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自然環境調査報告書(PDF形式:5130KB)

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自然環境調査報告書(PDF形式:5130KB)
前 橋 市 自 然 環 境 調 査
(哺乳類・は虫類・両生類)
報
告
書(案)
平成 28 年 3 月
前
橋
市
目次
1. 調査の目的 ................................................................................................................................................................... 1
2. 調査の基本方針 ......................................................................................................................................................... 2
2.1 調査対象 ................................................................................................................................................................ 2
2.2 調査内容 ................................................................................................................................................................ 2
1)現地調査 .............................................................................................................................................................. 2
2)市民調査(自然観察会) ...............................................................................................................................11
3.調査結果 ......................................................................................................................................................................12
3.1 現地調査 ..............................................................................................................................................................12
1)調査実施日 .......................................................................................................................................................12
2)調査結果 ............................................................................................................................................................13
3.2 市民調査(自然観察会).................................................................................................................................35
1)概要 ......................................................................................................................................................................35
2)結果 ......................................................................................................................................................................36
4.過去の調査結果との比較 ....................................................................................................................................37
4.1 調査の実施状況 .................................................................................................................................................37
4.2 過年度調査との比較.........................................................................................................................................39
1)種数による比較 ...............................................................................................................................................39
2)重要種の確認状況 .........................................................................................................................................45
3)外来種の確認状況 .........................................................................................................................................47
5.調査結果の概要(まとめ) .....................................................................................................................................53
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
1. 調査の目的
前橋市では、平成 12 年 3 月に「前橋市環境基本計画」を策定した。その後、社会情勢の
変化や旧大胡町・旧宮城村・旧粕川村との合併(平成 16 年 12 月 5 日)を受けて、平成 18
年 3 月に「改訂 前橋市環境基本計画」を策定した。さらには旧富士見村との合併(平成
21 年 5 月 5 日)を受け、前橋市として環境保全施策を総合的かつ計画的に推進している。
本計画では、環境像の一つとして「生態系の保護」が掲げられ、その環境目標として「生
物種の保全」
、さらに施策例として「生態系保全のための自然環境調査」が位置づけられて
いる。この一環として、これまでに前橋市が実施した調査は表 1-1 にその経緯を示した通り
であり、このうち、哺乳類・は虫類・両生類調査は平成 9 年度・10 年度の自然環境基礎調
査(旧市域)
、平成 17 年度の自然環境調査、平成 17 年度の自然環境基礎調査(大胡・宮城・
粕川地区)
、平成 22 年度の自然環境調査および平成 22 年度の自然環境基礎調査(富士見地
区)において実施されている。
本調査は、前橋市の自然環境の現況を調査・把握し、良好な自然環境の保全および残さ
れた自然の保全等の基礎的データを収集し、基礎調査以降のこれまでに実施された調査と
の比較を行うことによって、
「改訂 前橋市環境基本計画」に示す環境像『多様な生態系が
維持され、市民に潤いと安らぎを与える自然環境が守られ、はぐくまれるまち』
、および『市
民、事業者が主体的に環境保全活動に参加するまち』の形成を推進することを目的として
いる。
表 1-1 自然環境調査の実施年表
調査分野
年度
平成9・10
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
平成16
調査名
自然環境基礎調査
哺
乳
類
・
は
虫
類
・
両
生
類
植
物
鳥
類
魚
類
・
水
生
生
物
●
●
● ●
調査範囲
昆
虫
類
清
里
・
総
社
元
総
社
・
東
南
橘
芳
賀
●
○
○
○
○
本
庁
上
川
淵
・
下
川
淵
桂
萱
・
永
明
・
城
南
○
○
○
大
胡
宮
城
粕
川
富
士
見
関連する環境施策等
環境基本計画の策定(平成12年3月)
自然環境調査(植物)
●
○ ○ ○ ○ ○
自然環境調査(鳥類)
●
○ ○ ○ ○ ○
自然環境調査(魚類・水生生物)
●
○ ○ ○ ○ ○
自然環境基礎調査(大胡・宮城・粕川)
● ● ● ● ●
平成17
自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)
●
○ ○ ○ ○ ○
平成18
自然環境調査(昆虫類)
● ○ ○ ○ ○ ○
平成19
自然環境調査(植物)
●
○ ○ ○ ○ ○
平成20
自然環境調査(鳥類)
●
○ ○ ○ ○ ○
平成21
自然環境調査(魚類・水生生物)
●
○ ○ ○ ○ ○
自然環境基礎調査(富士見)
● ● ● ● ●
平成22
自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)
●
○ ○ ○ ○ ○
平成23
自然環境調査(昆虫類)
● ○ ○ ○ ○ ○
平成24
自然環境調査(魚類・水生生物)
●
○ ○ ○ ○ ○
平成25
自然環境調査(植物)
●
○ ○ ○ ○ ○
平成26
自然環境調査(鳥類)
●
○ ○ ○ ○ ○
平成27
自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)
●
○ ○ ○ ○ ○
注1)平成16年度及び平成21年度に実施した「魚類・水生生物調査」は、「魚類・底生動物調査」と同義である。
注2)旧大胡町、旧宮城村、旧粕川村は、平成16年12月5日に前橋市と合併した。
注3)旧富士見村は、平成21年5月5日に前橋市と合併した。
1
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前橋市環境都市宣言(平成16年7月)
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環境基本計画の改訂(平成18年3月)
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前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
2. 調査の基本方針
2.1 調査対象
調査対象は、哺乳類、は虫類、両生類とした。
2.2 調査内容
専門技術者による調査(以下、
「現地調査」とする。)と、市民参加型の調査(以下、「市
民調査」とする。
)を実施した。
1)現地調査
①調査地点
図 2.2-1に示す 16 地点で現地調査を実施した。全調査地点と本年度に実施した調査地点
の一覧を表 2.2-2 に示した。また、本年度に実施した各調査地点の環境写真と環境概要を表
2.2-3 に示した。
②調査時期
調査時期は、哺乳類については夏季と秋季、は虫類・両生類については初夏季と夏季に
実施し、調査回数は各季 1 回とした。項目ごとの調査時期を表 2.2-1 に示した。
表 2.2-1 現地調査の時季と調査時期
対象
哺乳類
は虫類・両生類
時季
調査時期
夏季
6 月上旬~6 月下旬
秋季
9 月中旬~10 月中旬
初夏季
5 月下旬~6 月中旬
夏季
7 月中旬~8 月中旬
2
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 2.2-2 調査地点の概要
地区
地点
番号
地域区分
主な集水域
主な環境要素
地点付近の主な施設
1
田園(畑)
八幡川
畑・水田
天明寺・八幡宮神・清里小
2
市街地
天狗岩用水、八幡
川
宅地・畑
二子山古墳群・光厳寺・上越線
3
市街地・一部
染谷川
田園
市街地・畑
総社神社・工場・国道17号
4
田園・市街
滝川
田・畑・宅地
東小・箱田中・飯玉神社
5
山里
広瀬川、大正用水
橘山・蛍の郷・塩原古墳・政淳寺
6
田園・市街
桃ノ木川、赤城白川 田・畑・宅地
龍厳寺・細井小
7
山麓・山里
大堤沼
山林・畑
嶺公園・国道353号
8
山里
藤沢川
畑・宅地
大峯神社・芳賀小・住宅団地
本庁
9
中心市街地
広瀬川、馬場川
上川淵・下川淵
10
田園(田)
端気川
田
JAビル・下川淵小・北関東道
11
山里~田園
寺沢川
田
上毛電鉄・心臓血管センター
12
山里~田園
荒砥川
田
工場・上武国道
13
山里
五料沼、乾谷沼
丘・畑・田
大室公園
14
田園
桃ノ木川
田・畑
両毛線・笂井小
上川淵・下川淵
15
市街地
広瀬川、韮川
宅地
八幡山古墳・広瀬団地
利根川-
敷島公園付近
16
利根川上流
利根川
敷島公園
利根川-
下川団地付近
17
利根川下流
利根川
下川団地・北関東道
18
山麓・山里
寺沢沼、寺沢川
水田・畑地・森
ぐりーんふらわー牧場
林
19
里地
荒砥川、千貫沼
住宅地
20
山岳
無し(河川を含まな
い地点)
荒山山頂付近
21
山腹
大穴川
林道大穴線・スギ植林・アカマツ林
22
山麓・山里
荒砥川
耕作地
ぐんまフラワーパーク
宮城・粕川
23
山岳
荒砥川、粕川
森林
赤城温泉・忠治温泉・滝沢温泉
粕川
24
里地
粕川
畑地・果樹園・
粕川駅・粕川小・粕川支所
水田
25
山頂付近
大沼
湖沼
大沼・赤城少年自然の家
26
山麓
赤城白川
森林
県立赤城ふれあいの森
27
山麓
細ヶ沢川
森林
ザゼンソウ群生地(沼の窪市有林)
清里・総社
元総社・東
南橘
芳賀
県庁・市役所・前橋駅・中央前橋駅
桂萱・永明・城南
大胡
宮城
富士見
大胡駅・大胡幼稚園・大胡支所
*網掛けの16地点が本業務の調査地点
3
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
図 2.2-1 調査地点位置図
4
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 2.2-3(1) 調査地点の環境概要
地点№/地区/地域区分
環境写真
環境概要
地点№: 1
八幡川沿いに広がる農耕地で、畑地が多い
が水田も存在する。
河川沿いには主にオニグルミ、エノキ、アカメ
ガシワなどからなる河畔林が続いており、クズ
が密生している箇所が多くみられる。
水際はコンクリート護岸がほとんどで自然護
岸は少ない。周辺には民家が散在し、スギの
社寺林や牛舎も存在する。
地区: 清里・総社
地域区分:田園(畑)
地点№: 3
郊外の住宅地であるが、染谷川沿いには小
規模な耕作地や荒地が散在している。
染谷川はほぼ全域が急傾斜のコンクリート
護岸で、一部にハリエンジュなどの河畔林が
みられるほかはクズやイネ科草本に覆われる
部分が多い。
地区: 元総社・東
地域区分: 市街地・一部田園
地点№: 5
調査地区西部の橘山に丘陵地の尾根、東
部に丘陵地の谷戸がみられ、典型的な里地・
里山環境であると言える。
橘山にはアカマツ林のほか、コナラなどの広
葉樹林が分布し、山麓の台地には苗圃や畑
地が広がっている。
東部の谷戸は水田地帯となっておりコイの
養殖地である中子沼と数本の水路がある。水
田に混ざってハス田や休耕田が存在し、ホタ
ルの飼育観察施設も設けられている。
地区: 南橘
地域区分: 山里
地点№: 7
赤城山山麓に位置し、調査ルートはほぼ全
域が嶺公園の敷地内である。
公園内にはアカマツ林のほか、コナラ、ミズ
キなどの落葉広葉樹林が多く、谷沿いにはス
ギ植林が分布している。また、ルート北側に大
堤沼、南側に細久保調整池が存在する。
これらの池に流入する小川は林冠がうっ閉
した谷を流れ、一部はミズバショウ等を植栽し
た湿生花園になっている。
地区: 芳賀
地域区分: 山麓・山里
5
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 2.2-3(2) 調査地点の環境概要
地点№/地区/地域区分
環境写真
環境概要
地点№: 9
県庁周辺の市街地と、利根川左岸の河川敷
から構成されている。市街地は高層建築の並
ぶ前橋市の中心街で、植生は街路樹や人家
