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放送技術の歴史 - NHKオンライン

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放送技術の歴史 - NHKオンライン
放送技術の概要
放送技術の歴史
ラジオから始まった日本の放送は、白黒からカラーテレビ、
そしてデジタルハイビジョンへと、常に時代の最先端
技術を導入、活用することによって進化してきました。平成23年度におけるテレビ放送の完全デジタル化を経て、
放送はさらに新しい時代へと進みつつあります。一方、
インターネットも情報を得るためのツールから、映像や音声
による情報配信や双方向機能を生かしたメディアへと変遷しており、
モバイル端末の加速度的な普及などと合わ
せて、
インフラ/サービスの両面で私たちの生活に深く浸透しています。
このように放送を取り巻く環境が大きく変
わりつつある中、
これからもNHKの放送技術は、視聴者のみなさまの視点に立って常に質の高い番組と役に立つ
情報をお届けするとともに、夢のある放送文化を創造して、放送技術の歴史に新たなページを刻み続けていきます。
放送の歴史は1925(大正14)年のラジオ放送開始から
すでに87年の長い歳月がたちました。この間、1953(昭和
28)年のテレビ放送(白黒)開始、1984(昭和59)年の衛
星放送(試験放送)開始など、
さまざまな節目がありました。
NHKは視聴者のみなさまにとって便利で、生活に役立つ
放送文化の創造を目指し、常に放送技術の研究・開発を積極
的に進めてきました。世界に先駆けて実現させた衛星放送、
高画質映像を楽しめるハイビジョン放送の実用化、現在、家
庭の薄型テレビとして使用されているプラズマディスプレー
など、将来の放送の姿を見据えて先導的な役割を果たして
きています。
2000年にBSデジタル放送が、2003年には地上デジ
タル放送が始まり、放送はこれまでの「見る」
「聞く」だけで
はなく
「使う」メディアへと変化してきました。2006年4月
には携帯電話やカーナビなど移動端末向けのサービス
“ワ
ンセグ”
もスタートしています。2008年12月から、NHKが
過去に放送した番組をブロードバンド経由でパソコンや対応
機能付きテレビなどに提供するサービス「NHKオンデマン
ド」を開始しました。また、2011年9月からは、ラジオ第1・
ラジオ第2・FMの番組を、インターネットを通じて放送と同
時に提供するサービス「らじる★らじる」も試行的に実施し
ています。
放送と通信はますますその垣根を低くし、
さまざまな端末
を通して、多種多様なコンテンツを誰もが自由に利用できる
時代になりました。これからもNHKの放送技術は、視聴者
のみなさまの視点に立って常に質の高い番組と役に立つ情
報をお届けするとともに、夢のある放送文化を創造して、新
しい時代を築いていきます。平成24∼26年度NHK経営計
画に掲げた「豊かで安心、たしかな未来へ」を目指し、今後も
番組やニュースの制作・送出から研究・開発まで、放送技術の
向上に向けた取り組みを進めていきます。
1959年●皇太子明仁殿下ご成婚
ご成婚を機に、白黒テレビが
広く普及(200万台を突破)
1984年
1969年
1960年
1959年
NHK東京テレビジョン開局
1953年
衛星放送
試験放送開始
FM本放送
開始
カラーテレビ
本放送開始
教育テレビ放送
開始
テレビ本放送
開始
1931年
ラジオ第2放送
開始
さぐり式の鉱石ラジオ
1925年
ラジオ放送
開始
1964年●東京オリンピック
NHK放送技術研究所が開発した
家庭用国産第1号のTVK-Ⅱ型テレビ
(1953年)
02
オリンピック史上初
テレビ衛星中継が実現
豊かで安心、たしかな未来へ
〈2年後〉
ハイブリッドキャスト(Hybridcast® ※1)
放送通信連携による便利で多彩な新しいサービス
〈10年後〉
スーパーハイビジョン
あたかもその場にいるような高臨場感放送システム
〈20年後〉
