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Shaping the Future with Printing Technologies - in

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Shaping the Future with Printing Technologies - in
アニュアルレポート 2013
「印刷テクノロジー」
で拓く未来
Shaping the Future
with Printing Technologies
トッパンと
「印刷テクノロジー」
の1世紀
最先端の銅凸版印刷を日本の印刷文化に導入するべく1900年に創業して1世紀あまり。
トッパンは絶えず最新技術を開拓しつつ事業領域を拡大し、印刷・製版に内在する豊かな可能性を追求してきました。
一見すると互いに無関係にも思える、
トッパンの幅広い事業領域。
それらはすべて、印刷の過去・現在・未来をつなぐ歴史の証言です。
業界が転換期を迎え、持続的成長へ向けた
「変革」
が求められる今、
私たちは改めて先達の足跡に想いを馳せ、その
「挑戦」
のDNAを受け継ぐ決意を新たにしています。
グーテンベルク以来、人類の文化や社会に大きな変革をもたらした印刷。
トッパンはこの印刷を通じて培った技術をベースに
独自のソリューション体系
「印刷テクノロジー」
へと進化させました。
電子出版や教育システムからBPO、ICカード、遺伝子解析システムまで。
GLフィルムやカートカンから液晶カラーフィルタ、有機ELディスプレイまで。
エレクトロニクス
1959
(昭和34年)
トッパンは常に未知の領域の扉を開き、新たな価値創造に挑み続けます。
撮像管用
カラーストライプ
フィルタの開発
1971
(昭和46年)
証券印刷
1902
(明治35年)
ビジネスフォーム
1955
(昭和30年)
出版印刷
板橋工場竣工
コンピュータ組版(CTS)実用化
1907
(明治40年)
1938
(昭和13年)
1970
(昭和45年)
創業
1900
(明治33年)
海外駐在員事務所開設
1964
(昭和39年)
1900
1910
1920
1930
商業印刷
1940
1950
1960
1970
サービスセンター
1901
(明治34年)
(現トッパンアイデアセンター)設立
1961
(昭和36年)
紙器
1900
(明治33年)
軟包材
1926
(昭和元年)
建装材
1956
(昭和31年)
Contents
2 連結財務ハイライト
4 セグメント別製品・サービス概要
6 セグメントハイライト
8 株主・投資家の皆さまへ
10 社長メッセージ
16 [ 特集 ]
トッパンの成長力の源泉
統合的かつ多面的な価値を創造する
「印刷テクノロジー」
28 セグメント情報
トッパンフォトマスクス設立
29 情報・ネットワーク系事業
33 生活環境系事業
2005
(平成17年)
36 エレクトロニクス系事業
38 2012年度のトッパンの活動
ICビジネス
40 トッパンの企業像
2003
(平成15年)
42 コーポレート・ガバナンス
ICチップインカード開発
44 取締役および監査役
1983
(昭和58年)
46 トッパンの社会的責任活動
52 主要連結子会社および関連会社
56 海外ネットワーク
総合電子書籍ストア
「BookLive!」
オープン
58 事務所一覧
2011
(平成23年)
59 財務セクション
76 会社情報および株式の状況
トッパン小石川ビル竣工
2000
(平成12年)
印刷博物館
1980
1990
2000
トッパンホール
2010
2020
編集方針
総合研究所竣工
2013年版アニュアルレポートは、機関投資家との対
1986
(昭和61年)
話によって得られた知見を基に、創業以来、
トッパンが
培ってきた強みである
「印刷テクノロジー」
をベースと
消費行動研究室全国展開
して、統合的な視点で当社の活動や成長戦略を報告し
1985
(昭和60年)
ています。また、社会とのかかわりという視点のもと、
CSR(企業の社会的責任)に対する考え方・活動を、
ITビジネス
1996
(平成8年)
電子チラシポータルサイト
「Shufoo!
(シュフー)
ー)
」
2001
(平成13年)
ISO26000に沿って紹介しています。企業活動を通じ
て社会課題の解決をめざしている当社へのご理解の
一助となりましたら幸いです。
なお、財務状況に関するより詳しい情報については、
カートカン
販売開始
太陽電池
バックシート開発
1996
(平成8年)
2008
(平成20年)
有価証券報告書をご覧ください。
*本文中の敬称は省略しています。
*本文中の商号および製品・サービス名称は、
GLフィルム開発
深谷工場増床
1988
(昭和63年)
2011
(平成23年)
環境配慮型の建装材を開発
各社の商標または登録商標です。
*本文中の書体は、ユニバーサルデザインの観点から
UDフォントを使用しています。
1995
(平成7年)
Toppan Annual Report 2013
1
連結財務ハイライト
凸版印刷株式会社および子会社
3月31日に終了した会計年度
2009年
2010年
2011年
会計年度
売上高
¥ 1,617,341
¥ 1,506,751
¥ 1,556,457
営業利益
29,186
38,238
45,009
税金等調整前当期純利益
11,281
31,062
32,097
当期純利益
(7,731)
11,703
12,153
総資産当期純利益率
(ROA)
(0.5%)
0.7%
0.7%
自己資本当期純利益率
(ROE)
(1.0%)
1.6%
1.6%
営業活動によるキャッシュ・フロー
¥
投資活動によるキャッシュ・フロー
136,752
¥
(126,244)
財務活動によるキャッシュ・フロー
104,340
¥
(72,933)
5,870
96,894
(46,883)
(29,498)
2,812
1株当たりデータ
(円)
1株当たり当期純利益
¥
(11.87)
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
1株当たり配当金
研究開発費
¥
¥
18.18
¥
18.89
̶
18.17
̶
22.00
22.00
18.00
28,792
¥
24,416
¥
23,445
設備投資
92,023
68,064
65,020
減価償却費
92,722
87,450
82,940
総資産
¥ 1,681,746
¥ 1,665,695
¥ 1,694,329
純資産
867,739
874,027
864,017
自己資本比率
44.0%
44.8%
43.3%
有利子負債比率
46.4%
43.2%
46.1%
会計年度末
売上高および
1株当たり配当金
(DPS)
および
純資産および
営業利益率
1株当たり純利益
(EPS)
自己資本当期純利益率
(ROE)
18.0
18.0
28.90
5.0
10
2.5
500
2.9
2.5
1.8
2.1
0
10年
11年
12年
13年
□■ 売上高
営業利益率
2
Toppan Annual Report 2013
888.4
866.2
2.5
500
1.6
18.89
0
4.77
2.5
1.6
250
0.0
0.4
△1.0
△11.87
0
09年
5.0
20
18.18
5
2.1
750
7.5
40
15
1,000
60
[%]
1,000
864.0
22.0
20
[十億円]
874.0
80
867.7
[円]
25
18.0
7.5
[円]
22.0
1,502.3
10.0
1,510.4
1,500
1,556.5
[%]
1,506.8
2,000
1,617.3
[十億円]
△20
0
09年
10年
11年
12年
13年
□■ 1株当たり配当金
(DPS)
1株当たり純利益
(EPS)
0
△2.5
09年
10年
11年
12年
13年
□■ 純資産
自己資本当期純利益率
(ROE)
単位:百万円(1株当たりデータ除く)
2013年
2012年
増減率
(%)
2013年
¥ 1,510,415
¥ 1,502,308
-0.5
31,555
32,092
1.7
8,807
38,849
341.1
3,068
18,562
505.0
0.2%
1.2%
¥
¥
83,457
1兆 5,023億円 321億円
当期の売上高は、前期に比べ0.5%減の1兆5,023億円となりま
した。事業セグメント別では、情報・ネットワーク系、生活環境系
事業では増収となったものの、
エレクトロニクス系事業では減収
となりました。
減益でしたが、
エレクトロニクス系事業では増益となりました。
24.1
(52,139)
̶
7,051
̶
4.77
¥ 28.90
505.9
̶
̶
̶
18.00
18.00
0
20,689
-3.8
66,814
76,827
15.0
80,923
67,965
-16.0
¥ 1,586,823
¥ 1,633,066
2.9
(89,755)
営業利益
営業利益は、前期に比べ1.7%増の321億円となりました。事業
103,596
(89,031)
売上高
セグメント別では、情報・ネットワーク系、生活環境系事業では
2.5%
0.4%
経営成績の説明
1株当たり配当金
(DPS)
18円00 銭
当期の期末配当は、1株当たり9円00銭といたしました。
これに
¥
¥
¥
21,496
より中間配当
(1株につき9円00銭)
と合わせて、1株当たり年
間配当金は18円00銭となりました。
財政状態に関する説明
総資産
純資産
1兆6,331億円 8,884 億円
当期の総資産は、前期に比べ462億円増加し、1兆6,331億円
となりました。これは有形固定資産が220億円、受取手形及び
866,219
888,422
46.1%
46.3%
のの、現金及び現金同等物が653億円、投資有価証券が277
35.4%
38.9%
億円、
それぞれ増加したことなどによるものです。
2.6
売掛金が162億円、
たな卸資産が85億円、
それぞれ減少したも
負債は、前期に比べ240億円増加し7,446億円となりました。
これは支払手形及び買掛金が140億円減少したものの、1年以
総資産および
内に返済期限が到来する長期借入債務が423億円増加したこ
総資産当期純利益率
(ROA)
となどによるものです。
当期の純資産は、前期に比べ222億円増加し、8,884億円とな
1,633.1
1,586.8
1,694.3
1,665.7
2,000
[%]
1,681.7
[十億円]
1,500
3.0
りました。これは、その他有価証券評価差額金が95億円、為替
換算調整勘定が83億円、
それぞれ増加したことなどによるもの
2.0
です。
1.2
1,000
1.0
0.7
0.7
500
将来予測表記に関する特記
当アニュアルレポートの記載内容のうち、将来予測表記は、現在入手可能な情報に基づ
0
0.2
いた将来予測表明です。
これらの将来予測表記には、既知、未知のリスクや仮定などが
含まれており、
それらの可変要因やその他のリスク要因によって、
実際の成果や業績など
△0.5
が、
記載の予測とは大きく異なる可能性があります。
0
△1.0
09年
10年
11年
12年
13年
□■ 総資産
総資産当期純利益率
(ROA)
当日本語版アニュアルレポートについて
当日本語版アニュアルレポートは、英語版アニュアルレポートの翻訳であり、掲載する
連結財務諸表もこれに準じております。なお、当日本語版においては、英語版に掲載し
ている連結財務諸表注記ならびに監査報告書については、省略しております。
Toppan Annual Report 2013
3
セグメント別製品・サービス概要
トッパンは、
「情報・ネットワーク系事業」、
「生活環境系事業」、
「エレクトロニクス系事業」
の
3つの系で事業を展開しています。
「印刷テクノロジー」
という事業基盤のもと、それぞれの事業を発展させ、
社会やお客さまの課題解決につながるトータルソリューションの提供を行っていきます。
情報・ネットワーク系事業
円滑なコミュニケーションを求めるお客さまに対し、
「情報の価値を高める」
「情報を効果的に届ける」
ソリューションを提供する事業領域
証券・カード関連
証券類全般、通帳、商品券、ギフト券、各種くじ、
ビジネスフォー
ム、データ・プリント・サービス、ICカード、各種カード、ICカード
店頭即時発行サービス、
カードプリンタ、ギフトカードASPサー
ビス、ネットワークセキュリティシステム、ホログラムなど偽造
防止デバイス、各種業務受託
(BPO)
、
マニュアル制作、報告書
制作 など
商業印刷関連
ポスター、
カタログ、パンフレット、チラシ、ダイレクトメール、
カ
レンダー、年史、各種コーポレートコミュニケーションツール、
POP、ギフト、プレミアム、スペースデザイン、
イベント、各種プ
ロモーション企画・運営、
メディアサービス、映像制作、アプリ
ケーション開発、
システム開発・運用、
コミュニケーション業務の
各種アウトソーシング受託
(BPO)
など
出版印刷関連
週刊誌・月刊誌などの雑誌、単行本、美術書、辞書・事典など
の書籍、
コミックス、教科書、CD・DVD・Webなどの電子出版
物、電子書籍関連、出版企画・編集、海外版権斡旋、各種プロ
モーション企画・運営、広告・アライアンスビジネス など
ビジネスフォーム関連
連続フォーム、統一伝票、封筒、カタログ、パンフレット、チラ
シ、カード、電子メディア関連業務、データ・プリント・サービス
(DPS)
、
ドキュメントマネジメント、RFIDソリューション、NFC、
機器類の販売・保守 など
4
Toppan Annual Report 2013
生活環境系事業
医・食・住を中心としたさまざまな生活シーンに対して、
心豊かなくらしづくりに最適な製品とサービスをグローバルに提供する事業領域
パッケージ関連
各種パッケージの企画・開発・製造
(軟包材、紙器、
カップ、プラスチック成
形品、液体複合容器、
ラベル、段ボール)
、
マーケティング企画、素材・機能
性包材の開発・製造、材料・構造の設計、包装関連システム機械の開発・
製造、コントラクト・受託充填、コミュニケーション企画、UDコンサルティ
ング など
高機能部材関連
太陽電池バックシート・封止材フィルム、
リチウムイオン二次電池用関連部
材、電子機器用プラスチック成形品、情報記録材 など
建装材関連
化粧紙、壁紙、床材、
インテリア部材、
エクステリア商材、空間コーディネー
ション など
エレクトロニクス系事業
先端技術を結集し、
デファクトスタンダードとなるようなエレクトロニクス部品を提供する事業領域
ディスプレイ関連
液晶用カラーフィルタ、反射防止フィルム
(LRフィルム、AGフィルム)
、TFT
液晶、
タッチセンサー基板、有機EL用メタルマスク ほか
半導体関連
半導体用フォトマスク、
リードフレーム、FC-BGAサブストレート、LSI受託設
計、
オンチップカラーフィルタ、
プリント配線板 など
Toppan Annual Report 2013
5
セグメントハイライト
情報・ネットワーク系事業
生活環境系事業
エレクトロニクス系事業
2013年3月期
2013年3月期
2013年3月期
売上高
売上高
8,946 億円
0.4%増
営業利益
売上高
3,998 億円
0.4%増
営業利益
404 億円
2.2%減
2,355 億円
6.2%減
営業利益
145 億円
22.4%減
セグメント別売上高比率
17 億円
前期29億円の損失
セグメント別営業利益比率
エレクトロニクス系事業
エレクトロニクス系事業
15.6%
3.1%
生活環境系事業
25.6%
生活環境系事業
情報・ネットワーク系事業
25.6%
58.8%
情報・ネットワーク系事業
71.3%
※外部顧客に対する売上高で計算しています。
※外部顧客に対する売上高で計算しています。
セグメント別外部顧客への売上高およびセグメント別営業利益の推移
生活環境系事業
[十億円]
13年
■ 外部顧客への売上高
■ 営業利益
6
Toppan Annual Report 2013
0
14.5
40.4
12年
10年
11年
12年
13年
■ 外部顧客への売上高
■ 営業利益
△100
10年
235.2
1.7
0
18.7
41.3
11年
100
20.0
42.2
10年
0
100
18.2
46.9
250
200
250.8
200
△2.9
382.0
300
500
8.1
300
246.3
400
384.0
400
286.4
[十億円]
500
375.3
883.1
877.6
894.8
750
894.4
1,000
366.1
[十億円]
エレクトロニクス系事業
△3.2
情報・ネットワーク系事業
11年
12年
13年
■ 外部顧客への売上高
■ 営業利益
セグメント別資産額比率
セグメント別設備投資額比率
エレクトロニクス系事業
エレクトロニクス系事業
20.4%
19.0%
情報・ネットワーク系事業
生活環境系事業
49.5%
30.1%
情報・ネットワーク系事業
生活環境系事業
セグメント別資産の推移
設備投資額の推移
10
372.6
254.6
366.4
308.0
339.0
363.4
400
337.3
349.3
20.8
21.8
21.4
19.5
14.2
12.7
600
11.9
21.1
23.8
27.9
32.5
30
712.5
800
710.3
40
34.2
1,000
715.4
[十億円]
50
721.0
[十億円]
20
53.2%
27.8%
200
0
0
10年
11年
12年
13年
10年
11年
12年
■ 情報・ネットワーク系事業
■ 生活環境系事業
■ エレクトロニクス系事業
13年
■ 情報・ネットワーク系事業
■ 生活環境系事業
■ エレクトロニクス系事業
海外売上高の推移 アジアおよびその他の地域
アジア
その他の地域
167.1
137.3
100
50
25
0
10年
11年
49.7
50
43.4
100
48.5
75
48.1
150
179.4
[十億円]
200
170.3
[十億円]
0
10年
11年
12年
13年
12年
13年
Toppan Annual Report 2013
7
株主・投資家の皆さまへ
時代の大きな変化を的確に捉え、
トッパンは
「印刷テクノロジー」
をコア技術として
あらゆる領域に新たな可能性を切り拓きます。
代表取締役会長 足立 直樹
8
Toppan Annual Report 2013
代表取締役社長 金子 眞吾
人に人格があるように、会社には自ずから
“社格”
という
印刷業界は今、変革の時代を迎えています。デジタル化
ものがあります。それは会社のいわば顔であり、決して一朝
の進展に伴い、紙媒体の市場は成熟化傾向にあります。ま
一夕のうちに形成されるものではありません。その背後に
た、本年に入って国内景気には好転の兆しもみえるものの、
は、社員個々人の日々の行動、企業としての長年の取り組
いまだ不確定な要素を多く残しています。内外の不透明な
み、さらにいえば、社の垣根を越えた業界の多くの先達の
情勢のもと、印刷会社はビジネスモデルの抜本的刷新へ
努力があるのではないでしょうか。
と、一歩を踏み出す必要があるのです。
トッパンは1900年の創業以来、一貫して事業領域の拡
「変革」
はチャレンジである反面、大きなチャンスもまた生
大・深化を図り、新たな価値の創出に挑み続けてきました。
み出します。当社は持ち前の
「印刷テクノロジー」
を市場構
考えてみれば、印刷とは人類最古の情報産業といえます。
造やニーズの変化に合わせて発展・応用させ、多面的なビ
そしてグーテンベルク以来、その技術的インフラを提供す
ジネスモデルを構築してきました。こうした柔軟な
「ソリュー
る印刷会社は、情報・くらし・文化の担い手でした。情報の
が、今後さらにその真価を発揮することを確信し
ション力」
流通形態が大きく変遷しつつある現代、
「 文字」
「 画像」
と
ています。
いった根源的媒体に正面から向き合ってきた印刷業界は、
デジタル化時代には、私たちがコア領域で培った技術力
他の領域に新たな可能性を切り拓く
「汎用性」
「 革新性」
を
やノウハウを活用するチャンスが生まれます。そのレベルと
備えているのです。
対応範囲の広さは、他の業界が追随できないトッパンなら
トッパンの展開する諸事業は、いずれも
「印刷」
に内在す
ではの強みといえるでしょう。
るさまざまな可能性を追求したものです。デジタル化時代
3年前、創業110年の節目の年に、私は中長期の成長
に印刷会社が担う新たな役割を明確化するべく、業界の
課題として
「グループを含めた構造改革の遂行」
「 新事業・
リーディングカンパニー
「トッパン」
の使命は、かつてなく大
新市場の創出」
「 グローバルな事業展開の加速」
の3つを
きなものとなっています。
掲げました。これらのコンセプトはいまや当社の血肉と化
「社会から信頼され、尊敬され、そのうえで強い企業グ
し、成長エンジンの本格稼働へ向けた道筋を描き出そうと
ループ」
。この
“社格”
を継承発展させるため、
トッパンはグ
しています。113年にわたる歴史のなかで培った
「印刷テ
ループ一丸となって精進してまいります。株主・投資家の皆
クノロジー」
をベースに、私たちトッパンはこれからも新た
さまには、変わらぬご支援のほどお願い申し上げます。
な挑戦を続けてまいります。
2013年8月
2013年8月
代表取締役会長
代表取締役社長
Toppan Annual Report 2013
9
社長メッセージ
「全体最適」
の構造改革を加速し、
新事業・新市場の創出を通じて
「成長エンジン」
を本格稼働させます。
代表取締役社長 金子
眞吾
Q 2013年3月期の連結業績を
ものの、一般証券物やセキュリティデバイスが売上を伸ば
どのように評価されますか?
しました。商業印刷関連では、夏場以降の広告市場の冷え
A 既存事業の再編を含む収益体質の抜本的改革を
進めた結果、売上高は減収となったものの、
利益面では増益を達成することができました。
込みに伴い、チラシやSP関連ツールが減少したものの、パ
ンフレットやカタログの販売が増加しました。出版印刷関
連では市場の縮小傾向が続き、雑誌・書籍が前年を下回っ
2013年3月期の日本経済は、全般的に緩やかな持ち直
た一方、電子書籍の売上が順調に推移し、またビジネス
しの動きがみられ、下期には景気回復期待が高まる一方で、
フォーム関連ではバリアブル印刷やBPOソリューションが、
グローバルな競争激化や欧州財政問題、中国経済の減速
新たなニーズの獲得に成功しています。これらの結果、売
懸念など、依然として先行き不透明な状況で推移しました。
上高は前期比0.4%増の8,946億円、営業利益は同2.2%
こうしたなか当社では、成長分野への経営資源の積極投入
減の404億円となりました。
や、既存事業のコスト削減、競争優位性確立へ向けた諸改
生活環境系事業においては、パッケージ関連が加工食品
革を断行しました。厳しい環境の続く大型液晶カラーフィル
や日用品の消費低迷で伸び悩んだものの、
「 GLフィルム」
タに関しては、堺工場の事業の移管に踏み切りました。
が国内外で順調に推移しました。また建装材関連も国内外
この結果、当期の連結業績は、売上高が前期比0.5%減
ともに好調で、売上高は前期比0.4%増の3,998億円とな
の1兆5,023億円となったものの、営業利益については同
りました。営業利益については、価格競争激化による太陽
1.7%増の321億円となりました。さらに当期純利益は、特
電池関連の利益率低下、
また下期の原材料高などの影響
別損失の減少や、下期の円安による為替差益などの影響
で、同22.4%減の145億円となりました。
で、同505.0%増の186億円となりました。
エレクトロニクス系事業においては、ディスプレイ関連が
テレビ向け液晶カラーフィルタの需要減、堺工場の事業移
管などに伴い、前年の売上を下回ったほか、
フォトマスクや
Q セグメント別の業績について
総括してください。
A 情報・ネットワーク系事業と生活環境系事業が
売上高を下支えし、
利益面ではエレクトロニクス系事業の
再編・合理化が貢献しました。
情報・ネットワーク系事業においては、証券・カード関連
で、ICカードが電子マネー普及の一段落に伴い伸び悩んだ
10
Toppan Annual Report 2013
プリント配線板などの半導体関連も、市況低迷の影響を受
けました。この結果、売上高は前期比6.2%減の2,355億円
となりました。営業利益については、
モバイル向け需要の取
り込みや構造改革によるコストダウンなどが寄与して、17
億円
(前年度は29億円の損失)
と黒字を回復しました。
Q 当期は具体的にどのような施策を
メディア事業推進本部を発足させました。同推進本部で
進めてこられたのでしょうか?
は、国内最大級の電子チラシポータルサイト
「Shufoo!」
の
A 「グループを含めた構造改革の遂行」
「新事業・新市場の創出」
「グローバルな事業展開の加速」
の重点方針を
踏まえた改革を断行しました。
当社では、中長期的な経営課題として3つの重点方針
運営、電子書籍専用端末
「BookLive!Reader Lideo」
を
利用した電子書籍サービスなど、順調に事業を拡大してい
ます。また7月には、本社事業開発・研究本部に新たにエネ
ルギーソリューション推進部を設立し、エネルギー関連の
事業化に向けて、グループ内の機能を集約しました。
を掲げています。
第1点の
「グループを含めた構造改革の遂行」
とは、既
存事業の変革を通じて安定的なキャッシュ創出体制を構
築するとともに、そこで生み出されたキャッシュを成長分野
に振り向けて、新たな事業・市場を創造していくことです。
当期の事例としては、第2四半期における堺工場の事業移
管が挙げられます。これは従来、同工場で進められてきた
テレビ向け大型カラーフィルタの生産事業を、
シャープ
(株)
の子会社に統合したものです。この吸収分割により、グ
ループ内の事業効率化とともに、中小型カラーフィルタへ
のさらなる資源配分が可能になりました。
第2点の
「新事業・新市場の創出」
に関しては、本社内に
さまざまなデバイスに電子
チラシを届ける
「Shufoo!」
電子書籍専用端末
「BookLive!Reader Lideo
(リディオ)
」
Toppan Annual Report 2013
11
第3点の
「グローバルな事業展開の加速」
については、
よび省人化を実現しました。
米国にインレット製造の新工場を竣工し、8月に本格生産
国内の印刷市場は縮小傾向にあり、持続的成長のために
を開始しました。米国では近年、セキュリティ強化の観点か
はグローバルな事業展開が欠かせません。当社は、2013年
らカードのIC化が進んでおり、関連需要のいっそうの拡大
3月期時点の海外売上高比率15.3%
(海外売上高2,291億
が見込まれます。新工場では製造から検査、梱包にいたる
円)
を、今後20%以上に高めることをめざしています。
工程を全自動で管理する一貫ラインを構築、大量生産お
Q 2014年3月期は、中長期の成長戦略において
どのような位置づけになりますか?
