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県内施設の自動車運転 アンケート実施報告

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県内施設の自動車運転 アンケート実施報告
第1回 障害と自動車運転に関する研究会
新潟県内施設の自動車運転
アンケート実施報告
障害と自動車運転に関する研究会
はじめに
これまでに,障害者の自動車運転再開への取
り組みは,主に新潟市で実施されていることが
学会などで報告されていたが,他市町村の状
況は把握できていなかった.
障害者の運転再開は障害者を取り巻く環境や
生活の幅を拡げる上で非常に重要である.
目 的
新潟県全域における,障害者の自動車
運転再開への取り組みの現状を把握し,
今後の研究会の活動への手がかりとする
こと
方 法
調査期間:平成25年4月上旬アンケート用紙配
布,同年4月~6月末の約3か月間
対
象:県内におけるOTおよびSTが在籍す
る医療・保健・福祉・介護その他機関
267施設
方
法:郵送法によるアンケート調査(代表者
回答)
アンケート内容
(大項目)
【1】
【2】
【3】
【4】
所属施設について
自動車運転再開支援に関する取り組み
現場での実情について
研究会にて取り上げてほしい事業
結 果
【1】
【2】
【3】
【4】
所属施設について
自動車運転再開支援に関する取り組み
現場での実情について
研究会にて取り上げてほしい事業
アンケート回収内訳(地域別)
上越
11施設
中越
23施設
佐渡
2施設
下越
35施設
アンケート回収:
71/267施設
26.6%
医療領域
回復期病院
7施設
回答施設の領域
急性期病院
21施設
維持期病院
12施設
保健・福祉・介護領域
40施設
身体障害
精神障害
発達障害
その他(職業関連領域)
各1施設
介護保険
27施設
31施設
運転評価経験の有無の比較
20
18
16
運転評価経験
14
12
ある施設
10
8
ない施設
6
4
2
0
下越
中越
上越
佐渡
運転評価経験のある施設の領域分布
8
7
6
5
4
3
下越
2
中越
1
0
維
持
期
急
性
期
回
復
期
介
護
保
険
領
域
結 果
【1】
【2】
【3】
【4】
所属施設について
自動車運転再開支援に関する取り組み
現場での実情について
研究会にて取り上げてほしい事業
自動車運転の取り組みについてどう思うか?
20
10
0
1
2
3
4
5
6
1.可能となる手段を模索して担当セラピストが積極的にかかわるべきである
2.マニュアルさえあれば、担当セラピストが積極的にかかわるべきだと思う
18
7
3.関わりの必要性は感じるが、現場の状況を考えると、現地への出向には抵抗を感じる
19
4.院内での身体および神経心理学的検査が主体(本来の医療機関のかかわり)で良いと思う
4
5.積極的にかかわると免許更新の可否に影響を及ぼすため、関わらない方がよいと思う
6.過去、現場での経験もなく、また上記のいずれにも該当しない
0
19
結 果
【1】
【2】
【3】
【4】
所属施設について
自動車運転再開支援に関する取り組み
現場での実情について
研究会にて取り上げてほしい事業
自動車運転支援に関する評価を実施した
セラピストはいるか?
上越
2施設
いる
29施設
いない
42施設
下越
16施設
中越
11施設
自動車運転に介入したケースの疾患
25
20
15
10
5
0
脳
卒
中
脳
腫
瘍
頭
部
外
傷
脊
髄
損
傷
骨
折
認
知
症
ア
ル
コ
ー
ル
依
存
症
そ
の
他
指導・助言について
25
20
15
10
いる施設
5
0
いない施設
し
て
い
な
い
本
人
に
の
み
実
施
家
族
も
含
め
実
施
記
載
な
し
神経心理学的検査について
30
25
20
15
10
評価経験のある施設
5
評価経験のない施設
0
実
施
し
て
い
な
い
実
施
し
て
い
る
実施している神経心理学的検査の
具体的項目
・TMT
・かなひろいテスト
・WAIS-Ⅲ
・HDS-R
・Kohs立方体テスト
・BADS
・BIT
・WMS-R
・SLTA
・MMSE
・HDS-R
・WAIS-R
・CAT
・FAB
・RCPM
・Rey複雑図形検査
・RAVLT
・ADAS
診断書の作成について
35
30
25
20
15
10
5
評価経験のある施設
0
評価経験のない施設
作
成
し
て
い
な
い
対
象
者
か
ら
求
め
ら
れ
て
病
院
か
ら
積
極
的
に
作
成
不
明
無
回
答
運転免許センターとの連携について
35
30
25
20
15
10
評価経験のある施設
5
0
評価経験のない施設
紹
介
し
て
い
な
い
対
象
者
へ
の
情
報
提
供
免
許
セ
ン
タ
ー
へ
同
行
無
回
答
自動車教習所との連携について
35
30
25
20
15
10
評価経験のある施設
5
評価経験のない施設
0
紹
介
し
て
い
な
い
対
象
者
へ
の
情
報
提
供
教
習
所
へ
同
行
無
回
答
評価をしたセラピストがいる施設と
いない施設の違いについて
評価をしたセラピストがいない施設では対象になる
方がほとんどいない.