インテグラル立体テレビ
東京スカイツリー® ※2
特殊なメガネのいらない自然な立体映像
∼究極の立体テレビ∼
2011年3月11日●東日本大震災
NHKでは、緊急報道や放送確保、情報提供など、
さまざまな取り組みを行いました
2012年
2011年
2008年
2006年
BSAT-2a
2003年
1989年
衛星放送
本放送開始
「ワンセグ」
サービス開始
テレビの完全
デジタル化
NHKオンデマンド〈岩手・宮城・福島の3県を除く〉
開始
地上デジタル
2000年 テレビ放送開始
テレビの完全
デジタル化
〈岩手・宮城・福島の3県〉
2012年のトピック
BSデジタル
放送開始
●平成24∼26年度NHK経営計画「豊かで安心、
たしかな未来へ」の初年度
1989年
●公共放送の機能強化に向けた取り組み
アナログハイビジョン
定時実験放送開始
本部のバックアップ機能整備やロボットカメラの機
能強化など、いかなる災害時にも対応できる放送設
備と体制の強化
衛星第2チャンネルを
利用して1日1時間
● 放 送と通 信 の 融 合 時 代にふさわしい 新たな
サービスの充実
放送と通信が融合した新たなサービスの提供と開
発、次世代の超高臨場感放送システムの開発、人に
やさしい放送・サービスの拡充、テレビ放送の完全
デジタル移行後の課題への取り組みなど
ワンセグ受信携帯端末
1998年●大型化への先駆けとなったPDP長野五輪モデル
※1 Hybridcastは財団法人NHKエンジニアリングサービスの登録商標です。
※2 東京スカイツリーは東武鉄道株式会社および東武タワースカイツリー株式会社の登録商標です。
03
放送技術の概要
放送は最新の技術を活用した文化といわれています。日本で放送が始まって約90年。放送は技術革新
によって大きく成長し、
そして進化してきました。
NHKの放送技術は、
さまざまな技術の開発動向を見据え、
世界のメディア動向を考慮しながら、将来を見通して、放送文化の発展に貢献しています。
放送の発展を先導
放送は、技術の進歩とともに発展するメディアです。NHKは、
放送技術の進歩に先導的に取り組み、ハイビジョンや衛星放送、
デジタル放送などの研究、実用化を行い、その普及と成熟により、
放送文化を発展させてきました。
「研究」
−
「実用化」
−
「普及・成
熟」を繰り返すことによって、技術革新の成果が放送の中に取り
込まれ、新しい文化創造につながります。
「研究」は、将来の放送サービス・放送システムに活用する技術
について、視覚はもとより人間科学の領域にまで踏み込んだ研
究を行っています。
「実用化」は、
「 研究」の成果を広く利活用で
きるように規格化・標準化し、また実際の設備として整備するも
のです。
「普及・成熟」は「実用化」
した設備や技術を使って、番組
やニュースを制作し、放送のサービスを広め高めていくことです。
NHKの放送技術は、
この「研究」
−
「実用化」
−
「普及・成熟」のス
パイラルを一貫体制で重ねることで、新しい放送サービスを実
現し、視聴者の生活に役立ち、心を豊かにする番組の制作、迅速
で正確な緊急報道、放送の安定送出と受信環境の整備・改善を
実行してきました。
これからも10年後、20年後の豊かな放送文化を創造するた
め、
このスパイラルを回していきます。
安心・安全・豊かな社会を築く、すべての人にやさしい放送
インテグラル立体テレビ
研究
放送
スーパーハイビジョン
普及・
成熟
実用化
研究
ハイブリッドキャスト
(Hybridcast)
普及・
成熟
放送
発展
実用化
デジタル放送
研究
放送
ハイビジョン
普及・
成熟
発展
実用化
研究
放送
カラー化
普及・
成熟
発展
実用化
研究
放送
テレビ
普及・
成熟
発展
実用化
ラジオ
研究
放送
普及・
成熟
発展
実用化
●NHKが目指す放送の未来
近い将来の実用化を目指して研究開発を進めてい
の不自由な方などすべてのみなさまが、それぞれの好
るメディアが、放送と通信が密接に連携するハイブリッ
みの手段でより快適に利用いただける、人にやさしい
