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【資料1】 第3回 福岡市拠点文化施設専門委員会 22.12.3 1

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【資料1】 第3回 福岡市拠点文化施設専門委員会 22.12.3 1
【資料1】
第3回 福岡市拠点文化施設専門委員会 22.12.3
第 2 回 福岡市拠点文化施設専門委員会でのキーワード
キーワード
第2回のまとめ
発言内容
・福岡市が主体的にある種のメッセージを発信していく文化施設であるべき
芸術監督の決定に対しコンセンサスをとる機能が劇場の中にしかない。
・福岡市の劇場として自主的に作品を創造する機能をもつべきだろう
市民会館は、多様な市民の文化活動のあらゆるニーズを広く受け止めることが
・普及系の機能はこれからの公共劇場には欠かせない機能であろう
必要であり、その場合、芸術監督制では難しい問題がでてくるのではないか。
・研究機能(人材育成も含む)等は必要だが、この拠点施設だけではなく、大学等と連携を考えるべき
芸術監督がいる劇場は非常に偏った選択をしている印象がある。
・文化アーカイブは基本的に国の仕事だが、福岡らしいアーカイブは検討すべき
指定管理者制等でも行政から独立し、情報公開という形で説明責任を果たせる。
キーワード
発言内容
(2)福岡市拠点文化施設のあり方について ⅰ拠点文化施設に期待される役割
芸術監督制の導入について
芸術監督に求められる
劇場としてきちんとしたレパートリー等を生み出していけるかは芸術監督次第
役割
市民の発表会に対するアドバイスなどもきちんとできる方がいるかもしれない
芸術監督制
思い切った方針を打ち出すことで議論が深まる。芸術的な指標を持った人を芸
議論の必要性
術監督に置くことを含めて議論してはどうか。
全体を仕切る人を芸術監督と言っており、その人が作品をつくるかは別の話
芸術監督は方針を打ち出すが、市民の利用にも配慮しスケジュールを調節する
演出家等のアーティストが芸術監督になった場合、その人が自分の作品を制作
のは実務者のレベルの問題。バランスはとれる。
する負担は市民にまわってくる。一時的な収支だけではなく、その作品がその
文化庁の来年度の一番大きな助成である「重点施設支援」は、劇場に芸術監督
まちに与える影響や、どういう財産になるのか、長い目で見てその人が適任か
がいることが前提。今後は、地域によらず作品をつくる劇場として機能してい
は考えなくてはならない。
くには、芸術監督が外せない要素になっていく。
文化拠点施設のあり方
芸術監督という名称でなくても、芸術監督の概念・ポジジョンが必要。
「劇場」と「市民会館」
市の文化芸術戦略としてどちらを選ぶのかを明確にする必要がある
芸術監督を置く場合/置
現在の日本の劇場は本来あるべきカンパニーがなく芸術監督の役割が不明瞭。
福岡市には博多座という商業劇場があること踏まえたうえで、情報をあるひと
かない場合の比較
他施設の事例でも、芸術監督が担っている役割には幅がある。
つの方向に発信する劇場である必要があるかどうか議論する必要がある。
芸術監督という名でなくとも、個性を持つ劇場には、合議制ではなく、
(プロデ
ューサー・支配人等)個人の考え方や戦略が意志として働いている。
【置いた場合のプラス点/置くとよい】
【「劇場」であるべき】(劇場:作品を創造していく機能を軸に他の機能を構成する)
市民会館では観光ガイドには載らないが、劇場だとプログラムによっては載る。
市民会館が観光ガイドに載らないのは毎日開いていないから。劇場の中にロン
芸術監督を置くことで劇場の顔がはっきりする。鑑賞事業も含めプログラムが
グランができる場所とみんなが使える場所があるような仕組みがあればよい。
わかりやすくなる
小規模の都市では、文化的機能や遊びの部分が機能していることが魅力となる。
芸術監督になった方も、自分の好きにつくるのではなく、市民の目に晒され責
貸館だけではなく、時々は興行を度外視して面白いことをやっていくことが、
任を持ってやらなければという自覚が出る
まちの魅力に繋がっていくのではないか
新たな拠点文化施設が、九州や東アジア全体に対応した、文化芸術の幅広い機
小屋(劇場)が何かしらの意思を持っていてほしい
能を求めるならば、招聘して作品を上演するだけでなく、創造していくことが
これまでの「ホール」は、市民と市民を出会わせ、市民とプロを出会わせ、市
大事。そのためには芸術監督のような役割の人は必要。
民参加が起こってきた。
「劇場」では、プロとプロの出会いが生まれている。
全体を仕切る人がいないと運営はできない。ニーズだけに応えて作品を寄せ集
ここ 20 年くらいは、この国のレパートリーになるような作品をどうやってつく
めると、全体像がぼやけ、結局何をやっているか、市民に伝わりにくくなる。
っていくかが試されている時期でもある
運営の柔軟性を取るためにも、ジャッジをするトップの人、軸になる人が必要。
