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Xerium President and CEO Harold Bevis

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Xerium President and CEO Harold Bevis
チャイナ PPI、ゼリウム社長兼 CEO のハロルド・ベヴィス氏にインタビュー
【第 1 部】: 歴史と位置づけ
チャイナ PPI:本日は「チャイナ・パルプ・アンド・ペーパー(チャイナ PPI)」のインタビューに応じていただき
ありがとうございます。ゼリウムの著名ブランド、例えばハイク.ワグナーPMC やストウ・ウッドワード・ロー
ルカバーの製品は中国の多くの製紙工場で使用されていますが、親会社であるゼリウムの知名度は、中
国の製紙業界ではそれほど高くはありません。そこでまず、ゼリウムの紹介をお願いできますでしょうか。
特に会社の歴史、ハイク.ワグナーやストウ・ウッドワードとの関係について教えていただけますか。
ハロルド・ベヴィス: ゼリウムのルーツは、今から 2 世紀以上前にさかのぼるオーストリアのグログニッツ
工場にあります。現在もグローバル市場向けに PMC 製品を製造しているこの工場は、過去 200 年間に
おける数々の変化を経て、今なお世界で最高の品質かつ規模を誇る PMC 工場の一つと位置付けられて
います。ゼリウムは過去 2 世紀の間に多数の企業を買収し、さまざまな国に進出してきました。それら企
業の社名とブランド名は非常に強かったため、ゼリウムはそれらを継続して使用して来ました。ハイク.ワ
グナーとストウ・ウッドワードはどちらも買収した会社の「古くからの」名前ですが、顧客が好んでいたため
製品名やブランド名として残されました。その後、北米のブランド、ウィーブエックスも加わりました。
チャイナ PPI: おっしゃるとおり、ハイク.ワグナーとストウ・ウッドワードはどちらも 1 世紀以上の歴史を持
つブランドです。ゼリウムは、社名こそ比較的新しいものの、長い歴史と共に大きな活力を持つグローバ
ル企業です。ブランド名は、社名のゼリウムではなく、ハイク.ワグナーとストウ・ウッドワードを使い続けて
きました。これはゼリウムが世界各地で常に行うブランド戦略ですか。
ハロルド・ベヴィス: ゼリウムは自社ブランドの再構築を進め、顧客が分かりやすい第二のブランド名を
作ろうとしています。現在、ゼリウムのお客様のほとんどが複数の製品やサービスを購入します。そのた
め強いブランド名が従来よりも障害になっています。当社は取引相手にとって、複雑でない、分かりやす
い会社でありたいのです。
チャイナ PPI: 大小のサプライヤーが存在し、ここ数年ではメッツォやフォイトペーパーも買収や投資によ
って参入してきたことから、ハイク.ワグナーPMC とストウ・ウッドワード・ロールカバーの製品が取引され
る市場ではどちらも競争が激化しています。このような市場でゼリウムは自社をどのように位置付け、競
争力を維持しているのでしょうか。
ハロルド・ベヴィス: ゼリウムは PMC とロールカバーのグローバルリーダーです。フォイトとメッツォは両
社とも非常に優れた競争相手ですが、ゼリウムは PMC とロールカバーでは世界第 2 位のサプライヤー
です。私たち 3 社はいずれも顧客に対して明確な価値のある提案を行っています。ゼリウムが力を入れ
るのは機械の運転のトータルコストを最低限に抑えるソリューション、特にライフサイクルコストを最低限
に抑えるための製品設計です。当社のお客様には、他社製品を使う場合よりコストやエネルギーを節減
していただきたいのです。当社は 1 世紀以上もの間これに取り組んできました。その価値に対するニーズ
は無限であり、それゆえに当社は非常に長い間存続し、多種多様な機械についての深い経験を積んでき
ました。
【第 2 部】: ゼリウムの画期的な業界改革の手法
チャイナ PPI: 世界の製紙業界の現状や動向をどのように見ていますか。数年後に大きな変革が起こる
可能性はありますか。製紙業界はどの方向に変わるのでしょうか。
ハロルド・ベヴィス: 世界の紙・板紙市場は年に数%ずつ成長しています。ただし、その成長率も紙質や
地域によって一様ではありません。成長を促す主な要因は、GNP、一人当たり GNP、持続可能性です。
ipad や電子書籍リーダー、電子通信によって、世界全体の印刷・出版市場セグメントは衰退していくでし
ょう。しかし、他のセグメントでは現在のような力強い成長が見られると思います。また、特定の国の経済
的繁栄が通貨変動を引き起こし、それが輸出市場を動かすでしょう。製紙業界の勝者と敗者は、ビジネス
戦略、ファイバーコスト、エネルギーコスト、輸送コストによって決まります。今後も中国は傑出し、成熟し
た欧州・北米市場は力強く堅調に推移するでしょう。
ゼリウムは製紙以外の市場でも重要な事業を展開しています。これらの市場はどれも成長しており、その
中で最も大きいのは不織布材料と建材の市場です。
チャイナ PPI: ゼリウムが将来の業界変革に合わせてグローバル戦略を調整することになると思います