ドキャストです。デジタル放送を中心に、
ブロードバン
放送メディアの研究開発も進めています。
ドネットワークの特長を生かしたきめ細かいサービス
メディアの開発には、要素技術の研究、ニーズの把
を実現し、放送の楽しみ方を広げます。
握、規格化・実用化など、多方面にわたる息の長い取り
10年後を目指したメディアがスーパーハイビジョン
組みが必要です。
身体への負担の少ない自然な立体映像
です。ハイビジョンの16倍の画素数を有する超高精
20年後 インテグラル立体テレビ
細映像と、22.2マルチチャンネルの立体音響により、
あたかもその場にいるような高い臨場感を実現する
メディアです。
10年後 超高臨場感システム
20年後の技術により実現が期待
されているメディアが、インテグラル
立体テレビです。実物がそこに存在す
るかのような光の空間を忠実に再現
2年後 放送通信連携プラットフォーム
するので、特殊なメガネを必要とせず
に、身体への負担の少ない自然な立
明日も20年後も
体映像を楽しむことができます。
すべての人にとってより身近でやさしい放送
このほか、高齢者や子ども、目や耳
人にやさしい放送
04
放送の機能を強化
2011年3月に発生した東日本大震災は、公共放送の
役割とその重要性を改めて認識させるものとなりました。
国民の安全・安心を守ることは、公共放送の最も重要な使
命の一つです。このため、いかなる災害時にも放送を維持
し、確かな情報を届けるために平成24∼26年度NHK経
営計画の重点目標の一つに「放送機能の強化」を掲げまし
た。
放送設備での主な対応として、首都直下地震などに備
えるため、本部放送センターのバックアップ機能を大阪放
送局等に整備するほか、地震や津波をとらえるロボットカ
メラ等の増設、各地の放送局や放送所の電源設備の強化
などを進めていきます。
○
BS(放送衛星)
○本部が機能停止した場合、大阪放送局から全国
ニュースを放送衛星を使って各放送局に送出
○本部と大阪放送局が機能停止した場合は、福岡
放送局がバックアップ
CS(通信衛星)
水戸放送局
BS1、
BSプレミアム
中継基地局
前橋放送局
中継基地局
○中継基地局や衛星伝送車でヘリコ
プターからの電波を自動追尾
取材・伝送拠点
各営業 千代田放送会館
センター
京都放送局
広島放送局
放送局
静岡放送局
大津放送局
神戸放送局
素材回線
放送局をはじめ本部周辺の取材・伝送機能を
強化し、本部が被災した場合も首都圏の取材を継続
放送技術研究所
本部が
機能停止の場合
横浜放送局
放送センター
福岡放送局
NHKアーカイブス
(埼玉、川口)
大阪放送局
ニュース制作
松山放送局
○長時間の停電に備え、放送会館や
ラジオ放送所等の電源設備を強化
名古屋放送局
奈良放送局
和歌山放送局
千葉放送局
○災害発生直後に、本部の「緊急展開
チーム」を被災地に派遣
ロボットカメラ
○地震の揺れや津波をとらえるロボット
カメラを増設・機能強化
●ロンドンオリンピックでスーパーハイビジョン公開上映を実施
このパブリックビューイングでは、
これまでにNHKが
開発してきたさまざまな機材が使われます。オリンピッ
ク会場のスーパーハイビジョンカメラ2台で、現地の様
子をお届けします。その映像と音声を、高効率符号化
装置を用いて圧縮し、グローバルIP実験網を経由し
て各パブリックビューイング会場に伝送します。スー
パーハイビジョンの国際的な多地点伝送は世界で初め
ての取り組みになります。
日本では、渋谷、大阪、秋葉原に設置した会場で、
3 0 0インチから520インチの 大 画 面スクリーンと
22.2マルチチャンネル立体音響システムを用いて、迫
力のある映像と音声でご覧いただきます。
時差の関係で、一部の競技のライブ伝送を除き、現
地で編集したハイライトを日本へ伝送し、
日本ではその
収録映像を中心とした上映を行います。多くの方に臨
場感あふれるコンテンツをお楽しみいただく予定です。
4年に1度開催されるオリンピックは、スポーツ選手
にとって憧れの舞台であり、数多くの一流選手が最高