の庭などにわずかにみられる程度である。
利根川沿いの崖線には、ハリエンジュ、オニ
グルミ、センダンなどの樹林が帯状に続いて
いる。北部の前橋公園にはこの地点で唯一ま
とまった緑地がみられる。
利根川の中央大橋下流側の水辺には石張
りの親水護岸が整備されており、ツルヨシの群
落や砂の河原がある。
地区: 本庁
地域区分: 中心市街地
地点№: 10
市域南端の平地に位置し、農耕地と住宅地
がモザイク状に分布している。調査ルートは端
気川に沿って設定されているが、この河川は
両岸とも高いコンクリート護岸になっており、水
際へのアクセスが困難である。周辺の耕作地
ではムギとイネの二毛作が広く行われてい
る。樹林は少なく、屋敷林や工場の垣根があ
る程度である。
地区: 上川淵・下川淵
地域区分: 田園(田)
地点№: 11
萩窪南公園から、寺沢川沿いを通り、住宅
地に至るルート。萩窪南公園は、ため池と斜
面林から構成される。
寺沢川には、水田や畑が広がっている。
ルートの中央付近の寺沢川は、多自然型護
岸となっており、水際には植生が多くみられ
る。
地区: 桂萱・永明・城南
地域区分: 山里~田園
地点№: 13
南東部に大室公園、北西部に乾谷沼があ
り、周辺は大部分が耕作地である。
大室公園の五料沼は水際の植生は乏しい
が、一部が湿地状の菖蒲園になっている。流
入する小川には杭や自然石を配置してビオ
トープ的な整備がなされている。公園内は芝
地が多いが西側の丘に広葉樹林やアカマツ
林がある。
乾谷沼の周縁は広い湿地になっており、ヨ
シ、スゲ類、セイタカアワダチソウ、クズ等が繁
茂している。周辺の耕作地は畑地、桑畑、水
田などに利用されている。
地区: 桂萱・永明・城南
地域区分: 山里
6
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 2.2-3(3) 調査地点の環境概要
地点№/地区/地域区分
環境写真
環境概要
地点№: 16
利根川の左岸河川敷と、敷島公園を通る
ルート。利根川は流路幅が広く、低水敷には
ツルヨシ等の草本が繁茂しており、ハリエン
ジュ等の河畔林もみられる。高水敷はグラウ
ンドや駐車場として利用されている。
敷島公園には複数の池と水路があり、アカ
マツ林やクロマツ林が多くを占め、一部に広葉
樹林がある。
地区: 利根川-敷島公園付近
地域区分: 利根川上流
地点№: 18
寺沢沼を北端とし、寺沢川沿いを通るルー
ト。比較的多様な植生がみられ、市街地・構
造物が少ない。
耕作地として広範囲が利用されており、水田
は比較的少ない。植林地(スギ・ヒノキ)が比
較的目立つほか、斜面林を中心に落葉広葉
樹林もみられる。
グラウンド等(ぐりーんふらわー牧場など)とし
て利用されているほか、植林地(竹林)、その
他低木林、1年生草本群落など、土地利用お
よび植生が多様である。
地区: 大胡
地域区分: 山麓・山里
地点№: 20
荒山山頂の南側に位置する調査地点で、登
山道と稜線を通るルート。
ミズナラ群落が大部分を占めているが、山頂
や尾根沿いにはツツジ類やリョウブ等の優占
する岩角地・風衝地低木林群落と、ミヤコザサ
の優占するササ草地が分布している。
地区: 宮城
地域区分: 山岳
地点№: 21
山地に位置する地点であり、地点の中央を
南流する大穴川と、スギ・ヒノキ植林やアカマ
ツ植林が優占する森林内を通るルート。調査
地点内は、起伏に富んでおり、山地斜面や尾
根部を含む。
地区: 宮城
地域区分: 山腹
7
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 2.2-3(4) 調査地点の環境概要
地点№/地区/地域区分
環境写真
環境概要
地点№: 22
市街地・構造物等が多いものの、比較的多
様な植生がみられる。
畑や水田等の耕作地のほか、川沿い斜面を
中心に落葉広葉樹林、植林地(スギ・ヒノキ)、
植林地(竹林)など樹林がみられるほか、耕作
地周辺で1年生草本群落などがやや目立つ。
その他、河川沿いに単子葉草本群落(湿性
草地)(ツルヨシ群落など)がみられる。
地区: 宮城
地域区分: 山麓・山里
地点№: 24
植生は単調で、水田は比較的少なく、耕作
地の大部分が畑地として利用されている。
樹林はわずかであり、草地としては、耕作地
周辺の1年生草本群落や単子葉草本群落(湿
性草地)(主に川沿いのツルヨシ群落)などが
みられる。
地区: 粕川
地域区分: 里地
地点№: 26
調査範囲のほとんどが県立赤城森林公園と
なる地点で、範囲のほぼ中央部に赤城白川
が流れている。
植生はコナラ等の落葉広葉樹林が主である
が、カラマツ等の植林地が占める面積も広い。
地区: 富士見
地域区分: 山麓
地点№: 27
沼の窪ザゼンソウ群生地付近を南端に南北
に細長い調査範囲となる地点である。
林道沼ノ窪線沿いに調査ルートが設定され
ている。林道に沿うように細ケ沢川が流れて
いる。
調査範囲の植生はほとんどがスギ・ヒノキ植
林である。
地区: 富士見
地域区分: 山麓
8
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
③調査方法
調査地点別の調査方法を表 2.2-4 に示した。自動撮影調査、シャーマントラップ、カメト
ラップの設置地点は、各地点の環境や動物種の確認状況、地権者との協議結果を基に決
定した。
表 2.2-4 調査地点別の調査方法
哺乳類・
は虫類・両生類
哺乳類・
両生類
目撃法・
フィールドサイ
ン法・捕獲法
双眼鏡・
タモ網等
夜間調査
(コウモリ類・
カエル類)
バットディテクター
懐中電灯
№1
◯
№3
地点
№
哺乳類
自動撮影調
査
は虫類
トラップ調査
夜間調査
センサーカメラ
シャーマントラップ
カニ籠
懐中電灯
◯
◯
◯
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―
◯
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№5
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№7
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№9
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№10
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№11
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№13
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№16
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№18
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№20
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№21
◯
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―
№22
◯
◯
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◯
―
―
№24
◯
◯
◯
◯
―
―
№26
◯
◯
◯
◯
―
―
№27
◯
◯
◯
―
―
―
合計
全 16 地点
全 16 地点
全 16 地点
11 地点
3 地点
1 地点
9
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 2.2-5(1) 各調査方法の作業内容
調査方法
作業内容
作業風景(調査機材)写真
目撃法・フィー
ルドサイン法
(哺乳類)
・調査範囲を踏査し、タヌキやイノシシ等
の中大型哺乳類を主な対象として、フィ
ールドサイン(糞、足跡、食痕、巣等)
を確認した。
・フィールドサインを確認した場合には、
写真撮影を行うとともにその位置を記
録し、フィールドサインの種類やそれを
残したと推定される種を記録した。
・目視観察により、直接、生息種を確認し
た場合についても同様に記録した。
目撃法・捕獲
法
(は虫類・両生
類)
・調査範囲を踏査し、は虫類・両生類の確
認に努めた。
・成体や幼体、幼生、卵塊等の直接観察の
ほか、鳴き声や、脱皮殻等により確認し
た。
・夕暮れから夜間に調査範囲の踏査を行
い、バットディテクターを用いてコウモ
リ類の生息を確認した。
夜間調査
・コウモリ類の飛翔を確認した場合には、
(哺乳類・は虫
確認地点、飛翔状況、確認環境、エコロ
類・両生類)
ケーションの周波数を記録した。
・夕暮れから夜間に池沼や水田等の水辺で
カエル類の鳴き声を探索した。
・日没後に№9 でヤモリ調査を行った。
・夜行性の中大型哺乳類の確認を目的とし
て自動撮影装置を調査範囲に設置した。
・自動撮影装置は哺乳類が往来している
自動撮影調査
「けもの道」等に設置し、誘引餌を機器
(哺乳類)
の前に置いた。
・各調査季のほか、6 月 25 日から 7 月 25
日まで連続して設置した。
10
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 2.2-5(2) 各調査方法の作業内容
調査方法
作業内容
作業風景(調査機材)写真
トラップ調査
シャーマントラップ
(哺乳類)
・シャーマン型トラップを使用して、小型
哺乳類(モグラ類・ネズミ類)を生け捕
りにする。1 地点あたり 20 個設置し、
設置日数は 2 晩とした。
・小型哺乳類が捕獲されていた場合は、各
部計測により種を同定し、捕獲地点にて
放獣した。
トラップ調査
カニ籠
(は虫類)
・カメ類の確認を目的として、カニ籠を用
いたトラップ調査を実施した。
・調査はカメ類が生息している可能性のあ
る池や沼を対象とした。
・誘引餌として魚肉等を用いた。
・トラップは各地点に 1~2 個ずつ設置し、
翌朝回収した。
・カメ類が捕獲された場合には、各部計測
により種を同定し、捕獲地点にて放獣し
た。
2)市民調査(自然観察会)
市民の環境保全意識の高揚を図ることを目的とし、前橋市内で見られる動植物を対象と
して市民調査(自然観察会)を実施した。
調査は秋季に 1 回とし、
「自然観察会」として広報誌や案内チラシ等により参加者を公募
した。調査は、サンデンフォレスト(前橋市粕川町中之沢 7 番地)の敷地内で実施した。
11
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
3.調査結果
3.1 現地調査
1)調査実施日
各調査対象の調査実施日と天候を表 3.1-1 に示した。
表 3.1-1 現地調査の実施日と天候
時季
初夏季
夏季
夏季
秋季
調査対象
調査実施日
天候
平成 27 年 5 月 25 日(月)
晴
5 月 26 日(火)
晴
5 月 27 日(水)
晴
5 月 28 日(木)
曇後晴
5 月 29 日(金)
晴後曇
は虫類・両生類
平成 27 年 6 月 22 日(月)
晴
6 月 23 日(火)
晴
6 月 24 日(水)
晴
6 月 25 日(木)
晴
6 月 26 日(金)
曇時々雨
哺乳類
平成 27 年 7 月 21 日(月)
晴
7 月 22 日(火)
晴
7 月 23 日(水)
晴後雨
7 月 24 日(木)
曇後曇
7 月 25 日(金)
晴
平成 27 年 9 月 28 日(月)
晴
9 月 29 日(火)
晴
9 月 30 日(水)
曇
10 月 1 日(木)
晴後曇
10 月 2 日(金)
晴
10 月 5 日(月)
曇
10 月 6 日(火)
曇後晴
は虫類・両生類
哺乳類
12
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
2)調査結果
①確認種の状況
現地調査の結果、哺乳類 15 科 24 種、は虫類 6 科 11 種、両生類 4 科 9 種を確認した。確
認種数を表 3.1-2 及び図 3.1-1 に示した。
表 3.1-2 調査地点別の確認種数
地区・地点
調査対象
哺乳類
は虫類
両生類
科数
種数
科数
種数
科数
種数
清里・総 元総社・
社
東
№01
8
10
3
4
2
3
№03
6
7
4
4
2
2
南橘
芳賀
本庁
上川淵・
下川淵
№05
9
10
2
4
3
5
№07
9
10
3
6
3
4
№09
6
7
3
3
1
1
№10
6
8
3
4
2
2
桂萱・永明・城南
№11
6
7
3
6
3
5
№13
8
9
4
4
2
4
利根川敷島公園
付近
大胡
№16
5
5
4
4
2
3
№18
8
12
3
5
4
6
宮城
№20
10
12
0
0
1
1
図 3.1-1 調査地点別確認種数
13
№21
9
9
3
5
1
2
粕川
№22
8
9
2
3
4
6
№24
8
9
2
3
2
3
富士見
№26
10
15
3
5
2
3
№27
11
12
2
4
2
4
計
15
24
6
11
4
9
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
ア.哺乳類
現地調査により 6 目 15 科 24 種の哺乳類を確認した(表 3.1-3 参照)
。アズマモグラ、ア
カネズミ、タヌキ、イタチなど人里に近い平地から山地までの幅広い環境に適応している
種から、コテングコウモリ、ツキノワグマ、カモシカなど、山地の森林に依存して生息す
る種や、水辺近くの高茎草地に依存するカヤネズミなど、多様な種を確認した。これは市
街地化の進む平地から赤城山山麓の豊かな森林まで、多様な環境を有する前橋市の環境を
反映したものと考えられる。
今回の調査で最も多くの種数を確認したのは、№26 の 15 種、次いで№18、№20、№27
の 12 種であった。№20、№26、№27 の 3 地点は山地に位置し、調査範囲の大部分を森林
が占める地点である。このため、コテングコウモリ、ニホンリス、ムササビ、ヒメネズミ、
ツキノワグマ、カモシカ等の樹林性の種が多く確認されたために、種数の増加につながっ
たものと考えられる。№18 は、山麓に位置し、調査地内には森林のほか、耕作地や草地が
モザイク状に広がる里山環境を有する地点である。このため、ノウサギ、カヤネズミ、タ
ヌキ、キツネ、テン、イタチ、アナグマ等の里山環境を好む種が多く確認されたために、
種数の増加につながったものと考えられる。一方、住宅地や市街地が集中する№3、№9、
№16 は、確認種数が 5~7 種と少なかった。これらの地点では、哺乳類の生息に適した緑地
が少ないことのほか、トラップ調査を実施していないために、確認種数が少なかったと考
えられる。
種別にみると、アズマモグラとタヌキを全 16 地点で確認し、次いで、コウモリ目を 15
地点、ハクビシンを 14 地点で確認した。また、シャーマントラップを設置した 11 地点全
てでアカネズミを確認した。これらの種は、市内の広い範囲に生息しているものと考えら
れる。一方、確認地点が 1 地点のみの種としては、キクガシラコウモリ、コテングコウモ
リ、ニホンリス、ハツカネズミ、カモシカが挙げられる。
トラップ調査による調査地点別捕獲個体数を表 3.1-4 に示した。夏季及び秋季の調査によ
り全 11 地点で合計 74 個体を捕獲し、2 目 3 科 5 種の哺乳類を確認した。最も捕獲数が多
かったのはアカネズミで、全地点で合計 67 個体を捕獲した。次いでジネズミが№7 と№24
の 2 地点で 2 個体、ヒメネズミが№22 と№26 の 2 地点で 2 個体、ハツカネズミが№10 で
2 個体、ヒミズが№20 で 1 個体であった。
自動撮影調査による調査地点別確認種一覧を表 3.1-5 に示した。全 16 地点で 4 目 10 科
13 種を確認した。最も確認種が多かったのは№20 の 8 種であった。次いで№26 の 7 種、
№13 と№27 の 6 種の順に多かった。種別にみると、最も確認地点数が多かったのはタヌキ
で 11 地点であった。次いで、ハクビシンで 10 地点、キツネが 8 地点の順に多かった。一
方、ニホンリス、ツキノワグマ、カモシカは 1 地点でのみ確認された。
14
15
6目
ウシ目
(偶蹄目)
ネコ目
(食肉目)
ネズミ目
(齧歯目)
ウサギ科
ウサギ目
15科
ジャコウネコ科
イノシシ科
シカ科
ウシ科
イタチ科
イヌ科
クマ科
アライグマ科
ネズミ科
リス科
ヒナコウモリ科
キクガシラコウモリ科
モグラ科
トガリネズミ科
科名
コウモリ目
(翼手目)
モグラ目
(食虫目)
目名
24種
ジネズミ
ヒミズ
アズマモグラ
キクガシラコウモリ
モモジロコウモリ
コテングコウモリ
コウモリ目
ノウサギ
ニホンリス
ムササビ
リス科
アカネズミ
ヒメネズミ
カヤネズミ
ハツカネズミ
ネズミ科
ツキノワグマ
アライグマ
タヌキ
キツネ
テン
イタチ
アナグマ
イタチ科
ハクビシン
イノシシ
ホンドジカ
カモシカ
種名
●
●
●
10
●
●
11
●
●
●
●
13
●
◯
●
●
16
調査地点(№)
●
●
●
●
18
●
●
●
●
●
20
●
●
●
21
●
●
●
22
●
◯
●
●
●
24
●
◯
●
●
●
●
26
Capricornis crispus
Cervus nippon nippon
Sus scrofa leucomystax
Paguma larvata
10種
●
7種
●
●
10種 10種
●
●
7種
●
8種
◯
7種
●
9種
●
●
●
●
5種
●
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
9種
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
12種 12種
●
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
Mustelidae
