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採用試験(論文式:専門技術) 問題用紙 区分ア 物理・計測・分析(診断
区分ア 物理・計測・分析(診断装置を含む)・光学(光学材料を含む) 区分ア 採用試験(論文式:専門技術) 問題用紙 区分ア 物理・計測・分析(診断装置を含む)・光学 (光学材料を含む) 1 / 28 区分ア 物理・計測・分析(診断装置を含む)・光学(光学材料を含む) 【技術用語解説】 400字)。 1.示差熱分析 2.超解像顕微鏡 3.熱電効果 4.走査型電子顕微鏡 5.光ファイバジャイロスコープ 6.電気泳動方式の電子ペーパー 7.位相差フィルムにおけるAプレート、Cプレート、Oプレート 8.ペロブスカイト型結晶 9.湿式法シリカと乾式法シリカ 10.免疫組織染色 11.pH指示薬 12.隔膜電極法による溶存酸素測定 13.超音波診断におけるハーモニックイメージング 14.医用画像診断における心電同期撮影 15.MRIにおけるBOLD効果 2 / 28 区分ア 以下の技術用語のうち2題を選択し、その用語を解説せよ(各題、350字~ 区分ア 物理・計測・分析(診断装置を含む)・光学(光学材料を含む) 【専門技術論文】 大問によっては複数の小問に分かれている場合がある。その場合には、それぞ れの小問を合計して800字~1000字で解答せよ。 また、解答は、箇条書きでなく論文形式で解答せよ。 1.レーザ距離計を用いた三次元計測装置とステレオカメラを用いた三次元計 測装置それぞれによる三次元計測方法を説明した上で、三次元計測装置にお けるレーザ距離計とステレオカメラの長所と短所をそれぞれ比較して論述せ よ。 さらに、レーザ距離計とステレオカメラのいずれかのセンサを搭載した自 律走行ロボットを利用したい場合に、(1)人に対する安全性、(2)障害 物の回避能力、(3)夜間での利用の3つの要件について、いずれのセンサ が有利であるかを技術的に論ぜよ。 2.半導体材料を利用した光検出器として、pn接合を有するフォトダイオー ドと、光伝導膜上にアンテナを設けた光伝導アンテナについて、それぞれの 動作原理を説明した上で、携帯型のガンマ線測定装置を開発するにあたって、 この装置に実装するならば、いずれの光検出器を選択することが適切である か、両者を比較しつつ、その理由を示して論ぜよ。 3.グラファイトからダイヤモンドを合成する方法である①高温高圧法、②化 学気相成長法、③爆発法についてそれぞれ説明した上で、いずれの方法がカ ラーダイヤモンドを合成するのに適しているかを論ぜよ。なお、カラーダイ ヤモンドは、ダイヤモンド結晶中の炭素原子の一部が、他の原子(窒素やホ ウ素など)に置き換わった構造を有する化合物であることとする。 4.顔料インクと染料インクの特徴を比較しながら説明するとともに、①文書、 ②写真、③ポスターを印刷する際には、それぞれどちらのインクを使用する のがより適しているかについて論ぜよ。 3 / 28 区分ア 以下の設問のうち大問から1問を選んで解答せよ(800字~1000字)。 区分ア 物理・計測・分析(診断装置を含む)・光学(光学材料を含む) ポリクローナル抗体とは、抗原分子上に存在する多数の抗原決定基に対する 抗体が混在しているいわば混合物である。一方、モノクローナル抗体とは、 対象抗原の一つの抗原決定基に特異的に反応する抗体である。 ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の両者の作製方法を述べ、それ ぞれの抗体のメリット・デメリットを説明した上で、多数の医療現場で日常 的な臨床検査に使用する場合、どちらの抗体が好ましいか論ぜよ。 6.電磁波を利用した分析手法として、赤外光を利用した赤外分光法と、X線 を利用したX線回折法について、各分析手法の測定原理を説明した上で、あ る試料が経年変化によって結晶構造が変わる場合に、その結晶構造の変化の 様子をより詳しく観察するためには、どちらの手法を用いて観察するのが適 切か、両者を比較しつつ、その理由を示して論ぜよ。 4 / 28 区分ア 5.抗体には大別してポリクローナル抗体とモノクローナル抗体が存在する。 