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学童期の子どもの健康と食生活
学童期の子どもの健康と食生活 −食生活の現状と学校における 食に関する指導のとりくみ− 長野県小県郡真田町立真田中学校 学校栄養職員 市 場 祥 子 1 .子どもの食環境と食生活の実態について ※ 平成12年度 児童・生徒の食生活等実態調査より ( 日本体育・学校健康センター実施 ) 調査対象 小学校5年生 5 ,754人 (1 ) 子どもをとりまく食環境の実態 ○ 就寝時刻と起床時の状況 ○ 朝食の欠食状況と欠食理由 ○ 朝食の摂り方 就寝時刻について(小学校) 40 % 37.2 30 23.6 20 17.0 10.6 10 7.4 21 21 22 22 30 00 : ∼ 30 : ∼ 00 : ∼ 30 : ∼ 00 : ∼ 30 20 20 21 21 22 22 0.0 23 23 0 0 1 00 30 00 : ∼ 20 0.1 : ∼ 20 0.3 : ∼ 19 0.7 : ∼ 1.5 0.1 : ∼ 1.4 : ∼ 0.1 30 00 23 23 0 0 1 0 : : : : : : : : : : : : 前 30 00 30 00 30 00 30 00 30 00 30 00 : ∼ ∼ 19 起床時の状態(小学校) 56 18 0% 20% すっきりと目がさめた 40% 26 60% 少し眠かった 80% 眠くて、なかなか 起きられなかった 100% 朝食の欠食状況(小学校) 10 20 4 2 ほとんど食べない 1週間に4∼5日 食べないことがある 1週間に2∼3日 食べないことがある 必ず食べる 0 % 100 84 80 60 40 朝食の欠食理由(小学校) 50 % 41 7 いつも食べない 朝食が用意されていない その他 食欲がない 太りたくない 時間がない 7 10 7 0 37 40 30 20 2 朝食の摂り方(小学校) 25 0% 56 20% 家族そろって食べる 家族のだれかと食べる 40% 7 60% 家族と食べたいが一人で食べる 家族とは別に一人で食べる 9 80% 3 100% その他 1 .子どもの食環境と食生活の実態について (2 ) 子どもの食生活の実態 ○ 嫌いな食べ物 ○ 好きな料理と嫌いな料理 ○ おやつの摂取状況と種類 嫌いな食べ物(小学校)(上位10食品) % 40 30 30 21 20 17 14 13 12 11 9 10 7 グリンピース たまねぎ しいたけ セロリー にんじん 内臓・レバー トマト ね ぎ な す ピーマン 0 9 % 11 22 22 7 4 4 4 みそ汁 刺 身 煮 物 カレーライス ポタージュスープ 12 11 15 14 カレーライス ラーメン 寿 司 焼き肉 ステーキ ハンバーグ パスタ ス(パゲティ ) グラタン・ドリア チャーハン サラダ 0 サラダ 野菜炒め なす料理 漬物︵キムチ︶ 焼き魚 5 5 10 5 5 0 10 20 % 25 50 13 24 26 15 30 30 20 19 39 40 嫌いな料理(小学校) 好きな料理(小学校) おやつの摂取状況(小学校) 30 0% 20 20% 40% ほとんど毎日食べる 1週間に4∼5日食べる 26 60% 24 80% 1週間に2∼3日食べる ほとんど食べない 100% おやつの種類(小学校) % 200 % 192 80 66 150 60 100 40 50 20 19 18 18 15 13 4 菓子類上位10種類 2 菓子類その他 2 寄せ物 2 カステラ・ケーキ 駄菓子 米 菓 おやつの種類 アイスクリーム あ め ビスケット・クッキー チョコレート 0 スナック菓子 その他 おやつの種類 8 牛乳・乳製品 10 嗜好飲料類 野菜・果実類 菓子類 0 16 パン・めん・飯類 16 33 2.