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Annual Report2000

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Annual Report2000
Annual Report
2000
All Nippon Airways Co., Ltd.
全日空 アニュアルレポート 2000
財務ハイライト
全日本空輸株式会社及び連結子会社
単位:百万円
(一株当り金額を除く)
2000 年
1999 年
営業収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税金及び少数株主持分損益等調整前当期純利益
(損失). . . . . . . . . . . . .
当期純利益
(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,209,647
1,178,088
31,559
(22,689)
(15,201)
¥1,070,773
1,075,934
(5,161)
(2,430)
(4,732)
一株当り:
当期純利益
(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥(10.54)
¥(3.28)
発行済株式数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,442,725,111
1,442,725,111
3 月31 日に終了した 1年間
注記:2000年3 月31 日現在の連結子会社は 115社、持分法適用会社は33 社です。
将来予測表記に関する特記
当アニュアルレポートには、
全日空
(ANA)
の現在の計
場は状況変化が激しく、技術、需要、価格、経済環境の動
画、
見積り、
戦略、
確信に基づく見通しについての記述が
向、
外国為替レートの変動、
その他多くの要因により急激
ありますが、
歴史的な事実でないものは、
全て将来の業績
な変化が発生する可能性があります。
これらのリスクと
に関わる見通しです。
これらは現在入手可能な情報から
不確実性のために、
将来における当社の業績は、
当アニュ
得られた当社の経営陣の判断および仮説に基づいていま
アルレポートに記述された内容と大きく異なる可能性が
す。当社の主要事業である航空運送事業には、空港使用
あります。
従って、
当アニュアルレポートにおいて当社が
料、
燃料税等、
当社の経営努力では管理不可能な公的負担
設定した目標は、
全て実現することを保証しているもの
コストが伴います。
また、
当社が事業活動を行っている市
ではありません。
目 次
1 ANA’s Challenges and Competitive Advantages
ANA のチャレンジと優位性
8 社長インタビュー
ANA’s Scenario for Future Growth
16
28
29
30
32
33
財務分析
ANA グループ
事業所一覧
路線図
役員一覧
投資家情報
ANAのチャレンジと優位性
全日空は、
強固な事業基盤を有
する国内線はもとより、
国際線にお
いても「信頼の翼」としてお客様か
ら高い評価をいただいている、
日本
を代表する航空会社です。航空
サービスの基本品質である、安全性、快適性、定時性、利便性
の向上にたゆまぬ努力を続ける全日空は、長年にわたって築き
上げてきたANAブランドへの信頼と、持ち前のチャレンジ精神
を武器に、市場競争力の強化に努めています。航空法の改正
による運賃自由化など、
まさに本格的な自由競争時代に突入し
た航空業界ですが、
当社はこれを将来の成長に向けたビジネス
© JEPPESEN SANDERSON, INC.
チャンスととらえ、積極的な事業戦略を展開しています。
1
国内線市場における
優位性の強化
国内最大の航空路線ネットワークを有する全日
空は、国内線輸送実績において約50%のマーケッ
トシェア
(グループ会社含む)
を誇る日本を代表する
航空会社です。旅客数上位10路線の中で、
東京−
札幌間など7 つの路線でトップの地位にあるなど、
国内線市場で強固な事業基盤を築き上げていま
す。
また、
安全性をはじめとした高品質なサービスに
対するお客様からの評価は高く、
全日空は信頼のブ
ランドとして広く認知されています。現在、
全日空の
航空運送事業収入の約 7 割はこの国内線が占め
ており、当社の主力事業になっています。
いま日本の航空業界は、航空法の改正による規
制緩和により、本格的な自由競争時代に突入して
います。全日空はこれをビジネスチャンスととらえ、
マーケットインの発想による市場戦略の策定・実践
で、
新たな成長基盤づくりを進めています。例えば、
国内拠点空港である羽田空港は、年間旅客数が
5千万人を超える世界第6位の空港ですが、当社で
は羽田空港への路線集中戦略により、
国内線事業
の競争力強化と収益力向上を図っています。すで
に、
羽田空港で約45%
(グループ会社含む)
の発着
枠を有する全日空は、
新滑走路完成に伴う新規発
着枠配分でも1日当たり13便を獲得するなど、
その
競争優位性は他社をはるかに凌ぐ状況にあります。
2
A N A’s
Challenges
and
昨今の国内線旅客需要は、幹線を中心に復調
の兆しを見せていますが、中でも新幹線競合路線
は、
航空へのシフトが鮮明になってきています。
これ
を受け、2000年7月からは、地上交通を含め年間旅
客数が3,500万人にものぼる東京−大阪間にシャト
ル便(JAL、JASと共同)
を運航し、新幹線利用客
の獲得強化を進めています。一方、
ローカル線につ
いては、子会社であるエアーニッポン㈱への路線
移管を進める一方、同じく子会社のエアー北海道
(株)
では、
小型コミュータ機を活用した効率的で利
便性の高い路線網の再構築を図っています。
この
ように全日空は、国内航空業界における優位的地
位を生かしたさまざまな取り組みで、国内線事業の
強化・拡大を図っています。
3
Competitive
Advantages
スターアライアンス加盟による
国際競争力の向上
全日空は、国内線における強固な事業基盤を
ベースに、
国際線へも積極的な進出を図り、
総旅客
数(国内線・国際線の合計)
においてアジアで最
大、
世界で6番目の規模を誇る航空会社に成長しま
した。1998年にはインカンバント・キャリア※の地位を
獲得し、
ホノルル線(1998年10月)
やサンフランシス
コ線(1998年12月)、
シカゴ線(1999年4月)
を相次
いで就航するなど、
ビジネスチャンスを着実に拡大
しています。
さらに、1999年10月には世界最大規模
の航空企業連合「スターアライアンス
(P9 注 2 参
照)
」に加盟し、国際線における事業展開は新たな
ステージに入りました。アライアン
スにより、
全日空の国際線ネット
ワークは、
コードシェア便を含
め40都市、
100路線、週1,261
便(内、
自社便27都市、44路
線、週354便、2000年8月1日
現在)へと大きく拡大しました。
全日空はスターアライアンス加盟後、
国際線事業
における基本戦略を「量的拡大」から、
「質と収益
性」を重視した事業展開へと転換し、収益基盤の
再構築に取り組んでいます。スターアライアンス加
盟は当社の国際競争力を高め、新規顧客の獲得
チャンス増大につながると期待されることから、
その
4
A N A’s
Challenges
and
Competitive
Advantages
メリットを最大活用することを考えています。具体的
また、当社が国際線のハブ空港として路線集約
には、
コードシェアによる就航地・就航便数の拡大、
を進める成田空港は、2002年の新滑走路オープン
マイレージサービス提携によるアライアンス先顧客
を控え、新たなビジネスチャンスが見込める状況に
の全日空便利用促進、
予約から航空券購入、
搭乗、
あります。全日空は、
これを機に主力路線のデイリー
目的地到着までのシームレスサービス
(P12 注4参
運航化を図り、
収益力を高めていく計画です。加え
照)の提供による顧客満足度向上などです。
これら
て、
アライアンスパートナーとの相互補完による成長
はいずれも、
航空サービスの基本品質のひとつであ
戦略の推進で、国際線の事業基盤をより強固なも
る利便性の向上に大きく貢献すると同時に、
海外に
のとしていく考えです。
おける全日空のプレゼンス強化につながるものと期
待されています。
※インカンバント・キャリア
日米間および以遠区間の路線便数を、制限を受けることなく自由に設定できる航
空会社のこと。日本側は、全日空、
日本航空、
日本貨物航空の3社。米国側は、
ノー
スウエスト航空、ユナイテッド航空、
フェデラルエクスプレスの3社。
5
サービス、運賃面における
顧客価値の向上
全日空は、
サービスと運賃の両面において、
顧客
に常にベストバリューを提供することを経営の基本
方針とした事業展開を図っています。日経ビジネス
誌による「企業トップが選ぶベストエアライン」調査
でも4年連続で首位に輝くなど、当社が提供する高
品質サービスは、顧客から高い評価を受けていま
す。内外における航空会社間競争が激化する中、
当社は独自のブランド力を軸に、
高付加価値サービ
スの提供や顧客ニーズに即した運賃体系の充実
で、新たな企業価値創造に取り組んでいます。
サービス面では、特に国際線において収益性の
高いビジネスユーザーをメインターゲットとした戦略
を推進しています。期中には東京−シカゴ線と東京
−サンフランシスコ線に、
日本の航空会社としてい
ち早く最新鋭機B777-200ERを投入し、
より快適な
客室サービスの提供に努めました。シカゴ線の
B747-400への導入で話題を集めたバーカウンター
サービスやビジネスコーナーは、
B777-200ERにも取
り入れられ、
好評を博しています。
この他にも、
ファー
ストクラスやビジネスクラスへのオンデマンドビデオ
サービスの導入や、世界初となった機内炊飯の実
施など、顧客満足を第一に考えたサービスの拡充
で、全日空ファンを着実に増加させています。
6
A N A’s
Challenges
and
一方、
運賃の面では、
主に国内線において、
運賃
自由化と圧倒的な市場優位性を生かし、
需要動向
を踏まえた柔軟な運賃設定を進めています。
これに
よりお客様にはより有利な条件で、利用便選択の
幅を提供し、顧客価値の向上を図っています。
「超
割」
「特割」など各種割引運賃の効果的な設定・販
売は、
低迷を続けてきた需要を刺激し、
国内線収入
は本格的な回復基調に転じてきました。
さらに、
イン
ターネット販売やIT 技術を駆使した顧客アプロー
チで、全日空とお客様との接点を拡大する戦略を
並行して推進しています。全日空は、
これからも顧客
ロイヤルティの向上に向けた価値創造で、顧客基
盤の拡充を図っていきます。
7
Competitive
Advantages
社長インタビュー
ANA’s Scenario for Future Growth
当期の全日空グループの業績は、長引く景気の低迷や企業間
競争が激化する厳しい事業環境の中で、
旅客需要が徐々に回復
に転じるなど、
一部に明るさが感じられる状況下で推移しました。国
際線市場は、
観光需要に支えられ海外渡航者数が前期を上回り、
また国内線市場も各種割引運賃の浸透で需要喚起が図られ、期
の後半には旅客単価の下落に歯止めがかかりました。
これにより、全日空グループの売上高は、前期比13%増の1兆
2,096億円となりました。営業損益については、
グループ挙げての
費用削減努力や地方空港使用料を中心とした公租公課の減免
措置により大幅に改善し、営業利益は315 億円となりました。経
常損益については、資産除却損など営業外費用の増加等により
全日空は経常損失となりましたが、連結子会社の収支が大幅に
改善したことから、全体では前年を上回る14 億円の利益を計上
しました。
しかしながら、当期損益については、海外ホテル株式の
売却益等の特別利益および早期退職制度実施に伴う特別退職
金や資産の圧縮・整理等の特別損失を計上したあと、税効果会
計による税額調整等の結果、152億円の当期純損失のやむなき
に至りました。
当社では、当期より2003年3月期までの向こう4ヵ年にわたる
(注1)
「中期経営計画」
を策定し、経営体質や財務体質の抜本的
改革に向けた取り組みを行っています。
「選択と集中」の考えに
基づいた国内・国際線事業の路線再編による収益性の改善、販
売改革の実践による収入の極大化、効率的な事業運営体制の
構築によるコスト削減、投資の圧縮・資産効率向上による財務体
質の改善などがその柱になっていますが、
すでに当期からその成
果が徐々に表れてきています。
次期以降も改革の手綱を緩めることなく、
さらにそのスピードを
加速する意気込みで、
将来への成長基盤づくりに邁進したいと考
えています。株主、投資家の皆様には、倍旧のご支援をお願い申
し上げます。
2000年8月
代表取締役社長 野村吉三郎
8
An Interview with the President
市場動向
Q1
A1
当期の航空業界を取り巻く経
営環境と、全日空における航空
事業の概況をお話しください。