区分ア 物理・計測・分析(診断装置を含む)・光学(光学材料を含む) 方向において反射波を受信し、その反射波の振幅を輝度に変換して1次元の 画像が得られ、その送受信を行う方向を走査することにより得られる。 超音波探触子が備える超音波振動子から人体へ向けて送信された超音波は、 音響インピーダンス(z=密度ρ*音速c)の境界で反射する性質(音響イ ンピーダンスz1の媒質からz2の媒質へ入射するとき、反射率r=[z2- z1]/[z2+z1],透過率t=1-r)を有する。そのため、例えば骨 と筋肉の境界では超音波が強く反射し、ほとんど透過しない。 超音波画像においては、空間分解能が高いことが望まれるので、人体内へ 送信される超音波パルスは、パルス幅が短いほど、また、周波数が高いほど、 深度方向の距離分解能は向上する。ただし、周波数が高いほど伝播距離に対 する減衰が大きく深部のエコーが得られないから、これを勘案して、肝臓な どを撮影する腹部エコー検査では、通常、数MHzの超音波が用いられる。 以上を踏まえ、超音波診断装置が備える超音波探触子を用いて体表から心 臓を撮影するために、(1)ないし(3)いずれの装置を用いるのが好適か、 それぞれの超音波診断装置を用いた場合における利点及び欠点を挙げつつ、 論ぜよ。 (1)有効な超音波送受信が可能な帯域が3~5MHzで、開口幅5cmのリ ニア(超音波パルス送受信方向に垂直に走査)走査型超音波探触子のみが 接続された超音波診断装置。 (2)有効な超音波送受信が可能な帯域が2~5MHzで、開口幅1cmのセ クタ走査型(送受信方向を扇状に変え、深部ほど走査の間隔が広くなる) 超音波探触子のみが接続された超音波診断装置。 (3)有効な超音波送受信が可能な帯域が20-80MHzで、直径1mmの 細径(カテーテル状)超音波探触子のみが接続された超音波診断装置。 5 / 28 区分ア 7.2次元の超音波画像は、人体内のある方向へ超音波パルスを送信し、その 区分イ 建築・土木・資源・アミューズメント 採用試験(論文式:専門技術) 問題用紙 区分イ 区分イ 建築・土木・資源・アミューズメント 6 / 28 区分イ 建築・土木・資源・アミューズメント 【技術用語解説】 以下の技術用語のうち2題を選択し、その用語を解説せよ(各題、350字~ 400字)。 区分イ 1.ウォーターハンマー(建築物内で生じるものについて) 2.エキスパンションジョイント 3.鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC構造) 4.コールドジョイント 5.ゲルバー橋 6.土の締固め曲線 7.水圧破砕法(フラクチャリング) 8.地熱発電における還元 9.石炭坑内堀りにおけるメタンガス(保安上の問題点とその対策について) 10.根こぶ病とその防除対策 11.芝草のエアレーション 12.魚用飼料に用いるアスタキサンチン 13.ゲームエンジン 14.MMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)の ための仮想空間サーバ 15.携帯ゲーム機における裸眼立体視 16.遊技場における遊技球または遊技メダルの研磨・洗浄技術(遊技球また は遊技メダルの一方について解説せよ) 17.封入式(循環式)ぱちんこ遊技機(特に、遊技機内部の遊技球の流れや 遊技者が得た遊技利益の管理について) 18.ぱちんこ遊技機及び回胴式遊技機用制御基板ボックスのかしめ構造によ る封印 7 / 28 区分イ 建築・土木・資源・アミューズメント 【専門技術論文】 以下の設問のうち大問から1問を選んで解答せよ(800字~1000字)。 大問によっては複数の小問に分かれている場合がある。その場合には、それぞ れの小問を合計して800字~1000字で解答せよ。 また、解答は、箇条書きでなく論文形式で解答せよ。 ながら説明すると共に、低層建築物及び超高層建築物を設計する場合に、そ れぞれいずれの手法が望ましいか理由を示しつつ論ぜよ。 2.トンネル工法における、シールド工法とTBM(トンネルボーリングマシ ン)工法について、対比しながら説明すると共に、山岳部の岩盤にトンネル を掘削する場合において、工期をできる限り短くしたい場合に、いずれの手 法が望ましいか理由を示しつつ論ぜよ。 