食生活と不定愁訴との関係 「朝食欠食」と「つかれる」の関係(小学校) % 60 いつも感じる しばしば感じる 50 40 時々感じる 41 40 32 38 感じたことはない 39 36 33 30 20 26 23 16 13 7 10 9 6 ほとんど食べ ない 週4∼5日食べ ない 週2∼3日食べ ない 必ず食べる 0 22 20 「朝食欠食」と「目がつかれる」の関係(小学校) % 60 いつも感じる しばしば感じる 50 時々感じる 感じたことはない 40 30 32 30 29 26 28 20 32 27 29 25 25 21 23 23 13 19 19 10 ほとんど食べない 週4∼5日食べない 週2∼3日食べない 必ず食べる 0 「朝食欠食」と「何もやる気が起こらない」の関係(小学校) % 60 いつも感じる しばしば感じる 50 時々感じる 感じたことはない 40 34 32 34 30 29 31 24 24 20 13 10 29 28 15 27 22 21 8 ほとんど食べない 週4∼5日食べない 週2∼3日食べない 必ず食べる 0 31 「朝食欠食」と「イライラする」の関係(小学校) % 60 いつも感じる しばしば感じる 50 時々感じる 感じたことはない 40 37 34 31 30 29 29 29 24 31 27 20 26 22 20 16 16 13 17 10 ほとんど食べない 週4∼5日食べない 週2∼3日食べない 必ず食べる 0 3 .子 ど も の か ら だ の 健 康 状 態 は ○ 肥満傾向者の割合が増加 (貧血・視力低下・骨折等も増加傾向) ○ 食物アレルギー疾患や糖尿病が増加傾向 ○ 基礎体力や運動能力の低下 〈要因〉 生活習慣の乱れ 〈課題〉 「食生活を中心とした基礎・基本的な生活習慣 の改善」が特に緊急な重要課題 4 .子 ど も の 心 の 健 康 状 態 と 食 生 活 ○ 孤食、不規則な食事時間、家族そろって囲む 食卓の減少等が、子どもの心の成長に大きな 影響を与えていることが指摘されている。 好ましい食事環境と、3食そろった豊かな 食事内容が、子どもの心を健康にする 5 .正 し い 食 習 慣 形 成 の 重 要 性 ○ 学童期は基本的な食習慣が形成される時 期である。 ○ 一人一人が正しい食習慣の基礎基本を体 得しなければならない。 ↓ 食に関する指導(健康教育の中心)を充実して、 学校教育活動全体でとりくむ。 6 .学 校 給 食 を 中 心 に す す め る 食に関する指導 ※ 学校栄養職員が食の専門家として中心になってとりくむ ① おもな指導内容 ○ 将来の生活習慣病予防の基礎 ○ 社会性や協調性の育成 ○ 食に関する基礎・基本的な知識 ○ 自己管理能力の育成 ② 指導の場面 ○ 給食時間や集会等 ○ 個別的な相談指導 ◎ 教科・道徳及び特別活動へのとりくみ (テ ィ ー ム テ ィ ー チ ン グ や 特 別 非 常 勤 講 師 と し て ) ○ 家庭や地域との連携 ③ 対象となる教科の領域 小 学 校「家庭」の食物 「体育」の保健→健康な生活 ○ 保健は、小学校3年より小・中・高一貫し て生活習慣を扱う ○ 教材は、給食の食事内容とし、生きた教材 として扱う 7 .終 わ り に (食生活を中心にした健康教育のあり方として) 〈指導の成果をあげるために、食に関する指導を 推進する〉 ○ 学校栄養職員を活用した食 に関する指導を充実する。 ○ 関連する教科や道徳・特別活動等の横断的、総合的な 指導で基礎基本の徹底を図る。 (学 校 栄 養 職 員 は 、 そ の 食 の コ ー デ ィ ネ ー タ ー 的 役 割 も 担う) ○ 日本中のすべての子どもが、同じように食に関する指 導が受けられる体制の整備が必要。 (学 校 栄 養 職 員 が 指 導 力 を 充 分 に 発 揮 で き る 栄 養 教 諭 制度の実現)