【「市民会館」は必要】(市民会館:貸館や鑑賞事業が主な機能。作品創造はしない)
創造発信や教育普及も誰かがリーダーとなり引っ張っていかなくてはいけな
市民会館が従来担ってきた機能を外すことはできない。市民の文化活動のセン
い。行政に対しても独立し、市に対して説明責任を果たせる。
ターとして、あらゆるニーズを広く受け止めることを前提として考えるべき
【置いた場合のマイナス点/置く必要はない/置くべきではない】
現在の市民会館はニーズが高い。ただ、決定的な欠陥として、建物が古くて使
現状では、多くの芸術監督は、自分の作品をつくる以外では、プログラムディ
いようがない。まずは今ある市民のニーズを満たし、その上でプラスしていく
レクター的な役割を担っている例が多い。そのような場合は芸術監督の同意が
機能を考える中で、市民会館か劇場かという議論をすべきだ。
得られない演出家やアーティストの作品をやりにくい。芸術監督がいない場合、
色々なアーティストと仕事をやっていける。
市民のニーズはたくさんあるのに、たった一人の芸術監督の意向だけが通る。
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【資料1】
第3回 福岡市拠点文化施設専門委員会 22.12.3
第 2 回 福岡市拠点文化施設専門委員会でのキーワード
キーワード
客席規模
発言内容
現在の市内施設の使われ方(分野別の稼働状況、動員状況)を整理することで
キーワード
子どものための施設
発言内容
全国的にも子どものための芸術文化創造機能を備えた本格的な施設がない。子
「鑑賞機能」「発表機能」に求められる具体的なニーズがわかるのではないか
どもたちが国際的な交流の中で創造活動ができる拠点になればよい。
コンベンション・集会での利用についても(現状多いならば)配慮が必要
子どものためのワークショップのプログラム開発や提供も、福岡の人材で行っ
ただし現在のニーズを把握する際は他のホールとの兼ね合いに配慮すべき
ていく必要性がある。機能の一つに子どもを位置づけて各分野の人がチームと
(市内に適切な規模の施設がないと、興行者側の良心としては理想的な上演環
なって、地域や学校などのモデルや指針になる事業を実施することは可能では
境でないと判断する施設(大きすぎる施設)等でも興行が行われている)
ないか。全国的な子どもの芸術文化創造拠点のモデルになりうる
現状のデータも必要だが、現在の市民会館は、貸館利用しか提供していないこ
「普及」機能について
公共のホールや美術館は、
「普及」をなしに運営していくことは不可能。
とは前提としてふまえておかなくてはならない
アウトリーチが全国に広がってきているが、演劇をツールとして使って、演劇
ニーズだけに合わせると、市の文化拠点施設として、市の顔として、議論の本
が本来持っている力(創造力やイマジネーション)を引き出していくことがで
質が変わってくる可能性があるので配慮が必要
きるファシリテーターは日本では本当に少ない。また、学校との間に立ってコ
(2)福岡市拠点文化施設のあり方について ⅱ拠点文化施設の基本理念
ーディネートする手段も重要。そのコーディネートができる人材も今まで育て
都市としての福岡市のあり方
てこなかった。劇場と大学が考えを共有し育成するシステムをつくることが必
都市としての福岡のあり方
18 世紀くらいのヴェネツィアのような、巨大化せずエコロジーに配慮されてい
要。それを担保すれば、劇場が相談の窓口になってもよい。
まちの将来像
て、文化的なものや遺産があり、観光客が多く訪れ、そこに劇場(ヴェネチア
演劇に係わり、演劇を身体に入れている人たちは、演劇をツールとして使える
ではフェニーチェ劇場)があるというイメージを、福岡と重ね合わせたい
選ばれた人たち。選ばれた人たちがツールを使いこなすノウハウは日本ではま
昔から伝統的に芸能のまちであるということが一つのカギとなる
だ普及していない。福岡が本気で大学と組んでやれば、全国に人材を輩出する
アジアに開いた玄関口であり、韓国、とくにプサンとの交流拠点機能を担う
側にまわる。そのくらいの気持ちで「普及」を考えたほうがよい。
アジア諸国と影響を受け合いながら福岡独特の文化が生まれている。
文部科学省がコミュニケーション教育を推進しているが、アーティストもコー
プサンにはあまり国際便が飛んでいない。
(他の地域や都市との交流で)プサン
ディネーターも人材育成が課題となっている。福岡がやれば売りになる。
と提携して、福岡が窓口になるというアイディアは非常によい。
市の財団でもファシリテーターの養成をしている。先行している方を国内外か
ものづくりのまちではなく商業都市。人を呼び込むということには長けている。
ら拠点文化施設に呼んで、まずは福岡でファシリテーターを目指している人に
商業のまち、商人のまちであり、楽しいことには身銭を切るまち、人が集まっ
教えて、やがて福岡でしっかり教えられる人が出て来て、そして今度は福岡か
て交じっていくまち。
ら教えに行くくらいのことをやれればよい。
