...

事業分野別 重点戦略

by user

on
Category: Documents
3

views

Report

Comments

Transcript

事業分野別 重点戦略
事業分野別
重点戦略
当社は2015年4月、経営戦略をより効果的な体制で推進するため、
セグメントの変更を実施しました。
マテリアルソリューション事業本部から高機能・エネルギー関連、建装材関連を移管し、
パッケージ関連と合わせて「生活・産業事業本部」としています。
一方、半導体関連やディスプレイ関連は「エレクトロニクス事業本部」が統括し、
構造改革と新商材開発を加速していきます。
ここでは、各事業分野別に取り組む重点戦略について詳しくご紹介します。
セグメント変更について
2015年3月末まで
情報コミュニケーション事業分野
情報・ネットワーク系事業
2015年4月から
セキュア関連
証券
・カード関連
セキュア関連
マーケティング関連
商業印刷関連
ビジネスフォーム関連
コンテンツ関連
出版印刷関連
情報コミュニケーション事業分野
ビジネスフォーム関連
生活環境事業分野
パッケージ関連
生活環境系事業
ディスプレイ関連
高機能部材関連
マテリアルソリューション事業分野
エレクトロニクス系事業
半導体関連
建装材関連
高機能
ディスプレイ関連
・エネルギー関連
建装材関連
半導体関連
マーケティング関連
コンテンツ関連
パッケージ関連
生活・産業事業分野
エレクトロニクス事業分野
高機能・エネルギー関連
建装材関連
ディスプレイ関連
半導体関連
CONTENTS
情報コミュニケーション事業分野
生活・産業事業分野
21 情報コミュニケーション事業分野の全体戦略
28 重点戦略01:バリアフィルム事業の推進
22 重点戦略01:セキュアビジネスの展開
23 重点戦略02:紙媒体とデジタル媒体の活用
24 重点戦略03:トッパンの店頭ソリューション
26 重点戦略04:教育ICT事業の推進
20
Toppan Annual Report 2015
31 重点戦略02:快適な生活空間を提供する建装材事業
エレクトロニクス事業分野
32 重点戦略:グローバルな「ニッチトップ」
をめざす新規事業
情報コミュニケーション事業分野の
全体戦略
情 報コミュニケーション事業分野において、
非 印 刷 事 業は年10%以上の伸びを示しており、今 後もさらなる拡 大が 期 待できます。
今 後は、紙とデジタルの融合とIC T対 応 力 強 化により、
紙に限 定されない幅広い分野において「 非 印 刷 事 業 」の拡 大を図るとともに、
トータルソリューションを武器に事業機 会を獲 得していきます。
紙とデジタルの融合とICT対応力強化により、非印刷事業の拡大を
図るとともに、
トータルソリューション力を武器に事業機会を獲得する
マーケティング+コンテンツ
●
●
●
セキュア
基盤強化
両分野の融合による新ビジネスの創出
BPO事業のいっそうの拡大
社会インフラとしての事業確立
●
グローバル展開の加速
●
ICT対応力強化
●
拠点集約、最新設備導入による効率・収率アップ
■トータルソリューション
当社の強みのひとつに、約2万5千社にわたる幅
こうしたなか、
トッパンは、企画や制作、分析や運用
広い顧客基盤があり、当社の安定的な収益基盤に
などの専門的な機能を幅広く有しており、各分野
もなっています。現在、
これらの企業においてマー
のプロフェッショナルな人財や、システム構築力、
ケティング・コミュニケーションのあり方が、紙媒体
経験により培ったノウハウなど、それぞれの機能を
に加え、データベースの活用やWebサイトを組み
有機的に結びつけることで、得意先の課題解決に
合わせるなど、非常に多様化・複合化しています。
向けた最適解をご提案することができます。
従来のビジネスモデルの上に、コンテンツ関連サービス、システム構築・運用、
BPO等のサービスを加えることで、新たな収益モデルを構築
幅広い顧客基盤
ニーズ
コンサルティング・
プランニング
商 品・サービス情 報
リサーチ・分析
商品企画・開発
ツール制作
プロモーション企画
次世代店頭開発
プラットフォームへ
落とし込み
コンテンツ管理
ビジュアル・シミュレーション
資材受発注管理
コンテンツ制作・配信
人 財
営業
マーケティング
IT
クリエイティブ
企画
フィールド支援・
バックオフィス
運 用ノウハウ
BPOセンター
コールセンター
ICT
システム構 築
●
●
●
●
●
●
製造
Toppan Annual Report 2015
21
01
情 報 コミュニケーション 事 業 分 野 の 重 点 戦 略
セキュアビジネスの展開
最先端の偽造防止技術と情報管理技術によって、
ICカードや各種証券類の企画設計・製造・発行をはじめ、
業務委託ビジネスなど、さまざまな高付加価値ソリューションを提供することで、
時代のニーズに合った情報管理をトータルに支援しています。
トッパンのセキュアノウハウ
したインフラ整備関連」、
「 周知徹底のための広報ツール
制作」
などの広報関連業務などの需要が期待できます。
情報セキュリティ需要の拡大・高度化がグローバル規
トッパンはこれらの需要への対応を通じ、社会基盤の整
模で加速するなか、安心・安全なコミュニケーションを実
備・強化に貢献していきます。
現するセキュアなサービス提供やインフラ構築へのニー
2016年からは個人番号カードの交付が始まり、これ
ズが高まっています。こうした状況のなか、
トッパンは、高
に伴い「民間企業や金融機関における番号取得事務へ
度なセキュリティ技術をベースとした媒体の提供や、関連
の支援業務」が発生します。金融機関の場合、従業員に
