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事例> 6 体罰
6 体罰 処分年度:平成23年度 懲戒処分の量定:停職 1月間 所属・職種:県立学校教職員 ~皆さんに考えてほしいこと ~ ・体罰は児童生徒にどんな影響を与えるの か? <事例> 【事案の概要】 午後4時 30 分頃、更衣場所におけるユニフォーム等の片付けが不十分であっ たことから、顧問を務める部活動の生徒 12 名の頬を右手平手で殴打し、1名の 生徒の聴覚に後遺症を負わせた。 また、4か月間、顧問を務める部活動の複数の生徒に対して、指導をする際、 頬を殴打したり頭を叩いたりするなどの行為を繰り返し行った。 【要因・背景】 ・学校組織の中の部活動という意識が欠如し、個人の考えのみに基 づく指導を行った。 ・指導者と部員との間に絶対的主従関係が成立していた。 ①体罰は学校教育法で禁止されています ☆ 平成24年度、県内公立学校では47件の体罰が確認されました。 教職員に体罰は絶対に許されない行為であるとの認識が不十分であっ たと言わざるを得ません。 ☆ 体罰により正常な倫理観を養うことはできず、むしろ児童生徒に力 による解決への思考を助長させる恐れもあります。 ☆ 過去の被罰体験や指導実績から、 「体罰には効果がある」といった誤 った認識を持っている者もいますが、認識を改める必要があります。 【学校教育法第11条】 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるとこ ろにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加える ことはできない。 - 19 - 【「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について」(抜粋) (平成 25 年 3 月 13 日文部科学省通知)】 2 懲戒と体罰の区別について (2)……その懲戒の内容が身体的性質のもの、すなわち、身体に対する侵害を内容 とするもの(殴る、蹴る等) 、児童生徒に肉体的苦痛を与えるようなもの(正座 ・直立等特定の姿勢を長時間にわたって保持させる等)に当たると判断された 場合は、体罰に該当する。 ○平成 24 年度の体罰状況その① ※平成 25 年4月 26 日公表「体罰に係る調査結果について」より 小学校 体罰を行った 体罰を受けた 教職員数 児童生徒数 17 13 19 中学校 19 16 22 高等学校 11 10 24 0 0 0 47 39 65 区分 件数 特別支援学校 合計 ②運動部顧問による体罰も多く見られます。 ☆ 次のような甘い認識、間違った思い込みを捨てることが必要です。 ・ 体罰には効果がある。 ・ 部活動には体罰が必要である。 ・ ケガをさせなければ、多少の暴力は、体罰には当たらない。 ・ 生徒との信頼関係があれば、体罰は許される。 ☆ 教職員だけでなく、外部指導者も同様の認識を持つことが必要です。 ○平成 24 年度の体罰状況その② ※平成 25 年4月 26 日公表「体罰に係る調査結果について」より ■体罰の発生した場面 場面 1 部活動中 授業中 3 放課後 休み時間 件数 割合 11 (23.4%) 11 (23.4%) 7 (14.9%) 7 (14.9%) ■体罰の発生した場所 場所 1 教室 2 運動場・体育館 3 廊下・階段 - 20 - 件数 割合 19 (40.4%) 15 (31.9%) 6 (12.8%) ■体罰の態様 態様 1 素手で殴る 件数 割合 29 (61.7%) 2 殴る及び蹴る等 3 (6.4%) 3 棒などで殴る 2 (4.3%) 蹴る 2 (4.3%) 投げる・転倒させる 2 (4.3%) ■体罰被害の状況 骨折・捻挫など, 1 鼓膜損傷, 2 打撲, 4 傷害なし, 33 ケガをさせなくても 体罰となります。 14 傷害あり 鼻血, 3 その他, 4 <その他の事例> ○平成24年度処分・戒告・県立学校教職員 午後6時頃、顧問を務める部活動の生徒の練習への取組み姿勢について指導を行っ ている最中に、生徒7名の左頬を平手で殴打し、1名の鼓膜の一部を損傷させた。 ○平成24年度処分・減給10分の1 6月間・公立学校教職員 部活動の指導中、生徒に足をかけて倒し、右腕を骨折させた。 - 21 - 7 交通事故・違反 処分年度:平成24年度 懲戒処分の量定:戒告 所属・職種:県立学校教職員 ~皆さんに考えてほしいこと ~ ・なぜ交通規則を守らなければならない のか? <事例> 【事案の概要】 日曜日の午後10時23分頃、国道において、道路標識により最高速度が時速 50kmと指定されているにもかかわらず、その最高速度を56km超える時速 106kmの速度で普通乗用自動車を運転して進行した。 その結果、速度違反取締中の警察署員に停止を命じられ、交通違反に対する告 知票が交付された。 【要因・背景】 ・午後 10 時くらいまで友人と会食をしていて、翌日の勤務のこと を考え急いでおり、その時は意識してスピードメーターを見るこ とはなかった。 ・片側2車線道路であり、走行している車も少なかったので、つい ついスピードを出してしまった。 時速100km(!!) 明日は仕事…。 時速50km(法定速度) - 22 - ①交通事故を伴わない場合でも、最高速度違反に対する処分の対象とな ります。 ※ 報告を怠った者については、その処分が加重されます。万が一、 違反した場合には、速やかに報告を! 参考資料・懲戒処分に至らなかったスピード違反件数 (鳥取県教育委員会事務局のみ。H22.4~H25.10 末まで。) 項目 H22 H23 H24 H25 超過速度 2 0 0 2 時速30㎞以上 時速50㎞未満 超過速度 時速30㎞未満 合計 合計 4 8 5 4 5 22 10 5 4 7 26 事務局だけでこの件数! ②「いそぎ」「あせり」の心理に注意しましょう。 人はもともと「他人より先に行きたい」という本能的な欲求がある と言われています。 普段は、この急ぎの心理を抑えて生活していますが、車の運転とな ると、僅かなきっかけで、この本能的な心理が顔を出します。 (対処方法) ・出発時間に余裕を持ち、余裕のあるスケジュールを組む。 ・途中で遅れそうなときは、相手方への連絡を優先して精神的な 負担を軽減する。 ・急いで運転しても、僅かな時間短縮しかできず、逆に事故の可 能性が高くなることをいつも念頭に置く。 - 23 - <その他の事例> ○平成24年度処分・戒告・公立学校教職員 高速道路を自家用車で走行中、最高速度が時速80kmと指定されているにもかかわ らず、その速度を50km以上超過する最高速度違反を犯した。 ○平成25年度処分・戒告・公立学校教職員 職場から普通乗用自動車で帰宅途中、最高速度を62㎞超過し、警察に検挙された。 交通事故・違反は多発しています ※鳥取県教育委員会事務局のみ。H22.4~H25.10 末まで。 項目 件数 構成比率 物損事故 スピード違反 (超過速度時速50km以上除く) 66 53.7% 26 21.1% 一時不停止 10 8.1% シートベルト違反 6 4.9% 信号無視 5 4.1% 人身事故 4 3.3% 進入、Uターン禁止 4 3.3% 携帯電話使用 2 1.6% 合計 約75%を占めている 防げるものでは? 123 100.0% ○交通事故が引き起こす悲惨な結果について十分認識を! ・交通事故は事故にあった被害者ばかりでなく、その家族をも不幸に します。 ○慣れと「だろう運転」に注意しましょう ・「だろう運転」を改め、今一度初心に帰って、安全運転を心がけまし ょう。 ○体調を整えて運転しましょう ・疲れている時、病気の時、心配ごとのある時などは、注意力が散漫 になったり、判断力が衰えたりするため、思いがけない事故を引き 起こすことがあります。 - 24 - 8 個人情報流出 処分年度:平成23年度 懲戒処分の量定:減給10分の1 1月間 所属・職種:県立学校教職員 ~皆さんに考えてほしいこと~ ・個人情報がインターネット上に流 出した場合、どのような問題が発 生するのか? <事例> 【事案の概要】 学校で作成した教材の電子データを個人のUSBメモリにコピーして自宅に 持ち帰り、電子データの中に卒業生の成績等の個人情報が含まれていることを確 認することなく、自宅のパソコンに保存した。 