3.EEZの海洋資源開発の重要性が高まっているところであるが、海洋石油 ガス田開発において、海洋石油・ガス生産設備は、生産設備を搭載するプラ ットフォームの形態によって固定式と浮体式に大別される。また浮体式の中 ではFPSO(Floating Production, Storage and Offloading;浮体式生 産貯蔵積出設備)と呼ばれる構造物の利用が増えてきている。固定式プラッ トフォームとFPSOの概要について説明すると共に、両者を比較して論ぜ よ。さらに、水深 500m、陸地から 300km、大型台風の襲来が予測される水 域において海底油田開発を行う場合、いずれを採用するのが望ましいか、そ の理由を示して論ぜよ。なお確認埋蔵量は検討において考慮外とする。 4.近年、我が国の農業では、担い手の減少、高齢化に対応する新しい技術の 開発が大きな課題となっているところ、直播栽培は、苗箱による移植栽培と 比べて、育苗及び田植えの作業が不要であり、稲作の大規模化・低コスト 化・省力化のための技術として期待されている。直播栽培の播種様式には、 播種前の入水の有無によって、播種前に湛水を伴わない乾田直播と、播種前 に湛水を伴う湛水直播に大別されるが、各播種様式を比較してメリット・デ メリットを論じた上で、漏水の多い圃場で稲作する場合、いずれの播種様式 が望ましいか理由を示して論ぜよ。また、その播種様式における具体的な播 種方法について説明せよ。 8 / 28 区分イ 1.建築構造物の設計手法における「剛構造」と「柔構造」について、対比し 区分イ 建築・土木・資源・アミューズメント 5.電子ゲームで使用されるコンピュータグラフィックスは、リアルタイミン グレンダリングによるものとプリレンダリングによるものとに大別できる。 両レンダリング方式それぞれについて、定義を説明すると共に、他方のレン て、プレーヤーの操作に応じてキャラクタを動作させて相手キャラクタと格 闘させる対戦型格闘ゲームを想定し、ゲーム実技中のキャラクタ画像の生成、 及び、ゲームのイントロダクションにおけるキャラクタ紹介画像の生成のそ れぞれについて、何れのレンダリング方式を採用することが適当であるか理 由を示しつつ論ぜよ。 6.ぱちんこ遊技機の始動記憶及びその保留表示とは何か、その機能を実現す るためのハードウェア及びその制御に触れつつ概要を説明せよ。また、保留 表示においては、保留ランプ(LED)によるものと、液晶ディスプレイ等の 演出用表示画面にアイコンとして表示されるものがあるが、それぞれの概要 をハードウェア及びその制御に触れつつ説明すると共に、比較して論ぜよ。 さらに、演出の多様性という観点で、いずれが望ましいか理由を示して論ぜ よ。 9 / 28 区分イ ダリング方式と比較してのメリットを論ぜよ。また、そのメリットを踏まえ 区分ウ 機械(材料力学を含む)・制御・航空 採用試験(論文式:専門技術) 問題用紙 区分ウ 機械(材料力学を含む)・制御・航空 区分ウ 10 / 28 区分ウ 機械(材料力学を含む)・制御・航空 【技術用語解説】 以下の技術用語のうち2題を選択し、その用語を解説せよ(各題、350字~ 400字)。 1.浸炭処理 2.ラウス・フルビッツの安定判別法 3.理論空燃比 4.装着型のロボット介護機器 5.HST(静油圧式変速機) 6.ラチェット機構 7.リニアモーター式エレベーター 8.流体継手 区分ウ 9.尿素SCRシステム 10.予混合圧縮自着火 11.プラグインハイブリッド自動車 12.航空機の失速 13.アンギュラ玉軸受 11 / 28 区分ウ 機械(材料力学を含む)・制御・航空 【専門技術論文】 以下の設問のうち大問から1問を選んで解答せよ(800字~1000字)。 大問によっては複数の小問に分かれている場合がある。その場合には、それぞ れの小問を合計して800字~1000字で解答せよ。 また、解答は、箇条書きでなく論文形式で解答せよ。 1.電動機の回転運動を、クランク機構を介して、穿孔刃の往復上下直線運動 に変換し、紙束に穿孔を行う電動穿孔機がある。 この電動穿孔機の前記クランク機構について、他の機構への変更要否を検 討することになった。 