機器およびシステムの開発により、総合的なソリューショ
加え顧客の個人番号の収集も必須とされているため、大
ンを提供しています。
きな需要が 見込まれています。この分野においては、セ
ICソリューションビジネスでは、多機能型ICカードを核
キュアBPOで培ったノウハウが最大限に発揮できます。
に、店頭即時発行サービスや電子決済サービスなど、顧
さらに、その先には、
マイナンバーという共通IDを核とし
客の利便性を高める新たな事業を展開しています。
て、健康・医療分野やエネルギー分野をはじめとする幅広い
さらに、公共・金融系を中心に、セキュアな環境での
「総
分野において、新しいビジネスが発生すると期待されていま
合BPOサービス」
に対するニーズが拡大するなか、
トッパン
す。
トッパンは、
「印刷テクノロジー」
で培った セキュリティノ
は、業務の本質に照らしてプロセスを再構築することで、高
ウハウとトータルソリューションを結集して、新たなサービス
度化・効率化を実現しています。また、グループ・データセン
やビジネスの創出に積極的に取り組んでいきます。
ターをはじめとする拠点の活用や、さまざまな案件を通じ
て培った運用ノウハウを駆使した総合的な提案により、公
マイナンバー制度関連需要
海外においては、交通向け非接触カードのラインアッ
プ強化や社会基盤に資するセキュア商材の拡販、ホログ
~
共案件をはじめとする各種業務の受託に注力しています。
2016年
ラムなどを活用した偽造・模倣品対策サポートなどを通
じて、セキュア事業のさらなる拡大をめざしています。
●
●
法律施行に伴い発生する
国内インフラ整備・製造業務の対応
通知カード製造および
発行業務
カード製造業務
●
カード発行業務
●
コールセンター業務
●
広報業務
マイナンバー制度関連需要の取り込み
2016年
ナンバー制度導入に伴う需要に対しても積極的にアプ
2017年
~
トッパンは、
トータルソリューションを強みとして、マイ
ローチしています。
マイナンバー関連の導入においては、本年10月に個
人番号の通知が開始される予定です。本年は、これらに
伴う
「カード製造・発行業務」
や
「コールセンターを中心と
22
Toppan Annual Report 2015
2018年
以降
法律施行に伴い発生する
民間企業や金融機関における
番号取得事務への支援業務
法律施行によって拡がる
マイナンバーを活用した新しく発生する
ビジネスに向けた取り組み
02
事業分野別重点戦略
紙 媒 体とデジタル媒 体の活 用
トッパンは100年以上にわたる印刷事業の歴史を通じて、
「コンテンツの価値」の最大化に注力してきました。
その情報加工技術とマーケティングのノウハウは、紙とデジタルのハイブリッドな制作体制をはじめ、
デジタルコンテンツ・マーケティング事業の展開、AR(Augmented Reality)やVR(Virtual Reality)を
ベースとした新たな表現の開発・活用などに受け継がれています。
紙・デジタルのハイブリッドな制作体制
研究・開発しています。
ARとは、
「 拡張現実」
と呼ばれる技術の総称で、従来に
トッパンは1 9 7 0 年に日本の印 刷 会 社で初めてコン
ない体感を生み出す手法として注目されています。高精
ピュータ組版システム
(CTS)
を導入するなど、業界に先駆
度バーチャルフィッティングシステムを活用し、アパレル・
けて制作業務の電子化を推進してきました。圧倒的なス
流通業界向けに試着シミュレーションを提供しているの
ピードと安定した品質を武器に、出版社などに対し多面的
はその一例です。また、
トッパンは、文化財の高精細なデ
なサポートを行ってきました。こうした経験で培った情報加
ジタル保存に取り組んでいますが、保存したデータの公
工技術は、
「コンテンツファクトリー」
に受け継がれています。
開手法として開発した
「トッパンVR」
は、圧倒的な臨場感
コンテンツファクトリーは、紙媒体・デジタル媒体のコン
と没入感のある仮想体験として高い評価を得ています。
テンツを同時並行で制作できるラインで、通常の印刷や
デジタル文化財の新たな価値の創造とともに、一般公開
オンデマンド印刷に加え主要な電子書籍フォーマットをカ
が困難な施設の
「バーチャル見学システム」
などにも活用
バー。初めから紙・デジタル双方への展開を想定し、マス
されています。
ターデータとして生成したXMLから各媒体向けの出力用
トッパンは、これからも、紙も含めたあらゆる表現手段
加工を行うことで、納期の大幅短縮を実現しました。
を取り入れ、最適なデバイスにより訴求力の高い新しい
コンテンツを提供することで、企業と生活者のよりよいコ
「デジタルコンテンツ・マーケティング事業」
の推進
出版業界のプロフェッショナルによって作られた雑誌
記 事は、その一つひとつが 信 頼 性の高いコンテンツで
す。現在、
トッパンは雑誌を記事単位で管理できるデータ
ベースシステムの開発に着手、ワンソース・マルチユース
をコンセプトに、バックナンバーも含む良質なコンテンツ
を、何度でも利活用できる仕組みを構築しています。
また、コンテンツの流通から得られたデータは、読者の
嗜好を反映した貴重なビッグデータのひとつであると捉
え、このデータを活用して一般企業に対して新たな商品
開発やサービスのアイデアを提案するデジタルコンテン
ツ・マーケティング事業を積極的に推進していきます。
新たな表現によるコミュニケーションサポート
ミュニケーションをサポートしていきます。
雑誌コンテンツのマルチユース展開
コンテンツホルダー
原本
テキスト
DTP
PDF
トッパンが 提 供する情 報 加 工
