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F24 : Makin’ Moves 03 2014.10.17 デザインのこと 1. アートとデザイン 2. 近代デザインの系譜 3. バウハウス 4. メディア・アート? 5. モノ作りの日常化 6. デ・ステイル 7. 建築と椅子 8. デザイン・マップ 9. 来週までの宿題 アートとデザイン アートとは普遍的な美の追求であり,自然の模倣が 原点にある. → 人間にとって必要不可欠というわけではない. デザインは日常的なもの. 生活を豊かにすることが原点にあり,元々は建築に 根差した教育から現代のデザインは出発している. デザインは合理性に基づいていなければならない. 見せるものと使うもの アートは見せる(見てもらう)もの. デザインは使う(使ってもらう)もの. ドイツの機能主義が台頭する以前のデザインは装飾 的で,アート寄りの性質が強いものだった. ex. アーツ&クラフツ運動,アール・ヌーヴォー. バウハウス以降は現代に連なる役割のデザインへと 推移. アートからデザインへ デザインが最初からあったわけではなく,アートの 派生として誕生した. ウィリアム・モリスによるアーツ&クラフツ運動は, 産業革命以後のイギリスの室内装飾を工芸的手法に より豊かなものにした. デザインの役割はあくまで生活を豊かにすることに あったので,アート的要素は徐々に薄まり,機能的 な部分に比重が移ってゆく. バウハウスの誕生 1919年,ドイツのヴァイマルに設立された総合的 な造形教育機関. 絵画,写真,彫刻,テキスタイル,舞台など様々な 表現形式を統合し,最終的に建築へと集約するよう に構成されたカリキュラム. それぞれの課程に<マイスター>と呼ばれる教授陣 を配していた. 結果的にデザインの基盤を作ることとなる. バウハウスの変遷 1919年:ヴァイマル 1925年:デッサウ 1932年:ベルリン 1933年:ナチスにより閉校. 米国へ亡命したモホイ=ナジを中心として1937年, シカゴにニュー・バウハウスを設立. 以後,シカゴの都市建築に多大なる貢献をした. メディア・アート? 現在,アートとデザインの境界は再び曖昧なものと なりつつある. → テクノロジーの導入,発展に因る. それらはメディア・アートと呼ばれることが多いが, メディア・アートとは何だろうか? 当初は古典的な表現手法以外の,新しい手段による 表現を指していた. ex. 映像によるヴィデオ・アートなど. メディアを作る メディア・アートは,メディアそのものを作る試み. 表現の手段ではなく,形式の問題. 現代のモノ作りがその可能性を拡大させている. アートやデザインなど,カテゴライズの制約を受け ない. モノ作りの日常化 術としてのアートがテクノロジーの発展で日常的な ものへ. 工芸的要素が薄れたことで,アートやデザインなど の類型化に大きな意味がなくなった. 誰もがモノ作りに携われる可能性の拡大. かつて<どう作るか>は個人の技術に依存していた が,今後は<何を作るか>がより重要となる. 人工物の美しさとすごさ 現代のモノ作りによる人工物をどう評価すべきか? 人工物の美しさは一義的. → 美しいと判断するかどうかは個人的なもの. すごさ(による驚き)はいくつかの種類がある. → 実物を確認した実感. → 技術的に高度である. → 仕掛けがわからない. デ・ステイル (De Stijl) 1917年から1931年まで活動した造形集団. ピエト・モンドリアンによる新造形主義を軸として 活動を開始したが,テオ・ファン・ドースブルフの 建築重視の方向性により,モンドリアンは1925年 に離脱. 1928年まで雑誌も刊行,グループ消滅後も様々な デザイン多大な影響を及ぼした. バウハウスでの教育内容にも影響を与えた. Rood-blauwe stoel (1918) Gerrit Rietveld (1888-1964) Mondrian Look (1955) フランスのファッション・ デザイナー,イヴ・サン= ローランによるドレス. モンドリアンの垂直,水平, 赤,青,黄による絵画作品 を引用したもの. Dick Bruna (1927-) デ・ステイルの影響を 受けたデザイナー. ナインチェ・プラウス というキャラクターを デザイン,その絵本が 世界中でベストセラー となった. Nijntje Pluis (1955) 建築と椅子 人間の生活を考えた場合,人間の身体と<住>との 関係が一つの基準となる. <住>の根幹をなす建築を学ぶということは,人間 の身体についても学ぶことを意味する. <住>における道具の代表としての椅子は,建築を 学ぶ上での基本になる. 椅子の延長上に建築はあるので,建築家のデザイン した椅子に名作が多い. Barcelona Chair (1929) Lidwig Mies van der Rohe (1886-1969) 可動性を含む椅子の提案 椅子とは何か,椅子を定義付ける要素を書き出す. それぞれの要素と関連する動作やものをグループに 分類する. 具体的な素材も考えてみること. 分類されたグループ内の要素を組み換えて,今まで にないような椅子の構造/機能を考える. 実際にどんな椅子になるか,図で描いてみる. デザイン・マップの作成 題材を構成要素に分解し,それぞれをリストアップ したら,それらをグループ分けし,各項目別に互い に関連するもの同士を結びつける. どのように結びつくか,どのような関係性があるか を確認し,その上で新しい要素を加えたり,または 削ったりしてみる. これは設計図を描く前の,地図を作成する作業. 地図が更新されるように,繰り返し書き換えながら アイデアを練り固めてゆく. 来週までの課題 新しい椅子の提案を,デザイン・マップの作成した 上で,なるべく具体的に設計してみる. 漠然としたアイデアではなく,手順を踏まえた上で 作品案を発想するトレーニングとして取り組むこと. 三つ程度の具体案を考え,企画書と同じように言葉 も添えてまとめ,Facebookにアップする.