当該パソコンでは、ファイル交換ソフト「ウィニー」を日常的に使用していた ため、当該パソコンがコンピュータウィルスに感染したことにより、卒業生の成 績等の個人情報がインターネット上に流出した。 【要因・背景】 ・持ち出した電子データの中に生徒の個人情報があることを認識してい なかった。 ・自宅のパソコンに「ウィニー」をインストールしており、 「ウィニー」 を利用しても大丈夫と思っていた。 ・個人情報の取り扱いについては、自分は問題ないと過信があった。 インターネット上に流出! 個人情報 (持ち出したデータ) 教材 教材 教材 教材 教材 個人情報 教材 教材 教材 教材 教材 教材 (職場) (自宅) <個人情報流出の影響> ・個人情報流出の対象であった卒業生 382 名に謝罪文書を発送。 ・うち成績が流出した 205 名については電話でも謝罪。 - 25 - ①USBフラッシュメモリは公用のものを利用しましょう ☆ USBフラッシュメモリは、大容量、軽量・小型という便利な特性を持 つ一方、ウィルス感染、紛失等による情報漏えい等のリスクも持っていま す。 ☆ 鳥取県においては、業務で利用するUSBフラッシュメモリは暗号技術 等のセキュリティ機能を持ち、情報政策課が定める仕様に基づき用品指定 をされた製品又はそれに準じた製品を利用することとされています。 ☆ 県立学校においては各学校で規定されている「個人情報取扱要領」をそ の他の所属においては「USBフラッシュメモリ取扱要領」を再度確認し ましょう。 ②日常から個人情報管理の徹底を ☆ 自宅のパソコンに個人情報等のデータを保存することも問題ですが、そ れ以前に「個人情報を持ち帰ったという認識がなかった」ことも問題です。 ☆ 特に学校では、児童生徒に関する多くの個人情報を扱っています。普段 から執務室の整理整頓に努め、個人情報管理を徹底することが必要です。 ③「ウィニー」などファイル交換ソフトは使用しない ☆ 業務上使用するパソコン等に、情報システム管理者が定める以外のソフ トウェアの導入を行ってはいけません。 ☆ 特に「ウィニー」等のファイル交換ソフト、ネットワーク上の情報資産 を盗聴するような監視ソフトウェア、ネットワークの状態を探索するセキ ュリティ関連のソフトウェア及びハッキングソフトウェアの使用は厳禁 とされています。 <その他の事例> ○平成23年度処分・減給10分の1 3月間・公立学校教職員 生徒の個人情報が含まれた進路関係書類を無断で持ち出し、紛失させた。 - 26 - 9 名誉毀損 ~皆さんに考えてほしいこと~ ・インターネット利用時に心がけるべきこ とは何か? 処分年度:平成25年度 懲戒処分の量定:免職 所属・職種:県立学校教職員 <事例> 【事案の概要】 自宅で携帯電話機を利用し、被害者(異性)になりすまして、ホームページ内 の不特定多数の者が閲覧可能な電子掲示板に被害者の画像を添付した上、被害者 の名誉を毀損する内容の文書を掲載した。 このことにより、逮捕され、名誉毀損により裁判所へ公判請求された。 また、これら一連の行為により、第三者が被害者に対する嫌がらせの電話やつ きまといを行い、被害者に多大な恐怖感を与えた。 ①匿名で書き込んでも発信元は特定される ☆ 匿名で投稿したり、他人になりすましたりしても、前後の発言内容や過 去の投稿内容、IPアドレス等から発信元が特定されます。 ☆ インターネット上には通信記録が残されています。事件性があると警察 が判断すれば、通信記録を調べて、書き込みをした人を特定します。 ☆ 「匿名だから大丈夫」という安易な考えは捨てましょう。 ○インターネットに他人の悪口を書き込んだ。事件性があると判断されれば… 通信記録等を調査 書き込みした者を特定 罪に問われる可 能性も ○例え警察が動かなくても… 前後の発言内容や 過去の投稿内容か ら書き込みした者 が推測され、 164 ○○ 悪口を書き込んでいたのはAだな。 165 ▲▲ >>164 俺もそうだと思う。最低なやつだ。 166 ■■ 制裁してやる。名前と写真を掲載しよう。 - 27 - 今度は自分が悪口を書 き込まれ、攻撃される ことも… ②インターネット上での書き込みは全世界への情報発信 ☆ インターネット上での情報発信は、その情報が拡散して不特定多数の者 に知れ渡り、半永久的に記録される恐れもあります。不用意、非常識な発 言は慎みましょう。会話でコミュニケーションを行う際には、当然気をつ けているはずです。 ☆ たとえ書き込み時に閲覧者を限定しても、誰かが転載することにより、 予期せぬ形で情報が拡散する可能性があります。 ☆ 掲示板や他人のブログへのコメントも立派な情報発信です。自分の発信 した情報の責任は自分で持たなければなりません。 仲間だけに 見てもらおう。 一定の人だけ 閲覧可能とし たが… ヘ ヘ 面白い内容だから 転載しちゃおう 転載 全世界の人が 閲覧可能に! (閲覧者の一人) ③厳しく処罰されます。 ☆ 当該教職員に対しては、懲役2年、執行猶予4年という厳しい判決が言 い渡されました。 ☆ インターネット上で他人の誹謗・中傷を行った場合、名誉毀損罪や侮辱 罪に問われたり、民事上の損害賠償を請求されたりする可能性があること を認識しましょう。 【刑法第230条第1項】 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三 年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。 【刑法第231条】 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。 【民法第709条】 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これ によって生じた損害を賠償する責任を負う。 - 28 - 10 器物損壊等 ~皆さんに考えてほしいこと~ ・一人の教職員の非違行為が、周囲に どのような影響を及ぼすのか。 処分年度:平成25年度 懲戒処分の量定:免職 所属・職種:教育委員会事務部局職員 ※処分時の所属 <事例> 【事案の概要】 知人(異性)の所有するリップクリームに自己の体液を付着させ、これを使用 不能にさせた。被害者からの訴えにより警察が捜査し、器物損壊により逮捕され、 罰金30万円の略式命令を受けた。 また、8か月間にわたり、インターネットサイトに上記知人の氏名、電話番号 等の個人情報を掲載するなどの行為を行うとともに、当該知人に対して、繰り返 し無言電話をかけるなど、恐怖感を与えた。 ①本人は懲戒免職。相手方には恐怖感を与えた。それ以外にも多大な影 響が…。 (事案発生後に起こったこと) ・逮捕日、教育委員会や学校に対し、報道機関からの取材が殺到し た。 ・逮捕についてテレビニュース、新聞で報道された。 ・略式起訴について報道された。 ・免職について報道された。 ・知事が記者会見で事件に対する感想を問われ、 「おぞましい事件」 と言及した。 ・県民の声で「再発防止のため、どのような対策を取るのか。」と いう意見が寄せられた。 - 29 - 11 その他の不祥事 <わいせつ行為等(児童生徒以外に対するもの)> ○平成22年度処分・免職・県立学校教職員 路上において、通行中の者(異性)の背後から口を手でふさぎ、両手で体を押さえ るなどの暴行を加えるとともに、体を触るなどのわいせつな行為を行い、その際、頸 部挫傷等の傷害を負わせたことにより、起訴された。 ○平成23年度処分・免職・県立学校教職員 午後8時40分頃、路上において、歩行中の者(異性)に抱きつき、体を触るなど のわいせつな行為を行ったことにより、逮捕され、起訴された。 また、別の日の午後8時22分頃に、路上において自転車で走行中の者(異性)の 前に立ちふさがり、走って逃げようとする当該者に抱きつき、体を触るなどのわいせ つな行為を行ったことにより、再逮捕され、追起訴された。 <食品衛生法違反> ○平成23年度処分・減給10分の1 1月間・県立学校教職員(2名) 実習で製造したアイスクリームから大腸菌群が検出され、再発防止への改善措置等 を報告したにもかかわらず、製造の再開後に再発防止策の実施を怠り、再び、実習で 製造したアイスクリームから大腸菌群が検出された。 