印刷・加工
電子書店
データベース
システム
構造化処理
スマートフォン キュレーション
タブレット
マガジン
SNS
PC
新しい
コンテンツ
配信のかたち
マスターデータ生 成
「トッパンX ML 」
出力用加工
その他
サイネージ
トッパンは、ARをはじめ、VRなどの新しい表現技術を
Toppan Annual Report 2015
23
03
情 報 コミュニケーション 事 業 分 野 の 重 点 戦 略
トッパンの店 頭ソリューション
トッパンは1961年に得意先にマーケティング提案を行う「サービスセンター」を設立して以来、
「より効果的な店頭コミュニケーション」を創造し続けてきました。
生活者の意識や購買行動が目まぐるしく変化する現代、マーケティング、IT、クリエイティブの各領域のノウハウを結集し、
トータルソリューションを提供することで、得意先の店頭課題を解決しています。
「店頭企画・マーケティング力」
×
「店頭モノづくり力」
めることで、高いコスト競争力を獲得しています。スピード
面においては、専門営業・企画・生産管理からなるユニット
トッパンの店頭ソリューションにおける第一の強みは、
「店
チームを案件ごとに編成し、現場のニーズへのスピーディ
頭企画・マーケティング力」
です。
な対応に結びつけています。品質面においては、企画・設計
たとえば、消費行動研究室では、グループインタビュー
段階からデザインレビューによる事前検証を徹底。加えて、
やWebアンケートといったリサーチに基づき、幅広い分析・
ISO9001に準拠したトッパン独自の品質管理基準に基づ
提案を実施しています。また、
「ショップサイエンス・ラボ」
で
き、サプライヤーの選定と定期的監査を実施するとともに、
は、
トッパンが長年培ったPOPやパッケージ・店舗・空間など
品質管理担当者が現地に巡回して最終製品検査を行って
のクリエイティブノウハウに、
アイトラッカーをはじめとする
います。
データの
「科学性」
を加え、
より効果的なシナリオを構築しま
す。加えて、デジタルサイネージなども活用した店頭ツール
安売りに頼らない店舗売上向上へ
の設計・開発においては、実際の店頭状況を把握したうえ
で、
ワンストップでの対応を実現しています。
多業態の流通企業が同じ商圏の中で競合する
「オーバー
第二の強みは、
コスト・スピード・品質のすべての面で妥協
ストア化」
が加速するなか、単なるポイント制度や特典の付
を排した
「店頭モノづくり力」
です。
与だけでは、顧客の囲い込みが難しくなっています。より効
コスト面においては、設計と生産を分離し、設計工程を
果的な集客・販促施策の実施に不可欠なのは、消費者の購
内製化するとともに、パーツ別に最適なサプライヤーを入
買行動に関する包括的なデータです。それらのデータから
札方式で選定。さらに、国内・海外で生産地の最適化を進
一人ひとりの潜在ニーズを分析し、その先の
「非計画購買」
SP
(セールスプロモーション)
専門の
ユニットチームによるスピード対応
お 客 さま
店頭企画・マーケティング力
マーケティングリサーチ
ブランディング
商品企画
O2O
SP
BPO
CRM
SPを熟知した専門営業、企画、生産管理の
ユニットチームにより、
お客さまの課題を迅速に解決
企画
店頭モノづくり力
パッケージ
カタログ
POP
什器
SD
企画・設計・デザイン
印刷
テクノロジー
24
Toppan Annual Report 2015
サイネージ
Web
お客さま
SP専門営業
生産管理
事業分野別重点戦略
を促進することで、初めて、安売りに頼らない店舗売上の向
ケティング・プラットフォームは、現金や電子マネーによる決
上が可能になります。
済、
その他関連サービスを一元化。消費者の快適なショッピ
トッパンは、
こうした
「個別化された買い物体験」
の創造に
ングを支援する一方、企業側にとっては、一連のマーケティ
向けて、集客から販促、購入・決済までをカバーする幅広い
ングプロセスがすべて集約されることで、より機動的な販
マーケティングサービスを提供しています。
促活動やCRM施策が可能になります。
■販促メディアプラットフォーム
■データマネジメント・プラットフォーム
「Shufoo!」
の枠組みを活用し、当社の得意先企業が自社
「買い物DNA」
は、買い物の
「動機」
やその背景となる
「価
専用の電子チラシを配信できる
「Shufoo!アプリASPサービ
値観」
に注目し、消費者をいくつかのグループに分類。顧客
ス」
を提供しています。企業が独自に電子チラシアプリを開
ニーズを先読みしたうえで、分析スタッフの構築したシナリ
発する場合に比べて、費用は約10分の1。エリアだけでな
オに沿って、最適な商品を最適なコミュニケーションによっ
く、時間帯やターゲット特性なども踏まえた、よりきめ細か
て提案し、新たな非計画購買を促進するアプローチです。
な販促施策が求められるなか、顧客ID別のセグメント化も
可能な集客メディア
「Shufoo!」
は、
さらなる進化を続けてい
ます。
インバウンド需要の取り込み
政府の観光立国政策や折からの円安、消費税免税制度
■オムニチャネル支援プラットフォーム
の改正を受けて、日本を訪れる外国人は年々増え続けてい
電子チラシ・カタログ 上の商品情報や画像データ、そ
ます。2013年には1,000万人を突破、2020年の2,000
してユーザーのアクセスログなどを、マーケティングデー
万人到達に向けて、官民を挙げた取り組みが進められてお
タとして一 元 管 理 。デ ジタルサイネージなどの 店 頭メ
り、こうした観光客を対象とする
「インバウンド関連事業」
ディアとも効果的に連携することで、消費者との接点の
