...

第14回「憲法 国家主権と国際関係」

by user

on
Category: Documents
16

views

Report

Comments

Transcript

第14回「憲法 国家主権と国際関係」
2008 年度
立命館大学
第14回「憲法
法学部「法学入門」JC講義
国家主権と国際関係」
2008.07.11.
佐藤
はじめに
1)前回のまとめ:憲法(個人と集団)基本的人権
質問:国家公務員のプライバシー←特別職の問題、「公人」概念
最高裁←田中議員の長女側は最高裁に特別抗告をしなかったので高裁判決が確定
「内在的制約」と「公共の福祉」←内在的制約とは、権利・自由相互の衝突を公平
に調整するためのもの(たとえば、表現の自由があるといっても、他人の権利
を侵害するような表現、たとえば誹謗中傷や脅迫、は許されない)で全ての人
権について存在する、「公共の福祉」は、集団的目標の達成の観点(たとえば、
社会権の実現のために財産権が制限される)から例外的に制限するもの
2)本日の予定 :憲法 国民主権→権力分立→基本的人権→個人と集団→国際関係
個人と集団 *教科書「第3章 個人・社会・権力」「第 3 節 個人と集団」
3)試験:7月25日11時から(10時30分過ぎには教室に入ること、試験の説明がある)
持込許可物件は、許可六法のみ
*設問:西サハラに自決権が認められるか
1.事例から([資料]西サハラ事件)
1)事実の概要
2)国際司法裁判所の勧告的意見
2.国際法
cf.国際公法、国際私法
1)実定国際法の歴史
1.国家主権(当初は君主主権)の確立と共に発展
2.16~17 世紀:グロティウス(「国際法の父」
)→ウェストファリア条約
3.19 世紀:国際法の発展
4.20 世紀:国際機関の成立(国際連盟→国際連合)
2)法源・国内法との関係
1.法源:条約 →2国間あるいは数カ国間から多数の国
→法的拘束力を有するのは、署名、批准、加入による国のみ
慣習法→国家の慣習を基礎として国際社会全体に法として受け入れられたもの
法の一般原則→「文明国が認めた法の一般原則」国際司法裁判所規程 38 条(c)
e.g.信義誠実の原則、衡平原則、既判力、禁反言の原則
2.国内法との関係:別個の法体系→国内法との関係は各国の憲法体系による
3)国際機構法
1.国際機構:「国連システム」
国際連合+専門機関(e.g.ILO,UNESCO,IMF,WHO)、国際司法裁判所
2.内部法:多数決制
3.外部法:一定の範囲で国際法主体性
4)紛争処理法
1.紛争の平和的解決義務(国連憲章2条3項)
→直接交渉
第三者による介入(裁判、仲介、事実審査と調停、安保理事会と総会による紛争解決)
1
2.集団的安全保障制度
国連軍は負存在、加盟国の軍隊に軍事的措置をとることを国連が許可・授権
平和維持軍(PKO):軍事監視団、平和維持軍
→「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」(1992 年)
3.戦時国際法(武力紛争法、国際人道法)
ハーグ法、ジュネーブ法
5)国際人権法
1.「共生」
1.第二次世界大戦前:国内問題不干渉義務(国際連盟規約 15 条 8 項)
2.第二次世界大戦後:国際的な人権保障(国連憲章 1 条 3 項目)
2.世界人権宣言(1948 年国連総会)
3.国際人権規約(1966 年採択→1976 年発効)←世界人権宣言の条約化
1.種類:A規約(社会権的規約)、B規約(自由権的規約)、選択議定書、死刑廃止条約
日本は、A規約・B規約に加入、二つの選択議定書には未加入
2.締約国による実施
日本は、規定内容が明確かつ具体的なものは国内に直接適用できる
3.国際的実施措置
国家報告制度、国家通報制度、個人通報制度
個人通報制度でも、「自由権規約人権委員会」は法的拘束力のない「見解」を述べる
ことができるのみで、拘束力ある決定を下す機関はない
4.地域的保障
1.種類:欧州人権条約、米州人権条約、アフリカ人権憲章、など
2.人権裁判所による判決によって法的拘束力
3.西サハラと自決権
1)経過
1.1866 年:スペイン保護領 → 1975 年:領有権放棄
2.モロッコ・モーリタニアによる分割統治の秘密協定 → ホリサリオ戦線が独立宣言
3.1979 年:モーリタニアが領有権放棄 → モロッコが併合
4.1988 年:モロッコが住民投票受け入れ → 1991 年:停戦 → 投票は延期中
2)実効支配
無主地→平和的に実行支配、であれば領有権を有する
Sovereignty over Pedra Branca/Pulau Batu Puteh, Middle Rocks and South Ledge (Malaysia/Singapore)
国際司法裁判所・非公式報道資料 2008年第10号 2008/05/23
3)諸見解
モロッコ王国:サハラウィーとの間の忠誠関係があり、ICJ も承認した
サハラ・アラブ民主共和国:ICJ の認めたのは一部のみであり、むしろ自決権を認めている
[参考]
Carlos Gonzalez “Children of the Clouds” (http://jp.youtube.com/)
西サハラ問題研究室ホームページ(http://www.geocities.jp/viva_saharawi_tt/index.html)
[自己点検用紙の記入]
1)自己点検(記述は必須)
2)自由記述(記述は任意)
a)講義の論点、b)論点についての法、c)諸見解
a)講義に関する質問、b)その他
[課題提出者数](受講登録:295)
4/18 4/25 5/02 5/09 5/16 5/23 5/30 6/06 6/13 6/20 6/27 7/04 7/11
合計
284 287
284 284 291 287 281 280
281 285 273
274
2
7/18
Fly UP