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地域総合振興事業 (PDF 約55KB)

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地域総合振興事業 (PDF 約55KB)
平成 14 年度国際開発協力関係民間公益団体補助事業報告書
1.
補助事業の名称:
地域総合振興事業(「人材育成事業」「保健衛生事業」の組み合わせ)
2.
事業対象国・地域:
ベトナム国 北部山岳地帯(フートー省、バクザン省、ホアビン省)
3.
事業実施期間:
平成 14 年 4 月 1 日 ∼ 平成 15 年 3 月 31 日
4.
事業の背景
ベトナム北部山岳地帯の発展を目的に、世界銀行はベトナム政府への融資を開始し、さまざまな分
野における開発事業を実施している。ベトナム政府が保健医療施設の建設や機材供与を推進する
一方、AMDA は JVNC (世界銀行とベトナム政府が実施する「ベトナム北部山岳地帯貧困削減プロ
ジェクト」のパイロットコミューンプログラムを受け持つ共同体。平成 13 年 11 月より平成 14 年 9 月ま
で活動。)の一員として保健分野を担当し、ソフト面の強化を図った。本事業は JVNC における活動
「公衆衛生トレーニング」をフォローアップする形で「アクションプラントレーニング」「母子保健トレーニ
ング」「ファーストエイドトレーニング」「薬生協トレーニング」を実施した。
ベトナム北部山岳地帯は、地理的悪条件のため「インフラの未整備」「限られた耕地面積」「情報の
不足」「衛生的な水の不足」といった問題を抱えている。特に少数民族が多くを占める地域では、そ
の傾向が顕著であり、その多くが貧困地域である。保健医療面でも「基礎保健医療サービスへの困
難なアクセス」「医療従事者の人材不足・教育不足」「不衛生な水利用による感染症の蔓延」といった
問題が挙げられている。
本事業対象地である北部山岳地帯 3 省 6 コミューンでは、約 72%の住民が少数民族であり、世界
銀行の統計によれば貧困率は約 53%である。公衆衛生面はベトナム平均に比べ大きく劣っている。
聞き取り調査によれば約 5 割の住民が農薬やし尿で汚染された水を飲んでおり、公衆衛生の知識
不足も伴い約 90%以上の住民が何らかの寄生虫病経験を持っている。コミューンの保健施設までの
アクセスは非常に悪く、多くの住民は1∼4 時間歩かなければならない。また、約 8 割の女性が保健
施設での出産ができず、無資格者もしくは分娩技術が未熟である村の保健ボランティア、あるいは
家族の介助の下、出産に臨まなければならない。介助を行なう村の保健ボランティアは、政府指定
の 3 ヶ月トレーニングを受講しなければならないが、予算不足により約半数は未受講のままである。
このような状況の下、「人材育成支援」と「保健衛生支援」の組み合わせることにより、相乗効果を伴
なったコミューンレベルでの「保健医療サービスの向上」と「環境衛生状況の改善および衛生習慣の
改善」を図ることができると考えた。
5.
活動内容と成果
本事業は次の 5 つの活動を通じ、保険衛生環境の向上に寄与することができた。
-1-
z 公衆衛生トレーニング
WHO によって開発された PHAST 手法を用いた住民参加型公衆衛生トレーニングを 3 省で実施
した。
z アクションプラントレーニング
公衆衛生トレーニングの一環として、受講者が主体となり、
6 コミューンの衛生状況改善のためにアクションプランが設定
された。プランの内容は「村内保健教育キャンペーンの実施」
「コミューンヘルススタッフによる保健ボランティアに対する初
期診断法と筋肉注射法」「小学校敷地内へのモデルトイレの
建設」などである。
初期診断法を演習する村の保健担当者
z 母子保健トレーニング
「妊娠・分娩・産後・新生児ケア」をテーマとした母子保健トレーニングを異なる 6 つのコミューンで
実施し、延べ 106 人が受講した。このトレーニングにより受講者は、①母子保健に関する各地域の状
況と問題把握、②母子保健に関わる各分野ごとの基礎知識と技術、③各地域ごとの必要性に応じた
実行可能な緊急対応法について学ぶことができた。受講者の多くが少数民族であり、言語の違いが
見られた地域もあったが、ビデオ・絵・写真など視覚に訴える教材を多用し、9 割を超える受講者から
「講義内容が非常にわかりやすかった」という評価を得た。また、新生児人形など現地でもすぐ作るこ
とのできる保健教育マテリアルの作成と利用、出産介助演習・お産劇の上演など参加型形式の採用
で、より効果的・実践的な知識・技術が浸透した。
妊婦の栄養について発表する受講者
上腕測定演習
z ファーストエイドトレーニング
参加者からの希望で、母子保健トレーニング期間中に
併せて実施した。コミューンの状況にあわせ、毒蛇に噛ま
れた場合、感電した場合、山岳地帯からの患者運搬法と
簡易タンカの作り方などに関する講義と実習を実施した。
このトレーニングではガーゼ・包帯・消毒液などの教材が
利用され、より実践的なものとなった。
z 薬生協トレーニング
-2-
ファーストエイドトレーニング:
バンデージ法演習
コミューンヘルスセンターへのアクセスが困難な僻地村にも、基礎保健医療サービスを拡大するた
めに、薬生協システムを導入するトレーニングが実施された。
6.
会計報告
経費区分
指導者養成費
総事業費
補助金確定額
自己資金使用実績
407,762
249,960
157,802
95,729
84,993
10,736
1,060,185
391,002
669,183
資機材設備費
141,375
135,000
6,375
教材費
208,097
164,994
43,103
2,761,870
771,800
1,990,070
現地調整員費
876,242
684,000
192,242
現地補助員費
782,599
169,000
613,599
会場設営費
専門家等派遣旅費
専門家等人件費
巡回車輛購入費
-
-
-
外部監査費
91,575
80,000
11,575
事業管理費
520,155
227,040
293,115
調整員派遣費及び保険料
292,844
計
7,238,433
2,957,789
292,844
4,280,644
(単位:円)
-3-
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