みとの水脈

圀 で す。 民 間 薬 の 処 方 を ま と め た
『救民妙
『水府 鍼 灸 秘録』
によれば、水戸藩におい
て鍼灸を普及させた立役者は、義公徳川光
明治 年龍男は、東京盲学校を卒業する
と、故郷水戸で開業し、後に水戸の盲学校
治してあげようと決意したといいます。
を宣告された人の友となり、鍼でその病を
盲学校退職後は再び開業し、研鑚の結果、
龍男の指先は敏感になって、皮膚の下で組
ローマ神話の主神
「ユピテル」にちなん
件のよい日ならば、もっと細い筋があ
だ
「ジュピター」の名前にふさわしい。
と数本見えることもある。
木星に望遠鏡を向けると、まず目に
公共の大きな望遠鏡で詳しく見るの
留まるのが、木星本体の周囲に見える
もよし、小さな望遠鏡でガリレオになっ
リレオ・ガリレイによって発見された。 る「長兄」の姿をいろいろと楽しんでみ
度のもの。現代のものであれば、7倍
市総合教育研究所
程度の双眼鏡でもこの衛星たちの姿を
移動天文車指導員　中川　義通
しん ぎ
ひらかた たつお
至誠の鍼技天に通ず
平方 龍男
薬』を作らせたのと同様に、鍼灸について
はり
も、鍼医西村玄春を尾張から招き、光圀自
の教師となります。大正４年に誘われて東
（鍼師）
ら治療を受け、藩内に広めました。これは
京の同愛訓盲院の教師となり、放課後は鍼
汽車の中で龍男は、自分のように不治の病
後に西村流として伝えられ、その鍼灸の伝
の施療にも務め、慢性腎炎などの難しい病
しんきゅう
統を引継いだ一人が平方龍男です。
織が病変を起こしていると、触れただけで
けんさん
持っていた串が目に刺さり失明。小学校高
気にも効果をあげました。
等科２年生の時には、野球のボールがぶつ
それを感じることができるようになったと
龍男は明治 年２月 日、水戸市に生ま
れ ま し た。 ３ 歳 の 時、 転 ん だ 拍 子 に 手 に
か っ て、 も う 一 方 の 目 も 傷 を 負 い ま し た。
いいます。その成果を伝えるため、昭和
年に鍼治療の理論と実技を学ぶ鍼科学研究
歳で、鍼の名人として名
会 を 作 り、 点 字 雑 誌『 鍼 の 研 究 』を 創 刊 し、
小学校卒業後は
高かった久慈郡瀬谷村の村田という鍼師に
後進の指導に力を尽くしました。
さらに、昭和 年には、柳田国男の勧め
で、キリスト教の精神を基盤に置いて、視
立を助けることを目的とした社会福祉法人
愛ホーム」と点字出版の事業を開始しまし
信愛福祉協会を創設し、失明者更生施設
「信
た。この事業は、今も龍男の遺志を継いで
運営されています。
よう。
当時、ガリレオが使った望遠鏡は、口
右…
『道ひとすじー昭和
を生きた盲人たち』
あずさ書店
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太陽系惑星兄弟で、最大の大きさを誇
ガリレオ衛星は、およそ400年前、ガ
左…
『新しいはりの話』
平方龍男著
信愛ホーム治療社
力に障害を持つ人たちの経済的・精神的自
29
た気分を味わうのもよし。この機会に、
「ガリレオ衛星」の姿である。
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（坂部　豪）
2014. 2. 15　広報みと
11
15
つき、鍼の修行を始めます。
写真提供
（社会福祉法人　信愛福祉協会より）
径わずか数㎝、望遠倍率が10～20倍程
木星(2004年撮影)。本体の
上に見える黒い点は、ガ
リレオ衛星の一つ「ガニメ
デ」の影
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明治 年 歳の春、龍男は東京帝国大学
病院で、目の手術を受けましたが、そのか
平方龍男
見ることができる。ガリレオ衛星は公
は充分に暖かい服装で、澄んだ冬の夜
転周期が短く、めまぐるしく位置が変
空を眺めよう。今なら、一晩中際立っ
化するので、時間をおいて何度も眺め
た輝きを放つ星が見つかるはずだ。太
ると面白い。
陽系最大の惑星、木星である。
もう一つの見ものは、表面の縞模様。
現在、木星は、明るい星が多い冬の
太い2本の縞は、小さな望遠鏡でも意
第12回
22
16
いなく、光を失いました。しかし、帰りの
1889～1976年
冷え込みが厳しい季節だが、ときに
しま
星のはなし
38
第21回
みとの水脈
星座の中で一際輝いている。その姿は、 外とよく見え、大きめの望遠鏡で、条