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
Meles meles anakuma
Mustela itatsi itatsi
Martes melampus melampus
●
●
●
Nyctereutes procyonoides viverrinus
Vulpes vulpes japonica
●
●
Procyon lotor
Selenarctos thibetanus
Muridae
Mus musculus
Micromys minutus japonicus
Apodemus argenteus argenteus
Apodemus speciosus speciosus
9種
●
●
●
◯
●
●
●
9種
●
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
27
15種 12種
●
●
●
◯
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
●
9
●
●
●
●
●
●
7
◯
●
●
◯
●
●
5
●
●
●
●
3
Sciuridae
●
●
●
●
1
Petaurista leucogenys
Sciurus lis
Lepus brachyurus
Chiroptera
Murina ussuriensis silvatica
Myotis macrodactylus
Rhinolophus ferrumequinum
Mogera imaizumii
Urotrichus talpoides
Crocidura dsinezumi
学名
注1)種名、学名、配列は「河川水辺の国勢調査のための生物リスト平成26年度版」に従った。
注2)初夏季(5月)及び夏季(7月)のは虫類・両生類調査時に確認した哺乳類もリストに含めた。
注3)重要種と外来種の選定基準は①~⑤の資料に従った。
①文化財保護法(昭和25年 法律第214号)により以下のカテゴリーに該当する種
特:特別天然記念物、天:天然記念物
②レッドリスト2015(環境省, 2015年公開)により以下のカテゴリーに該当する種
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU: 絶滅危惧Ⅱ類、NT: 準絶滅危惧、DD:情報不足、 LP:絶滅のおそれのある地域個体群
③群馬県動物レッドリスト(群馬県, 2012年改訂版)により以下のカテゴリーに該当する種
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足
④特定外来等生物一覧(環境省, 2015年3月更新)により以下のカテゴリーに該当する種
特定:特定外来生物、 未判:未判定外来生物
⑤生態系被害防止外来種リスト(環境省, 2015年3月公開)により以下のカテゴリーに該当する種
侵予:侵入予防外来種、他定:その他の定着予防外来種、緊急:緊急対策外来種、重点:重点対策外来種、他総:その他の総合対策外来種、産業:産業管理外来種
注4)コウモリ目はバットディテクター、目視(飛翔個体)、糞による確認で種のため、同定には至らなかった。
注5)リス科は食痕(マツ)による確認のため、種の同定には至らなかった。
注6)ネズミ科は巣による確認のため、種の同定には至らなかった。
注7)イタチ科は糞による確認のため、種の同定には至らなかった。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
№
表 3.1-3 現地調査による哺乳類の確認種一覧
1種
特
①
0種
8種
DD
DD
DD
NT
DD
VU
NT
CR
重要種
② ③
1種
2種
重点
特定 緊急
外来種
④ ⑤
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 3.1-4 トラップ調査による調査地点別の捕獲個体数
調査地点(№) / 捕獲個体数
№
1
種名
5
7
10
11
13
18
20
22
24
26
合計
夏 秋 夏 秋 夏 秋 夏 秋 夏 秋 夏 秋 夏 秋 夏 秋 夏 秋 夏 秋 夏 秋
1 ジネズミ
1
1
2 ヒミズ
2
1
3 アカネズミ
3
7
2
2
1
1
3
2
2
3
9
4
2
1
4
1
1
4 ヒメネズミ
5
7
3
1
5 ハツカネズミ
5
67
1
2
2
10
合計
4
3
2
7
5
13
3
6
6
11
6
74
表 3.1-5 自動撮影調査による調査地点別の確認種一覧
調査地点(№)
№
目名
科名
種名
01
1
ウサギ目
ウサギ科
ノウサギ
2
ネズミ目(齧歯目)
リス科
ニホンリス
3
ネコ目(食肉目)
クマ科
ツキノワグマ
4
アライグマ科
アライグマ
●
5
イヌ科
タヌキ
●
キツネ
●
6
7
イタチ科
03
05
07
09
10
11
●
13
16
●
18
20
●
●
21
22
27
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
イタチ
9
アナグマ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
テン
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
10
ジャコウネコ科
ハクビシン
11 ウシ目(偶蹄目)
イノシシ科
イノシシ
●
●
12
シカ科
ホンドジカ
●
●
●
13
ウシ科
カモシカ
8種
3種
3種
10科
26
●
8
4目
24
●
●
●
●
●
●
7種
6種
●
13種
5種
1種
4種
0種
3種
3種
2種
6種
0種
5種
写真 3.1-1 確認した哺乳類(左:アカネズミ、右:タヌキ)
16
2種
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
イ.は虫類
現地調査により 2 目 6 科 11 種のは虫類を確認した(表 3.1-6 参照)
。ヒガシニホントカゲ
やニホンカナヘビ、アオダイショウなど、人家の庭先から山地までの幅広い環境に生息す
る種、ニホンヤモリやシロマダラ等の夜行性の種、外来種のミシシッピアカミミガメ等の
多様な種を確認した。
今回の調査で最も多くの種を確認したのは、№7 及び№11 の 6 種、次いで№18、№21、
№26 の 5 種であった。これらの地点は、河川や池の周辺に耕作地や樹林が広がっており、
は虫類の生息に適した里山環境を有していることや、ヘビ類の確認が多かったことが確認
種数の増加につながったものと考えられる。一方、住宅地や市街地が集中する№9 では確認
種数が少なかった。また、河川や草地等の開けた環境がほとんどみられない№20 では、は
虫類は確認できなかった。
種別にみるとヒガシニホントカゲ、ニホンカナヘビ、アオダイショウが 12 地点で確認さ
れており、市内の広い範囲に生息しているものと考えられる。一方、確認地点が少なかっ
たのは、クサガメ、ニホンヤモリ、ジムグリ、シロマダラの 4 種であった。クサガメにつ
いては、№13 の乾谷沼及び大室公園の五料沼で成体を確認した。ニホンヤモリは№9 の利
根川沿いにある御堂で成体を確認した。ジムグリについては、№7 の嶺公園内で成体を確認
した。シロマダラについては、№7 の墓地脇の石垣、№21 の樹林、№24 の河川沿いの法面
で脱皮殻により確認した。これらの種は、個体数が少ない等の理由のほか、分布が局所的
な種(クサガメ、ジムグリ)や、夜行性で人目に付きにくい種(ニホンヤモリ、シロマダ
ラ)であるため、確認地点数が少なかったと考えられる。
カメトラップを用いた捕獲調査では、№13 の大室公園の五料沼に設置したカニ籠でクサ
ガメ成体 1 個体を確認した。
写真 3.1-2 確認したは虫類(左:ニホンカナヘビ、右:アオダイショウ)
17
2目
18
●
Rhabdophis tigrinus tigrinus
ヤマカガシ
11
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
18
20
●
●
●
●
●
21
●
●
●
22
●
●
●
24
●
●
●
●
●
26
●
●
●
●
27
①
②
重要種
NT
VU
NT
③
③群馬県動物レッドリスト(群馬県, 2012年改訂版)により以下のカテゴリーに該当する種
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足
⑤生態系被害防止外来種リスト(環境省, 2015年3月公開)により以下のカテゴリーに該当する種
侵予:侵入予防外来種、他定:その他の定着予防外来種、緊急:緊急対策外来種、重点:重点対策外来種、他総:その他の総合対策外来種、産業:産業管理外来種
④特定外来等生物一覧(環境省, 2015年3月更新)により以下のカテゴリーに該当する種
特定:特定外来生物、 未判:未判定外来生物
緊急
⑤
外来種
④
4種 4種 4種 6種 3種 4種 6種 4種 4種 5種 0種 5種 3種 3種 5種 4種 0種 0種 3種 0種 1種
●
●
●
●
●
●
16
②レッドリスト2015(環境省, 2015年公開)により以下のカテゴリーに該当する種
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU: 絶滅危惧Ⅱ類、NT: 準絶滅危惧、DD:情報不足、 LP:絶滅のおそれのある地域個体群
①文化財保護法(昭和25年 法律第214号)により以下のカテゴリーに該当する種
特:特別天然記念物、天:天然記念物
注3)重要種と外来種の選定基準は①~⑤の資料に従った。
注2)夏季(6月)及び秋季(9月)の哺乳類調査時に確認したは虫類もリストに含めた。
注1)種名、学名、配列は「河川水辺の国勢調査のための生物リスト平成26年度版」に従った。
11種
●
●
Amphiesma vibakari vibakari
ヒバカリ
10
6科
●
Dinodon orientale
シロマダラ
9
●
●
Euprepiophis conspicillatus
ジムグリ
8
●
●
●
●
●
Elaphe climacophora
●
Elaphe quadrivirgata
●
アオダイショウ
ナミヘビ科
6
●
●
●
●
●
●
Takydromus tachydromoides
ニホンカナヘビ
●
●
Plestiodon finitimus
ヒガシニホントカゲ
シマヘビ
カナヘビ科
5
●
13
調査地点(№)
11
Gekko japonicus
●
10
ニホンヤモリ
9
Trachemys scripta elegans
7
ミシシッピアカミミガメ
5
●
●
3
●
1
Mauremys reevesii
学名
クサガメ
種名
7
トカゲ科
4
ヤモリ科
有鱗目
3
イシガメ科
科名
ヌマガメ科
カメ目
目名
2
1
№
表 3.1-6 現地調査によるは虫類の確認種一覧
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
ウ.両生類
現地調査により 1 目 4 科 9 種の両生類を確認した(表 3.1-7 参照)
。平地から低山地まで
幅広い環境に生息するニホンアマガエル、平地から山地の樹林に生息するアズマヒキガエ
ル、山地の渓流や森林に生息するタゴガエル、ヤマアカガエル、池沼や水田、耕作地脇の
水路など止水環境に生息するトウキョウダルマガエルやニホンアカガエルなど多様な種を
確認した。これは、前橋市が、市街地の多い低地域から赤城山山麓の亜高山域にかけて、
大小の河川、池沼、水田などの多様な水辺環境を有していることを反映しているものと考
えられる。
今回の調査で最も多くの種を確認したのは№18 と№22 で 6 種、次いで№5 と№11 で 5
種であった。これら地点では、アズマヒキガエル、ニホンアカガエル、ツチガエル、シュ
レーゲルアオガエル等の他の地点での確認が少ない種を確認している地点が多かった。
種別にみるとニホンアマガエルは 11 地点で確認されており、確認地点数が最も多かった。
次いで、トウキョウダルマガエルは 10 地点で確認されており、両種とも市内北部の山岳地
区を除く、低地から山麓にかけて広く分布しているものと考えられる。一方、タゴガエル
は№18 と№26 の 2 地点でのみ確認されており、最も確認地点数が少なかった。
写真 3.1-3 確認した両生類(左:ニホンアマガエル、右:シュレーゲルアオガエル)
19
Rana catesbeiana
Glandirana rugosa
ウシガエル
ツチガエル
7
8
20
9種
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
11
●
●
●
●
13
●
●
●
16
18
●
●
●
●
●
20
●
●
21
●
●
●
●
●
●
22
●
●
●
24
●
●
●
26
●
●
●
●
27
①
NT
②
③群馬県動物レッドリスト(群馬県, 2012年改訂版)により以下のカテゴリーに該当する種
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足
⑤生態系被害防止外来種リスト(環境省, 2015年3月公開)により以下のカテゴリーに該当する種
侵予:侵入予防外来種、他定:その他の定着予防外来種、緊急:緊急対策外来種、重点:重点対策外来種、他総:その他の総合対策外来種、産業:産業管理外来種
④特定外来等生物一覧(環境省, 2015年3月更新)により以下のカテゴリーに該当する種
特定:特定外来生物、 未判:未判定外来生物
VU
VU
VU
③
⑤
特定 重点
④
外来種
3種 2種 5種 4種 1種 2種 5種 4種 3種 6種 1種 2種 6種 3種 3種 4種 0種 1種 3種 1種 1種
●
●
●
●
10
重要種
②レッドリスト2015(環境省, 2015年公開)により以下のカテゴリーに該当する種
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU: 絶滅危惧Ⅱ類、NT: 準絶滅危惧、DD:情報不足、 LP:絶滅のおそれのある地域個体群
注2)夏季(6月)及び秋季(9月)の哺乳類調査時に確認した両生類もリストに含めた。
注3)重要種と外来種の選定基準は①~⑤の資料に従った。
①文化財保護法(昭和25年 法律第214号)により以下のカテゴリーに該当する種
特:特別天然記念物、天:天然記念物
注1)種名、学名、配列は「河川水辺の国勢調査のための生物リスト平成26年度版」に従った。
4科
シュレーゲルアオガエル Rhacophorus schlegelii
Rana porosa porosa
トウキョウダルマガエル
6
アオガエル科
Rana ornativentris
ヤマアカガエル
5
1目
Rana japonica
ニホンアカガエル
9
Rana tagoi tagoi
タゴガエル
●
9
アカガエル科
4
●
7
3
●
5
●
●
3
Hyla japonica
無尾目
ニホンアマガエル
1
アマガエル科
1
調査地点(№)
2
学名
●
種名
Bufo japonicus formosus
科名
アズマヒキガエル
目名
ヒキガエル科
№
表 3.1-7 現地調査による両生類の確認種一覧
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
②重要種の確認状況
重要種の選定基準を表 3.1-8 に示した。また、「環境省レッドリスト 2015 の公表につい
て」と、
「群馬県の絶滅のおそれのある野生生物動物編」の重要種カテゴリーの対応表を表
3.1-9 に示した。
表 3.1-8 重要種の選定基準
№
選定基準
①
「文化財保護法」
(昭和 25 年 5 月 30 日 法律第 214 号)
②
「環境省レッドリスト 2015 の公表について」
(平成 27 年 9 月 環境省報道発表資料)
③
「群馬県の絶滅のおそれのある野生生物
動物編
動物レッドリスト(2012 年改訂
版)」(平成 24 年 群馬県)
表 3.1-9 環境省版レッドリストと群馬県版レッドリストのカテゴリー対応表
環境省の区分
群馬県の区分
略称
区分
基本概念
EX
絶滅
すでに絶滅したと考えられる種。
絶滅
EW
野生絶滅
飼育・栽培下でのみ存続している種。
野生絶滅
CR+
EN
絶滅危惧Ⅰ類
CR
絶滅危惧ⅠA 類
EN
絶滅危惧ⅠB 類
絶滅の危機に瀕している種。
ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いも
の。
ⅠA 類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危
険性が高いもの。
絶滅危惧Ⅰ類
絶滅危惧ⅠA 類
絶滅危惧ⅠB 類
絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要
VU
絶滅危惧Ⅱ類
因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧Ⅰ類」のラン
絶滅危惧Ⅱ類
クに移行することが確実と考えられるもの。
存続基盤が脆弱な種。現時点での絶滅危険度は小さいが、生
NT
準絶滅危惧
息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行す
準絶滅危惧
る要素を有するもの。
DD
LP
情報不足
評価するだけの情報が不足している種。
絶滅 のお それの
地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの。
ある地域個体群
21
情報不足
―
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
現地調査により、哺乳類6科 8 種、は虫類 3 科 3 種、両生類 1 科 3 種、合計 10 科 14 種
の重要種を確認した。重要種の確認状況を表 3.1-10 に示した。
選定基準別にみると、
「①文化財保護法」に該当したのはカモシカ 1 種であった。「②環