前記電動機の回転運動が一方向のみへの回転運動であるとして、前記クラ ンク機構と置換可能な機構を提示し、前記クランク機構と比較して長所・短 所を説明すると共に、あなたが、電動穿孔機において重要と考える要件を挙 げ、前記長所・短所及び前記要件を考慮して、前記変更要否をその理由と共 に論ぜよ。 区分ウ 12 / 28 区分ウ 機械(材料力学を含む)・制御・航空 2.風の力を回転力に変換する風車が古くから知られている。 このような風車は、風の力を回転力に変換するにあたり、揚力を利用する もの(以下「揚力型」という。)と、抗力を利用するもの(以下「抗力型」 という。)とに分類することができる。 あなたは、風車の力を利用して揚水ポンプを駆動し、汲み上げた水を灌漑 に利用する設備を設計することになった。ただし、前記風車の力によってど のように揚水ポンプを駆動するかは決まっていない。 揚力及び抗力の観点から揚力型及び抗力型それぞれの特徴について述べた うえで、揚水ポンプを駆動する風車として揚力型及び抗力型のいずれかを選 択し、その選択理由を、風車の力を揚水ポンプの駆動力に変換する方法、及 び、風速は0m/s を含め常時変動することに触れつつ論ぜよ。 区分ウ 13 / 28 区分ウ 機械(材料力学を含む)・制御・航空 3.大気から取り込んだ空気を圧力比 11.3 で可逆断熱圧縮し、空気の質量流 量 1.00kg/s あたり熱交換器によって定圧で 1200kW 加熱し、タービンで可逆 断熱膨張後、大気に放出するような単純ガスタービンサイクルエンジンを設 計した。試作機が完成したので試運転を行ったところ、試作機の熱効率ηは 設計上の熱効率より低いことが判明した。そこで、定常運転時の圧縮機入口 温度及びタービン出口温度を測定したところ、それぞれ 300K 及び 930K であ った。このとき、空気の加熱のために消費される燃料量を測定したところ、 設計どおりであった。 前記設計された単純ガスタービンサイクルエンジンにおいて、熱効率ηに 影響を与える原因の候補を2つ挙げよ。さらに、前記試作機において、前記 熱効率ηに影響を与える原因の候補ごとに、それが原因であるか否かを判断 か否かを論ぜよ。 ただし、空気は定圧比熱が 1.00kJ/kgK、比熱比κが 1.40 の理想気体とし、 圧縮機効率及びタービン効率はともに 100%とする。 また、計算にあたり、必要であれば以下の数式等を用いよ。 14 / 28 区分ウ する方法を挙げ、この方法と前記測定結果から、それが実際の原因であるの 区分ウ 機械(材料力学を含む)・制御・航空 4.同一形状同一寸法の金属製の2種類の棒材A,Bについて、それぞれ以下 の試験を行った。 棒材Aは両端単純支持で中央に荷重Pを与える曲げ試験を行い、棒材Bは 両端固定支持で中央に荷重Pを与える曲げ試験を行った。その結果、棒材A の中央部のたわみは、棒材Bの中央部のたわみの2.0倍であった。 また、棒材Aと棒材Bについて座屈試験を行ったところ、棒材Bの座屈荷 重は、棒材Aの座屈荷重の1.1倍であった。 あなたは、小川の両岸間を一往復するために、この小川の両岸間に一本橋 を架けることになった。この一本橋は、前記棒材A,Bのいずれか一方を用 い、棒材の両端を支点上に架け渡す両端単純支持とする。 縦弾性係数Eについて説明した上で、棒材を一本橋として用いる際に考慮 すべき棒材の特性を2つ挙げ、この2つの特性に照らして、前記棒材A,B また、計算にあたり、必要であれば以下の数式を用いよ。 Pl 3 192EI , Pl 3 48EI :ひずみ, P :荷重, l :棒材の長さ, E :縦弾性係数, I :断面二次モーメ ント 5.制御には様々な種類が存在するが、代表的なものとしてフィードフォワー ド制御、フィードバック制御、シーケンス制御が知られている。 いま、フライヤーを用いて天ぷらを揚げる際の天ぷら油の温度を制御する ことを考える。フライヤーの使用環境を考慮して、油温を所定温度に制御す るにあたり、あなたが重要であると考える課題を1つ挙げよ。その上で、当 該課題を解決するために最適と考えられる制御方法を前記3つの制御又は組 合せの中から選択し、選択した制御の特徴及び最適と考えた理由を論ぜよ。 ただし、フライヤーの使用環境については任意に設定してよい。 