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5-2-5 人間環境学部の教育の特色とねらい(PDF:108KB)

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5-2-5 人間環境学部の教育の特色とねらい(PDF:108KB)
5-2-5
人間環境学部の教育の特色とねらい
今、私たちが取り組むべき課題は、
『持続可能な社会の制度と政策のあり方』を見出していくこ
とです。ここで“持続可能性(Sustainability)”という概念は、世代間衡平性(Intergenerational
Equity)または世代間責任(Intergenerational Responsibility)、すなわち、
“将来世代がそのニ
ーズを満足させる可能性を損なうことなしに、現世代がそのニーズを満足させる”という性質を
表すとされています。言いかえれば、同時代を生きている地球上全ての人類にとって必要な「持
続可能性」が求められていると同時に、2050 年に地球人口が 90 億人を突破してもなお有効な「持
続可能性」でなければならないのです。
現代社会において必要なことは、社会・文化・経済・政治・法律・自然などが複合的に関連す
る領域において、環境問題を総合的に把握・分析し、人間と環境の新しい関係を探求し、有効な
解決策を見出していくことです。環境汚染を技術的に除去・防止するような部分的な解決策では
不十分であり、
「持続可能な社会」の構築を目標とした全体的な解決策が必要です。このためには、
社会・経済・政治・法律分野の環境関係の専門知識のみならず、人文・自然科学分野の環境関係
の基礎知識を有する社会科学系の環境の専門家を育成することが急務です。
持続可能な社会を実現していくうえで必要な人材は、大きく2つに分けることができます。一
つは、政府・自治体の政策、企業戦略、技術開発の方向性、国際的な社会経済政策等を介して、
あらゆる社会経済システムを、環境的側面から統合することにより、持続可能な社会経済システ
ムへと変革することに貢献し得る「環境リーダー」です。もう一つは、この新しい社会経済シス
テムを積極的にあるいは取捨選択しながら受け入れ、自らの価値観・ライフスタイルを見直した
上で人々に働きかけることにより、新しい社会の形成に参画し得る「環境配慮型市民」です。こ
の2種類の人材の積極的な活動により社会を変革することによって、はじめて持続可能な社会の
実現が可能となります。
本学部では、環境問題を生じさせている社会・経済・政治の特質および構造を分析し解決策を
探求する能力、その能力を支える生命・環境重視の価値観・倫理観、その修得の基礎となる自然
科学的知識、これらを身に付けることにより、環境問題が深刻化する現在の困難な状況において、
適切な判断と積極的な行動をとることができる能力を養うことを目標としています。
社会で重要視される「問題発見・解決能力」を、環境問題という難解なテーマについて自分で
情報を収集し考え自分なりの答えを出していくことで養い、さらに「コミュニケーション能力・
コーディネート力」を、世界中の多様な価値観を理解しながら様々な課題の解決策を他者に伝え、
利害関係者をどうやって調整していくかということを体験させることで養っていくのが、私たち
人間環境学部です。
人間環境学部人間環境学科では、人間と環境の関連性について社会科学的側面に焦点を当てて
学修していきますが、その基礎を学ぶために、マインド形成科目とリテラシー形成科目が配置さ
れています。また、社会人基礎力を育成することを目的とするキャリア形成科目が配置されてい
ます。
1)マインド形成科目:人間環境学部の基礎科目・基幹科目(社会科学系の環境関係の科目)を
勉強するために必要な問題意識、価値観、考え方、興味・関心を涵養するための科目です。
2)リテラシー形成科目:人間環境学部の基礎科目・基幹科目を勉強していくために必要な基礎
1
的な知識、バックグランドになる考え方、方法論の修得、学びのスタートラインに立つための
科目です。
3)キャリア形成科目:社会人基礎力を育成するとともに、人間と社会の諸々の相互関係を解き
ほぐしながら環境を学ぶことを、職業選択・就職や多様な社会活動で活かしていけるようにし
ていくための科目です。
基礎科目・基幹科目Ⅰ・基幹科目Ⅱは、人間環境学部人間環境学科のカリキュラムの柱となる
科目です。
4)基礎科目:環境についての具体的な学びには様々な分野が有りますが、その共通の基礎的部
分を構成する科目です。
「環境政策マネジメント系科目」および「環境社会系科目」における学
びの基礎を用意するものです。
5)基幹科目Ⅰ:人間と環境の関係性を、社会、経済、政治、法律などの社会科学的な観点から
多角的に考察するための科目です。環境政策マネジメント系と環境社会系からなっています。
6)基幹科目Ⅱ:環境政策マネジメント系は、国・地方自治体の政策・法律を通じた環境への関
わり方を学修するとともに、経済活動・企業活動と環境の関わりを学修します。環境社会系は
環境重視の価値観と社会活動を通じた環境との関わり方を学修する科目です。
また、ゼミナール科目は少人数を対象とし、講義科目で得た知識を深化するとともに、興味の
あるテーマを探求します。これら基幹科目ⅠとⅡ、ゼミナール科目の段階的履修を通して、社会
経済システムの変革に貢献し得る「環境リーダー」および新しい社会の形成に参画し得る「環境
配慮型市民」を養成することを目標としています。
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