A 一連の改革の徹底により増収増益を実現し、
中長期にわたる
「成長エンジン」
を
本格稼働させる年とします。
当社では2014年3月期を
「成長エンジンを本格的に稼
働させる年」
と位置づけています。今申し上げた3つの重
点方針に基づき、成長に向けた基盤強化に取り組むととも
に、利益の源泉となる新たな事業の育成をめざし、かつ国
セキュリティ製品の生産拠点である新工場
(オフィス棟)
の外観
内外の有望市場へのアプローチを強化します。
中長期的な事業の方向性
ソリューション
トータルソリューション提供
●
IT系BPO事業
●
コンテンツ運用ビジネス
●
メディア事業拡大
●
エネルギーソリューションビジネス
システム
●
セキュア媒体事業
マテリアルソリューション事業
●
フォトマスク事業:グローバル営業体制、生産拠点活用
●
カラーフィルタ事業:高精細化対応
●
高機能部材事業の強化
国内
海外
中国、
アジア市場
●
中国雑誌印刷、商印事業拡大
●
アジアのパッケージ市場攻略
既存事業
現地生産体制の確立
有力企業とのアライアンス
欧米市場
単品・モノづくり
12
Toppan Annual Report 2013
●
環境対応、容器軽量化ニーズの取り込み
●
グローバル企業攻略
社長メッセージ
グループを含めた構造改革の遂行
新事業・新市場の創出
∼成長に向けた基盤強化
∼
「成長エンジン」
の育成
これまで全社を挙げて取り組んできた
「全体最適」
の観
現在すでに具体的な姿がみえている
「BPO事業」
「 バリ
点による改革を、今期はさらに加速します。具体的には、
アフィルム事業」
「メディア事業」
などを、将来有望な
「成長
グループ単位の拠点再編による最適地生産の実現、
また
エンジン」
として、拡大強化していきます。
パッケージ基幹工場の再構築により、収益力の高い生産
こうしたビジネスは、決して一朝一夕に生まれたもので
体制を確立します。
はなく、既存事業の技術やノウハウをマーケットの変化に
あわせて足元の事業を精査し、その選択と集中を徹底
合わせてつくりかえ、進化発展させた結果にほかなりませ
することで、コア事業の競争力をいっそう強化します。ま
ん。当社のコアを形成する
「印刷テクノロジー」
は、非常に
た、原材料費の低減や在庫水準の適正化により、間接部
幅広い分野に応用可能な技術です。個別領域において何
門の生産性についても向上を図ります。
が当社の
「強み」
を形成するかについては、本誌特集
(P16
こうした取り組みにより、新たに170億円のコスト削
∼27)
のなかで詳しく説明いたしましょう。
減をめざします。加えて、遊休資産や株式の売却で得た
当社ではここで述べられているような領域にとどまら
キャッシュを有利子負債の削減や必要な投資に充てるな
ず、
トッパン独自の強みをさらに発揮できるような、新た
ど、資産の流動化・現金化を通じて資産効率をさらに高め
な事業分野の開拓にも引き続き積極的にチャレンジして
ていきます。
いきます。
今期の方針
有利子負債額および有利子負債率
●
[%]
293.9
338.5
322.4
300
75.0
既存事業の変革
200
2 新事業・新市場の創出
●
新たな成長分野の確立
●
マテリアルソリューション事業の始動
46.4
3 グローバルな事業展開の加速
43.2
50.0
46.1
38.9
35.4
100
25.0
0
0
09年
●
100.0
258.7
1 グループを含めた構造改革の遂行
400
342.6
[十億円]
3つの経営課題
10年
11年
12年
13年
□■ 有利子負債額
有利子負債率
グローバル企業、ローカル企業への
アプローチ強化
Toppan Annual Report 2013
13
グローバルな事業展開の加速
効率化を実現します。本年4月には本社機能のグローバ
∼
「欧・米・中・ASEAN」
4極体制の構築
ル化の一環として、シンガポールに支社を設立しました。
将来的な
「欧・米・中・ASEAN」
4極の事業体制構築に向け
海外進出する日系企業だけでなく、グローバル企業や
た、重要な一歩になると考えています。
現地のナショナルブランド、ローカル企業も潜在的なお客
以上の取り組みを徹底することで、2014年3月期の
さまと捉え、
アプローチを強化していきます。
連 結 業 績については、売 上 高は当 期 比 1 . 2%増の1 兆
重点テーマとしては、アジアのパッケージ市場の攻略
5,200億円、営業利益は同9.1%増の350億円を見込ん
や、環境に配慮した容器軽量化ニーズへの対応が挙げら
でいます。
れます。その際、パッケージ関連やカード
(セキュア)
関連で
なお、当社では本年4月、エレクトロニクス事業本部と高
は、自前主義にこだわらず、当社にない強みを持つパート
機能事業本部を統合し、新たに
「マテリアルソリューション
ナーとのアライアンスも考慮しつつ、欧米や中国、東南ア
事業本部」
を発足させました。両部門が培ってきた専門性
ジアへの積極的な拡大を志向します。インドや南米など新
をさらに深化・融合させることで、成長市場のニーズをつ
興地域については、セグメントごとにニーズを的確に把握
かんだ効果的な事業展開をめざします。またこれに伴い、
し、それぞれターゲットを絞り込んで、将来的な事業拡大
事業分野のカテゴリーについても
「情報コミュニケーショ
の布石を打ちます。
ン事業分野」
「生活環境事業分野」
「マテリアルソリューショ
当社はまた、マーケット環境の変化を見極め、事業分野
ン事業分野」
の3区分に変更しています。
の選択と集中、販売・生産体制の現地化により、さらなる
セグメント変更について
情報・ネットワーク系事業
証券・カード関連
セキュア関連
商業印刷関連
マーケティング関連
出版印刷関連
情報コミュニケーション事業分野
ビジネスフォーム関連
生活環境事業分野
パッケージ関連
高機能部材関連
生活環境系事業
建装材関連
エレクトロニクス系事業
ディスプレイ関連
マテリアルソリューション事業分野
半導体関連
高機能部材関連
建装材関連
(単位:百万円)
(単位:百万円)
2012年3月期 2013年3月期
2014年3月期
(予想)
情報・ネットワーク系事業
21,841
34,243
情報コミュニケーション事業分野
30,800
生活環境系事業
21,359
20,814
生活環境事業分野
23,600
エレクトロニクス系事業
19,480
14,160
マテリアルソリューション事業分野
16,400
4,134
7,610
消去または全社
10,200
66,814
76,827
合計
81,000
消去または全社
合計
14
パッケージ関連
ディスプレイ関連
半導体関連
セグメント別設備投資額
コンテンツ関連
ビジネスフォーム関連
Toppan Annual Report 2013
社長メッセージ
Q 財務戦略と株主還元の基本方針を
聞かせてください。
績、配当性向および内部留保を総合的に勘案したうえで実
施することを基本方針とします。具体的には、配当性向30%
A 必要な投資を行いつつ有利子負債の増加は
抑制し、財務体質をさらに健全化します。
株主還元については配当性向30%以上を
めどとし、配当水準の向上に努めます。
以上をめどとしつつ、配当水準の向上に努めます。このよう
な方針に基づき、2014年3月期の1株当たり配当金は、中
間・期末9円ずつ、合計で年間18円を予定しています。
当社の財務戦略は
「企業価値・事業価値の向上」
を実現
するべく、成長分野に経営資源を積極的に投下することを
基本とします。設備投資においても、適正な引き締めを行
いつつ、将来的に利益の源泉となる分野には、着実に投資
していきます。あわせて事業の継続性
(BCP)
の観点から、
建物の再整備、拠点の再編など必要なインフラ投資を実行
します。投資の原資は既存事業の業績管理徹底、および資
産の流動化・現金化により生み出すものとし、有利子負債
Q 出版印刷市場が成熟化するなか、
企業として持続的に成長することは
可能なのでしょうか?
A 1世紀以上の歴史のなかで育んだ
「印刷テクノロジー」
をコア技術に、
トッパンは今後ともさらなる進化を
続けていきます。
の増加を抑制して、財務体質のさらなる健全化を図ります。
足元の景気動向をみれば、わが国の経済は回復に向か
株主還元については、投資家の皆さまへの機動的な利
い、印刷業界においても消費マインド改善、企業の広告宣
益還元と企業の持続的成長を両立するべく、各期の連結業
伝費増加の好影響が波及するものと期待されます。とはい
え、円安による原材料価格やエネルギー価格の上昇は収益
圧迫要因になると予想されますし、既存の印刷業界が成熟
市場であることも認識しています。
1株当たりの配当金
紙の印刷が減っていくのは時代の流れであるにせよ、一
方でデジタル化が大きなビジネスチャンスであることもま
22.00
18.00
20
18.00
た事実です。たとえば、当社が運営する国内最大級の電子
18.00
25
22.00
[円]
チラシポータルサイト
「Shufoo!」
は、紙チラシの印刷で培っ
てきた技術やノウハウをデジタル化・オンライン展開するこ
15
とで利便性や付加価値を獲得し、新たなビジネスモデルを
10
築いた好例といえるでしょう。
また、企業のコミュニケーショ
ン戦略は、デジタル媒体と紙媒体を総合的に活用した方向
5
にあり、両媒体へ効果的な提案ができる当社の優位性が高
0
09年
10年
11年
12年
13年
□■ 1株当たり配当金
まっています。
もとよりどのような企業であろうと、現状維持では持続
的成長は不可能です。当社は今後とも、113年の歴史のな
かで育んだ
「印刷テクノロジー」
をコアとしつつ、柔軟に進化
を続け、変転やまない時代のニーズに応えていきます。
Toppan Annual Report 2013
15
特集
トッパンの成長力の源泉
統合的かつ多面的な価値を創造する
かつて文明開化の時代、大蔵省紙幣寮に集った少壮の技術者らはイタリア人技師E・キヨッソーネに学んだ
最先端の銅凸版技法 ̶エルヘート凸版法で日本の印刷文化を切り拓くべく
1900(明治33)
年、凸版印刷合資会社を旗揚げしました。
当時はまだ高級印刷物に対する需要は限られ、私たちの先達は市場開拓のため積極果敢なアプローチを続けます。
創業期の経営基盤を担ったこの技術はやがて当社の表面加工・成型加工の技術につながる一方、
戦中∼戦後期に携わった紙幣・有価証券の大量印刷は高度のセキュリティノウハウや情報加工の源流となります。
また製版のエッチングからはさまざまな微細加工技術が分岐し、
デザインやメディアプロデュースの経験は独自のマーケティング・ソリューションを進化させていきました。
絶えず時代や社会に真摯に向き合うなかでマーケティング・ソリューションにより隠れたニーズを汲み上げつつ、
4つの加工技術を自由に組み合わせることで市場に新たな
「解」
を提供する、
トータルで幅広い価値創造。
それを可能にするのが、これら5つのコアテクノロジーの統合体「印刷テクノロジー」
にほかなりません。
本特集では、
トッパンの主要な事業領域と代表的な戦略商品
(=現在)
をピックアップし、
それらが生み出されるに至った歴史上のマイルストーン
(=過去)、
また今後の展開や方向性
(=未来)
をあわせてご紹介することで
過去・現在・未来にわたるトッパンの価値創造戦略を概観していきます。
マーケティング・
ソリューション
ポスター
マーケティング
IT
クリエイティブ
有価証券
印刷術
印刷技術
融合
・
進化
印 刷 テ ク ノロ ジ ー
トッパンの原点
情報加工
教科書
絵葉書
微細加工
製糖用フィルタ
表面加工
煙草包紙
成型加工
紙箱
加工技術
原点
16
Toppan Annual Report 2013
「印刷テクノロジー」
現在の主要事業
マーケティング・
ソリューション
BPO
情報加工
電子書籍
微細加工
表面加工・成型加工
中小型カラー
フィルタ
カートカン
「印刷テクノロジー」
が実現してきたさまざまなソリューション
商品開発支援
Webマーケティング
店頭広告
消費行動調査
ほか
IT活用ソリューション
BPOソリューション ほか
「印刷テクノロジー」
を駆使し
お客さま視点に立った
トータルソリューション
電子出版
磁気カード
書籍・雑誌
ほか
安全・安心ソリューション
BookLive!
Shufoo!
デジタルサイネージ
O2Oプロモーション
ほか
拡張現実
教育
スマートシティ
ホログラム
フォトマスク
カラーフィルタ
リードフレーム ほか
タッチセンサー ほか
空間デザイン
照明
遺伝子解析
有機EL
電子ペーパー
GLフィルム
カートカン
情報記録材
環境配慮型建装材
太陽電池
壁紙
反射防止フィルム ほか
燃料電池
ほか
お 客 さ ま・社 会へ
カタログ
ビジュアルソリューション
二次電池
バイオマス包材
EP-PAK
臨床美術
樹脂ボトル
プラスチック成形品
環境関連
段ボール
詰め替え容器
ほか
ほか
現在
…
液体容器
将来
Toppan Annual Report 2013
17
戦略ソリューション
マーケティング・
ソリューション
BPO
BPO事業
時代や社会とのよりよい接点を探るマーケティング・ソリューション。
コアテクノロジー
1
多様なメディア展開や、生活者心理を捉えた提案などを通じ、幅広い領域で企業の課題解決を支援しています。
ここでは代表的な事業である
「BPO」
を取り上げ、市場におけるニーズやトッパンの事業戦略についてご紹介します。
Background
企業が業務の一部を外部に委託するBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシ
ング)
が、今ビジネスの世界で注目を集めています。市場規模は今後も拡大し、
2015年度には3.3兆円を超えると予測されています。市
場拡大の背景としては、
リーマンショック以降の景気低迷
トッパンが提供する6分野のBPOサービス
やグローバルな競争激化を受けた企業のコスト削減ニー
キャンペーン事務局
● コールセンター
● CRM運用サポート
(DM、
メール、FAX)
● その他
●
各種申込受付業務
重要文書管理
● 試験関連サポート
● その他
●
●
●
●
顧客コンタクト
サービス
バックオフィス
サービス
ズがありますが、BPOの意義は決してそれだけにとどまる
ものではありません。
BPOには、限られた経営資源のコア領域への集中とと
事業戦略策定
マーケティング
戦略策定
もに、委託業務の品質・顧客満足度向上につながるという
側面もあります。例えば、電話・メール・Web、スマートフォ
意思決定支援
サービス
ンやタブレットPCといったようにコミュニケーションツール
BPO
が多様化するなか、
「 顧客コンタクト」
の品質を保つには、
専門性とコスト面の課題が生じます。
しかし、
さまざまな媒
ならトッパンと。
オペレーション
支援サービス
マーケティング
サービス
体に適したコミュニケーションノウハウを有するトッパンで
あれば、最適かつスピーディな方法で対応し、顧客満足度
販促品受発注
発送管理
● 通販フルフィルメント
業務
● その他
IT・ソフトウェア
サービス
●
リサーチ
● データマイニング
●
を高めていくことが可能です。
このようにB P Oには、すべての業 務プロセスについ
システム/DB開発
● システム運用
● DB運用
●
て、それぞれのプロが担当することにより、ビジネス全体
の生産性を高めていく効果が期待されるのです。
トッパンマイルストーン ∼過去・現在・未来∼
煙草の外箱デザインを担当
煙草専売制のスタートとともに、政府専売局か
1904 年
1900
1910
ら包紙の印刷業務を受託。あわせて外箱の図
案を提案し、すべて採用されました。
トッパンが
専売局
「敷島」
「大和」
「朝日」
印刷業務のみならずデザインにも携わるよう
「山桜」
煙草包紙
になるきっかけとなった出来事です。
(たばこと塩の博物館蔵)
1920
1930
1940
1950
印刷会社として
初めてデザイン制作機能を組織化
東京・銀座に
「凸版印刷サービスセンター
(現・トッパンアイデアセンター)」
を設立。
サービスセンター内部
写真部
18
Toppan Annual Report 2013
印刷原稿の作成やデザインからの一括受
注体制を他社に先駆けて整備しました。
特集 | 統合的かつ多面的な価値を創造する
「印刷テクノロジー」
トッパンでは、BPO事業を成長戦略の柱の一つと位置づけ、6つのサービス
トッパンの戦略
領域をニーズに合わせて組み合わせることで、お客さまの企業価値・事業価値
向上に貢献しています。例えば「顧客コンタクトサービス」
では、コールセンター
運営やDM発送から、対面・非対面の多彩なチャネルを通じたキャンペーンな
ど、お客さま企業と一般生活者の橋渡し役として、
トータルなサービスを提供し
ています。
トッパンBPOには他社の追随を許さない、以下のような強みがあります。
第一に、大量データの加工処理やシステム構築を可能
にするIT技術、第二に、個人情報の取り扱いに必須となる
トッパンがめざすBPOの方向性
高いセキュリティ能力です。第三に、事務局機能として豊
高売上
大規模市場
富な経験が 培った実務全般を設計し、マネジメントする
既存領域
新規・成長領域
ノウハウです。幅広いビジネスポートフォリオ、業務への洞察
社会インフラ
と提案・設計・企画力をベースに、
これらの要素を最適なバラ
エネルギー
ヘルスケア
ンスで組み合わせることで、ワンストップ・ソリューションを
スマートシティ
また、エネルギー、ヘルスケア、スマートシティ、電子マ
フルフィルメント
電子マネーの
プロセッシング業務
バックオフィス
ネーのプロセッシング業務など、新たな社会インフラの構
築に関連した成長領域において、アライアンスや技術開発
ドキュメント管理
小規模市場
を推進するとともに組織を強化することで、さらなる発展
CRM
DM
キャンペーン
実現しているのです。
をめざしています。
コールセンター
今後も、市場のニーズを踏まえ、長期的なパートナー
基盤整備
拠点拡張・
対応力強化
業界特化型 オフショア
ID管理認証
への変遷
事業者開拓 ビッグデータ基盤
シップをベースに高品質のソリューションを提供すること
で、BPOという成長マーケットにおいてさらなるシェアの
2012年
2015年
1968・
70 年
1960
1970
拡大を図ります。
「トータルメディア開発研究所」、
「消費活動研究室」
を設立
映像やイベントも含む総合メディアプロデュースを開始。大阪万博では
テーマ館のプロデュースを手がけました。直前の68年には、生活者の意
識や態度を探る
「消費行動研究室」
を設立するなど、この時期を境に
マーケティング分野に本格進出していきます。その後もユニバーサルデ
ザインの研究、
「 芸術造形研究所」
「ショップサイエンス・ラボ」
等、
トッパ
生活者の反応を的確に捉える
ンのアプローチは深化・拡大を続けています。
調査風景
1980
1990
2000
2010
1961年
Toppan Annual Report 2013
19
戦略ソリューション
情報加工
電子書籍事業
電子書籍
トッパンの印刷テクノロジーの先進性が体現されている情報加工技術。ここではその一例として、
コアテクノロジー
印刷会社だからつくることのできる電子書籍をめざす、BookLive!の取り組みをご紹介します。
2
「電子書籍元年」
といわれた2010年から3年の間に、さまざまなプレーヤー
Background
が電子書籍市場に参入し、市場は活性化しています。コンテンツの充実や環境
整備もあって、携帯コミック中心の市場から本格的な市場拡大期への移行は間
近と考えられます。日本の電子書籍の市場規模は、2011年度が629億円(電
子雑誌市場と合わせると651億円)
でしたが、2017年度には約2,390億円
(電
子雑誌市場と合わせると2,720億円)
まで拡大すると見込まれています。
電子出版市場規模の推移
(日本)
もっとも、米国など電子書籍の普
2,300
3,000
1,850
2,500
182
94
45
19
10
651
656
574
464
500
355
1,010
1,000
768
1,500
及が 顕 著な国 々と日本を比 較する
と、再販制度の有無や土地面積あた
りの書店数など、基礎的条件が異な
ることも事実です。特に書籍の出版
1,380
2,000
0
2,720
[億円]
は、その 国 独 自の 価 値 観 や 文 化 的
背景、商慣習が色濃く反映する分野
です。国内最大手の印刷会社である
トッパンには、その技術力に加え、日
02年度 03年度 04年度 05年度 06年度 07年度 08年度 09年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度
予測 予測 予測 予測 予測
■□ 新たなプラットフォーム向け電子書籍市場規模
■□ 電子雑誌市場規模
■□ 携帯向け電子書籍市場規模
(公式コンテンツ)
■ PC向け電子書籍市場規模
本の市場特性やコンテンツへの深い
理解という大きなアドバンテージが
あるのです。
出典:
(株)
インプレスR&D
「電子書籍ビジネス調査報告書」
トッパンマイルストーン ∼過去・現在・未来∼
「エルヘート凸版法」
を掲げ、凸版印刷を創業
御雇外国人E・キヨッソーネに最先端の印刷技術「エル
1900 年
ヘート凸版法」
を学んだ木村延吉、降矢銀次郎が共同で
凸版印刷を創業。株券や紙幣の偽造防止に最適な微細
彫刻を有するこの技術を源流に、さまざまな印刷技術が
大阪商船 株券
進化していきます。
1900
1910
1920
(
(株)
商船三井蔵)
1930
1940
1950
1951年
20
Toppan Annual Report 2013
特集 | 統合的かつ多面的な価値を創造する
「印刷テクノロジー」
トッパンの戦略
電子書籍事業においてトッパンには、コンテンツ制作ノウハウ、出版社や
書店とのネットワークといった独自リソースの強みがあります。電子書籍ストア
「BookLive!」
は、いつでも、どこでも、誰でも電子書籍が読める環境づくりを
推進しており、ビューアは国内の主要電子書籍フォーマットを網羅、PCやスマー
トフォンのOSもカバーするなど、
さまざまな端末での読書が可能です。
2013年7月末現在、
タイトル数は国内最大規模の19万冊超。2015年度に
は、1,500億円規模と予想される市場で、20%のシェア獲得を見据えています。
B o o k L i v e !では、あらゆる読 者に開かれた電 子 書 籍の環 境を提 供する
ため、リアル
(書店)
との連携を志向した戦略を進めています。2012年12月に
は戦略的観点から、自社開発の電子書籍専用端末
「BookLive!Reader Lideo
(リディオ)」
を投入。あえて家電量販店ではなく書店で販売し、利益を書店に
還元する仕組みを構築しました。買って箱を開けたら、
すぐに使える電子書籍端末
としてLideoは大きな支持を獲得し、新たなマーケットを開拓しています。
トッパンはこれからもリア
ル(紙)
とデジタルのハイブ
リッド化戦略を追求し、業界
の健全な発展をめざしつつ、
「 印 刷 会 社だからつくれる
電子書籍」
を武器に、前進を
続けていきます。
Lideoも電子書籍も、店頭で購入できます。
(撮影協力:三省堂書店神保町本店)
コンピュータ組版を日本で初めて実用化
情報化時代の到来を迎えた1960年代後半、
トッパンでは写真植字方式による
1970 年
新たなコンピュータ組版の検討が進められました。1970年、富士通
(株)
と共同
開発したCTS組版は、文字情報の電子化だけでなく、画像複製や画像処理の
フェーズからカラーマネジメントが発展していく素地となりました。これらの技術
はICビジネスや電子書籍の制作・流通に活かされ、
また
「Shufoo!」
など
「ネットと
リアルの融合
(O2O)
」
を追求するビジネスにも不可欠な前提となっています。
1960
1970
1980
1990
コンピュータによる組版作業
2000
2010
証券用MCF印刷技術を開発
創業直後から有価証券類の印刷に注力し、終戦直後は日銀券印刷も任され
ていたトッパンはこの年、細紋印刷の代名詞となる
「MCF印刷」
の開発に成
功します。凸版4色枚葉輪転
(MCF)
機を用いた多色細紋刷りにより、模様の
画線の色が途中から変化し、刷り合わせの狂いもない独特の印刷法を実現。