境省レッドリスト 2015」に該当したのは、トウキョウダルマガエル 1 種であった。「③群
馬県レッドリスト」には 14 種全てが該当した。
確認地点別にみると、重要種の確認種数が最も多かったのは№18 の 7 種であった。本地
点は、哺乳類・は虫類・両生類のいずれの項目においても重要種以外の生息種も比較的多
く確認されており、種の多様性が高い地点であった。
種別にみると、確認地点数が最も多かったのはトウキョウダルマガエルで 10 地点、次い
でイタチで 8 地点であった。一方、コテングコウモリ、カモシカ、クサガメ、ニホンヤモ
リについては 1 地点のみの確認であった。
各重要種の選定基準、確認状況、国内分布、形態・生態、県内における生息状況を表 3.1-11
に示した。
表 3.1-10 重要種の確認状況
調査対象
№
哺乳類
1
ヒナコウモリ科
コテングコウモリ
2
リス科
ムササビ
3
ネズミ科
カヤネズミ
4
クマ科
ツキノワグマ
5
イタチ科
テン
は虫類
両生類
科名
種名
6
イタチ
7
アナグマ
8
ウシ科
カモシカ
9
イシガメ科
クサガメ
調査地点(№)
1
3
5
7
9
10
11
13
16
選定基準
18
20
21
22
24
26
27
①
②
●
●
●
●
NT
●
VU
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
DD
●
●
●
●
●
NT
●
●
DD
●
DD
●
特
DD
●
10 ヤモリ科
ニホンヤモリ
11 ナミヘビ科
シロマダラ
12 アカガエル科
ニホンアカガエル
13
トウキョウダルマガエル
●
14
ツチガエル
●
NT
●
VU
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
NT
●
●
●
●
●
注)重要種選定基準
①文化財保護法(昭和25年 法律第214号)により以下のカテゴリーに該当する種
特:特別天然記念物、天:天然記念物
②レッドリスト2015(環境省, 2015年公開)により以下のカテゴリーに該当する種
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、
VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
③群馬県動物レッドリスト(群馬県, 2012年改訂版)により以下のカテゴリーに該当する種
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、
VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足
VU
●
NT
VU
1種
14種
●
哺乳類6科8種、は虫類3科3種、両生類1科3種 合計14種 3種 1種 4種 3種 2種 2種 3種 4種 2種 7種 3種 3種 3種 3種 4種 5種
22
③
CR
VU
1種
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表 3.1.11(1) 重要種の一般生態と確認状況
種名 コテングコウモリ(ヒナコウモリ科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:絶滅危惧ⅠA 類(CR)
国内分布
・北海道、本州、四国、九州、屋久島等に分布。
形態・生態
・頭胴長 41~54mm、体重 3.5~6.5g、黄土色から薄茶色系の体毛をもつ。
・樹洞をねぐらとするが、木の茂みや樹皮の間隙、落ち葉の下、洞穴、家屋内にも生息
する。初夏に 1~2 仔を出産する。
県内における
生息状況
・亜高山域及び山地域に分布している。
・森林に生息。伐採による樹洞の減少が生息数の減少につながっている。
確認状況
・№26 の高茎草地で、タケニグサの枯葉の中で休息する個体を確認した。
引用文献
・阿部(監)(2008)日本の哺乳類改訂 2 版
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
種名 ムササビ(リス科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:準絶滅危惧(NT)
国内分布
・本州、四国、九州に分布。
形態・生態
・頭胴長 34~48cm、体重 700~1,000g前後、被膜が首から前肢、前後肢の間、後肢と
尾の間に発達する。
・夜行性で、樹上で生活し、種々の植物を食べる。巣は大木の樹洞につくる。春と秋に
1~4 仔を出産する。
県内における
生息状況
・山地域に分布している。
・森林に生息。モモンガよりも生息数は多いが、伐採により生息場所が減少している。
確認状況
・№21、26、27 の針葉樹林で、糞を確認した。
引用文献
・阿部(監)(2008)日本の哺乳類改訂 2 版
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
23
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表 3.1.11(2) 重要種の一般生態と確認状況
種名 カヤネズミ(ネズミ科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
国内分布
・本州、四国、九州、対馬等に分布。
形態・生態
・頭胴長 50~80mm、体重 7~14g、背面は暗褐色で覆面は白色の体毛をもつ。
・ススキやチガヤ、ヨシ等に球形の巣をつくる。巣の高さは 70~110 ㎝程度。春と秋の年
2 回、2~8 仔を出産する。
生息状況
・低山域、丘陵域、平地域、低地域に分布している。
・河川や沼地、水田などのイネ科植物が密生し、水気のあるところに生息している。開発
行為による自然堤防の減少により、個体数が減少している。
確認状況
・№7、№18 の高茎草地で、球巣を確認した。
県内における
引用文献
・阿部(監)(2008)日本の哺乳類改訂 2 版
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
種名 ツキノワグマ(クマ科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:情報不足(DD)
国内分布
・本州、四国に分布。
形態・生態
・頭胴長 120~145cm、体重 70~120kg、全身黒色で胸に白い三日月模様がある(ない
個体も稀にいる)。
・植物食傾向の強い雑食性で、昼夜を問わず活動する。大木の樹洞や洞穴などで冬眠
し、冬眠中に 1~2 仔を出産する。
県内における
生息状況
・亜高山域及び山地域に分布している。山間部を中心に生息している。
・開発行為、森林伐採行為により生息場所を追われ、人家周辺に出没することもある。
確認状況
・№20 の樹林で爪痕や、自動撮影調査により確認した。№21 の樹林で糞や樹皮剥ぎに
より確認した。
引用文献
・阿部(監)(2008)日本の哺乳類改訂 2 版
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
24
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 3.1.11(3) 重要種の一般生態と確認状況
種名 テン(イタチ科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:準絶滅危惧(NT)
国内分布
・本州、四国、九州、淡路島等に分布。
形態・生態
・頭胴長 45cm、体重 1.1~1.5kg、体毛は黄色や褐色まで変異が大きい。
・小型動物から果実類まで多彩な植物を食べる。4~5 月に 2~4 仔を樹洞などで出産
する。
県内における
生息状況
・山地域から低地域にかけて分布している。
・森林から農村部の人家周辺まで広く分布している。開発、伐採行為による森林の減少
や農村部の都市化の影響で、生息場所が減少している。
確認状況
・№18、№20、№22、№26 で自動撮影調査により確認したほか、№27 で個体を目撃し
た。
引用文献
・阿部(監)(2008)日本の哺乳類改訂 2 版
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
種名 イタチ(イタチ科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:情報不足(DD)
国内分布
・本州、四国、九州、佐渡等に分布。
形態・生態
・頭胴長 27~37cm(雄)、16~25cm(雌)、雌は雄より小型。体毛は茶色から山吹色。
・おもにネズミ、昆虫、魚などを食べる。初夏に 1~8 仔を出産する。
県内における
生息状況
・山地域、低山域、丘陵域、平地域、低地域に分布している。
・森林から農村部の人家周辺まで広く分布している。開発、伐採行為による森林の減少
や、農村部の都市化の影響で、生息場所が減少している。
確認状況
・№5、№9、№10、№11、№16、№18、№24 の河川や水田等の水辺で足跡を確認したほ
か、№11、№13 で自動撮影調査により確認した。
引用文献
・阿部(監)(2008)日本の哺乳類改訂 2 版
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
25
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 3.1.11(4) 重要種の一般生態と確認状況
種名 アナグマ(イタチ科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:情報不足(DD)
国内分布
・本州、四国、九州、小豆島に分布。
形態・生態
・頭胴長 52cm、体重 12kg程度。体毛は全体に褐色で四肢と胸部はやや濃い褐色。
・トンネルを掘り、集団で生活する。動物を中心とした雑食性で 3~5 月に 1~4 仔を出産
する。
県内における
生息状況
・山地域、低山域、丘陵域に分布している。
・標高の低い森林に生息している。開発、伐採行為により、個体数が減少している。
確認状況
・№1、№18、№20、№26 で自動撮影調査により確認したほか、№26 で糞を確認した。
引用文献
・阿部(監)(2008)日本の哺乳類改訂 2 版
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
種名 カモシカ(ウシ科)
①文化財保護法:特別天然記念物
選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:情報不足(DD)
国内分布
・本州、四国、九州に分布。
形態・生態
・頭胴長 70~85cm、体重 30~45kg、全身白色または灰色、灰褐色で体毛が長い。
・各種植物の葉などを採餌し、タメ糞をする習性がある。5~6 月に 1 仔を出産する。
県内における
生息状況
・亜高山域及び山地域に分布している。
・比較的標高の高い落葉広葉樹林や針広混交林に生息している。開発、伐採行為によ
り、生息場所が追われている。
確認状況
・№27 で個体を目撃したほか、自動撮影調査により確認した。
引用文献
・阿部(監)(2008)日本の哺乳類改訂 2 版
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
26
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 3.1.11(5) 重要種の一般生態と確認状況
種名 クサガメ(イシガメ科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:準絶滅危惧(NT)
国内分布
・本州、四国、九州およびその周辺の島嶼に分布。
形態・生態
・背甲長は最大で 30cm に達する。背甲の 3 本の隆条と側頭部の模様でイシガメとは区
別できるが、老熟個体では困難。雑食性で 30 年以上生きた記録がある。6~8 月に 4
~11 個の卵を 1~3 回産卵する。
県内における
生息状況
・丘陵域、平地域及び低地域に分布している。
・もともと東日本では個体数が少ない上に、県内では分布が限られている。飼育個体が
野生化している可能性もある。
確認状況
・№13 の乾谷沼と、大室公園の五料沼で成体を確認した。
引用文献
・内山ほか(2002)決定版日本の両生爬虫類
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
種名 ニホンヤモリ(ヤモリ科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
国内分布
・本州、四国、九州、対馬等に分布。
形態・生態
・全長は最大で 14cmに達する。人の住環境に適応したトカゲ類で、垂直な壁を登ること
もできる。高温時の夜間に活発に活動する。
・5~8 月、戸袋や壁の隙間、天井裏などに 2~3 個、年に 1~2 回産卵する。
県内における
生息状況
・丘陵域、平地域及び低地域に分布している。餌となる昆虫や隠れ家となる壁の隙間な
どが豊富にある旧式の住宅地内に生息している。
・人の住環境を生息地としている為に、旧式住宅の撤去や改修等の人為による影響を
受けやすい。
確認状況
・№9 の人工構造物(御堂)で成体を確認した。
引用文献
・内山ほか(2002)決定版日本の両生爬虫類
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
27
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 3.1.11(6) 重要種の一般生態と確認状況
種名 シロマダラ(ナミヘビ科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:準絶滅危惧(NT)
国内分布
・北海道、本州、四国、九州、屋久島等に分布。
形態・生態
・全長は最大で 70cm に達する。黒い横帯が全身に 60 個ほどあるのが特徴。主に夜間
に活動し、は虫類を主食にしている。
県内における
生息状況
・山地域、低山域、丘陵域、平地域に分布している。
・昼間は石垣の中や倒木の下などにいる為に、生息状況の調査が困難である。
・日常的な隠れ家や冬眠場所として使用されている旧式の石垣等の撤去や改修が生
息に大きな影響を与える。
確認状況
・№7 の墓地脇の石垣、№21 の樹林、№24 の河川沿いの法面で脱皮殻を確認した。
引用文献
・内山ほか(2002)決定版日本の両生爬虫類
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
種名 ニホンアカガエル(アカガエル科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
国内分布
・本州、四国、九州、隠岐等に分布。
形態・生態
・体長 35~67mm、黒褐色から赤茶色の中型のカエル。
・3~4 月にかけて、平地や丘陵地の水の残っている水田や浅い池沼などの止水域に
集まり産卵する。
県内における
生息状況
・低山域、丘陵域、平地域、低地域に分布している。
・水田の休耕田化や水路のコンクリート化、開発による埋め立てなどの生息域の急激な
変化により分布域の減少が目立つ。
確認状況
・№5、№7、№18、№27 の池、湿地、溜り等で成体、幼体、幼生を確認した。
引用文献
・内山ほか(2002)決定版日本の両生爬虫類
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
28
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 3.1.11(7) 重要種の一般生態と確認状況
種名 トウキョウダルマガエル(アカガエル科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:準絶滅危惧(NT)
③群馬県 RL:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
国内分布
・関東平野、仙台平野、新潟県と長野県の一部に
分布。
形態・生態
・体長 39~87mm、背面は平滑で、明確な背側線と背中線がある。
・水田を中心に生息している。5~7 月にかけて主に水田に産卵するが、浅い池沼や河
川敷などでも産卵する。
県内における
生息状況
・低山域、丘陵域、平地域及び低地域に分布している。
・本種の生息域では土地の開発と休耕田化が進み、水田域が減少しているため分布域
の減少が著しい。
確認状況
・№1、№3、№5、№10、№11、№13、№16、№18、№22、№24 の河川、水田、水路等で
成体や幼体のほか、鳴き声を確認した。
引用文献
・内山ほか(2002)決定版日本の両生爬虫類
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
種名 ツチガエル(アカガエル科)
①文化財保護法:選定基準
②環境省 RL:③群馬県 RL:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
国内分布
・北海道、本州、四国、九州、佐渡等に分布。
形態・生態
・体長 37~53mm、体色は暗灰色から灰褐色で、背面に多数の隆条突起をもつ。
・変態後は池沼や小川などの水辺の近くで生活する。幼生は通常越冬する。
県内における
生息状況
・山地域、低山域、丘陵域、平地域、低地域に分布している。
・平野部の水田地帯では、終戦直後に強い農薬乱用によって、ほとんど絶滅した。丘陵
域では分布地は減少した。県東部低地域においては板倉町権現沼周辺が唯一の分
布地である。
確認状況
・№1、№5、№11、№13、№18、№22、№27 の河川、水田、湿地等で成体、幼体、幼生
のほか、鳴き声を確認した。
引用文献
・内山ほか(2002)決定版日本の両生爬虫類
・群馬県(2002)群馬県レッドデータブック
29
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
③外来種の確認状況