主力の国内線では、2000年2月に航空
Q2 そうした経営環境の中で、全
日空はどのような対応戦略を
講じていますか。
A2
(注 1)
「中期経営計画」の骨子 ■「選択と集中」の考え方に基づい
た国内・国際路線の再編による収
益性の向上
国内線については、
グループ内の協業
当社では、2003年3月期を最終年度と
化による事業運営の効率化を進め、
よ
り一層採算性を重視した路線構成を
法が改正され、
需給調整規制撤廃や運賃自由化
した「中期経営計画」を現在推進しています。先
構築する。一方、国際線については収
が現実のものとなりました。
これにより、航空会社
ほどお話ししたとおり、企業間競争は相変わらず
アンス加盟各社との連携を生かした自
の創意工夫による経営努力の成果が、業績を左
厳しいものの、旅客需要は期の後半から回復傾
右する本格的な競争時代に突入しました。
こうし
向にありますが、
当社としては、
こうした環境変化を
た状況の中で、
当社はお客様のニーズにこたえた
機敏にとらえ、
「選択と集中」の考え方に基づき、
新たな割引運賃の設定に力を入れた結果、全日
国際線、
国内線ともに需給バランスに見合った増・
空グループ全体の国内線旅客数は4,543万人と
減便、
一部路線の休止など、
より弾力的な生産量
なり、前期比で4%増加しました。収入について
調整により収益性の向上に努めています。
またス
は、
旅客単価の下落により、
通期ではほぼ前年並
ターアライアンスメンバーの一員として、
運航・販売・
みの6,537億円にとどまりましたが、単価の下落傾
サービスのあらゆる面において国際競争力の強化
■ 間接固定費の削減による効率的
な運営体制の構築
向は期の後半以降歯止めがかかっています。
を図り、顧客利便性の向上に努めています。
さら
より有効な人員配置と運営により人
国際線につきましては、
引き続き厳しい競争が
に、
回復基調にある旅客需要を積極的に取り込む
員の適正化を行ない、
さらなるコスト
繰り広げられておりますが、
旺盛な海外観光需要
べく、
新たな割引運賃の設定や、
インターネットを活
上を推し進めて間接固定費の削減を
に支えられて海外渡航者数は前期を上回る市場
用した直販チャネルの確立を進めています。徐々
環境にありました。
こうした中、
当社では新規路線
にではありますが、
その成果が業績に浸透しはじ
(注2)
加盟による国際
の開設や「スターアライアンス」
めています。
益性の向上を目的としてスターアライ
社ネットワークの再編成を進めるととも
に、近距離国際線の一部路線をグ
ループ内新規航空会社に移管し、収
益性向上、競争力強化を行う。
■ 販売改革の実践による収入の
極大化
販売関連のグループ会社の機能強化
を図るため、統合再編を視野に入れた
販売体制の再構築により販売力を強
化する。
削減を推進し、業務効率の一層の向
図る。
■ 投資の圧縮と資産効率の向上に
よる財務体質の改善
収益力向上により営業キャッシュフ
競争力の向上を図り、
全日空グループの国際線旅
ローの改善を図るとともに、投資圧縮
客数は、前期比 12%増の400 万人に増加しまし
質の健全化を目指す。
等により有利子負債を削減し、財務体
た。
しかし収入は、
旅客単価の伸び悩みや円高に
(注 2) スターアライアンス
よる海外収入の目減りなどにより、旅客数の伸び
1997 年に発足した世界最大の航空
を下回る前期比4%増の1,807億円となりました。
連合。全日空、ユナイテッド航空、ルフ
トハンザドイツ航空、
スカンジナビア航
空、
エアカナダ、
ヴァリグブラジル航空、
ニュージーランド航空、
アンセット航空、
タイ国際航空、
シンガポール航空、
オー
Composition of Group Operating Revenues
by Segment
ストリア航空、
ブリティシュ・ミッドランド
航空、
ラウダ航空、
メキシカーナ航空、
チロリアン航空の15 社で構成されて
いる。世界130カ国、815以上の都市
Other businesses
(2000 年 8月現在)
を結ぶ地球規模
12.86%
の航空ネットワーク。
Travel services
9.92%
Hotel
operations
5.65%
Others
Domestic
50.52%
4.73%
International
16.32%
Air transportation
71.57%
9
中期経営計画初年度の当期業績
Q3
A3
2000 年 3 月期の業績を野村
社長はどのように評価されて
いますか。
と効率性を重視した路線再編を進めることができ
ました。
現在当社では、
事業のあらゆる側面にわたって
コスト削減を進め、経営体質の強化に努めていま
厳しい経営環境下で増収となった点は
す。全日空単体だけでも当期において、人件費お
評価できると考えておりますが、
利益面では損失計
よび間接固定費の削減、空港使用料の減免、航
上により配当を見送らざる得ない結果となり、
株主
空機減価償却方法の変更と耐用年数の延長な
の皆様のご期待におこたえできなかったことを大変
どにより、営業費用を249億円圧縮しました。これ
遺憾に思っております。
しかし、
この厳しい業績も当
により、ユニットコスト
(座キロあたり営業費用)は
期が底になると見ています。中期経営計画に基づ
5 年前の12.5円から当期は10.2 円に、
また座キロ
く経営改革が着々と成果を上げていること、
さらに
あたり人件費も2.74円から1.91円に低下しました。
旅客需要も第4四半期以降、
その回復の足取りが
コスト削減の柱となる人件費については、2003
確かなものになってきていることがその理由です。
年 3 月期までに全日空単体の社員数を現在の
当社としては、
この数年を将来への成長に向け
14,500人から13,200人に減らし、
スリム化を図りま
た足固めの年と位置付けており、
その意味では、
す。
また、全社員の賃金カットについても、組合と
当期もさまざまな成果を残すことができた一年でし
話し合いを重ねており、是非とも社員の協力を得
た。特に主力の航空事業については、国内線で
たうえで実現したいと考えています。人件費削減、
は、収益性向上に向けた路線再編が順調に進み
国際線運航規模の縮小に伴う販売経費を中心と
ました。
また、
運賃自由化を受けて設定された新た
した営業費用の圧縮、関空発着便の減少による
な割引運賃は国内旅客需要の喚起を促し、
さらに
空港使用料低減などの抜本的なコスト構造改革
長年の懸案であった地方空港着陸料の減免措
により、2003年3月期には1999年3月期との比較
置の実現により、収益構造は大きく改善されまし
で、営業費用を約1,000億円削減する目標です。
た。国際線においても、関空−ローマ線などの不
さらに、
公租公課の一層の低減、
インターネット販売
採算路線からの撤退を行なう一方で、
ビジネス需
などの直販体制構築による販売手数料の圧縮が
要が堅調な東京−シカゴ線の開設や、
スターアライ
実現すれば、
営業費用の削減額はさらに大きなも
アンス加盟によるネットワーク拡充を果たし、
採算性
のになるものと考えています。
ユニット・コスト
(¥/ASK)
座席キロ当たり人件費(単体)
単体
連結
(¥)
3.0
15
2.5
12
2.0
9
1.5
6
1.0
3
0
0.5
1995/3
1996/3
1997/3
1998/3
1999/3
10
2000/3
0.0
1995/3
1996/3
1997/3
1998/3
1999/3
2000/3
Q4
当期純損失が拡大した要因
と、今後の対応についてお話
しください。
前期より拡大し152億円となりました。
しかし、
こうし
たリストラ関連費用の早期処理は、
将来に向けた成
長基盤を築くうえで必要不可欠なものであり、
長期
的には当社の財務基盤強化につながるものと確信
A4
資産圧縮・整理に伴う特別損失の計
しています。次期以降も資産効率を念頭に置いた
上、
早期退職制度に伴う特別退職金の計上、
税効
バランスシートの改善と、
収益力の向上に努め、
営
果会計による税額調整などの結果、
当期純損失は
業キャッシュフローの拡大を図っていく計画です。
航空事業における成長戦略
Q5
A5
国内線事業における全日空の
成長戦略をお聞かせください。
(注 3) 運賃自由化への対応については、
需要動向に
柔軟に対応できる運賃設定を積極的に行ってい
ます。座席制限のない、
全国全路線、
全便一律片
まず、
国内線の拠点空港としての羽田
道 1 万円の割引運賃「超割」の発売や「往復割
空港の位置付けを明確にし、
ここへの路線集約を
引」の復活が好評を博していますが、引き続きお
図っています。不採算路線の減便・撤退とともに、
客様のニーズにこたえた新たなタイプの割引運賃
旅客規模に応じた機種・機材への再編を路線ご
の設定・販売で、需要の喚起を図っていきたいと
とに行い、余裕機材を羽田路線に投入する戦略
考えています。
を進めています。また、一部ローカル線について
またこの7月からは、東京−大阪線にシャトル便
は、子会社であるエアーニッポンへの移管を段階
を開設しました。東京−大阪間の旅客数は、航
的に進め、全日空グループ全体として、効率的で
空・新幹線・バスを合わせて年間 3,500 万人にも
低コストの運航体制構築に取り組んでいます。当
達する巨大市場ですが、航空旅客シェアは現状
期は関空からのローカル線を中心に9路線を移管
では15%に過ぎず、航空会社にとっては潜在需
しましたが、次期も引き続き5路線(注3)を移管し、
中
要の大きな路線といえます。今後は、
シャトル便の
期経営計画が完了する2003 年 3月末までには、
運航による利便性の向上と割引運賃の拡充によ
合計で20路線を移管する予定です。
り、新幹線からの顧客獲得に弾みがつくと思わ
れ、
当社の収益拡大チャンスとなっています。
航空事業の収益力拡大
国内線事業
現状
02年4月以降
国際線事業
現状
02年4月以降
アメリカ大陸
アメリカ大陸
ANA
羽田
主要ローカル
ANA
ANA
成田
大・中型機
ヨーロッパ
ヨーロッパ
アジア・リゾート
アジア・リゾート
ア
ラ
イ
ア
ン
ス
・
キ
ャ
リ
ア
ANA
ANK
アジア・リゾート
関空
アジア・リゾート
ヨーロッパ
ANA
関空
その他ローカル
ANK
ANK
小型機
羽田
アジア・リゾート
11
新
規
航
空
会
社
2001年3月期におけるローカ
ル線の移管路線
(全日空⇒エアーニッポン)
関西−女満別線
関西−庄内線
関西−長崎線
関西−宮崎線
庄内−札幌線
(注4) シームレスサービス
Q6
国際線の成長戦略について
はいかがでしょうか。
携などスターアライアンス加盟によるメリットを最大
スケールメリットによるコスト低減と路線
ザー」の新規獲得と定着化に向け、接続利便性
拡充といった「量的拡大路線」から、
「質と収益
の高いネットワーク構築と、客室サービスの拡充を
性」を重視した成長戦略へと転換を図っていま
図っていきたいと考えています。
航空券の予約発券、
チェックイン、客
室サービス、到着手荷物引渡など、
お
客様が当社と接するあらゆる場面で、
一定水準以上の満足感を得ることが
できるように品質管理されたサービス。
A6
限に生かし、新規顧客の獲得を積極的に行って
いきます。同時に、重点顧客である「ビジネスユー
す。具体的には、国際線のハブ空港を従来の成
国際線事業において重要な収益源となってい
田・関空の2空港から、
2002年の新滑走路完成を
る国際貨物郵便については、近年その成長が著
控えビジネスチャンスが拡大している成田への集
しいことから、一層の事業規模拡大を目指してい
約を進め、関空路線は段階的に縮小していく方
と連携を図りながら、米
きます。日本貨物航空(株)
針でいます。これに伴い、一部国際路線の新会
国・欧州域内でのトラック輸送網の整備や、外国
社移管や、
不採算路線の縮小・撤退、
機材のダウ
航空会社との業務提携を推進するなど、
事業イン
ンサイジング等を推進し、
中期事業計画最終年度
フラの拡充を図っています。
の2003年3月期までに、全日空における国際線の
最後に、
将来的に予想される羽田空港の国際化
生産量を座席キロベースで3 割程度削減する計
については、
まさに全日空グループの優位性が生か
画です。こうした取り組みにより、
これまで以上に
せることから、
環境が整い次第まずは国際チャーター
効率と収益性に優れた運航体制の確立を目指し
便の運航ができるよう計画を進めています。
ていきます。
Q7
2001年初頭からのオペレーション開始を予定し
ている新会社につきましては、
アジア路線など近
距離国際線を全日空から移管する予定です。新
航空事業に関するIT戦略の
具体策についてお話しください。
会社では、
スリムな組織による低コスト運航を実現
A7
し、需給状況に応じ運航規模を柔軟に設定する
本にも到来し、
全日空では経営方針である
「顧客第
ことにしており、
これまで硬直的であった全日空グ
一主義」
をインターネット上でも実践していきます。
いよいよ本格的なインターネット時代が日
ループの国際線の生産量に柔軟性を持たせる役
まず、2000年秋を目途にワン・
トゥー・ワン・マーケ
割も担っています。
ティングの第一歩として、
インターネット上で予約・決
昨年10月のスターアライアンス加盟も、
今後の当