この方法はやがて、有価証券類の偽造防止に大活躍することになります。
ザンメル式凸版多色
細紋MCF印刷機
Toppan Annual Report 2013
21
戦略商品
微細加工
中小型カラー
フィルタ
コアテクノロジー
中小型カラーフィルタ&タッチパネル
世界トップクラスのシェアを誇るトッパンのカラーフィルタ。
製版工程のエッチング(金属腐食)技術などから派生した、最先端のテクノロジーの一つです。
3
液晶ディスプレイ
(LCD)
には、腕時計・体温計などモノクロのタイプと、テレ
Background
ビ・PC・携帯端末などカラーのタイプがあります。後者に色彩を与えるのが、赤
(R)
・緑(G)
・青(B)のレジストから成る色合成膜「カラーフィルタ」
で、その品
質はLCDのカラー画質を大きく左右します。製造方法はレジスト
(フィルタのパ
ターンや色を形成するための感光性材料)
をガラス上に塗布し、
露光・現像させる
「フォトリソ法」
が主流で、印刷工程の写真製版
静電容量式タッチパネル市場予測
技術がコアとなる要素技術です。
[百万台]
[億円]
2,000
20,000
18,435
からカラーフィルタの製造まで、一貫した体制でお客さまのニーズ
16,925
15,260
1,500
15,000
に合わせたカラーフィルタを提供しています。
超微細加工技術とともにレジストの開発・製造技術を大きな強
12,080
1,000
トッパンは、印刷インキの製造技術を活かしてレジストの色開発
10,000
7,985
みとし、
トッパンは1971年以来、質・量ともに世界トップクラスの
サプライヤーとして、ディスプレイ業界の発展に貢献しています。
6,062
500
5,000
LCDには、デジタルカメラやスマートフォンから、タブレット
0
0
11年
12年
予測
13年
予測
14年
予測
15年
予測
16年
予測
PC、液晶テレビなど、さまざまな用途・サイズのものがあり、そ
れぞれカラーフィルタに要求される仕様や特性は異なります。カ
■□ 携帯端末台数 ■□ タブレット台数 ■□ ノートPC台数
■□ AIO・PCモニタ台数 ■□ PMP台数 ■□ その他
金額
ラーフィルタ市場では、大型サイズの需要が伸び悩む一方、ス
マートフォンやタブレット関連の中小型サイズの拡大基調が続く
“二極化”が進行中で、高精細なモバイル用カラーフィルタへの
出典:
(株)
富士キメラ総研資料
(2012年9月発行)
を元に当社にて推測
シフトが業界全体のキーワードとなりつつあります。
トッパンマイルストーン ∼過去・現在・未来∼
製糖用フィルタを開発
エッチング(腐食)
やめっきなど製版工程の金
1959年
属加工技術を応用することで、薄い金属板に
微細な穴を配列し、製糖工場の濾過器や遠心
分離器に用いられる製糖用フィルタを開発。
トッパンのこの領域への第一歩となりました。
メタルプレートフィルター
1900
1910
1920
1930
1940
1950
メサ型トランジスタ製造用マスクの
国産化に初めて成功
1960 年
トッパンが1950年代後半以降進めてきた、
製版をベースとする技術開発の大きな成果
の一つです。同年発足した技術研究所で、本
格的なマスク製造を推進していきました。
メサ型トランジスタ製造用マスク
22
Toppan Annual Report 2013
特集 | 統合的かつ多面的な価値を創造する
「印刷テクノロジー」
トッパンの戦略
トッパンでは市場構造の大きな変化に対応し、大型サイズの生産性向上、そ
して中小型サイズへの対応を強化しています。
2012年度は、堺工場の第10世代
(2,850mm×3,050mm)製造ラインを
堺ディスプレイプロダクト
(株)
に統合、高精細対応を強みとする大型ラインの
第6世代
(1,500mm×1,850mm)
と第8世代
(2,160mm×2,460mm)
は、
モバイル向けの対応も可能にするためライン改良を実施し、量産体制を整備し
ました。また中小型サイズについては高精細対応をさらに進め、小ロットを武器
に新たな需要の開拓に取り組むなど、
カラーフィルタ事業の収益安定化に向け
た改革を断行しています。
カラーフィルタ技術の応用展開の一つとして、タッチパネルのセンサー基板
があります。2013年度はモバイル製品の拡大に加え、有力OSの動向からPC
のタッチパネル搭載率の急増が予想されています。
トッパンでは2010年度より
小型カラーフィルタのラインを転用して、ガラスタイプのセンサー基板を生産し
てきました。今後はフィルムタイプを含め、
より幅広いラインアップで市場のニー
ズに応えていく方針です。
タッチセンサー基板
カラーフィルタ分野に本格進出
ビデオカメラの撮像管用カラーストラ
1971年
イプフィルタを開発。以降、質・量とも
にあらゆるサイズで世界トップクラス
のサプライヤーとして、LCD市場に貢
献しています。
1960
1970
ビデオカメラ撮像管用
カラーストライプフィルタ
1980
1990
2000
2010
「トッパンTHグラビアプロセス」
を開発
鮮明度や濃淡の階調を安定的に再現できる画期的
1973 年∼
製版法。近年では半導体用フォトマスク、BGA基
板、液晶ディスプレイ用カラーフィルタ、ホログラム
の製造などに応用されています。海外へ技術輸出
できるプロダクトの開発が相次いだ時期でした。
米国ダネリー社との技術輸出
調印式 1976年
Toppan Annual Report 2013
23
戦略商品
表面加工・成型加工
カートカン
透明バリアフィルム
「GLフィルム」
&カートカン
トッパンの表面加工・成型加工の代表的製品である
「透明バリアフィルム」
と
「カートカン」。
コアテクノロジー
4・5
その開発過程には、
トッパンのものづくりのエッセンスが凝縮されています。
Background
優れた
“ガスバリア機能”
で酸素や水蒸気から内容物を保護する
「バリアフィ
ルム」
の関連マーケットは現在、世界中で約3兆円規模におよび、
うち透明バリ
アフィルム関連は約4,000億円、2015年度には約6,000億円の市場規模に達
する見通しです。
トッパンの
「GLフィルム」
は1989年の発売以降、透明バリアフィルムの“グ
透明バリアフィルムの構成
ローバルスタンダード”
として、成長市場で4割のシェアを獲得したトップブラン
ドです。PET/ナイロンフィルムにセラミック蒸着層とウェットコーティング層を
透明バリアフィルム
積層し、世界最高水準のバリア性能を実現したほか、電子レンジで加熱調理で
きること、安全に焼却処分でき環境に優しいこと、透明性による品質保証上の
メリットなど、多くの優れた特質を誇ります。
2012年には新たなブランドとして、従来にない優れた機能性と卓越したバ
リア性能を兼ね備えた新製品
「PRIME BARRIER」
を開発。シリーズ第一弾とし
て、熱殺菌後の酸素ガスバリア性が世界一となる
「PRIME BARRIER レトルト
インキ
グレード」
を発売しました。
シーラント
(PE、CPPなど)
オーバーコート層
(塩素系樹脂を使用していません)
包装合理化の世界的トレンドは、今後、欧州から米国やアジアへ拡大していく
と予想されます。
トッパンでは
「アルミ代替品としての透明バリアフィルム」
を訴
求し、海外拡販体制を強化していくほか、医療・医薬、産業資材、エレクトロニク
蒸着バリア層
基材透明フィルム
(PET、ONYなど)
ス関連部材などへの用途拡大を加速する方針です。
トッパンマイルストーン ∼過去・現在・未来∼
煙草包紙印刷の注文が殺到
エルヘート凸版法により製版・印刷した
1900 年
天狗煙草の包紙が大反響を呼び、国内
外の煙草会社から包紙印刷の注文が殺
岩谷商会 天狗煙草
到。煙草の包紙印刷は、草創期のトッパ
「大天狗」
包紙
ンの経営を支えた事業の一つです。
1900
1910
1920
(たばこと塩の博物館蔵)
1930
1940
1950
1950 年代∼
24
Toppan Annual Report 2013
特集 | 統合的かつ多面的な価値を創造する
「印刷テクノロジー」
トッパンの戦略
トッパンは、透明バリアフィルムを戦略商品としてさまざまなパッケージ製品の
素材に展開するとともに、用途別のグレード開発を進めてきました。カートカン
の開発はその好例です。
カートカン
(CartoCan)
とは、紙
(Carton)
製の飲料缶です。使用後はリサイ
クル可能で、軽量化により輸送時CO 2排出量の低減にも貢献します。カートカ
ンは間伐材を含む国産材を30%以上使用していますが、
この間伐材の利用に
は健全な森林育成に貢献する狙いがあります。
もともとカートカンは、環境先進国・ドイツで開発された技術です。
トッパンは
1995年に日本における独占販売権を取得後、パッケージ内加工に
「GLフィル
ム」
を採用するなど、
さまざまな改良を重ね、賞味期限を紙製飲料容器で最長レ
ベルの1年まで延長。こうした工夫が消費者から強い支持を得ているほか、
さま
ざまなシーンで評価されています。
2013年6月、
カートカンは本格的なアジア展開へ向け、第一歩を踏み出しまし
た。
トッパン独自の無菌充填技術と容器成型技術を、中国の機械メーカーにライ
センス供与するとともに、
カートカン成型・充填機の生産・販売において業務提携
することで合意しました。両社で共同開発を進め、新たなブランド名称で、2014
年度末に中国市場から紙製飲料容器の販売を開始する予定です。2017年度に
は中国・アジア地域において紙製飲料容器の包装材で約100億円の売上をめざ
しています。
「トッパンEP-PAK」
を開発
酒や調味料など多彩な内容物を常温で
1979年
長期保存できる紙製液体容器。独自の
シール 構 造と口 栓で 高 度 の 気 密 性を
小西酒造の
保っています。そのエッセンスはカートカ
「パック白雪」
ンの中にも活かされています。
1960
1970
1980
1990
(EP-PAK・S)
2000
2010
独自の表面加工・成型加工技術を確立
パッケージの製造工程から、相異なる機能を持つフィ
ルムや樹脂を貼り合わせて積層する表面加工技術
「ラミネーション」
が派生し、
さまざまな包装材の企画・
開発・製造を手がけるなかから、バラエティに富んだ
成型加工技術が発展していきました。
ラミネーションの技術を用いて
印刷したアルミフォイル
アサヒビールの
「アサヒゴールド」
1957年
Toppan Annual Report 2013
25
印刷テクノロジーの新たなフロンティア
印刷テクノロジーが切り拓く
「未来」
は、以上の事例にとどまりません。
教育、医療、放射線対策―トッパンの技術力が可能にした最先端ソリューションの一端です。
機能紙
「FSシリーズ」
“安心・安全”
ニーズの高まりなどを背景に、放射性物質であるセシウムの吸
着剤として
「ゼオライト」
が注目を集めています。
トッパンは、2013年3月にゼオ
ライトを高密度で充填した機能紙
「FS-ZEO」
を実用化、東北地方で土壌汚染防
止用の下敷きとして本格活用されています。現地自治体からは、施工の容易さ
や環境対応が評価されるとともに、汚泥の放射性物質を99%以上除去した等
の実績も報告されるなど、優れた性能が確認されています。
また、
タングステンの特長を維持したまま加工性の向上を実現した
「タングス
テン機能紙」
も注目されています。断裁や他材料への張り合わせなど加工が容
易という特長を活かし、医療分野を
中心としたX線機器における放射線
遮断のさまざまなシーンで鉛フリー
による展開が可能です。
トッパンは、これからも新たな機
能・価値を付与した各種機能紙の開
発・提供を積極的に進めていきます。
ゼオライト機能紙
教育ソリューション
トッパンは佐賀県の教育現場に向けて、校務管理・学習管理・教材管理の機
能を備えた
「ICT教育支援システム」
を開発、2013年4月より提供を開始してい
ます。児童・生徒の出欠状況、成績などのデータは、セキュリティサーバに蓄積さ
れ、県下の教職員はネットワーク上で自由に閲覧できます。これにより個々の状
況に合わせた、より的確な指導が可能となるとともに、教職員の業務負荷の軽
減など、教育現場へのさまざまな好影響の波及が期待されます。
今後の展開の軸となるのは、グループ会社である東京書籍(株)
との連携で
す。国内最大手の教科書出版会社である同社は、教科書・教材コンテンツの制
作ノウハウや教育現場のニーズに対する知見を活かし、すでに優れたデジタル
コンテンツを数多く提供しています。このリソースとトッパンの技術力を結びつ
けるシナジー戦略により、今後ますますIT化が進む文教分野において、新たなソ
リューションを開発・提案していきます。
26
Toppan Annual Report 2013
特集 | 統合的かつ多面的な価値を創造する
「印刷テクノロジー」
トッパンのトータルソリューションが大きな効果を発揮した事例の一つが遺伝
遺伝子解析システム
(オーダーメイド医療)
子解析システムです。
「 成型加工」
に基づくプラスチック精密加工技術、試薬実
装技術、
さらには
「情報加工」
の発展形である遺伝子解析技術が、高感度・高精
度の全自動遺伝子解析を可能にしました。2013年6月には新たに、
「KRAS 遺
伝子変異解析システム」
の実用化に成功しています。
大腸がんの患者にセツキシマブ、パニツムマブ等の分子標的薬を投与するに
KRAS 遺伝子に変異がある場合には、その治療効果は大きく損なわ
あたって、
れます。そこで投薬前の検査が重要になりますが、一般に遺伝子検査は手間が
かかり、院外の検査センターから結果が通知されるまで2週間程度かかること
も難点となっていました。
今回、
トッパンが
(独)
理化学研究所と共同開発したシステムは、検査開始60分
以内に主要な7種の遺伝子変異を、高い感度で検出するものです。院内での簡
便・高精度な検査の実施は迅速な治療方針決定につながり、医療の質や、患者
の心理面にも好影響を及ぼすことが期待されます。同システムは2013年度中
に、研究用途向けに発売される予定です。また、欧州での研究・開発の推進およ
び販売を目的として、近く、
“ CEマーク宣言”
( 欧州連合地域指令の必須安全要
求事項における適合表明)
も予定しています。
今後はさらに、検査の高感度化を推進し、患者にとって負荷の少ない血液検
査にて投薬診断が可能になるシステムの開発にも努めていきます。
遺伝子解析システム
トッパンがつくる豊かなくらし
トッパンのテクノロジー
オーダーメイド医療の実現
●
最近の薬理遺伝学の研究により、
●
血液から、遺伝子の抽出・増幅と、
スニップ
人の多様性を示す遺伝子
(SNP※)や体細胞変異遺伝子と、
解析を行う検査システム
薬剤の効能に関連があることがわかってきた。
・1時間程度で解析
※SNP
(Single Nucleotide Polymorphism:一塩基多型)
個人に最適な投薬を実施するため、遺伝子検査システムを提供
●
遺伝子解析装置・チップ
試薬固定済
チップ
血液
・全自動
安定・効率的かつ精度の良い解析が
可能な反応条件を設定し、チップ化す
患者Aさん
患者Bさん
薬a
SNP検査
システム
薬b
ることで全自動検査を実現
効果良好
別の治療
患者Cさん
解析装置と
チップ
SNP検査とは?
メジャーな遺伝子
遺伝子解析装置・チップの特長
個人の体質に合った、病気の予防や治療の実現に寄与
●
生活者のQOL
(Quality of Life)
の向上
C
G
T
A
C
C
T
G
T
SNPの違いを表現
Aさんの遺伝子
トッパンがつくる豊かなくらし -Comfortable Lifestyle-
●
A
A
C
G
T
G
C
C
T
G
T
キー・テクノロジー -Key Technology成型加工技術 ⇒ 樹脂成型・充填技術
●
プラスチックの精密加工により、
微量の遺伝子を正確に反応させる成型技術
●
診断用試薬を精度良く固定しチップ化する実装技術
Toppan Annual Report 2013
27
セグメント情報
情報・ネットワーク系事業
売上高
8,946億円
営業利益
404億円
情 報・ネットワーク系 事 業 の 売 上 高は前 期 比 0 . 4%増 の
出版印刷関連では、出版市場が縮小傾向で推移し、雑誌・
8,946億円、営業利益は2.2%減の404億円となりました。
書籍ともに前年を下回りました。一方、電子書籍市場では、市
証券・カード関連では、ICカードは、電子マネーの普及が一段
場拡大を狙って昨年12月に発売した自社開発の電子書籍端末
落し落ち込みましたが、約款や帳票類などの一般証券物、
ホログ
「BookLive!Reader Lideo」
が書店との連携施策などにより
ラムなどのセキュリティデバイスが増加しました。
新たなターゲット顧客の獲得に成功し、順調に売上を拡大して
商業印刷関連では、パンフレット・カタログなどが増加したも
います。
のの、夏場以降の広告市場の冷え込みに伴い、チラシ、SP関連
ビジネスフォーム関連では、ビジネスフォームは、企業合併に
ツールなどが減少しました。電子チラシ配信サービス
「Shufoo!
伴う関連印刷物の一括受注などにより、前年を上回りました。
(シュフー)」は、W e bのみで展 開するチラシ「 W e b 限 定チ
データ・プリント・サービスは、プリント業務の一括アウトソーシ
ラシ」や各店舗からのタイムリーな情報を簡単に発信できる
ング需要の取り込み、バリアブル印刷市場の開拓、BPO受託の
「Shufoo! ミニチラ」
などのサービスを展開し、順調に事業を
増加により、前年を大幅に上回りました。
拡大しています。
生活環境系事業
売上高
3,998億円
営業利益
145億円
生活環境系事業の売上高は前期比0.4%増の3,998億円、
ました。
営業利益は22.4%減の145億円となりました。
高機能部材関連では、太陽電池関連は、国内向け市場は堅
パッケージ 関 連では、食 の 安 心・安 全 意 識や環 境 意 識 の
調に推移し、足元では海外太陽電池メーカーの生産調整も緩和
高まりを背 景に、
「 G Lフィルム」が 国 内 外ともに順 調に推 移
しつつありますが、通期では、価格競争の激化などに伴い低調
し、また昨年10月より新たに高機能バリアフィルム「PRIME
となりました。
BARRIER」第一弾の販売を開始するなど、透明ハイバリアフィ
建装材関連では、国内住宅市場が緩やかな回復傾向で推移
ルムが好調に推移しました。加えて紙カップや口栓付き軟包装
するなか、独自ブランド
「101エコシート」
などの環境配慮型製
材「ボトルドパウチ」
などが増加しましたが、消費市場における
品の積極的な販売展開を行うとともに、欧米向けの受注も取り
加工食品、日用品などの低迷により、全体として前年を下回り
込み好調に推移しました。
エレクトロニクス系事業
売上高
28
2,355億円
営業利益
17億円
エレクトロニクス 系 事 業 の 売 上 高 は 前 期 比 6 . 2%減 の
どのモバイル向け需要を取り込みましたが、テレビ向け需要
2,355億円、営業利益は17億円(前期は営業損失29億円)
と
減速の影響を受けたほか、堺工場のカラーフィルタ事業移管
なりました。 に伴い、前年を下回りました。反射防止フィルムは、テレビ向
半導体関連では、フォトマスクは、市況が軟調に推移するな
けやPC向けの需要を取り込んだものの、市場環境が厳しく低
か、先端品の開発需要の低迷などの影響を受け、前年を下回り
調でした。
ました。 プリント配線板は、IT機器などの市況の低迷に伴い、前年を
ディスプレイ関連では、カラーフィルタは、スマートフォンな
下回りました。
Toppan Annual Report 2013
情報・ネットワーク系事業
証券・カード関連
当社は最先端の偽造防止・情報管理技術を駆使しつつ、ICカードや各種証券類の企画・設計・製造・発行、
さらには業務効率化を支援する業務受託ビジネスなど、
さまざまな高付加価値のソリューションを提供し、
お客さまから高い信頼と評価をかちえています。
2012年度の市場動向と業績
新たな融資方法の拡大、公共セクターでは公共サービス改
ICソリューションビジネスでは、接触型ICカードが国内金
革法の施行や、将来的なマイナンバー導入など、当社のセ
融業界の底堅い需要に支えられ、
またハウスプリペイドカー
キュア関連技術やBPOソリューションが寄与しうる領域はさ
ドや国際プリペイドカードが順調に成長を続けた半面、国内
らに大きくなっており、
こうした関連需要を着実に捕捉する
で電子マネーの普及が一服したことなどにより、全体的な
ためにも、新サービス創出や次世代メディア開発を加速して
売上は前年を下回りました。
いく方針です。
一方、セキュリティデバイスビジネスでは、当社の独自技
ICソリューションビジネスにおいては、多機能型ICカード
術の一つであるホログラムが好調を維持したほか、約款や
を核として、NFC
(近距離無線通信)
を用いたO2Oサービ
帳票類など一般証券物の販売回復により、当期業績は前年
スや電子決済サービスなど、顧客の利便性を高める事業展
を上回りました。
開を模索していきます。
業務プロセスの再構築を支援する業務受託ビジネス
セキュリティデバイスビジネスにおいては、当社が培って
(BPO)
については、
これまで当社が培ってきた情報管理ノ
きた
「印刷テクノロジー」
に基づく真贋判定技術の活用を、
ウハウや高い信頼性を武器に、公共案件の需要を着実に取
公的部門のセキュリティや、企業のブランドプロテクション
り込むことに成功しました。
などでいっそう推進していきます。
海外においては、旺盛なセキュリティ需要に対応するべ
また、業務受託ビジネスについては引き続きBPO需要の
く、ICチップとアンテナを実装した電子タグ用の基本部材
開拓・深耕を図るほか、
カードの店頭即時発行や国際プリペ
(インレット)
を製造する新工場を米国に竣工したほか、IC
イド決済など、成長の見込めるサービスについては、特に重
カードおよびホログラムなどのセキュリティ技術の一体的な
点的に強化していく方針です。
拡販に注力しました。
今後の見通しと主な取り組みについて
近年、情報セキュリティへの関心は内外で急速に高まって
います。
また、金融市場ではトランザクションバンキングなど
Toppan Annual Report 2013
29
情報・ネットワーク系事業
商業印刷関連
当社はマーケティング・IT・クリエイティブの各領域で、
長年磨き上げたノウハウや技術力を自在に融合し、高付加価値のソリューションを提供することで、
お客さまから評価され、信頼されるビジネスパートナーとしての地位を獲得しています。
2012年度の市場動向と業績
SPツールを連動させ、高付加価値のソリューション提供をめ
メディア環境の変化に伴い、
インターネット広告などの市
ざします。またメディア事業では、
チラシ・カタログ類のデジ
場規模は拡大基調をたどる一方、
マス広告や紙媒体といっ
タル化といった
「メディア価値提供モデル」
に加え、
さまざま
た既存市場は成熟傾向にあります。当期においては夏場以
な企業と提携して新サービスの開発を推進していきます。
降、広告市場全体の停滞とともに、紙媒体が減少しました。
Shufoo!は
「ネットとリアルの融合
(O2O)
」
を象徴する事
こうした流れを受け、当社のマーケティング関連分野で
業であり、
これを足掛かりとするマーケティング施策
(リアル
は、チラシやSP関連ツールの売上が年度後半に減少し、通
との連携)
を通じて、
メディア価値をより高めていく方針で
期でも前年を下回りました。一方、パンフレットやカタログな
す。また、平面ディスプレイやプロジェクタによる
「デジタル
ど の 販 売 は 増 加したほ か 、電 子 チラシ 配 信 サービ ス
サイネージ」
は、生活者とのコミュニケーション手段として、
「Shufoo!
(シュフー)
」
は、順調に事業を拡大しています。同
今後いっそうの成長が期待されます。すでに教育市場への
サービスは、オンラインで展開する
“Web限定チラシ”、各
参入を進めており、事業ノウハウを蓄積し、
さらなる展開を
店舗がタイムリーな情報を簡単に発信できる
“Shufoo!ミニ
模索していきます。
チラ”
などのサービスを提供し、2013年3月末時点で、登録
さらに、業務受託ビジネス
(BPO)
の積極的拡大を図ると
法人数は約2,000社、登録店舗数は約88,000店、
また月
ともに、新たに構築するグループ・データセンターを活用し、
間のユニークユーザー数は458万人に上ります。Shufoo!
