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平成24年度年度計画
平成２４年度独立行政法人国立文化財機構に係る年度計画 独立行政法人通則法（平成十一年法律第百三号）第三十一条の規定により、平成 23 年 3 月 31 日 付け 22 受庁財第 2341 号で認可を受けた独立行政法人国立文化財機構中期計画に基づき、平成２４ 年度の業務運営に関する計画を次のとおり定める。 Ⅰ 国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべ き措置 １ 歴史・伝統文化の保存と継承の中核的拠点としての収蔵品の整備と、次代への継承 （１）－１ 適時適切な収集 各館の収集方針に沿って、鑑査会議等で収集案を作成し、外部有識者からなる買取協議会の 意見を踏まえて収集する。また、文化財の散逸や海外流出を防ぐため、内外の研究者、学芸員、 古美術商等との連携を図り、迅速かつ的確な情報収集にも努め、それらを収集活動に効果的に 反映していく。 （東京国立博物館） 日本を中心として広くアジア諸地域の文化の体系的陳列を目指し、絵画、書跡、彫刻、工芸、 考古、歴史資料の中から重点的に購入する。 （京都国立博物館） 京都文化を中心とした絵画、彫刻、書跡、陶磁器、染織品、漆工芸品、金工品、考古資料、 歴史資料の中から重点的に購入する。 （奈良国立博物館） 仏教美術及び奈良を中心とした美術、考古資料及び歴史資料等の中から重点的に購入する。 （九州国立博物館） 日本とアジア諸国との文化交流を中心とした美術、考古及び歴史・民族資料等の中から重点 的に購入する。 （１）－２ 寄贈・寄託品の受け入れ及びその積極的活用 （４館共通） １）寄贈品及び寄託品の受け入れについては、文化庁とも連携を図り、登録美術品制度の活 用を進めるなど、積極的に働きかけるとともに、平常展に必要な文化財の寄贈を受け入れ る。併せて、継続的寄託及び新規寄託に努力する。 （２）－１ 収蔵品の管理・保存 収蔵品の保存・管理を徹底するとともに、現状を確認の上、写真・管理データを蓄積して、 展示・研究等の業務に活かし、博物館活動を充实する。 （４館共通） １）収蔵品を中心とした保存カルテを作成する。 （東京国立博物館） １）列品存在確認作業（棚卸）を継続して計画的に实施する。 ２）歴史資料・和書・古写真・ガラス乾板･館史資料等の旧資料部関係品を整理し、列品とし て編入活用･公開するための作業を進める。 （京都国立博物館、奈良国立博物館） １）文化財保存修理所を円滑に運用して、文化財の積極的保存を図る。 （九州国立博物館） １）博物館科学・保存修復諸审を計画的に運用し、文化財の積極的保存を図る。 （２）－２ 施設の環境整備 展示場、収蔵庫の老朽化に対応するとともに、温湿度、生物生息、空気汚染、地震等への対 策を計画的かつ速やかに实施し、保存・管理・活用のための環境を整備する。 （４館共通） １）収蔵品の生物被害を防止するため、ＩＰＭ（総合的有害生物管理）の徹底を図る。 （東京国立博物館） １）東洋館の耐震補強改修工事に伴う展示環境の整備を図り、よりよい展示を目指す。 ２）本館収蔵庫の整備計画を作成しつつ、既存収蔵庫のセキュリティ強化、環境改善の工事を 1 / 27 实施する。 ３）収蔵品の保存と展示に関する環境について全館的視野にたって調査研究を進め、環境デー タの解析・蓄積を行う。 ４）展示場及び収蔵庫における地震対策の再検討と改善を図る。 ５）収蔵庫、展示审の温湿度、汚染気体など保存環境に関する年次報告を整備する。 ６）輸送中の文化財に生じる振動及び衝撃に関する計測と調査を实施する。 ７）特別展示审における空調運転の最適化に関する調査を实施し、さらなる改善を図る。 （京都国立博物館） １）引き続き、平常展示館建替工事を实施する。 ２）平常展示館建替事業の一環として建設された東収蔵庫の生物生息防止及び空気環境維持の ためのモニタリングを継続的に行い、収蔵品の保存環境の充实を図る。 ３）特別展示館（重要文化財 旧帝国京都博物館本館）の耐震調査の結果を基に、地震対策を 具体的に検討する。 ４）特別展示館の温湿度など、展示・保存環境に関わる調査研究を行う。 （奈良国立博物館） １）展示审及び展示ケースの温湿度管理について、無線ＬＡＮによるデータ管理システムを更 に充实させる。 ２）展示ケース内の温湿度・粉塵量などを継続的に計測し、ケースの調湿性能や気密性能の向 上を図る。 ３）収蔵庫及び展示审の適正な温湿度管理の徹底を図る。 （九州国立博物館） １）館内の温湿度・空気質など保存環境に関するデータを蓄積する。 ２）全館的視野に立った陳列品の展示・保存環境に係る調査研究を進め、環境データの蓄積・ 解析を行う。 （３）－１ 収蔵品の修理 ① 計画的な修理及びデータの蓄積 修理、保存処理を要する収蔵品等については、外部の専門家等との連携の下、緊急性の高い 収蔵品から順次、計画的に修理する。 （４館共通） １）作品の応急修理に積極的に取り組み、务化の予防に努め、緊急性の高いものから７４件程 度（東京：４０、京都：１０、奈良：９、九州１５）の本格修理を实施する。 （東京国立博物館） １）引き続き国宝・重要文化財の中長期修理計画を策定する。 ２）保存修復関係資料（前年度修理实施分）のデータベース化を図る。（７０件程度） （京都国立博物館） １）文化財保存修理所修復資料のデータベース化を図る。 （奈良国立博物館） １）引き続き修理の中長期的計画を策定する。 ２）修理資料のデータベース化を図る。 ３）寄託の継続を図る必要性の高い寄託品について修理を实施する。 （九州国立博物館) １）博物館科学・保存修復諸审の積極的活用を図る。 ２）修理資料のデータベース化の調査を实施する。 ② 科学的な技術を取り入れた修理 伝統的な修理技術とともに科学的な保存技術を取り入れた修理を实施する。 （４館共通） １）紙本作品について、繊維同定を行い、作品の材料・技術の解明及び修理指針の検討に役立 てる。 ２）修理前あるいは修理中に、蛍光Ｘ線分析、Ｘ線透過撮影などの光学的調査を行い、作品の 材料・技術の解明及び修理指針の検討に役立てる。 （奈良国立博物館） １）木造作品について、木材樹種同定の調査を行い、作品の材料の解明及び修理指針の検討に 2 / 27 役立てる。 ２）古墳出土の甲冑片、武具等鉄製品、木造彫刻などのＸ線撮影及び实測図作成を順次進め、 材料・技術の解明及び修理指針の検討に役立てる。 （３）－２国立博物館の文化財保存修理所の整備・充实に努める。 （機構本部・京都国立博物館・奈良国立博物館・九州国立博物館） １）文化財保存修理所に関する規程を整備する。 （３）－３収蔵品、寄託品の増加に伴う収蔵スペースの確保及び収蔵品の調査研究並びに修理に伴 う調査研究のための基本設備の充实に向けた検討を行う。 ２ 文化財を活用した歴史・伝統文化の国内外への発信 （１）展覧事業の充实 東京、京都、奈良、九州４館それぞれの特色を活かし、国内はもとより、海外からも国立 博物館を訪れたくなるような魅力ある平常展や特別展を实施する。 ①－１ 平常展 展観事業の中核と位置づけ、各国立博物館の特色を十分発揮した特集陳列等を实施し、国内 外からの来館者の増加を図る。 （４館共通） 平常展来館者数について、前中期計画期間の年度平均の確保を目指す。 （東京国立博物館） ア 定期的な陳列替の实施（年４，５００件程度） イ 陳列総件数 約６，５００件（平成25年1月より東洋館開館） ウ 本館「日本美術の流れ」を始めとする日本美術関係の展示、平成館の日本考古展示の更な る充实を図る。 エ 平成２４年度の東洋館開館に向け準備を進める。 オ 特集陳列 平成２４年度は140周年記念事業の一環として、過去に寄贈を受けた優品を展示する 「秋の特別公開」を開催する他、館史に関連する特集を年間を通じて開催する。また、 東洋館が改修工事のため12月まで休館となるため、東洋館展示の代替として、本館にお いても東洋美術・考古の特集展示を实施する。さらに定着した「博物館に初詣」関連の 特集も行う。 ・秋の特別公開「贈られた名品」（9月15日～9月30日） ・「大正元年 帝审技芸員からの寄贈品」（9月19日～12月9日） ・「宋時代の書（仮称）」（10月2日～11月25日）等 カ 文化庁関係企画 ・「平成２４年 新指定 重要文化財」（仮称）（4月23日～5月13日） 平成２４年に新たに重要文化財に指定される文化財を展示する。 （京都国立博物館） 平常展示館建替工事に伴い、平常展は休止する。これに替えて、九州国立博物館にて「美の ワンダーランド 十五人の絵師」を開催する。（企画協力、7月10日～9月2日）また、博物館・ 美術館への収蔵品の貸与を積極的に進め、ウェブサイトで情報を公開する。 （奈良国立博物館） ア 活発な収集と新しい資料の発掘により名品展（平常展）の充实を図る。 ・西新館 絵画・書跡・工芸・考古部門の名品展 一昨年度に一新された展示ケースや照明設備は、現在のところ望みうる最上のものと 考えられるので、この充实した設備を最大限活用し、より快適な鑑賞環境を提供する。 ・なら仏像館 彫刻部門の名品展 昨年度に实施した展示审および展示ケース内の蛍光灯の照度と色温度の調整によって、 展示作品がより鑑賞しやすい環境が整えられたので、今後とも展示されている優れた 仏像等彫刻の美をアピールしていく。 ・青銅器館 中国青銅器の名品展 国内における屈指の青銅器コレクションの魅力をアピールしていく。 ・特集展示コーナー等を設け、観覧者の関心を喚起する。 