調査の結果、アイスクリームを製造した際、所定の改善措置を実施せず、法令で定 められた分注機械を使用しないまま手作業でカップにアイスクリームを詰めていた ことが判明し、製造品の回収及び廃棄の行政処分を受けた。 <職務専念義務違反> ○平成24年度処分・減給10分の1 3月間・県立学校教職員 約6か月間、ほぼ毎日、勤務時間中の授業の空き時間や放課後等、学校内において携 帯電話で業務と関係のないウェブサイトに接続していた。 <器物損壊> ○平成22年度処分・減給10分の1 1月間・県立学校教職員 飲酒の上、交番内に設置されていた警察機関向け専用サービス用電話機のモジュラ ーコード部分を破損させた。 - 30 - Ⅳ 不祥事防止対策 鳥取県教育委員会では、平成 19 年度に「鳥取県教職員コンプライアンス行動指針」 を策定しました。それ以降も不祥事が発生するたびに、再発防止策を実施してきました。 しかし、不祥事が無くならないのは「再発防止策」が一過性に終わっているからでは ないでしょうか? この状況を変えるために、まずは教職員一人ひとりが、 ・平成 23 年 9 月「教育長緊急メッセージ」 ・平成 24 年 11 月「教育長緊急アピール」 を今一度読み返し、不祥事再発防止を心に誓いましょう。 また、教職員一人ひとりにコンプライアンス意識を徹底することに加え、職場単位で 不祥事を許さない・起こさない職場風土を構築していくことも必要です。 全所属に配置されているコンプライアンス推進員を中心に、自分たちの職場のリスク を自分たちで考え、組織的なコンプライアンス対策にも取組んでいきましょう。 ○コンプライアンスの取組は二本立て 個人 組織 コンプライアンス 不正・不祥事を許 意識の向上 さない職場環境 自分の事として 考える 職場マネジメン トの一部として 捉える 過去の取組を振り返ることで、改めて不 祥事再発防止を心に誓い、コンプライア ンス意識の向上に努めてください。 所属長、コンプライアンス推進員が中心 となり、組織一丸となって、不正・不祥 事を許さない職場環境を作ってくださ い。 - 31 - 1 教育長緊急メッセージ(平成 23 年 9 月 6 日) 相次ぐ不祥事を教訓とし、信頼の回復に向けて力を合わせて取り組むこと を教育長自ら全教職員に呼びかけました。 教職員の皆さんへ 今日を新たな出発点として 信頼の回復に向けて力を合わせて取り組みましょう 教育は、児童・生徒はもとより、保護者や県民の皆様との信頼関係によって成り立って います。本県教育は、教職員の皆さんの児童・生徒への心からの教育的な愛情と献身的な 教育活動によって、これまで信頼をいただいてきました。 しかしながら、昨年度から不祥事が相次いでおり、本日は、強制わいせつ、準公金の横 領、飲酒後の車の運転により、教職員2人を懲戒免職、1人を停職6月間の懲戒処分とし ました。こうした不祥事は、児童・生徒、保護者はもとより、県民の皆様の教育に対する 信頼と期待を大きく裏切るだけでなく、日々、ひたむきに教育活動に取り組んでいる多く の教職員の努力や熱い思いを無にしかねないものです。 これまでも、様々な機会をとおして、法令の遵守や服務規律の確保をお願いしてきたと ころですが、依然として不祥事が後を絶たず、とても残念でなりません。 今、私たちの教育への信頼が大きく揺らいでいます。この信頼の回復は一朝一夕にでき るものではなく、その道のりはとても険しいと思いますが、ここで力を合わせて乗り越え ていかなければなりません。 皆さん、どうか不祥事が相次いでいるこの現実を直視し、鳥取県の教職員としての自覚 と責任を原点に立ち戻って深く心に刻んでください。 今日を本県教育に対する信頼を回復する出発点として位置付け、児童・生徒のために一 丸となってよりよい教育を創造し、保護者や県民の皆様の期待にしっかり応えていきまし ょう。 平成23年9月6日 鳥取県教育委員会 教育長 横 - 32 - 濵 純 一 2 教育長緊急アピール(平成 24 年 11 月 7 日) 県民の信頼と期待を損なう不祥事が後を絶たない危機的状況を脱するため、 今一度、全教職員が鳥取県教育に携わる者としての自覚を持ち、再発の防止に 取り組むよう、全教職員に発信しました。 