ITサービスの拡充に努めていきます。
では成果連動型モデルを採用しており、登録店舗数やユー
ザー数の拡大は、収益にプラスの影響を与えています。
今後の見通しと主な取り組みについて
企業の広告販促物におけるデジタル媒体活用の動きは、
今後さらに加速することが予想されます。これに伴いマーケ
ティング関連分野では、紙媒体の需要取り込みに加え、顧客
のより効果的な販売促進を支援するため、多様なメディアと
30
Toppan Annual Report 2013
情報・ネットワーク系事業
出版印刷関連
当社は業界最高水準の技術を駆使して、多彩なジャンルの出版印刷物を提供しているほか、
電子出版等のデジタルコンテンツの制作・配信・販売、
また出版社のコンテンツ資産を活用した共同事業などを通じて、
出版文化および出版ビジネスのさらなる発展に貢献しています。
2012年度の市場動向と業績
という二極化現象は今後も持続するものとみられます。紙か
既存の紙媒体の出版市場は成熟傾向にあり、当期におい
らデジタルへ大勢のユーザーが移行する本格的な普及段
ても、雑誌・書籍ともに依然として縮小傾向が続きました。
階を見据え、当社のコンテンツ関連分野では
「リアル
(紙)
と
一方、電子書籍については、主要プレイヤーが出そろい、市
デジタルのハイブリッド化」
戦略を追求していきます。すなわ
場は活性化しつつあります。また、当社も参画している
(株)
ち、紙・デジタル両媒体への対応力を高めつつ、
ネットとリア
出版デジタル機構のスキームにより、
さらなる市場拡大が
ルのさまざまな連携を模索することで、差別化によるさらな
見込まれています。こうした流れを受け、当社のコンテンツ
る競争力強化を図ります。
関連分野では雑誌・書籍が前年を下回ったのに対し、電子
出版社に対しては、出版関連業務のアウトソーシング受
書籍は順調に売上を拡大しました。
託事業を引き続き推進しつつ、
デジタルコンテンツとのシナ
電子書籍事業においては、コンテンツ流通サービスの
ジー戦略など複合的な提案を行い、売上の拡大につなげて
(株)
ビットウェイ、電子書籍ストア運営の
(株)
BookLiveと
いきます。
連携して、
マルチデバイス対応コンテンツの制作から取次・
また電子書籍市場では、
リアルな書店との連携を追求し
配信に至るまで、一貫したサービスの提供を実施しました。
つつ、電子書店
「BookLive!」
においてポイント制度などを活
独自のポイント制度を導入し、優良顧客の囲い込みを図ると
かした独自サービスの提供により優良顧客のさらなる増加
ともに、12月には、操作性に優れた自社開発の電子書籍専
を図り、2013年度には国内No.1の地位獲得、
また15年度
用端末
「BookLive!Reader Lideo
(リディオ)
」
を投入し、新
にはシェア20%の獲得を目標としています。
たなユーザーの獲得に成功しました。
生産体制の面では、川口工場の小ロット対応製造ライン
を活用し、顧客ニーズへのきめ細かい対応、最適生産の実
現、
およびコスト削減を追求しています。
今後の見通しと主な取り組みについて
既存の出版市場の縮小傾向、電子書籍市場の拡大傾向
Toppan Annual Report 2013
31
情報・ネットワーク系事業
ビジネスフォーム関連
帳票類などのビジネスフォーム事業と、
データの編集・加工から印刷・発送まで一括受託するデータ・プリント・サービス
(DPS)
事業を中心に、
トッパン・フォームズ
(株)
がトータルな情報管理ソリューションを提供し、お客さまの課題解決に貢献しています。
2012年度の市場動向と業績
このため、当事業において関連業務の一括受注を促進し、
ビジネスフォーム事業においては、企業の経費節減傾向、
既存印刷物のシェア向上を図るだけでなく、
ビジネスのもう
IT化・ネットワーク化の進展による全般的な需要の減少、
ま
一方の柱であるDPS事業へのさらなる注力が課題となりま
た競争激化に伴う価格低下といった厳しい市場環境のもと
す。具体的には、紙・電子・Webのクロスメディア戦略を
にあって、地道な営業努力を積み重ね、企業合併に伴う関
いっそう強力に推進しつつ、
トッパン独自の業務設計・情報
連印刷物を一括受注したことなどにより、前年を上回る売
運用ノウハウを活かしたBPOの本格展開を急ぐ必要があり
上を収めました。
ます。
DPS事業においては、Webと連動した紙・電子媒体の
こうした問題意識に基づき、2013年4月には、紙文書の
クロスメディア戦略や、最新鋭の高速デジタルプリンタを活
電子化・スキャニングなどで業界屈指の技術力を有する
用したバリアブル印刷の積極展開が奏功したほか、販促用
(株)
ジェイ エスキューブの買収を実施しました。これにより
DM需要が緩やかな回復傾向にあることも追い風となりま
ビジネスフォーム関連では、従来強みとしてきた情報の
“出
した。加えて、成長戦略の一翼を担うBPOの受託が拡大し
力面”
に加え
“入力面”
も整備し、国内最大級の入出力業務
たことで、DPS事業の当期業績は前年を大幅に上回りまし
受託体制を獲得したことになります。
た。
このほかICT
(情報通信技術)
事業の一環として、当期に
こうしたビジネスフォーム事業とDPS事業の一体的提供
大きな前進をみたNFC(近距離無線通信)
による決済ソ
を通じて当社が獲得した、高度なセキュリティおよび顧客企
リューションビジネスに、引き続き注力していきます。また、
業からの信頼は、競合他社に対する大きな競争優位性に結
中国やASEAN諸国への事業展開や海外投資を積極的に
びついています。
実施し、
よりバランスのとれたビジネス・ポートフォリオの獲
得をめざしていきます。
今後の見通しと主な取り組みについて
主力のビジネスフォーム事業は、上記の諸要因および社
会的な環境意識の変化を背景とするペーパーレスの流れか
らいって、今後とも厳しい市場環境の継続が予想されます。
32
Toppan Annual Report 2013
生活環境系事業
パッケージ関連
当社は表面加工や成型加工の独自技術を活用し、各種包装材の企画・開発・製造から、
受託充填、包装関連システム機器の開発・製造、あるいは商品企画コンサルティングまで、
総合的な
「パッケージソリューション」
を展開しています。
2012年度の市場動向と業績
今後の見通しと主な取り組みについて
パッケージ関連では、一般消費者の
「食の安心・安全」
意
パッケージ市場においては、
「 安心・安全」
「 省エネ・省資
識や環境意識の高まりを背景に、当社の戦略商品である透
源」
に対する要求が、今後いっそう高まるとみられます。こう
明ハイバリアフィルム
「GLフィルム」
(P24参照)
が、国内外の
したニーズを的確に捉え、
「カートカン」
に代表される環境配
市場で順調に売上を拡大しました。さらに10月には、熱殺
慮型製品をはじめとして、機能性・環境適性に優れた各種
菌後に高い酸素ガスバリア性が求められる流動食や点滴
パッケージを開発・提供していきます。特に透明ハイバリア
用輸液などに対応できる
「PRIME BARRIER レトルトグレー
フィルム活用包材については、食品分野や日用品分野だけ
ド」
の販売を開始するなど、透明ハイバリアフィルムの業績
でなく、医療・医薬分野、産業資材分野など、
さまざまな領域
は年度を通じて好調に推移しました。
で用途拡大を推進します。
加えて、紙カップや口栓付き軟包装材
「ボトルドパウチ」
が
生産体制の面では、新群馬工場の稼働を目前に控え、経
堅調だったほか、乳製品や医療・医薬分野は比較的底堅く
営資源配分の全体最適を加速します。原材料価格の値上が
推移したものの、加工食品や日用品など一般消費材向け包
りが足元で懸念されるなか、品質・生産性のさらなる向上は
材の売上が伸び悩んだことから、全体的には前年の水準を
喫緊の課題となっています。
また海外においては、各地域の
下回りました。
生産拠点の製造能力を強化するとともに、世界No.1ブラン
その他当期のトピックスとしては、新群馬工場
(仮称)
の着
ド
「GLフィルム」
を主軸に、透明ハイバリアフィルムのさらな
工が挙げられます。2014年春に竣工予定の同工場は、
ク
る拡販を通じて、
グローバルな事業拡大に取り組みます。
リーンな生産環境、高度な品質管理体制のもと、関東圏で
の生産体制強化はもとより、全社的な包装材生産の基幹工
場としての役割を担います。
また環境対応の面では、
メカニカルリサイクルPETフィル
ムを使用したラミネート包材の開発や、注ぎやすさを向上さ
せた詰め替え用スタンディングパウチ
「注ぎ上手」
の商品化
など、顕著な前進がみられました。
Toppan Annual Report 2013
33
生活環境系事業
高機能部材関連
当社は、印刷・コーティング技術や成型加工技術を応用し、バリアフィルムや、
太陽電池およびリチウムイオン二次電池などの環境エネルギー関連や情報機器関連の各種部材など、
さまざまな高機能製品やソリューションを提供しています。
2012年度の市場動向と業績
売を強化していきます。また、国内市場では医療業界向け
バリアフィルム関連の市場規模は現在約3兆円、
うち透
や、エレクトロニクス業界向けなどへの用途開発を積極的
明バリアフィルムを使用した包材・部材は約4,000億円の
に行い、成長を加速させていく方針です。
市場規模を有します。当社のGLフィルムはこの分野で世界
太陽電池関連の実需は今後も成長が見込まれます。当社
トップのシェアを誇り、当期における業績も好調に推移しま
はコスト競争力強化を図るとともに、市場セグメントに対応
した。
した製品開発とラインアップを充実させることで、利益を
太陽電池用のバックシートおよび封止材フィルムについ
伴った成長を志向していきます。
ては、年度前半は最終製品市場の需給バランス悪化により
リチウムイオン二次電池用外装材については、東洋製罐
業績は厳しい状況でしたが、後半には旺盛な国内需要を受
(株)
との合弁会社である
(株)T&Tエナテクノが、ソフト
け、
メーカー各社の生産調整が緩和に向かい回復基調とな
パックの製造拠点の三重工場に続き、2013年5月には
りました。その結果、通期の売上は前期をわずかに上回りま
ハードパックの製造拠点として滋賀工場を竣工。ソフトパッ
したが、利益面では厳しい状況となりました。
クとハードパック両面にわたり、中期的な業容拡大をめざ
プリンタ用記録メディアについては、既存製品のシェア
します。
アップや用途提案による新規受注獲得を図りましたが、前
また、放射性セシウムの吸着効果を有するゼオライト機能
年を下回りました。
紙や、X線の遮蔽効果を持ったタングステン機能紙など、新
また、精密加工・外装加飾部品については、
スマートフォン
たな製品の提供を進めていきます。
関連の新規部材の拡販に努めましたが、
フィーチャーフォン
の需要低下によるモックアップや実機部品点数の減少の影
響を受け、前年を下回りました。
今後の見通しと主な取り組みについて
透明バリアフィルムについては、拡大する需要を見据え
て、安定的な製品供給に努めるとともに、海外市場への販
34
Toppan Annual Report 2013
生活環境系事業
建装材関連
(株)
トッパン・コスモを中核に、化粧シートや床材、
外装材など多岐にわたる生活空間関連資材を開発・提供することで、
環境に配慮した快適な空間づくりに貢献しています。
2012年度の市場動向と業績
は、商品力の強化や新たな価値の提供、生産体制の効率化
国内の住宅市場では、戸建・マンション・アパートなどの新
といった施策が欠かせません。
設住宅着工戸数が前年の84万戸から89万戸へと増加し、
このうち商材面では、
「101エコシート」
を主軸に、床や外
リーマンショック後の落ち込みから緩やかな回復傾向をた
装材等への新たな用途展開を通じて、
いっそうのシェア拡大
どっています。こうしたなか当社の建装材関連では、多様化
を図ります。また非住宅分野では、不燃アルミ製品
「フォル
する住宅ニーズを踏まえた国内販売体制の再構築、
「101エ
ティナ」
や再生木材
「トッパンマテリアルウッド」
といった製品
コシート」
など環境配慮型製品の拡販が奏功し、国内業績
ラインアップをより拡充し、
エクステリアやリノベーションな
は好調に推移しました。
ど新たな市場を開拓していきます。
海外では欧州の景気低迷長期化、
また通期での円高傾
製品開発については
「エコ」
をキーワードに、新たな環境
向が収益の重しとなったものの、米国において生産体制の
配慮型製品の投入を加速します。加えて、高機能・エネル
強化や新規需要の開拓を積極的に推進しました。アトランタ
ギー関連事業と連携した商材・ソリューション提供を進めて
工場で設備投資を実施した前年に続き、当期は
(株)
千代田
いきます。
グラビヤのペンシルバニア工場を取得しました。こうした生
販売戦略面では、店舗や公共施設関連の新規需要獲得
産能力増強効果や、米国内での好調な需要を受けて、海外
を図るとともに、海外では欧州とアジアにおける現地生産
市場での売上は大幅に増加しました。
体制の構築を模索し、
さらなる売上拡大をめざします。
以上の結果、建装材関連の当期業績は前年を大きく上回
りました。
今後の見通しと主な取り組みについて
2013年度の国内住宅市場は、新設住宅着工戸数のさら
なる増加が見込まれ、足元の需要も力強い動きをみせてい
ます。
とはいえ消費増税を間近に控え、
また本格的な人口減
少社会が到来するなか、中長期的成長を実現するために
Toppan Annual Report 2013
35
エレクトロニクス系事業
ディスプレイ関連
当社は、印刷・製版技術をベースとした微細加工・表面加工技術により、
液晶用カラーフィルタや反射防止フィルムの開発・生産を行っています。
その先進的なテクノロジーと優れた品質は、国内外の市場で高い評価を得ています。
2012年度の市場動向と業績
のの、利益面では厳しい市場環境の影響を受け、前年の水
カラーフィルタ市場では、
テレビ用など大型サイズの需要
準を下回りました。
が伸び悩む一方、
スマートフォンやタブレット関連の中小型
サイズの市場拡大基調が続く
“二極化”
が進行しています。
今後の見通しと主な取り組みについて
当社ではこうした動向に対処するべく、当事業の投資・収益
カラーフィルタについては、
モバイル品を中心とした高精
構造の安定化を推進しています。
細化・高コントラスト化・高透過率化などの市場ニーズに対
当期においては、堺工場の第10世代サイズ製造ラインを
応し、収益安定化とキャッシュ・フローの改善を図ります。顧
堺ディスプレイプロダクト
(株)
へ移管・統合
(吸収分割)
し、
客・技術動向を見据えた世代ラインごとの最適生産体制を
大型カラーフィルタ事業の効率化を図りました。加えて、高
構築し、収益構造のさらなる強化を図ります。
精細対応を強みとする大型ラインは、第6世代とともに第8
さらに、
カラーフィルタの微細加工技術を活かして、
タッチ
世代についても、モバイル向けの対応も可能にするためラ
センサー基板など、新しい事業領域への対応を加速します。
イン改良を実施、量産体制を整備しました。また中小型サイ
フィルムタイプのタッチセンサーに関しては、20インチ以上
ズについては、高精細技術と小ロットを武器に、新たな需要
の領域に注力し、
シェアの獲得を図ります。
を開拓しています。さらに生産体制を見直すことで、収益の
反射防止フィルムについては、引き続き国内外の新規需
安定化を図りました。
要獲得と生産の効率化に努めます。
こうした一連の施策により、
カラーフィルタ事業の業績は
また、今回の事業再編で同じ事業本部内に置かれた
「高
年度後半に急速な回復を実現しました。堺工場の合理化に
機能・エネルギー関連」
とのシナジー効果を積極的に追求
伴い、通期の売上は前年を下回りましたが、利益面では大
し、海外を含めた市場開拓と新たな用途への展開、新製品
幅な増益となり、構造改革の確かな一歩をしるすことができ
の開発を強力に推進してまいります。
ました。
反射防止フィルムにおいては、国内に加え、韓国・台湾・中
国など海外市場の開拓に注力しました。特にテレビ向けや
PC向けの需要を取り込むことで、売上は微増を確保したも
36
Toppan Annual Report 2013
エレクトロニクス系事業
半導体関連
当社は超微細加工技術を駆使して、半導体製造用フォトマスク、プリント配線板などを開発・生産しています。
業界最先端の技術開発力とグローバルな製造ネットワークで、
世界のエレクトロニクス産業に貢献しています。
2012年度の市場動向と業績
やタブレットが牽引する形で、前年を上回る業績が予想され
当期においては、世界の半導体市場全体が前年比3%減
ます。
とマイナス成長となり、円高傾向の影響が重なった国内市
フォトマスク事業では、
ワールドワイドで生産体制の最適
場も同3%減と低迷しました。こうした市況のもと、当社の
化を継続して推進するとともに、技術面の先行優位性を追
フォトマスクやプリント配線板などの半導体関連は、総じて
求し、海外市場における有力顧客の囲い込み、
シェア向上に
伸び悩みました。
取り組みます。そのためにも米国IBM社との共同開発は、今
その一方、主力のフォトマスク事業では、中長期的な成長
後とも積極的に推進していく方針で、新たに10nm∼7nm
に向けて一定の成果もみられました。海外市場での拡販を
に対応するフォトマスクの製品化を視野に、研究・開発を進
いっそう強化するとともに、かねてより研究開発を進めてき
めています。
た14nm対応フォトマスクについては、一部出荷を開始し、
またFC-BGAについては、
コアレス基板などLSIの微細化
本格的な実用段階へと一歩を踏み出しました。
トレンドに合わせた製品開発を進めるとともに、プリント配
半導体パッケージ関連製品のFC-BGAは、
ゲーム機をは
線板に関しても先端品の開発・生産体制を改めて見直し、
じめとした民生用機器におけるシェアアップにより、順調に
受注拡大につなげていきます。
売上を伸ばしました。
さらに半導体関連製品全般について、米国のグループ企
プリント配線板については、年度前半は民生用電気機器
業TPI
(トッパン フォトマスクス インク)
の拠点を活用し、世
を中心に受注を拡大しましたが、通期では欧州金融危機に
界市場に対する販路を拡充していきます。
よる通信やIT情報関連投資の低迷などを受け、厳しい収益
状況となりました。
今後の見通しと主な取り組みについて
世界の半導体市場は今後、緩やかな成長路線に転じるこ
とが見込まれ、国内市場は円高是正も追い風に足元の景気
動向は力強い回復をみせています。通期でもスマートフォン
Toppan Annual Report 2013
37
2012年度のトッパンの活動
2012年
4∼12 月
■4月3日
■6月12日
■8月2日
電子チラシポータルサイト
「Shufoo!」
、テ
偽造防止効果の高い
「セキュアプリント
米国でセキュリティ製品向けインレット
レビ局8局と提携し
「電子チラシお届け
配線板」
を開発。特殊なセキュリティイ
製造の新工場を稼働 ∼全自動の一
サービス」
を拡大
ンキを用い、専用検証機器での真贋判
貫ラインにより大量生産と省人化を実
定が可能
現∼
■4月9日
サイアムトッパンパッケージング(タイ)
、
食品の一次包材(紙器)
の製造を開始
「セキュアプリント配線板」
サンプル
■4月20日
クラウドサーバ上で高品質な3次元CG
セキュリティ製品の生産拠点となる新工場
(オフィス棟)
の外観
をリアルタイムに生成・配信できる自動
車業界向けバーチャルシミュレーション
サービスを開発
刻印したID
■8月10日
■4月25日
メカニカルリサイクルPETフィルムを使
用した環境配慮型ラミネート包材を開
発 ∼世界初、詰め替えスタンディン
■6月19日
従来の3倍の速さで充填する、国内初
堺工場の大型液晶カラーフィルタ事業
を、堺ディスプレイプロダクト
(株)
に統合
のハイブリッド型高速ロータリー充填機
「RF充填機」
を開発
■8月29日
グパウチや食品・医薬品包材として販
ハイバリア紙製カップ「エコフラットカッ
売開始∼
プ」
で アルコール飲料の充填が可能な
新グレードを開発
■5月31日
環境に配慮した詰め替え製品「ネスカ
フェ エコ&システムパック」
で
(社)
日本
包装技術協会主催「木下賞」
を受賞
■6月6日
シチズンTIC(株)
と、世界初、電子ペー
パーサイネージのマルチカラー版を開
発 ∼超低消費電力の
「まちコミ」
サイ
バッグ・イン・ボックス
※二重構造のプラスチックフィルム内装と
外装段ボールからなる液体複合容器
■6月22日
放射線を遮蔽するタングステン機能紙
を京都大学と開発、高充填したタング
製造業(体外診断薬 一般)許可を取得
■9月6日
北九州スマートコミュニティ創造事業に
NFCコンテンツ配信サービス
「Cylsee
おけるインセンティブプログラム実証
(シルシー)」
の提供を開始 ∼NFC搭
実験に参画
ネージソリューションを強化∼
■6月7日
■9月5日
トッパングループ、幸手工場で医薬品
載スマートフォンをかざすと、時間や場
所に応じたコンテンツを配信、クラウド
■6月28日
上でコンテンツを一元管理し管理負荷
を軽減∼
ネットス ー パ ー の ポ ー タ ル サ イト
「Shufoo!モール」
を開 始、ユーザ400
万人をネットスーパーへ誘引
ステンと紙の特長を融合 ∼加工容易
な鉛フリーの放射線遮蔽材料を実現∼
■7月10日
間接転写方式で世界最速クラスの発行
スピ ードを実 現した カードプリンタ
「CP500」
を販売開始
タングステン機能紙
■7月31日
■9月8日
電子チラシポータルサイト
「Shufoo!」
、カ
コニカミノルタプラネタリウム
(株)
と文
タリナ マーケティング ジャパン
(株)
と、
化財デジタルアーカイブを活用したプ
クーポンサイト
「クーポン ネットワーク」
ラネタリウム作品を初公開
の連携サービスを開始
38
Toppan Annual Report 2013
「Cylsee」
利用シーン例
■ 情報・ネットワーク系事業 ■生活環境系事業 ■エレクトロニクス系事業 ■ 3系に含まれない活動
2013年
■9月25日
1∼3 月
■12月6日
■1月24日
空気の力で自立する、口栓付き液体製
厚さ40μm以下のバイオマスポリエチ
第9回LCA日 本 フォーラム 表 彰 に て
レンフィルムを使用した、食品・医薬品
「LCA日本フォーラム会長賞」
を受賞 品用スタンディングパウチ
「エアホール
などに展開可能なラミネート包装材を
∼
「組織」
と
「製品」
の両面から、環境への
ドパウチ」
を開発 ∼持ちやすさ・注ぎ
開発
影響を総合的に把握する仕組みを評価∼
やすさが向上、小さくたたんで捨てやす
い環境配慮型パッケージ∼
■10月1日
■12月7日
卓越したバリア性能など高い機能を誇
BookLive!、電子書籍専用端末
「Lideo
る新 透 明ハイバリアフィルム
「PRIME
(リディオ)」
および国内初の電子書籍
BARRIER レトルトグレード」
を開発
専用プリペイドカードを三省堂書店の
全国30店舗にて販売開始
「エアホールドパウチ」
のサンプル
※
「エアホールドパウチ」
は、当社が登録商
標出願中です。
「PRIME BARRIER レトルトグレード」
を用い
た製品サンプル
■11月5日
■2月21日
電子書籍専用端末
「Lideo」
■12月11日
早稲田環境研究所、積水化学、環境省
紙「FS-ZEO」
で軽量タイプと高強度タ
「平成24年度HEMS利用の価値向上の
ための調査事業」
を共同実施 ∼スマー
トシティにおいて、HEMSデータを有効
■11月7日
ンのトライアルを実施 ∼
「東京ユビキ
タス計画」公募実験に参画∼
放射性物質を吸着するゼオライト機能
イプの2製品を開発
NFCを活用した来店誘引ソリューショ
利用できる手法を検証∼
■2月22日
軟包材を中心に包装材事業を強化 、建
設中の新工場(2014年春竣工予定)
で
新技術・新製品の開発を推進
包装材事業における新工場の建設に
着手
■1月16日
■11月15日
ト
「Shufoo!」月 間 ページビューが1億
国内最大級の電子チラシポータルサイ
日 本 初、店 頭でオンライン上 の 商 品
ページビューを突破
評価を可視化するO2Oプロモーショ
新群馬工場の完成予想図
ンシステム「いいね!カウンター」
を提
供開始
■3月13日
世界で一番小さい本『四季の草花』
の製
■11月29日
業界初、
「カーボンフットプリントシステ
ム認証」
を取得 ∼カーボンフットプリ
ントの民間運用開始後、初の認証取得
∼
2012年9月より、日本の主婦の皆さまを応
援する
「主婦ウフフ♪キャンペーン」
をスター
ト。イメージキャラクターは人気タレントの山
田花子さん
作に成功 ∼0.75ミリ角の本に極小の
文字とイラストをはっきりと印刷∼
■1月17日
■12月5日
新ホスティングサービス「TOPICAマ
東京国立博物館とVR作品の有料上演
ネージドクラウド on IIJ GIO」
の提供を
施設
「TNM & TOPPAN ミュージアム
開始
マイクロブック
(ギネス申請中)
シアター」
を新設
■3月21日
電子出版コンテンツを読みやすくする
日本語オリジナル新書体の開発に着手
Toppan Annual Report 2013
39
トッパンの企業像
企業像
トッパンの企業像は、
「企業理念」
「 経営信条」
「 行動指針」
から成り立っており、
企業活動の基盤となる価値観を表しています。
私たちは、常にお客さまとの信頼関係の向上に努め、
優れた品質の
「作品」
を提供することで、
企業理念
社会から必要とされる企業であり続けます。
経営信条
行動指針
企業理念
トッパンのあらゆる企業活動の最上位に位置づけられる
概念であり、最も大切にしていく価値観・考え方を示し
たものです。
▲
私たちは
企業理念は、トッパンに働く「私たち」一人ひとりに共通する
価値観であるという姿勢を示しています。まさに人間尊重の
原点はここにあります。
▲
常にお客さまの信頼にこたえ
お客さまの満足や喜びを第一に考え、お客さまとの強い信頼
関係を築いていくこと。こうして築いた信頼が、私たちの活
動すべての基礎となっています。
▲
彩りの知と技をもとに
私たちは
「印刷」のもつ再現性や創造性、精緻さを
「彩り」と表していま
常にお客さまの信頼にこたえ
力を「技」とし、この二つの強みを組み合わせることでお客さ
す。それを引き出す企画力やマーケティング力を「知」
、技術
まのさまざまな思いを実現していきます。
こころをこめた作品を創りだし
▲
彩 りの知と技をもとに
こころをこめた作品を創りだし
私たちがお客さまにおくりだすものはすべて優れた品質の
「作品」でなければなりません。
「作品」とは、一人ひとりが、
情報・文化の担い手として
責任と情熱と工夫をもって創りあげる製品やサービスであり、
私たちの培ったノウハウや知力をそそぎ込んだソフトであり
ふれあい豊かなくらしに貢献します
ます。私たちは、これからも
「こころをこめた作品」を創り続
けていきます。
▲
情報・文化の担い手として
私たちは印刷を通して情報・文化の発展に多大なる貢献をし
てきたという自負があります。これからもさまざまな技術を
展開し、誇りと気概をもってこの役割を果たしていきます。
▲
ふれあい豊かなくらしに貢献します
私たちは、人と人、人と企業、企業と企業をつなぎ、コミュ
ニケーションを活性化していきます。それにより、こころ豊
かで満ち足りたくらしの実現に積極的に貢献していきます。
40
Toppan Annual Report 2013
経営信条
行動指針
実際に活動する際の規範を示したもので、私たちはすべ
企業理念、経営信条を踏まえて、遵法精神と企業理念に
てこの経営信条のもとに行動します。
則って行動できるように、基本的な考え方や実際の行動
のあり方を定めたガイドラインです。
私たちは
誠意・熱意・創意にもとづく活動を通じて
第1章
基本原則
お客さまとの信頼を築きます
1 基本的人権を尊重する
私たちは
グローバルな視点に立って
2 高い倫理観を持ち、良識ある
社会人として行動する