済をされているANAマイレージクラブ会員の皆様
社の国際線戦略に大きな意味を持っています。
を対象に、
個々のデータを分析・活用し、
それぞれ
コードシェアによるグローバルネットワーク構築、
シー
に一番使いやすいページをリアルタイムで提供す
マイレージサービスの提
ムレスサービス(注4)の提供、
るサービス
(My ANA)
を開始します。
国内線インターネット予約・E-ticket 販売推移
座席キロ(連結)
(百万キロ)
国際線
国内線
決済額(97下期=100とする)
800
60,000
予約数/日
8,000
決済額
予約数/日
700
7,000
600
6,000
500
5,000
400
4,000
300
3,000
200
2,000
100
1,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
1998/3
1999/3
2003/3(予想)
2000/3
12
0
97下期
98上期
98下期
99上期
99下期
0
また、法人のお客様には、
ご契約企業のイントラ
お選びいただくことができ、
クレジットカード決済によ
ネットと当社の予約ホストコンピュータをインターネッ
り、
その場で航空券の購入もできます。
トを介して結び、
出張者ご自身がパソコンで全日空
さらに国際線でも日本航空や米国、
アジアの有
および当グループ航空会社の座席を直接予約で
力航空会社、
米国旅行ウェブ会社「トラベロシティ
・
きるサービスを提供します。法人のお客様にもMy
ドット・コム社」
との合弁で日本市場向けの海外旅
ANAのサービスを併せて提供いたしますので、利
行ウェブ事業会社を設立します。お客様はこのサ
便性が高くきめの細かいサービスでご満足いただ
イ
トを利用して、国際航空券、海外ホテル、
海外レ
けるものと確信しております。
ンタカーなどを各社の運賃・料金を比較しながら、
日
それから、
2000年10月をめどに日本航空(株)、
お選びいただくことが可能になります。5年後の取
(株)
と共同出資し、
「国内線航空会
本エアシステム
扱高は600億円以上となるものと予測しており、
日
社共同WEB株式会社(仮称)」
を設立します。同
本市場最大の海外旅行ウェブを目指します。サー
社は、
インターネット上に「国内線航空会社共同
ビスは年内開始を予定しています。
WEB」を開設し、
日本航空、
日本エアシステム、全
これら国内線・国際線のインターネットを利用した
日空および各グループの航空会社の国内線運航
新しい流通チャネルの構築は、
お客様にとっての
スケジュール照会、空席状況・運賃情報照会が、
利便性が大きく向上するとともに、
お客様への直
お客様ご自身でできる機能を提供します。各社の
接販売により、
旅行代理店に支払っている販売手
運航スケジュール、
空席状況、
運賃を比較しながら
数料の削減にもつながるものと期待しています。
経営改革の進捗状況
Q8
A8
財務体質の改善状況はいか
がですか。
よる700億円、
航空機売却やホテル流動化等によ
る資金回収1,500億円を加え、2003年3月期まで
に全日空グループの有利子負債を4,200 億円削
投資の圧縮による有利子負債削減を
減できる見通しです(リース取引による元本相当
進めています。2001 年3月期から2年間は、新規
額残高を含む)。
機材の導入を全面的に凍結し、総額 1,700 億円
また、
財務体質の改善を促進し、
「株主重視経
の資本的支出を抑制します。
この間導入を予定し
営」を実行していくために、2002年3月期より新た
ていた9 機の航空機については、2004 年 3月期
な業績評価指標を導入いたします。ANA 版 EP
以降に計画を延期しました。2003年3月期までの
(Economic Profits:経済利益)
と称するもので、
3年間で合計1,500億円の連結営業利益が計上
一般にEVAと呼ばれている指標をアレンジしたも
できるものと考えており、
これに減価償却費等を加
のです。このANA版EPの活用により、事業別業
えた営業キャッシュフロー4,200億円から設備投資
績評価、事業別業績評価を行い、
経営資源の最
資金2,200億円を除いた2,000億円を、有利子負
適配分と収益管理に努めてまいります。
債圧縮原資に充当します。
さらに現預金の圧縮に
13
Q9
ホテル事業の再編状況につ
いてお話しください。
国内ホテル事業については、
全体としてすでに
海外ホテル事業については、
サンフラン
る収益性向上に取り組んでいます。
まず、
これまで
単年度黒字を確保しており、
将来的にも事業性が
あるものと判断できることから、事業の再構築によ
A9
シスコ、
ワシントンDCおよびシンガポールの各ホテ
混在していた 3 つの機能(不動産投資機能、
ルの株式を売却し、
キャピタルゲインの確保と資金
チェーンホテル運営機能、現地ホテル運営機能)
回収を図りました。
また、
開発計画が中断していた
の役割と責任範囲を明確にすることで、
効率的な
ロサンゼルスのホテル計画用地を売却するととも
事業運営を推進していきます。具体的には、
ホテ
に、
ハワイのホテル・ゴルフ場資産についても現在
ルマネジメント力の強化を目的としたチェーンホテ
売却を進めています。これに伴い発生する損失
ル運営機能を担う新会社を設立し、
全日空のブラ
は、
当期決算に計上済みです。
ンド力をさらに生かした事業運営を行ないます。
残るウイーン、
シドニーのホテルについては、
共に
次に、
現状のままでは事業性が不透明な一部の
業績が大幅に好転しています。ウイーンのホテル
ホテルについては、
事業スキームの変更など個別
は当期に単年度黒字を達成し、
シドニーのホテル
の対応を図っていきます。
また、
東京全日空ホテル
についても、売上高は当地のトップクラスのホテル
などを中心としたホテル資産の流動化により、700
に肩を並べ、利益率(G.O.P=Gross Operating
億円程度の資金回収を図り、
有利子負債の返済
Profit)でもホテル事業としては高いパフォーマン
による総資産の圧縮とともに、
当グループの欠損金
スを示すまでに改善しており、
2000年度には単年
を100億円程度圧縮することを予定しています。
度黒字達成の見込みです。両ホテルともさらに業
将来的には、
ANAホテルREIT(不動産投資信
績が伸びる可能性があり、
当面事業を継続してい
託会社)
を設立し、
一層の資産圧縮を進めるととも
く考えです。
に、効率的なホテル運営によるキャッシュフローの
拡大を実現します。これにより、REIT の資産価
値、
新会社の企業価値を高め、
将来的なホテル事
業拡大の基盤を整備する考えです。
設備投資と資金回収
(億円)
設備投資
資金回収
2,000
1,500
1,000
500
0
1996/3 1997/3 1998/3 1999/3 2000/3 2001/3* 2002/3* 2003/3*
* 計画
14
Q10
A10
ホテル事業以外のグルー
プ企業の再編は進んでい
ますか。
さらに、
「ANA・IHI エアロエンジンズ株式会社」
(AIA)
を清算した上で、
米国のゼネラルエレクトリッ
ク
(GE)
グループの出資を得て「日本GEエンジン
サービス株式会社」を設立し、連結欠損金4 億円
不採算事業からの撤退を積極的に
の解消と連結有利子負債 40 億円の削減を行な
進め、
成果を収めています。期中には関空での機
いました。その一方で、
販売力の強化を目的に、
全
内食製造販売を行なっていた「株式会社関西イン
日空ブランドのパッケージツアーを扱うホールセラー
フライ
トケータリング」
(KIC)の経営権を大手外食
として「全日空スカイホリデー株式会社」
を設立し、
企業に譲渡し、
連結欠損金4億円を解消しました。
直販体制の整備と旅行事業の強化を図りました。
今後の業績見通し
Q11
今後の市場動向と中長期
的な業績見通しをどのよう
にお考えですか。
しては、
第一に、
国内線運賃の自由化に合わせ、
国内線は、需給調整規制撤廃や
に、
国内の景気回復が緩やかに進み、
国際線をご
運賃自由化によって本格的な自由競争の時代に
利用になるお客様が順調に増加したことがあげら
A11
り、業績は堅調に推移しています。好調な原因と
多種多様な運賃設定を行ない選択肢を増やした
結果、
新規需要を喚起することができたこと。第二
突入しており、
競争はさらに厳しさを増すと見てい
れます。
ます。
しかしその一方で、独自性を生かした各種
中長期的な業績見通しにつきましては、
成田空
割引運賃の設定が容易になり、
これによる需要刺
港の暫定滑走路オープンと羽田空港の増便枠が
激で旅客数拡大チャンスが生まれています。普通
実施され、
かつ中期経営計画の最終年度となる
運賃との効果的な組み合わせや運用により、平
2003年3月期が、
新たな成長軌道への転換点にな
均単価も下げ止まり傾向にあります。
ると確信しています。
それまでの間は、
販売力強化
国際線についても同様に競争激化の状況にあ
とコスト削減を徹底して行うなど、経営改革を着実
り、
今後も旅客単価の大きな伸びは期待できませ
に推進し利益創出に努めていきます。全日空グ
んが、航空需要は回復基調にあることから、努力
ループの2001年3月期の業績につきましては、
現
の成果が収益に大きく反映される環境が整ったと
時点では売上高1兆2,220億円、
営業利益340億
いえます。当社では、
収益性の高い「ビジネスユー
円、
当期利益160億円を見込んでおりますが、
第1
ザー」
をメインターゲットに販売戦略を展開していま
四半期の好調さが維持できれば、
原油価格等の不
すが、昨今ファーストクラスやビジネスクラスの需要
確定要素はありますが、
現時点での見通しを上回
回復傾向が顕著なため、国際線の業績も次第に
ることも不可能ではないと考えています。今後さらに
上向いてくるものと期待しています。
業績向上に努め、
連結欠損金の解消のスピードアッ
第1四半期(2000年4−6月)の実績を見る限
プと、
財務体質の改善・強化に努力してまいります。
15
財務分析
1. 全日空グループ
全日空グループは子会社174社、
関連会社54社により構成され
ています。
そのうち115社が連結子会社、
33社が持分法適用会社で
す。
当グループは航空運送事業、
旅行事業、
ホテル事業ならびにその
他の事業の4つのセグメントによって事業運営を行っていますが、
各事業セグメントの事業内容と親会社および子会社、
関連会社の当
該事業にかかる位置付けは次のとおりです。
事業セグメント
子会社数
うち連結
うち持分法適用
関連会社数
うち持分法適用
航空運送事業
旅行事業
ホテル事業
その他の事業
32
14
25
103
29
12
24
50
−
−
−
6
6
5
5
38
4
4
4
15
グループ全体
174
115
6
54
27
航空運送事業
当社、
エアーニッポン㈱、
エアー北海道㈱、
日本貨物航空㈱が航
空運送事業
(国内外での定期旅客、
貨物、
郵便輸送)
を行っており、
これに付随して国際空港事業㈱、
エーエヌエーテレマート㈱、
お
よび全日空整備㈱他は、
顧客に対する空港での各種サービスの提
供、
電話による予約案内、
航空機の整備作業等の役務提供を行っ
ており、
各種空港ハンドリングや整備については、
当グループ以
外の内外の航空会社に対しても業務を提供しています。
ホテル事業
全日空エンタプライズ㈱を中心とする子会社ならびに関連会
社が、国内外にホテルを展開してホテル事業を行っています。
ま
た、
国内外において、
宿泊、
料飲、
宴会・婚礼等の各種サービスを提
供しています。
その他の事業
情報通信、商事・物販、不動産、ビル管理、陸上輸送・物流およ
び人材派遣等の事業を行っています。全日空システム企画㈱お
よび㈱インフィニ トラベル インフォメーション他は、主に航
空関連情報端末・ソフトウェアの展開や開発を行っており、全
日空商事㈱他は主に航空関連資材等の輸出および店舗・通信販
売等を中心とした事業を行っています。また、全日空ビルディ
ング㈱他は不動産の販売・賃貸および管理等を、関連会社であ
る㈱エム・シー・メイツ他は人材派遣等を事業としています。
旅行事業
全日空ワールド㈱、
全日空スカイホリデー㈱および全日空トラ
ベル㈱を中心に
「全日空ハローツアー」
および
「全日空スカイホリ
デー」
ブランドのパッケージ旅行商品等の企画および販売を行っ
ています。
主に当社およびエアーニッポン㈱の航空運送サービス
と全日空ホテルズの宿泊等を活用した商品開発および販売を
行っています。
16
2. 事業概況
経営環境と業績
2000年3月31日に終了した当期のわが国経済は、
公共投資等の
政策効果やアジア経済の回復などにより景気底入れの兆しが見
えてきたものの、完全失業率が依然と高水準で推移しているな
ど、
いまだ本格的な回復にはいたらず、
引き続き厳しい状況が続
きました。
このような状況下、
全日空グループは、
1999年5月に2003年3月
期を最終年度とする4ヵ年の
「中期経営計画」
を策定し、
経営体質
の抜本的な改革を図っています。
これには、
「選択と集中」
に基づい
た国内・国際路線の再編による収益性の向上、
販売改革の実践によ
る収入の極大化、
間接固定費の削減による効率的な運営体制の構