のパフォーマンスを発揮する場でもあります。放送に
とっても、オリンピックは最新の技術を生かす大きな舞
台です。NHKの放送技術は、カラー技術、衛星中継技
術、デジタル技術、ハイビジョン技術など、
さまざまな先
進技術を開発し、オリンピック放送に活用することで、
一流選手の力と技が織り成す世界に迫り、感動をお届
けしてきました。
2012年のロンドンオリンピックでは、期間中、
オリン
と共同で、
ピック放送機構(OBS)、英国放送協会(BBC)
スーパーハイビジョンによるパブリックビューイングを
日本、
イギリス、
アメリカの各会場で実施します。これは、
公共放送として将来の放送メディアを先導し、国際的な
連携による普及展開を図るとともに、ネットワーク伝送
技術の実証を行うためです。
グラスゴー
ブラッドフォード
ワシントン
大阪
渋谷
ロンドン
秋葉原
IBC
05
オリンピック会場
BBC
放送技術の概要
デジタル放送の特長
NHKのデジタル放送では、高画質のハイビジョンや高音質の5.1chサラウンド、便利な情報がいつでも
得られるデータ放送、外出先でも見られる“ワンセグ”、電子番組表(EPG)、マルチ編成、双方向番組など、
デジタル技術の特性を生かしたさまざまな魅力あるサービスを提供しています。
NHKデータオンライン
高画質・高音質
NHKデータオンラインは、放送と通信を連携したサー
ビスです。デジタル放送受信機のインターネット接続機能
を利用し、データ放送では送ることができないデータ量の
大きな写真や番組情報などをインターネットを通じて提供
し、テレビの画面上に表示します。番組関連情報や各地の
ニュース、避難所情報などを提供しています。
高画質で迫力のあるハイビジョン映像と音楽CDのよう
な高音質な音声は、デジタル放送の大きな魅力の一つで
す。スポーツ中継や音楽番組などでは、ステレオよりもさ
らに臨場感あふれる5.1chサラウンドによる放送も行って
います。
ワンセグ
マルチ編成
ワンセグは、携帯端末や移動体向けのサービスです。移
動中でも映像・音声の乱れが少なく鮮明な映像を受信する
ことができ、字幕やデータ放送もご覧いただけます。災害
など緊急時における情報入手手段としても大変有効です。
デジタル放送では、1つのチャンネルで2番組(メイン
チャンネル/サブチャンネル)
を同時に放送するマルチ編
成が可能です。例えば、スポーツ中継で試合が予定どおり
に終了しなかった場合など、
メインチャンネルで次の番組
を放送しながら、引き続きサブチャンネルで延長戦の中継
を同時に放送することができます。
電子番組表(EPG)
予定の番組
同じチャンネル
EPGは当日から約1週間の番組情報をテレビ画面に表
示できるサービスです。視聴・録画予約や番組のジャンル
別の検索ができるほか、マルチ編成や放送時間の変更に
も、ほぼリアルタイムに対応します。
野球延長戦
データ放送
[メインチャンネル]
データ放送では、
リモコンの
“d”
ボタンを押すだけで、
さまざまな情報をお楽しみいただけます。全国・地域の最
新ニュース、市区町村ごとのきめ細かい気象情報、地域の
特色に応じた身近な情報のほか、子どもたちの学びに役
立つコンテンツや注目番組の紹介など、総合テレビ・Eテレ・
BS1・BSプレミアムの4波で、それぞれ個性的なデータ放
送をお届けしています。
[サブチャンネル]
双方向機能
デジタルテレビに接続されたインターネット回線を通じ
て、視聴者のみなさまがクイズ番組の解答者として参加
したり、リクエストをしたりすることができます。「NHK
紅白歌合戦」での視聴者投票や、総合テレビの情報番組
「あさイチ」でのクイズ・アンケートなどをお楽しみいただ
けます。
人にやさしい放送
2か国語ステレオ放送や、主音声とは別の音声チャンネ
ルを利用した解説放送、専用機器のいらない字幕放送な
ど、デジタル放送ではさまざまな新しい技術を取り入れる
ことによって、人にやさしい視聴環境を実現しています。
データ放送トップ画面
06
放送と通信の融合で広がる新しいサービス
放送と通信の融合が進み、