に注目が集まっています。
トッパンはこうした事業を展開
多様化を図ります。
する得意先を支援するため、
「 来店」
「 店内回遊・商品選定」
「購入」の三つのフェーズで、さまざまな商品・サービスを
■決済マーケティング・プラットフォーム
提供しています。
また、世界に日本の食文化を発信するサイ
ポイント制度の囲い込み効果が薄れるなか、
「 決済」
は、
ト
『SHUN GATE』の開設や、一般社団法人ジャパンショッ
マーケティングの新たな有力な武器となります。スマート
ピングツーリズム協会
(JSTO)
との連携など、
わが国のブラ
フォン用の
「お買い物アプリ」
を活用したトッパンの決済マー
ンド力向上に向けて、多面的な活動を推進しています。
次世代決済マーケティング・プラットフォーム
Shufoo!アプリASPサービス
会員証
現金支払い
ポイント
クーポン
会員情報を
一元管理
●
電子決済
ポイント
●
会員情報
●
販促機能
会員限定で集客
店舗別に集客
本部施策で集客
会員DBとの連携
ミニチラ
WEBチラシ
電子マネーで
財布を把握
販促施策を
最適化
Toppan Annual Report 2015
25
04
情 報 コミュニケーション 事 業 分 野 の 重 点 戦 略
教 育 I CT 事 業の推 進
トッパンは企 業 活動を通じて学校教育の充実を図り、日本を支える人 財の育 成を支 援しています。
先 進 的なICTソリューションと、グループ 企業の東 京 書 籍( 株 )のコンテンツ開 発 力を結びつけることで、
子どもたちの自信を育み、
「努力する力」を養う学 習サポートシステムを提 供 。
学 校と家 庭をつなぎ 、自ら目標を立て苦手に取り組む児 童を応 援していきます。
性を広げることが大きな課題となっています。
教育の情報化とICTの役割
トッパンはこれまで、21世紀にふさわしい学びの場の
今 、学 校 教 育 の 場では、狭 義 の 学 力 向 上にとどまら
実現に向けて、さまざまな取り組みを続けてきました。転
ず 、子どもたちが 将 来 、社 会で 生きていくのに必 要な
機となったのは、2013年春に稼働した、佐賀県全域の
「 情 報 活 用 能 力 」の 養 成 が 求 められています 。また 一
小・中・高校をカバーする教育情報システム
「SEINet」の
方では、教 師 が 多 岐にわたる学 校 業 務に追 われ、忙し
開発です。この取り組みを踏まえ、2014年8月に
「教育
すぎることが 問 題 視されています。この 双 方 の 課 題に
ICT事業開発本部」
を発足。システムの開発・提供と利用
応えるのが 、タブレット端 末 や 電 子 黒 板を活 用した情
促進を全社一丸で推進する体制を確立しました。
報 教 育の推 進と、最 新のシステム導 入による校 務の効
率化、すなわち教育におけるICT(Information and
Communication Technology)
の活用です。
トッパングループの総合力
一般に、小学校3、4年生までの勉強でつまずくと、子
一方、
トッパングループには、東京書籍(株)
をはじめ、
どもはその後の学習意欲を持てなくなる可能性が高いと
学校図書(株)、
( 株)
フレーベル館といった、さまざまな
されています。塾か通信教育か自宅学習か、子どもたち
教育出版部門があります。なかでも東京書籍は、わが国
が勉強のつまずきをどのように乗り越えるかは環境に大
最 大の教 科 書 会 社であり、教 育コンテンツの開 発にお
きく左右されるものです。そして、諦めずに最後までやり
いて深い知見を有しています。また、平成27年度版「小
抜く経験をしたかどうかが、将来の学歴やキャリアにまで
学校デジタル教科書」などに見られるように、デジタル
影響しかねないとも言われています。こうした状況を背
教材の開発力も傑出しています。
トッパンは、こうしたグ
景に、今、教育のICT化によるメリットの検証と、その可能
ループの強みを活かし、児童・生徒一人ひとりに最適な
学習支援システム
「やるKey」の概念(図1)
提供機能
動機付け
「習熟度管理」機能
内発的刺激
「レコメンド」機能
「目標管理」機能
教科書単元準拠 デジタルドリル
「学習履歴管理」機能
26
Toppan Annual Report 2015
成長実感
解らなかったことが
解るようになる喜び
子 どもの2つ の 力
達成感
努 力 する力
自分で立てた目標を
達成できた喜び
外発的刺激
先生・保護者からの承認
認められた喜び
学 力
事業分野別重点戦略
学習環境を提供するLMS(Learning Management
中室准教授も、成長実感や達成感を通じて努力する力
System)
の開発を進めています。
を育むことは大切であると指摘しています。幼少期に得
たその力は、長期にわたって持続するような効果があり、
その後の人生においても、成功する源になりうる力なの
やる気の扉を開ける学習支援システム
「やるKey」
です。
(「学力の経済学」ディスカヴァー・トゥエンティワン
より)
こうした流れのなかで、
トッパンはこれからの世の中を
学校と家庭をICTでつなぎ、両者が一体となって子ど
生き抜くための基礎となる
「努力する力」
を磨く、新たな
もの学習過程を見守ること、そして子どもの学力の土台
取り組みを始めました。それが、新しい学習応援システム
となる、
「 努力する力」
の芽を見つけ、それを育んでいくこ
と。これは、児童・生徒や先生のみならず、保護者、学校、
「やるKey」
です
(図1)。
「やるKey」は、タブレットと電子教材を用い、児童・生