築そして投資の圧縮と資産効率の向上による財務体質の改善を基
本骨子として、
鋭意取り組んでいます。
当期はその初年度として、
各種施策の進捗状況は予定どおり進んでいます。
営業損益では前
期の損失から利益に転換するなど、
事業活動全般では概ね改善の
兆しが見えてきています。
当期の営業収益は、
連結子会社数の増加や営業収入の7割強を
占める航空運送事業において、
下期以降に旅客需要が持ち直すと
ともに旅客単価の下落にも歯止めがかかったことなどにより、
前
期比13.0%増の1兆2,096億円となりました。
これに対し営業費用
は、
当グループ全体における営業費用削減努力や地方空港使用料
を中心とした公租公課の減免措置などにより、
前期比9.5%増の1
兆1,780億円にとどまったため、
営業損益では前期51億円の営業
損失から大幅に改善され 315億円の営業利益となりました。
営業外・特別損益では、
海外ホテル株式の売却益等の特別利益
があったものの、投資有価証券評価損や早期退職制度実施に伴
う特別退職金や資産の圧縮・整理等の特別損失など大幅に支出
が増加したため、
前期27億円の営業外収入に対し当期は542億円
の営業外支出となりました。
これにより、
税金及び少数株主持分
損益等調整前当期純損失は、
前期の24億円から226億円と大幅に
増加しました。税効果会計による税額調整等ならびに少数株主
持分損益を控除した後の当期純損失は、152億円となりました。
この結果、今期も残念ながら配当を見送ることとしました。な
お、当期の1株当たり当期純損失は、10.54 円でした。
全日本空輸株式会社及び連結子会社
単位:百万円
(一株当り金額を除く)
3 月 31 日に終了した 1 年間
営業収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2000 年
1999 年
¥1,209,647
1,178,088
¥1,070,773
1,075,934
営業利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業外・特別損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
31,559
(54,248)
(5,161)
2,731
税金及び少数株主持分損益等調整前当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
法人税等(当年度分及び繰延税額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
少数株主損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(22,689)
(5,476)
2,012
(2,430)
3,058
756
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ (15,201)
一株当たり:
当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
配当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥(10.54)
−
営業収入
当グループの営業収入は、
旅客収入、
貨物収入そして旅行事業、
ホテル事業などの附帯事業及びその他の収入によって構成されて
います。
旅客ならびに貨物収入の詳細は次のとおりです。
■ 旅客収入
当期の旅客収入は 7,787 億円で前期比 1.2%の微減となりまし
た。
その内訳は、
定期国内線旅客収入79.8%、
定期国際線旅客収入
20.2%でした。
当期において、
全日空グループはボーイング777-300型機、
ボー
17
¥
(4,732)
¥(3.28)
−
イング 777-200型機を各1機、
エアバスA321-100型機を2機、ボー
イング737-500型機を2機それぞれ増機するとともに、
国際線、
国
内線ともに需給バランスに見合った増・減便、
一部路線の休止な
ど、
より弾力的な生産量の調整を行い、
収益性の向上改善に努め
ました。
また、1999 年10 月には、
世界最大規模の航空企業連合
「スター
アライアンス」
へ正式加盟し、
メンバーの一員として運航・販売・
サービスのあらゆる面において国際競争力の強化を図り、
旅客の
利便性の向上に注力しました。
単位:百万円
3 月 31 日に終了した 1 年間
2000 年
1999 年
旅客収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
定期国内線旅客収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
定期国際線旅客収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 778,765
621,188
157,577
¥ 788,414
645,127
143,287
貨物収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
国内線貨物収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
国際線貨物収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
67,763
27,682
40,081
63,599
27,843
35,756
附帯事業及びその他収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
363,119
218,760
営業収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,209,647
¥1,070,773
輸送実績の概要
国内線旅客
・ 旅客数(千人). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 座席キロ(百万キロ). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 旅客キロ(百万キロ). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 利用率(%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 旅客キロ当たり旅客収入(円). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
45,430
60,098
38,410
63.9
17.0
43,892
59,875
37,009
61.8
17.7
国際線旅客
・ 旅客数(千人). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 座席キロ(百万キロ). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 旅客キロ(百万キロ). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 利用率(%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 旅客キロ当たり旅客収入(円). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,998
33,772
22,510
66.7
8.0
3,571
31,137
20,562
66.0
8.5
国内線貨物
・ 貨物輸送重量(トン). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 貨物輸送量(千トンキロ). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 貨物輸送量当たり貨物収入(円). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
420,846
400,360
69.2
410,820
390,887
71.2
国際線貨物
・ 貨物輸送重量(トン). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・ 貨物輸送量(千トンキロ). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
・貨物輸送量当たり貨物収入(円). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
195,384
1,178,444
34.0
161,537
967,626
37.0
座席キロ当たりコスト(円). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
10.3
10.9
注記: 上記営業収入の内訳は、
セグメント内及びセグメント間の取引額を消去した後の金額を記載しています。
注記: 1. 上記の国内線旅客・貨物及び国際線旅客・貨物には親会社である全日空(ANA)
と、子会社であるエアーニッポン(ANK)
ならびにエアー北海道(ADK)が含まれています。
2. 上記の旅客キロ当たり旅客収入、貨物輸送量当たり貨物収入及び座席キロ当たりコストの数値は、ANA、ANKならびにADKの数値を加重平均しています。
国内線
当期の定期国内線旅客収入は、
前期比3.7%減の6,211億円とな
りました。
旅客数は、
前期比3.5%増の4,543万人となりました。
座
席キロは前期比0.4%の微増となり、
旅客キロは、
3.8%増となりま
した。
これにより、
利用率は前期比2.1ポイント上昇し63.9%とな
りました。
しかしながら、
旅客キロ当たり旅客収入は、
17.7円から
17.0円へと減少しました。
当期は、
当社よりエアーニッポンへ関空―仙台線をはじめとす
る9路線を移管するとともに、
低需要路線・便数を見直すことで搭
乗率の向上による収益性の改善を目指しました。
また、
これまで
の営業割引運賃
「特割」
「早割」
に加え、
新たに
「往復特割」
を設定す
るなど、
お客様の多様なニーズに見合った運賃を提供するととも
に増収に努めました。
さらに、2000年2月の航空法改正に伴い、
新
年度に向けて
「往復特割」
「超割
(バーゲン型運賃)
」
などの新規営
業割引運賃の設定を行い発売を開始しました。
18
たことに加え、
コンピュータ関連貨物の荷動きが伸長したことか
ら需要は期中を通して順調に推移しました。郵便についても、
輸
送重量、収入ともに好調でした。
国際線
当期の定期国際線旅客収入は、
前期比10.0%増の 1,575億円と
なりました。
旅客数は、
12.0%増の400万人となりました。
座席キ
ロで8.5%増となった一方、
旅客キロは9.5%増となったため、
利用
率は前期比 0.7 ポイント上昇し66.7%となりました。しかしなが
ら、
旅客キロ当たり旅客収入は、
前期の8.5円に対し 8.0円と減少
しました。
新規路線として4月に東京―シカゴ線を開設したほか、
東京―
上海線の再開を行うなど、
需要動向を踏まえた路線展開を行いま
した。
また、
新たにヴァリグ・ブラジル航空機材による東京―サン
パウロ―リオデジャネイロ線の共同便を開始するなど、
スターア
ライアンス加盟各社とのコードシェア拡大によって路線ネット
ワークを拡充しました。
さらに、
マイレージプログラムの相互提
携、
各社乗り継ぎ便のスルーチェックイン等のサービス面でも加
盟各社との提携強化を図りました。
国際線貨物収入
当期の国際貨物の輸送重量は、
前期比21.0%増の19万5千トン
で、
収入は前期比12.1%増の400億円となりました。
当期は、
アジ
ア経済の回復やコンピュータ2000年問題関連の需要の影響等に
より、
特に欧米向けの自動車部品や電子機器類などを中心に荷動
きが活況でした。
日本向けについても、
アジア発のコンピュータ
関連や中国発の生鮮品などに加え、
夏以降は欧州発の需要回復も
あり、全体として堅調な荷動きとなりました。
また、
米国・欧州内
でのトラック輸送網の整備や外国航空会社との業務提携を推進
し、
サービスの向上に努めました。
郵便についても輸送重量、
収入
ともに好調に推移しました。
■ 貨物収入
当期の貨物収入は、
前期比6.5%増の677億円となりました。
内訳
は、
定期国内線貨物収入40.9%、
定期国際線貨物収入59.1%でした。
国内線貨物収入
当期の国内貨物の輸送重量は、
前期比2.4%増加し42万トンと
なりましたが、
収入は単価の低下などにより前期比0.6%減の276
億円となりました。
当期は、
航空宅配貨物が引き続き堅調であっ
■ 附帯事業及びその他の収入
航空運送事業以外の事業セグメントである旅行事業、
ホテル事
業、
その他の事業については
「3.
事業別セグメント情報」
(P21)
を
ご参照ください。
なお、
附帯事業収入については、
旅客手荷物、
他航空会社の航空
機整備、
旅客の搭乗受付及び手荷物の搭載などの地上支援業務の
委託、
機内販売の増売等に努めた結果、
