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春の風景~アクリルガッシュを使って淡彩風に
芸術科(美術Ⅰ)学習指導案 広島県立呉工業高等学校 曽田 才訓 対象学年 第1学年 題 材 名 春の風景 ∼アクリルガッシュを使って淡彩風に∼ 題材について ○ 生徒観 生徒は中学校までに風景画制作の経験があり、中学校の美術授業の中で印象に残 っているという人気の題材である。絵画表現として「鉛筆で描くのは好きだけど、 色塗りは苦手!」という意識を持っている生徒が多い。溶き方の濃い絵の具で塗る ことにより鉛筆で描いた表現が消え形がずれて不安になり、意欲をなくしている。 そのような生徒が鉛筆表現を生かした淡彩画の描き方を経験することにより、完成 の喜びや達成感を味わい、絵画への関心・意欲・態度が高まるようにしたい。 絵画用具の基本的な使い方が理解できていない生徒がいる。高校で最初の題材な ので丁寧に指導することで今後の作品制作時に生徒が自信を持って使用できるよう にしたい。 ○ 題材観 この題材は絵画の内容である。絵画表現の中でも気軽に取り組むことのできる題 材である。また、絵画材料としての鉛筆とアクリルガッシュの多様な表現方法、基 本的なスケッチの技能を育てる。色についても色料の三原色、混色法について実践 の中で学習することができる。 題材設定の時期が入学して間もない気候の良い春なので自然の様々な表情の変化 を感じながらスケッチすることの楽しさ、身近な場所を様々な視点からじっくり観 察することでこれまで気付かなかった美を発見し、感動することにより、感性を高 めることができる。 ○ 指導観 指導にあたっては、身近な風景を自分なりの視点で観察し、どうトリミングして 画面に構成していくかを考えられるように導入での作品鑑賞や具体的な教師のスケ ッチ法、体験談などを紹介する。色についても理論的な内容だけにならないように 身近なことを例に挙げて分かりやすく説明するよう努める。作品制作時、個別にア ドバイスをして作品制作のプロセスを理解させ、気軽に風景をスケッチする楽しさ を感じさせるとともに生涯にわたって美術を愛好する心情を育てていきたい。 4 題材の目標 ○見る視点を工夫して身近な風景を観察することにより、自分なりの見方を発見し、ど のようにして絵画表現するのかを考えさせる。 ○淡彩画の表現方法を実践する中で色料の三原色、混色の原理、用具の使い方を理解さ せ,主題を明確にしながら工夫して表現させる。 5 題材の評価規準 A 表現 B 鑑賞 1 2 3 ア関心・意欲・態度 イ 芸術的な感受や 表現の工夫 ウ 創造的な表現の 技能 オ 鑑賞の能力 態度 ①鉛筆表現が生かせる ①春の自然の表情を感じ ①教科書や画集、 ①友達の作品を鑑 淡彩画表現に関心を 自分なりの視点で観察 筆の多様な表現方法 、 先輩、友達の作品 賞し、よさや美し 持ち、スケッチを経 し、よさや美しさを感 アクリルガッシュの を鑑賞し、作家の さを感じ取る。ま 験する中で自己の表 じ取り、モチーフを発 生かし方、基本的な 様々な視点と表現 た、それぞれの視 現を追求し、完成の 見する。 スケッチの技能、実 に関心を持ち、ど 点と主題を生かす ②モチーフをどのように 践の中で学んだ色料 う工夫しているか ための表現をどう ②アクリルガッシュを トリミングし、どう画 の三原色、混色方法 味わおうとする。 工夫しているか味 淡彩画表現として積 面に構成すれば主題が を自己の表現に生か わい、自分の価値 はっきりするのか構想 す。 意識を持って相互 喜びを味わう。 極的に活用している 。 ①絵画材料としての鉛 エ関心・意欲・ を練る。 理解する。 -1- 6 指導計画 (全10時間) 次 1 学習内容(時数) (導入・用具の整理) 様々な視点で風景を描いた 作品を鑑賞し 、よさや美しさ 、 表現の工夫に気付く。 購入用具 、材料を整理する 。 (2) 評 価 関 発 創 鑑 評価規準 ◎ エ①教科書や画集、先輩の作 品を鑑賞し、よさや美し さ、作家の様々な視点と 表現に関心を持ち、どう 工夫しているか味わおう とする。 ア①鉛筆表現が生かせる淡彩 画表現に関心を持つ。 ○ 2 (モチーフ探し・スケッチ) ◎ 校内の決められた範囲でモ チーフになる風景を探し、自 分なりの視点でクロッキー帳 に簡単なスケッチを数枚する する 。(2) ◎ ( 色紙に鉛筆でスケッチ ) 色紙の縦横の比率を考 えて構成やトリミングを 3 工夫し、自己の表現につ ながるよう、色紙に鉛筆 で固有色や光と影を意識 しながら描く 。(2) 4 5 (色の学習・彩色) ○ 色が持つ情報伝達性と 感情効果を知り 、三原色 、 混色について着彩する中 で理解する。鉛筆表現を 生かした淡彩表現になる ように工夫する。 (3) 本時1∼2/3 ◎ (完成作品鑑賞) お互いの作品を発表し 合い、自分なりの視点や 表現の工夫を発表するこ とでよさや美しさを味わ い自分の美的価値観を形 成していく 。(1) 評価方法 ワークシー ト 行動観察 (発言) イ①春の自然の表情を感じ、 自分なりの視点で観察し、 モチーフを発見する。 イ②モチーフをどのようにト リミングし、どう画面に 構成すれば主題がはっき りするのか構想を練る 。 作品 行動観察 ◎ イ②モチーフをどのようにト 作品 行動観察 リミングし、どう画面に 構成すれば主題がはっき りするのか構想を練る。 ウ①絵画材料としての鉛筆の 多様な表現方法、基本的 なスケッチの技能を学 び、自己の表現に生かす。 ◎ ア①スケッチを経験する中で 自己の表現を追求し、完 成の喜びを味わう。 ウ①絵画材料としてのアクリ ルガッシュの生かし方や 実践の中で学んだ色料の 三原色、混色法を自己の 表現に生かす。 ア②アクリルガッシュを淡彩 画表現として積極的に活 用している。 作品 行動観察 ◎ オ①友達の作品を鑑賞し、よ 発言メモ 作品 感想文 ◎ さや美しさを感じ取り、 それぞれの視点と主題を 生かすための表現をどう 工夫しているか味わい、 自分の価値意識を持って 相互理解する。 -2- 7 本時の展開 (1)本時の目標 ○色が持つ情報伝達性と感情効果を知り、三原色、混色について着彩する中で実践的 に理解する。 ○アクリルガッシュの淡彩表現、用具の使い方を習得し、自己の表現としての可能性 を探る。 (2)準備物 教師・・色彩資料、参考作品、ビデオ 生 徒 ・・ ク ロ ッ キー 帳 、 教 科 書、 筆 記 用 具、 鉛 筆 、 アク リ ル ガ ッ シュ セ ッ ト、色 紙 (3)学習の展開 学 習 活 動 指導の留意事項 評 価 規 準 評価方法 1 導入 前回までの生徒そ ・ 本 時 の 制 作 計 画 を れぞれの進度を考え 、 立てる。 本時の活動内容を明 確にし、見通しを持 たせる。 ・条件を考えながら 本時の制作条件を クロッキーする。 与える。 2 展開1( 色について ) ・日常生活を振り返 って色が情報伝達 の意味を持ってい ることに気づく。 ・色の持つ感情効果 に気づき、色の分 類について知る。 ・色の三原色、混色 方法について知る 。 ・淡彩画の用具の使 い方、技法を確認 する。 身近な事柄を例に 挙げ 、興味を喚起し 、 意欲を高めるように 工夫する。 考えさせ、意見を 引 き 出 す よ う に 発 問 ウ ① 絵画 材料と して のア を工夫する。 クリルガッシュの表 三原色にしぼって 現の多様性や生かし 話をする。 方、実践の中で学ん 全員が短時間で視 だ色料の三原色、混 覚的に理解できるよ 色方法を自己の表現 う自作教材ビデオを に生かす。 使用する。 ア ① 鉛筆 表現が 生か せる 淡彩画表現を自己表 展開2(作品制作) 進度の開きがある 現として追求してい ・ 作 品 を 彩 色 す る 中 ので個別に指導する。 る。 で色の性質、混色 ア ② アク リルガ ッシ ュを について理解する。 淡彩画表現として積 極的に活用している。 3 片づけ・清掃 ・各自で作品、用具 の片付けをする。 教室を大切に使用 する意識を育てるた めに机の上の水、汚 れの掃除など徹底し て指導する。 4 まとめ 生徒それぞれの進 ・本時の自分の活動 度を把握し、本時と を振り返り、次時 次時の活動内容に関 への意欲を高める 。 連 を も た せ て 話 を す る。 -3- 行動観察 発言 作品 行動観察 作品 行動観察 作品