ひいては市民の教育の質を高めたい地方自治体、未来
徒一人ひとりの理解度に合わせて課題を提供する
「レコ
の日本にとって、大きな意義があると言えるでしょう。
メンド」機能、児童・生徒が今取り組んでいる問題に対し
て、自分の目標を予め設定しておく
「目標管理」機能を備
校務支援システム
「マナレコ」
えています。さらに、解答の正誤だけでなく、取り組んだ
問題数や学習時間などの結果をすべてデータベースに
一方、
トッパンは校務支援システム
「マナレコ」
も提供し
蓄積し、グラフや図表で可視化することで、先生はより適
ています。自治体単位で小中学校の教職員・学習者情報
切な指導を行うことができます
(図2)。これらの機能を総
を一元管理する同システムは、帳票作成自動化など、自
合的に活用することにより、児童自身の「やる気」
を引き
治体および学校経営視点からの業務平準化機能を備え
出すことを可能にしているのです。
ています。これにより、各種申請、保護者との連絡事項の
本年5月には、茨城県古河市、東京都福生市、慶應義
確認、教育委員会への報告書提出など、授業以外の校務
塾大学の教育経済学を専門とする中室牧子准教授と共
が効率化できます。
同で、小学生の個別学習についての実証研究をスタート
さらに、児童・生徒の成績、出欠席などの情報を蓄積
させました。これは、タブレット端末を児童が持ち帰り、家
し、学校間・職員間でのデータ連携が可能なため、子ども
庭学習に利用することで、学習の進捗状況と家庭での学
の軌跡に合わせた細やかな教育指導をサポートします。
習履歴を、システム上で
「見える化」
するというもの。これ
今後もトッパンは、最先端の印刷テクノロジーを駆使
らの情報は教室での先生の指導に活かされ、子どもの達
して、
“ 学びの場”
を支援するさまざまなサービスを提供
成感の醸成に役立ちます。
していきます。
利用イメージ(図2)
●
●
教科書単元順に並んだデジタルドリル
1ボタンで教材指示できる画面設計
子どもに意図が伝わる
授業と関連した宿題出し
忙しい先生が、授業中でも
簡単に子どもに教材を
提供できる
学校
先生
休み時間や昼休みの
隙間時間で子どもへ
的確な
「褒め」
「励まし」
を
●
クラウドによる
学習履歴/教材の
一括管理
●
先生のいない家庭でも、
独力で少しでも学習を
進めることができる
家庭
保護者
●
●
目標管理機能
頑張り応援機能
やる気を引き出す
子ども
子ども自身の振り返り
だけでなく保護者が声がけ、
手助けをしやすくなる
家庭学習の
見える化
家庭学習の履歴管理機能
つまずきに応じた教材レコメンド
●
習熟度管理機能
「 努 力 する 力 」の 育 成
Toppan Annual Report 2015
27
01
生 活・産 業 事 業 分 野 の 重 点 戦 略
バリアフィルム事 業の推 進
トッパンは、さまざまな包装資材の企画・開発・製 造まで、総 合 的なパッケージソリューションを提 供しています。
そのひとつであるバリアフィルムは、国内外の「 食 品の安 全・安 心 」や「 環 境 」に対するニーズに応えた
高 付 加 価 値 商 材として、今後のさらなる成長が 期 待されています。
内容物を湿気・乾燥・酸化から守り、品質を長期間保つこと
戦略商品「GL BARRIER」の優位性
を可能にしました。
また、
これに加え、透明性により内容物を
酸素や水蒸気などのガスを遮断することで、内容物の
外から視認できる安心感や商品の魅力が訴求しやすいとい
変質・劣化を防ぐバリアフィルム。なかでも、透明バリア
う利点も併せ持っています。
フィルム、特に透明蒸着フィルムと呼ばれるタイプは、脱
さらに、塩素系樹脂を使用していないため焼却時に塩
アルミ、ビン・缶からの代替需要に対する切り札として、世
素系ガスを排出しない、ビンや缶よりはるかに軽量で輸送
界的に脚光を浴びています。
トッパンの透明バリアフィル
時CO 2の削減に寄与するなど、環境負荷の低減にも貢献
ム
「GL BARRIER」
は、
この透明蒸着フィルム市場のトップ
しています。
ブランドとして、高い評価を得ています。
世界45以上の国と地域で、約150社、15,000点以上
GL BARRIERは、独自の蒸着加工技術によって世界最高
の製品に採用されているGL BARRIERは、
トッパンの表面
水準のバリア性能を実現しています。アルミ箔に匹敵する高
加工技術を結集した戦略商品なのです。
い酸素バリア性、水蒸気バリア性を備えており、食品などの
GL BARRIERの構造
GL BARRIERの特長
GL BARRIER
訴求効果
安全性
透明なので中身を見せて
金属探知機が使える
商品をアピールできる
環境適性
バリアコート層
無機蒸着バリア層
塩素系ガスを排出しないで
サーマルリサイクルできる
基材透明フィルム
透明バリアフィルム
GL BARRIER
利便性
食品包材としてそのまま電
子レンジ調理ができる
安心感
保存性
温湿度の影響が小さく安
高 バリア性 能 が 湿 気 、酸
定したバリア性を発揮する
化、乾燥から製品を守る
多様なバリエーションを展開するGL BARRIER
PRIME BARRIERⓇ
卓越したバリア性やレトルト臭気低減効果な
ど優れた機能性を付加した高機能バリアフィ
ルムです。
28
Toppan Annual Report 2015
GL FILM
優れた酸素・水蒸気バリア性を有し、消費財
から産業資材まで幅広い用途に適したスタ
ンダードバリアフィルムです。
FRESHLIGHTⓇ
高温高湿度下でも酸素バリア性を保持する
ことができる、主に菓子などの軽包装に適し
たバリアフィルムです。
事業分野別重点戦略
バリアフィルムの市場環境