739 億円となりました。
営業費用
単位:百万円
3 月 31 日に終了した 1 年間
2000 年
1999 年
航空機関連 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
航空機運航費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
航空機整備費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 352,361
284,152
68,209
¥ 376,416
274,489
101,927
サービス関連 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
旅客サービス費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
航空機地上支援及びハンドリング費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
302,628
62,029
240,599
325,064
68,565
256,499
予約、販売及び広告宣伝費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減価償却費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
200,999
39,604
58,441
224,055
180,899
50,167
73,420
69,968
¥1,178,088
¥1,075,934
合計
注記: 上記営業費用の内訳は、
セグメント内及びセグメント間の取引額を消去した後の金額を記載しています。
19
営業費用は、
航空機関連費用ならびにサービス関連費用と前期
比較で減少となりましたが、その他の費用が大幅に増加したた
め、
全体では前期比9.5%増の1兆1,780億円となりました。その内
訳は次のとおりです。
航空機関連費用は前期比6.4%減の3,523億円となりました。
航
空機運航費は、
機材賃借費及び燃油費の増加などにより3.5%増
加しました。航空機整備費は、
33.1%減少しました。
これは、
航空
機部品等を購入する子会社が2000年3月期より持分法適用から
連結子会社となったことにより、
連結上消去されることになった
ためです。
かかる消去相当額は新規に連結した子会社が
「その他
費用」
として計上しました。
サービス関連費用は、前期比 6.9%減の 3,026 億円となりまし
た。
旅客サービス費は、
主として全日空の機内サービス費用の低
減により、
9.5%減少しました。
航空機地上支援及びハンドリング
費は、
主に全日空の空港使用料の減免により、
6.2%減少しました。
予約、販売及び広告宣伝費は、積極的な増販活動などにより、
11.1%増加しました。
一般管理費は、間接部門の効率化などにより、
21.1%減少しま
した。
減価償却費は、
全日空ならびにエアーニッポンにおいて航空機
の償却方法及び耐用年数の見直しを行ったため、
20.4%減少しま
した。
その他費用は、
前期の699億円に対し3倍強の2,240億円となり
ました。
これは、
全日空商事及び国内空港売店を経営する同社子会
社など、
主として旅行、
ホテル、
その他の事業における新規連結子
会社数の増加によるものです。
営業外・特別損益
単位:百万円
3 月 31 日に終了した 1 年間
2000 年
受取利息及び配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資産売却益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払利息 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有価証券売却損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 8,466
4,504
(38,950)
(474)
427
(28,221)
¥ 8,625
12,126
(40,305)
(99)
(211)
22,595
合計
¥(54,248)
¥ 2,731
営業外・特別損益は、
前期27億円の利益に対し542 億円の損失
となりました。
その詳細は次のとおりです。
受取利息及び配当金は、
1.8%減少しました。
資産売却益は、
ANA Hotels Singapore Ltd.の株式の売却等を行
いましたが、
前期には北米
(サンフランシスコ、
ワシントン)
ホテ
ルの売却利益が計上されていたため、
62.9%減少しました。
支払利息は、3.4%減少しました。有利子負債は、前期末比10.8
%増加し1兆1,123億円となりましたが、低金利を背景に新たな
1999 年
長期借入や社債による資金調達で得た資金を、金利の高い固定
利率の借入金の返済に充当し、有利子負債の平均金利を引き下
げたことが主要因です。
持分法による投資損益は、
前期の 2億円の損失から 4億円の利
益計上となりました。
その他は、
前期の225億円の収益に対し、
282億円の損失となりま
した。
前期に比べ航空機の導入に伴う機材関連報奨収入の減少及
び投資有価証券の評価損失等が計上されたことが主な要因です。
20
3. 事業別セグメント情報
従来、
旅行事業、
ホテル事業、
その他の事業の3セグメントは、
航
空関連事業として一括表示されていましたが、
連結範囲の拡大等
に伴い重要性が高まったため、
当期よりそれぞれ区分して記載し
ています。
セグメント別の状況は下記のとおりです。
なお、
各セグ
メントの売上高には、
セグメント間内部売上高が含まれています。
全日本空輸株式会社及び連結子会社
単位:百万円
(一株当り金額を除く)
3 月 31 日に終了した 1 年間
2000 年
1999 年
航空運送事業:
外部顧客売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
セグメント間売上高・振替高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥920,447
60,056
¥923,391
42,591
営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
980,503
954,811
965,982
976,799
営業利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
25,692
(10,817)
旅行事業:
外部顧客売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
セグメント間売上高・振替高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
124,408
11,469
60,179
11,475
営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
135,877
132,551
71,654
71,883
営業利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,326
ホテル事業:
外部顧客売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
セグメント間売上高・振替高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
65,688
11,685
61,910
6,600
営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
77,373
73,535
68,510
65,535
営業利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,838
2,975
その他の事業:
外部顧客売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
セグメント間売上高・振替高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
99,104
77,117
25,293
19,347
営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
176,221
176,439
44,640
41,503
営業利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(218)
連結合計:
営業利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
32,638
セグメント間消去(営業損益). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(1,079)
営業利益(損失)連結合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
21
¥ 31,559
(229)
3,137
(4,934)
(227)
¥ (5,161)
航空運送事業
主力である航空運送事業の営業収入は、
前期比1.5%増の9,805
億円となり、
営業費用は逆に前期比2.3%減の9,548億円となりま
した。これにより、
航空運送事業の営業利益は256億円となり、
前
期の108 億円の営業損失から営業利益へと転換しました。
国際線では観光需要に支えられ海外渡航者数が前期を上回りま
した。
国内線では、
各種営業割引運賃の浸透により旅客需要の喚起
が図られ、
期後半には国内旅客単価の下落傾向にも歯止めがかか
るなど、
競争激化が進む一方、
先行きにある程度の明るさを感じら
れる状況で推移しました。
業利益は 29.0%増の 38億円となりました。
1999年8月に富山全日空ホテルが新規開業した一方、
海外では
5月にANA Hotels Singapore Ltd.の株式売却等を実施しました。
国内ホテルについては、
㈱エーエヌエー・プロパティ・マネジメン
トへのホテル資産の集約による経営の効率化(成田、沖縄ハー
バービュー、
沖縄ロイヤルビュー、
広島)
、
費用削減努力を中心と
したコスト構造の改革等により、
前期比較において増益を達成し
ました。
また、
海外ホテル事業については、
堅調な需要やマーケッ
トニーズに応じた営業努力、適正な費用管理の継続的実施によ
り、
ウィーン及びシドニーのホテルはともに過去最高益を更新し
ました。
その他の事業
当期のその他の事業の営業収入は、
前期比294.8%増の1,762億
円となりました。
しかしながら、
営業費用は1,764億円と営業収入
を上回ってしまったため、2億円の営業損失となりました。
全日空商事㈱及び国内空港売店を経営する同社各子会社が新
規連結対象となったこと等により、
営業収入は大幅に増加しまし
た。
新規連結子会社以外の主な会社の状況としては、
航空関連情
報端末展開を主に行っている㈱インフィニ トラベル インフォ
メーションは積極的な販売活動により取扱高を大幅に増加させ
ました。
システムの開発・保守運用等を行っている全日空システ
ム企画㈱は、
グループ内におけるデータウェアハウスの構築はも
とより、
グループ外への販売活動に努め、
売上高を大きく伸ばし
ました。
不動産販売・賃貸及びビル管理等を行っている全日空ビ
ルディング㈱は、
オフィス賃貸水準が低下傾向にあるものの高い
稼働率を維持し、
また、
不動産販売につきましても販売予定物件
を完売しました。
旅行事業
当期の旅行事業の営業収入は、
新たに全日空スカイホリデー㈱
等を連結した結果、
前期比89.6%増の1,358億円となりました。営
業費用は84.4%増の1,325 億円となったため、前期の営業損失か
ら一転 33億円の営業利益となりました。
パッケージ商品の低価格化や顧客ニーズの多様化、
市場に密着
した製販一貫体制をさらに強固なものにするとともに、
商品競争
力、
品質管理、
代理店販促の強化を推進しました。
国内旅行につい
ては、全日空商事㈱から全日空スカイホリデー㈱を分離独立さ
せ、
企画販売力の強化を図りました。
その結果
「全日空スカイホリ
デー」については、
沖縄キャンペーン等の効果もあり総取扱人数
が約1,200千人に達し、
初の100万人突破となるなど好調に推移し
ました。
一方、
海外旅行商品につきましては、
スターアライアンス
加盟航空会社を利用した旅行商品の販売を開始するとともに、
主
力商品である
「全日空ハローツアー」
の拡販に努めました。
ホテル事業
当期のホテル事業の営業収入は、前期比12.9%増の773億円と
なりました。
営業費用は12.2%増の735億円にとどまったため、
営
4. 路線別旅客輸送実績(国際線)
旅客収入
単位:百万円
3 月 31 日に終了した 1 年間
2000 年
アジア・オセアニア路線 . . . . . . . . . . . . . . . . .
