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第1章 原始・古代
第1章 原始・古代 1 文化のあけぼの (1) 旧石器時代 1万年以前の更新世(洪積世) 大陸とは陸続きで,オオツノジカやナウマン象なども生息した。 打製石器(旧石器)のみで土器はなし。 狩猟や採集経済で,狩猟には石器を棒の先端につけた突き槍,投げ槍を使用した。 岩宿遺跡(群馬県)の発見(1949年・相沢忠洋が発見) (2) 縄文時代 前8000年(1万年前)~前3Cの完新世(沖積世)-大陸と分離 → 日本列島形成 磨製石器(新石器)と縄文土器(深鉢形・厚手・黒褐色・低温度で焼いた) 骨角器,狩猟・漁撈の採集経済 縄文時代の遺跡-大森貝塚(東京都・モースが発見) ・三内丸山遺跡(青森県) 堅穴住居 無階級社会(身分差・貧富差がまだない) 呪術的社会(アニミズム)-土偶(女性をかたどる) ・石棒(男性の象徴をかたどる) 抜歯(通過儀礼として行う) ・屈葬(死者が蘇るのを防ぐため) (3) 弥生時代(前3C~紀元3C) 稲作の開始 低地定住-竪穴住居・高床倉庫 たかつき 弥生土器-壺形・高杯形など,赤褐色,薄くて固い。高温で焼いた。 社会生活(身分差・貧富差が発生,指導者の出現) どうたく どうほこ どう か 金属器使用-青銅器祭器(銅鐸・銅剣・銅矛・銅戈) ・鉄器の使用 よ し の が り 集落同士の対立→ 環濠集落(周りに濠や土塁を巡らした集落)-吉野ヶ里遺跡(佐賀県) と ろ から こ 登呂遺跡(静岡県) ,板付遺跡(福岡県) ,唐古遺跡(奈良県) (4) 小国家分立 ◎ ポイント 中国の史料とあわせて整理する。まず中国の王朝名を覚えることが肝要である。 前漢・後漢-三国時代-南北朝-隋-唐-宋-元-明-清-(中華民国) -(中華人民共和国) (日本史に関連するのは前漢時代から。中華民国は国共内戦後,台湾に移った) - 1 - 史料1 紀元前1世紀の頃の日本 わ 夫れ楽浪郡中に倭人有り。分かれて百余国を為す。歳時を以って来たり献見すと云ふ。 (漢書地理志。紀元前1世紀の頃の日本に関する記述である。日本は百余りの小国に分かれて ちょうこう おり,定期的に中国に朝 貢 していると書かれている) 史料2 倭の奴国 なのくに いんじゅ 建武中元二年,倭の奴国,奉貢朝賀す。使人自ら大夫と称す。倭国の極南界なり。光武賜ふに印綬 を以ってす。 (後漢書東夷伝。紀元1世紀の頃の日中関係を示す文献である。57 年倭の最南端にある奴国が かんのわのなのこくおう 中国に朝貢しに来た。光武帝は奴国に「漢 委 奴 国王」の金印を授けたと書かれている) やまたいこく 史料3 邪馬台国 ひ み こ 倭国乱れ,相攻伐すること歴年,乃ち共に一女を立てて王となす。名づけて卑弥呼といふ。鬼 道を事とし,よく衆を惑わす。 (魏志倭人伝。3世紀の頃の日本に関する記述である。日本国内は長い間戦乱が続いたが,女王 を立てて収まった。名を卑弥呼といい,呪術をよくして人民を従えたと書かれている)卑弥呼は邪 馬台国という 30 余りの小国の連合国の女王で,魏から「親魏倭王」の称号と金印紫綬を授かった。 2 大和政権(4世紀頃の国土統一) (1) 氏姓制度 おおきみ 大和政権は大王を中心とする氏姓制度の下に,各地の豪族を従えて全国を支配した。 氏=豪族の血縁的結び付きで,氏上(首長)が氏人を統率し,大和政権の職務を分担した。 おみ むらじ きみ あたえ 姓=大王を中心とする政治的身分秩序(臣・ 連 ・君・ 直 )→ 豪族の官僚化 おおおみ おおむらじ とものみやつこ とも しなべ [中 央] 大王-大臣・ 大連 - 伴造 -伴-品部 [地 方] くにのみやつこ あがたぬし 国造 ・ 県主 (2) 経済基盤(私地私民制) 私 有 地 み や け 朝 廷 屯 倉 豪 族 田 荘 た ど こ ろ 私有民(部民) た べ なしろ こしろ 田部・名代・子代 か き べ 部 曲 - 2 -