外来種の選定基準を表 3.1-12 に示した。現地調査で確認した種のうち、2 種の哺乳類と、
1 種のは虫類、1 種の両生類が選定基準に該当した。外来種の一覧と、調査地区別の確認状
況を表 3.1-13 に示した。
本年度調査を行った全 16 地点のうち 15 地点で外来種を確認した。
確認種数別にみると、4 種全てを確認しているのは№13 で計 1 地点、3 種確認しているの
は№3、№7、№11、№16、№24 で計 5 地点、2 種確認しているのは№1、№5、№9、№10、
№18 で計 5 地点、1 種確認しているのは№20、№22、№26、№27 で計 4 地点、外来種が確
認されなかったのは№21 で計 1 地点であった。市内北部よりも市内南部で外来種の確認種
数が比較的多かった。
確認種別にみると、アライグマについては№1、№3、№5、№7、№9、№10、№11、№
13、№18、№24 の計 10 地点で確認された。市内北部の高標高域を除き、市内中央部から
南部にかけての広い範囲で生息が確認された。ハクビシンについては№10 と№21 を除く計
14 地点で確認されており、市内全域に広く生息していた。ミシシッピアカミミガメについ
ては、№3、№10、№13、№16 の計 4 地点で確認された。市内南部の河川や池等の水辺で
生息が確認された。ウシガエルについては、№7、№11、№13、№16、№24 の計 5 地点で
確認された。市内中央部から南部にかけての公園の池や、耕作地の池沼や水路等の水辺で
生息が確認された。確認された外来種の一般生態と確認状況等を表 3.1-14 に示した。
表 3.1-12 外来種の選定基準
№
選定基準
「特定外来生物一覧」
(平成 27 年 3 月更新
1
特定:特定外来生物、
環境省)により以下のカテゴリーに該当する種
未判:未判定外来生物
「生態系被害防止外来種リスト」
(平成 27 年 3 月公開
2
環境省)により以下のカテゴリーに該当する種
侵予:侵入予防外来種、他定:その他の定着予防外来種、緊急:緊急対策外来種、重点:重点対策外来種、
他総:その他の総合対策外来種、産業:産業管理外来種
表 3.1-13 外来種の確認状況
調査対象
№
科名
哺乳類
1
アライグマ科
種名
調査地点(№)
1
3
5
7
9
10
11
13
アライグマ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
2
ジャコウネコ科
ハクビシン
は虫類
3
ヌマガメ科
ミシシッピアカミミガメ
両生類
4
アカガエル科
ウシガエル
●
●
●
●
16
選定基準
18
20
21
22
●
●
24
26
27
●
●
●
●
●
●
①特定外来等生物一覧(環境省, 2015年3月更新)により以下のカテゴリーに該当する種
特定:特定外来生物、 未判:未判定外来生物
②生態系被害防止外来種リスト(環境省, 2015年3月公開)により以下のカテゴリーに該当する種
侵予:侵入予防外来種、他定:その他の定着予防外来種、緊急:緊急対策外来種、重点:重点対策外来種、
他総:その他の総合対策外来種、産業:産業管理外来種
30
②
重点
緊急
●
哺乳類2科2種、は虫類1科1種、両生類1科1種 合計4種 2種 3種 2種 3種 2種 2種 3種 4種 3種 2種 1種 0種 1種 3種 1種 1種
注)外来種選定基準
①
特定 緊急
特定 重点
2種
4種
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 3.1-14(1) 外来種の一般生態と確認状況
種名 アライグマ(アライグマ科)
①特定外来等物一覧:特定外来生物
選定基準
②生態系被害防止外来種リスト:緊急対策外来種
原産地
北アメリカ
国内分布
・北海道、本州、四国、九州に分布。
形態・生態
・頭胴長 42~60cm、体重 6~10kg。体毛は灰褐色で目の周囲に黒いマスク模様、尾に
黒い輪模様がある。夜行性で水辺を好むが、森林、湿地、農耕地、市街地など幅広
い環境に生息する。
・果実、野菜、穀類、小動物、鳥類、両生は虫類、魚類、昆虫、その他の小動物全般を
採食する。
・年 1 回春に、約 2 か月の妊娠期間の後、3~6 仔を出産する。河畔の小林地などに巣
穴を掘り、集団で生活する。
県内における
生息状況
・1994 年より生息が確認されている。
・1995 年度以降に捕獲記録があり、捕獲頭数は 2007 年度より増加傾向にある。
・玉村町、吉岡町、長野原町、嬬恋村、前橋市、太田市、藤岡市で記録がある。
確認状況
・№1、№3、№5、№7、№9、№10、№11、№13、№18、№24 の河川、水田、水路等で足
跡のほか、№1、№10、№13、№24 では自動撮影調査により確認した。
・市内北部の高標高域を除き、市内中央部から南部にかけての広い範囲で生息してい
る。
生態系に関
わる被害
・捕食対象の幅が広く、北海道ではニホンザリガニやエゾサンショウウオといった固有在
来種の捕食が報告されている。
・釧路湿原など、シマフクロウやタンチョウの生息地周辺でもアライグマの姿が確認され
ており、これら固有在来種への影響が懸念されている。
・アライグマの侵入によりアオサギが集団営巣放棄するなど、他種の繁殖環境への影響
が懸念されている。
引用文献
・日本生態系協会編(2002)外来種ハンドブック
・阿部(監)(2008)日本の哺乳類改訂 2 版
・姉崎ほか(2012)群馬県におけるアライグマの生息状況と食性
・環境省(2015)特定外来生物等一覧
31
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 3.1-14(2) 外来種の一般生態と確認状況
種名 ハクビシン(ジャコウネコ科)
①特定外来等物一覧:選定基準
②生態系被害防止外来種リスト:重点対策外来種
原産地
東南アジア、海南島、スマトラ、ボルネオ等
国内分布
・本州、四国に分布。
形態・生態
・頭胴長 61(雌)~66(雄)cm、体重 3kg 程度。体色は灰褐色で、顔面と四肢の下部は
黒褐色、額下部から鼻鏡部中央に白線が入る。
・山地帯下部から集落周辺に生息する。木登りが得意で樹上をよく利用する。鳥類、昆
虫、その他の小動物から果実類まで幅広い食性をもつ。
・繁殖生態については不明な点が多いが、通年で繁殖していると考えられる。
県内における
生息状況
・1992 年頃までは目撃件数は少ない。
・1997 年頃になると県中央部を中心に確認件数が増える。
・2009 年頃までには中山間地域のほか、前橋市、高崎市等都市部を中心にほぼ県全
域に生息している。
確認状況
・№1、№3、№5、№7、№9、№11、№13、№16、№18、№20、№22、№24、№26、№27 の
樹林、河川、湿地等で足跡ほか、№1、№5、№9、№11、№13、№18、№20、№24、№
26、№27 では自動撮影により確認した。
・市内全域に広く生息している。
生態系に関
わる被害
・タヌキ等の在来哺乳類との競合が懸念される。
・在来の鳥類、昆虫類、両生類、は虫類、その他の小動物の捕食が懸念される。
引用文献
・日本生態系協会編(2002)外来種ハンドブック
・阿部(監)(2008)日本の哺乳類改訂 2 版
・姉崎ほか(2010)群馬県におけるハクビシンの生息状況と食性
・環境省(2015)特定外来生物等一覧
32
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 3.1-14(3) 外来種の一般生態と確認状況
種名 ミシシッピアカミミガメ(ヌマガメ科)
①特定外来等物一覧:選定基準
②生態系被害防止外来種リスト:緊急対策外来種
原産地
アメリカ合衆国南部とメキシコ北東部の国境地帯
国内分布
・北海道、本州、四国、九州、沖縄島等に分布
形態・生態
・甲長 20cm(雄)、28cm(雌)、背甲は緑褐色で、各甲板には黄色、黒、緑色等の模様
が入るが、成長と共に鮮やかさは失われる。側頭部には鮮やかな赤い斑紋が入り、こ
れを耳に見立ててアカミミガメと呼ばれる。
・雑食性で、藻類や水草、水生昆虫、ザリガニ、エビ、貝類、魚類等さまざまなものを採
食する。
・池沼、河川、水田等を中心に生息している。5~7 月にかけて主に水田に産卵するが、
浅い池沼や河川敷などでも産卵する。
県内における
生息状況
・県内の詳細な生息状況は不明。
・2013 年に高崎市の鏑川と、藤岡市の神流川沿いで記録がある。
・群馬県周辺では、渡良瀬遊水地や利根川に生息している。
確認状況
・№3、№10、№13、№16 の河川や池で成体を確認した。
生態系に関
わる被害
・在来淡水カメ類はその卵が捕食されたり、生息環境が競合したりすることが懸念され
る。
・捕食による在来の水生動植物への影響が懸念される。
引用文献
・日本生態系協会編(2002)外来種ハンドブック
・内山ほか(2002)決定版日本の両生爬虫類
・環境省(2015)特定外来生物等一覧
・ 国土交通省水管理・国土保全局河川環境課(2015)平成 25 年度河川 水辺の国勢
調査結果の概要:河川環境データベースホームページ
33
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 3.1-14(4) 外来種の一般生態と確認状況
種名 ウシガエル(アカガエル科)
①特定外来等物一覧:特定外来生物
選定基準
②生態系被害防止外来種リスト:重点対策外来種
原産地
アメリカ東部・中部、カナダ南東部
国内分布
・北海道、本州、四国、九州、佐渡等に分布。
形態・生態
・体長 37~53mm、体色は暗灰色から灰褐色で、背面に多数の隆条突起をもつ。
・大型で極めて捕食性が強く、口に入る大きさであれば、ほとんどの動物が餌となる。
県内における
生息状況
確認状況
生態系に関
わる被害
引用文献
・板倉町、館林市、明和町、邑楽町、千代田町、大泉町、太田市、桐生市、伊勢崎市、
前橋市、田村町、渋川町、高崎市、吉井町、甘楽町、藤岡市、安中市、富岡市の平
地域や低地域で確認されている。
・№7、№11、№13、№16、№24 の河川、池、用水路等で成体、幼体、幼生のほか、鳴き
声を確認した。
・在来のカエル類や魚を食べるなど生態系に影響を及ぼしている。
・水辺に生息するトノサマガエル、ダルマガエル等との食物等を巡る競合が懸念され
る。
・日本生態系協会編(2002)外来種ハンドブック
・内山ほか(2002)決定版日本の両生爬虫類
・金井(2008)外来生物と外来生物法
・群馬県立自然史博物館編(2009)侵入する生物たち ぐんまの自然ハンドブック№1
・環境省(2015)特定外来生物等一覧
34
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
3.2 市民調査(自然観察会)
1)概要
自然環境調査の一環として、市民参加型の自然観察会を実施した。観察会の会場である
サンデンフォレストは、
「環境と産業の矛盾なき共存」をコンセプトに、民間で初めて大規
模な「近自然工法」を導入して造成された「環境共存型」の工場である。サンデンフォレ
ストの環境保全への取り組みや、工場敷地内に生息する動物についてビデオプログラムの
上映を行った。その後、サンデンフォレストの散策道やビオトープを散策しながら、敷地
内に生息する動植物の調査(解説)を行った。実施日時、実施場所、参加者の概要を表 3.2-1
に示した。
表 3.2-1 市民調査(自然観察会の実施概要)
項目
イベント名
実施日時
実施場所
参加者
概要
市民自然観察会
平成 27 年 9 月 13 日(日)9 時半~正午
(現地下見を 9 月 6 日(日)に実施)
サンデンフォレスト(前橋市粕川町中ノ沢 7 番地)
19 名
・サンデンフォレストの経緯(ビデオプログラム)
内容
・サンデンフォレストに生息する動物(ビデオプログラム)
・ビオトープ見学(現地散策)
写真 3.2-1 市民調査(自然観察会)
35
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
2)結果
現地下見及び市民調査で、4 目 4 科 4 種の哺乳類、1 目 2 科 4 種のは虫類、1 目 2 科 2 種
の両生類を確認した(表 3.2-2 参照)。
サンデンフォレストの自然環境への取り組みや、観察会を体験することで、自然環境に
対する市民意識の高揚を図るという目的は、一定の効果が得られたものと考えられる。
表 3.2-2 現地下見及び市民調査で確認した哺乳類・は虫類・両生類の一覧
綱名
哺乳綱
目名
モグラ目(食虫目)
ウサギ目
ネズミ目(齧歯目)
ウシ目(偶蹄目)
科名
モグラ科
ウサギ科
リス科
シカ科
種名
アズマモグラ
ノウサギ
ムササビ
ホンドジカ
4目4科4種
綱名
爬虫綱
目名
有麟目
科名
カナヘビ科
ナミヘビ科
種名
ニホンカナヘビ
アオダイショウ
ヒバカリ
ヤマカガシ
1目2科4種
綱名
両生綱
目名
無尾目
科名
アマガエル科
アカガエル科
種名
ニホンアマガエル
ニホンアカガエル
1目2科2種
現地下見
●
●
●
●
4種
市民調査
現地下見
●
●
市民調査
●
2種
現地下見
●
●
2種
●
1種
●
●
3種
市民調査
●
1種
写真 3.2-2 市民調査で確認した生物(左:ニホンカナヘビ、右:ヒバカリ)
36
確認内容
塚・坑道
糞
食痕
足跡
確認内容
成体・幼体
成体
幼体
成体
確認内容
成体
成体・幼体
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
4.過去の調査結果との比較
4.1 調査の実施状況
本年度調査と過年度調査を比較するために、各調査回における地点別の調査実施状況を
整理した。哺乳類の地点別調査実施状況を表 4.1-1 に、は虫類・両生類を表 4.1-2 に示した。
哺乳類の調査地点別実施状況についてみると、平成 9・10 年度自然環境基礎調査(旧市
域)では現地踏査が 4 季 3 地点でのみ実施された。平成 17 年度自然環境基礎調査(大胡・
宮城・粕川)では現地踏査が 2 季 6 地点、トラップ調査が 2 季 6 地点、自動撮影調査が 2
季 2 地点で実施された。
平成 17 年度自然環境調査では現地踏査及び夜間調査が 2 季 8 地点、
トラップ調査が 2 季 4 地点で実施された。平成 22 年度自然環境基礎調査(富士見)では現
地踏査、トラップ調査、夜間調査、自動撮影調査のいずれも 2 季 3 地点で実施された。平
成 22 年度自然環境調査では現地踏査が 2 季 13 地点、トラップ調査が 2 季 8 地点、夜間調
査が 2 季 12 地点、自動撮影調査が 2 季 4 地点で実施された。本年度調査では現地踏査が 2
季 16 地点、トラップ調査が 2 季 11 地点、夜間調査が 3 季で合計 16 地点、自動撮影調査が
夏季から秋季にかけて 16 地点で実施した。
調査対象地域の追加に伴い、調査地点数が増加している。また調査回を経るごとに現地
踏査以外の調査方法が追加されており、各調査方法の実施地点数も年々増加している。調
査地点及び調査方法の多様化に伴い、様々な哺乳類が確認されやすくなっていると考えら
れる。
表 4.1-1 各調査年度の地点別調査実施状況(哺乳類)
調査方法
調査回
平成9・10年度
自然環境基礎調査
(旧市域)
踏
査
ト
ラ
ッ
プ
夜 自
間 撮
平成22年度
自然環境調査
旧市域
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
大胡・宮城・粕川地区
11
12
13
14
15
16
17
18
19
●
●
20
富士見地区
21
22
23
24
●▲
●
●▲
●
夏
H9.8.25~29
●
●
●
●
秋
H9.10.26~29
●
●
●
●
冬
H10.2.5~6
●
●
●
●
春
H10.5.10~13
●
●
●
春
H17.5.30~6.1
夏
H17.6.14~15
■
■
■
■
■
■
秋
H17.6.14~16
●■
●
■
●■
▲
●
■
●■
▲
●■
▲
●
平成22年度
自然環境基礎調査
(富士見)
調査時季・調査日
●
平成17年度
自然環境基礎調査
(大胡・宮城・粕川)
平成17年度
自然環境調査
調査地区/調査地点(№)
■
▲
25
26
27
●
■
●
■ ★
初夏
H17.6.7~10
●
★
●
★
●■
★
●■
★
●
★
●★
●■
★
●■
★
●
■ ★
夏
H17.8.22~25
●
★
●
★
●■
★
●■
★
●
★
●★
●■
★
●■
★
●
■ ★ ▲
夏
H22.7.12~13
●■
★▲
●■
★▲
●■
★▲
H22.10.14~15
●■
★▲
●■
★▲
●■
★▲
●
■ ★ ▲
●
■ ★ ▲ 初夏
H22.6.13~18
●
■ ★ ▲
H22.10.5~8
●
平成27年度
自然環境調査
(本年度)
秋
●
★
●
★
●
★
●
★
夏
H27.6.22~26
●
■
夏
H27.6.22~7.25
▲
▲
★
夏
H27.7.21~25
★
★
■ ★ ▲
秋
H27.9.28~10.6
●
■
●
■ ★
▲
●
秋
●
★
●■
★
●
★
●■
★
●
●■
★
●■
▲
●■
●■
★
●■
▲
●■
★
●■
★
●■
★
●■
★▲
●■
★
●■
▲
●■
★
●■
★
●■
★
●■
★▲
●
●■
★
●■
●■
▲
▲
▲
▲
★
★
●■
●
▲
●■
●■
●
★
●■
★▲
●
★
●■
★▲
●★
●■
★
●■
★
▲
▲
▲
●■
★
●
●■
▲
37
●★
▲
●★
●
■
●■
●■
★
●
▲
▲
▲
▲
▲
▲
●■
▲
●
●■
★
●■
▲
★
注1)網掛けは、各回の調査で対象外の地区であることを示す。
注2)調査方法の凡例を以下に示す。
踏査:現地踏査(●)
トラップ:ネズミ類を対象としたトラップ調査(■)
夜間:コウモリ類を対象としたバットディテクターによる夜間調査(★)
自撮:自動撮影カメラによる夜間撮影(▲)
●★
▲
★
●
■
★
●
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
は虫類・両生類の調査地点別実施状況についてみると、平成 9・10 年度自然環境基礎調