独創性に富むマーケティングと技術開発を行い
事業の刷新に努めます
3 法令および社内規程を遵守し、
公正に業務を遂行する
私たちは
社会的責任を認識し
地球環境との調和をめざすとともに
4 反社会的勢力との一切の関係を遮断する
5 品質の向上に努め、
お客さまの満足に
資する作品を提供する
公正で開かれた企業活動を行います
6 事業に関わる情報の重要性を認識し、
私たちは
ひとりひとりの能力とチームワークを最大限に活かし
働きがいのある企業風土をつくります
私たちは
新たな可能性を拓くことにより
企業の価値を高め
トッパングループの永続的な発展を図ります
適切に管理する
7 地球環境の保全に積極的に取り組む
8 変化を捉え、新たな可能性に挑戦する
9 社会貢献活動や適切な情報開示を通じて、
社会からの信頼を醸成する
10 個々の力を結集し、
グループ総合力を
最大限に発揮する
Toppan Annual Report 2013
41
コーポレート・ガバナンス
トッパンは、広く社会から評価される企業として、永続的な発展をめざしています。
最適なガバナンスシステムの構築によって経営の健全性を高めるとともに、
経営効率のいっそうの向上とグループ全体の価値の最大化を図っていきます。
コーポレート・ガバナンス
し、会計監査人や内部監査部門との連携を強化しつつ、事
会社法上の監査役会設置会社の形態をとり、経営監査
業所や関係会社の監査を計画的に実施しています。これら
室、コンプライアンス部、エコロジーセンターを設置し、ガ
を通じて、取締役および各部門の業務の適法性や会社方
バナンス体制の強化を図っています。また、公正なグルー
針・規則に沿った円滑で適正な経営がなされているか、予
プ経営を推進するための
「関係会社管理規程」
に基づき、
防監査の視点で監査し、助言しています。また、関係会社
グループ全体の価値最大化をめざしたガバナンスを展開
監査役会を定期的に開催し、グループの監査役監査の実
しています。
効性を高めています。
なお、有限責任 あずさ監査法人による会計監査を通じ
取締役・取締役会・各種会議
た会計の適正性の検証により、財務情報の信頼性と透明
取 締 役 会は、2 名 の 社 外 取 締 役を含む取 締 役 2 5 名
性の向上につなげています。
(2013年3月末現在)
で構成されており、月に1回の定例
取締役会のほか、必要に応じて臨時取締役会を開催して
監査機能の強化
います。経営上重要な案件は、代表取締役社長が指名した
事業部門から独立した経営監査室は、経営活動の管理・
取締役を構成員とする経営会議で事前に審査し、経営効
運営の制度と業務の遂行状況を合法性と合理性の観点か
率を意識した経営判断を行っています。
ら公正かつ客観的に監査しています。問題点は、被監査部
監査役・監査役会・会計監査人
結果を代表取締役社長、各担当取締役、監査役に報告し
3名の社外監査役
(うち2名は独立役員)
を含む5名の監
ています。2012年度は、経営監査、業務監査を25件実施
査役
(2013年3月末現在)
は、監査役会のほか、取締役会
しました。財務報告に係る内部統制については、全事業
や経営会議、危機管理にかかわる重要な会議などに出席
(本)
部、主要な子会社を対象に、整備評価、運用評価を実
門にフィードバックし、改善策の提案を行うとともに、監査
コーポレート・ガバナンス体制
株主総会
選任・解任
選任・解任
選任・解任
取締役会
監査
監査
選定・解職
監督
代表取締役
危機管理委員会
経営会議
危機対応
取締役会案件の
事前審議機関
担当取締役
事業部門
監視
指導
経営監査室
事業活動が適法かつ適正であるかを
監視・検証する部門
グループ会社
コンプライアンス部
経営に関する法令遵守と企業倫理確立を
推進し、監視・検証する部門
法令等の主管部門を中心に
自律的に点検、評価、改善
エコロジーセンター
会社の環境活動を統括し、監視・検証する
部門
その他統制組織
情報セキュリティ管理統括責任者
安全衛生委員会
TPM全国会議
全国エコガード委員会
連携
Toppan Annual Report 2013
補助
全国行動指針推進責任者
報告
監査役室
指示
監査
監 査 役︵会︶
会計監査人
監査
指導
42
助言・勧告
特別委員会
(買収防衛)
施しました。
危機管理体制
法務本部コンプライアンス部は、法令遵守と企業倫理
リスクの発生を回避するとともに、発生した際の損失を
の確立を推進する役割を担っており、
「 行動指針」
の周知・
最小限に抑えるための総合的なリスクマネジメントを行っ
徹底、規制法の遵守教育、情報セキュリティにかかわる監
ています。
査機能を担っています。製造統括本部エコロジーセンター
リスクの回避とリスク発生時の損失の抑制にかかわる
は、環境活動を統括し、事業所の監査、改善確認までを
事項については
「危機管理に関する規程」
を制定し、危機
行っています。
管理を要するリスクごとに本社主管部門を定め、当該部門
の担当取締役が個別リスクについての予防、回避、是正措
経営活動の透明性向上
置を講じる責任者となる、主管部門別危機管理体制をとっ
公正・公平な情報開示
ています。
トッパンでは、経営活動の内容を公正かつオープンに開
危機管理を要するリスクは、規程に基づき年1回の見直
示することをモットーとしています。IR情報開示にあたっては、
しと対応策の検討を行っています。また、本社各部門の危
「IRに関する基本方針」
に従い、公平性と透明性および迅速
機管理担当者で構成される
「危機管理連絡会」
を定期的に
性を期するため、当社のウェブサイトにIRページを開設して
開催し、常に情報の共有化を図ってリスクに備えています。
います。財務情報については、IRページのほか、四半期ごと
に発行している株主さま向け小冊子
「Toppan Story」
にて
事業継続マネジメント(BCM)への取り組み
開示しています。
また、第2四半期および期末決算後に経営
不測の事態に見舞われ事業活動が停止した場合でも、
で
トップの出席のもと決算説明会を開催しており、資料はIR
きる限り速やかに事業再開ができるよう、事業継続計画
(BCP)
の策定を進めています。2010年度は首都圏の主要
ページで公開しています。
事業拠点を対象としましたが、2011年度からは、本社各部
取締役および監査役の報酬
門、
グループ会社を含めた全社展開へと拡大させています。
2012年度の取締役の年間報酬総額は1,057百万円、
2012年度は、引き続き購買部門の調達先へ事業継続に
監査役の年間報酬総額は108百万円です。報酬の決定の
関する現状調査を行い、購買戦略につなげるなど、BCPを
方法等については、有価証券報告書の
「コーポレート・ガバ
具体化させるための事業継続マネジメント
(BCM)
活動を本
ナンスの状況等」
をご覧ください。
格的に展開するとともに、全社啓発教育や社内セミナーを
実施し、従業員への周知徹底を図りました。
危機管理を要するリスクと本社主管部門
危機管理を要するリスク
製品事故・製造物責任
製品事故・クレーム
〈製造統括本部〉
基幹系システム関連事故〈ICT本部〉
労災、交通事故など、従業員の人身事故〈人事労政本部〉
債権関連事故〈財務本部〉
事業活動に伴う事故・災害
受注物に関する法的トラブル〈法務本部〉
個人情報・社内機密情報などの漏えい〈法務本部〉
火災・爆発による事故・災害〈製造統括本部〉
溶剤保管・危険薬品保管などの法令違反〈製造統括本部〉
誹謗、中傷、その他犯罪被害
反社会的勢力との関係
自然災害
企業経営にかかわるリスク
社内用システムへのサイバーテロ、不正アクセス・使用、個人・社内情報などの漏えい〈ICT本部〉
対企業暴力
(脅迫、誘拐、強盗)
〈人事労政本部〉
反社会的勢力からの不当要求、取引先と反社会的勢力との取引
〈法務本部〉
地震、風水害、落雷などによるお客さまおよび会社資産の損害、人身事故〈人事労政本部〉
大規模地震等の不測の事態による事業の中断〈法務本部〉
株主代表訴訟、敵対的買収
〈法務本部〉
外部発注における法令違反
下請法違反、取引先との不正取引〈製造統括本部〉
知的財産権侵害
特許、商標、著作権侵害
〈法務本部〉
環境問題
環境関連法令基準違反、産業廃棄物処理違反
〈製造統括本部〉
海外事業活動におけるリスク
製品事故、環境問題、火災・自然災害、国際紛争・テロなどによる人的・物的資産の損害
〈経営企画本部〉
Toppan Annual Report 2013
43
取締役および監査役
代表取締役社長
金子 眞吾
代表取締役会長
足立 直樹
取締役
●代表取締役会長
足立 直樹
●常務取締役
大久保伸一 人事労政本部長
伊東 厚 東日本事業本部長、東日本事業部長
●代表取締役社長
垣谷 英孝 財務本部長
金子 眞吾 新井 誠 情報コミュニケーション事業本部副事業本部長
麿 秀晴 国際事業部長、シンガポール支社長
●取締役副社長
髙宮城實明 社長補佐
●専務取締役
降矢 祥博 生活環境事業本部長
大湊 満 情報コミュニケーション事業本部長
長山 芳幸 西日本事業本部長
熊本 優一 マテリアルソリューション事業本部長
前田 幸夫 経営企画本部長、ICT 戦略室長、広報本部長
メディア事業推進本部長
44
Toppan Annual Report 2013
専務取締役
前田 幸夫
専務取締役
長山 芳幸
専務取締役
降矢 祥博
取締役副社長
髙宮城實明
専務取締役
大湊 満
専務取締役
熊本 優一
監査役
●取締役
●常任監査役
佐久間国雄(社外)
副島 豪(常勤)
野間 省伸(社外)
三井 清治
●監査役
松田 直行
青木 研一(常勤)
佐藤 暢晃
森下 伸昭(社外)
杵村 勝博
野村 修也(社外)
伊沢 太郎
髙木新二郎(社外)
江崎 純生
山野 泰彦
小谷友一郎
岩瀨 浩
山中 紀夫
中尾 光宏
Toppan Annual Report 2013
45
トッパンの社会的責任活動
トッパンは、CSR活動への取り組みを企業経営の根幹をなすものと位置づけ、
「TOPPAN VISION 21」
に定める
「企業像」
の実現に向け、推進テーマを設定して活動を推進しています。
具体的な活動にあたっては、ISO26000
(組織の社会的責任の国際規格)
を
CSRマネジメントに取り込み、社会的な課題解決に取り組むことで、
社会から信頼され尊敬される強い企業グループの確立をめざしていきます。
ステークホルダーとの対話
社会的責任活動
トッパンは事業に大きな影響力を持つ、
または、事業に
トッパンの
「企業像」
を実現するための重要な活動の一
よって影響を受ける可能性があるステークホルダーを
「お
つに社会的責任活動があります。社会からの要請を事業
客さま
(顧客企業、生活者)
「
」取引先」
「社会・地域社会」
「株
に統合するこの活動は、社会や地球環境と調和しながら
主・投資家」
「社員」
と認識しています。
企業が成長するために欠かすことのできない活動である
社会的責任活動がひとりよがりにならないためにも、ス
からです。
テークホルダーとの対話を重視し、得られた意見を活動に
具体的な活動にあたっては、世界のさまざまな国から
取り入れています。
各種の機関・団体などが参加し、作り上げられた社会的
日々の事業活動における上記ステークホルダーとの
責任に関する国際規格「ISO26000(Guidance on
対話に加え、2004年度から、各ステークホルダーを代表
social responsibility)
」
を参考にしています。世界の多
する、あるいは社会的課題に知見のある有識者や団体の
様なステークホルダーの合意によって作り上げられたこ
方々との対話を行ってきました。2012年度も、グローバル・
の規格は、現代の代表的な社会要請と捉えることができ
コンパクト・ジャパン・ネットワークのISO26000分科会に
るためです。
参加し、環境、人権、
コミュニティ参画、公正な事業慣行、労
ISO26000は、社会的責任とは何か、
どのように取り組
働慣行をテーマに、NGOや識者との対話を行いました。
むべきかを示した手引きで、組織の規模・業種を問わず利用
できます。
また、品質や環境マネジメント規格とは異なり、第
※1 トッパンのCSRへの取り組みの詳細に関しては、
三者機関による認証ではなく、ステークホルダーの意見を
2013年7月発行の
「CSRレポート2013」
および
重視しています。
ウェブサイトhttp://www.toppan.co.jp/csr/を
ご参照ください。
トッパンは、
この手引きを意識して社会的責任活動に取り
組むとともに、ISO26000が定義した社会的責任の
「7つの
※2 組織統治に関する事項については、
「コーポレート・ガバナンス」
(本誌42ページ)
をご
参照ください。
中核主題」
に沿って、活動報告をしていきます。
トッパンのステークホルダーと7つの中核主題
ステークホルダー
7つの中核主題
お客さま
(顧客企業、生活者)
労働慣行
社員
TOPPAN
企業像
人権
コミュニティへの
参画および
コミュニティの
発展
環境
組織統治
公正な事業慣行
消費者課題
株主・投資家
取引先
社会・地域社会
46
Toppan Annual Report 2013
対話
ISO26000「7つの中核主題」
とトッパンの活動のポイント
ISO26000
7つの中核主題
課題
活動のポイント
❶会社法上の監査役会設置会社の形態をとり、経営監査
室、コンプライアンス部、エコロジーセンターを設置し、
組織統治
組織統治
ガバナンス体制の強化を図っています。
❷
「関係会社管理規程」
に基づき、グループ全体の価値最
大化をめざしたガバナンスを展開しています。
課題1:デューディリジェンス
課題2:人権に関する危機的状況
課題3:加担の回避
人権
課題4:苦情解決
課題5:差別および社会的弱者
課題6:市民的および政治的権利
課題7:経済的、社会的および文化的権利
❶
「人間尊重」
の考え方に基づき、社内外において基本的
人権の尊重を徹底しています。
❷国連グローバル・コンパクトなど国際的な枠組みにも加
盟し、人権に関する対話を行っています。
❸2012年度に、障がい者雇用や障がいを持つ社員への支
援体制の強化を行いました。
課題8:労働における基本的原則および権利
課題1:雇用および雇用関係
課題2:労働条件および社会的保護
労働慣行
課題3:社会対話
課題4:労働における安全衛生
課題5:職場における人材育成および訓練
課題1:汚染の予防
課題2:持続可能な資源の利用
環境
公正な事業慣行
課題3:気候変動の緩和および気候変動への適応
❶
「企業は人なり」
の理念の下、従業員が
「やる気」
「元気」
「本
気」
で仕事に取り組めるようバックアップしています。
❷経営協議会や各種の委員会を通じて、労使の対話を行っ
ています。
❸ワーク・ライフ・バランスの実現と従業員の健康確保のた
め、労働時間短縮の取り組みを継続しています。
❶2020年度をターゲットとした
「中長期環境目標」
を設定
して、環境活動に取り組んでいます。
❷
「環境マネジメント活動」
「エコガード活動」
「エコクリエイ
課題4:環境保護、生物多様性、および自然生息地の
ティブ活動」
「環境コミュニケーション活動」
の4つの領域
で環境活動を展開しています。
回復
課題1:汚職防止
❶海外版の
「行動指針ケースブック」
の作成を開始しました。
課題2:責任ある政治的関与
❷汚職や横領など、不正行為を防止するための講習を実施
課題3:公正な競争
課題4:バリューチェーンにおける社会的責任の推進
課題5:財産権の尊重
しました。
❸紙の原材料となる木材採取の合法性を担保するため、サ
プライチェーンの調査を実施しています。
課題1:公正なマーケティング、事実に即した偏りの
ない情報、および公正な契約慣行
課題2:消費者の安全衛生の保護
課題3:持続可能な消費
消費者課題
課題4:消費者に対するサービス、支援、ならびに
苦情および紛争の解決
課題5:消費者データ保護およびプライバシー
課題6:必要不可欠なサービスへのアクセス
❶ユニバーサルデザインの取り組みでは、2つの賞を受賞
しました。
❷個人情報取扱セキュリティエリアの拡大、認証の取得を
進めています。
❸民間企業で初めて
「CFP
(カーボンフットプリント)
システ
ム認証」
を取得しました。
課題7:教育および意識向上
課題1:コミュニティへの参画
コミュニティへの
参画および
コミュニティの
発展
課題2:教育および文化
課題3:雇用創出および技能開発
課題4:技術の開発および技術へのアクセス
課題5:富および所得の創出
課題6:健康
課題7:社会的投資
❶企業、NPO、自治体・政府が連携する東日本復興支援の
取り組みに参画し、支援活動を継続しています。
❷社員が参加し、地域の次世代育成や教育支援の取り組
みを行っています。
❸途上国の識字能力の向上を応援するトッパンチャリ
ティーコンサートは、6回目を迎えました。
Toppan Annual Report 2013
47
2012年度の実績
7つの中核主題
組織統治
人権
労働慣行
2012年度の取り組み項目/目標
2012年度の主な施策
ISO26000に基づいたCSRマネジメント
・ISO26000の社内浸透と国内グループ会社への展開
事業継続計画
(BCP)
策定の水平展開と
推進活動の継続実施
・全事業
(本)
部、主要グループ会社への展開
(行動手順書策定、訓練)
・BCMS
(ISO22301)
の取得準備と独自の訓練・評価・監査手法の構築
基本的人権尊重の意識啓発
・人間尊重を基軸としたビジネスパーソンの確立に向けた
各種教育研修の実施
開かれた採用環境、情報の提供
・グローバルな人財の採用の推進
積極的な女性の登用
・ポジティブアクションによる女性活用の推進
障がい者雇用の推進
・各地区のハローワークとの連携による採用活動の積極的展開
人事処遇制度の適切な運用
・環境変化に対応できる企業体質の強化に向けた労働条件・人事制度
の再構築、新たな制度や仕組みの導入および検討
ワーク・ライフ・バランスの推進
・マルチシフト勤務をはじめさまざまな勤務制度の活用
・新就業管理システム導入によるきめ細かい労働時間マネジメントの推進
労働安全衛生活動の徹底
・
「安全道場」
全国キャラバン巡回継続と製造子会社への展開
防火・防災活動の徹底
・東京および関西に全社対策本部機能を配備
・拠点ごとの初動体制を確立、事業
(本)
部ごとの管理体制の整備
メンタルヘルス対策
・アートサロンおよび社員向けカウンセリングの実施エリア拡大
地球温暖化防止
環境
循環型社会形成への対応−廃棄物最終埋立量の削減
中長期環境目標については右図参照❹
大気環境保全−VOC大気排出量削減
法令や
「行動指針」
への意識向上
・
「行動指針推進リーダー」
の機能および不正行為防止に向けた
取り組み強化
・
「行動指針」
の海外グループ会社への展開
取引上の規正法遵守
・グループ会社の生産管理部門を含めた下請法研修および取引実態の
ヒアリング調査の継続
サプライチェーンにおけるCSR推進
・ISO26000を見据えたCSR調達ガイドラインの見直し
品質事故の防止徹底による
消費者安全の確保
・食品用包装製品事業、食品充填事業に関する製品安全活動継続
・包装製品全般の異品種混入、異物混入防止等重点施策の実施
環境影響評価の推進
・カーボンフットプリント
(CFP)
の事業
(本)
部展開に向けた推進体制の
構築と運用
・CFP検証方法を個品単位認証方式からシステム認証方式に変更
情報事故ゼロに向けた
情報セキュリティ管理体制の構築
・個人情報取扱セキュリティエリア新設置基準によるセキュリティエリア
48拠点に対する指導・再認定
社会的課題の解決に向けた
社会貢献活動プログラムの実施
・東日本大震災被災地に対する中期的な復興支援の継続
(移動図書館
「ブックワゴン」
活動の継続)
・
「第6回トッパンチャリティーコンサート」
の開催
公正な事業慣行
消費者課題
コミュニティへの参画
およびコミュニティの発展
48
Toppan Annual Report 2013
トッパンの社会的責任活動
・事業
(本)
部の主要拠点や主要グループ会社等で基本計画
書、行動手順書策定、BCM運用展開、模擬訓練等を実施
❶採用人数
2011年度
定期大卒
(院卒含む)
高専・高卒
・グローバルに活躍できる人財の採用を強調した
企業説明会を開催❶
❷
・女性の管理・監督職比率5.1%(2013年4月1日付)
❸
・障がい者雇用率は2.13%を達成
(2013年6月1日現在)
・これまで障がい者の受け入れのない部署への配置も実施
男性
営業・
事務ほか 女性
男性
技術
女性
男性
女性
定期採用合計
(女性比率)
男性
女性
経験者採用
❷女性管理・監督職推移
・産業カウンセラー有資格者1名ほか3名体制で全国に対象
エリアを拡大
(目標739千tに対し達成率108.1%)
❺
・CO2排出量:679千t
(目標475tに対し達成率125.9%)❻
・廃棄物最終埋立量352t
(目標5,250tに対し達成率114.3%)
・VOC大気排出量4,497t
・行動指針推進リーダー研修実施(73回、グループ会社含
め1,235名受講)
・営業所教育
(全国23回、584名受講)
およびヒアリング
(全
国12拠点)
の実施
11年
する法律施行規則」
第8条の規程による
12年
47
43
37
10年
います。
13年
■ 女性監督職 ■ 女性管理職
❹2020年度中長期環境目標
1 地球温暖化防止
2
CO2排出量を
循環型社会形成
への対応
廃棄物最終埋立量を
[t-CO2/百万円] (注)
CO2排出量は、環境省の「事業者からの温
1,500
1,200
1.00
0.74
0.71
0.75
だし、電気使用に伴うCO2排出量は、一律
679
695
722
751
0.60
0.378t-CO2/千kWhで算出しています。
0.40
「特定排出者の
2012年度のCO2排出量を
0.20
0
0
08年
10年
11年
■ CO2排出量 室効果ガス排出量算定方法ガイドライン
(平成15年)」に基づき算出しています。た
0.80
0.76
300
事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の
算定に関する省令」
(最終改正平成22年3
月31日)
に基づいて実排出係数で算出した
12年
場合、809,466t-CO2となります。
売上高原単位
❻廃棄物総排出量および最終埋立量の推移
[千t]
0.6
70
2.0
1.5
0.6
140
2.5
265.1
1.6
280
267.6
277.8
313.8
[千t]
210
・2012年6月から12月まで第2期活動を実施、第1期とあ
わせ、来館者数14,869名、貸出人数8,620名、貸出冊数
25,874冊の利用があった
・
「第6回トッパンチャリティーコンサート」
の開催
・予定通り2日間開催し、215万円をユネスコ・アジア文化セ
ンターに寄附
VOC大気排出量を
❺CO2排出量/売上高原単位の推移
[千t-CO2]
350
・新規含め62拠点の認定審査完了
3 大気環境保全
2008年度比 11%削減
2008年度比 87%削減
2008年度比 70%削減
(751千t→669千t:▲82千t) (1,584t→206t:▲1,378t) (7,326t→2,198t:▲5,128t)
600
・情報コミュニケーション事業本部在京4工場におけるシス
テム構築
・CFPシステム認証取得
221名
2.13%
「障害者雇用状況報告書」
で報告した常
900
・社内外のべ26事業所で食品充填事業所監査および食品
一次包装製品生産事業所監査を実施
・生活環境事業
(本)
部各工場およびグループ製造子会社計
6工場で食品用包装製品生産工場FSSC2200の認証取得
197名
1.91%
用雇用者数
(6月1日時点)
を分母にして
34
0
199名
1.97%
※雇用率は、
「障害者の雇用の促進等に関
50
・本社に全体対策本部室を設置、衛星携帯電話・無線機等を
配置し立ち上げ訓練実施
80
39
70
30
4
14
237
(35.0%)
−
−
2011年 2012年 2013年
人員
雇用率※
150
133
124
100
161
149
150
115
・2012年8月より
「新就業管理システム」
の運用を開始し、
グループ製造子会社にも2013年1月に導入
・月間平均残業時間は前年から0.9時間削減
・半日休暇の上限
(計20回)
を撤廃
176
200
2013年度
60
24
105
26
0
11
226
(27.0%)
16
8
❸障がい者雇用
197
[名]
2012年度
51
23
83
22
3
13
195
(29.7%)
2
3
10年
11年
1.0
0.4
2012年度の主な実績
0
0.5
0
08年
12年
■ 廃棄物総排出量 ■ 最終埋立量
Toppan Annual Report 2013
49
事業活動を通じた社会貢献
∼
「スマートコミュニティ」
への取り組み∼
らしに適した情報をお届けする」
ノウハウを活用します。た
とえば、機器を用いて家庭の使用電力量を表示するだけで
は、生活者に省エネや節電につながる行動を喚起させるこ
限りあるエネルギーを効率的に利用し、快適な暮らしを
とは難しいものです。そこで、人感センサーを使って、各部
めざす
「スマートコミュニティ」
。
屋の人の在・不在情報も組み合わせることでムダを
「見え
トッパンは、情報加工・情報管理・情報提供などの
「印刷
る化」
したり、買い物などの外出を通じて節電と地域経済
テクノロジー」
を用いて、①コミュニケーション領域、②BPO
活性につながるレコメンド配信システムを開発しました。夏
(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)領域、③セキュリ
の電力ピーク時に商店のタイムセール情報を配信し、主婦
ティ領域の3つの領域で、スマートコミュニティの実現に貢
に外出行動を促すことで家の電気を消すことにつなげるな
献します。
ど、わかりやすく、親しみやすいコミュニケーションで省エ
ネ・節電行動の喚起を支援しています。
快適に暮らす環境都市
2012年度は、福岡県北九州市における実証実験に参画
スマートコミュニティとは、その地域に暮らす人々のライ
し、電子チラシポータルサイト
「Shufoo!」
のノウハウを活か
フスタイル全体を視野に入れた社会システムを構築し、エ
し、生活者の属性や生活様式を踏まえて外出につながる行
ネルギー需給の最適化を図ることで、エネルギーの効率的
動を喚起することで、家庭の電力消費量の削減に効果があ
な利用を実現しながら、快適な暮らしを構築しようというも
ることがわかりました。
のです。現在、そのイメージは、自然との共生、健康への配
慮、移動のしやすさなど、
「地域の生活者に快適な暮らしを
②BPO
(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
領域
実現する街」
というレベルにまで、広がりを見せています。
この領域では、
トッパンが顧客企業から受託しているキャ
ンペーン事務局運用などのノウハウを活用し、スマートコ
スマートコミュニティの実現に向けたトッパンの取り組み
ミュニティの管理・運用をサポートしていきます。太陽光パ
電力・エネルギー利用の効率化を生活者に強制したり、
ネルや蓄電池、HEMS ※などのエネルギーデバイスの調達
不便を強いれば、生活者には不満がたまります。反対に、楽
から設置までの導入支援をはじめ、買い物情報やヘルスケ
しく快適で、意識をせずともそのような暮らしが実現できる
ア情報など街の各種提供サービスまで、
トータルな管理・運
仕掛けがあれば、生活者は自然とライフスタイルを転換す
用をサポートします。
ることが期待できます。
※HEMS:Home Energy Management System
トッパンは、スマートコミュニティの中を流通する
“情報”
に着目し、
これらの情報を生活者にとって有用な意味のあ
③セキュリティ領域
る情報に変化させて届けることで、自然な行動変化を促す
スマートコミュニティ内では、生活者の生活行動情報など
ことができると考えています。現在、次の3つの領域で、ス
も流通するため、ハイレベルなセキュリティ環境の構築が必