15 / 28 区分ウ のいずれかのうち適当と思われるものを選択し、その選択理由を論ぜよ。 区分エ 化学(バイオテクノロジー、薬学、材料(素材)を含む) 採用試験(論文式:専門技術) 問題用紙 区分エ 化学(バイオテクノロジー、薬学、材料(素 材)を含む) 区分エ 16 / 28 区分エ 化学(バイオテクノロジー、薬学、材料(素材)を含む) 【技術用語解説】 以下の技術用語のうち2題を選択し、その用語を解説せよ(各題、350字~ 400字)。 1.Gタンパク質 2.三元触媒 3.エンドトキシン 4.標準電極電位 5.マイクロカプセル製造におけるコアセルべーション法 6.溶融亜鉛めっき 7.Grignard 試薬 8.リビング重合 9.フィルタープレス 10.スピノーダル分解 11.遺伝子多型(DNA多型) 12.電磁鋼板 13.板ガラスの成形におけるフロート法及びオーバーフロー法 区分エ 14.分子標的治療薬 15.アルドール縮合 17 / 28 区分エ 化学(バイオテクノロジー、薬学、材料(素材)を含む) 【専門技術論文】 以下の設問のうち大問から1問を選んで解答せよ(800字~1000字)。 大問によっては複数の小問に分かれている場合がある。その場合には、それぞ れの小問を合計して800字~1000字で解答せよ。 また、解答は、箇条書きでなく論文形式で解答せよ。 1.リチウムイオン二次電池においては電解質として有機溶媒にリチウム塩を 溶解した有機電解液が用いられているが、有機溶媒が可燃性であることから 安全性の確保が課題となっている。この課題を解決するための手段として、 液状の電解質を用いないリチウムイオン二次電池が開発されている。 上記の液状の電解質を用いないリチウムイオン二次電池の電解質として代 表的なものに、①有機電解液をゲル化したゲル状電解質と②無機固体電解質 があるが、①及び②それぞれの電解質の利点・欠点及び代表的な例を説明せ よ。 さらに、リチウムイオン二次電池が搭載されている装置或いは当該装置の 周辺の機器の事故・故障などにより、リチウムイオン二次電池が通常使用さ れる環境よりも非常に高い温度に曝される可能性がある場合、安全性の観点 から電解質として①と②のどちらの電解質を用いることが望ましいか、その 区分エ 理由を示して論ぜよ。 2.薬剤A及び薬剤Bはそれぞれ次の作用を示す。 薬剤A:静脈投与、経口投与のいずれでもモルヒネの薬理作用(鎮痛・ 鎮静作用)と拮抗する。 薬剤B:静脈投与では薬剤Aと同様の作用を示すが、経口投与では下剤 として作用する。 薬剤Aのように静脈投与でも経口投与でもその薬理作用が変わらないもの は、状況に応じて投与形態が選択されるが、一般的な静脈投与製剤及び経口 投与製剤それぞれの利点・欠点について説明し、それらをふまえて、患者が 自分で物を飲み込める状態であっても、薬剤Aを静脈投与すべき場合を挙げ て説明せよ。 また、薬剤Aとは異なり、薬剤Bが、静脈投与の場合と経口投与の場合で 異なる薬理作用を示す理由について、薬物の体内動態の観点から考察すると ともに、薬剤Bの使用が好適な症例を挙げ、その理由について論ぜよ。 18 / 28 区分エ 化学(バイオテクノロジー、薬学、材料(素材)を含む) 3.アルミノ珪酸塩ゼオライト及びメソポーラスシリカは、触媒・触媒担体と して用いられることが知られている。それぞれの、触媒・触媒担体に関連す る構造及び特性について、対比して説明せよ。 その上で、2×トルエン→ベンゼン+キシレンという反応において、p- キシレンのみを選択的に得るために、触媒として又は触媒となる金属等を結 合させる触媒担体として、孔径約0.5~0.55nmの細孔を持つアルミ ノ珪酸塩ゼオライトと孔径約2~10nmの細孔を有するメソポーラスシリ カのどちらを用いるのが好ましいか、反応の選択性の観点から論ぜよ。 4.鉱石から目的の金属を抽出することを製錬(smelting)といい、一般的に 鉱石の種類や目的の金属に応じて乾式製錬法と湿式製錬法とが使い分けられ ている。 銅の製錬においては、これら2つのいずれの方法も用いられており、乾式 製錬法は、銅鉱石を溶鉱炉(自溶炉)、転炉等による処理により粗銅を得た 炉・転炉による処理を経ずに、酸等の水溶液で浸出し、溶媒抽出・イオン交 換等による処理の後、電解採取により銅を回収する方法である。