生かした営農システムの構築、地域農業の一層の発 展を目指して、食の安全性を重視した高品質な農畜産物の生産、米政策改革の推進、男 女共同参画社会づくりの推進に向け農家の皆さんのニーズに的確に対応できるよう、新 たな決意で取り組んでいく所存でございますので皆さんのご支援、ご協力を賜りますよ うお願い申し上げ新年のご挨拶と致します。 室長 柿 内 重 樹 4