さまざまな端末を通して、多種多様なコンテンツを誰もが自由に利用できるよう
になりました。放送の一斉同報性とインターネットの双方向性、検索性などの特性を組み合わせて利便性を
高め、信頼される高品質のコンテンツをお届けします。
NHKネットラジオ「らじる★らじる」
「NHKオンライン」
「NHKケータイ」
ラジオ放送をインターネットで同時にサイマル配信する
NHKネットラジオ「らじる★らじる」を、パソコン向けには
2011年9月、スマートフォン向けには10月から開始しま
した。これにより夜間の外国電波混信やマンション等の鉄
筋コンクリート住宅などにより、聴取しづらい地域・場所で
も、ラジオ第1、ラジオ第2、
FM放送をクリアな音声でお聞
きいただけるようになりました。
パソコン向けホームページ「NHKオンライン」では、
ニュースや番組のご案内だけでなく、動画や音声を活用し
てテレビやラジオをよりお楽しみいただくための情報をお
届けしたり、視聴者のみなさまからの投稿を受け付けて番
組サイトや放送に生かしています。また、普及の進んでい
るスマートフォン向けサービスも充実させています。
NHKの携帯サイト
「NHKケータイ」では、番組の放送予
定・出 演 者・あら すじ な ど を 常 時 提 供 す るととも に 、
「Shibuya Deep A」や「着信御礼!ケータイ大喜利」
(総合
テレビ)など携帯電話で視聴者のみなさまに参加していた
だく番組の制作にも力を入れています。
NHKの番組やサービスについてより多くのみなさまに
ご理解いただくため、YouTube、
ニコニコ動画、
ツイッター
などのサービスも活用しています。
「NHKオンデマンド」
パソコン用ホームページ
「NHKオンデマンド」は、NHKが放送した番組を提供する
サービスです。これまでのビデオ・オンデマンド(VOD)サー
ビスではあまり提供されることのなかったニュース、
ドキュ
メンタリー、趣味や教養、語学などの幅広い多様なジャンル
を取りそろえており、
より多くの方のご要望にお応えします。
放送法において受信料と分離して運営することが定めら
れており、番組をインターネットなどで配信するために新た
に発生する権料・権利処理費用、配信設備の費用などは、
コ
ンテンツを利用された方からの料金で賄っています。
「NHKオンデマンド」サービスは、対応機能付きのテレビ
受信機やレコーダ、
パソコン、
ケーブルテレビのVODサービ
ス、IPTVのVODサービスなどでご利用いただけます。テレ
ビでの視聴では、
ハイビジョン品質でお楽しみいただけます。
これまで、限られたOS、
ブラウザでしか利用できなかった
課題を解決するため、2010年4月からパソコン用の配信
フォーマットをFlash Videoに変更することで、幅広いOS、
ブラウザから「NHKオンデマンド」サービスが利用可能と
なりました。また、放送用字幕を、
ネット配信用の字幕に変換
する技術を開発し、2010年4月より、パソコン向けNHKオ
ンデマンドサービスの一部のドラマなどで、字幕サービス
を開始しました。
2011年4月から、スマート
フォン
(AndroidTM)向けの専用
ページの運用も始めています。
スマートフォンアプリ
「NHK映像マップ みちしる」
「NHK映像マップみちしる」は、2011年7月にオープン
した日本各地の映像を地図から探すWebサイトで、
日本地
図上のいくつかのポイントから、その地点に関係のある3
分前後の動画を検索・視聴できる
“地域映像のライブラ
リー”
です。
「新日本風土記」などの番組やNHKが保存して
いる歴史的映像から厳選した
“日本の映像”
を、インター
ネットを通じて視聴できます。
「NHKネットクラブ」
「NHKネットクラブ」は、
インターネット会員サービスで、
2011年末には会員数164万人に達しました。事前に登
録したキーワードにより、お好みの番組をメールでお知ら
せする「番組表ウオッチ!」や、公開番組などの情報をお届
けする「イベント・インフォメーション」などさまざまなサー
ビスを提供しています。
07