太平洋路線 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ヨーロッパ路線 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
63,910
60,895
54,043
178,849
合計
1999 年
旅客キロ
単位:百万キロ
座席キロ
単位:百万キロ
利用率
単位:%
2000 年
1999 年
2000 年
1999 年
62,154
50,191
60,991
7,230
8,608
6,560
6,756
6,846
6,830
10,096
14,194
9,302
10,578
10,547
9,801
71.6
60.6
70.5
63.9
64.9
69.7
173,337
22,398
20,433
33,593
30,928
66.7
66.1
注記: 旅客収入はANA、ANKならびにADK の旅客収入を合算した数値であり、内部取引を消去していません。
22
2000 年 1999 年
アジア・オセアニア路線
中国路線の一部やシドニー線等はビジネス旅客のダウング
レード化、
観光需要の低迷が続いているものの、
シンガポール線、
香港線、
ソウル線等は消費者の
「安・近・短」
指向に合致し、
観光需
要を中心に回復基調となりました。
また、
1999年10月より福岡−
バンコック線を運休した一方、
1999年3月に成田−上海線を復活
するなど全体としては概ね好調に推移しました。
アジア路線全体
では、座席キロが4.6%減少したものの、
旅客キロは7.0%増加し、
利用率は7.7ポイント向上しました。
旅客収入は2.8%増加しまし
たが、
旅客キロ当たり収入は約 4%低下しました。
太平洋路線
全般的にはビジネス、
観光需要とも低迷した一年でしたが、
第
4四半期以降ロサンゼルス線を中心にビジネス旅客に回復の兆し
が見られました。
一方、
ホノルル線
(1998 年 10月開設)、
サンフラ
ンシスコ線
(1998 年 12月開設)ならびにシカゴ線
(1999 年 4 月開
設)
が通年でフル稼働し、
大きく寄与しました。
太平洋路線全体の
座席キロは34.6%、
旅客キロは25.7%それぞれ増加し、
旅客収入は
21.3%の増加となりました。
しかしながら、
利用率は4.3ポイント
低下し、
他社との競争激化、
為替の影響等により旅客キロ当たり
収入も約 4%減となりました。
ヨーロッパ路線
太平洋路線同様、
ビジネス、
観光とも需要が低迷を続けていま
したが、
なかでも関西発の欧州線が低調だったのが大きく響きま
した。しかしながら2000年2月からパリ線、
ロンドン線等で回復
傾向となりました。
ヨーロッパ路線全体の旅客キロは 4.0%減少
したものの、
関西−ローマ線の休止等により座席キロが 5.1%減
少したため、
利用率は0.8ポイント回復しました。
旅客収入は11.4
%減少し、
旅客キロ当たりの収入は約 8%低下しました。
5. 従業員
3 月 31 日に終了した 1 年間 2000 年
1999 年
航空運送部門(全日空+エアーニッポン+エアー北海道). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他(連結子会社). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
15,931
12,133
16,590
8,830
合計
28,064
25,420
3 月 31 日 2000 年
1999 年
航空運送事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
旅行事業事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ホテル事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
21,165
1,567
4,082
3,489
18,894
803
4,081
2,046
合計
30,303
25,824
注記:上期数値は期中平均人数です。
注記:上期数値は期末人員です。
平均従業員数は、
新規連結子会社数が増加したことにより、
前
期比 10.4%増の28,064 人となりました。主に、
全日空商事㈱およ
び旅客ハンドリング会社が新たに連結子会社加わったことによ
り人員増となりました。
当期における全従業員の航空運送部門対
その他の比率は57対43となっています。
(前期は65対35)
。
また、
航空運送部門の期中平均従業員数は前期比4.0%減の15,931人と
なり、1従業員当り生産量
(座席キロ)
は 7.5%向上しました。
23
6. 設備の状況
当グループでは、
「選択と集中」
の考え方に基づき、
安全性の強
化に加え、
競争力と収益性の向上を目的とした設備投資を行って
います。当期は航空運送事業における航空機を中心に総額1,108
億円の設備投資を行っており、
事業セグメント別の内訳は以下の
とおりです。
単位:百万円
3 月 31 日に終了した 1 年間
2000 年
1999 年
航空運送事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
旅行事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ホテル事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 96,413
423
18,186
5,295
¥57,197
87
6,604
14,127
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
消去または全社 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
120,317
(9,501)
¥110,816
78,015
(5,087)
¥72,928
注記: 1.有形固定資産及び無形固定資産の帳簿への受け入れベースの金額です。
2.金額に消費税等は含まれません。
航空運送事業
当社及びエアーニッポン㈱の航空機及び航空機予備部品等の
購入、ならびに航空機に対する前払いで695億円の投資を行いま
した。なお、
当期に引き渡しを受けた航空機は6機です。
この他に
当社において航空運送関連のコンピュータ端末・周辺機器及び航
空機整備用機具類の購入代金として91億円を、
教育訓練施設建設
のための前払い金として、
59億円をそれぞれ投資しました。
また、
当社及びセグメント内各連結子会社は、
業務省力化等のためのソ
フトウェア開発及び購入に 85億円の設備投資を行いました。
ホテル事業
富山全日空ホテルの開業及び国内ホテル事業再編に伴う沖縄地
区でのホテル資産の購入により、ホテル施設及び土地に対して
148億円の設備投資を行いました。
この他に既存ホテル施設のリ
ニューアルや改装に伴う設備投資を行いました。
その他の事業
各連結子会社において業務省力化のためのソフトウェア開発
及び購入に25億円を、
コンピュータ端末等の各種業務用機材の購
入に 13億円をそれぞれ投資しました。
旅行事業
旅行商品の販売に関するソフトウェアの開発及び購入のため、
2億円の設備投資を行いました。
24
7. 機材調達計画
当期に引き渡しを受けた航空機は、
全日空ではボーイング777300型機1機、
ボーイング777-200型機1機、エアバスA321-100型機
2 機の合計 4 機でした。この他にエアーニッポン㈱がボーイング
737-500型機2機の引き渡しを受けました。
今後の航空関連設備投
資については、
中期経営計画に基づき見直しを行い、2001年 3 月
期∼ 2003 年 3 月期の確定発注機材の内 9 機について導入を 2004
年3月期以降に延期しました。
同期間終了時での保有機数は、
全日
空においては127機、
エアーニッポンでは22機となる計画です。
中期経営計画期間内における今後の主要な機種別導入計画と保
有機数の推移は次のとおりです。
新機種導入計画
3 月 31 日に終了する 1 年間
2001
2002
2003
Total
B747-400 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
B777-200 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
A321-100 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1
3
2
0
0
0
0
0
0
1
3
2
合計
6
0
0
6
保有機数計画
3 月 31 日に終了する 1 年間
B747-400 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
B747-200LR . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
B747-100SR . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
B777-300 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
B777-200 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
B767-300 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
B767-200 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
B737-500 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
B737-200 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
A321-100 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
A320-200 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
YS-11 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計
2000
2001
2002
2003
実績
計画 前期比
計画 前期比
計画 前期比
22
4
11
5
13
42
13
16
3
5
25
7
(8)
(2)
(3)
(4)
(10)
(15)
(11)
(7)
(0)
(1)
(16)
(0)
23
3
11
5
16
42
10
16
0
7
25
6
+1
△1
0
0
+3
0
△3
0
△3
+2
0
△1
23
3
9
5
16
42
6
16
0
7
25
4
0
0
△2
0
0
0
△4
0
0
0
0
△2
23
3
8
5
16
42
2
16
0
7
25
2
0
0
△1
0
0
0
△4
0
0
0
0
△2
166
(77)
164
△2
156
△8
149
△7
注記: 1.リース機含む。ただし、ANKのオペレーティングリースは除きます。
2.()内の数字は、内包するリース機数を示しています。
25
8. 財務状態及びキャッシュ・フロー
単位:百万円
3 月 31 日に終了した 1 年間
営業活動によるキャッシュフロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資活動によるキャッシュフロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
財務活動によるキャッシュフロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金及び現金同等物の換算差額・連結範囲変更に伴う影響額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2000 年
1999 年
¥ 77,249
(85,207)
45,640
15,146
¥ 61,285
(19,626)
17,227
(13,675)
差引現金及び現金同等物の増減額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
52,828
45,211
現金及び現金同等物の期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥237,440