が存在します。これらの解決に向けて、世界の包装材市場
では今、
「 包装革命」
と呼ぶべき構造転換が進行していま
近年、欧米などでは、環境対応やユニバーサルデザイ
す。
トッパンは、こうした変化から生まれるニーズに応え、
ンの潮流を背景に、紙製容器やフィルム包材を採用する
グローバルな成長を実現していきます。
動きが 進んでいます。現在、世界のビン・缶製品の市場
規模は約6兆円と推定されていますが、将来的にそのう
■地域別・製品タイプ別戦略
ちの2割が 代替されると仮定した場合、潜在需要は約1
トッパンは、バリアフィルム事業およびコンバーティング
兆2,000億円に上ります。
(バリアフィルムの二次加工品)事業を
「バリアフィルム関
特に注目されるのが、北米地域です。包装材全体の市
連事業」
として、地域別・製品タイプ別の戦略を展開してい
場規模が約7.8兆円あるうえ、ビンや缶の構成比率が高
きます。
いことから、大きな代替需要が見込まれます。加えて、輸送
国内においては、
フィルム事業ではグループ内連携による
距離が長いこの地域では、軽量でコンパクトなフィルム包
販路拡大、
コンバーティング事業では新製品投入および産業
材の採用は、輸送時の環境負荷と物流コストの両面で、大
資材分野の開拓に注力します。北米においては、
フィルム事
きな改善をもたらすと期待されています。
業では供給体制構築と新市場開拓を推進します。
また、欧州
や中国・ASEAN地域では、既存事業の強化による業容拡大
バリアフィルム事業の全体戦略
をめざします。
このような取り組みにより、バリアフィルム関連事業の
私たちの社会は、地球規模の取り組みを必要とする、多
拡大を図り、2019年3月期に売上高1,000億円の達成を
くの課題を抱えています。パッケージ業界をめぐっても、環
めざします。
境保全、高齢化への対応、
フードロスの低減といった課題
バリアフィルム事 業
幅広い製品に活用される
「GL BARRIER」
国内
グループ内連携による販路拡大
海外
米国
新たな製造拠点の構築と新市場開拓
欧州
既存事業拡大
ASEAN
中国
既存拠点をベースに軟包材事業拡大
カートカン事業の早期立ち上げ・産業資材の拡販
フードロス問題の解決に向けて
賞味期限切れや食べ残しなど、本来食べられたはずの食品
え続けているのです。
が人の口に入らずに廃棄される
「フードロス」
は、年間約13億
いかに食品を捨てず、無駄なく使い切るか。フードロス問題
トン。世界の食料生産量の実に3分の1に相当します。日本国
の解決
(セーブフード)
は、現在、社会的にも重要な課題として
内でも年間500~800万トンのフードロスが発生し、農林水
認識されています。
産省が対策に乗り出しています。新興国の人口増加や生活
内容物の品質を長期間保つことができる、
トッパンのGL
水準向上などを背景に、世界的に食料需給が逼迫するなか、
BARRIERは、
このようなフードロス問題の解決にも貢献して
その裏側では、
「ただ捨てられるためにつくられる食料」
が増
いきます。
Toppan Annual Report 2015
29
生 活・産 業 事 業 分 野 の 重 点 戦 略
これらの包材には、透明性や高度のバリア性に加え、
重点戦略
シール強度、耐屈曲性、熱殺菌時の耐熱性など、さまざま
■ラインアップの戦略的拡充
な性能が要求されます。
「 PRIME BARRIER Ⓡ レトルトグ
透 明バリアフィルムには、バリア性に従ってさまざま
レード」
は、屈曲性により優れ、熱殺菌後の酸素ガスバリ
なグレードが あり、用 途 ごとに要 求される性 能は異な
ア性が従来比約2倍となるなど、医療用ソフトバッグとし
ります。
トッパンは、
「 PRIME BARRIER 「
」 GL FILM」
て理想的な機能性を実現しました。
Ⓡ
「FRESHLIGHT Ⓡ 」の3つのブランドのもと、さまざまな
トッパンはこれを足がかりに、
「 PRIME BARRIER Ⓡ 」
の
グレードの製品を展開しています。今後はこうした幅広
ラインアップ拡充とともに、
レトルト・医療医薬、そして断
いラインアップの拡充により、要求性能の異なる多様な
熱材・ディスプレイといった産業資材分野の開拓に注力
市場ニーズに応えることで需要の獲得をめざします。
していきます。
ミドルバリアでは、一 般 食 品やトイレタリーなど既 存
マーケットの深耕を図るとともに、ローバリアでは、新ブ
ランド
「FRESHLIGHT Ⓡ 」
を軸に、軽包装市場でのシェア
獲得をめざします。一方、ハイ~超ハイバリアでは、
レトル
トや医療医薬、産業資材などで新分野開拓を図るととも
に、複合容器の提案力強化によって、ビン・缶からの代替
医療医薬品包材向け
精密機器、電子部品等の輸送用梱包材向け
需要の獲得をめざします。
■グローバル供給体制の構築
■高付加価値品の獲得
こうした開発・販売戦略を支える供給体制も、着実に整備
医療医薬や産業資材といった高付加価値品には、他の
が進んでいます。国内においては福岡工場、深谷工場を中心
分野以上に高度なバリア性能が要求されます。
トッパンは、
に、
また、
米国においては、
顧客や材料メーカーが東海岸に集
「PRIME BARRIER 」
を切り口に、
これらハイ~超ハイバリ
中していることを踏まえ、
ジョージア州に工場を建設中です。
ア領域で新たな需要を開拓していきます。2012年にはそ
2016年3月の量産開始をめざしており、
この拠点を核に、
北米
の第一弾として、熱殺菌後の酸素ガスバリア性が世界一の
と欧州に向けた高品質製品の供給を強化していく計画です。
Ⓡ
また本年6月には、現地法人のTOPPAN USA, INC.