放送技術の概要
データ
技術の仕事
番組やニュースの制作・送出、放送の送信と受信、放送設備・システムの開発と整備、
そして放送技術の研
究まで、NHKの技術の仕事は多岐にわたります。信頼される公共放送として、放送サービスの確実な実施と
さらなる充実に向けて、東京・渋谷の放送センターをはじめ、全国の放送局で技術者が活躍しています。
通信衛星
ニュースセンタースタジオ
ラジオセンタースタジオ
副調整室
海外中継
ニュース取材
10ページ
衛星伝送中継車
無線受信基地局
回線センター
中継制作
中継車
方式変換
全国の放送局
スタジオ制作
データ放送
コンテンツ制作
スタジオ副調整室
CG制作
ロケーション
(ロケ)
08
映像編集作業
(映像ポスプロ)
映像特殊効果
コピー作業
音声ポスプロ
放送衛星
映像/音声/データ
番組/コンテンツ
放送波
インターネット回線
アップリンク
主局(渋谷)
B-SATアップリンクセンター
アップリンク副局
(菖蒲)
テレビ
放送所
HD-BANK
番組送出(TOC)
送出VTR
ビデオファイル
視聴者のみなさま
ラジオ・FM
放送所
テレビ国際
コントロールルーム
全国の放送局
生字幕制作
緊急警報
送出装置
ラジオ国際
コントロールルーム
良好な受信環境の
維持・改善
電気・空調中央運用室
放送設備・システムの開発と整備
インターネット
コンテンツ制作
NHKオンデマンド
アーカイブス
技術研究
公開ライブラリー
09
放送技術の概要
データ
技術の仕事
ニュース取材
回線センター
災害や事件、事故などの緊急報道の時には、視聴者の
みなさまに迅速・的確に情報をお届けすることが重要で
す。現地の状況をいち早くお伝えするため、衛星伝送中
継車、取材ヘリコプター、ロボットカメラなど、さまざまな
機器を活用して取材を行っています。
緊急報道では災害、事件、事故の発生時に、現場の映像
と音声をいち早く、放送局へ伝送することが重要です。回
線センターはスポーツ中継、一般番組も含め放送セン
ター以外からの伝送を受信するとともに、海外を含めた
全国の放送局と放送センターの間の、映像・音声素材の
受配信を行います。
方式変換
NHKでは、海外放送局が制作した番組を放送したり、
NHKで制作した番組を海外放送局に提供するため、番組
交換を行っています。これに伴い、各国のテレビ方式から
日本の標準テレビ方式であるハイビジョン方式に信号を
変換する方式変換を実施しています。
最新鋭の取材ヘリコプター
中継制作
データ放送コンテンツ制作
スポーツ中継や劇場中継など、放送局以外の場所で、
番組を制作することを中継制作と呼んでいます。中継制
作では、スタジオ副調整室の機能を車に搭載した中継車
を使用します。中継車の映像、音声を通信衛星や無線回
線、光ファイバーを介して放送局まで伝送し、放送しま
す。
デジタル放送のサービスの一つであるデータ放送用
のコンテンツを制作・送出しています。
映像編集作業(映像ポスプロ)
スタジオやロケで撮影されたさまざまな映像・音声素
材の長さを変え、組み合わせ、並べ替えることで、番組は
出来上がります。この一連の作業をポストプロダクション
(ポスプロ)
と呼びます。
スタジオ制作
ドラマや歌謡番組などスタジオを使用して制作する番
組でも、
カメラ、音声、照明などの多く分野で技術者が力
を発揮しています。スタジオ副調整室では、
カメラ映像の
品質を管理するVE(Video Engineer)
や、複数のカメラ
を切り替えるスイッチャーなどが、ディレクターなどの番
組制作担当者と協力して番組を制作します。
ロケーション(ロケ)
ドラマやドキュメンタリー、紀行番組などでは、屋外で
の撮影、収録を多く行います。カメラマンのみの小規模な
ロケから、
カメラ、音声、照明など多くの担当者で制作する
ドラマのロケまで、
さまざまな規模のロケに対応します。
ハイビジョン編集室
CG制作・映像特殊効果
ニュース送出
コンピュータグラフィックス
(CG)
と特撮技術を利用す
ることで、
カメラで撮影しただけでは得られない創造性豊