マートコミュニティの実現に貢献しています。
要です。この領域では、ICカードの開発や運用で得たノウハ
ウを活用し、各家庭のエネルギーデータや個人情報の保護
①コミュニケーション領域
を確実に実施していきます。
この領域では、
「わかりやすく表現する」
「一人ひとりの暮
ムダの見える化
50
Toppan Annual Report 2013
スマート家電
トッパンの社会的責任活動
び技術サービスの推進)
に対して、
エコロジーセンターの指
トッパンの環境活動
導のもと、各種の施策を実施しています。事業所単位の環
トッパンは、持続可能な社会の実現をめざし、事業のあら
境マネジメントシステムと社内環境監査によりPDCAサイ
ゆる分野で環境保全活動を推進しています。2010年4月
クルの運用を徹底するとともに、環境法令への対応や体系
には、
「トッパングループ地球環境宣言」
および「環境管理
的な環境教育、社内外のコミュニケーション活動などに取
規程」
の基本理念に基づき、
「 地球温暖化防止細則」
「 循環
り組み、活動のレベルを継続的に維持・向上させています。
型社会形成細則」
「化学物質管理細則」
「公害防止細則」
「生
物多様性細則」
を制定しました。経営の最重要課題として、
環境保全活動
地球環境保全への取り組みを積極的に推進しています。
地球温暖化防止のために、設備の稼働状況に合わせた
運転管理、植物を用いたグリーンカーテン、物流の積載率
トッパンの環境目標と2012年度の実績
向上など、省エネルギー施策に取り組んでいます。また、廃
トッパンは、地球環境宣言の実現に向けて、中長期環境
棄物の再資源化に取り組み、54事業所をゼロエミッション
目標と当該年度の具体的な環境目標を定め、全員参加で
事業所として認定しました。
また、汚染防止のための管理項
環境保全活動を推進しています。2012年度は14項目の
目を強化し、あわせて社内監査評価基準を見直し、管理の
環境目標を設定して活動を推進し、8項目で目標を達成し
質的向上を図り、
さらに、生物多様性保全のため、土地利用
ましたが、残り6項目については残念ながら目標未達成で
時の計画評価手順を策定するなど、環境負荷の低減と事
した。2013年度においても、引き続き省エネルギー施策
故の未然防止に努めています。
の展開、廃棄物削減、
リサイクルの推進、化学物質リスク
の抑制管理に努め、目標達成に向けて積極的に活動の推
環境配慮型製品・環境ビジネス
進に取り組んでいきます。
トッパンは、ISO14021に準拠した自主基準
「環境14主
環境マネジメント
発した製品は、
エコロジーセンターで評価し、合格した製品
トッパンは、環境マネジメントシステムを構築し、その
だけが認定・登録されます。2012年度までに認定・登録さ
実効性を確保するため経営者による環境マネジメントレ
れた環境配慮型製品は106件です。
また、2012年度は、自
ビューを実施しています。また、環境活動の両輪である
「エ
主基準の見直しを行い、2013年度からは新たな
「トッパン
コガード活動」
(企業活動に伴う環境負荷低減)
と
「エコクリ
環境配慮型製品基準」
の運用を開始し、
エコクリエイティブ
エイティブ活動」
( 環境配慮型製品の開発・評価、販売およ
活動をさらに活性化させていきます。
張」
を設け、環境配慮型製品の開発に取り組んでいます。開
トッパングループ地球環境宣言
私たちは責任ある国際社会の一員として、
生物多様性に関する基本方針
(1)
生物多様性の保全は、経営の一環であり、重要な要素と位置づ
トッパングループで働く者全員が、
ける。
未来を見据えた地球環境の保全に配慮した企業活動を通じて、
持続可能な社会の実現に努めます。
(2)
原材料調達においては、生物多様性に及ぼす影響の回避・最小
化により、持続的な利用に積極的に取組む。
(3)
生物多様性に関する社会貢献活動に積極的に取組む。
基本方針
(4)
取組みにおいては、予防的・順応的な方法を用い、かつ長期的
1. 私たちは、環境に関する全ての法令及び社内規程を遵守します。
2. 私たちは、地球の未来のために、限りある資源の有効活用と、あ
らゆる環境負荷の低減に努めます。
な観点を持つ。
(5)
取組みにおいては、地域住民など生物多様性に関わる多様なス
テークホルダーとの連携に配慮する。
3. 私たちは、先見性をもって環境に配慮した製品の開発と普及を
促進し、
お客さまの環境活動に貢献します。
(6)
生物の多様性の保全及び持続可能な利用は、地球温暖化の防
止等に資するとの認識の下に行う。
4. 私たちは、社内外の広範な人びとと環境に関するコミュニケー
ションの活性化を図り、相互理解に努めます。
5. 私たちは、国際社会における企業活動においても、環境保全に
積極的に取り組みます。
1992年4月制定
2010年4月策定
2009年4月改定
Toppan Annual Report 2013
51
主要連結子会社および関連会社
2013年3月31日現在
主要な事業の内容
情報・
ネットワーク系事業
国または地域
資本金
トッパン・フォームズ
(株)
名称
日本
¥ 11,750 百万
60.7
図書印刷
(株)
日本
¥ 13,898 百万
51.8
東京書籍
(株)
日本
¥ 80 百万
58.5
シンガポール
S $ 104 百万
100
(株)
トッパンメディアプリンテック東京
日本
¥ 400 百万
53.3
(株)
トッパンメディアプリンテック関西
日本
¥ 100 百万
55.0
(株)
フレーベル館
日本
¥ 50 百万
100
(株)
トータルメディア開発研究所
日本
¥ 500 百万
100
(株)
トッパントラベルサービス
日本
¥ 100 百万
100
日本
¥ 100 百万
100
(株)
トッパンテクノ
日本
¥ 400 百万
100
(株)
トッパンシステムソリューションズ
日本
¥ 200 百万
100
(株)
トッパン
日本
¥ 10 百万
100
(株)
トッパン保険サービス
日本
¥ 38 百万
100
(株)
トッパンホール
日本
¥ 30 百万
100
日本
¥ 50 百万
100
(株)
トッパンキャラクタープロダクション
日本
¥ 50 百万
100
(株)
トッパンマインドウェルネス
日本
¥ 10 百万
100
(株)
マピオン
日本
¥ 600 百万
63.3
(株)
ビットウェイ
日本
¥ 1 百万
100
日本
¥ 135 百万
81.5
(株)
BookLive
日本
¥ 3,058 百万
64.7
(株)
トッパンコミュニケーションプロダクツ
日本
¥ 400 百万
100
三生印刷
(株)
日本
¥ 20 百万
90
トッパンエディトリアルコミュニケーションズ
(株)
日本
¥ 50 百万
100
日本
¥ 10 百万
100
日本
¥ 50 百万
100
日本
¥ 300 百万
100
東京都プリプレス・トッパン
(株)
日本
¥ 100 百万
51
アイ・エヌ・テイ
(株)
日本
¥ 100 百万
100
日本
¥ 50 百万
65
Toppan Leefung Pte. Ltd.
凸版警備保障
(株)
トッパン・ヒューマン・インフォメーション・サービス
(株)
ジェイマンガ
(株)
(株)
創日社
デジブックジャパン
(株)
(株)
トッパングラフィックコミュニケーションズ
(株)
トッパンメディアプリンティング北海道
(株)
芸術造形研究所
日本
¥ 30 百万
100
Toppan Printing Co.,(Shanghai)Ltd.
中華人民共和国
RMB 199 百万
100
上海凸版国際貿易有限公司
中華人民共和国
RMB 10 百万
100
上海凸版広告有限公司
中華人民共和国
RMB 9 百万
100
米国
US $ 25 百万
100
中華人民共和国
HK $ 260 百万
100
オーストラリア
A$ 30 千
100
イギリス
STG £ 60 千
100
中華人民共和国
RMB 16 百万
100
トッパン・フォームズ・セントラルプロダクツ
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
トッパン・フォームズ東海
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
トッパン・フォームズ・オペレーション
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
テクノ・トッパン・フォームズ
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
Toppan Printing Co.(America)
, Inc.
Toppan Printing Co.,(H.K.)Ltd.
Toppan Printing Co.(Australia)Pty. Ltd.
Toppan Printing Co.(UK)Ltd.
凸版
(上海)
企業管理有限公司
52
議決権の所有割合
(%)
Toppan Annual Report 2013
主要な事業の内容
情報・
ネットワーク系事業
名称
国または地域
資本金
議決権の所有割合
(%)
山陽トッパン・フォームズ
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
沖縄ビジネスフォーム
(株)
日本
¥ 15 百万
60(60)
北海道トッパン・フォームズ
(株)
日本
¥ 30 百万
100(100)
トッパン・フォームズ・サービス
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
トッパン・フォームズ関西
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
トッパン・フォームズ西日本
(株)
日本
¥ 30 百万
100(100)
日本
¥ 213 百万
69.7(69.7)
TFペイメントサービス
(株)
日本
¥ 300 百万
100(100)
学校図書
(株)
日本
¥ 50 百万
51(51)
関西図書印刷
(株)
日本
¥ 30 百万
65(65)
図書製本
(株)
日本
¥ 95 百万
100(100)
凸版物流
(株)
日本
¥ 500 百万
100(9.9)
かがわ県民情報サービス
(株)
日本
¥ 100 百万
70(10)
熊本城観光交流サービス
(株)
日本
¥ 30 百万
61.3(11.3)
(株)
トップレップ
日本
¥ 3 百万
100(100)
(株)
リーブルテック
日本
¥ 50 百万
100(100)
あすとろ出版
(株)
日本
¥ 80 百万
100(100)
(株)
東書エステート
日本
¥ 10 百万
100(100)
(株)
学習調査エデュフロント
日本
¥ 10 百万
100(100)
(株)
トスコ
東京物流企画
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
凸版情報加工
(株)
日本
¥ 400 百万
100(2.4)
光洋産業
(株)
日本
¥ 34 百万
100(29.4)
T.F. Co., Ltd.
中華人民共和国
HK $ 197 百万
100(100)
Toppan Forms(H.K.)Ltd.
中華人民共和国
HK $ 94 百万
100(100)
Toppan Forms Computer Systems Ltd.
中華人民共和国
HK $ 2 百万
100(100)
Tipografia Manson, Limitada
中華人民共和国
PTC 100 千
65(65)
Toppan Forms Card Technologies Ltd.
中華人民共和国
HK $ 2 百万
100(100)
シンガポール
S $ 1 百万
100(100)
Toppan Forms Information Systems(Shanghai)Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 5 百万
100(100)
Shenzhen Ruixing Printing Company Ltd.
中華人民共和国
RMB 11 百万
100(100)
広州凸版資訊信息技術有限公司
中華人民共和国
RMB 6 百万
100(100)
Toppan Forms(Singapore)Pte. Ltd.
Toppan Management Systems(S)Pte. Ltd.
シンガポール
S $ 300 千
100(100)
凸版軟件
(上海)
有限公司
中華人民共和国
RMB 9 百万
100(100)
凸版国際物流
(香港)
有限公司
中華人民共和国
HK $ 2 百万
100(100)
米国
US $ 150 千
100(100)
中華人民共和国
RMB 4 百万
100(100)
ギリシャ
EUR 60 千
100(1)
Toppan Printing Co.,(Shenzhen)Ltd.
中華人民共和国
HK $ 123 百万
100(37.9)
Toppan Servicing Co., Ltd.
中華人民共和国
HK $ 100 千
100(100)
北京日邦印刷有限公司
中華人民共和国
RMB 119 百万
95(95)
イギリス
HK $ 38 百万
100(100)
シンガポール
S $ 6 百万
100(100)
中華人民共和国
HK $ 100 100(100)
シンガポール
S $ 100 千
100(100)
JManga Inc.
北京比特威数碼産品有限公司
Toppan Printing Greece S.A.
Leefung Holdings Ltd.
Toppan Security Printing Pte. Ltd.
Toppan Vite Ltd.
Toppan Vite Pte. Ltd.
Toppan Annual Report 2013
53
主要な事業の内容
情報・
ネットワーク系事業
名称
国または地域
資本金
議決権の所有割合
(%)
中華人民共和国
HK $ 7 百万
100(100)
タイ
BAHT 220 百万
100(100)
Toppan Best-Set Premedia Ltd.
中華人民共和国
HK $ 600 千
100(100)
Toppan Best-Set Premedia(Guangzhou)Ltd.
中華人民共和国
RMB 18 百万
100(100)
Toppan Excel Printing(Guangzhou)Co., Ltd.
中華人民共和国
HK $ 103 百万
100(100)
Toppan Leefung Printing(Shenzhen)Co., Ltd.
中華人民共和国
US $ 16 百万
100(100)
Toppan Leefung Printing Ltd.
中華人民共和国
HK $ 2 100(100)
Toppan Excel(Hong Kong)Co., Ltd.
Toppan Excel(Thailand)Co., Ltd.
Toppan Leefung International Printing Pte. Ltd.
シンガポール
S $ 1 百万
100(100)
イギリス
STG £ 1 100(100)
Geltin Ltd.
中華人民共和国
HK $ 1 千
100(100)
Toppan Leefung(Hong Kong)Ltd.
中華人民共和国
HK $ 197 百万
100(100)
Toppan Leefung Services Ltd.
中華人民共和国
HK $ 2 100(100)
WWW Mag Ltd.
中華人民共和国
HK $ 2 100(100)
タイ
BAHT 1 百万
100(100)
Shenzhen Toppan Vite Co. Ltd.
中華人民共和国
US $ 1 百万
100(100)
Shenzhen Leefung Printers Co., Ltd.
中華人民共和国
US $ 1 百万
90(90)
Leefung Panpac(Hong Kong)Ltd.
中華人民共和国
HK $ 4 百万
100(100)
シンガポール
S $ 2 百万
100(100)
Leefung Jacaranda Buku Sdn Bhd
マレーシア
MYR 1 百万
100(100)
Leefung Logistic(M)Sdn Bhd
マレーシア
MYR 1 百万
100(100)
Leefung Panpac(M)Sdn Bhd
マレーシア
MYR 360 千
100(100)
Toppan Leefung Changcheng Printing(Beijing)Co., Ltd.
中華人民共和国
US $ 18 百万
47(47)
Toppan Best-Set Premedia (Changsha) Ltd.
中華人民共和国
RMB 100 千
100(100)
Toppan Excel Printing (Meizhou) Co., Ltd.
中華人民共和国
HK $ 93 百万
100(100)
米国
US $ 8 百万
100(100)
(株)
トッパン・コスモ
日本
¥ 3,000 百万
100
(株)
トッパンTDKレーベル
日本
¥ 2,500 百万
66
日本
¥ 472 百万
64.2
(株)
理研ジェネシス
日本
¥ 485 百万
97.5
(株)
トッパンパッケージプロダクツ
日本
¥ 400 百万
100
トッパンプラスチック
(株)
日本
¥ 400 百万
100
トッパンパックス
(株)
日本
¥ 100 百万
100
日本
¥ 100 百万
100
日本
¥ 1,000 百万
100
(株)
トッパンプロスプリント
日本
¥ 1,000 百万
99.9
(株)
トッパン高機能プロダクツ
日本
¥ 300 百万
100
(株)
T&Tエナテクノ
日本
¥ 490 百万
51
(株)
トッパンハリマプロダクツ
日本
¥ 490 百万
100
北大阪紙業
(株)
日本
¥ 10 百万
80
関西ボトリング
(株)
日本
¥ 330 百万
48.4
インドネシア
RP 33,615 百万
100
タイ
BAHT 500 百万
51
上海凸版有限公司
中華人民共和国
RMB 464 百万
100
上海凸版印刷有限公司
中華人民共和国
RMB 66 百万
100
Toppan Leefung Printing(Europe)Ltd.
CTT & Associates Ltd.
Leefung International Publishing Pte. Ltd.
Toppan Vite (New York) Inc.
生活環境系事業
タマポリ
(株)
(株)
トッパンパッケージングサービス
トッパンコンテナー
(株)
P.T.Toppan Printing Indonesia
Siam Toppan Packaging Co., Ltd.
54
Toppan Annual Report 2013
主要連結子会社および関連会社
主要な事業の内容
生活環境系事業
名称
国または地域
資本金
議決権の所有割合
(%)
日本
¥ 100 百万
100(100)
タマ加工
(株)
日本
¥ 16 百万
90.6(90.6)
和光
(株)
日本
¥ 10 百万
90(90)
九州プロダクト
(株)
日本
¥ 10 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Paper Products Ltd.
中華人民共和国
HK $ 4 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Paper Products(Shenzhen)Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 10 百万
100(100)
Toppan Leefung Packaging & Printing(Beijing)Co., Ltd.
中華人民共和国
US $ 12 百万
100(100)
(株)
トッパン建装プロダクツ
Toppan Leefung Packaging & Printing(Dongguan)Co., Ltd.
中華人民共和国
US $ 31 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Packaging(Shenzhen)Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 10 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Paper Products(Dongguan)Co., Ltd.
中華人民共和国
US $ 1 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Packaging(Dongguan)Co., Ltd.
中華人民共和国
HK $ 50 百万
100(100)
米国
US $ 11 百万
100(100)
ドイツ
EUR 153 千
100(100)
東洋インキSCホールディングス
(株)
*
日本
¥ 31,733 百万
24.8(1.8)
丸東産業
(株)
*
日本
¥ 1,807 百万
19.3(0.3)
日本
¥ 400 百万
80
米国
US $ 1 100
(株)
トッパンエレクトロニクスプロダクツ
日本
¥ 400 百万
100
(株)
トッパン・テクニカル・デザインセンター
日本
¥ 490 百万
100
Toppan Interamerica Inc.
Toppan Cosmo Europe GmbH
エレクトロニクス系事業
(株)
オルタステクノロジー
Toppan Photomasks, Inc.
(株)
トッパンTOMOEGAWAオプティカルプロダクツ
日本
¥ 400 百万
80
(株)
トッパンNECサーキットソリューションズ
日本
¥ 1,000 百万
55
Toppan Electronics, Inc.
米国
US $ 52 百万
100
中華凸版電子股份有限公司
台湾
NT $ 2,667 百万
97.5
台湾凸版電子股份有限公司
台湾
NT $ 75 百万
100
台湾凸版国際彩光股份有限公司
台湾
NT $ 9,363 百万
51
中華人民共和国
RMB 529 百万
70
日本
¥ 300 百万
100(100)
NEC Toppan Circuit Solutions Philippines, Inc.
フィリピン
PHP 1,170 百万
100(100)
NEC Toppan Circuit Design, Inc.
フィリピン
PHP 35 百万
100(100)
米国
US $ 500 千
100(100)
Toppan Photomasks Germany GmbH
ドイツ
EUR 25 千
100(100)
Toppan Photomasks GmbH
ドイツ
EUR 26 千
100(100)
韓国
KRW 115,300 百万
100(100)
フランス
EUR 15 百万
100(100)
中華人民共和国
US $ 8,434 千
71.5(71.5)
シンガポール
US $ 250 千
100(100)
マレーシア
MYR 5,450 千
100(100)
凸版中芯彩晶電子
(上海)
有限公司
(株)
オルタステクノロジー高知
NEC Toppan Circuit Solutions USA Inc.
Toppan Photomasks Korea Ltd.
Toppan Photomasks France S.A.S.
Toppan Photomasks Company Ltd., Shanghai
Toppan Semiconductor Singapore Pte. Ltd.
ORTUSTECH(MALAYSIA)SDN. BHD
* 関連会社。その他は連結子会社。
**( )内の数字は間接的な議決権の所有割合を示します。
Toppan Annual Report 2013
55
海外ネットワーク
2013年6月30日現在
現地法人・駐在員事務所
アジア
■ 中華凸版電子股份有限公司
台湾 33444桃園県八徳市大里和平路1127-3号
フォトマスクの製造販売
■ 凸版
(上海)
企業管理有限公司
■ 台湾凸版電子股份有限公司
中華人民共和国 上海市静安区江寧路188号亜盛大厦13層
郵編:200041
経営管理、市場調査・情報収集
台湾 10544台北市民生東路三段109号10楼
エレクトロニクス部品の販売
■ 台湾凸版国際彩光股份有限公司
■ 凸版印刷株式会社北京事務所
中華人民共和国 北京市東城区東長安街33号
北京飯店D-5311室 郵編:100004
駐在員事務所
■ 北京日邦印刷有限公司
中華人民共和国 北京市北京経済技術開発区永昌北路6号
郵編:100176
出版・商業印刷物の製造販売
■ 凸版印刷
(上海)
有限公司
中華人民共和国 上海市浦東新区滬南路5583号
郵編:201316
カードの製造・発行
■ 上海凸版国際貿易有限公司
中華人民共和国 上海市静安区江寧路188号
亜盛大厦15層 郵編:200041
貿易一般
台湾 70955台南市安南区科技一路36号
(台南科技工業区)
液晶カラーフィルタの製造販売
高雄工場
台湾 82151高雄市路竹区路科三路9号(南科高雄園区)
液晶カラーフィルタの製造
■ P.T. Toppan Printing Indonesia
JL. Raya Teuku Umar Km. 44, Telaga Asih, Cikarang Barat,
Bekasi, Jawa Barat-17520, Indonesia
パッケージ印刷物の製造販売
■ Siam Toppan Packaging Co., Ltd.
543 Moo 4 Sukhumvit Road, Tambon Praksa,
Amphur Muang, Samutprakarn 10280, Thailand
パッケージ印刷物の製造販売
■ Toppan Printing Co., Ltd. Singapore Branch
97 Ubi Avenue 4, Singapore 408754
海外統括拠点
■ 上海凸版広告有限公司
中華人民共和国 上海市静安区江寧路188号
亜盛大厦15層 郵編:200041
商業印刷物の販売
■ 上海凸版有限公司
中華人民共和国 上海市松江工業区
東部新区申港路2300号 郵編:201612
パッケージ材料の製造販売
■ 上海凸版印刷有限公司
中華人民共和国 上海市松江工業区
東部新区申港路2300号 郵編:201612
パッケージ印刷物の製造販売
■ 凸版中芯彩晶電子
(上海)
有限公司
中華人民共和国 上海市浦東新区郭守敬路965号OS4棟2階
郵編:201203
オンチップカラーフィルタの製造販売
■ 凸版印刷
(深圳)
有限公司
中華人民共和国 広東省深圳市宝安区創業二路27工業区
郵編:518133
出版・商業印刷物、パッケージ印刷物の製造販売
56
■ 凸版印刷
(香港)
有限公司
本社
香港 新界元朗工業邨福宏街1號凸版印刷中心
出版・商業印刷物の製造販売
現地法人、
駐在員事務所
営業所など
Toppan Annual Report 2013
■ Toppan Leefung Pte. Ltd.
■ Toppan Photomasks, Inc.
1 Kim Seng Promenade #18-01
Great World City East Tower, Singapore 237994
出版・パッケージ・商業印刷・証券印刷物などの製造販売
131 Old Settlers Boulevard, Round Rock,
TX 78664, U.S.A.
フォトマスクの製造・販売
■ Toppan Printing Co., LTD. India Liaison Office
Level 6, JMD Regent Square, Mehrauli Gurgaon Road,
Gurgaon - 122002, Haryana, India
市場調査・情報収集
オセアニア
■ Toppan Printing Co. (Australia) Pty. Ltd.