¥184,612
当期においては、
未受領分を含む航空機及びIT関連の設備投資
を進める一方、
次年度上期における資金需要に備えるため、
有価証
券の売却や貸付金回収、
社債の発行等を行った結果、
当期末連結
ベースの現金及び現金同等物は2,374億円となりました。
営業キャッシュフローは、
航空運送事業を中心に営業損益は大
幅に改善したものの、早期退職制度実施に伴う特別退職金やグ
ループ全体で資産圧縮・整理等を行ったことから226億円の税金
及び少数株主損益等調整前当期損失の計上となりましたが、
減価
償却費及びその他の非資金性費用との相殺により、
772億円の営
業キャッシュインフローとなりました。
投資キャッシュフローは、未受領分を含む航空機及びソフト
ウェア開発を中心とした IT関連へ 1,112 億円の投資を行うとと
もに、
投資有価証券の売却及び貸付金の回収など投資回収に努め
た結果、852 億円の投資キャッシュアウトフローとなりました。
財務キャッシュフローは、
長期・短期借入金を 383 億円減少さ
せる一方、
次年度上期における航空機受領ならびに社債償還等の
資金需要に備えるため、
社債発行を中心とする資金調達を行った
結果、456億円の財務キャッシュインフローとなりました。
この 2年間の短期・長期資金調達残高は次のとおりです。
単位:百万円
3 月 31 日現在
2000 年
1999 年
短期借入金
銀行等からの借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 102,586
¥ 107,762
長期借入債務(1 年以内に返済期限の到来する長期借入債務を含む)
銀行等からの借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
575,051
434,703
546,661
349,703
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,112,340
¥1,004,126
なお、
当社の発行する長期債に対しては、
日本格付研究所(JCR)
に格付けを依頼しており、
2000年8月現在Aの格付けとなってい
ます。
また日本格付投資情報センター(R&I)での2000年8月現在
の格付けはBBBとなっています。
現格付けにおいて、
当社の資金
調達上与える影響は問題がないと考えています。
26
9. マーケットリスク
通貨、
燃料、
金利関連
主として当社は、為替相場変動によるリスクを回避する目的
で、
航空機購入代金を中心に外貨建債権・債務を対象とした先物
為替予約及び通貨オプションを利用しています。
また航空燃料の
価格変動リスクを抑制しコストを安定させることを目的にコモ
ディティデリバティブを利用しています。
なお当グループが利用
しているデリバティブには、
差益獲得を目的とする投機的観点か
らの取引はありません。
ヘッジの取引数量は、
燃料では国内外全
体の調達数量に対し一定水準のヘッジ枠を設定し、1回当たりの
取引数量を現物市況に影響を及ぼさない範囲で毎月または四半
期ごとに設定しそれぞれ清算しています。
また通貨においても、
航
空機購入価格の一定割合のドル買い先物予約を行っています。
金利対策としては、当社は固定金利による資金調達を中心に
行っておりますが、
金利動向を鑑みて柔軟な資金計画を行う予定
です。
年数で按分して計上されるため、
前述の年間約80億円の償却費用
のうち相当額が連結損益計算書上、
減額されることになります。
一方、中期経営計画では、人件費の抑制を図るため、
採用の凍
結・圧縮を図るとともに、
自然減ならびに早期の特別退職の拡充
により当グループの従業員数を 2003 年 3 月期までの 4 年間で
2600人、
約9%削減する計画となっています。
このうち特別退職に
ついて計画最終年度までの費用総額を現時点で具体的に測定す
ることはできませんが、2000年3月期では当グループで57億円の
費用を計上しています。
退職給付債務
当社ならびに一部の子会社の退職給付制度は、
役員を除くほぼ
全従業員を対象としています。
当制度では、
受給資格を有する従
業員は、
定年あるいは自己都合による早期退職の際、
退職時にお
ける基本給与及び当社ならびに一部の子会社での勤続年数に基
づき、退職一時金を支給されます。
当社ならびに主要国内子会社
は、
現行の退職金規定により退職一時金の一部を支給するために
企業年金制度を採用しています。
2000年4月以降に開始する事業
年度から適用される新退職給付会計基準により、
当社は15年以内
の一定の年数で積立不足の現在価値を償却する必要があります。
2000年3月期現在、
割引率3.5%として当グループの退職給付債
務はおよそ3,200億円と試算されますが、
当グループでは年金資産
約1,300億円に加え約700億円の退職給与引当金を準備していま
す。
よって、
当グループの退職給付積立不足額はおよそ1,200億円
となり、
この金額を2000年4月以降に開始する事業年度より15年
間にわたり償却する予定で、
年間約80億円を連結損益計算書に費
用計上することになります。
また、
当社では、
従業員への退職給付
債務を削減するため、
現行の退職給付制度の変更を進めています
が、
その場合、
当社の積立不足は300 億円程度減少する見込みで
す。
かかる積立不足の圧縮額は退職給付制度変更年度以降、
一定の
27
公租公課
公的負担には空港使用料、
燃料税、
航空機の固定資産税等が入
ります。
このうち空港使用料、
燃料税等については自らの経営努
力により削減が不可能なものであり、2000年3月期では航空運送
セグメントにおける営業費用の約16%を占めています。
1999年4
月より東京・大阪を除く空港の着陸料が順次引き下げられた結
果、
当期における公租公課は約1,500億円強で前期に比べ約1割減
少しました。
旅客キロ当り収入は、
この 5 年間に国際線で約 23%、国内線で
約15%下落しており、
今後も激しい競争が予想される中、
国内線
において平均的な航空運賃に対する公租公課の比率が約20%と
いうレベルは、
世界的に突出しているばかりでなく、
わが国航空
会社経営の重い負担となっていることは否めません。
公租公課の
大幅引き下げの早期実現は、
当社ばかりでなく、
顧客にとっても
メリットのあるものであり、
航空需要そのものが大きく喚起され
るきっかけになるものと考えます。
コンピュータ西暦 2000年問題
コンピュータ西暦2000年問題につきましては、
経営上の重要課
題として当グループをあげて対応を図りましたが、
航空機をはじ
め、
予約・発券・運航に関連するシステムやその他一般業務システ
ムにおいても異常事態は発生せず、
当グループ各事業は問題なく
行われました。
ANAグループ(全日空及び主要関連子会社)
(2000年3月31日現在)
航空運送事業(子会社数 32、関連会社数 6)
●
ANA Hotels Hawaii, Inc.1
航空運送関連
●
ANA International Europe B.V.1
●
Grand Hotel Ges.M.B.H.1
●
琉球総合開発㈱ 2
●
北京新世紀飯店有限公司 2
●
全日本空輸㈱
●
エアーニッポン㈱ 1
1
●
エアー北海道㈱
●
International Flight Training Academy, Inc.1
●
オールニッポンヘリコプター㈱
●
日本貨物航空㈱ 2
他 12 連結子会社
2
及び 2 持分法適用関連会社
運航サポート関連
●
㈱エーエヌエーケータリングサービス 1
その他の事業(子会社数 103、関連会社数 38)
1
●
㈱インフィニ トラベル インフォメーション 1
●
エーエヌエーホテルズネットワークシステムズ㈱ 1
●
㈱エーエヌエー・コミュニケイションズ 1
●
エーエヌエー・ビジネス・クリエイト㈱ 1
●
全日空システム企画㈱ 1
●
全日空商事デューティーフリー㈱ 1
他 19 連結子会社
●
千歳全日空商事㈱ 1
及び他 2 持分法適用関連会社
●
羽田全日空商事㈱ 1
●
全日空商事㈱ 1
●
関西全日空商事㈱ 1
●
成田空港事業㈱ 1
●
日本フレッシュフーズ㈱ 1
●
福岡全日空商事㈱ 1
●
ANA Trading Corp., U.S.A.1
●
エーエヌケー商事㈱ 1
●
全日空ビルディング㈱ 1
●
大阪空港事業㈱
●
国際空港事業㈱ 1
●
新関西エアーポートサービス㈱
●
全日空整備㈱ 1
1
1
●
エーエヌエーエアロテック㈱
●
エーエヌエー長崎エンジニアリンング㈱ 1
旅行事業(子会社数 14、関連会社数 5)
●
全日空トラベル㈱ 1
●
全日空スカイホリデー㈱
●
㈱全日空トラベル九州 1
1
1
●
全日空ワールド㈱
●
全日空トラベル北海道㈱ 1
●
ANA World Tours (Europe) Ltd.
●
ANA Real Estate Hawaii, Inc. 1
●
旅行計画㈱ 2
●
㈱ウィングレット 1
●
全日空商事エアクラフト㈱ 1
他 6 連結子会社
●
小松空港給油施設㈱ 2
及び 2 持分法適用関連会社
●
高知空港給油施設㈱ 2
●
㈱エム・シー・メイツ 2
●
㈱エム・シー・メイツ大阪 2
●
1
福島航空サービス㈱
2
ホテル事業(子会社数 25、関連会社数 5)
他 31 連結子会社
1
●
全日空エンタプライズ㈱
●
沖縄全日空リゾート㈱ 1
●
㈱エーエヌエー・プロパティ・マネジメント 1
●
㈱札幌全日空ホテル 1
●
㈱金沢全日空ホテル
1
●
㈱博多全日空ホテル 1
●
㈱広島全日空ホテル
1
●
ANA Holding Pty Ltd.1
●
Lilyvale Hotel Pty, Ltd.1
及び 4 持分法適用子会社ならびに 13 持分法適用関連会社
合計
子会社 174 社
うち連結子会社 115 社
うち持分法適用子会社 6 社
関連会社 54 社
うち持分法適用関連会社 27 社
28
1
連結子会社
2
持分法適用会社
事業所一覧(全日空)
(2000年3月31日現在)
本 社
欧州地区
〒 144-0041
東京都大田区羽田空港三丁目
5 番 10 号
Tel: 03-5756-5665
Fax: 03-5756-5659
ロンドン
100 George Street,
London, W1H 5RH, U.K.
Tel: 44-20-7569-0900
Fax: 44-20-7569-0921
大連
Senmao Building,
147 Zhongshan Road,
Xigang District,
Dalian 116011, P.R. of China
Tel: 86-411-360-6611
Fax: 86-411-360-6622
パリ
114, Avenue Des
Champs-Elysées,
75008 Paris, France
Tel: 33-1-53-83-52-20
Fax: 33-1-53-75-12-11
青島
Haitian Hotel,
48 Hong Kong West Road,
Qingdao 266071, P.R. of China
Tel: 86-532-386-9722
Fax: 86-532-386-9724
フランクフルト
Rossmarkt 13,
60311, Frankfurt am Main,
Germany
Tel: 49-69-29976-0
Fax: 49-69-285045
上海
Suite 808, Shanghai Centre,
1376 Nanjing Xi Lu,
Shanghai, P.R. of China
Tel: 86-21-6279-7007
Fax: 86-21-6279-7002
ウィーン
Opernring 1/R/509,
1010 Vienna, Austria
Tel: 43-1-587-8921
Fax: 43-1-587-8930
厦門
Room 205, Holiday Inn
Harbourview Xiamen,
12-8 Zhen Hai Road,
Xiamen 361001, P.R. of China
Tel: 86-592-205-2206, 2179
Fax: 86-592-211-0537
海外販売事務所
米国地区
ニューヨーク
1251 Avenue of the Americas,
Suite 820,
New York, NY 10020, U.S.A.
Tel: 1-212-840-3700
Fax: 1-212-840-3704
ワシントン D.C.
1101, 16th Street, N.W.,
Suite 400,
Washington, D.C. 20036, U.S.A.