査(旧市域)では現地踏査が 3 季実施されており、夏季では全 17 地点、秋季と春季では 12
地点で実施された。平成 17 年度自然環境基礎調査(大胡・宮城・粕川)では現地踏査が 2
季 6 地点で行われたほか、夜間調査(カエル類)が夏季に 6 地点で実施された。平成 17 年
度自然環境調査では現地踏査が 2 季 8 地点、トラップ調査(カメ類)が 2 季 2 地点、夜間
調査(ヤモリ等)が 1 季 1 地点で実施された。平成 22 年度自然環境基礎調査(富士見)で
は現地踏査が 2 季 3 地点、トラップ調査(カメ類)が 1 季 1 地点で実施された。平成 22 年
度自然環境調査では現地踏査が 2 季 13 地点、トラップ調査(カメ類)が 2 季 3 地点、夜間
調査(ヤモリ等)が 1 季 1 地点で実施された。本年度調査では現地踏査は 2 季 16 地点、ト
ラップ調査(カメ類)は 1 季 3 地点、夜間調査(ヤモリ及びカエル類)は 1 季(6 月及び 7
月)14 地点で実施した。
調査対象地域の追加に伴い、調査地点数が増加している。平成 17 年度調査以降にトラッ
プ調査(カメ類)や夜間調査(ヤモリ等)が実施されるようになった。夜間調査(カエル
類)は、平成 17 年度基礎調査と本年度調査でのみ実施された。
表 4.1-2 各調査年度の地点別調査実施状況(は虫類・両生類)
調査方法
調査回
踏
査
カ
メ
調査地区/調査地点(№)
ヤ 夜
モ 間
リ
調査時季・調査日
旧市域
大胡・宮城・粕川地区
富士見地区
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
平成9・10年度
自然環境基礎調査 ●
(旧市域)
●
夏
H9.8.25~29
●
秋
H9.10.26~29
●
●
●
●
●
春
H10.5.10~13
●
●
●
●
●
●
春
H17.5.30~6.1
●
●
●
●
●
●
夏
H17.6.14,24・7.19
★
★
★
★
★
★
秋
H17.6.14~16
●
●
●
●
●
●
平成17年度
自然環境基礎調査
(大胡・宮城・粕川)
★
●
平成17年度
自然環境調査
● ◆
初夏
● ◆ ▼
夏
平成22年度
●
自然環境基礎調査
(富士見)
● ◆
初夏
● ◆
初夏
平成22年度
自然環境調査
夏
● ◆ ▼
夏
●
平成27年度
自然環境調査
(本年度)
初夏
◆
●
★
▼
夏
夏
H17.6.7~10
H17.8.22~25
●
●
●
●
●
●
◆
●
●
◆
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●▼
●
●
●
◆
●
●
●
◆
●
H22.5.31~6.1
●
●
●
H22.8.2~4
●
◆
●
●
●
●
H22.6.13~18
●
H22.8.3~6
H27.5.25~29
●
●
●
●
●
H27.6.22~26
H27.7.21~25
●
★
●
★
●
●
●
◆
●
◆
●
◆
●
●
◆
●
◆
●
◆
●
★
◆
●
●
★
注1)網掛けは、各回の調査で対象外の地区であることを示す。
注2)調査方法の凡例を以下に示す。
踏査:現地踏査(●)
カメ:カメ類を対象としたトラップ調査(◆)
ヤモリ:ヤモリ等を対象とした夜間調査(▼)
夜間:カエル類を対象として鳴き声により確認を行う夜間調査(★)
38
●
●
●
★
●▼
★
●
●
★
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
▼
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◆
◆
★
★
★
★
●
●
●
●
●
●
●
★
●
★
●
●
●
★
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
4.2 過年度調査との比較
1)種数による比較
これまで調査を行った全地点について、地点別の確認種数を図 4.2-1 に示した。哺乳類、
は虫類、両生類ともに、地点別の確認種に変動はあるものの、種構成や生息環境を見る限
り、過去の調査と比較して大きな変化はみられない。
①哺乳類
市内全域でみると、確認種数の合計は、自然環境基礎調査(平成9・10 年度、平成 17
年度、平成 22 年度)で 23 種、平成 17 年度自然環境調査で 8 種、平成 22 年度自然環境調
査で 20 種であるのに対し、本年度調査では 24 種である。
本年度調査で実施した地点を比較すると、過年度調査よりも確認種数が増加した地点は
№1、№3、№5、№7、№9、№10、№13、№18、№22、№24、№26 の 11 地点である(表
4.2-1、表 4.2-2 参照)
。このうち、№26 を除く 10 地点については、過年度調査で実施され
ていないトラップ調査や自動撮影調査等の調査方法が本年度調査では実施されたことによ
って、より多くの種が確認されるようになり確認種数が増加したと考えられる。一方、過
年度調査よりも確認種数が減少した地点は№16、№21、№27 の 3 地点である。これらの地
点では、過年度調査においてトラップ調査が実施されているのに対し、本年度調査ではト
ラップ調査を実施していなかった。これにより、過年度調査で確認されていたハタネズミ、
アカネズミ、ヒメネズミ等のネズミ類が本年度調査では確認できなかったため、確認種数
が減少していた。確認種数の増減は調査方法に依存していると考えられる。
本年度調査で新たに確認された種はコテングコウモリとアナグマの 2 種であった。どち
らも以前から前橋市内に分布している種が本年度調査で初めて確認されたものである。一
方、過年度調査で確認されたが本年度調査で確認されなかった種は、カワネズミ、ニホン
ザル、ハタネズミの 3 種である。
カワネズミとニホンザルは、平成 17 年度自然環境基礎調査において№23 及び№20 で確
表 4.2-1 哺乳類の確認種数の増減と調査方法との対応
過年度との種数比較
確認種数が増加した地点
確認種数が同じ地点
確認種数が減少した地点
過年度との調査方法比較
調査地点番号(№)
調査方法が増えた地点
1、3、5、7、9、10、13、18、22、24
調査方法が同じ地点
26
調査方法が減った地点
―
調査方法が増えた地点
11
調査方法が同じ地点
―
調査方法が減った地点
―
調査方法が増えた地点
―
調査方法が同じ地点
―
調査方法が減った地点
16、21、27
注)№20 では過年度調査は実施されていないので比較対象外とした。
39
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
24
25
23
基礎調査(H9・10、H17、H22年度)
哺乳類
H17年度調査
20
20
H22年度調査
H27年度調査
確 15
認
種
数
(
種 10
)
12
10
10
7
4
7
4
2
2
№4
4
10
7
№3
5
15
14
13 13
12
14
4 44
7
3
9
8
77
6
4
8
7
6
5
7
12 12
9
8
66
5
9
8
8
6
4
3
2
9
4
1
全体
№27
№26
№25
№24
№23
№22
№21
№20
№19
№18
№17
№16
№15
№14
№13
№12
№11
№9
№10
№8
№7
№6
№5
№2
№1
0
12
11
基礎調査(H9・10、H17、H22年度)
は虫類
H17年度調査
10
H22年度調査
9
H27年度調査
88
8
確
認
種 6
数
(
種
)
4
6
6
6
6
5 5
4
4
3
4
3
4
33
2
4
3
1
0
4
444
1
22
1 1
0
1
1
4
3
2
5 5
4
3
2
1 1
0
4
3 3
2
2
4 4
5
4
3 3 3
2
2
2
4
3
2
2
1
0
0
全体
№27
№26
№25
№24
№23
№22
№21
№20
№19
№18
№17
№16
№15
№14
№13
№12
№11
№10
№9
№8
№7
№6
№5
№4
№3
№2
№1
0
14
基礎調査(H9・10、H17、H22年度)
両生類
12
H17年度調査
12
H22年度調査
確
認 8
種
数
(
種 6
)
9
7
6 6
55
3
1
4
3
2
33
22 22 2
11
66
6
6
5
44 4
4
2
10
H27年度調査
10
2
22
1
4
3 33
22 2
3
4
3
2
11
3
1 11
4
3
2
1
4
3
2
1
0
4 4
3 3
2
1
0
図 4.2-1 地点別の確認種数
40
全体
№27
№26
№25
№24
№23
№22
№21
№20
№19
№18
№17
№16
№15
№14
№13
№12
№11
№9
№10
№8
№7
№6
№5
№4
№3
№2
№1
0
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 4.2-2 哺乳類の確認種の経年比較
調査地点(№)/調査年度
№
科名
1
種名
1
3
2
5
4
7
6
9
8
10
11
13
12
14
16
15
18
17
19
20
21
22
23
24
26
25
27
H17 H27 H22 H17 H27 H22 H10 H17 H27 H22 H10 H17 H27 H22 H17 H27 H17 H27 H22 H27 H22 H10 H17 H27 H22 H22 H17 H22 H27 H22 H17 H27 H17 H22 H17 H27 H17 H22 H27 H17 H27 H17 H22 H17 H27 H22 H22 H27 H22 H27
調査 調査 調査 調査 調査 調査 基礎 調査 調査 調査 基礎 調査 調査 調査 調査 調査 調査 調査 調査 調査 調査 基礎 調査 調査 調査 調査 調査 調査 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 基礎 調査 基礎 調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査 調査
調査
ジネズミ
●
●
●
H27
H27
新規確 未確認
認種
種
●
トガリネズミ科
2
カワネズミ
3
●
ヒミズ
●
●
●
●
●
モグラ科
4
アズマモグラ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
5 キクガシラコウモリ科
キクガシラコウモリ
6
モモジロコウモリ
7 ヒナコウモリ科
コテングコウモリ
-
コウモリ目
8 オナガザル科
ニホンザル
9 ウサギ科
ノウサギ
10
ニホンリス
●
11 リス科
ムササビ
●
-
リス科
12
ハタネズミ
13
アカネズミ
14
ヒメネズミ
15 ネズミ科
カヤネズミ
16
ハツカネズミ
17
クマネズミ属
-
ネズミ科
18 クマ科
ツキノワグマ
19 アライグマ科
アライグマ
20
タヌキ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
◯
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
◯
◯
◯
◯
●
●
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
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●
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●
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●
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●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
●
●
●
◯
◯
●
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
イヌ科
21
キツネ
22
テン
●
23
イタチ
●
24
アナグマ
●
-
イタチ科
◯
25 ジャコウネコ科
ハクビシン
26 イノシシ科
イノシシ
27 シカ科
ホンドジカ
28
カモシカ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
イタチ科
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
●
●
◯
●
●
●
●
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
●
●
◯
●
●
ウシ科
-
ウシ目
◯
4種 10種 4種
16科
2種
7種
2種
4種
7種 10種 4種
4種
4種 10種 7種
3種
7種
4種
8種
7種
7種
6種
2種
5種
9種
7種
3種
6種
8種
5種
7種
8種 12種 6種
6種
1種 12種 6種 12種 9種
4種
9種
8種 14種 4種
9種 13種 13種 15種 14種 12種
28種
2種
10種
4種
7種
2種
10種
4種
10種
7種
7種
8種
9種
6種
9種
7種
3種
8種
7種
14種
注1)科名、種名、配列は「河川水辺の国勢調査のための生物リスト平成26年度版」に従った。
注2)H10基礎調査には、平成9年度及び平成10年度に実施された前橋市自然環境基礎調査(旧市域)の確認種を記した。
注3)H17調査には、平成17年度に実施された前橋市自然環境調査の確認種を記した。
注4)H17基礎調査には、平成17年度に実施された前橋市自然環境基礎調査(大胡・宮城・粕川)の確認種を記した。
注5)H22調査には、平成22年度に実施された前橋市自然環境調査の確認種を記した。
注6)H22基礎調査には、平成22年度に実施された前橋市自然環境基礎調査(富士見)の確認種を記した。
注7)コウモリ目はバットディテクター、目視(飛翔個体)、糞によって確認されたもので、種の同定に至らなかった(ヒナコウモリ科を含む)。同目の種が確認されている場合には種数にカウントしていない。
注8)リス科は食痕(マツ)による確認で種の同定には至らなかった。同科の種が確認されている場合には種数にカウントしていない。
注9)ネズミ科は坑道・食痕・巣等による確認で種の同定には至らなかった。同科の種が確認されている場合には種数にカウントしていない。
注10)クマネズミ属は、死体及び足跡による確認であり、種の同定には至らなかった。なお、同属の種が確認されていないため種数にカウントしている。
注11)イタチ科は糞による確認で種の同定には至らなかった。テンもしくはイタチが確認されている場合には種数にカウントしていない。
注12)ウシ目は足跡による確認で種の同定には至らなかった。同目の種が確認されている場合には種数にカウントしていない。
注13)表中の「◯」は、上記の理由により種数にカウントしていないものを示す。
41
7種
13種
15種
10種
15種
10種
13種
17種
17種
3種
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 4.2-3 は虫類と両生類の確認種の経年比較
は虫類
調査地点(№)/調査年度
№
科名
1
種名
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
H10 H17 H27 H10 H22 H10 H17 H27 H10 H22 H10 H17 H27 H10 H22 H10 H17 H27 H10 H22 H10 H17 H27 H10 H17 H27 H10 H22 H27 H10 H22 H10 H17 H27 H10 H22 H10 H22 H10 H17 H22 H27 H10 H22 H17 H27 H17 H22 H27 H17 H22 H27 H17 H27 H17 H22 H17 H27 H22 H22 H27 H22 H27
基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 基礎 調査 基礎 調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査 調査
調査
1
イシガメ科
クサガメ
2
ヌマガメ科
ミシシッピアカミミガメ
3
ヤモリ科
ニホンヤモリ
4
トカゲ科
ヒガシニホントカゲ
●
5
カナヘビ科
ニホンカナヘビ
●
●
●
●
6
シマヘビ
●
7
アオダイショウ
●
8
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
ジムグリ
●
シロマダラ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
H27新規 H27未確
確認種
認種
●
ナミヘビ科
9
10
ヒバカリ
●
●
11
ヤマカガシ
●
●
2種
6科
3種
4種
0種
1種
1種
3種
4種
0種
2種
3種
3種
4種
●
●
●
●
●
0種
1種
4種
●
●
●
3種
6種
1種
4種
3種
2種
3種
0種
1種
4種
1種
4種
6種
●
●
1種
4種
●
2種
2種
4種
1種
6種
●
1種
2種
3種
4種
4種
4種
2種
3種
●
●
●
●
●
4種
5種
●
2種
5種
●
●
0種
2種
●
●
3種
5種
●
●
3種
●
●
●
3種
2種
4種
2種
3種
●
●
●
4種
5種 5種
●
●
6種
4種
11種
0種
6種
1種
4種
2種
6種
1種
8種
4種
4種
4種
6種
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
4種
6種
6種
2種
6種
4種
5種
5種
0種
5種
5種
4種
4種
4種
6種
6種
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