「PRIME BARRIER レトルトグレード」
を発売しました。
Ⓡ
ヘルスケア関連の中でも、流動食や点滴用輸液の市
がシカゴに新事務所を開設、本格的な販売活動をスター
場は国内外で堅調な伸びをみせており、また、点滴用輸
トさせました。同事務所を米国での販売活動の拠点と位
液 包 材においては、軽 量で安 全なフィルム包 材(ソフト
置づけ、ジョージア州の新工場とも連携しつつ、米国・中
バッグ)
への代替が進んでいくと期待できます。
南米市場の拡大に取り組んでいきます。
ラインアップごとの戦略
高
超バリア
● 産業資材
(ディスプレイ部材等)
ビン・缶置き換え
● アルミレスニーズの
取り込み
● レトルト拡大
● 医療医薬拡大
●
バリアレベル
ハイバリア
一般食品
ミドルバリア ●
トイレタリー
●
低
30
ローバリア
グローバル供給体制
●
軽包装市場獲得
Toppan Annual Report 2015
高付加
価値品の
獲得
現市場の
深耕
市場拡充
ジョージア州に
新工場
EUROPE
AFRICA
NORTH
AMERICA
(2016年3月竣工予定)
ASIA
ASEAN
福岡工場、
深谷工場の
2拠点で生産
LATIN AMERICA
AND
THE CARIBBEAN
02
事業分野別重点戦略
快適な生活空間を提供する建装材事業
トッパンの建 装 材事業は、化粧シートや床材、外 装 材など、
高い 機 能とデザイン性を備えた生活空間関連資 材を提 供しています。
建 装 材としての基 本的な性能・意匠とお客さまの多 様なニーズを両 立させ、
環 境に配 慮した快適な空間づくりに貢献しています。
生活者・施工者の多様なニーズを実現
待しにくいなか、グローバル展開の加速とともに、国内市
場では高い製品力や生活空間全体への提案力を武器に、
天井や壁紙、フローリング材から、建物の外装材まで、
いっそうのシェア拡大を図ります。また、二次加工品や完
生活空間を表情豊かに演出する建装材。木や石などの自
成品での納品を推進し、収益力の向上を図ります。印刷工
然素材を代替することで、貴重な天然資源の確保に貢献
程のデジタル化
(フィルムレス化)
など、新技術についても
するとともに、建設現場では建材の軽量化を通じて、施工
積極的な取り組みを続けていきます。
の省力化や工期短縮を実現します。
トッパンは印刷技術を
応用し、さまざまなニーズに対応した高機能製品の開発・
提供を行っています。
「住宅+非住宅」市場の攻略とグローバル展開
近年、生活者の視点から、建装材にもさらなる健康配慮
販売面においては、現在大きなウェイトを占める住宅分
や安心・安全が求められています。
トッパンはこうしたニー
野と並んで、商業施設や公共施設関連など非住宅分野へ
ズを踏まえ、人と環境にやさしい素材を追究した
「エコシー
の取り組みを強化し、
「 住宅+非住宅」
の2本柱体制の確立
ト」
を開発し、需要を取り込んでいます。また、2011年に社
をめざします。住宅分野では、既存市場の深耕に加え、型
内に創設した
「C-lab.」
は、生活空間をめぐる独自のデザイ
押し化粧板「フォルマーノ」
など高機能商材の販売を強化
ンマーケティングや素材に関する調査研究を実施。こうした
します。非住宅分野では、内・外装不燃意匠材「フォルティ
成果を踏まえたトッパンの意匠開発やコンセプト発信力は、
ナ」
や再生木材
「トッパンマテリアルウッド」
を軸に、新規受
市場において高い評価を獲得しています。
注拡大を図ります。
グローバルにおいては、米国のペンシルバニア工場・
ジョージア工場拡充に取り組むとともに、欧州では大手家
さらなる差別化と提案力強化
具チェーンとの連携強化や、コート紙ビジネスのさらなる
2015年3月期の国内の新設住宅着工戸数は、消費増
拡大を図ります。また、東南アジアでは現地駐在所を拠点
税前の駆け込み需要の反動で、99万戸から88万戸へと
に、海外生産・販売体制の早期確立をめざします。
減少しました。中長期的には国内需要の大きな伸びが期
C-lab.(クリエイティブ・ラボラトリー)
~市場ニーズを捉え、時代の兆しを発信~
国内
インテリア動向
IDW
デザイン知識・情報の集積
C-lab.
+
Interior Design
Wave
グローバル
デザイン動向
WDW
World Design
Wave
国内店舗、
施設関連デザイン動向
SDW
Shop Design
Wave
フォルティナを活用した外装材の例
Toppan Annual Report 2015
31
01
エレクトロニクス事業分野の重点戦略
グローバルな「ニッチトップ」をめざす新規事業
経営課題に掲げた「グループを含めた構造改革の遂行」に基づき、
既存事業のさらなる効率化を推進するエレクトロニクス事業。
FC-BGA基板、銅タッチパネルなど、
トッパンの技術力の強みが活かせる成長分野に注力し、
グローバルなニッチトップの座をめざします。
成長市場で世界を狙うFC-BGA基板事業
占めていますが、パソコン販売台数は低迷、スマートフォ
ンの成長鈍化によりFC-CSPは需給バランスが崩れ、低
■パッケージの小型化・軽量化を実現する
価格化も伴って厳しい市場環境にあります。
FC-BGA基板
このようななかでトッパンは、サーバー用、通信用、車
半導体パッケージ基板は、ICチップを外部の振動・埃・
載用、グラフィック用など、さらなる高速性能や低消費電
湿気などの外部環境から守るとともに、プリント配線板
力化、高密度配線などが求められ、今後の用途や需要の
と電 気 的に接 続する役 割を担う電 子 部 品です。このう
拡大が見込まれるハイエンドLSI用FC-BGA基板に集中
ち、パッケージ基板の裏面に格子状にはんだボールの端
し、事業拡大を図っています。
子を並べたタイプを
「BGA(Ball Grid Array)基板」
と
呼びます。さらに、ICチップをワイヤで接続するのではな
■次世代を見据えた生産体制を構築
く、突起状の接続端子(バンプ)によって接続するフリッ
本年トッパンは、
配線の微細化に対応可能な最先端の製造