Suite 405, Level 4, 460 Pacific Highway, St Leonards,
NSW 2065, Australia
出版・商業印刷物の販売
ヨーロッパ
■ Toppan Printing Co. (UK) Ltd.
Old Change House 2nd Floor, 128 Queen Victoria Street,
London, EC4V 4BJ, UK
出版・パッケージ・商業印刷物等の販売
■ Toppan Printing Greece S.A.
63 Ymittou Street & 47 Formionos Street, 161 21
Kessariani, Attica, Greece
パスポートプリンター、IDカードプリンターの販売およびサービス
アメリカ
■ Toppan Printing Co. (America), Inc.
747 Third Avenue, 17th Floor, New York, NY 10017 U.S.A.
出版・商業印刷物の販売
Round Rock Site
2175 Greenhill Drive, Round Rock, TX 78664, U.S.A.
セキュリティ部材製造
Toppan Annual Report 2013
57
事業所一覧
2013年6月30日現在
本社
西日本事業本部
東京都千代田区神田和泉町1 〒101-0024
大阪府大阪市北区中之島2-3-18 〒530-0005
総合研究所
●関西情報コミュニケーション事業部
大阪府大阪市北区中之島2-3-18 〒530-0005
営業所:金沢 京都
埼玉県北葛飾郡杉戸町高野台南4-2-3 〒345-8508
国際事業部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
情報コミュニケーション事業本部
東京都文京区水道1-3-3 〒112-8531
営業所:千葉 横浜
●関西生活環境事業部
大阪府大阪市北区中之島2-3-18 〒530-0005
営業所:京都 神戸 和歌山
●九州事業部
福岡県福岡市中央区薬院1-17-28 〒810-0022
営業所:北九州 久留米 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島
那覇
●中四国事業部
広島県広島市安佐南区祇園3-26-30 〒731-0138
営業所:福山 松江 岡山 周南 高松 松山 徳島 高知
●情報系製造事業部
東京都文京区水道1-3-3 〒112-8531
●トッパンアイデアセンター
東京都文京区水道1-3-3 〒112-8531
中部事業部
愛知県名古屋市西区野南町19 〒452-0847
営業所:静岡 浜松 長野 松本 松阪
生活環境事業本部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
東日本事業本部
宮城県仙台市泉区明通3-30 〒981-3296
●生活環境事業部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
●生活環境製造事業部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
マテリアルソリューション事業本部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
営業所:名古屋 京都 福岡
58
Toppan Annual Report 2013
●東日本事業部
宮城県仙台市泉区明通3-30 〒981-3296
営業所:青森 盛岡 秋田 山形 郡山 新潟 水戸 宇都宮 大宮
高崎
●北海道事業部
北海道札幌市西区二十四軒4条1-1-30 〒063-8555
営業所:函館 帯広 千歳
財務セクション
Contents
60 連結11ヵ年財務サマリー
62 経営者による経営成績および財務状態に関する説明および分析
70 連結貸借対照表
72 連結損益計算書
73 連結包括利益計算書・連結株主資本等変動計算書
75 連結キャッシュ・フロー計算書
76 会社情報および株式の状況
連結11ヵ年財務サマリー
凸版印刷株式会社および子会社
3月31日に終了した会計年度
2003年
2004年
2005年
2006年
¥ 1,251,606
¥ 1,297,358
¥ 1,413,580
¥ 1,548,208
1,047,194
1,083,399
1,155,234
1,258,750
83.7%
83.5%
81.7%
81.3%
153,244
152,002
171,407
198,373
会計年度
売上高
売上原価
対売上高比率
販売費及び一般管理費
対売上高比率
12.2%
11.7%
12.1%
12.8%
51,168
61,957
86,939
91,085
4.1%
4.8%
6.2%
5.9%
税金等調整前当期純利益
58,552
54,796
76,680
57,238
当期純利益
29,126
31,230
40,574
15,148
対売上高比率
2.3%
2.4%
2.9%
1.0%
総資産当期純利益率(ROA)
2.2%
2.2%
2.8%
0.9%
自己資本当期純利益率(ROE)
4.1%
4.3%
5.4%
1.9%
営業利益
対売上高比率
1株当たりデータ(円)
1株当たり当期純利益
¥
42.29
¥
45.57
¥
60.09
¥
22.13
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
41.77
44.86
59.94
22.02
1株当たり配当金
16.00
17.00
19.00
20.00
研究開発費
¥
20,252
¥
21,302
¥
22,256
¥
27,593
設備投資
83,313
85,109
86,626
119,221
減価償却費
65,705
65,706
69,262
78,920
会計年度末
流動資産
¥
587,434
¥
691,086
¥
678,569
¥
768,973
流動負債
380,101
430,783
403,302
456,742
運転資本
207,333
260,303
275,267
312,231
現金及び現金同等物
107,214
202,150
168,805
206,974
有形固定資産
533,846
540,033
543,734
633,136
長期有利子負債
119,342
183,940
189,162
283,109
総資産
1,317,454
1,461,306
1,483,478
1,727,637
純資産
715,439
740,481
768,246
803,678
自己資本比率
54.3%
50.7%
51.8%
46.5%
有利子負債比率
19.0%
32.3%
26.7%
37.9%
その他
従業員数(人)
発行済株式数(千株)
連結子会社数(社)
33,292
32,178
32,724
35,954
699,412
699,412
699,412
699,412
122
122
126
149
*2007年3月31日に終了した会計年度より、
「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」
(企業会計基準第5号 平成17年12月9日)
及
び
「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」
(企業会計基準適用指針第8号 平成17年12月9日)
を適用しています。
60
Toppan Annual Report 2013
単位:百万円(1株当たりデータ除く)
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
¥ 1,557,876
¥ 1,670,351
¥ 1,617,341
¥ 1,506,751
¥ 1,556,457
¥ 1,510,415
¥ 1,502,308
1,282,170
1,388,308
1,369,802
1,261,484
1,297,383
1,263,371
1,253,965
82.3%
83.1%
84.7%
83.7%
83.4%
83.6%
83.5%
206,329
209,890
218,353
207,029
214,065
215,489
216,251
¥
¥
¥
13.2%
12.6%
13.5%
13.7%
13.8%
14.3%
14.4%
69,377
72,153
29,186
38,238
45,009
31,555
32,092
4.5%
4.3%
1.8%
2.5%
2.9%
2.1%
2.1%
69,648
73,356
11,281
31,062
32,097
8,807
38,849
26,067
38,524
(7,731)
11,703
12,153
3,068
18,562
1.7%
2.3%
(0.5%)
0.8%
0.8%
0.2%
1.2%
1.5%
2.1%
(0.5%)
0.7%
0.7%
0.2%
1.2%
3.2%
4.8%
(1.0%)
1.6%
1.6%
0.4%
2.5%
39.58
¥
58.63
¥
(11.87)
¥
18.18
¥
18.89
¥
4.77
¥
28.90
39.40
58.49
̶
18.17
̶
̶
̶
20.00
22.00
22.00
22.00
18.00
18.00
18.00
29,133
¥
29,733
¥
28,792
¥
24,416
¥
23,445
¥
21,496
¥
20,689
133,723
72,912
92,023
68,064
65,020
66,814
76,827
80,267
92,118
92,722
87,450
82,940
80,923
67,965
861,600
¥
850,392
¥
779,499
¥
788,949
¥
849,243
¥
767,831
¥
800,645
543,834
479,983
424,740
403,564
453,121
407,944
453,121
317,766
370,409
354,759
385,385
396,122
359,887
347,524
240,596
224,316
236,197
238,033
288,462
190,804
256,058
672,348
663,464
652,178
632,794
608,616
574,506
552,511
285,370
276,753
313,318
296,270
281,666
232,264
224,041
1,837,719
1,787,409
1,681,746
1,665,695
1,694,329
1,586,823
1,633,066
918,002
940,304
867,739
874,027
864,017
866,219
888,422
43.7%
45.0%
44.0%
44.8%
43.3%
46.1%
46.3%
44.8%
36.1%
46.4%
43.2%
46.1%
35.4%
38.9%
36,757
38,570
47,522
47,650
48,197
47,872
48,878
699,412
699,412
699,412
699,412
699,412
699,412
699,412
150
155
195
177
163
165
167
の株式取得に関わるのれん代の償却、32,607百万円を反映しています。
注1:2006年3月31日に終了した会計年度は米国デュポンフォトマスク
(現 Toppan Photomasks Inc.)
注2:2009年3月31日に終了した会計年度において、従業員数が8,952人増加していますが、これは主にSNP Corporation Limited
(現 Toppan Leefung Pte. Ltd.)
を株
式取得により連結の対象に含めたことによるものであり、主として情報・ネットワーク系事業の人員が増加しています。
注3:2009年3月31日に終了した会計年度において、連結子会社数が40社増加していますが、これは株式の取得等によりSNP Corporation Pte. Ltd. 他48社の計49社を連
結の範囲に含め、合併等により図書物流株式会社他8社の計9社が減少したことによるものです。
Toppan Annual Report 2013
61
経営者による経営成績および財務状態に関する説明および分析
凸版印刷株式会社および子会社
3月31日に終了した会計年度
売上高に対する利益率
当期純利益(損失)
%
十億円
円
50
50
5.0
25
2.5
28.90
25
18.18 18.89
11.7
2.9
2.5
18.6
2.1
1.8
4.77
0.8
0.8
0.2
0
0
12.2
2.1
1.2
0
3.1
△7.7
△0.5
△11.87
△25
△25
09年
10年
11年
12年
△2.5
13年
当期純利益
(損失)
1株当たり当期純利益
(損失)
09年
11年
12年
13年
売上高営業利益率
売上高当期純利益率
当セクションに記載されている財
要な経営課題と位置づけ、収益体質
務情報は、本アニュアルレポートに掲
経営活動の姿勢
の強化のためにグループ一体となっ
載された連結財務諸表に基づいてい
当期における日本経済は、復興需
て、既存事業においては競争優位性
ます。また同財務諸表は、日本におい
要などを背景に一部持ち直しの動き
の確立とコスト削減を推進すると同時
て一般に公正妥当と認められた会計
がみられたほか、政権交代後の政策
に、新たな収益モデルを早期に確立す
基準に準じています。
トッパングルー
効果による、景気回復への期待も高
るために、成長分野に対する経営資源
プは、凸版印刷株式会社(当社)
を中
まっています。しかしながら欧州の財
の投入を積極的に図ってまいりました。
心に、子会社167社と持分法適用関
政問題の長期化、中国経済の減速な
その結果、当期における連結決算
連 会 社 3 0 社で構 成されており、情
どの懸念材料もあり、依然として先行
では、売上高が1兆5,023億円で前
報・ネットワーク系事業、生活環境系
きの不透明な状況で推移しました。
期比0.5%減となったものの、営業利
事業およびエレクトロニクス系事業
印刷業界におきましては、
メディア
益は321億円で前期比1.7%増、当
の3事業分野にわたり事業活動を展
環境の変化に伴い、
インターネット広
期純利益は186億円で前期比
開しています。当社では、連結決算に
告市場や電子書籍市場などが拡大す
505.0%増となりました。
グループ企業すべての業績を反映さ
る一方、マス広告市場や出版市場な
せるため、子会社はすべて連結対象
どの既存市場は成熟傾向にあります。 売上高
とし、関連会社についてもすべてに
また一部では、景気回復を先取りする
当 期 の 連 結 売 上 高 は 、前 期 比
持分法を適用しています。なお、当期
動きもみられたものの、通期では依然
0.5%減の1兆5,023億円となりまし
(2013年3月期)
における連結範囲
として厳しい経営環境となりました。
た。事業セグメント別の売上動向は以
このような環境のなかでトッパング
下の通りです。
ループは、21世紀の企業像と事業領
情報・ネットワーク系事業の売上高は
連結子会社
域を定めた
「TOPPAN VISION 21」
前期比0.4%増の8,946億円、
営業利
新規:5社 除外:3社
に基づき、
「グループを含めた構造改
益は2.2%減の404億円となりました。
持分法適用関連会社
革の遂行」
「 新事業・新市場の創出」
うち証券・カード関連においては、
の移動状況は以下の通りです。
新規:2社 除外:1社
62
10年
Toppan Annual Report 2013
「グローバルな事業展開の加速」
を重
電 子マネーの普 及が 一 段 落してI C
ROE & ROA
営業活動によるキャッシュ・フロー
%
十億円
5.0
150
136.8
2.5
2.5
1.6
0.7
103.6
96.9
83.5
1.6
0.4
0
104.3
100
1.2
0.7
50
0.2
△0.5
△1.0
0
△2.5
09年
10年
11年
12年
13年
09年
10年
11年
12年
13年
営業活動によるキャッシュ・フロー
ROE
ROA
カードが落ち込みましたが、約款や帳
ビジネスフォーム関連においては、
高機能部材関連においては、太陽
票類など一般証券物、ホログラムな
ビジネスフォームの販売が、企業合併
電池関連が、国内向け市場の堅調な
どセキュリティデバイスの販売が増加
に伴う関連印刷物の一括受注などで、 推移に加え、足元では海外太陽電池
しました。
前年を上回りました。DPS
(データ・プ
メーカーの生産調整も緩和しつつあ
商業印刷関連においては、パンフ
リント・サービス)
は、
プリント業務一括
るものの、通期では価格競争の激化
レットやカタログなどの販売が増加し
アウトソーシング需要の取り込み、バ
などに伴い、低調でした。
たものの、夏場以降の広告市場の冷
リアブル印刷市場の開拓、BPO受託
建装材関連においては、国内住宅
え込みに伴い、チラシやSP関連ツー
の増加により、前年を大幅に上回りま
市場が緩やかな回復傾向をみせるな
ルなどが減少しました。電子チラシ配
した。
か、独自ブランド
「101エコシート」
な
信サービス
「Shufoo!
(シュフー)
」
は、
生活環境系事業の売上高は前期
ど環境配慮型製品の積極的な展開と
オンラインで展開する
“Web限定チ
比0.4%増の3,998億円、営業利益は
ともに、欧米からの受注も取り込んで、
ラシ”、各店舗がタイムリーな情報を
22.4%減の145億円となりました。
好調に推移しました。
簡単に発信できる
“Shufoo!ミニチ
うちパッケージ関連においては、食
エレクトロニクス系事業の売上高
ラ”
などのサービスを展開し、順調に
の安心・安全意識や環境意識の高ま
は前期比6.2%減の2,355億円、営業
事業を拡大しています。
りを背景に国内外で順調に販売を伸
利益は17億円(前期は29億円の営
出版印刷関連においては、出版市
ばした
「GLフィルム」
、昨年10月に第
業損失)
となりました。
場が縮小傾向で推移するなか、雑誌・
一弾を投入した高機能バリアフィルム
うちディスプレイ関連においては、
書籍ともに前年を下回りました。一方、 「PRIME BARRIER」
など、透明ハイバ
カラーフィルタが、
スマートフォンなど
電子書籍では、市場拡大を狙って昨
リアフィルムが好調に推移しました。
モバイル向け需要を取り込んだ半面、
年12月に投入した自社開発の専用
また紙カップや口栓付き軟包装材
「ボ
テレビ向け需要の減速や、堺工場の
端末
「BookLive!Reader Lideo」
が、
トルドパウチ」
なども増加しましたが、
カラーフィルタ事業移管の影響を受
書店との連携施策などにより新たな
消費市場における加工食品、日用品
け、前 年を下 回りました。反 射 防 止
ターゲット顧客の獲得に成功し、順調
などの低迷により、全体として前年を
フィルムは、
テレビ向けやPC向けの需
に売上を拡大しています。
下回りました。
要を取り込んだものの、市場環境が厳
Toppan Annual Report 2013
63
3月31日に終了した会計年度
設備投資
減価償却費
十億円
十億円
100
100
92.7
92.0
87.5
76.8
75
68.1
65.0
80.9
68.0
66.8
50
50
25
25
0
0
09年
10年
11年
12年
13年
設備投資
09年
10年
11年
12年
13年
減価償却費
しく低調でした。
14.3%からやや上昇しました。当社で
として営業利益を重視しており、その
半導体関連においては、
フォトマス
は現在、収益力強化のための事業構
拡大に向けた施策を積極的に講じて
クが、市況の軟調な推移、
また先端品
造改革を進めており、人員の最適配
いく考えです。
の開発需要の低迷などによって、前年
置による外部委託費低減、総労務費
を下回りました。プリント配線板は、IT
の圧縮に引き続き取り組んでいく方
その他損益
機器などの市況の低迷に伴い、前年
針です。
当期のその他損益は、前期227億
を下回りました。
円の損失から、68億円の利益となり
研究開発費
ました。これは、前期の減損損失が減
売上原価
当期の研究開発費は前期比3.8%
少したことに加え、円高の是正に伴う
当期の売上原価は前期比0.7%減
減の207億円となり、対売上高比率
為替差益や投資有価証券の売却益、
の1兆2,540億円、売上原価率は0.2
は1.4%で、前期(1.4%)
からわずか
さらには退職給付信託設定益の計上
ポイント低下の83.5%となりました。
に低下しました。当社では、市場にお
によるものです。この結果、税金等調
この結果、売上総利益は0.5%増加し
ける技術優位性の確保や既存製品の
整前当期純利益は、前期比341%増
て2,483億円となりました。当社では
性能向上に加え、次世代高付加価値
の388億円となりました。
現在、組織のスリム化や生産の効率
製品の開発に向けた研究開発を続け
化、原材料調達の見直しなど、総合的
ており、今後も計画的な開発投資を
法人税等
なコスト削減に積極的に取り組んで
進めていく考えです。
当期の法人税等は、前期の6億円
から172億円に増加し、税効果会計
おり、短期的な目標として売上原価率
を80%程度まで低減する計画です。
営業利益
適用後の法人税等の負担率は、前期
当期の営業利益は前期比1.7%増
の6.4%から44.4%に上昇しました。
販売費及び一般管理費
の321億円となり、売上高営業利益
当期の販売費及び一般管理費は、
率は2.1%
(2.14%)
で、前期の2.1%
からわずかに上昇しました。
前期比0.4%増の2,163億円となり、 (2.09%)
対売上高比率は14.4%で、前期の
64
82.9
75
Toppan Annual Report 2013
当社では、本業の収益力を測る指標
当期純利益
以上の結果、当期純利益は前期比
505%増の186億円となり、1株当た
純資産
有利子負債比率
%
50
46.4
40
十億円
%
1,000
100
46.1
867.7 874.0 864.0 866.2 888.4
38.9
43.2
35.4
30
800
80
600
60
44.0
20
400
10
200
0
44.8
43.3
46.1
46.3
40
20
0
09年
10年
11年
12年
13年
有利子負債比率
0
09年
10年
11年
12年
13年
純資産
自己資本比率
り当期純利益は、前期の4円77銭か
となりました。これは、有価証券の取
以内に返済期限の到来する長期借入
ら28円90銭へと増加しました。
得による支出が214億円、有形固定
債務が423億円増加したことによる
利益率については、総資産当期純
資産の取得による支出が122億円、
ものです。
利益率(ROA)は前期の0.2%から
それぞれ減少したことなどに伴うもの
有形固定資産は、前期末比3.8%
1.2%へ、
また自己資本当期純利益率
です。
減の5,525億円となりました。また投
財務活動によるキャッシュ・フロー
資その他の資産については、前期末
は、71億円のプラスとなりました。こ
比14.5%増の2,799億円となってい
れは、長期借入金の返済による支出
ます。
が152億円、配当金の支払額が116
固定負債は、前期末比6.8%減の
億円、少数株主への払戻による支出
2,915億円となりました。これは、長
キャッシュ・フロー
が88億円あった一方で、社債の発行
期借入金が116億円減少したことな
トッパングループでは、円滑な事業
による収入が398億円あったことな
どによるものです。
運営とともに、将来の戦略的成長に
どに伴うものです。
純 資 産 は 、前 期 末 比 2 . 6%増 の
向けた投資活動を適宜行えるよう、
以上の結果、当期末時点の現金及
8,884億円となりました。これは、
その
健全な財務状態の維持およびキャッ
び現金同等物は、前期末比34.2%増
他有価証券評価差額金が95億円、為
シュ・フロー創出に努めています。当
の2,561億円となりました。
替換算調整勘定が83億円、
それぞれ
(ROE)
は0.4%から2.5%へ、それぞ
れ上昇しました。
期 の 営 業 活 動 から得られたキャッ
増加したことなどによるものです。
シュ・フローは、前期比24.1%増の
財務状態
自己資本比率は、前期末の46.1%
1,036億円となりました。これは、減
当 期 末の流 動 資 産は、前 期 末 比
から46.3%となり、1株当たりの純資
損損失が147億円減少した一方で、
4.3%増の8,006億円となりました。
産は、前期末比3.4%増の1,177円と
税金等調整前当期純利益が300億
これは、現金及び現金同等物が653
なりました。また、当期における総資
円増加したことなどによるものです。
億円増加したことによるものです。ま
産は、前期末比2.9%増の1兆6,331
投資活動に使用したキャッシュ・フ
た流動負債は、前期末比11.1%増の
億円となりました。
ローは、前期比41.4%減の521億円
4,531億円となりました。これは、1年
Toppan Annual Report 2013
65
3月31日に終了した会計年度
1株当たり配当金
総資産
十億円
円
2,000
25
1,681.7 1,665.7 1,694.3
22.00 22.00
1,586.8
1,633.1
20
1,500
18.00 18.00 18.00
15
1,000
10
500
5
0
0
09年
10年
11年
12年
13年
総資産
09年
11年
12年
13年
1株当たり配当金
配当方針および配当
り、年間配当金は1株当たり18円とな
策に伴い、次第に回復に向かうことが
当社は、株主の皆さまへの機動的
りました。
予想されます。これを受け、印刷業界
な利益還元、
また社としての持続的成
次期の年間配当金については、当
においては、消費マインド改善による
長を実現するため、各期の連結業績、
期と同じく18円を計画しています。
需要の活性化、企業の広告宣伝費の
配当性向および内部留保を総合的に
増加などが期待されますが、
その一方
勘案したうえで、配当を行っています。
で出版市場をはじめとする既存の印
具体的には、連結配当性向30%以上
刷市場は、依然として成熟傾向にあり
をめどに、配当水準の向上に努めて
目標とする経営指標
ます。
また、円安加速に伴う原材料・エ
います。
当社は株主価値を重視し、自己資
ネルギー価格の高騰を背景に、収益面
内部留保資金については、企業価
本当期純利益率
(ROE)
の向上をめざ
での下振れリスクも懸念され、引き続
値の向上を達成するべく、成長が見込
しています。諸利益のなかでも、本業
き厳しい経営環境が想定されます。
まれる事業分野の拡大に向けた設備
の収益力を表す営業利益の拡大に、
このような経営環境を踏まえ、当社
投資や研究開発に充てるほか、既存
特に注力していきます。資本効率を上
は本年4月にエレクトロニクス事業本
事業の効率化・活性化等、長期的視
げることにより、企業価値向上へ向け
部および高機能事業本部を統合し、
点から投資効率を高める施策に充当
た経営努力にいっそう励み、株主の皆
マテリアルソリューション事業本部を
する方針です。
さまの期待に応えていきたいと考えて
新設しました。両事業部門がこれまで
このような利益配分を行うことが、
います。
培ってきた専門性をさらに深化・融合
企業体質強化につながり、将来の利
66
10年
させ、成長市場のニーズを的確に捉
益向上に寄与するとともに、株主の皆
えた、新たな事業展開を推進していき
さまへの利益還元を可能にするもの
ます。
と考えています。
来期の見通し
なお、
この組織改編に伴い、セグメ
この基本方針のもと、当期の期末
来期の経営環境は、海外経済の弱
ント別情報の有用性をさらに高めるべ
配当金については、1株当たり9円00
含みなど一部にリスクが残るものの、
く、次期以降の事業区分については
銭とさせていただきました。これによ
政府の大型補正予算や大胆な金融政
「情報コミュニケーション事業分野」
Toppan Annual Report 2013
「生活環境事業分野」
「 マテリアルソ
化の進展による市場環境変化のなか
品における高品質化と、高度な新技
リューション事業分野」
の3区分に変
で、新事業領域の創出と価格競争力
術導入による新製品・新サービスの開
更します。当社は今後とも
「TOPPAN
の強化が求められています。新たな事
発が重要であると認識しています。
VISION 21」
のもと、
「グループを含
業領域において売上を拡大すること
そのためには、高度な技術力・企画
めた構造改革の遂行」
「 新事業・新市
ができず、価格競争力向上のための
提案力を有した優れた人材が不可欠
場の創出」
「グローバルな事業展開の
原価削減施策が不十分であった場合
です。
トッパングループは計画的な人
加速」
を重要な経営課題と位置づけ、
には、
トッパングループの業績に影響
材の採用と育成に向けた教育に注力
グループ一体となって業績の拡大に
を及ぼす可能性があります。
していますが、優秀な人材を確保また
努めてまいります。
次期の業績見通しについては、連
結売上高は1兆5,200億円(当期比
は育成できなかった場合には、
トッパ
2 マテリアルソリューション事業分野
の特性
ングループが将来にわたって成長し
続けていくことができない可能性が
1.2%増)
、連結営業利益は350億円
トッパングループにおけるマテリア
(当期比9.1%増)
、連結当期純利益は
ルソリューション事業分野は、主に液
150億円
(当期比19.2%減)
を見込ん
晶カラーフィルタ、反射防止フィルム
4 厳しい市場競争および価格競争
でいます。
等のディスプレイ関連事業、フォトマ
トッパングループは、継続的に新製
あります。
スク、プリント配線板等の半導体関連
品や新サービスを開発・販売するとと
事業、太陽電池部材等の高機能・エネ
もに、既存製品のコストダウンに努め
ルギー関連事業および建装材事業か
ています。しかし、競合関係にある企
将来予測表記に関する特記
らなっています。
業との製品開発競争や価格競争が近
当アニュアルレポートの記載内容の
この事業は最先端の技術開発と市
年激しくなっており、
トッパングループ
うち、将来予測に関する表記は、現在
場への的確な対応により、収益が期