かな映像を制作できます。特撮技術を用いてミニチュア
を実物のように見せたり、映像合成技術と併用すること
で、数十名のエキストラを数千名の群集に見せることが
できるなど、番組の表現をより豊かにしています。
国内や海外で起こった事件や事故の情報は、
24時間
NHKに入ってきます。ニュースセンターでは、その情報を
もとに、映像や音声、
CGなどを活用してニュース・報道番
組を制作・送出しています。
ラジオセンター
音声ポスプロ
NHKラジオのニュース情報番組や「ラジオ深夜便」は、
放送センターにあるラジオセンターで制作・送出していま
す。ラジオ第1放送のほとんどの番組はラジオセンターか
ら生放送で送出しています。
音声ポストプロダクションでは、
より分かやすく、感動的
な番組を作るため、素材の音声に音楽や効果音、ナレー
ションなどを加える作業を行います。
10
番組送出(TOC)
テレビ・ラジオ・FM放送所
TOCでは、ニュース、スポーツ中継、
ドラマなどの番組
を、放送スケジュールに基づき、
コンピューターで自動的
に送出しています。また、番組送出設備の運用や管理の
ほか、全国の放送局間を結ぶネットワーク回線の管理や、
番組送出のための編成、報道、番組セクションとの連絡、
調整を行います。
全国の視聴者のみなさまにあまねく放送をお届けする
ため約2,200の地上デジタルテレビ放送所と、約200
のラジオ放送所、約500のFM放送所から毎日、安定的に
電波を送信しています。東京タワーから東京スカイツリー
への送信機能移転も予定しています。
良好な受信環境の維持・改善
番組を制作、送出、電波で送信する業務のほかに、各家
庭が良好な環境で番組を受信できるように支援すること
もNHKの重要な仕事の一つです。電波障害に対して、原
因の調査や改善対策の技術説明を行い、良好な受信環境
を維持するための活動などを実施しています。
電気・空調中央運用室
電気・空調・給排水設備などインフラ設備の安定運用
が、
365日、
24時間実施している放送を支えています。
放送センターの電気・空調設備は、すべて電気・空調中央
運用室で管理・運用しています。
TOC
(Technical Operation Center)
国際放送
NHKは海外のみなさまを対象に、テレビとラジオで国
際放送を実施しています。また、世界各地の放送局や
ケーブルテレビ局などへ番組を配信しています。これらの
番組とニュースは、放送センターの国際放送スタジオか
ら送出しています。
B-SATアップリンクセンター
NHKのBSデジタル放送は、NHKと
(株)放送衛星シス
テム
(B-SAT)が共同で建設したアップリンク設備から放
送衛星に向けて電波発射しています。BSデジタル放送
のアップリンク業務は、民放分も含めて全てB-SATが
行っています。
電気・空調中央運用室
インターネットコンテンツ制作
放送設備・システムの開発と整備
NHKのパソコン向け公開ホームページや携帯サイトに
向けた、ニュース、経営情報、番組の広報などさまざまな
コンテンツを制作、提供しています。
将来の放送サービスを見据えた中長期設備整備計画
を策定し、制作現場ニーズの適切な把握や最新技術の導
入、
コスト削減などの取り組みを進めながら、さまざまな
放送設備やシステムを効果的に開発、整備しています。
NHKオンデマンド
ブロードバンド回線を通じて、NHK番組をパソコンまた
はテレビで、有料でご覧いただけるサービスです。よりお
楽しみいただけるように、出演者やあらすじなどの情報を
付加して、提供しています。
技術研究
将来の放送サービスや人にやさしい放送を実現する
ための技術、
より優れた番組を制作するための機器など、
便利で豊かな放送を目指して、基礎から実用化、デバイ
スからシステムまで、さまざまな技術の研究を進めてい
ます。
アーカイブス
これまで放送した番組など、かけがえのない映像資産
を最新のデジタル技術で一元的に管理しています。放送
現場を中心に多角的に利用するとともに、全国の番組公
開ライブラリーで、みなさまにご覧いただいています。
11
Fly UP