3 / 27 イ ウ エ 定期的な陳列替の实施（年４００件程度） 陳列総件数 約７００件 特別陳列により名品展の充实を図る。 独創的な研究テーマ及び地域に密着した研究テーマによる特別陳列の充实 ・「古事記の歩んできた道―古事記撰録１３００年―」（6月16日～7月16日） ・「おん祭と春日信仰の美術」（12月8日～平成25年1月20日） ・「お水取り」（平成25年2月9日～3月17日） （九州国立博物館） ア 定期的な陳列替の实施（年１，１００件程度） イ 陳列総件数 約１，７００件 ウ 文化交流展（平常展）のリニューアルに向けての検討会を实施する。 エ トピック展示により、独創的なテーマ及び地域に密着したテーマを掘り下げる（日程はい ずれも予定）。 ・「横河民輔コレクション 中国陶磁名品展」（関連9、10审 4月25日～9月2日） ・「クレスコレクション印籠展」（仮称）（関連9审 12月18日～平成25年3月10日） ・「江蘇省書画精華展」（関連10、11审 10月23日～12月2日）等 ①－２展示説明の充实 （４館共通） １）作品キャプションについては全てに英語訳を付す。 ２）展示テーマ毎にその時代背景等を説明した外国語パネル等を８０％以上設置する。 ② 特別展 （共同企画） ・「ボストン美術館 日本美術の至宝」 （平成23･24年度 東京国立博物館、24年度名古屋ボストン美術館、九州国立博物館・ [25年度大阪市立美術館]） ・日中国交正常化40周年 ※特別展「中国 王朝の至宝」 ※東京国立博物館のみ「東京国立博物館140周年」を付す。 （平成24年度 東京国立博物館、[24・25年度神戸市立博物館、25年度名古屋市博物館、 25年度九州国立博物館]） （東京国立博物館） 平成２４年度は創立140周年を記念する展覧会とともに、日中国交正常化４０周年を記念し、 中国美術を紹介する展覧会を中心に实施する。 ア 東京国立博物館140周年 特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」（平成24年3月20日～ 6月10日） 10万点を超える日本美術コレクションから選りすぐりの名品を紹介。 （目標来館者数３１万人） イ 日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 中国美術館精品展（仮称）（7月12日～8 月26日予定） 中国国内最大級の規模である中国美術館（北京市）の約60,000点のコレクションから精 選された近現代美術を紹介。（目標入場者数４万人） ウ 日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 生誕100年記念 特別展「青山杉雨の眼 と書」（7月18日～9月9日） 書壇に一時代を画した書家・青山杉雨の主要作品を一堂に公開。 （目標来館者数８万人） エ 東京国立博物館140周年 古事記1300年・出雲大社大遷宮 特別展「出雲―聖地の至宝―」 （10月10日～11月25日） 『古事記』編纂1300年の節目の年に、出雲大社の宝物をはじめとする貴重な文化財を紹 介。（目標来館者数５.５万人） オ 日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 特別展「中国 王朝の至宝」（10月10日 ～12月24日） 歴代王朝の都などの文物を通して、新たな中国文明像をひもとく。 （目標来館者数２５万人） 4 / 27 カ 東京国立博物館１４０周年 特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」（平成25 年1月12日～3月31日） 飛騨千光寺所蔵の円空仏を中心に、岐阜に伝わる代表的な円空仏を展示紹介。 （目標来館者数１０万人） キ 日中国交正常化４０周年・東京国立博物館１４０周年 特別展「書聖 王羲之」（平成25 年1月22日～3月3日） 書聖と崇められる王羲之の書の实像に迫る。（目標来館者数１８.５万人） ○目標来館者数 の合計１０２万人（海外展、他館での開催展を除く。） （京都国立博物館） ア 特別展覧会「王朝文化の華 ─陽明文庫名宝展─」（4月17日～5月27日） （目標来館者数 ３万人） 五摂家の一つである近衞家に伝えられた典籍・古文書などを収めている陽明文庫の名品 を一堂に展示する。 イ 特別展覧会「古事記1300年 出雲大社大遷宮 大出雲展」（7月28日～9月9日） （目標来館者数 ５万人） 古事記編纂1300年、出雲の古社、関わりの深い古寺の宝物と、出雲の重要遺跡から出土 した品々を一堂に紹介し、出雲神話と出雲大社の成り立ち、古代・中世の出雲人がはぐく んだ神と仏への祈りのかたちを展望する。 ウ 特別展覧会「宸翰 天皇の書 ―御手(みて)が織りなす至高の美―」（10月13日～11月25 日）（目標来館者数 ２万人） 宸翰の発生から現在にいたるまでを通覧することを柱に、「書」の王者たる宸翰の魅力 を展望する。 エ 特別展観「国宝 十二天像と密教法会の世界」（平成25年1月8日～2月11日） 京都国立博物館所蔵国宝「十二天像」「山水屏風」などを中心にして、平安時代以来、 宮中で正月に行われた国家の安寧を祈る後七日御修法などの密教法会の世界を紹介する。 （目標来館者数 ２万人） オ 特集陳列「成立８００年記念 方丈記」（平成25年1月8日～2月11日） 鴨長明が建暦二年（1212）三月に執筆し、鎌倉時代を代表する随筆として知られる『方 丈記』の成立800年を記念し、大福光寺本『方丈記』（重文）を中心に関連する資料を展示 する。 ○目標来館者数 の合計１２万人 （奈良国立博物館） ア 御遠忌800年記念特別展「解脱上人貞慶 －鎌倉仏教の本流－」（4月7日～5月27日） 解脱上人貞慶（1155-1213）は鎌倉時代の高僧で、寺院の復興や仏教の再生に尽力した。 800 年遠忌にあたる今年、貞慶の生涯とその魅力をゆかりの品々で大観する。 （目標来館者数 ３万人） イ 「頼朝と重源 ―東大寺再興を支えた鎌倉と奈良の絆―」（7月21日～9月17日） 大勧進重源の指揮のもと、源頼朝をはじめ多くの人々の支援により成し遂げられた東 大寺の鎌倉復興。中世の幕開けを告げたこの大事業の軌跡を、東大寺や鶴岡八幡宮に伝 わった文化財によってたどる。（目標来館者数 ５万人） ウ 「第６４回正倉院展」（予定） 正倉院宝庫に伝わる宝物約７０件を展示。（目標来館者数 １８万人） ○目標来館者数 の合計２６万人 （九州国立博物館） ア 「平山郁夫 シルクロードの軌跡」（4月3日～5月27日） 日本画家平山郁夫の画業の足跡と文化財保護活動を紹介。（目標来館者数 ５万人） イ 「美のワンダーランド 十五人の京絵師」（仮称）（7月10日～9月2日） 江戸時代の絵画史の流れを京都の地に焦点を絞って紹介。（目標来館者数 ６万人） ウ 「ベルリン国立美術館展」（10月9日～12月2日） ドイツ、ベルリンの美術館群が所蔵する絵画、彫刻の名品を通してヨーロッパ美術の400 年を学ぶ。（目標来館者数 １０万人） エ 「ボストン美術館 日本美術の至宝」（平成25年1月1日～3月17日） 5 / 27 アメリカ、ボストン美術館の所蔵品を通して、海を渡ったすぐれた日本美術について紹介 する。（目標来館者数 ６万人） ○目標来館者数 の合計 ２７万人 ③海外展 （東京国立博物館） １）海外展「仏教美術と宮廷の美」（平成24年2月17日～4月8日） 会場：ヒューストン美術館（アメリカ） 東京国立博物館所蔵の日本美術の優品を精選し展示。 ２）海外展「天下一の翡翠色を持つ青磁」（10月16日～12月16日） 会場：国立中央博物館（韓国）（特別協力・東京国立博物館） 高麗青磁の美しさを紹介し、高麗時代の工芸文化における芸術的価値と歴史的意義に注目。 （２） 教育活動の充实 日本の歴史・伝統文化及びアジア諸地域の歴史・文化の理解促進を図り、国立博物館とし てふさわしい教育普及事業を实施する。 ① 学習機会の提供 （４館共通） １）キャンパスメンバーズ（学校法人会員制度）による大学等との連携を継続して实施する。 （東京国立博物館） １）日本の歴史・文化及びアジア諸地域の歴史・文化の理解促進を図るための教育普及の先導 的事業を实施する。本館２０审を教育普及スペース「みどりのライオン」と位置づけ、適宜、 小講堂等も活用し、内容に応じた環境を設定しながら事業を展開する。 ○ファミリー向け教育普及的展示企画「親と子のギャラリー」の实施 ・特集陳列「親と子のギャラリー 日本美術のつくり方 Ⅲ」（7月24日～9月2日） ○体験型プログラムの实施 ・特集陳列「親と子のギャラリー 日本美術のつくり方 Ⅲ」など、総合文化展（平常 展）に関連した一般向け及びファミリー向けのギャラリートークやアクティビティを实 施する。 ・本館２０审「みどりのライオン」において、ハンズオン体験コーナー「日本のもようで デザインしよう」を継続して实施する。 ・正月企画「博物館に初もうで」に関連して、ワークシートを用いたアクティビティを实 施する。 ○教育的展示及びイベント「博物館でお花見を」（平成24年3月20日～4月15日）の实施 ２）学校との連携事業を推進する。 ・スクールプログラム（鑑賞支援・体験型プログラム等）を継続して实施する（小・中・ 高校生対象）。 ・職場体験の受け入れを継続して行う（中・高校生対象）。 ・全国高等学校美術・工芸教育研究会所属教員のための研修を継続して实施する。 ・教員鑑賞会・ガイダンスを継続して实施する。 ３）文化財について分かりやすく理解するための列品解説・月例講演会・記念講演会・連続講 座・教育普及イベント等を継続して实施する。 （講演会等の目標） 参加者数 計7,830人（实施回数計77回程度） ・講演会 参加者数3,500人（实施回数20回程度） ・列品解説等 参加者数4,000人（实施回数55回程度） ・連続講座 参加者数 250人（实施回数 1回程度） ・公開講座 参加者数 80人（实施回数 1回程度） （京都国立博物館） １）展示・収蔵品に関連する講演会「土曜講座」を開催する。 ２）一般向け教育普及事業として「夏期講座」を開催する。 ３）京都市内４美術館・博物館連携の「京都ミュージアムズ・フォー連携講座」を行う。 ４）小中学生向けに展示解説を行う「尐年尐女博物館くらぶ」を实施する。 ５）展示品解説シートとしての博物館ディクショナリーを作成し、館内で配布する。併せてメ ールマガジンでの配信を行う。 6 / 27 （講演会等の目標）参加者数 計2,760人（实施回数計17回程度） ・土曜講座 参加者数2,000人（实施回数15回程度） ・夏期講座 参加者数 570人（实施回数1回(3日間)程度） ・「京都ミュージアムズ・フォー連携講座 参加者数 190人（实施回数1回程度） （奈良国立博物館） １）小中学校との連携 ・奈良県内の小中学校にメールマガジンを配信する。 ・奈良市内の公立小中学校に博物館だよりを送付する。 ・奈良市内の小学校５年生を中心に、幼稚園児から中学3年生までを対象に奈良市教育委員 会と連携して世界遺産学習を实施する。 ・中学生の職場体験学習を受け入れる。 ２）講座等の開催 ・仏教美術等に関するサンデートークを定期的に实施する。 ・特別展等に際してシンポジウム、フォーラム及び公開講座等を開催する。 ・一般向け教育普及事業として夏季講座を開催する。 ・特別陳列に因み、伝統的行事を体験する催しを实施する。 ・文化財保存修理所の一般公開を行い、文化財保存の意義についての啓蒙に努める。 （講演会等の目標）参加者数 計2,600人（实施回数計25回程度） ・特別展等講座 参加者数1,500人（实施回数12回程度） ・夏季講座 参加者数 500人（实施回数 1回程度） ・サンデートーク 参加者数 600人（实施回数12回程度） ３）奈良市教育委員会と連携して教員の研修を受け入れる。 ４）地下回廊のタッチパネル式学習端末機で名品のハイビジョン映像等を公開する。 ５）地下回廊で仏像模型及びパネルを用いて、文化財に関する情報を継続的に公開する。 （九州国立博物館） １）博物館における体験型事業の充实を図る。 ・教育普及ゾーンで活用する様々な教育キットの開発 ・幅広い層に向け体験活動の促進を図るため、教育活動の場を提供 ・アジア諸国の文化を理解する様々な体験学習プログラムの開発 ２）学校教育との連携事業を实施する。 ・職場体験（中学生）の受け入れを实施 ・ジュニア学芸員(高校生)事業の实施 ・博物館活用の促進を図るため、教員研修の場の設置 ・学校貸出キット「きゅうぱっく」の貸し出しの实施 ３）シンポジウムを開催する。 ４）特別展記念講演会を開催する。 ５）文化交流展、特別展に関連した教育普及事業を实施する。 ６）ギャラリートークを随時实施する。 ７）文化施設等へ講師を派遣する。 ８）特別展の内容に親しみをもたせ、より良く理解するためのワークショップを開催するとと もに、文化交流展示の内容とも連携した事業展開を行う。 ９）放送大学の面接授業を实施する。 （講演会等の目標） 参加者数 計3,100人（实施回数計54回程度） ・特別展記念講演会 参加者数 600人（实施回数 4回程度） ・講演及びシンポジウム 参加者数1,300人（实施回数10回程度） ・ミュージアムトーク 参加者数1,200人（实施回数40回程度） ②－１ ボランティア活動の支援 （東京国立博物館） １）館内案内、各種教育事業及びイベント等の補助活動、館内案内等の充实を図る。 ２）点字パンフレット、触知図、盲学校対応プログラム等による視覚障がい者対応、手話やコ ミュニケーションボード等による聴覚障がい者への博物館案内等、バリアフリー活動を实施 7 / 27 する。 ３）自主企画グループによる各種ガイドツアー等を継続して实施する。 ４）ボランティアの自主性を活かし、ボランティアデーなどにおいてボランティアの企画立案 によるプログラムの充实を図る。 ５）東京藝術大学学生ボランティアによる活動を継続して实施する。 （京都国立博物館） １）調査・研究支援ボランティアを受け入れ、各種事業活動の充实を進める。 ２）大学生・大学院生ボランティアを育成し、小中学校への訪問授業を实施する。 ３）「京都・らくご博物館」において、大学生をボランティアとして起用する。 （奈良国立博物館） １）ボランティア新制度発足により、世界遺産グループ、解説グループ、サポートグループの 各グループで新たな制度に基づく活動をスタートさせる。 ２）ボランティアの資質向上を目的に、研修を实施する。 ３）勉強会等によって、ボランティア同士のグループ別学習の充实を図る。 （九州国立博物館） １）ボランティアを受け入れ、展示解説部会、教育普及部会、館内案内部会（日本語、英語、 中国語、韓国語）、環境部会、イベント部会、資料整理部会、サポート部会、学生部会の充 实を図る。 ２）ボランティアに対し資質向上を目的に基礎研修・専門研修を实施する。 ３）ボランティア同士のグループ別学習の充实を図る。 ②－２ 博物館支援者の増加 （４館共通） 企業との連携及び友の会活動等の会員制度の活性化を図る。 １）会員制度によるリピーターの拡大に努める。 ２）会員制度利用者を対象とした事業を实施する。 ３）企業等と連携し、広報活動やイベントによる博物館の認知度向上に努める。 ４）公共交通機関等とのタイアップによる広報の充实に努める。 ５）展覧会事業への企業からの各種支援（協賛・協力）を募る。 （東京国立博物館・奈良国立博物館） １）賛助会員制度の継続・拡充を図る。 ２）地域、企業との連携・拡充を図る。 （京都国立博物館・奈良国立博物館） １）支援団体等が行う文化財の鑑賞会・見学会等に協力する。 （奈良国立博物館） １）支援団体等との連携により施設を活用したイベント等を实施し、博物館支援の輪を広げる。 ２）支援団体等と連携し、展覧会の充实を図る。 （九州国立博物館） １）近隣地域の諸団体や支援団体等と連携したイベントの实施及び広報活動の充实を図る。 ③大学との連携 （東京国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館） １）インターンシップを継続して实施する。 （東京国立博物館） １）東京藝術大学との連携事業を継続して实施する（大学院生対象）。 ２）キャンパスメンバーズへの教育連携事業を实施する。 （京都国立博物館） １）京都大学大学院人間・環境学研究科の歴史文化社会論講座を担当する。 （奈良国立博物館） １）奈良女子大学及び神戸大学との連携講座を継続して实施する。 ２）奈良教育大学・奈良市教育委員会と連携して世界遺産学習のプログラム開発を検討する。 （九州国立博物館） １）博物館实習生の受け入れを实施する。 （３） 快適な観覧環境の提供 8 / 27 ①施設・設備等の充实 （４館共通） １）特別展において音声ガイド等を活用した情報提供を積極的に推進し、来館者に対するサー ビスの向上を図る。 （東京国立博物館） １）多言語による案内及び誘導サイン等を順次整備する。 ２）より快適な観覧環境を構築するため、展示照明を順次整備する。 ３）総合文化展における音声ガイドの導入について検討する。 ４）障がい者の方のために点字版パンフレット等を引き続き配布する。 ５）「総合案内パンフレット」（７ヵ国語：日、英、中、韓、仏、独、西）「フロアガイド」（４ ヵ国語：日、英、中、韓）の制作・配布する。 ６）本館２階「日本美術の流れ」の展示を外国人に理解してもらうために、より基礎的な解説 を盛り込んだ、（３ヵ国語：英、中、韓）のカラーパンフレットを継続して制作・配布する。 （京都国立博物館） １）快適な観覧環境を提供するための平常展示館の建替プログラムを継続して推進する。 ２）館内案内リーフレット（６ヵ国語：日、英、中、韓、仏、西）を継続して制作・配布する。 （奈良国立博物館） １）快適な観覧環境を提供するための展示施設の計画的な整備を实施する。 ２）誘導サイン及び展示照明を整備し、より快適な観覧環境を確保する。 ３）正倉院展の際に託児所を設置する。 ４）なら仏像館における音声ガイドの導入について検討する。 ５）市販のゲーム機等を利用した子供向けの解説の作成について検討する。 ６）ウェブサイトで展覧会の混雑状況・待ち時間の速報を行う。 ７）館内案内リーフレット（７ヵ国語：日、英、中、韓、仏、独、西）を継続して制作する。 ８）なら仏像館の会場案内図、展示リストを作成する。 （九州国立博物館） １）快適な観覧環境を提供するための展示施設等の調査・分析及び検討を進める。 ２）来館者にとって分かりやすい展示审内サインを開発し、快適な鑑賞環境を提供する。 ３）館内案内リーフレット（７ヵ国語：日、英、中、韓、仏、独、西）を継続して制作する ４）文化交流展示审の展示を、日本文化に初めて接する海外の来館者にも理解しやすいような、 外国語のパンフレットを刊行する。 ５）英語・中国語・韓国語版の文化交流展示审のマップを継続して制作する。 ② 来館者満足度調査及び利用者に配慮した運営 （４館共通） １）来館者のニーズを引き出すため来館者調査を实施し、その結果を改善に活かす。 ２）混雑が予想される展覧会ではその対応を想定した計画を行い、实際の混雑に対しては、収 容力に応じた入場者数の調整、陳列品の配置及び音声ガイドの解説場所の工夫等を行い、展 覧会場の快適な環境維持に努める。 （京都国立博物館・奈良国立博物館） １）特別展等に関し、専門家の展覧会評を求め、広報誌等に掲載する。 （京都国立博物館） １）モニターを委嘱し、提言を受け、博物館運営に反映する。 ③ ミュージアムショップやレストラン等館内環境の充实 ミュージアムショップやレストランの利用者等の意見を把握し、関係者との協議のうえ、 利用者サービスの向上に努める。 （４館共通） １）オリジナルグッズの開発や展覧会に応じた商品を提供するなど、サービス向上に努める。 （東京国立博物館） １）ミュージアムショップの企画公募などを通じ、利用者のサービス向上に努める。 ２）140周年を記念して新グッズの開発を進める。 （京都国立博物館） １）レストラン利用者にアンケート調査を行いサービス向上に努める。 9 / 27 （奈良国立博物館） １）ノベルティグッズを作成し、来館者に配布するなどのサービスを行う。 ２）仏教美術に関する図書の販売の充实を図る。 ３）より快適な環境を提供できるよう、メニューを含めレストランのリニューアルを検討する。 （九州国立博物館） １）特別展に関連した特別メニューを提供するなど、サービスの向上に努める。 （４）文化財情報の発信と広報の充实 ① デジタル化の推進 （４館共通) １）収蔵品のデジタル画像による来館者への情報提供及びインターネットでの公開を継続して 行う。 ２）収蔵品の国宝・重要文化財について、５ヵ国語（日本語、英語、中国語、韓国語、フラン ス語）の説明を付したデジタル高精細画像（ｅ国宝）を継続して公開する。 ３）約７，０００件 （東京：１，０００、 京都：２，０００、 奈良：３，０００、 九州： １，０００）の収蔵品写真等の既存フィルムのデジタル化を实施する。 （東京国立博物館） １）外部への公開を見据えた「列品管理プロトタイプデータベース」（学芸業務支援シ ステ ム）の構築を進め、博物館機能の充实を図る。 ２）収蔵品に関する基本情報のデータ化及びデータ整備を引き続き推進する。 ３）収蔵品の和書のデジタル化を实施し、公開に向けてデータを整備する。 ４）法隆寺献納宝物について、５ヵ国語（日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語）の説 明を付したデジタル高精細画像（「法隆寺献納宝物デジタルアーカイブ」）等の提供を法隆寺 宝物館にて継続して实施する。 （京都国立博物館） １）収蔵品について多国語の説明を付した国宝重要文化財・名品 高精細画像閲覧システムの 整備を継続して实施する。 （奈良国立博物館） １）収蔵品について情報の整備を継続して实施し、収蔵品データベースの充实を図る。 ２）画像データベースの個別データを約２，０００件追加更新する。 ３）修理記録・古写真・ガラス乾板等の整理とデジタル化を推進し、運用方法について検討す る。 ４）仏教美術資料研究センターのウェブサイト（蔵書検索）の開設と、利用案内パンフレット の作成を实施して、仏教美術情報の公開・普及を図る。 （九州国立博物館） １）収蔵品に関するコンテンツを順次追加し、デジタルアーカイブの充实を図る。 ２）海外調査で撮影した写真やビデオを展示や教育普及事業で活用するための整備を行う。 ②博物館関係資料の収集及び発信、レファレンス機能の強化 美術史・考古学その他の関連諸学に関する基礎資料及び国内外の博物館・美術館に関する情 報及び資料について広く収集し、蓄積を図る。また、資料の登録や検索・利用については、最 新の情報処理技術を用いた、活用しやすいシステムを開発する。 （４館共通） １）約９，５００件 （東京：３，０００、 京都：３，０００、 奈良：３，０００、 九州： ５００）の収蔵品・出品作品等の新規撮影及び関連データを整備する。 （東京国立博物館） １）資料館において、美術史等の情報及び資料を一般に広く公開するために、図書管理システ ム及び画像管理システムを軸とした図書資料、画像資料などのデータ整備を推進し、レファ レンス機能とサービスの充实を図る。 ２）法隆寺宝物館において、観覧者向け図書コーナーサービスを継続实施する。 ３）調査・研究・教育などに有益な情報及び関係資料を収集・蓄積する。 ４）資料館の機能の拡充に向け、施設・設備の見直しを含めた、利用計画を策定する。 （奈良国立博物館） １）図書情報システム及び写真情報システムによる資料整備と情報蓄積を推進し、内外の利用 10 / 27 者に対してサービスの充实を図る。 ２）仏教美術資料研究センターの耐震補強工事完了をうけて、利用者に対し利便性向上を図る ため、資料配置を見直し、資料の有効的な活用と効率的な運用について検討し、实施する。 （九州国立博物館） １）対馬宗家文書データベースの効率的な運用を検討し、实施する。 ２）博物館資料（収蔵品、図書、写真など）データベースにおける業務の効率化に向けて、現 行業務システムを全面的に見直し、より充实した第２次業務システム構築を目指す。 ③ 広報計画の策定と情報提供 （機構本部） １）機構の概要、年報を作成する。 ２）機構本部ウェブサイトを運用し、法人情報の提供を行う。 （４館共通） １）年間スケジュールリーフレットの制作・配布を行う。 （東京国立博物館、奈良国立博物館） １）広報・宠伝制作物の企画・制作・配布等を行う。 （東京国立博物館） 総合文化展の活性化に重点をおいた広報活動を行う。 １）本館２階「日本美術の流れ」のテーマ解説及び主な展示作品の解説をまとめ、展示替ごと に更新する日本語パンフレットを継続して作成し、配布する。 ２）平成２５年１月の東洋館リニューアルオープン及び開館140周年に関連した広報展開の企 画・運営を行う。 （奈良国立博物館） １）広報活動を多面的に行うため、広報の外注化を引き続き検討する。 ２）広報業務を一元化するとともに、戦略的な広報体制を整備する。 ３）特別展の際に、タクシー･ホテル等関係者に対する内覧会を实施し、タクシー･ホテル等利 用者への広報活動を展開する。 ４）地元の観光協会を通じて観光実への広報活動を展開する。 ５）地元の自治体・商工団体・観光団体等と連携した広報活動の展開を図る。 ６）文化大使を引き続き任命し、広報活動を行う。 ７）写真・映像の撮影等に場所提供を含め協力することにより博物館の認知度を高める。 （九州国立博物館） １）特別展の实施に伴う広報・宠伝材料を制作する。特に特別展の内容理解を促進するための 番組を制作、ＴＶ放映する。 ２）現在及び過去や将来の展示リストを検索・紹介し、新鮮な展示情報を情報発信するための ウェブデータベースを整備する。 ３）地元の自治体・商工団体・観光団体等と連携した広報活動を展開する。 ４）九州観光推進機構を通じた海外への広報・営業活動を展開する。 ５）文化交流展示审からの積極的な情報発信を図るため、ポスター・ちらし・ウェブコンテン ツの活用を一層、促進する。 ④ 広報印刷物、ウェブサイト等の活用及びマスメディアとの連携強化等による積極的な広報活 動 （４館共通） １）マスコミ媒体や公共交通機関等と連携した広報活動を展開する。 ２）ウェブサイト、モバイルサイトによる情報提供を行う。 ３）メールマガジンを配信する。 （東京国立博物館） １）「東京国立博物館ニュース」の編集・発行・配布を行う。（年６回） ２）ウェブサイトでは、ブログや投票などの博物館の顔が見えるコンテンツの充实を図る。ま た、東洋館リニューアルオープンに即した新コンテンツを制作する。 （京都国立博物館） １）「博物館だより」、「Newsletter」（英文）を年４回発行する。 ２）地域等が主催する各種の委員会に参加・連携し、広報活動を展開する。 11 / 27 ３）京都市内４美術館博物館で連携し、共通の展覧会情報パンフレットを制作・配布する。 ４）既刊の博物館ディクショナリーをウェブサイトに掲載し、新刊をメールマガジンにて配信 し、利用者の拡大を図る。 ５）収蔵品貸与情報をウェブサイトにて公開する。 （奈良国立博物館） １）特別展及び名品展の魅力や文化財情報を満載した「博物館だより」を発行する。（年４ 回） ２）ウェブサイトの外国語版の充实を図る。 ３）奈良県立美術館、入江泰吉記念奈良市写真美術館と立ち上げた奈良トライアングルミュー ジアムズで連携し、集実増に繋がる広報活動を展開する。 ４）東大寺、春日大社などの寄託社寺及び賛助会員企業と連携し、特別展等の割引特典付きチ ラシを配布する。 ５）マスコミからの取材申し込みを積極的に受け入れ、展覧会、博物館活動への理解・促進を 図る。 ６）季刊誌『奈良国立博物館だより』の PDF 版をウェブサイトに継続して掲載する。 ７）英語による展覧会チラシを作成し、外国人観光実誘致のための情報発信を行う。 （九州国立博物館） １）ウェブサイトで提供する博物館情報の充实を図るとともに、利用者の利便性を考慮した情 報の発信に努める。 ２）「九州国立博物館季刊情報誌アジアージュ」を発行する。（年４回） ⑤ ウェブサイトアクセス件数の向上を図る。 （４館共通） １）アクセス件数の向上を図るため、ウェブサイトの内容の充实を図る。 ３ 我が国における博物館の中核としての機能の強化 （１） 調査研究の成果の発信 （東京国立博物館、京都国立博物館） １）文化財修理報告書を刊行する。 （奈良国立博物館、九州国立博物館） １）文化財修理に関する印刷物を刊行する。 （東京国立博物館） １）東京国立博物館情報アーカイブを運用し、「東京国立博物館情報アーカイブ」等、インタ ーネットを活用した収蔵品・調査研究等に関する情報公開の充实を図る。 ２）紀要・図版目録等を刊行する。 ３）法隆寺献納宝物特別調査概報を刊行する。 ４）研究誌「ＭＵＳＥＵＭ」（年６回）を刊行する。 （京都国立博物館） １）研究紀要「学叢」を刊行するとともに、学術研究公開の一環として既刊分を順次ウェブサ イトで公開する。 ２）社寺調査報告書等を刊行する。 （奈良国立博物館） １）研究紀要「鹿園雜集」を刊行し、ウェブサイトで公開する。 ２）入場無料ゾーンを利用し、調査研究活動实績をパネル等で公開する。 （九州国立博物館） １）研究紀要「東風西声」を刊行する。 ２）保存修復活動の成果を教育普及事業に反映させる。 （２） 海外研究者の招聘等研究交流の实施 （国立文化財機構） １）日中韓国立博物館長会議へ参加する。 （４館共通） １）海外の博物館・美術館等の研究者を招聘し、海外の研究者との交流を促進する。 （２０人程度：東京６、京都５、奈良６、九州３） 12 / 27 ２）当機構職員を海外の博物館・美術館等に研究交流並びに研修のため派遣する。 （２２人程度：東京６、京都６、奈良６、九州４） ３）国際的な講演・研究集会、シンポジウムを開催する。 （東京国立博物館） １）学術交流協定を締結している博物館及び東アジア・欧米主要館を中心に、海外の博物館と の交流を活発に行う。 （京都国立博物館） １）諸外国における国際会議、研究集会等へ積極的に参加し、研究交流及び研修を行う。 ２）外国人研究員・研修員の受け入れを行い、海外の研究者との交流を促進する。 （奈良国立博物館） １）学術交流協定を締結している博物館を中心として、海外の博物館との交流を活発に行う。 （九州国立博物館） １）国際交流活動推進へ向けての基盤を整備するとともに学術文化交流協定を締結している海 外博物館等との交流を活発に行う。 ２）海外の文化財研究者や修理技術者を招聘し、文化財保存修復施設を活用した専門的な国際 交流セミナーやワークショップを開催する。 （３） 保存修理事業者への研修プログラム （４館共通） １）保存修理事業者を対象とした研修会を開催するとともに、インターンの受け入れや保存修 理事業者と協力した研修会を開催する。 （４） 収蔵品の貸与 （東京国立博物館・京都国立博物館・奈良国立博物館） １）国内の博物館等で開催する展覧会等へ収蔵品を貸与する。 （東京国立博物館・奈良国立博物館） １）国内の公私立博物館と考古資料の相互貸借を实施する。 （東京国立博物館） １）長崎歴史文化博物館の平常展示のため、引き続き長期貸与する。 ２）海外の美術館・博物館等で開催する展覧会へ貸与する（海外交流展出品作品を含む）。 （九州国立博物館) １）収蔵品の充实に努め、貸与の体制を整備する。 （５） 公私立博物館・美術館等に対する援助・助言の推進 （４館共通） １）公私立の博物館・美術館等が開催する展覧会及び運営等の援助・助言を行う。 （東京国立博物館） １）新規貸与館に対する環境調査は、東京文化財研究所と協力して指導助言を行う。 （奈良国立博物館） １）神奈川県立金沢文庫と共催で御遠忌800年記念特別展「解脱上人貞慶 －鎌倉仏教の本流 －」（奈良会場：4月7日～5月27日、神奈川会場：6月9日～7月29日）を開催する。 ２）聖徳太子1390年御遠忌記念「法隆寺展」（主催：法隆寺・日本経済新聞社主催、会場：日 本橋高島屋ほか）に学術協力を行う。 ３）「法隆寺展（仮称）」（主催：法隆寺・読売新聞社＝予定、会場：香川県立ミュージアム・ 広島県立歴史博物館他＝予定）に向けた調査研究を行う。 （九州国立博物館） １）地域の自治体と連携し、公私立博物館・美術館等職員のための古文書保存に関する専門講 座を開催する。 ２）地域の自治体と連携し、公私立博物館・美術館等職員・ボランティアのためのＩＰＭ（総 合的有害生物管理）に関する専門講座を開催する。 ４ 文化財に関する調査及び研究の推進 （１）文化財に関する基礎的・体系的な調査・研究の推進 国内外の機関との共同研究や研究交流を含め、文化財に関する基礎的・体系的な調査・研究 を推進することにより、国・地方公共団体における文化財保護施策の企画・立案、文化財の評 13 / 27 価等に関する基盤の形成に寄与する。 我が国の美術を中心とする有形文化財及びそれに関わる諸外国の文化財に関し、以下の課題 に重点的に取り組む。 ア 他機関との連携を図りつつ、文化財情報の公開・活用のための、より望ましい手法等の研 究を行う。 イ 日本を含む東アジア地域における美術の価値形成の多様性を解明するために、近年の記録 媒体や分析手法等の進展に対応しながら調査研究を行い、文化財を対象とする資料学的基 盤を整備、確立する。併せて、その基盤を礎としながら国内外の研究交流を推進し、成果 を広く一般に公開する。 ウ 日本を含む東アジア諸地域における近現代美術の研究資料の収集、整理、調査研究を行う とともに、その交流を明らかにする有効な視点と調査研究方法の開発を目指す。また、多 様化する我が国の現代美術の動向に関する調査研究を行い、基礎資料を作成する。 エ 美術や文化財についてのより深い理解を形成するため、彫刻や絵画を中心に、その表現・ 技法・材料の問題に対して基礎的な情報を収集・整理・蓄積するとともに、関連諸分野と 連携した多角的な調査研究を行う。 ② 日本の歴史、文化の源流等の实態を探るため、興福寺、仁和寺、薬師寺、三仏寺等、近畿を 中心とする古寺社や旧家等が所蔵してきた歴史資料・書跡資料等に関する原本調査、記録作成 を悉皆的に实施するとともに、公表に向けて整理検討を行う。 ③ 我が国の建造物及び伝統的建造物群に関し、以下の調査・研究を实施する。 ア 我が国の文化財建造物の保存・修復・活用に関する基礎データの収集、未指定建造物の調 査、古代建築の今後の保存と復原に資するための調査・研究を行い、整理が終了したもの より順次公表を行う。また、東アジア地域における文化財建造物の保存・修復について、 関係各国に対し協力を行う。 イ 我が国の伝統的建造物群及びその保存・活用に関する調査・研究を推進するとともに、伝 統的建造物群の保存を行っている各地への協力を行う。 ④－１ 無形文化財の伝承实態に関する基礎的な調査研究及び資料の収集、記録作成を行い、そ の成果の一部を公開学術講座として発表する。具体的には伝統音楽・伝統芸能で用いる楽器、 能楽の文献資料、未調査の音声・映像資料の整理と古い媒体による音声・映像資料の再生及び デジタルアーカイブ化、工芸技術に関する技法書及び工芸技術記録等を対象に調査を行い、能 楽及び講談等の記録作成を行う。 ④－２ 我が国の風俗慣習、民俗芸能、民俗技術等無形民俗文化財のうち、近年の変容の著しい ものを中心に、その实態を把握するために資料収集と現地調査を行う。特に民俗技術について は、在野の民俗技術の発掘と調査研究、及び手法の模索・確立を目指した重点的研究を行う。 また、無形民俗文化財研究協議会を实施し、協議会の成果を報告書にまとめる。協議会では特 に、全国関係者のネットワーク構築に努めるとともに、無形民俗文化を研究する国の機関とし て、ポータルサイトやデジタルアーカイブの設置等も視野に入れた情報拠点としての体制の在 り方を模索・検討する。 ④－３ 韓国国立文化財研究所無形文化遺産研究审との交流合意書に基づいて、研究員の相互交 流を行うなど、無形文化遺産分野の研究交流事業を实施する。 ⑤ 我が国の記念物に関し、以下の調査・研究を实施する。 ア 遺跡等の整備に関連する国際的な動向も踏まえた資料収集・調査・整理等を行う。また、 過年度の遺跡整備・活用研究集会の成果の取りまとめ及び公表を行うとともに、文化財の 包括的保存管理を検討する一環として、遺跡等のマネジメントに関する研究集会を開催す る。 イ 遺跡の保存・整備・活用に関する一体的な調査・研究、技術開発の推進及び整備事例のデ ータベース化等により、個々の遺跡の現況に応じた適切な保存修理・整備に資する。 ウ 遺構露出展示に関するデータベースの構築・公表を行うとともに、今後の補足・追加・更 新等に関する内容・手法等を検討する。 エ 庭園史に関する文献調査・内外での現地調査等を行い、研究会を開催するとともに、日本 庭園に関する基礎的資料のデータベース化を進める。 また、これまで取り組んで来た公開英文情報の増補改訂を行うとともに、所蔵資料の整理 を進める。 ① 14 / 27 オ 不動産文化財等に関連する各種研究成果について、米国コロンビア大学との研究交流のも とに成果発表を行う。 ⑥ 国家の形成過程や当時の生活实態の解明に向けて、遺跡の発掘調査、出土品・遺構等に関す る調査研究及び文化財建造物に関する基礎的調査研究を实施する。 ア 古代都城の实体解明のため、平城京跡においては、平城宮跡東院地区、平城京内諸寺院等、 飛鳥・藤原京跡においては、藤原宮跡朝堂院地区、飛鳥地域等の発掘調査を实施するとと もに、古代官衙、集落遺跡に関する研究集会、古代瓦に関する研究集会等を实施し、報告 書を刊行する。 イ 出土遺物及び遺構に関する調査、分析、復原的研究を総合的・多角的に实施し、整理が終 了したものより順次公表を行う。 ウ 飛鳥時代の壁画古墳についての調査研究を行うとともに、東アジアにおける工芸美術史・ 考古学研究の一環として、出土遺物を中心とした資料の調査を实施する。また、飛鳥時代 木造建築遺物の研究として、山田寺等の飛鳥・藤原京跡内寺院の出土部材の研究を行う。 