の製品およびサービスが市場におけ
想定できる経済情勢、市場動向など
待できる事業でありますが、製品ライ
る優位性を維持できない場合や、激し
を前提にしており、既知、未知のリス
フサイクルの短期化や技術動向の進
い競争によって価格の下落を招いた
クや仮定などが 含まれています。今
展が想定以上に進んだ場合、
トッパン
場合には、
トッパングループの業績に
後、さまざまな要因により、実際の成
グループの業績に影響を及ぼす可能
影響を及ぼす可能性があります。
果や業績は記載の予測とは大きく異
性があります。
なる可能性があります。
また、事業全体の特性として、特定
5 設備投資に伴う影響
得意先への依存度が高くなる傾向が
トッパングループは営業キャッシュ・
リスク・ファクター
ありますが、
このような安定得意先と
フロー、社債の発行および銀行融資
当アニュアルレポートに記載した事
の取引関係が強みでもあると考えて
等により必要資金を賄い、設備投資
業の状況、経理の状況などに関する
います。
しかしながら、
こうした一部の
を行っています。このような設備投資
事項のうち、投資家の判断に重要な
得意先との間で発生する、製品の価
には、市場環境の変化により投資決
影 響を及ぼす可 能 性のある事 項に
格水準、製品の量と種類、支払遅延も
定時に比べ投資回収期間が長期化す
は、以下のようなものがあります。な
しくは不払い、ないしは支払条件の不
る、過大な償却費負担が業績を圧迫
お、文中の将来に関する事項は、当連
利な変更などの要因により、
トッパン
する、大規模な設備投資が総資産利
結会計年度末現在においてトッパン
グループの業績および財務状況に影
益率を引き下げる、資金調達に伴う
グループ(トッパンおよび 連結子会
響を及ぼす可能性があります。
金利支払が利益率を引き下げる等、
トッパングループの業績に影響を及
社)
が判断したものです。
3 事業の発展を支える人材の確保
1 印刷事業の特性
トッパングループが将来にわたり
印刷業は、情報技術とネットワーク
事業を発展していくためには、既存製
ぼす可能性があります。
Toppan Annual Report 2013
67
6 円滑な資金調達
まざまな要因により、提携関係を継続
り、そのような場合には、
トッパング
トッパングループは事業の拡大や、
できない場合や、当初期待した効果を
ループの業績に影響を及ぼす可能性
急速な技術革新に対応するために設
得られない場合には、業績に影響を及
があります。
備投資を必要としています。設備投資
ぼす可能性があります。
に向ける資金調達については、事業
12 退職給付債務
計画に基づき外部から調達する場合
9 生産活動に伴うリスク
もありますが、金利情勢の大幅な変
生産活動においては、品質管理上、 る退職給付債務および費用は、
トッパ
化等により適正な条件で必要十分な
十分な注意を払いすべての製品につ
ングループが適用している退職慰労
追加資金を調達することができない
いて製品事故やクレームを発生させ
金および企業年金制度に基づき算出
可能性があります。
ないための対応を図っていますが、将
されています。
トッパングループは年
来にわたっては製品事故が発生する
金財政の安定化のため、代行部分の
7 海外事業に伴うリスク
ことで業績に影響を及ぼす可能性が
返上に伴う企業年金制度の見直しお
トッパングループは、米国をはじめ
あります。また、新工場の立ち上げや
よび特別掛金の一括拠出などを行い
中国、東南アジア地域、欧州において
移設に伴う製造ラインの変更・改善
ましたが、今後経済環境等の変動によ
も事業活動を行っています。将来的に
に際し適切に対応できなかった場合
り計算の前提となる割引率、年金資
も、開発途上国を含む海外の国で新
には、得意先に対する製品納入の遅
産の期待運用収益率などの条件に変
たに事業を展開する可能性があり、海
れや工場の生産性の低下により、販
トッパングルー
更が生じた場合には、
外事業を推進するにあたっては、下記
売の落ち込みにつながる可能性があ
プの業績および財政状態に影響を及
のような固有のリスクが存在すると
ります。
ぼす可能性があります。
10 外部生産委託
13 市場性のある有価証券における
トッパングループの従業員に対す
認識しています。
●
技術的インフラが十分な水準に達し
ていないために生産その他事業活動
に影響を及ぼし、製品やサービスが得
意先に受け入れられない可能性
● 政治および経済面における不安定さ
● 予期しない法律や規制の変更
(税制を
含む)
● 為替相場の変動
●
貿易の制限や関税率の変更
トッパングループは、主として印刷
関連事業において生産数量、生産時
トッパングループは、市場性のある
期、納期などの要因により、必要に応
有価証券を保有しています。
したがっ
じて外部製造業者に生産を委託して
て、株式市場および金利相場等の変
います。外部委託先に自然災害や不
動によっては、有価証券の時価に影響
慮の事故が発生した場合には、製品
を与え、
トッパングループの業績およ
納入の遅れや製品の欠陥といった製
び財政状態に影響を及ぼす可能性が
造上の問題が発生する可能性があり
あります。
ます。
14 外国為替相場の変動
● 疫病および大規模な災害の発生の可
能性
68
時価の変動
11 主原材料の確保
国内印刷市場の成熟化が進んでい
トッパングループは、事業に使用す
るなか、海外市場での事業が拡大し
8 戦略的提携、投資および企業買収
る用紙、インキ、ガラスといった特定
ていますが、海外現地法人において
トッパングループは他社との戦略
の原材料の大半を外部メーカーから
現地通貨で取引されている収支の各
的提携、合弁事業、投資を通して、多
調達しています。事業活動を維持する
項目は、連結財務諸表を作成する際
くの事業を推進しており、将来におい
ためには、十分な量の原材料を適正
に円に換算されるため、結果として換
ても、ほかの企業を買収する可能性
な価格で安定的に確保することが重
算する時点での為替相場の変動に影
があります。このような活動は、新技
要ですが、外部メーカーからの供給量
響される可能性があります。
術の獲得、新製品の発売、新規市場
の大幅な不足や納期の遅延、原材料
また、為替相場の変動は、
トッパン
参入のためには重要です。しかし、さ
価格の高騰などが起こる可能性があ
グループが現地で販売する製品の価
Toppan Annual Report 2013
格や、現地生産品の製造・調達コスト
因する偶発的な汚染や放出、および、
や、国内における販売価格にも影響
その結果としての傷害を完全に予測
を与えることが想定されます。そのよ
することは困難であり、万一発生した
うな場合にはトッパングループの業績
場合には、
トッパングループの事業活
に影響を及ぼす可能性があります。
動に影響を及ぼす可能性があります。
15 知的財産の保護
17 情報セキュリティ
市場における競争力強化のために
トッパングループは、厳重な情報セ
は革新的な製品やサービスを開発す
キュリティ管理体制において自社内の
る必要があり、特許を含む知的財産
機密情報を管理するとともに、事業の
は競争力の重要な要素です。
トッパン
一環として得意先から預託された機
グループは、特許、商標、その他の知
密情報や個人情報の収集・保管・運用
的財産権の組み合わせにより、自社
を行っています。これらの情報管理に
開発技術の保護に努めていますが、
は万全な方策を講じていますが、万一
次のリスクが存在すると認識してい
トッパングループの社員や業務の委
ます。
託会社等が情報を漏えいもしくは誤
用した場合には、企業としての信頼を
● トッパングループの申請中の特許が
●
失い、業績に影響を及ぼす可能性が
認められない可能性
あります。
トッパングループの知的財産の不正
使用ないし侵害を防ぐための対応が
成功しない可能性
18 自然災害、事故災害および疫病
● トッパングループの技術等が、
他社の
知的財産権を侵害しているとされる可
能性
に関するリスク
トッパングループでは、事業所にお
ける耐震対策や定期点検、防災訓練
等の取り組みを実施していますが、地
トッパングループの知的財産が干
震、台風等の自然災害や火災等の事
渉を受けた場合、事業活動や業績に
故災害および疫病が発生した場合、
影響を及ぼす可能性があります。
事業所の設備や従業員等が 大きな
被害を受け、その一部または全部の
16 環境法規制の影響
操業が中断し、生産および出荷が遅
国内外において、国や地方自治体
延する可能性があります。また、損害
の法律および規制により、有害物質
を被った設備等の修復のために多額
の不適切な使用・廃棄やそれに起因
の費用が発生し、結果として、
トッパ
する土壌汚染、大気汚染等の環境汚
ングループの事業活動、業績および
染に関して、重大な責任が発生する
財務状況に影響を及ぼす可能性があ
可能性があります。
トッパングループ
ります。
の製造工程および研究開発において
は、特定の有害物質を使用し、廃棄物
を管理する必要があり、適用される規
制を守るために厳重な注意を払って
います。しかし、このような物質に起
Toppan Annual Report 2013
69
連結貸借対照表
凸版印刷株式会社および子会社
2012年および2013年3月31日現在
単位:百万円
資産の部
2012年
2013年
流動資産
現金及び現金同等物
¥
190,804
¥
256,058
4,483
3,884
11,152
7,106
営業取引
426,063
409,571
関連会社
653
670
3ヵ月超の定期預金
有価証券
受取手形及び売掛金
貸倒引当金
(5,288)
(5,040)
製品・商品
38,133
35,932
半製品・原材料
62,021
55,731
繰延税金資産
18,135
14,669
たな卸資産
その他
21,675
22,064
767,831
800,645
土地
138,116
139,784
建物及び構築物
606,829
607,272
機械装置
963,334
936,393
23,374
25,996
流動資産計
有形固定資産
建設仮勘定
減価償却累計額
有形固定資産計
1,731,653
1,709,445
(1,157,147)
(1,156,934)
574,506
552,511
投資その他の資産
40,839
43,647
投資有価証券
119,021
146,744
繰延税金資産
13,239
10,986
前払年金費用
37,597
34,318
無形固定資産
18,450
20,170
関連会社に対する投資有価証券及び貸付金
その他
投資その他の資産計
資産合計
70
Toppan Annual Report 2013
15,340
24,045
244,486
279,910
¥ 1,586,823
¥ 1,633,066
2012年および2013年3月31日現在
単位:百万円
負債の部
2012年
2013年
流動負債
短期借入金
¥
11,818
¥
12,960
14,588
56,870
270,673
256,624
設備
28,617
41,403
関連会社
10,376
9,943
未払費用
48,900
55,530
未払法人税等
10,000
7,498
1 年以内に返済期限の到来する長期借入債務
支払手形及び買掛金
営業取引
その他
12,972
12,293
407,944
453,121
232,264
224,041
46,352
41,232
1,364
1,373
繰延税金負債
13,034
14,556
その他
19,646
10,321
312,660
291,523
発行済株式数 2012年および2013年3月31日現在̶ 699,412,481株
104,986
104,986
資本剰余金
117,739
117,739
利益剰余金
575,105
582,096
流動負債計
固定負債
長期借入債務
退職給付引当金
役員退職慰労引当金
固定負債計
偶発債務
純資産の部
株主資本
資本金
発行可能株式数 2012年および2013年 ̶2,700,000,000株
自己株式
2012年3月31日現在̶56,620,890株 2013年3月31日現在̶57,315,900株
株主資本計
(55,591)
(55,920)
742,239
748,901
14,782
24,322
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益
282
為替換算調整勘定
(26,156)
その他の包括利益累計額計
(11,092)
新株予約権
少数株主持分
純資産合計
負債、純資産合計
158
(17,849)
6,631
34
13
135,038
132,877
866,219
888,422
¥ 1,586,823
¥ 1,633,066
Toppan Annual Report 2013
71
連結損益計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2011年、2012年および2013年3月31日に終了した1年間
単位:百万円
2011年
2012年
2013年
¥ 1,556,457
¥ 1,510,415
¥ 1,502,308
1,297,383
1,263,371
1,253,965
売上総利益
259,074
247,044
248,343
販売費及び一般管理費
214,065
215,489
216,251
45,009
31,555
32,092
3,443
3,408
3,722
支払利息
(3,099)
(3,526)
(3,283)
投資有価証券評価損
(2,568)
(4,610)
(2,181)
2,631
1,716
2,220
371
105
2,747
売上高
売上原価
営業利益
その他の収益
(費用)
受取利息及び受取配当金
持分法による投資利益
固定資産売却益
固定資産除売却損
為替差益
投資有価証券売却損益
(3,700)
(2,252)
(2,779)
(1,923)
(1,207)
3,288
365
312
2,400
減損損失
(1,118)
(14,777)
(73)
複合金融商品評価損
(1,029)
(1,689)
(490)
災害による損失
(4,075)
(1,349)
―
退職給付信託設定益
―
―
5,917
工場閉鎖損失
―
―
(1,986)
生産拠点集約費用
―
―
(1,011)
1,121
(1,734)
その他
(2,210)
合計
(12,912)
税金等調整前当期純利益
(22,748)
6,757
32,097
8,807
38,849
14,767
16,138
13,837
法人税等
法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
1,039
合計
少数株主損益調整前当期純利益
16,291
少数株主利益
当期純利益(損失)
(15,574)
15,806
(4,138)
¥
12,153
3,394
564
17,231
8,243
21,618
(5,175)
¥
3,068
(3,056)
¥
18,562
単位:円
1株当たり情報
1株当たり当期純利益
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
1株当たり配当金
72
Toppan Annual Report 2013
2011年
¥
18.89
2012年
¥
4.77
2013年
¥
28.90
―
―
―
18.00
18.00
18.00
連結包括利益計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2011年、2012年および2013年3月31日に終了した1年間
単位:百万円
少数株主損益調整前当期純利益
2011年
2012年
2013年
¥ 16,291
¥ 8,243
¥ 21,618
8,582
9,746
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金
(4,772)
繰越ヘッジ損益
為替換算調整勘定
持分法適用会社に対する持分相当額
(151)
(121)
(5,814)
(5,077)
(189)
その他の包括利益合計
(264)
(10,926)
(124)
11,124
534
3,120
21,280
5,365
11,363
42,898
親会社株主に係る包括利益
2,376
7,686
36,285
少数株主に係る包括利益
2,989
3,677
6,613
包括利益
(内訳)
連結株主資本等変動計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2011年、2012年および2013年3月31日に終了した1年間
単位:百万円
株主資本
2010年3月31日残高
資本金
資本剰余金
利益剰余金
¥ 104,986
¥ 117,739
¥ 584,343
自己株式
資本合計
¥(54,889) ¥ 752,179
連結会計年度中の変動額
剰余金の配当
当期純利益
(14,162)
(14,162)
12,153
12,153
自己株式の取得
(450)
自己株式の処分
(5)
13
(450)
8
株主資本以外の項目の連結会計年度中の変動額
(純額)
連結会計年度中の変動額合計
2011年3月31日残高
―
―
¥ 104,986
¥ 117,739
(2,014)
¥ 582,329
(437)
¥ (55,326)
(2,451)
¥ 749,728
連結会計年度中の変動額
剰余金の配当
(10,290)
当期純利益
(10,290)
3,068
自己株式の取得
3,068
(271)
自己株式の処分
(2)
6
(271)
4
株主資本以外の項目の連結会計年度中の変動額
(純額)
連結会計年度中の変動額合計
2012年3月31日残高
―
―
¥ 104,986
¥ 117,739
(7,224)
¥ 575,105
(265)
¥ (55,591)
(7,489)
¥ 742,239
連結会計年度中の変動額
剰余金の配当
当期純利益
(11,566)
(11,566)
18,562
18,562
自己株式の取得
(338)
自己株式の処分
(5)
9
(338)
4
株主資本以外の項目の連結会計年度中の変動額
(純額)
連結会計年度中の変動額合計
2013年3月31日残高
―
―
6,991
(329)
6,662
¥ 104,986
¥ 117,739
¥ 582,096
¥ (55,920)
¥ 748,901
Toppan Annual Report 2013
73
単位:百万円
その他の包括利益累計額
その他有価証
券評価差額金
2010年3月31日残高
¥ 11,446
繰延ヘッジ
損益
¥
553
為替換算
調整勘定
評価・換算
差額等合計
¥(17,931) ¥ (5,932)
新株予約権
¥ 58
少数株主
持分
純資産合計
¥ 127,722
¥ 874,027
連結会計年度中の変動額
剰余金の配当
(14,162)
当期純利益
12,153
自己株式の取得
(450)
自己株式の処分
8
株主資本以外の項目の連結会計
年度中の変動額
(純額)
(4,869)
連結会計年度中の変動額合計
2011年3月31日残高
(150)
(4,869)
¥
6,577
(150)
¥
403
(4,758)
(9,777)
(4,758)
(9,777)
¥(22,689) ¥(15,709)
(11)
(11)
¥ 47
2,229
2,229
¥ 129,951
(7,559)
(10,010)
¥ 864,017
連結会計年度中の変動額
剰余金の配当
(10,290)
当期純利益
3,068
自己株式の取得
(271)
自己株式の処分
4
株主資本以外の項目の連結会計
年度中の変動額
(純額)
8,205
(121)
(3,467)
4,617
(13)
5,087
9,691
連結会計年度中の変動額合計
8,205
(121)
(3,467)
4,617
(13)
5,087
2,202
¥ 135,038
¥ 866,219
2012年3月31日残高
¥ 14,782
¥
282
¥(26,156) ¥(11,092)
¥ 34
連結会計年度中の変動額
剰余金の配当
(11,566)
当期純利益
18,562
自己株式の取得
(338)
自己株式の処分
4
株主資本以外の項目の連結会計
年度中の変動額
(純額)
9,540
(124)
8,307
17,723
(21)
(2,161)
15,541
連結会計年度中の変動額合計
9,540
(124)
8,307
17,723
(21)
(2,161)
22,203
158
¥(17,849) ¥
2013年3月31日残高
74
Toppan Annual Report 2013
¥ 24,322
¥
6,631
¥ 13
¥ 132,877
¥ 888,422
連結キャッシュ・フロー計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2011年、2012年および2013年3月31日に終了した1年間
単位:百万円
2011年
2012年
2013年
8,807
¥ 38,849
82,940
80,923
67,965
1,118
14,777
73
1,029
3,279
2,587
1,885
(5,223)
414
1,563
(3,722)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益
¥ 32,097
¥
営業活動により増加した現金
(純額)の税金等調整前当期純利益の調整
減価償却費
減損損失
退職給付引当金の増減額
前払年金費用の増加額
貸倒引当金の増減額
受取利息及び受取配当金
支払利息
持分法による投資損益
(2,802)
(4,350)
(3,408)
3,283
3,099
3,526
(2,220)
(2,400)
(2,631)
(1,716)
有価証券売却損益
(365)
(312)
投資有価証券評価損益
2,568
4,610
3,329
2,146
固定資産売却損益
売上債権の増減額
たな卸資産の増減額
仕入債務の増減額
その他
合計
利息及び配当金の受取額
利息の支払額
法人税等の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー
2,181
(1,547)
32
(10,083)
(145)
(3,740)
(6,741)
10,221
(2,231)
(18,214)
837
5,763
110,781
(3,349)
101,364
23,670
2,096
118,323
3,462
3,412
3,709
(3,265)
(3,989)
(3,415)
(14,084)
(17,330)
96,894
83,457
(15,021)
103,596
投資活動によるキャッシュ・フロー
(6,099)
有価証券の取得による支出
(5,593)
(27,455)
有価証券の売却による収入
6,061
18,110
11,150
(69,067)
(56,857)
有形固定資産の取得による支出
(52,613)
有形固定資産の売却による収入
2,072
2,268
7,354
無形固定資産の取得による支出
(3,496)
(4,528)
(6,793)
投資有価証券の取得による支出
(8,535)
(3,369)
8,482
投資有価証券の売却による収入
4,752
1,156
関係会社株式の取得による支出
(407)
定期預金の増減額
連結の範囲の変更を伴う関係会社株式の取得による収入
長期貸付けによる支出
事業分離による収入
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー
10,854
(6,028)
(4,130)
(1,869)
860
240
(274)
(426)
̶
462
(2,223)
̶
̶
(9,391)
9,115
(564)
(393)
(1,665)
(46,883)
(89,031)
(52,139)
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額
長期借入による収入
長期借入金の返済による支出
2,576
(3,133)
33,030
64,927
(12,007)
(77,373)
社償の発行による収入
29,875
社債の償還による支出
̶
̶
(30,200)
転換社債の償還による支出
(35,000)
(34,850)
自己株式の取得による支出
(91)
(30)
少数株主への株式の発行による収入
配当金の支払額
少数株主への配当金の支払額
少数株主への払戻による支払
800
39,841
̶
̶
(58)
90
(10,318)
(11,606)
(1,244)
(1,346)
(1,385)
̶
(938)
財務活動によるキャッシュ・フロー
2,812
現金及び現金同等物の増減額
(15,156)
(14,189)
その他
現金及び現金同等物に係る換算差額
3,448
(291)
5,004
(2,394)
50,429
̶
(880)
(89,755)
(8,761)
(627)
7,051
(2,329)
6,746
(97,658)
65,254
現金及び現金同等物の期首残高
238,033
288,462
190,804
現金及び現金同等物の期末残高
¥ 288,462
¥ 190,804
¥ 256,058
Toppan Annual Report 2013
75
会社情報および株式の状況
2013年3月31日現在
本社事務所
株主名簿管理人・特別口座管理機関
〒101-0024
三菱UFJ信託銀行株式会社
東京都千代田区神田和泉町1
電話 :03-3835-5630
同連絡先
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
創業
〒137-8081
明治33年1月17日
(1900年)
東京都江東区東砂七丁目10番11号
電話:0120-232-711
(フリーダイヤル)
資本金
自動音声応答サービス:0120-244-479
104,986,430,314円
※住所変更、配当金振込指定、変更に必要な各用紙および株式の
相続手続依頼書のご請求を24時間承っております。
従業員数
48,878名
(連結)
株式の状況
● 会社が発行する株式の総数
決算期
2,700,000,000株
3月31日
● 発行済み株式総数
699,412,481株
定時株主総会
毎年6月に開催
上場金融商品取引所
東京証券取引所
株主確定基準日
定時株主総会・利益配当金:3月31日
*
米国預託証券(ADR)
中間配当を行う場合
比率
:1ADR= 1株
取引所
:米国OTC
(店頭取引)
シンボル
:TOPPY
:9月30日
※その他必要ある場合は、あらかじめ公告いたします。
公告掲載
米国証券コード:890747306
電子公告により、当社ホームページ
預託銀行
:The Bank of New York Mellon
101 Barclay Street, 22W
(http://www.toppan.co.jp/)
に掲載いたします。
New York, NY 10286, U.S.A.
※なお、やむをえない事由により電子公告によることができない
場合には、官報に掲載いたします。
* 2012年7月17日
(米国東部時間)より売買開始
独立監査人
証券コード
有限責任 あずさ監査法人
7911
大株主の状況
株主名
持株比率(%)
38,028
5.90
日本生命保険相互会社
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
第一生命保険株式会社
従業員持株会
株式会社三菱東京UFJ銀行
株式会社三井住友銀行
株式会社講談社
SSBT OD05 OMNIBUS ACCOUNT−TREATY CLIENTS
東洋インキSCホールディングス株式会社
32,648
28,647
22,886
17,166
15,628
15,628
13,327
12,282
10,701
5.06
4.44
3.55
2.66
2.42
2.42
2.07
1.91
1.66
※自己株式54,707千株
(7.82%)
については、上記の表中から除外しております。
76
持株数(千株)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
Toppan Annual Report 2013
株価の推移(東京証券取引所)
当社株価
(円)
日経平均株価
(円)
12,000
1,200
900
9,000
600
6,000
300
3,000
0
06
07
08
09
10
11
12
06
07
08
09
10
11
12
/0
13
03
05
05
03
04
04
02
03
03
02
02
02
20
12
20
20
凸版印刷
(株)
の株価
1
1
12
12
1
11
11
/0
10
10
09
08
07
06
4
/0
11
05
0
日経平均株価
出来高の推移
千株
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
1
/0
20
13
/0
20
12
09
08
07
06
05
20
11
/0
4
0
株式の所有状況
所有者別
所有株数別
外国法人など
122,487,793株
17.51%
証券会社
15,795,891株
2.26%
1千株以上
70,239,195株
10.04%
1千株未満
1,883,729株
0.27%
1万株以上
30,684,224株
4.39%
合計
699,412,481株
金融機関
264,200,720株
37.78%
合計
699,412,481株
5万株以上
14,298,218株
2.04%
その他の法人
113,541,397株
16.23%
10万株以上
91,036,669株
13.02%
個人・その他
183,386,680株
26.22%
100万株以上
491,270,446株
70.24%
※自己株式54,707千株は、「所有者別」は「個人・その他」に、「所有株数別」は
「100万株以上」に含まれております。
http://www.toppan.co.jp/
c TOPPAN 2013.8 KI
Printed in Japan
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