それぞれの 方法の利点・欠点について対比して説明せよ。 その上で、銅製錬において、乾式製錬法に湿式製錬法を組み合わせて、乾 式製錬法のみで行うよりも有利な方法とするには、乾式製錬法と湿式製錬法 とをどのように組み合わせることが考えられるか、具体例を示し、その理由 とともに論ぜよ。 19 / 28 区分エ 後、電解精製により銅を回収する方法であり、湿式製錬法は、銅鉱石を溶鉱 区分エ 化学(バイオテクノロジー、薬学、材料(素材)を含む) 5.Z酵素欠損症は、Z酵素が欠損することによって、血液中でリンパ球の増 殖が阻害される先天性免疫不全症であり、Z酵素遺伝子の変異が原因で発症 する。Z酵素欠損症を治療する方法の選択肢の一つとして、モロニー-マウ ス白血病ウイルス(moloney murine leukemia virus、MLV)由来のウイ ルスベクターを用いた遺伝子治療がある。 なお、ここでいう遺伝子治療は、疾病の治療を目的として遺伝子を導入し た細胞を人の体内に投与することを指す。また、MLVは(+)一本鎖RNA をゲノムとするレトロウイルスであり、糖タンパク質を含むエンベロープ (脂質二重膜)によって殻タンパク質(カプシド)が覆われ、殻タンパク質 がゲノムRNAを包み込む構造を有する。ゲノムRNAの構造には、パッケ ージングシグナルをコードする領域、殻タンパク質をコードする領域(gag 領域)、逆転写酵素やインテグラーゼをコードする領域(pol 領域)、糖タ ンパク質をコードする領域(env 領域)が含まれる。 は、①MLVゲノムにZ酵素遺伝子が搭載されており、かつ、②MLVベク ターが標的細胞に感染した後で感染性MLVが複製されない、という2つの 条件が満たされる必要があると考えられる。これらの条件①及び②を満たす MLVベクターの作製法について、MLVの構造を踏まえて説明せよ。 さらに、上記条件①及び②を満たすMLVベクターをZ酵素欠損症の「遺 伝子治療用ベクター」として使用する場合の利点と欠点について、MLVベ クターの標的細胞として治療上有効と考えられる細胞に言及しつつ、プラス ミドベクターと比較して論ぜよ。 20 / 28 区分エ MLVをZ酵素欠損症の「遺伝子治療用ベクター」として使用するために 区分エ 化学(バイオテクノロジー、薬学、材料(素材)を含む) 6.純水、超純水は、不純物をほとんど含まない純度の高い水であり、半導体 製造産業、製薬工業等の工業分野の他、様々な研究において利用されている。 純水や超純水の製造は、複数の単位操作を組み合わせて行うことが一般的で ある。水道水から超純水を製造する場合、凝集、濾過、活性炭処理等の単位 操作を複数組み合わせて前処理を行った水を、一次純水製造工程で、逆浸透、 脱気、イオン交換、蒸留等の単位操作を複数組み合わせて一次純水を製造し、 さらに、一次純水から、超純水製造工程で複数の単位操作を行い、超純水を 製造している。 そして、超純水製造工程の単位操作として、(a)限外濾過、(b)イオン交換、 (c)紫外線照射を行うものがある。(a)、(b)、(c)について、それぞれの概要 及び超純水製造における作用・機能を説明せよ。 その上で、超純水製造工程において(a)、(b)、(c)の3つの単位操作をど のような順で並べるとよいか((a)、(b)、(c)の3つの単位処理操作をそれ ぞれ 1 回のみ行うこととする。)、その理由とともに論ぜよ。 7.単量体から高分子微粒子をラジカル重合により製造する方法として、懸濁 を含めて、対比して説明せよ。 重合トナー粒子は、ラジカル重合により製造されているものが多く、 (1)高解像度を実現するために、小粒子径であること、(2)粒子径のば らつきが少ないシャープな粒度分布をもつこと、(3)粒子の形状が均一で あること、(4)粒子の表面と内部の機能分離構造が可能であること、とい う性能が求められているものがある。 これらの(1)~(4)の性能をすべて満足する重合トナー粒子を製造す るためには、懸濁重合法と乳化重合法のどちらの方法を採用した方が好まし いか、その理由とともに、論ぜよ。 21 / 28 区分エ 重合と乳化重合があるが、それぞれの概要について、得られる微粒子の特徴 区分エ 化学(バイオテクノロジー、薬学、材料(素材)を含む) 8.