必要性を感じていても知識やノウハウがなかったり,
情報不足で進めることができないという問題を抱えて
いるのではないか.
評価をした経験あるスタッフがいない施設は全体的
なセラピストのスタッフ数が少なく,マンパワーが足り
ていない可能性が示唆される.
評価したセラピストがいる施設においても評
価方法の選定・評価基準・評価をどうすすめて
いくかなどの判断には迷いがあり,マニュアル
作成や統一した評価を望んでいる.
自動車教習所や運転免許センターとの連携
がわからない.
結 果
【1】
【2】
【3】
【4】
所属施設について
自動車運転再開支援に関する取り組み
現場での実情について
研究会にて取り上げてほしい事業
研究会にて取り上げてほしい事業(代表例)
教習所との連携方法・実場面での評価.
自動車運転を行うに当たり,行うべき神経心理学の
検査の基準値が示されたガイドラインがあると良い.
適性検査を義務づけられている割には診断書だけ
でOKが出ることがある.
運転支援というよりも運転をやめた方が良いと思わ
れるケースをどうするのか?
医療機関だけでなく,介護保険施設や地域で働くス
タッフのどこに行けば解決できるのか,どうすれば良
いのかという要望に対する情報が必要と感じる.
実際の事例の問題となる点や運転再開希望にどの
ように対応すれば良いか.マニュアルを作ることはで
きないか?
結果のまとめ
自動車運転再開支援(運転リハビリ)への関心・
興味・認知度は,県内でも捉え方や取り組みに違
いがみられる.
自動車運転再開支援に関するプロトコル,自動
車教習所や運転免許センターとの連携,神経心
理学的検査の基準値などを知りたい,またはマ
ニュアルを作成してほ しいという要望が強くある.
運転支援というよりも運転をあきらめた方が良い
と思われるケースについてどのように対応したら
良いのか,判断に迷うケースが多くある.
自動車運転再開評価(院内・施設内)
自動車運転再開に向けて,行うべき
評価としては院内・施設内評価,自動
車教習所での実車評価を経て,最終
的に運転免許センターでの運転適性
相談(≒臨時適性検査)となるが,医
療側で行うべき評価として・・・
運転再開評価前条件として
運動機能的に自動車運転が可能である.
病識があり危険行動がない.
日常生活動作(ADL)が自立している.
自宅周囲の屋外歩行が自立している.
日常会話レベルの意思疎通が可能である.
日常生活レベルの金銭管理,問題処理能力が
ある.
日常の行動の予定がたてられ,覚えていられる.
運転の4つの因子
認 知
予 測
判 断
操 作
自動車運転評価に有用な項目(本研究会推奨)
身体機能 ⇒ Br.stage
高次脳機能
検査名
TMT-A
TMT-B
BADS
Kohs
運転適性基準(目安)
47秒以内
133秒以内
年齢補正標準化得点99点以上
IQは80~90以上
WAIS-Ⅲ
(符号)
(記号)
評価点11点以上
評価点11点以上
* 運転適性基準については『脳卒中・脳外傷者のための自動車運転』(林ら,2013)
より引用
⇒さらなる検討が必要
運転再開までの流れ
再
開
希
望
主
治
医
協
力
病
院
自
動
車
学
校
肢体不自由などの身体
機能の評価、高次脳機
能障害などの神経心理
学検査等により
医師意見書(免許セン
ターからの書類)を作成
します。
実車運転の技能評価
を行います。
運
転
免
許
セ
ン
タ
ー
医師の意見書を参
考に実車運転
①許可
②保留
③取り消し
の判断を行います。
問い合わせ先:障害と自動車運転に関する研究会事務局
新潟リハビリテーション病院
総合リハビリテーションセンター みどり病院
桑名病院
新潟県障害者リハビリテーションセンター
TEL
TEL
TEL
TEL
運
転
再
開
025-388-2111
025-244-0080
025-273-2251
025-381-8113
研究会の今後の取り組み
研究会では,身体障害・高次脳機能障害を持つ方の身
体機能・高次脳機能の運転能力の評価,運転の継続や
再開のためのリハビリテーションプログラムの検討,関
連機関との連携など・・・
皆さんの悩みや問題を一緒に考え検討していきたいと
考えています.
自由に意見交換や情報交換を行える場として活動を進
めていきたいと思っています.
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