教育長緊急アピール 鳥取県教育委員会では、平成18年度の不適正経理問題を契機に「鳥取県教職員コンプ ライアンス行動指針」を策定し、県民の信頼の回復に向けた取り組みを進めてきました。 しかしながら、昨年度、教職員による不祥事が相次いだことから、教職員が力を合わせ て信頼回復に取り組むべく緊急メッセージを9月6日に発出したところです。 それにもかかわらず、本年度に入っても窃盗など教職員として絶対にしてはならないよ うな不祥事が発生しており、懲戒処分者が続出するという極めて深刻な事態となっていま す。県民の皆様からも厳しい声が届いており、私たち教育に携わる者への信頼は大きく揺 らいでいます。私たちは、この事態を真摯に受け止めなければなりません。 不祥事は、児童・生徒、保護者、そして県民の皆様の教育に対する信頼と期待を大きく 裏切り、日々、ひたむきに教育活動に取り組んでいる多くの教職員の努力や熱い思いを無 にしてしまいかねません。 教職員の皆さん、鳥取県の教職員としての職責の重さや使命感、誇りを忘れていないか、 県民や地域の方々に満足していただける仕事ができているか、今一度、原点に立ち戻って 自らを見つめ直してください。 今回の不祥事を教職員一人ひとりが心に刻み、二度と不祥事を繰り返さないと強く決意 していただきたいと思います。そして、県内全ての学校が子どもたちの笑顔で溢れ、歓声 がこだまし合う中で子どもたちが心豊かに成長していく場となるよう一丸となって取り組 み、保護者や県民の皆様の期待にしっかりと応えていきましょう。 平成24年11月7日 鳥取県教育委員会 教育長 横 濵 - 33 - 純 一 3 コンプライアンス推進員の設置(平成 25 年 8 月) 各所属に「コンプライアンス推進員」を設置し、各所属でコンプライアンス 対策を進める上での人的環境を整備しました。また、平成25年 8 月 30 日、 11月27日には同推進員を対象とした研修会を開催しました。 【コンプライアンス推進員の役割】 ○コンプライアンス推進に関する体制整備に関すること ○コンプライアンス推進に関する啓発及び研修に関すること 【コンプライアンス推進員研修会】 ○第1回(平成25年8月30日) ・各所属独自の「コンプライアンス・チェックリスト」の作成に向け て、推進員同士のグループ討議により、チェック項目を検討。 ○第2回(平成25年11月27日) ・民間企業トップの講演 ・各所属の取組発表 ■コンプライアンス・チェックリスト 第1回研修会での検討結果を踏まえ、所属ごとに独自の「コンプライアンス・チェッ クリスト」を作成しています。このチェックリストは、管理職が職場マネジメントを行 う際に、日常的な点検や不祥事のサインの発見に活用するものです。加えて、教職員用 チェックリストを作成している所属もあります。 次ページ以降に掲載されているチェック項目は、第1回研修会で検討されたものの一 部ですが、各所属でリスクは異なります。そして、そのリスクを一番良く知っているの はその所属で働く皆さん一人ひとりです。自分たちの所属のリスクを、自分たちで考え ることが最も有効な不祥事防止対策となります。 ☑ ☑ □ - 34 - <第1回研修会で検討された管理職用チェック項目(一部)> 【管理職としての心構え】 □教育長緊急メッセージの趣旨が周知・徹底されているか。 □所属長(管理職)のコンプライアンスに取組む姿勢は適切か。 □所属職員にコンプライアンス意識を徹底しているか。 □不正を起こさない・許さない職場の雰囲気づくりができているか。 □報告・連絡・相談が徹底されているか。 □所属内の業務内容、分担は適切か。 【交通事故・交通違反】 □教職員に対して交通法規を遵守するよう指導しているか。 □教職員に対して余裕ある行動を取るよう指導しているか。 □交通事故、違反があった場合、速やかに報告するよう呼びかけているか。 □職員の懲戒処分の基準について教職員に周知徹底しているか。 【飲酒運転】 □機会あるごとに飲酒運転根絶に向けた呼びかけをしているか。 □飲酒を伴う会合を実施する際、飲酒運転は絶対しないことを確認しているか。 【不適正経理】 □会計規則等に従った事務処理を指導しているか。 □会計事務の点検が実施されているか。 □組織としての意思決定が適切に行われているか。 □会計事務を担当者任せにしていないか。 □通帳、印鑑、現金等が適切に管理されているか。 □様子のおかしい職員はいないか。 【体罰】 □体罰は絶対に許されない行為であるという職場風土が構築されているか。 □教職員、外部指導者に対する指導が徹底されているか。 □組織的に対応しているか。 □児童、生徒が相談しやすい体制づくりができているか。 - 35 - 【個人情報】 □個人情報管理に関する規程等を整備し、それを教職員に周知徹底しているか。 □執務室における個人情報管理を徹底できているか。 □やむを得ず個人情報を外部に持ち出す際の管理が徹底できているか。 □USBの管理、使用方法が徹底されているか。 【ネット情報】 □ネット社会の危険性について、充分に認識しているか。 □情報発信について、必要な点検が行われているか。 【ハラスメント】 □ハラスメントの定義や防止対策が教職員に周知徹底しているか。 □相談しやすい環境づくりを行っているか。 ■コンプライアンス向上への取り組み ◎ 本来あるべき姿 × 現状? 不祥事が起きても、これを教訓とし、改 同じ不祥事を繰り返しているようでは、 善することで、質の高い行政サービスを サービスの質も高まりません。 実現していくものなのですが… 教訓を生かせなければ、いつまで 教訓を生かして、質を高める!! たっても低い水準のまま! スパイラルアップ! スパイラル… 皆さんは、そして皆さんの職場は、スパイラルアップできていますか? - 36 - 4 教育業務改善ヘルプラインについて(平成 18 年度~) この制度は、組織内の不正行為の未然防止を図るとともに、万一不正行為のおそ れがあっても、小さな芽のうちに摘み取るという自浄作用を働かせることを目的と しています。 教職員の皆さんが職務を遂行していく中で、「これは社会の尺度から考えておか しい」「このままでは県民の信頼を損なう」「このような業務の進め方では、いずれ 不祥事の発生につながる」などと感じた場合、一人で悩んだり、抱え込んだりせず 連絡してください。連絡者の秘密は固く守ります。 ■教育業務改善ヘルプライン制度 1 対象者 ・ 県教育委員会事務局、教育機関及び県立学校の教職員 ・ 市町村立学校の県費負担教職員 ・ 鳥取県教育文化財団等県出資法人の職員 2 連絡方法 ・ 電子メール([email protected]) ・ 封書 教育総務課業務改善ヘルプライン担当 〒680-8570 鳥取市東町 1-271 鳥取県教育委員会事務局 ※連絡は原則として記名とします(連絡者の通報の秘密は守ります)。 ※封書の場合は、「親展」と記載してください。 3 連絡内容 (1)職務上の法令違反、その他の不正又は不当な行為に気がついたとき。 (2)業務に関し当該機関内では解決が困難であり、業務改善ヘルプラインが関与して 改善することが必要と考えるとき。 (3)業務改善ヘルプラインに連絡したことが原因でいやがらせ、中傷その他不当又は 不利益な取扱いを受けたとき。 4 調査担当 県教育総務課教育行政監察担当(0857-26-7579) <これまでの連絡件数> 一人で悩まないで、 まずは御相談ください! 年度 平成 18 年度 平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 累 計 - 37 - 連絡件数 26件 21件 14件 11件 5件 7件 8件 92件 ~ 一人ひとりが 「県民への誓い」を 県民の皆様に向けて あらためて誓いましょう~ 私たちは、県民のために全力で働きます。 県民の信頼に応えるために ○ 法令を遵守し、公正、公平で誠実に仕事をします。 ○ 県民の大切な公金を一円もムダにしません。 県民の豊かで幸せな生活をめざして ○ 県民の声を聴き、県民の視点に立って行動します。 ○ 情報を公開し、説明責任を果たします。 ○ 前例にとらわれず、業務改善と県民生活向上を進めます。