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もくじ - Biglobe

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もくじ - Biglobe
もくじ
はじめに
シリーズ 1
2
スタニスラフスキイとブレヒト
セミナー
6
ワークショップ第 1 日
13
ワークショップ第 2 日
16
シリーズ 2
メイエルホリドとマイケル・チェーホフ
セミナー
20
ワークショップ第 1 日
35
ワークショップ第 2 日
38
シリーズ 3
アレクサンダー・テクニーク
5
19
41
セミナー
42
ワークショップ第 1 日
52
ワークショップ第 2 日
55
オブザベーション
テーブルトークを止める時(山崎哲史)
57
ロシア演劇の伝統に見た、身体性を取り戻す手がかり(山田佳紀)
58
「俳優トレーニングの科学的アプローチを探る」旅路のあとで
(クリス・メグソン)
60
科学としての演技再考:ロシア俳優トレーニング学派との出会い
(ジョナサン・ピッチズ)
俳優トレーニングの科学的アプローチを振り返って(細井史江)
62
63
スタニスラフスキイを学び、スタニスラフスキイをこえる(中山夏織) 64
俳優トレーニングの科学的アプローチを探る
はじめに
本報告書は、2008 年 11 月∼2009 年 1 月にかけて、3 回にわたり開催された『俳優トレーニン
グの科学的アプローチを探る』シリーズ・プログラムの成果をまとめたものです。
20 世紀の演出家の時代の到来とともに、俳優トレーニングは現代演劇の最も重要な事項の一
つとなって、急速に求められ、発展を遂げてきました。日本においても、様々な場で俳優トレ
ーニングのためのワークショップやセミナーが開催されるようになり、待望の国立の俳優養成
所が新国立劇場に設置され、いよいよトレーニングの質の向上への取り組みが本格的に行われ
るようになりました。
しかしながら、多様性と応用性を兼ね備えた質の高いトレーニングと出会えるのは数限られ
た俳優たちのみであり、多くの俳優たちがスタニスラフスキイもブレヒトも、メイエルホリド
もマイケル・チェーホフの名前すら知らないまま、あるいは、偏った演劇観でのみ育てられて
しまう、また、あるいは自己陶酔や耽溺を演技であると勘違いしていく若い世代も少なくない
という現実が存在しています。
先人が紡ぎ上げた歴史を検証することも、継承することもなく、またスキルも客観性もたま
ないままで、俳優はどんな演劇を創造し、いかに社会とコミュニケートしていくことができる
のか。演劇は芸術家自身の自己満足あるいはセラピーに陥ってしまうのではないのか。
『俳優トレーニングの科学的アプローチを探る』の目的は、21 世紀演劇の創造に生きる俳優
自身が体験し、理解し、継承していく必要のある「ベーシック」な 20 世紀演劇理念を再考して
いくことにありました。
シリーズ1「スタニスラフスキイとブレヒト」では、二十世紀演劇を代表する二人の「巨人」
がそれぞれの求めた真実とは何か、それをいかに演じ分けるのかに焦点をあて、シリーズ2の
「メイエルホリドとマイケル・チェーホフ」では、スタニスラフスキイをベースにしながらも
自然主義へのアンチテーゼを探り、演劇的なるものを求めた二人の演劇観と身体性を追及いた
しました。さらには、芸術家の身体調整の手法として広く活用されている「アレクサンダー・
テクニーク」をシリーズ3としてプログラム化いたしました。
幸い、それぞれに対し、ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校のクリス・メグソン博士、リー
ズ大学のジョナサン・ピッチズ教授、アレクサンダー・テクニークスタジオ東京の細井史江女
史という、忍耐強く、優れた洞察をもった指導者と、柔軟かつ学ぶ意欲に溢れた参加者に恵ま
れ、初期の目的を達成しえたのではないかと自負しております。
ただあくまでもイントロダクション的な体験に過ぎなかったことは確かです。一人一人の俳
優が、この最初の「出会い」を通して、自らの学ぶべき方向性を探っていただければと考えて
います。
このような企画に対して、それぞれの演劇理念と実践が生まれた国から、「正統」を継承する
指導者を招聘するべきという指摘も批判もあるかもしれません。しかしながら、演劇は純粋培
2
Exploring Scientific Approaches to Actor Training
養な存在ではなく、他嫁受粉を繰り返しながら、発展してきました。正統性も重要ではありま
すが、他国で生まれた概念や手法をいかに自分たちのものとして活かしていくのかを考えるこ
とで、実際的な応用性を探りたいと望んだからです。とりわけ英国から招聘したお二人の若き
指導者たちは、ときにベテラン指導者に見られる日本に出稼ぎに行くのだという姿勢とは相反
して、まず自分たち自身が日本での経験から学ぼうとしてくださいました。日本での経験が指
導者としての彼らの未来に寄与するものであると信じております。このような出会いから新た
な他嫁受粉へとつながるものになるのかもしれません。
『俳優トレーニングの科学的アプローチを探る』シリーズは、セゾン文化財団ならびに文化
庁平成 20 年度芸術団体人材育成支援事業の助成をもって実施することが可能となりました。ま
た実施にあたっては、あうるすぽっと<豊島区立舞台芸術交流センター>のご協力をいただき
ました。心より御礼申し上げたいと思います。
さらにここで明記しておかなければならないのは、講師の人選に際して、ロンドン大学ロイ
ヤルホロウェイ校のヘレン・ニコルソン博士のご助言を得たということです。講師の資質と潜
在的な可能性を探り当てたニコルソン博士の優れた洞察に感謝するものです。
特定非営利活動法人シアタープランニングネットワーク
常任理事 中 山 夏 織
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俳優トレーニングの科学的アプローチを探る
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