0種
両生類
調査地点(№)/調査年度
№
科名
種名
12
13
14
H10 H17 H27 H10 H22 H10 H17 H27 H10 H22 H10 H17 H27 H10 H22 H10 H17 H27 H10 H22 H10 H17 H27 H10 H17 H27 H10 H22 H27 H10 H22 H10 H17 H27 H10 H22 H10 H22 H10 H17 H22 H27 H10 H22 H17 H27 H17 H22 H27 H17 H22 H27 H17 H27 H17 H22 H17 H27 H22 H22 H27 H22 H27
基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 調査 基礎 基礎 調査 基礎 調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査
調査 調査
調査
1
サンショウウオ科
ハコネサンショウウオ
2
イモリ科
アカハライモリ
3
ヒキガエル科
アズマヒキガエル
4
アマガエル科
ニホンアマガエル
5
タゴガエル
6
ニホンアカガエル
7
ヤマアカガエル
8
アカガエル科
ウシガエル
10
ツチガエル
-
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
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●
●
●
●
●
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●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
◯
シュレーゲルアオガエル
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
アカガエル科
11
●
●
トウキョウダルマガエル
9
H27新規 H27未確
確認種
認種
◯
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
アオガエル科
12
カジカガエル
●
1種 2種 3種 1種 1種 3種 2種 2種 2種 2種 2種 5種 5種 1種 2種 4種 4種 4種 2種 2種 0種 1種 1種 2種 2種 2種 3種 3種 5種 1種 3種 3種 3種 4種 2種 3種 0種 1種 4種 1種 1種 3種 2種 1種 6種 6種 3種 4種 1種 3種 4種 2種 4種 6種 6種 4種 2種 3種 6種 3種 3種 6種 4種
6科
12種
0種
4種
1種
3種
2種
6種
1種
6種
3種
1種
2種
5種
3種
注1)科名、種名、配列は「河川水辺の国勢調査のための生物リスト平成26年度版」に従った。
注2)H10基礎調査には、平成9年度及び平成10年度に実施された前橋市自然環境基礎調査(旧市域)の確認種を記した。
注3)H17調査には、平成17年度に実施された前橋市自然環境調査の確認種を記した。
注4)H17基礎調査には、平成17年度に実施された前橋市自然環境基礎調査(大胡・宮城・粕川)の確認種を記した。
注5)H22調査には、平成22年度に実施された前橋市自然環境調査の確認種を記した。
注6)H22基礎調査には、平成22年度に実施された前橋市自然環境基礎調査(富士見)の確認種を記した。
注7)アカガエル科は上陸直後の幼体及び卵塊による確認で種の同定には至らなかった。
注8)表中の「◯」は、上記の理由により種数にカウントしないものを示す。
42
4種
3種
1種
6種
2種
6種
5種
1種
4種
6種
6種
3種
6種
3種
7種
3種
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
認されているが、その後いずれの地点でも確認されていない。これらの種は、個体数が少な
かったり、生息地が局所的であるため確認できなかったと考えられる。ハタネズミは平成
17 年度自然環境基礎調査時に№19、平成 22 年度自然環境調査時に№16、平成 22 年度自然
環境基礎調査時に№27 で確認されている。本年度調査ではこれらの地点でトラップ調査を
実施していないため確認できなかったが、現在もこれらの地点に生息していると考えられる。
②は虫類
市内全域でみると、確認種数の合計は、自然環境基礎調査(平成 9・10 年度、平成 17 年
度、平成 22 年度)で 9 種、平成 17 年度自然環境調査で 8 種、平成 22 年度自然環境調査で
8 種であるのに対し、本年度調査では 11 種である(図 4.2-1 参照)
。
本年度調査で実施した地点を比較すると、
過年度調査よりも確認種数が増加した地点は№
1、№3、№5、№7、№9、№10、№11、№13、№18、№21、№24 の 11 地点である(表 4.2-3、
表 4.2-4 参照)
。確認種数が同じ地点は№16、№22、№26 の 3 地点、確認種数が減少した地
点は№27 の 1 地点である。
確認種数が増加した地点のうち、№3、№10、№13 の 3 地点については外来種であるミ
シシッピアカミミガメが新たに確認された地点である。
確認種数が減少した№27 については、調査範囲の一部において過年度調査と比べて植生
の変化がみられた。過年度調査では水田(水田雑草群落)であった地域が本年度調査では消
失し、低茎草地になっていた。生息環境が変化したことにより、確認種数が減少した可能性
が考えられる。
本年度調査で新たに確認された種及び、
過年度調査で確認されたが本年度調査で確認され
なかった種はなかった。
表 4.2-4 は虫類の確認種数の増減と調査方法との対応
過年度との種数比較
確認種数が増加した地点
確認種数が同じ地点
確認種数が減少した地点
過年度との調査方法比較
調査地点番号(№)
調査方法が増えた地点
7
調査方法が同じ地点
1、3、5、9、10、13、18、21、24
調査方法が減った地点
11
調査方法が増えた地点
16
調査方法が同じ地点
22、26
調査方法が減った地点
―
調査方法が増えた地点
―
調査方法が同じ地点
27
調査方法が減った地点
―
注)№20 では過年度調査は実施されていないので比較対象外とした。
43
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
③両生類
市内全域でみると、確認種数の合計は、自然環境基礎調査(平成 9・10 年度、平成 17 年
度、平成 22 年度)で 12 種、平成 17 年度自然環境調査で 7 種、平成 22 年度自然環境調査
で 10 種であるのに対し、本年度調査では 9 種である。
本年度調査で実施した地点を比較すると、
過年度調査よりも確認種数が増加した地点は№
1、№11、№13、№16、№22、№24、の 6 地点である(表 4.2-3、表 4.2-5 参照)。確認種数
が同じ地点は№3、№5、№7、№9、№10、№18、№26 の 7 地点、確認種数が減少した地点
は№21 と№27 の 2 地点で、約半数の地点において種数の変化はみられなかった。
確認種数が増加した地点のうち、№11、№24 の 2 地点については外来種であるウシガエ
ルが新たに確認された地点である。
確認種数が減少した地点のうち№27 については、調査範囲の一部において過年度調査と
比べて植生の変化がみられた。過年度調査では水田(水田雑草群落)であった地域が本年度
調査では消失し、
低茎草地になっていた。
両生類の繁殖に適した水域が消失したことにより、
確認種数が減少した可能性が考えられる。
本年度調査で新たに確認された種はなかった。一方、過年度調査で確認されたが、本年度
調査で確認されなかった種は、ハコネサンショウウオ、アカハライモリ、カジカガエルの 3
種である。ハコネサンショウウオについては、平成 22 年度基礎調査時に№25 で、カジカガ
エルについては、
平成 17 年度基礎調査及び平成 22 年度調査時に№23 で確認されているが、
どちらも本年度調査の対象外の地点である。
両種とも市内での生息は極めて局所的であると
考えられる。アカハライモリについては、平成9・10 年度自然環境基礎調査時に№16(利
根川右岸の崖下の湧水)でのみ確認されているが、生息に適した環境が残っていないことか
ら生息が困難になったものと考えられる。
表 4.2-5 両生類の確認種数の増減と調査方法との対応
過年度との種数比較
確認種数が増加した地点
確認種数が同じ地点
確認種数が減少した地点
過年度との調査方法比較
調査地点番号(№)
調査方法が増えた地点
1、11、16
調査方法が同じ地点
13、22
調査方法が減った地点
24
調査方法が増えた地点
3、5、7、9、10、26
調査方法が同じ地点
18
調査方法が減った地点
―
調査方法が増えた地点
27
調査方法が同じ地点
21
調査方法が減った地点
―
注)№20 では過年度調査は実施されていないので比較対象外とした。
44
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
2)重要種の確認状況
過年度調査及び本年度調査で実施した全 27 地点において、これまでに確認された重要種
の一覧を表 4.2-6 に示した。平成 9・10 年度自然環境基礎調査では、前橋市自然環境保全推
進委員会で指摘があった種を注目種として抽出しており、哺乳類のタヌキと両生類のアカハ
ライモリが挙げられた。このため、これら 2 種も含めて確認状況を整理した。
過年度調査及び本年度調査では、重要種として哺乳類 10 種、は虫類 3 種、両生類 5 種を
確認した。これまでに№2 及び№15 を除く 25 地点で重要種を確認しており、本年度調査の
対象地点では全ての地点で重要種を確認した。地点ごとの確認状況に多少の変化がみられる
が、確認種の種構成やその生息環境から判断して、市内全域では重要種の顕著な減少を示す
結果は得られなかった。
①哺乳類
哺乳類については、8 科 10 種の重要種がこれまでに確認されており、本年度調査ではこ
のうち 9 種を確認した。本年度調査で新たに確認した重要種は、コテングコウモリとアナ
グマの 2 種である。コテングコウモリは№26 の 1 地点で、アナグマは№1、№18、№20、
№26 の 4 地点で確認した。どちらも以前から市内に生息しており、本年度調査で初めて確
認されたものと考えられる。
継続的に生息を確認した種のうち、
タヌキとイタチについては本年度調査においても多く
の地点で確認しており、市内の広い範囲に生息しているものと考えられる。ムササビ、ツキ
ノワグマ、テン、カモシカについては、№18、№20、№21、№22、№26、№27 といった調
査地点で生息を確認した。
これらの種は、
山地環境や樹林環境に依存して生息しているため、
市内での生息は、
市内北部の山地環境やまとまった樹林を有する地域に限定されていると考
えられる。カヤネズミについては、№7 と№18 の高茎草地で生息を確認した。本種は水辺
のヨシやチガヤ等が密生する高茎草地に依存して生息しているため、
市内での生息は極めて
限定的かつ局所的であると考えられる。
一方、過年度調査で確認されたが本年度調査で確認されなかった種は、カワネズミ 1 種
である。本種は平成 17 年度自然環境基礎調査において№23 で確認されたが、その後いずれ
の地点でも確認されていない。本種は、もともと個体数の少ない種であり、また、フィール
ドサイン法での確認が困難な種であるため、
本種を対象としたトラップ調査や自動撮影調査
を実施することにより確認される可能性がある。
②は虫類
は虫類については、3 科 3 種の重要種がこれまでに確認されており、本年度調査では全 3
種を確認した。
クサガメは、平成 17 年度調査において№16 の敷島公園の池で確認されたが、平成 22 年
度調査以降確認されていない。
同じ池に生息する外来種のミシシッピアカミミガメとの競合
等による影響により生息が困難になった可能性が考えられる。本年度調査では№13 の池や
沼において新たに確認した。
以前より生息していた個体が今回新たに確認された可能性もあ
45
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
るが、飼育個体が本地点に放逐された可能性も考えられる。ニホンヤモリについては、平成
17 年度自然環境調査において№9 で確認されており、本年度調査でも同地点で生息を確認
した。個体数は少ないものの前橋市街地を中心に生息しているものと考えられる。シロマダ
ラについては、平成 22 年度自然環境調査(基礎調査含む)において№17 と№26 の 2 地点
で確認された。本年度調査では№7、№21、№24 の 3 地点で生息を確認した。本種は主に
夜行性で、昼間は石垣の中や倒木の下などに隠れているため、日中の現地踏査では確認され
にくい種である。このため確認地点数は少ないが、以前から市内に生息していたものと考え
られる。本年度調査で新たに確認された重要種及び、過年度調査で確認されたが本年度調査
で確認できなかった重要種はなかった。
③両生類
両生類については、3 科 5 種の重要種がこれまでに確認されており、本年度調査ではこの
うち 3 種を確認した。本年度調査で確認されたかった重要種はアカハライモリとカジカガ
エルの 2 種である。
アカハライモリについては、平成 9・10 年度自然環境基礎調査において№16 の利根川右
岸の崖下にある湧水池で確認されたが、平成 17 年度調査以降確認されておらず、本年度調
査でも生息を確認できなかった。
同地点において本種の生息に適した水辺が見当たらないこ
とから、生息地が消失してしまった可能性が考えられる。
カジカガエルについては、平成 17 年度自然環境基礎調査及び、平成 22 年度自然環境調
査において№23 で継続的に生息が確認されたが、他の地点では生息は確認されていない。
本種は 5~6 月の繁殖期に渓流沿いで特徴的な鳴き声を発するため、比較的に現地踏査で確
認しやすい種である。したがって、過年度調査及び本年度調査の確認状況からみると、市内
での生息状況は極めて局所的であると考えられる。
ニホンアカガエルについては、平成 9・10 年度に実施した自然環境基礎調査以降に№5、
№7、№16、№18、№19、№25、№27 の 7 地点で確認しており、本年度調査でもこのうち
対象地点である 5 地点中 4 地点で確認した。本年度調査で生息が確認されなかった№16 に
ついては、
アカハライモリ同様に生息地の消失等により確認されなくなったものと考えられ
る。
トウキョウダルマガエルについては、平成 9・10 年度に実施した自然環境基礎調査以降
に№1、№3、№4、№5、№6、№8、№10、№11、№12、№13、№14、№16、№18、№19、
№22、№24 の 16 地点で確認しており、本年度調査でもこのうち対象地点である 10 地点全
てで確認した。
低地から山麓にかけての池沼や耕作地を中心に広く市内に生息しているもの
と考えられる。
ツチガエルについては、平成 9・10 年度に実施した自然環境基礎調査以降に№1、№5、
№11、№13、№18、№19、№22、№23、№25、№27 の 10 地点で確認しており、本年度調
査でもこのうち対象地点である 7 地点全てで確認した。低地から山麓にかけての池沼や河
川を中心に広く市内に生息しているものと考えられる。
46
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
3)外来種の確認状況
過年度調査及び本年度調査で実施した全 27 地点において、これまでに確認した外来種の
一覧を表 4.2-6 に、各種の確認状況を図 4.2-2 に示した。過年度調査及び本年度調査により
確認した種のうち哺乳類 2 種、は虫類 1 種、両生類 1 種が外来種に該当した。№4 及び№
21 を除く 25 地点で外来種が確認されており、本年度調査の対象地点では全ての地点で外来
種を確認した。各種の確認状況を以下に示した。
①哺乳類
アライグマについては、平成 22 年度調査時に№8 で初めて確認された。本年度調査では
№1、№3、№5、№7、№9、№10、№11、№13、№18、№24 の合計 10 地点で生息を確認
しており、市内で急激に分布を拡大しつつあると考えられる。県内では 1994 年以降、玉村
町、吉岡町、長野原町、嬬恋村、前橋市、太田市、藤岡市等で生息が確認されており、2007
年度以降に捕獲頭数が増加している。今後も市内で分布が拡大する可能性が高く、生態系へ
の影響が懸念される。
ハクビシンについては、平成 17 年度調査(基礎調査含む)では№1、№5、№16、№18、
№19 の 5 地点で、平成 22 年度調査(基礎調査含む)では№2、№6、№8、№11、№12、№
14、№15、№16、№17、№19、№23、№25、№26 の 13 地点で確認された。本年度調査で
は№10 と№21 を除く合計 14 地点で生息を確認しており、本種は既に市内全域に広く生息
しているものと考えられる。県内では 1997 年頃から県中央部を中心に確認件数が増え始め
た。その後、2009 年頃までには中山間地域のほか、前橋市や、高崎市等の都市部を中心に
ほぼ県内全域に分布を拡大した。今後は生息数の増加や高密度化が懸念される。
②は虫類
ミシシッピアカミミガメについては、平成 9・10 年度調査では№7 の 1 地点で、平成 17
年度調査(基礎調査含む)では№16 の 1 地点で、平成 22 年度調査(基礎調査含む)では
№8、№16 の 2 地点で確認された。本年度調査では、№3、№10、№13、№16 の 4 地点で
確認しており、確認地点数が増加している。県内では、高崎市の鏑川や藤岡市の神流川沿い
で生息の記録があるが、詳細な生息状況は不明である。分布の拡大による生態系への影響が
懸念される。
③両生類
ウシガエルについては、平成 9・10 年度調査では№3、№7、№13、№16 の 4 地点で、平
成 17 年度調査(基礎調査含む)では№5、№7、№13、№16 の 4 地点で、平成 22 年度調査