飽和炭素原子における求核置換反応の主要な二つの反応機構として、反応 速度が基質の濃度のみに依存しカルボカチオン中間体を経由するSN1反応 と、反応速度が基質と求核剤の両者の濃度に依存するSN2反応がある。 SN1反応とSN2反応のそれぞれについて、生成物の立体配置に寄与す る反応機構の特徴、及び、反応の起こりやすさに影響を及ぼす因子(基質の 置換基、求核剤、溶媒)の点から説明せよ。 さらに、(S)-2-クロロブタンを基質とし、求核置換反応により2- メトキシブタンを製造する場合に、(R)-2-メトキシブタンのみを生成 物とするためには、SN1反応とSN2反応のいずれが起こるようにすべき かを選択し、選択した反応が優先的に起こるためには、どのような求核剤及 び溶媒を用いるべきか、理由を示して論ぜよ。 区分エ 22 / 28 採用試験(論文式:専門技術) 問題用紙 区分オ 電気・電子(半導体を含む)・情報・通信 区分オ 23 / 28 【技術用語解説】 以下の技術用語のうち2題を選択し、その用語を解説せよ(各題、350字~ 400字)。 1. データマイニング 2. メモリインターリーブ 3. ハッシュ関数 4. オープンフロー 5. HARQ 6. LTE-Advanced 7. 8Kテレビジョン放送 8. ハイレゾリューションオーディオ 9. HDR(High Dynamic Range)撮影 10. ムーアの法則 11. 半導体メモリのソフトエラー 12. ホール効果 区分オ 24 / 28 【専門技術論文】 以下の設問のうち大問から1問を選んで解答せよ(800字~1000字)。 大問によっては複数の小問に分かれている場合がある。その場合には、それぞ れの小問を合計して800字~1000字で解答せよ。 また、解答は、箇条書きでなく論文形式で解答せよ。 1.我々の生活の身の回りには種々の電気製品にあふれている。身の回りの電 気製品としては、例えば、スマートフォン、自動車、信号機、炊飯器などが 挙げられるが、これらのほとんどの電気製品には、組み込みシステムが導入 されていると言っても過言ではない。組み込みシステムは、パーソナルコン ピュータやワークステーションなどに用いられる汎用システムと対比される システムである。そこで、組み込みシステムと汎用システムについて、両者 の技術的な相違を説明した上で、それぞれの技術的な長所と短所を比較して 論ぜよ。 次に、これらの説明を基にして、自動体外式除細動器(AED, Automated External Defibrillator)のシステム構築を行うにあたって、自動体外式除 細動器に求められる技術的要件を述べた上で、どちらのシステムを採用すべ きか論ぜよ。 2.コンピュータのユーザインタフェースとして、タッチインタフェースとタ ッチレスインタフェースが知られており、それぞれ、種々の方式が実現され ている。まず、これらのうち、投影型静電容量方式タッチパネルを用いたタ 作者の動作を識別するタッチレスインタフェース(B方式)について、それ ぞれ動作原理を説明せよ。 次に、一般的な住宅のリビングにテレビを設置し、キッチンに設けられた インタフェースを調理中に操作することで、このテレビのチャンネル及び音 量の制御を行うことを考える。このインタフェースとして、A方式、B方式 のどちらかを採用してシステム構築をする場合に、インタフェースに求めら れる要件を説明した上で、各方式の長所・短所を対比して、どちらの方式が 好ましいか論ぜよ。 25 / 28 区分オ ッチインタフェース(A方式)と、カメラ撮影で得られた距離画像により操 3.IP(Internet Protocol)ネットワークにおける QoS(Quality of Service)保証通信サービスを制御する手法として、通信フロー単位で帯域 などのネットワーク資源を確保する IntServ(Integrated Services)方式 と、複数の通信フローをまとめたクラス単位でデータ転送の優先制御を行う DiffServ(Differentiated Services)方式がある。まず、両方式の長所と 短所をそれぞれ比較して論ぜよ。 