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切り花の鮮度保持剤による日持ち向上技術 分類 普及技術

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切り花の鮮度保持剤による日持ち向上技術 分類 普及技術
切り 花 の鮮 度保 持 剤に よる 日 持ち 向 上技 術
分類
普 及技 術
〔 要約 〕シ ョ糖 ラウ リ ン酸 エ ステ ル100ppmと 乳酸 250ppmを 含む 水溶 液 で前 処理 し た切 り 花( ソ
リ ダ ゴ , キク ) は , 水 さし 後 に 高 い 吸 水 促進 効 果 が 認め ら れ る 。 そ し て, 水 さ し後 12日 後 ま
で 葉の し おれ を抑 制 する 。
農 産物 加 工研 究指 導 セン ター 加 工開 発研 究 室
連 絡先 099-268-3240
〔 背 景・ ねら い 〕
切 り 花の 流 通 販 売 に と って , 輸 送 後 の吸 水 不 良 に よ る鮮 度 低 下 が 大 きな 課 題で あ り, そ の
防 止対 策に 多 くの 手間 を 必要 と して いる 。
現 在 ,切 り 花 の 鮮 度 保 持剤 は , 市 場 での せ り の 後 に 小売 店 や 消 費 者 が使 用 する 後 処理 剤 が
多 く , 出荷 前 に 農 家 段 階 で行 う 前 処 理 剤は 少 な い 。 特 に輸 送 後 の 吸 水 促進 を 目的 と した 前 処
理 剤は ない 。
そ こ で , 輸 送後 の 吸 水 を 促進 す る こ と を 目 的と し て , 農家 で 簡 便 に 処 理で きる 前 処理 剤 と
処 理方 法を 開 発す る。
〔 成 果の 内容 ・ 特徴 〕
1
ソ リダ ゴ を 水 道 水 で 前処 理 し た 場 合は , 水 さ し 後 に日 数 を 経 る に つれ て 重量 が 軽く な っ
てお り , 吸 水 が抑 制 さ れ た の に 対し , シ ョ 糖ラ ウ リ ン 酸 エ ス テル 100ppmと 乳酸 250ppmを 含
む水 溶液 で 前処 理し た 場合 は 高い 吸水 促 進効 果が 認 めら れ る( 図1 )。
2
シ ョ糖 ラ ウ リ ン 酸 エ ステ ル 100ppmと 乳 酸 250ppmを 含 む 水 溶液 で前 処 理し たソ リ ダゴ は 水
さし 12日 後 ま で 葉 のし お れ が 認 めら れ な い 。 ま た ,処 理 液 中 の茎 の 変 色 も みら れ ない 。 し
かし ,乳 酸 の濃 度を 500ppmに 高め ると 茎 の黄 変が み られ る (表 1 )。
3
乳 酸 250ppmの 混 用 に よ っ て , 前 処 理 液 中 の 細 菌 の 増 殖 が 2 日 間 抑 え ら れ る ( 図 2 )。 ま
た, 処理 液 を3 日間 繰 り返 し 使用 して も 高い 吸水 促 進効 果 がみ られ る (デ ータ 略 )。
4
前 処理 時 間 と し て , ソリ ダ ゴ で 1 時間 , キ ク で 3 時間 以 上 が 必 要 であ る が, 1 晩処 理 し
ても 障害 は ない (デ ー タ略 )。
〔 成 果の 活用 面 ・留 意点 〕
1
本 技術 は 鹿 児 島 県 の 特許 で あ る が ,県 内 の 農 家 に 限り , 農 業 改 良 普及 セ ンタ ー にて 利 用
者 台帳 に 登録 の上 利 用で き る。
2
日 持ち が 向上 し, 市 場評 価 も高 まる こ とで ,本 県 産切 り 花の 消費 拡 大に つな が る。
3
微 生物 の 増殖 など に よる 水 の濁 りが 生 じた 場合 は 速や か に更 新す る 。
4
流 通や 販 売時 にお い ても , 品温 が上 昇 しな いよ う に温 度 管理 等に 留 意す る。
5
市 販の シ ョ 糖 ラ ウ リ ン酸 エ ス テ ル (成分 含 量 38%), 乳 酸 (成 分含 量 90%)を 用い る 場合 は
4,000倍 液と す る。
〔 具 体的 なデ ー タ〕
①
②
③
④
前処理終了時からの重量変化
(%)
10
5
水道水
ショ糖ラウリン酸エステル100ppm
②+乳酸250ppm
②+乳酸500ppm
0
2
4
6
8
10
-5
-10
水さし日数(日)
-15
図1 前処理剤の違いによるソリダゴの水さし後の重量変化
表1 前処理剤の違いによるソリダゴの水さし後の鮮度変化
区
前処理液
① 水道水
② ショ糖ラウリン酸エステル 100ppm
③
〃
④
〃
乳酸濃度
(ppm)
0
0
250
500
2
○
◎
◎
◎
4
○
◎
◎
◎
葉のしおれ
6
8
10 12日後 2
○ △ △ ×
◎
◎ ◎ ◎ ○
◎
◎ ◎ ◎ ◎
◎
◎ ◎ ○ ○
○
鮮度指標
一般細菌数(log cfu/g)
7
6
5
①
②
③
④
◎:なし
処理液中の茎変色
4
6
8
10 12日後
◎ ◎ ◎ ◎ ◎
◎ ◎ ◎ ◎ ○
◎ ◎ ◎ ◎ ◎
○ ○ ○ ○ ○
変色指標
◎:なし
○:下位葉しおれ
○:わずかにあり
△:中位葉までしおれ
△:明らかにあり
×:上位葉までしおれ
×:著しくあり
水道水
ショ糖ラウリン酸エステル100ppm
②+乳酸250ppm
②+乳酸500ppm
4
3
2
1
0
1
2
3
4
5
使用日数(日)
図2 前処理剤を継続使用した場合の一般細菌数の推移
〔 そ の他 〕
研 究課 題名 : 切り 花の 鮮 度保 持 技術 の確 立
予 算 区 分: 県単 独事 業
研 究 期 間: 研究 成果 作 成年 度
発 表論 文等 : 特許
平 成17年 度( 平成 7 ~12年 )
3 5 77 6 66 号
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