(基礎調査含む)では、№8、№12、№14、№16 の 4 地点で確認された。本年度調査では
№7、№11、№13、№16、№24 の 5 地点で確認しており、市街地及び郊外の河川や池沼を
中心に分布を拡大していると考えられる。今後も市内で分布が拡大する可能性が高く、生態
系への影響が懸念される。
47
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 4.2-6 重要種と外来種の経年比較
重要種
調査地区(№)/調査年度
1
№ 調査対象
科名
種名
1
トガリネズミ科
カワネズミ
2
ヒナコウモリ科
コテングコウモリ
3
リス科
ムササビ
4
ネズミ科
カヤネズミ
クマ科
ツキノワグマ
イヌ科
タヌキ
5
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
重要種選定基準
13
14
15
16
17
18
19
21
20
22
23
24
26
25
27
H10
H17
H27
H10
H22
H10
H17
H27
H10
H22
H10
H17
H27
H10
H22
H10
H17
H27
H10
H22
H10
H17
H27
H10
H17
H27
H10
H22
H27
H10
H22
H10
H17
H27
H10
H22
H10
H22
H10
H17
H22
H27
H10
H22
H17
H27
H17
H22
H27
H17
H22
H27
H17
H27
H17
H22
H17
H27
H22
H22
H27
H22
H27
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
①
②
CR
●
●
●
●
●
●
④
NT
●
●
③
●
●
●
●
●
●
NT
●
VU
●
●
●
●
●
●
●
●
DD
●
哺乳類
6
7
イタチ科
9
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
アナグマ
ウシ科
カモシカ
11
イシガメ科
クサガメ
は虫類
●
ニホンヤモリ
シロマダラ
14
イモリ科
アカハライモリ
18
アオガエル科
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
NT
DD
●
●
DD
●
●
●
特
DD
NT
●
VU
●
●
●
NT
●
NT
●
●
トウキョウダルマガエル
●
ツチガエル
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
カジカガエル
0種
14科
●
●
●
ニホンアカガエル
17
●
●
ナミヘビ科
アカガエル科
●
●
ヤモリ科
両生類
●
●
13
15
●
●
イタチ
10
16
●
テン
8
12
●
1種
4種
0種
0種
1種
1種
2種
1種
1種
3種
3種
5種
0種
1種
2種
1種
4種
1種
2種
0種
2種
3種
1種
3種
3種
2種
3種
4種
0種
3種
2種
2種
5種
1種
3種
0種
0種
2種
3種
2種
3種
0種
2種
6種
8種
3種
5種
4種
1種
4種
4種
2種
4種
●
●
NT
●
●
●
5種
7種
DD
2種
4種
5種
4種
5種
3種
6種
1種
0種
2種
1種
5種
1種
5種
3種
3種
3種
4種
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
3種
5種
VU
VU
●
18種
4種
●
VU
●
●
●
VU
3種
0種
6種
2種
8種
5種
4種
7種
4種
9種
4種
5種
7種
7種
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
2種
17種
2種
外来種
調査地区(№)/調査年度
№
調
査
対
象
1
科名
種名
アライグマ科
アライグマ
ジャコウネコ科
ハクビシン
12
外来種選定基準
13
H10
H17
H27
H10
H22
H10
H17
H27
H10
H22
H10
H17
H27
H10
H22
H10
H17
H27
H10
H22
H10
H17
H27
H10
H17
H27
H10
H22
H27
H10
H22
H10
H17
H27
H10
H22
H10
H22
H10
H17
H22
H27
H10
H22
H17
H27
H17
H22
H27
H17
H22
H27
H17
H27
H17
H22
H17
H27
H22
H22
H27
H22
H27
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
基礎
調査
調査
基礎
調査
調査
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
①
②
特定
緊急
哺乳類
2
●
3
は虫類
ヌマガメ科
ミシシッピアカミミガメ
4
両生類
アカガエル科
ウシガエル
●
●
●
●
●
●
●
●
0種
4科
●
1種
2種
0種
1種
1種
●
0種
3種
0種
0種
0種
2種
2種
0種
1種
●
●
●
●
●
2種
1種
3種
4種
●
●
●
0種
0種
2種
0種
0種
2種
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
1種
3種
3種
3種
●
●
0種
●
●
0種
1種
3種
0種
●
●
●
●
2種
1種
1種
4種
●
0種
2種
0種
1種
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
緊急
●
0種
1種
1種
2種
1種
1種
1種
0種
0種
0種
0種
1種
0種
1種
0種
3種
1種
1種
1種
0種
1種
4種
0種
3種
1種
4種
4種
2種
2種
3種
3種
4種
2種
1種
3種
1種
2種
1種
1種
0種
1種
注1)科名、種名、配列は「河川水辺の国勢調査のための生物リスト平成26年度版」に従った。
注2)H10基礎調査には、平成9年度及び平成10年度に実施された前橋市自然環境基礎調査(旧市域)の確認種を記した。
注3)H17調査には、平成17年度に実施された前橋市自然環境調査の確認種を記した。
注4)H17基礎調査には、平成17年度に実施された前橋市自然環境基礎調査(大胡・宮城・粕川)の確認種を記した。
注5)H22調査には、平成22年度に実施された前橋市自然環境調査の確認種を記した。
注6)H22基礎調査には、平成22年度に実施された前橋市自然環境基礎調査(富士見)の確認種を記した。
注7)重要種の選定基準は①~④の資料に従った。
①文化財保護法(昭和25年 法律第214号)により以下のカテゴリーに該当する種 特:特別天然記念物、天:天然記念物
②レッドリスト2015(環境省, 2015年公開)により以下のカテゴリーに該当する種 EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU: 絶滅危惧Ⅱ類、NT: 準絶滅危惧、DD:情報不足、 LP:絶滅のおそれのある地域個体群
③群馬県動物レッドリスト(群馬県, 2012年改訂版)により以下のカテゴリーに該当する種 EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、CR:絶滅危惧ⅠA類、EN:絶滅危惧ⅠB類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足
④基礎調査(平成9・10年度)の注目種:基礎調査では前橋市自然環境保全推進委員会で指摘があった種を注目種として抽出している。
注8)外来種の選定基準は①~②の資料に従った。
①特定外来等生物一覧(環境省, 2015年3月更新)により以下のカテゴリーに該当する種 特定:特定外来生物、 未判:未判定外来生物
②生態系被害防止外来種リスト(環境省, 2015年3月公開)により以下のカテゴリーに該当する種 侵予:侵入予防外来種、他定:その他の定着予防外来種、緊急:緊急対策外来種、重点:重点対策外来種、他総:その他の総合対策外来種、産業:産業管理外来種
48
1種
3種
1種
1種
特定
重点
2種
4種
1種
4種
2種
重点
●
1種
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
種名 アライグマ(アライグマ科)
県内分布図
県内分布図は、以下の資料より作成した。
・群馬県立自然史博物館編(2009)侵入する生物たち ぐんまの自然ハンドブック№1
・2010 年度狩猟及び有害捕獲データ
図 4.2-2(1) 外来種の市内及び県内の分布状況
49
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
種名 ハクビシン(ジャコウネコ科)
県内分布図
県内分布図は以下の資料を元に作成した。
・2007 年度から 2010 年度にかけての狩猟データ
図 4.2-2(2) 外来種の市内及び県内の分布状況
50
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
種名 ミシシッピアカミミガメ(ヌマガメ科)
県内分布図
県内分布図は、以下の資料より作成した。
・国土交通省水管理・国土保全局河川環境課(2015)平成 25 年度河川 水辺の国勢調査結果の
概要:河川環境データベースホームページ
図 4.2-2(3) 外来種の市内及び県内の分布状況
51
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
種名 ウシガエル(アカガエル科)
県内分布図
県内分布図は、以下の資料より作成した。
・群馬県立自然史博物館編(2009)侵入する生物たち ぐんまの自然ハンドブック№1
図 4.2-2(4) 外来種の市内及び県内の分布状況
52
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
5.調査結果の概要(まとめ)
本年度調査のまとめとして、地点別の確認種数、重要種、外来種を表 5-1 に示した。確認
した種のうち、アズマモグラ、コウモリ目、アカネズミ、タヌキ、キツネ、ハクビシン、ヒ
ガシニホントカゲ、ニホンカナヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシの 10 種は市内全域に広
く生息しているといえる。
植生によって、調査地点を 4 つの地域に区分し、各地域で確認された代表的な生息種を
整理した。地域の区分は、№20、№21、№26、№27 の 4 地点を「樹林が多い地域」、№5、
№7、№18、№22 の 4 地点を「樹林・耕作地など環境が多様な地域」
、№1、№10、№11、
№13、№24 の 5 地点を「耕作地(水田・畑)が多い地域」
、№3、№9、№16 の 3 地点を「住
宅地など建物が多い地域」とした。
「樹林が多い地域」で確認された種のうち、キクガシラコウモリ、コテングコウモリ、ニ
ホンリス、ムササビ、ツキノワグマ、カモシカ、タゴガエル、ヤマアカガエルといった樹林
性や山地性の種が本地域に特徴的な種(他の地域では生息していない、もしくはあまり見ら
れない種)として挙げられる。
「樹林・耕作地など環境が多様な地域」で確認された種のうち、カヤネズミ、ニホンアカ
ガエルといった里山環境を好む種が本地域に特徴的な種として挙げられる。
「耕作地(水田・畑)が多い地域」で確認された種のうち、主に耕作地や荒れ地、河川敷
等に生息するハツカネズミが本地域に特徴的な種として挙げられる。
「住宅地など建物が多い地域」で確認された種のうち、主に都市部の民家や寺院等に生息
するニホンヤモリが本地域に特徴的な種として挙げられる。
「樹林が多い地域」から「樹林・耕作地など環境が多様な地域」にかけての市内北部では
主にノウサギ、ヒメネズミ、テン、イノシシ、ホンドジカ、アズマヒキガエルといった種が
広く生息している。
「樹林、耕作地など環境が多様な地域」から「耕作地(水田・畑)が多い地域」や、「住
宅地など建物が多い地域」にかけての市内南部では、主にアライグマ、イタチ、ヒバカリ、
ニホンアマガエル、トウキョウダルマガエル、ツチガエル、シュレーゲルアオガエルといっ
た種が広く生息している。
各地域に特徴的な種及び、市内北部の代表的な生息種、市内南部の代表的な生息種、市内
全域に生息する種を表 5-2 と図 5-1 に示した。
53
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 5-1(1) 地点別の確認種数と、重要種および外来種の確認状況
地区
地点
番号
確認種数
重要種
外来種
清里・総
社
1
哺乳類:10 種
は虫類:4 種
両生類:3 種
アナグマ、
トウキョウダルマガエル、
ツチガエル
アライグマ、
ハクビシン
元総社・
東
3
哺乳類:7 種
は虫類:4 種
両生類:2 種
トウキョウダルマガエル
アライグマ、
ハクビシン、
ミシシッピアカミミガメ
南橘
5
哺乳類:10 種
は虫類:4 種
両生類:5 種
イタチ、ニホンアカガエル、
トウキョウダルマガエル、
ツチガエル
アライグマ、
ハクビシン
芳賀
7
哺乳類:10 種
は虫類:6 種
両生類:4 種
カヤネズミ、
シロマダラ、
ニホンアカガエル
アライグマ、
ハクビシン、
ウシガエル
本庁
9
哺乳類:7 種
は虫類:3 種
両生類:1 種
イタチ、
ニホンヤモリ
アライグマ、
ハクビシン
上川淵・
下川淵
10
哺乳類:8 種
は虫類:4 種
両生類:2 種
イタチ、
トウキョウダルマガエル
アライグマ、
ミシシッピアカミミガメ
11
哺乳類:7 種
は虫類:6 種
両生類:5 種
イタチ、
トウキョウダルマガエル、
ツチガエル
アライグマ、
ハクビシン、
ウシガエル
13
哺乳類:9 種
は虫類:4 種
両生類:4 種
イタチ、クサガメ、
トウキョウダルマガエル、
ツチガエル
アライグマ、
ハクビシン、
ミシシッピアカミミガメ、
ウシガエル
16
哺乳類:5 種
は虫類:4 種
両生類:3 種
イタチ、
トウキョウダルマガエル
ハクビシン、
ミシシッピアカミミガメ、
ウシガエル
アライグマ、
ハクビシン
ハクビシン
桂萱・永
明・城南
利根川-
敷島公園
付近
大胡
18
哺乳類:12 種
は虫類:5 種
両生類:6 種
カヤネズミ、テン、
イタチ、アナグマ、
ニホンアカガエル、
トウキョウダルマガエル、
ツチガエル
宮城
20
哺乳類:12 種
は虫類:0 種
両生類:1 種
ツキノワグマ、
テン、
アナグマ
54
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
表 5-1(2) 地点別の確認種数と、重要種および外来種の確認状況
地区
地点
重要種
外来種
21
哺乳類:9 種
は虫類:5 種
両生類:2 種
ムササビ、
ツキノワグマ、
シロマダラ
確認なし
22
哺乳類:9 種
は虫類:3 種
両生類:6 種
テン、
トウキョウダルマガエル、
ツチガエル
ハクビシン
24
哺乳類:9 種
は虫類:3 種
両生類:3 種
イタチ、
シロマダラ、
トウキョウダルマガエル
アライグマ、
ハクビシン、
ウシガエル
26
哺乳類:15 種
は虫類:5 種
両生類:3 種
コテングコウモリ、
ムササビ、
テン、アナグマ
ハクビシン
27
哺乳類:12 種
は虫類:4 種
両生類:4 種
ムササビ、テン、カモシカ、
ニホンアカガエル、
ツチガエル
ハクビシン
宮城
粕川
確認種数
番号
富士見
表 5-2 植生による地域区分と生息種
地点№
各地域に特徴的な生
息種
20、
21、
26、27
キクガシラコウモリ、
コテングコウモリ、
ニホンリス、
ムササビ、
ツキノワグマ、
カモシカ、
タゴガエル、
ヤマアカガエル
樹林・耕作地など環
境が多様な地域
5、7、
18、22
カヤネズミ、
ニホンアカガエル
耕作地(水田・畑)
が多い地域
1、10、
11、
13、24
ハツカネズミ
住宅地など建物が
多い地域
3、9、
16
ニホンヤモリ
地域
樹林が多い地域
北部から中央部の
代表的な生息種
中央部から南部の代表
的な生息種
ノウサギ、
ヒメネズミ、
テン、
イノシシ、
ホンドジカ、
アズマヒキガエル
アライグマ、
イタチ、
ヒバカリ、
ニホンアマガエル、
トウキョウダルマガエル、
ツチガエル、
シュレーゲルアオガエル
55
市内全域に生息する
種
アズマモグラ、
コウモリ目、
アカネズミ、
タヌキ、
キツネ、
ハクビシン、
ヒガシニホントカゲ、
ニホンカナヘビ、
アオダイショウ、
ヤマカガシ
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)業務
○特徴的な生息種
キクガシラコウモリ、
コテングコウモリ、
ニホンリス、
ムササビ、
ツキノワグマ、
カモシカ、
タゴガエル
ヤマアカガエル
◯市内北部の
代表的な生息種
ノウサギ、
ヒメネズミ、
テン、イノシシ、
ホンドジカ、
アズマヒキガエル
○特徴的な生息種
カヤネズミ、
ニホンアカガエル
◯市内南部の
代表的な生息種
アライグマ、イタチ、
ヒバカリ、
ニホンアマガエル、
トウキョウダルマガエル、
ツチガエル、
シュレーゲルアオガエル
○特徴的な生息種
ニホンヤモリ
○特徴的な生息種
ハツカネズミ
◯市内全域に広く生息する種
アズマモグラ、コウモリ目、
アカネズミ、タヌキ、
キツネ、ハクビシン、
ヒガシニホントカゲ、
ニホンカナヘビ、アオダイショウ、
ヤマカガシ
:樹林が多い地域
:樹林・耕作地など環境が多様な地域
:耕作地(水田・畑)が多い地域
:住宅地など建物が多い地域
図 5-1 植生による地域区分と生息種
56
前橋市自然環境調査(哺乳類・は虫類・両生類)報告書
平成 28 年 3 月
発
行
前橋市
〒371-8601
群馬県前橋市大手町二丁目 12 番 1 号
電話 027-224-1111
調査委託
株式会社緑生研究所
〒182-0026
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