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スライドデータ人権の意味・人権の分類
人権の意味・人権の分類 「基本的人権」 「憲法が保障する権利及び自由」 「人権」という発想 ー属性をカッコに入れるー 子ど も 使用 者 男 人 労働 者 孫 女 親 人権の定義-諸学説(覚えなくてよい) 人が人であること(のみ)によって 当然に持つ権利(宮澤俊義) 人格的自律を人が確保するために認 められる権利の総称(佐藤幸治) 理性の必然 (Vernunftnotwendigkeit)に認めら れる権利(田上穣治) なぜ様々な定義があるのか? 憲法11条、12条、97条 基本的人権、自由、権利をどのように規定し ているか?条文をよく読んでみよう。 規定の仕方 「人類」と「国民」 「基本的人権」と「自由及び権利」 97条「信託」とは? 人権の定義(テキスト3章1節) 国会のつくる法律の力をもってしても 侵すことのできない強力な権利で、憲法 によって保障されたもの。したがって、 「法律の範囲内で」保障される、という ような考え方は成り立たない。 人権とは、「人間の尊厳」に基づいて 認められる、各人の生活上の基本的な利 益や要求であって、憲法の保障を受ける ものである。 歴史的展開 貴族の国王に対する 権利 市民の国王に対する 権利 すべての人の国家に 対する権利 自由権 政治的 諸権利 社会権 理念型による分類 •背景的権利 /理念的権利 具体的権利 抽象的権利 憲法「以前」か憲法「による」か これだけが 「人権」 「基本的人権」 と呼称されるに ふさわしいとする 「切り札」としての 「権利」 (Dworkin) •自然権/理性の 必然に認められる 権利 憲法が保障す る自由 総称として「基本的人権」 または「人権」が用いられる 憲法が保障す る権利 人権の分類(紹介・覚えなくてよい) イエリネック:「公権」による国家と個 人の関係性で分類 → 宮澤俊義 ホーフェルド(W.N.Hofeld) ロス(A. Ross),アレクシー(R.Alexy), ケルゼン(H.Kelsen) 私法的請求権論中心の整理 義務論的整理 新正幸 (論理学的見地の強調)[論理記号による整 理(ただし疑問有り)] 人権の分類(代表的なもの) ①包括的基本権(憲 法13条) ②法の下の平等(憲 法14条) ③自由権 (c)経済活動の自由(憲法 22条、29条) (d)人身の自由(憲法18条、 31条、33条~39条*) ④参政権(憲法15条) ⑤国務請求権(受益権) (憲法16条、17条、32条、 (a)内面的精神活動の 40条) 自由(憲法19条、20条、 ⑥社会権(憲法25条~28 23条) 条) (b)外面的精神活動の *コモン・ロー的権利とす 自由(憲法21条、20条、 る説もある 23条) 種々の改憲論と人権 義務の強調 環境権や知る権利などへの言及 「公共の福祉」を公共の秩序などに言い 換える ⇒憲法の性質・人権の意義を誤解してい るものが多い 人格権論と個人の尊厳 憲法第13条「すべて国民は、個人と して尊重される。生命、自由及び幸 福追求に対する国民の権利について は、公共の福祉に反しない限り、立 法その他の国政の上で、最大の尊重 を必要とする。」 大前提:全体主義の否定 「個人の尊重」の法的な意味 社会生活における公的判断の中から専断 性を除去するため、公的判断形成の方法 を指導する広義の手続ルールを示したも の =正しい手続を踏むことが社会構成員に 対する正しい判断を導くための大前提で ある そこから以下のルールが派生する α. 推定事実による判断形成の排除 β. 公的判断形成手続の適正化 設例(テキスト第3章冒頭) X氏は英会話学校の講師として来日 イラク戦争に反対するデモに参加 デモの先頭に立って行動するなど、活発 な活動 その後、給料面で折り合いがつかず、別 の英会話学校に移った。 英会話学校を移る前には、在留期間の更 新は2回問題なく許可 その後在留期間の更新を申請した際に、 英会話学校を移ったこと、デモ行進への 積極的な参加などを指摘した上で、更新 を拒否された。 X氏は、在留期間の更新についての責任 者である法務大臣(Y)を相手取り、訴 訟を提起 第1審および第2審では勝訴 最高裁判所で敗訴 理由 ①人権は、その性質の許す限り外国人に も適用される。 ② しかし在留期間中の活動を考慮して、 滞在を拒否する法務大臣の権限を否定す るほどの強い保障はない 最高裁判所の述べた理由は、 人権の定義づけと矛盾していないか 注目すべき点は、 ① 「人権」は国籍のあるなしで保障さ れたりされなかったりするのか ② 人権の「性質」はいったいどうやっ て判断されるのか ③ X氏の、どのような「人権」が問題に なっているのか である 図 外国人入国者数・日本人出国者数の推移 (出典: http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/press_090108-1.html )