か。どのような革新的手段を採るのでしょうか。
ハロルド・ベヴィス: ゼリウムは品質でも地域でも将来の市場で勝つことができるように会社全体をしっか
りと連携させています。製品ポートフォリオを堅調な紙・板紙セグメントに合わせ、迅速なサービスを提供
するため工場立地を顧客に近付け、顧客に応じた人的資源を確保し、製品ソリューションを改善するため
積極的な発明と投資を進めています。
チャイナ PPI: 世界の製紙業界の変革と省エネや排出削減が求められる限り、ゼリウムは新しい技術を
導入して製紙工場の需要に対応するということでしょうか。その新しい技術は製紙工場にとってどのよう
に役立つのでしょうか。
ハロルド・ベヴィス: ゼリウムが PMC とロールカバーに関して取得した特許や申請中の特許は 370 件を
超えます。ゼリウムの知的資本の大半は省エネ、コスト削減、炭素排出量の削減に対応するものです。こ
れは当社の研究開発戦略とイノベーションチームの中核であり、当社が提供する製品とサービスのうち
世界最大のものの一つです。例えば、スマートロール・テクノロジー・プラットフォームは特別設計のニッ
プ・コントロール製品としては世界一です。製紙会社が品質管理とコスト最適化を実現するためにスマー
トロール以上のソリューションはありません。
チャイナ PPI: PMC やロールカバー製品を抄紙機に提供するリーディングサプライヤーとしては、現在の
技術のさらなる高度化に向けて研究開発を進める必要があります。ゼリウムは PMC やロールカバー製
品の研究開発方針をどのように決定するのですか。
ハロルド・ベヴィス: 社内には私に直属する研究開発リーダーがいて、エンジニアや科学者をすべてそろ
えた大規模なグローバルチームと 3 カ所のグローバル研究開発センターがあり、そこで多数の新製品プ
ログラムを進めています。私たちは継続して製品高度化計画を立ててプロジェクトの準備をし、年に何度
か自己評価を行い、必要に応じて調整します。発明はしっかりした予定を組むことが難しいので、忍耐や
再検討、創造性、実地試用、投資、法的保護、顧客照会、十分に練られた計画が求められます。社内で
は多数の研究開発プロジェクトが進行中で、内容は話せませんがとても活気に満ちています。
【第 3 部】: 中国における戦略と計画立案
チャイナ PPI: ゼリウムは最近、欧州と北米の製造工場をいくつか閉鎖して中国などコスト競争力のある
国や地域に工場を建設すると発表しました。350 トン・プレスフェルトの増産はどこで行う予定ですか。中
国ではこれまでどのような進展がありましたか。その現状はどうでしょうか。
ハロルド・ベヴィス: ゼリウムは何十年も前から中国で圧倒的な市場シェアを保っており、多数の従業員
を雇用しています。当社製品は世界各地の工場から中国市場に出荷していますが、アジアにも 4 つの工
場があり、そのうち 2 つは中国にあります。ゼリウムの中国本部は上海、2 つの工場は常州と西安にあり
ます。現在は中国で 3 つ目となる工場の用地評価に入っています。このプロジェクトは進んでおり、リード
タイムの長い主要機械は発注済みです。現在、当社工場は全世界で 28 カ所あり、多くの国でプレスフェ
ルトの成長機会が期待されています。そのため、世界各地でプレスフェルトを増産する計画が進行中で
す。
チャイナ PPI: 中国の製紙市場のキャパシティや既存の主要な問題をどのように考えていますか。ゼリウ
ムのグローバル戦略では中国をどのように位置付けていますか。中国はどのような役割を果たすのでし
ょうか。
ハロルド・ベヴィス: 中国の製紙市場は大きく、非常に技術力の高い製紙会社のほかに比較的小規模な
製紙会社が多数ありますが、機械のエネルギー効率が低い状態です。中国政府は計画的な操業休止と
開始により非常に慎重にこの問題を是正しようとしています。これには感銘を受けています。中国の製紙
市場はファイバーの海外調達に大きく依存しており、これは中国市場に固有の実態です。ファイバーは製
紙業における最大のコスト要素の一つです。ゼリウムにとって中国は何十年も大事にしてきた市場・国で
あり、私たちはここでお客様と提携していることを誇りに思います。
チャイナ PPI: ゼリウムの次の投資方針と中国市場における企業成長戦略についてお話しいただけます
か。
ハロルド・ベヴィス: ゼリウムは 5 か年投資計画でバランスの取れたアプローチを採用しており、中国は
投資検討項目の中心です。当社は PMC とロールカバーへの投資において世界トップクラスの企業です。
投資の主な優先事項は、コスト削減、キャパシティと能力の拡大、新しい技術、当社従業員の安全、持続
可能なソリューションです。当社は世界中どこでもこの戦略を採用しており、それは重要な中国市場にお
いても同様です。中国のお客様は、高品質、高価値、期日内納品、オンサイトサービスを求めています。
当社は今後もこれらの要求に沿って前進し、中国で最も優れた PMC とロールカバーのプロバイダーであ
りたいと思います。
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