Tel: 1-202-857-0950
Fax: 1-202-223-6010
シカゴ
O’Hare Plaza, One Suite 805,
8725 West Higgins Road,
Chicago, Illinois 60631, U.S.A.
Tel: 1-773-380-6080
Fax: 1-773-380-1905
サンフランシスコ
1350 Old Bayshore Highway,
Suite 460,
Burlingame, CA 94010, U.S.A.
Tel: 1-650-762-3300
Fax: 1-650-762-3310
ロサンゼルス
2050 W. 190th Street, Suite 100,
Torrance, CA 90504, U.S.A.
Tel: 1-310-782-3000
Fax: 1-310-782-3120
ホノルル
300 Rodgers Boulevard #47,
Honolulu International Airport,
Honolulu, HI 96819-1897,
U.S.A.
Tel: 1-808-838-0190
Fax: 1-808-838-0191
グアム
Guam International Air
Terminal, P.O. Box 8707,
Tamuning, GU 96931, U.S.A.
Tel: 1-671-642-5588
Fax: 1-671-646-9070
モスクワ
Room 641, Sheremetyevo-2,
Sheremetyevo International
Airport, Moscow, Russia
Tel: 7-503-956-4637
Fax: 7-503-956-4639
香港
Suite 501, One International
Finance Centre,
No. 1 Harbour View Street,
Central, Hong Kong
P.R. of China
Tel: 852-2848-4111
Fax: 852-2845-9111
アジア・オセアニア地区
北京
Room N200,
Beijing Fortune Building,
No. 5 Dong San Huan Bei Lu,
Chao, Yang District,
Beijing 100004, P.R. of China
Tel: 86-10-6590-9171
Fax: 86-10-6590-9175
ソウル
Room 1501, Seoul Center Building,
91-1 Sokong-Dong, Chung-ku
Seoul 100, Korea
Tel: 82-2-752-1190
Fax: 82-2-753-3941
天津
台北(ANK)
8th Floor, No. 117, SEC. 2,
Changan E. Road, Taipei,
Taiwan, R.O.C.
Tel: 886-2-8500-2480
Fax: 886-2-2516-3134
1st Floor, Hyatt Tianjin,
219 Jie Fang North Road,
Tianjin 300042, P.R. of China
Tel: 86-22-2330-4289
Fax: 86-22-2330-4260
瀋陽
3rd Floor, Terminal Building,
Shenyang Taoxian International
Airport, Dongling District,
Shenyang 110169, P.R. of China
Tel: 86-24-8939-8114
Fax: 86-24-8939-8121
バンコク
2nd Floor, C.P. Tower Building,
313 Silom Road,
Bangkok 10500, Thailand
Tel: 66-2-238-5131
Fax: 66-2-238-5134
29
ニューデリー
Suite No. 101, The Oberoi,
Dr. Zakir Hussain Marg,
New Delhi 110 003, India
Tel: 91-11-439-5030
Fax: 91-11-439-5034
ムンバイ(ボンベイ)
The Oberoi Towers,
Rooms 1101 & 1103,
Nariman Point,
Mumbai 400 021, India
Tel: 91-22-282-8685
Fax: 91-22-282-8789
ヤンゴン
2nd Floor, Sakura Tower,
339 Bogyoke Aung San Road,
Kyauktada Township, Yangon,
Union of Myanmar
Tel: 95-1-255415
Fax: 95-1-255417
クアラルンプール
Suite 11.01, 11th Floor,
Wisma Goldhill No. 67,
Jalan Raja Chulan 50200,
Kuala Lumpur, Malaysia
Tel: 60-3-202-5393
Fax: 60-3-202-5400
シンガポール
80 Robinson Road, #18-01,
Singapore 068898
Tel: 65-323-4333
Fax: 65-224-6627
(ジャカルタ)デンパサール
Wisti Sabha Building,
Ngurah Rai International
Airport, Tuban-Bali, Indonesia
Tel: 62-361-761090
Fax: 62-361-759760
シドニー
Level 32, The Chifley Tower,
2 Chifley Square, Sydney,
N.S.W. 2000, Australia
Tel: 61-2-9367-6700
Fax: 61-2-9232-5936
国内販売事務所
札幌
東京
名古屋
大阪
福岡
沖縄
他 45 都市
路線図(2000 年8月1日現在)
I
N
T
E
R
N
A
T
I
O
N
A
L
N
E
T
W
O
R
K
[ 国際線 ]
ボストン
クリーブランド
コロンバス
シンシナティ
インディアナポリス
オーランド
マイアミ
トロント
アトランタ
バッファロー
シャーロット
ダラス
デイトン
デトロイト
ミネアポリス
バンクーバー
シアトル
シカゴ
ベルリン
ミュンヘン
デュッセルドルフ
ハンブルク
ジュネーブ
ウィーン
アムステルダム
モスクワ
ロンドン
ニューヨーク
ワシントンD.C.
フランクフルト
パリ
ウィーン
サンフランシスコ
東 京
ロサンゼルス
ホノルル
瀋陽
北京
天津
大連
ソウル
青島
上海
台北(ANK)
厦門
香港
デリー
ムンバイ
(ボンベイ)
名古屋
大 阪
サンパウロ
リオデジャネイロ
ニューオリンズ
ニューヨーク
(ニューアーク)
ニューヨーク
(ラガーディア)
フィラデルフィア
ピッツバーグ
ローリーダーラム
セントルイス
ヒューストン
デンバー
ソルトレイクシティ
ラスベガス
フェニックス
サンディエゴ
ポートランド
シアトル
ツーソン
福 岡
バンコク
クアラルンプール
シンガポール
グアム
ブリスベン
シドニー
デンパサール
●自社便就航都市
●コードシェア便就航都市
30
D
O
M
E
S
T
I
C
N
E
T
W
O
R
K
[ 国内線 ]
稚内
礼文
利尻
旭川
丘珠
千歳
奥尻
函館
青森
大館能代
秋田
庄内
山形
新潟
仙台
福島
富山
小松
米子
石見
対馬
山口宇部
長崎
岡山
広島
松山
福岡
五島福江
鳥取
佐賀 大分
熊本
鹿児島
高松
成田
東京
伊丹
関空
名古屋
大島
三宅島
徳島
高知
八丈島
宮崎
奄美大島
那覇
宮古
石垣
31
オホーツク紋別
女満別
根室中標津
釧路
役員一覧(2000年6月29日現在)
代表取締役社長
取締役
野村 吉三郎
小野 紘一郎
総合安全推進委員会総括、
経営再建委員会委員長、
経営戦略会議議長、
西暦2000 年対策委員会委員長
空港本部長
野村 紘一
欧州・中近東・アフリカ地区総支配人
兼ロンドン支店長
代表取締役副社長
野村 吉三郎
大橋 洋治
全業務総括、販売本部長、
マーケティング室統括
中町 義幸
総合安全推進委員会委員長、
総合安全推進部関連事業室・
オペレーションコントロールセンター担当、
運航本部・整備本部統括
山本 正
札幌支店長、北海道地区担当
大前 傑
整備本部長
木本 靖彦
福岡支店長、九州・沖縄地区担当
太田 正
八木 功
秘書室・総務部・法務部・人事部・
勤労部担当
大橋 洋治
中町 義幸
八木 功
山元 峯生
常務取締役
木下 昌浩
木下 昌浩
久宝 亙
久宝 亙
監査役
IT 戦略推進委員会委員長、
IT 推進室・BPR推進部担当
小宮 和彦(常勤)
西川 寧是
伊藤 義郎
販売本部副本部長、
大阪支店長、西地区担当
大野 茂
西川 寧是
諸橋 泰
社長室・広報室・調査室・財務部担当
進 和久
進 和久
マーケティング室担当、
スターアライアンス推進統括
大内 学
運航本部長
牧 譲
客室本部長
戸矢 博道
大内 学
牧 譲
国際業務室・調達施設部担当、
空港総合政策統括
戸矢 博道
32
谷口 清太郎
上山 善紀
販売本部副本部長、
東京支店長、東地区担当
諸橋 泰
社長室長
貨物郵便販売推進担当、
西暦2000 年対策委員会副委員長、
地球環境委員会委員長、
地球環境保全推進部担当
東園 基宏
東園 基宏
米州地区総支配人
兼ニューヨーク支店長
沢田 昌幸(常勤)
投資家情報(2000年 3月31日現在)
監査人
監査法人 太田昭和センチュリー
商 号
全日本空輸株式会社
All Nippon Airways Co., Ltd.
上場証券取引所
東京、大阪、ロンドン、フランクフルト
設 立
1952 年 12 月 27 日
株価データ
本社所在地
〒 144-0041 東京都大田区羽田空港三丁目 5 番 10 号
T e l :0 3 - 5 7 5 6 - 5 6 6 5
F a x :0 3 - 5 7 5 6 - 5 6 5 9
ホームページ: http://www.ana.co.jp/
1996
従業員数
1 4 , 9 1 9 (全日空)
1997
1998
1999
2000
株価(円、東証)
高値
1,150 1,200
安値
895
739
790
468
685
335
422
219
株価収益率(倍)
高値
537.4 442.8
安値
418.2 272.7
−
−
−
−
−
−
株価キャッシュ
フロー率(倍)
高値
安値
資本金
72,142,799,354 円
株式の総数
会社が発行する株式の総数:2,203,200,000 株
発行済株式総数:1 , 4 4 2 , 7 2 5 , 1 1 1 株
23.7
18.4
24.3
14.9
18.2
10.8
16.9
8.3
16.6
8.6
株価純資産倍率(倍)
高値
8.7
安値
6.8
9.1
5.6
6.2
3.7
5.6
2.7
3.6
1.9
一株当たり利益(円)2 . 1 4
株主数
162,878
一株当たり
株主資本(円)
大株主
132.5 132.2 127.4 122.8 117.5
株価推移
所有株式数
名古屋鉄道株式会社 *
協栄生命保険株式会社
東京海上火災保険株式会社
株式会社朝日新聞社
同和火災海上保険株式会社
株式会社さくら銀行
株式会社東京三菱銀行
全日空社員持株会
東京急行電鉄株式会社
国際興業株式会社
合 計
2.71 (1.85) (4.57) (6.75)
1 0 0 , 5 9 0 千株
32,854
30,538
24,376
23,011
21,881
21,188
20,883
20,171
19,784
315,280
発行済株式
総数に対す
る所有株式
数の割合
(円)
1000
6.97%
2.28
2.12
1.69
1.60
1.52
1.47
1.45
1.40
1.37
21.85
800
600
400
200
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7
1997
1998
1999
2000
出来高
(百万株)
80
* 名古屋鉄道株式会社が所有している株式については他人名義50名分、27,100千株を
含んでいます。
60
名義書換代理人
住友信託銀行株式会社
〒 1 8 3 - 8 7 0 1 東京都府中市日鋼町 1 番 1 0
40
20
0
33
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7
1997
1998
1999
2000
Fly UP