祭り好き。芸能人を多く輩出する土壌がある。芸術ではなくポピュラリティが
一時的な公演と異なり、普及活動は日常的に通年で行うものであり、その活動
求められているのではないか。多数の人を巻き込むお祭りの気質がある
を担う人たちはずっと福岡にいる。それこそ行政がやるべきではないか。
物事がぶつかった時に市民自ら立ち上がるのも福岡らしさ。
子どもに対して学校でできないことが明確になれば、集団的なコミュニケーシ
大きな都市のわりに緑が少ない。
ョンやイマジネーションづくりを、芸術サイドがどこかで担保していかないと
これ以上面白いまちにするのは、どれだけアーティストが歩いているまちにで
まずい。そういう意味で、教育の現場に踏み込めるのは公共ホールしかない。
きるか(文化庁が重点施設を各地域につくろうとしている背景にも配慮)
学校側の問題も考えながら、子どもと文化の問題を考える必要がある。
福岡市拠点文化施設に求められている役割・機能
また、芸術は積極的福祉でもあり、障害者の方、高齢者の方に何をどうような
「交わる場」としての機能
ジャンルが違う活動者同士、地元の人同士、同じジャンルでの全国、世界の人
ツールで提供していくのかを考える必要がある。
交流の支援
と「交わる場」
。行けば関われる、参加できる場所であってほしい。
普及事業については、市民センターなど、社会教育施設とも文化芸術を含めて
文化交流
色々な人が交わって関わって一緒に流れていく。中心に地元の市民がいる。
方向性を共有し、上手くネットワークをつくっていく必要がある。
国際交流
そこに行けば楽しい、何かしら文化的な高揚感が得られる場になればいい。
教育委員会や福祉セクションなど、他の政策領域と芸術との出会いをつくって
プサンの芸術文化団体との交流はすでに始まっているが、団体と団体の交流を
いくことも重要。これから公共の劇場にますます求められる役割ではないか。
超えて、個と個の交流へと広がっていかなければ交流は長続きしない。交流に
は経費と労力と情報が必要。アドバイスや支援を受けられる、個と個の交流を
支えてくれるコーディネート機能があればよい。特徴にもなる。
長い交流の場としてのレジデンスができる施設や宿泊まで考えたい
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【資料1】
第3回 福岡市拠点文化施設専門委員会 22.12.3
第 2 回 福岡市拠点文化施設専門委員会でのキーワード
キーワード
鑑賞事業の可能性
発言内容
みんなが楽しんで貰えるようなロングラン公演ができる可能性のあるまち
公演のツアーで札幌と福岡に行きたがる東京の人は多いので、そういった利点
を上手く使うことも考慮すべき
B級の芸能の面白さを徹底して突き詰められるのは、福岡博多くらいかと思う
先鋭的な作品づくり
「楽しさ」を充実させる一方では、先鋭的な、将来に発信していく作品をどれ
だけできるかが重要(財団がやっているコンテンポラリーダンス等)
福岡発の作品が、プサン、アジア、ヨーロッパなど、世界に出て行くことが、
メッセージとなりシンボルになっていく。
広報について
いいことをやっていても、一部の人は知っているが、それ以外のひとは全く知
らない。市民の賛同を得るためにも、情報をきちんと発信していく必要がある。
市全体での文化事業の広報をどのセクションが担うべきか、拠点施設の指定管
理者も含めて考えていく必要がある
人材育成について
人を育てるには時間がかかる。学校や別の機関とあわせて、どう補完するかを
考えていかなくては、難しい。
研究機能、人材を育成し担保する機能を、
「劇場」とは別のところで、持たない
といけない
アーカイブ機能について
近年公共ホールで必要とされているが、研究機能はほとんどない。
資料を揃えるだけでなく、研究し情報公開していく機能が必要
芸能、お寺、食、観光など、文化的なことがなんでもわかるアーカイブ
博多には川上音二郎さんの墓があり誇れる。彼のアーカイブが欲しい。芸能や
博多にわか等の要素もそこに入っていけばよい。
コンベンション・集会機能
メインの機能は文化機能と考え、それを前提に議論を進めた上で、集会系にも
一定のルールで貸し出すのが、コンベンションについての基本的な方針
拠点施設の設備面でのあり方について
稽古場の充実
芸術監督を置いて優先的に作品制作を行っている劇場で、市民から文句が出な
い理由に、稽古場の充実がある。稽古場がなかったら閑散としてしまう。一日
中利用者の出入りがある。稽古場を市民が使え、かつそれバックアップする機
能を充実できることがポイント。稽古場に、バックアップするワークショップ
などの機能を付けていけば、自然と市民創造型の発信が生まれる可能性はある。
市内に練習場・稽古場は増えているが、まだまだ充実しているとは言えない。
ホール
キャパシティが大きいホールと、実験的なことができる小さいホールを持つの
が理想
人を育てるためには、小劇場も必要
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