次に、複数のアクセスネットワークと各アクセスネットワーク間を接続す るバックボーンネットワークとから構成される大規模 IP ネットワークにお いて、QoS 保証通信サービスを提供する場合について考える。このような大 規模 IP ネットワークにおいては、IntServ と DiffServ を組み合わせて運用 することがあるが、大規模 IP ネットワークにおける QoS 保証通信サービス を実現する手法として、どのように IntServ と DiffServ を組み合わせると 効果的であるか論ぜよ。 4.無線アドホックネットワークにおけるルーティングプロトコルには、あら かじめルーティングテーブルを作成しておくプロアクティブ型プロトコルと、 通信要求が生じたときにルーティングテーブルを作成するリアクティブ型プ ロトコルがある。まず、両プロトコルの長所と短所をそれぞれ比較して論ぜ よ。 して移動させ、その地域の環境情報を計測するとともに、各端末が自律的に 無線アドホックネットワークを形成することで、環境情報を解析センターに 向けて小型携帯無線端末間で中継転送するシステムを構築する場合について 考える。このようなシステムを構築するにあたり、ルーティングに求められ る要件を述べた上で、ルーティングプロトコルとして、プロアクティブ型と リアクティブ型のうち、どちらを採用すべきか論ぜよ。 26 / 28 区分オ 次に、環境センサを搭載した複数の小型携帯無線端末をある地域内に分散 5.ディジタルカメラなどに用いられるCMOSイメージセンサとして、従来 から使われていたCMOSセンサと近年使われるようになった裏面照射型C MOSセンサとがある。それぞれのイメージセンサの構造を説明した上で、 各イメージセンサの長所と短所を比較して論ぜよ。 さらに、同チップサイズかつ同画素数の場合に、高感度と高速な信号処理 の観点から、いずれのイメージセンサが優れているかを技術的に論ぜよ。 6.立体動画(三次元(3D)映像)を表示・鑑賞するための方式として、両 眼それぞれで見える映像の視差情報を利用した方式が実用化されている。こ れには、大きく分けて、特殊な眼鏡を用いる方式と裸眼で鑑賞する方式とが 知られている。それぞれの方式もさらに幾つかの方式に細分化されるが、ま ず、特殊な眼鏡を用いる方式と裸眼で鑑賞する方式それぞれの代表的な方式 を一つ以上選び、その原理を技術的に説明した上で、それぞれの方式の長所 と短所を比較して論ぜよ。 さらに、カンファレンスルームのような数百人規模の会場で同一の立体動画を 一斉に鑑賞する場合、先に選択し論述した方式のうち、何れの方式が優れている か、技術的観点から論ぜよ。 ィブイオンエッチング(Reactive Ion Etching : RIE)が知られている。ま た、磁気ヘッド等の磁気抵抗効果素子に対するエッチング技術としてアルゴ ンを用いたイオンミリング(Ion Milling: IM)が知られている。これら二 つのエッチング手法について、それぞれのエッチングメカニズムを説明しつ つ両手法の特質を微細化、高集積化、スループットそれぞれの観点で比較し て論ぜよ。 さらに、新規材料(ア)の基板表面を微細加工するに当たり、この二つの エッチング装置のみが利用可能である場合、どのような検討を行ってどのよ うにエッチング手法を決めるべきか論ぜよ。 27 / 28 区分オ 7.半導体シリコンのエッチング技術として、反応性ガスを利用したリアクテ 8.いわゆる抵抗変化型ランダムアクセスメモリ(Resistance Random Access Memory: ReRAM)は、記憶素子に対して所定電圧を加えることで抵抗値を変 化させ、抵抗値に応じて情報を記憶する。記憶素子に用いる抵抗変化材料は 種々研究されているが、そのうち遷移金属酸化物を用いた記憶素子について 一般的に考えられている抵抗変化動作のモデルを一つ説明せよ。 また、遷移金属酸化物を用いた ReRAM の一般的なメモリ性能を、DRAM、 SRAM、NAND フラッシュメモリと比較した上で、ReRAM の特徴を最も有効に生 かすことができると考えられる製品市場を一つ挙げ、その理由を明らかにす ると共に、その製品市場で ReRAM の付加価値をさらに高めるためにはどのよ うな技術開発が必要か論ぜよ。 区分オ 28 / 28