プチップタイプで、ビルドアップ工法により生産されるの
ラインを新潟工場内に新設しました。生産能力を従来の2.5
が「FC-BGA(Flip Chip-BGA)基板」
です。主にパソコ
倍に引き上げるとともに、
年内の量産開始をめざしています。
ンやサーバー、ゲーム機といった大量なデータ処理が必
新潟工場の新ラインでは、電気特性の向上などで求め
要な高性能LSIに使用されています。
られるコア材の薄型化や、
コア材を使わない次世代型製品
「コアレスFC-BGA基板」
に対応する設備を導入しました。
■成長分野のハイエンドLSI用FC-BGAに特化
また、高精度のパターニング技術が要求され、配線の
LSIは高速化、高集積化や小型化に伴い、さらなる微細
高密度化には、配線幅(L)/配線間隔(S)
を従来の約半
化が進展しており、今後もFC-BGA基板の需要拡大が続
分の10/10μm以下にまで微細化対応を可能にするな
くとみられています。
ど、将来の需要動向を見据えた体制を構築しました。
現 在のF C - B G A 基 板のマーケットは、パソコン向け
同時に、製造実行システム
(MES: Manufacturing
CPU用を主体に、次いでスマートフォン向けのFC-CSP
Execution System)
を導入し、生産性や品質向上を
(Flip Chip-Chip Scale Package)が多くの割合を
図っています。
FC-BGA 断面図
ソルダーレジスト
FC バンプ
ビルドアップ層
コア層
ビルドアップ層
穴埋め樹脂
コアレス FC-BGA 断面図
ボールパッド
FC バンプ
ビルドアップ層
ソルダーレジスト
FC-BGA基板
32
Toppan Annual Report 2015
ボールパッド
事業分野別重点戦略
エレクトロニクス分野の新たな地平を拓く
銅タッチパネル事業
なエッチング加工技術により、線幅3μmという超細線化
を可能にするとともに、独自の配線設計などの技術によ
り
「モアレ」
や「線(パターン)見え」
を防止、視認性を大幅
■銅タッチパネルの一貫生産体制を構築、
に向上させました。
世界に先駆けてパソコン向けに採用
また、
これまではX極とY極の2枚のフィルムを貼り合わ
マウスやキーボードを使わずに、指やペンで画面に触
せるGFFタイプが主流でしたが、1枚のフィルムの両面に
れることで直感的に端末を操作できるタッチパネル。初
一括でX極とY極を形成するGF2タイプを新たに開発、光
期はATMや駅の自動券売機など、
「 スイッチ機能」に特
の透過率の向上と視認性の改善に寄与するほか、材料費・
化したタッチパネルが 中心でしたが 、さまざまな入力操
工程費の削減、
さらなる軽量化を可能にしました。
作に対応したスマートフォンやタブレット端末の登場で、
より身近なインターフェイスになりました。また、パソコン
■車載向け3D曲面銅タッチパネルモジュール
への搭載に加え、デジタルサイネージや電子黒板など、
などラインアップを拡充
中・大型モニターへの採用も進んでおり、静電容量型タッ
銅は他の電極材に比べて曲げに強く、タッチパネルの
チパネルの市場はさらなる拡大が見込まれています。
3D曲面形状化が可能であるという特長があります。そこ
このようななかでトッパンは、電極材として銅を使用し
でトッパンは本年4月、車載ディスプレイ向けの3D曲面
たタッチセンサー
(銅タッチセンサー)
を開発。銅はITO
(酸
銅タッチパネルモジュールを開発。自動車のセンターコン
化インジウムスズ)
に比べて抵抗値が低く、大型化しても
ソールディスプレイへの展開などが期待されています。 高感度かつスムーズな操作性を実現できるなどのメリット
そのほか 、大 型 デ ジタルサイネージや 電 子 黒 板 、ア
があり、特に中・大型タッチパネルでその優位性を発揮し
ミューズメント向けなどに対応した最大55インチの汎用
ます。2013年11月には、
この銅タッチセンサーの開発・製
モジュールや、タブレット端末などの小型化・軽量化ニー
造およびモジュール化までの一貫した生産体制を構築し、
ズに対 応した超 狭 額 縁 銅タッチパネル、ペン入 力やグ
銅タッチパネルモジュールとしての量産を開始しました。
ローブ対応品の開発など、着実にラインアップを拡充し
生産ラインは、プラズマディスプレイ用電磁波シールド
ています。
メッシュのラインを転用。既存事業のインフラを有効活用
し、投資コストを抑えながら、高性能な銅タッチパネルの
■徹底した構造改革と新たな事業モデルの確立
一貫生産体制を確立し、銅メッシュタイプのタッチパネル
製品開発で大きな役割を演じたのは、液晶ディスプレ
として世界に先駆けてパソコン向けに採用されました。
イの豊富な知見を持つ、子会社の(株)
オルタステクノロ
ジーです。
トッパンとオルタステクノロジーの両社の技術
■視認性向上を実現した微細加工技術と
を融合することで、タッチパネルの企画・設計からタッチ
独自のパターニング技術
センサーの生産、モジュール化まですべての工程を内製
銅 電 極はI T O 透 明 導 電 膜に比 べて視 認 性という点
化し、一貫した生産体制による高品質・高性能な製品を
で、配線の細線化がひとつの課題でした。そこで、高度
提供しています。
オルタステクノロジーは、常に業界最先端の高
精細・高信頼性・省電力の中小型液晶パネル製
品を追求しています。
そのベースにあるのは、独自の a-Si TFT 技術
“HAST
(Hyper Amorphous Silicon TFT)
”
。
HAST技術をベースに進化した数々の先端技
術で、ハンディターミナルなどの業務用携帯機
器に適した低消費電力液晶や、直視型カラー
TFT液晶ディスプレイとして世界最小サイズの
4Kパネル
(2014年9月現在)
向け超高精細液
晶など、
『 美しさと低消費』
を実現した製品を提
供しています。
3D曲面銅タッチパネルモジュールの
オルタステクノロジーの高精細中小型液晶パネル
車載ディスプレイ展開イメージ
Toppan Annual Report 2015
33
Fly UP