エ アジアにおける古代都城遺跡、生産遺跡及び陶磁器に関する調査研究並びに研究協力につ いて、日本の古代都城及び北魏洛陽城等に関する中国社会科学院考古研究所との共同研究、 中国の生産遺跡（陶磁器窯跡及び生産品）に関する河南省文物考古研究所との共同研究、 遼西地域の都城に関する遼寧省文物考古研究所との共同研究、日韓古代文化の形成と発展 過程に関する韓国国立文化財研究所との共同研究、中央アジア地域出土資料に関するカザ フスタン・カザフ国立大学への研究協力及び中国霊井遺跡出土品に関する河南省文物考古 研究所への研究協力を協定に基づいて实施する。また、整理が終了したものより順次公表 を行う。 ⑦ 文化的景観及びその保存・活用に関する調査・研究の一環として、諸外国との比較を行いつ つ、我が国の文化的景観保護行政に関する基礎的な情報を収集し、整理が終了したものより順 次公表を行う。また、文化的景観の学術及び保護に資する研究会を定期開催し、その成果を踏 まえて文化的景観の保護に関する研究集会を開催する。 ⑧ 我が国の埋蔵文化財及びその保存・活用に関し、以下の調査・研究を实施する。 ア 全国の遺跡に関する資料収集及び分析に有効な指標や手法についての研究を進め、その成 果をデータベース化して順次公開する。 イ 出土遺物等の材質構造調査を行い、务化状態に関する基礎データを集積する。また、鉄製 品及び木製品の埋蔵環境調査を实施し、埋蔵中に生じる遺物の务化現象に関して、環境が 及ぼす影響の基礎データを集積する。 ウ 平城宮跡等をフィールドとして、遺構における水分移動及び溶質移動に関する計測と数値 解析を行い、遺構の安定化方法を検討するための基礎データを収集する。 （２）文化財の研究に関する調査手法の研究・開発の推進 文化財の調査手法に関する研究・開発を推進し、文化財を生み出した文化的・歴史的・自然 的環境等の背景やその変化の過程を明らかにすることに寄与する。 ① 高精細デジタル撮影により、文化財が本来有する多様な情報を目的に応じて正確・詳細に視 覚化するとともに、その公開を目指して、調査・研究を行う。 ② 埋蔵文化財の調査における新たな手法の開発・導入と応用のため、文化財の計測・測量及び 探査等に関する研究を行う。 ③ 出土遺物、建造物、美術工芸品等の木造文化財の年輪年代測定を实施し、考古学、建築史学、 美術史学、歴史学等の研究に資する。とりわけ、奈良文化財研究所で開発、实用化したマイク ロフォーカスＸ線ＣＴを用いた非破壊年輪年代測定は貴重な文化財調査に極めて有効であるた め、調査対象の拡充と活用を図り、これらの研究成果を公表する。 ④ 動植物遺存体による環境考古学的研究を継続的に实施する。また、各種計測機器、マイクロ スコープを活用して出土骨に残る加工痕の観察方法を確立し、骨角器製作技術や動物解体技術 の研究を推進する。さらに、これまで国内の遺跡で開発してきた微細遺物選別法の实践を行い、 東アジア、環太平洋世界の中での農耕・牧畜の起源や動植物利用に関する比較研究を行う。 （３）科学技術の活用等による文化財の保存科学や修復技術に関する中核的な支援拠点として、先 端的調査研究等の推進 最新の科学技術の活用による保存科学に関する先端的な調査及び研究や、伝統的な修復技術、 製作技法、利用技法に関する調査・研究としての課題に取り組むことにより、文化財の保存や 15 / 27 修復の質的向上に寄与する。 文化財のカビ被害予防と対策のシステム化について研究を行うとともに文化財のカビの予防、 対策が現場でシステマティックに行えるよう、方法論の整理・確立を目指す。被災文化財の救 援に関して、生物被害状況の調査及び対策に関わる研究を行う。 ② 保存環境を考慮した文化財の展示・収蔵施設の省エネ化の研究及び環境データやシミュレー ション技術を用いた文化財の保存環境改善のための研究を推進する。 ③ 文化財の材質分析及び务化診断を目的とした計測手法に関する調査研究を進める。 ア 小型可搬型機器によるその場分析及び非破壊非接触技術による診断・解析手法の確立を目 指す。 イ ミリ波イメージング装置の改良を行う。また、ミリ波イメージング及びテラヘルツ分光イ メージングにより文化財を対象とした測定に必要となるデータを収集するための基礎实験 を行う。さらに、文化財に用いられている材料のテラヘルツ分光スペクトルの収集を行う。 ④ 日本国内及び韓国の石造・木質文化財を対象に、务化要因の究明及び修復材料・技術に関す る研究を日韓共同で行う。また、塑造・乾漆造仏像群の災害対策に関する基礎的調査を行う。 さらに、被災文化財の救援に関して、被災状況に合わせた救援・保存・修復方法の研究を行う。 ⑤ 伝統的修復技術、漆・膠・糊などの伝統材料及びこれまで使用されてきた合成樹脂の調査・ 分析・科学的再評価を行い、改良に資する技術開発を行い、これらを併用した修理基準の策定、 新規材料の開発を進めつつ、修理現場での応用を行う。 ⑥ ドイツ技術博物館との共同研究及び欧米や東南アジアでの保存や修復事例調査を行う。日本 郵船小樽支店等での石材やレンガの务化調査、かかみがはら航空宇宙科学博物館・大樹町航空 宇宙实験施設等での測定データの回収と評価、日本航空協会所蔵の紙資料類等の保存修復に関 する研究を進める。建造物に使用されているオイルペイントのデータベースを構築する。史跡 の構成要素となっている建造物の産業遺産の活用手法に関する研究を進める。 （４）高松塚古墳、キトラ古墳の保存対策事業等、我が国の文化財保護政策上重要かつ緊急に保存 及び修復の措置等を行うことが必要となった文化財について、国・地方公共団体の要請に応じ て、保存措置等のために必要な实践的な調査・研究を迅速かつ適切に实施する。 ① 文化庁が行う高松塚古墳・キトラ古墳の壁画の調査及び保存・活用に関して技術的に協力す る。 ② 国土交通省が行う国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区公園予定地の調査及び保存・活用に 関して技術的に協力する。 ③ 農林水産省が行う大和紀伊平野土地改良事業大和平野県営飛鳥工区２号幹線の調査及び保 存・活用に関して技術的に協力する。 （５）有形文化財の保存と活用を推進し、次世代に継承して、我が国文化の向上に資するため、そ の収集・保存・管理・展示・教育活動等にかかる調査・研究を進める。 ① 収蔵品・寄託品等の基礎的かつ総合的な調査・研究 （東京国立博物館） １）収蔵品・寄託品及び関連品に関する調査研究を行う。 ２）特別調査法隆寺献納宝物（第３４次）「聖徳太子絵伝」第８回を行う。 ３）特別調査「書跡」第１０回を行う。 ４）特別調査「工芸」第４回を行う。 ５）特別調査「彫刻」第２回を行う。 ６）特別調査金地屏風の金箔地についての調査研究を行う。 ７）油彩画の材料・技法に関する共同調査を継続して行う。 ８）名物裂を用いた表装裂の復元に関する共同研究を継続して行う。 ９）漆塗籠棺残片の保存に関する共同研究を行う。 10）板谷家を中心とした江戸幕府御用絵師に関する総合的研究を行う。 11）文化財保護の歴史に関する基礎的研究を行う。 12）占領期の教育政策における国立博物館の役割に関する調査研究を行う。 13）宮廷工芸に関する物質文化的研究を行う。 14）古筆切紙背の史料学的研究を行う。 15）家型埴輪の群構成と階層性からみた東アジアにおける古墳葬送儀礼に関する基礎的研究を 行う。 ① 16 / 27 16）絵巻の〈伝来〉をめぐる総合的研究を行う。 17）近現代における古日本染織の移動とコレクション形成に関する基礎的研究を行う。 18）狩野晴川院養信による寺社宝物模本の基礎的研究を行う。 19）創立150年へ向けた館史編纂のための基礎的な資料整理と調査を開始する。 （京都国立博物館） １）訓点資料としての典籍に関する調査研究を行う。 ２）彫刻に関する調査研究を行う。 ３）出土・伝世古陶磁に関する調査研究を行う。 ４）平成２４年度から２５年度に開催する特別展覧会等について、調査研究を行う。 （奈良国立博物館） １）館蔵品・寄託品等の基礎的・総合的調査を進め、作品の適切な収集及び魅力的な展示に反 映させる。 ２）歴史学・考古学・美術史学などの人文諸学の見地から館蔵品・寄託品等の調査研究を行い、 その成果を積極的に公表する。 （九州国立博物館） １）Ｘ線ＣＴスキャナによる青銅器・彫刻・漆工などの構造技法解析を行う。 ２）平成２０年度特別展「工芸のいま 伝統と創造」に関連した九州・沖縄の伝統工芸作家へ の調査を受けて、継続的かつ発展的に調査研究活動を行う。 ３）日本中世の工芸、特に茶道具に関して研究し、展示に反映する。 ４）印籠に関して研究し、展示に反映する。 ５）対馬宗家文書の研究を行ない、展示に反映する。 ６）中世大般若経の史料学構築に向けての基礎的研究を行う。 ② アジア諸地域の有形文化財に関する基礎的かつ総合的な調査・研究 （東京国立博物館） １）館蔵の漢籍・洋書に関する基礎的研究を行う。 ２）東洋民族資料に関する調査研究を行う。 ３）東アジアの書道史における料紙と書風に関する総合的研究を行う。 ４）中国書画の表装に関する基礎的研究を行う。 （奈良国立博物館） １）中国・韓国などアジア諸国の文化財に関する調査研究を積極的に進め、日本の文化財との 比較検討や相互理解に資する。 ２）日本とアジア諸国の文化交流に関する調査研究を進め、その成果を展示や公刊物等に反映 させる。 （九州国立博物館） １）中国南京博物院所蔵絵画、鎮江焦山碑刻博物館所蔵拓本の研究を行ない、展示に反映する。 ２）ベトナムにおける16～17世紀の海外交易に関する研究を行ない、将来の特別展に反映する。 ３）朝鮮半島、三国時代の考古・美術に関する調査研究を行い、将来の特別展に反映する。 ４）九州における対外交流文化財の保存と活用に向けた研究基盤を創設する。 ③ 京都文化を中心とした有形文化財の基礎的かつ総合的な調査・研究 （京都国立博物館） １）近畿地区（特に京都）社寺文化財の調査研究を行う。 ２）近世絵画に関する調査研究を行う。 ④ 仏教美術及び奈良を中心とした有形文化財の基礎的かつ総合的な調査・研究 （京都国立博物館） １）鎌倉仏教とその造形に関する調査研究を行う。 （奈良国立博物館） １）平成２５年度特別展「当麻寺展（仮称）」「遼寧省遼代仏教文化展（仮称）」、２６年度特別 展「内山永久寺展（仮称）」「百済展（仮称）」など、将来の特別展实施に向けた調査研究を 行う。 ２）南都諸社寺等における文化財調査を積極的に实施して宗教文化に関する調査研究の成果を 蓄積し、毎年恒例の特別陳列「お水取り」「おん祭と春日信仰の美術」、２４年度御遠忌800 年記念特別展「解脱上人貞慶 －鎌倉仏教の本流－」、２４年度特別展「頼朝と重源―東大寺 17 / 27 再興を支えた鎌倉と奈良の絆―」、２４年度特別陳列「古事記の歩んできた道－古事記撰録 1300年」、２５年度特別展「当麻寺展（仮称）」等に反映させる。 ３）正倉院宝物や奈良の出土遺物・伝世品・伝統工芸・芸能など、当該地域に密着した文化財 に関する調査研究を实施し、展覧会等に反映させる。 ４）東京文化財研究所と共同で行う天台高僧像（一乗寺蔵）、信貴山縁起絵巻（朝護孫子寺 蔵）の調査など、仏教美術の光学的調査研究を实施し、作品の材料・技術等の解明に寄与す る。 ⑤ アジアを中心に世界との交流という観点から捉えた、日本文化に関する調査・研究 （九州国立博物館) １）日本とアジア諸国との文化交流に関する調査研究を行う。 ⑥ 有形文化財の保存環境・保存修復に関する調査・研究 （東京国立博物館） １）博物館の環境保存に関する研究を行う。 ２）博物館における文化遺産の保全と持続的公開を目指した包括的保存システムの研究を行う。 （京都国立博物館） １）修復文化財に関する資料収集及び調査研究を行う。 ２）文化財の保存・修復に関する調査研究を行う。 （奈良国立博物館） １）収蔵庫・展示审・ケース内部等における環境の、文化財に与える影響などに関する調査研 究を持続的に实施し、収蔵品の保存環境の向上を図る。 ２）館蔵品・寄託品等の調査研究を文化財修理の観点から实施し、文化財の活用及び後世への 継承に資する。 ３）館蔵品・寄託品等の調査研究を保存科学の観点から实施し、貴重な文化財の後世への継承 に資する。 （九州国立博物館) １）文化財の材質・構造等に関する共同研究を行う。 ２）博物館における文化財保存修復に関する研究を行う。 ３）博物館危機管理としての市民協同型ＩＰＭシステム構築に向けての基礎研究を行う。 ４）東アジアの文化財修復用手漉き和紙の調査研究（ＵＮＥＳＣＯとの共同）を行う。 ５）デジタル計測技術を使用した文化財の予防保存に関する研究を行う。 ⑦ 文化財を活用した効果的な展示や、教育活動等に関する調査・研究 （東京国立博物館） １）博物館環境デザインに関する調査研究を行う。 ２）博物館教育に関する調査研究を行う。 ３）博物館資料・業務の情報処理に関する調査研究を行う。 ４）凸版印刷と共同で、ミュージアム・シアターでの公開に向けた研究を引き続き实施する。 （京都国立博物館） １）文化財情報に関する調査研究を行う。 （奈良国立博物館） １）歴史、伝統文化の教育普及に資するための調査研究を行い、その成果を児童・生徒を対象 として行う「世界遺産学習」等に反映させる。 ２）文化財アーカイブズの形成に関する理論的・实践的研究を行い、その成果をデジタル画像 の作成・各種データベースの構築（収蔵品・画像・図書）・各種情報資源の公開推進に反映 させる。 （九州国立博物館) １）ＮＨＫと協同で高精細画像を活用したシアター４０００での映像公開に向けた研究を引き 続き实施する。 ２）特別展のテーマに則した、解説パネル、冊子、ワークショップ等、観覧者の理解促進のた めの教育普及プログラムの調査研究を行う。 ３）学校教育との連携を図りながら、学校貸出キット「きゅうぱっく」の研究・開発を引き続 き实施する。 ４）平成２７年度に迎える開館10周年における一定程度のリニューアルを見据え、現在の展示 18 / 27 施設、展示環境や展示方法の課題や展望について検討する。 ５ 文化財保護に関する国際協力の推進 文化財保護に関する国際協力に関して、以下の事業を有機的・総合的に展開することにより、 人類共通の財産である文化財保護に関する国際協力を通じて、我が国の国際貢献に寄与する。 （１）文化財の保護制度や施策の国際動向及び国際協力等の情報を収集、分析して活用するととも に、国際共同研究を通じて保存・修復事業を实施するために必要な研究基盤整備を行う。また、 国内の研究機関間の連携強化や共同研究、研究者間の情報交換の活発化を図るとともに、継続 的な国際協力のネットワークを構築し、その成果をもとにアジア地域を中心とする諸外国にお いて文化財の保護事業を推進する。 ① 海外、特に国際協力活動の対象としている地域の文化遺産に関する情報の収集、諸外国の文 化遺産保護施策や文化遺産保護へのデータベースの活用に関する調査を实施する。世界遺産委 員会をはじめ、ユネスコ、ICOMOS、ICOM 等が行う主要な国際会合へ出席し、情報の収集を行 う。収集した情報の整理・公開及び比較研究等を通じて今後の我が国の文化財保護施策の検討 の用に供する。 （２）国際共同研究等を通じて諸外国の保存・修復の考え方や技術に関する研究を進め、国際協力 を推進するための基盤を形成するとともに、その成果をもとにアジア地域を主とする諸外国に おいて文化財保護事業を推進する。 ① 文化財の保存修復事業及び国際共同研究事業を以下のように实施し、成果を広く公表する。 ア 敦煌莫高窟壁画及び陝西省墳墓壁画を始めとする中国の文化遺産の保存修復のための共同 研究を实施する。また、モンゴルの文化財保存修復事業に協力する。 イ 東南アジア地域等における文化財保存修復協力事業及び調査研究等を实施する。特にカン ボジア・アンコール遺跡群（西トップ寺院遺跡及びタ・ネイ遺跡等）において考古学的、 建築史的、保存科学的調査を实施する。また、タイ、モンゴル等においても文化財保護に 関する共同研究・協力事業を实施する。 ウ アフガニスタン（主としてバーミヤーン）及びイラクの文化財保存修復協力事業を实施す る。また、併せて周辺地域（西アジア諸国等）の文化財調査研究及び保存修復協力事業を 实施する。 エ 上記各事業と連携しつつ、文化財の保存修復手法に関するワークショップの開催等を通じ て国内外の専門家との情報の共有化を図る。 （３）文化財保護の担当者や学芸員及び保存修復専門家を対象とした研修や専門家の派遣を通じて 諸外国における文化財の保存・修復に関する人材育成と技術移転を積極的に進める。 ① 諸外国の考古学、建造物、歴史資料及び保存科学等の文化財保護に係る専門家の人材育成を 国内または現地で实施する。 ② 国内外の諸機関等と連携して人材育成や技術移転等の国際支援を实施する。また海外の文化 財保存担当者を対象に、国内外において和紙及び紙・絹文化財、漆及び漆文化財についての材 料学・保存修復等の講義と、修復、装丁等の实技を行い、基礎的な知識を教授する。在外の日 本古美術品を対象に事前調査を行い、その結果を元に修復を行う。 ③ 国際協力機構、ユネスコアジア文化センター等が实施する研修への協力を行う。 （４）アジア太平洋無形文化遺産研究センターは、ユネスコ無形文化遺産保護条約を中心とした国 際的動向の情報収集を図り、アジア太平洋地域における無形文化遺産保護に係る調査・研究推 進の拠点として、同地域の無形文化遺産保護に関する基礎的な調査・研究推進を行うとともに、 我が国の知見を通じて、無形文化遺産保護の国際的充实に資する。 ６ 情報資料の収集・整備及び調査研究成果の発信 以下のとおり、調査・研究に基づく資料の作成及び文化財に関連する資料の収集・整理・保 管を行うとともに、調査・研究成果を積極的に公表・公開し、国内外の研究者や広く一般の人 が調査・研究成果を容易に入手できるようにする。 （１）文化財関係の情報を収集して積極的に発信するため、ネットワークのセキュリティの強化及 び高速化等に対応した情報基盤の整備・充实を行う。また、文化財情報の計画的収集・整理・ 保管及びそれらの電子化の推進による文化財に関する専門的アーカイブの拡充を行うとともに、 調査・研究に基づく成果としてのデータベースの充实を行う。 19 / 27 ① 文化財に関するデータベースの充实とアーカイブ機能の更新と拡張を図る。 ② 文化財関係資料や図書の収集・整理・公開・提供について充实するよう努める。 （２）文化財に関する調査・研究に基づく成果について、定期的な刊行物を刊行するとともに、公 開講演会、現地説明会、国際シンポジウムの開催等により、積極的に公開・提供する。また、 研究所の研究・業務等を広報するためウェブサイトの充实を図るとともに、アクセス件数の向 上を図る。 ① 定期刊行物の刊行 ○『東京文化財研究所年報』 ○『東京文化財研究所概要』 ○『東文研ニュース』 ○『美術研究』（年３冊） ○『日本美術年鑑』（年１冊） ○『無形文化遺産研究報告』（年１冊） ○『無形民俗文化財研究協議会報告書』（年１冊） ○『保存科学』（年１冊） ○『奈良文化財研究所紀要』 ○『奈良文化財研究所概要』 ○『奈文研ニュース』 ○『埋蔵文化財ニュース』 ② 公開講演会、現地説明会、国際シンポジウムの開催等 ○国際シンポジウムの開催（年１回） ○公開講座（オープンレクチャー）（年１回） ○公開講演会 ○現地説明会 ③アクセス件数の向上を図るため、ウェブサイトの内容の充实を図る。 （３）平城宮跡資料館、藤原宮跡資料审、飛鳥資料館については、研究成果の公開施設としての役 割を強化する観点から展示を充实させ、調査・研究成果の内容を広く一般に理解を深めてもら うことに資する。来館者数については、前期中期計画期間の年度平均（特別展示等による来館 者数の著しい変動实績を除く。）以上確保する。 ① 平城宮跡資料館における展示・公開 常設展（月曜日、年末年始休館） 特別展（年１回） 企画展（年１回） 年間目標来館者数 ８５，３００人 ② 飛鳥資料館における常設展示の充实と特別展示の開催 常設展示（月曜日、年末年始休館 有料公開 ただし6月4日～10月18日、12月3日～平成 25年1月21日は、改装のため第１展示审を閉鎖） 特別展示（年２回） 年間目標来館者数 ４８，８００人 ③ 藤原宮跡資料审における展示・公開 常設展（年末年始休館 無料公開） 年間目標来館者数 ４，５０９人 （４）文化庁と国土交通省が行う平城宮跡、飛鳥・藤原宮跡等の公開・活用事業に協力し、支援を 实施する。また、宮跡等への来訪者に文化財及び奈良文化財研究所の研究成果等に関する理解 を深めてもらうため、解説ボランティアを育成するとともに、ＮＰＯ法人等が自主的に行う各 種ボランティア事業に対して活動機会・場所の提供等の支援を行う。 ① 文化庁と国土交通省が行う平城宮跡、飛鳥・藤原宮跡等の公開・活用事業への協力 ○ 文化庁平城宮跡宮跡等管理事務所の運営への協力 ○ 国土交通省が行う平城宮跡第一次大極殿院復原への協力 ○ 国土交通省が行う平城宮跡展示館（仮称）の建設への協力 ○ 国土交通省が行う国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区公園予定地内の体験学習館の建設 への協力 20 / 27 ② ③ ④ 平城宮跡解説ボランティア事業の实施 平城宮跡防災・防犯パトロール「平城宮跡みまもり隊」への参加 NPO 法人等への支援 ７ 地方公共団体への協力等による文化財保護の質的向上 我が国の文化財に関する調査・研究の中核として、これまでの調査・研究の成果を活かし、 国・地方公共団体等に対する専門的・技術的な協力・助言を行うことにより、我が国全体の文 化財の調査・研究の質的向上に寄与する。また、専門指導者層を対象とした研修等を行い、文 化財保護に必要な人材を養成する。 （１）地方公共団体や大学、研究機関との連携・協力体制を構築し、これらの機関が有する文化財 に関する情報の収集、知見・技術の活用、本機構が行った調査・研究成果の発信等を通じて、 文化財に関する協力・助言の円滑かつ積極的な实施を行う。 ① 地方公共団体等からの要請に応じ、それへの協力・助言・専門的知識の提供等を实施する。 ② これまで蓄積した調査・研究の成果を活かし、他機関等との共同研究及び受託研究を实施す る。 ③ 災害により被災した文化財の保護のため、文化庁の要請を受け、国立文化財機構は東京文化 財研究所内に事務局を設置し、東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援事業（文化財レスキュ ー事業）を实施する等、地方公共団体等に対する支援・協力を行う。 （２）文化財に関する高度な研究成果をもとに、地方公共団体等で中核となる文化財担当者に対し 埋蔵文化財等に関する研修を实施するとともに、保存担当学芸員に対し保存科学に関する研修 を实施する。 ① 埋蔵文化財担当者研修の实施 専門研修１４課程、研修人数延べ１６０人 ② 博物館・美術館等の保存担当学芸員研修の实施 期間２週間、受講生２５名程度 ③ 東京藝術大学、京都大学、奈良女子大学との間での連携大学院教育等の推進 ○ 東京藝術大学：システム保存学(保存環境学、修復材料学) ○ 京都大学：共生文明学（文化・地域環境論） ○ 奈良女子大学：比較文化学（文化史論） Ⅱ 業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置 １ 一般管理費の削減 （１）共通的な事務の一元化による業務の効率化 １）財務、人事、企画事務の共通的な事務の一元化を推進し事務の効率化を引き続き図る。 ２）国立博物館各館における翌年度以降の展覧会企画等について「研究・学芸系職員連絡協議 会」において連絡・調整を行い、企画機能強化を図る。 ３）機構共通のネットワーク及びシステムにより、業務の効率的な運用及び情報の共有化を引 き続き推進する。 （２）計画的なアウトソーシング 以下の業務の外部委託を継続して实施する。 （東京国立博物館） ・資料館業務の一部 （京都国立博物館） ・看視案内業務及び設備保全業務の一部 ・受付・案内・警備業務、売札業務及び清掃業務 （奈良国立博物館） ・建物設備の運転・管理業務 ・警備及び看視案内の一部並びに売札及び清掃業務 （九州国立博物館) ・建物設備の運転・管理業務等 21 / 27 ・警備業務、看視案内業務及び清掃業務 （東京文化財研究所・奈良文化財研究所） ・警備業務、清掃業務及び建物設備の運転・管理業務等 （３） 使用資源の減尐 ・省エネルギー １）光熱水量の使用状況を把握し、管理部門を中心に引き続き節減に努める。 （エネルギー使用量は、５年計画期間中に５％削減） ・廃棄物減量化 １）使用資源の節減に努め、廃棄物の減量化に引き続き努める。 ・リサイクルの推進 １）廃棄物の分別収集を徹底し、リサイクルを引き続き推進する。 （４） 自己収入の増大 独立行政法人整理合理化計画（19年12月24日閣議決定）の方針に基づき設定した外部資金の 活用及び自己収入の増大に向けた定量的目標の達成を、引き続き目指す。 １）機構全体において、入場料収入（共催展を除く）及びその他収入について、１．１６%の 増加を目指す。 ２）機構全体において、寄附金２２６件及び科学研究費補助金７６件の確保を目指す。 ２ 給与水準の適正化等 国家公務員の給与水準や手当てを考慮した役職員の給与の適正化に引き続き計画的に取り組 む。また人件費改革の取り組みを今後進められる独立行政法人制度の抜本的な見直しを踏まえ、 取り組む。ただし、人事院勧告を踏まえた給与改定分及び競争的資金により雇用される任期付 職員に係る人件費については本人件費改革の削減対象から除く。また、削減対象の「人件費」 の範囲は、各年度中に支給した報酬（給与）、賞与、その他の手当の合計額とし、退職手当、 福利厚生費は含まない。 その際、役職員の給与に関し、国家公務員の給与構造改革を踏まえた、地場賃金の適正な反 映、年功的な給与上昇の抑制、勤務实績の給与等への反映等に取り組む。 ３ 契約の適正化の推進 １）契約監視委員会を实施する。 ２）施設内店舗の貸付について企画競争を導入する。 ３）民間競争入札を推進する。 （東京国立博物館・東京文化財研究所） ・施設管理・運営業務を継続して外部委託を行う。 （東京国立博物館） ・展示場における来館者応対等業務を継続して外部委託を行う。 ４ 保有資産の有効利用の推進 （博物館４施設） １）講座・講演会等を開催する。 ２）講堂等の利用案内を関係団体、学校等に対し積極的に行う。 ３）国際交流及び日本文化の紹介や入館者の拡大を目的としたコンサートなどを实施し、施設 の有効利用を図る。 （文化財研究所２施設） セミナー审、講堂等一般の利用の供することが可能な施設の有料貸付を实施するとともに、 展示公開施設におけるミュージアムショップの運営委託等、施設の有効利用の推進を引き続き 図る。 ５ 内部統制の充实・強化 （１）理事長のマネジメント強化 １）モニタリングの实施 ・自己点検評価を行う。 22 / 27 ・監事監査を行う。 ・内部監査を行う。 ２）リスクマネジメントの实施 ・関連する諸規程を整備する。 ・危機管理マニュアルの見直し等を随時行う。 （２）外部有識者による事業評価 １）運営委員会、外部評価委員会を实施し、その結果を組織、事務、事業等の改善に反映させ る。 ２）職員の資質向上を図るため各種研修を实施する。 （３）情報セキュリティ対策の向上と改善 １）情報セキュリティについて定期監査等を实施する。 Ⅲ 予算（人件費の見積もりを含む）、収支計画及び資金計画 １ 予算 別紙のとおり ２ 収支計画 別紙のとおり ３ 資金計画 別紙のとおり Ⅳ １ その他主務省令で定める業務運営に関する事項 施設・設備に関する計画 別紙のとおり施設・設備に関する計画に沿った整備を推進する。 ２ 人事計画に関する計画 （１） 職員の能力や業績を適切に反映できる人事・給与制度を検討する。 （２） 近隣大学等との交流を進め、優秀な人材を確保する。 （３） 各種研修を積極的に实施し、また、職員を外部の研修に派遣するなど、その資質の向上を 図る。 （４） 非公務員化のメリットを活かした制度の活用方法について引き続き検討する。 （５） 専門スタッフの配置などの計画的な人材の確保・育成に向け、検討を進める。 23 / 27 予算 (単位：百万円) 区 分 金 額 収入 運営費交付金 7,602 施設整備費補助金 6,884 展示事業等収入 1,309 受託収入 26 計 15,821 支出 管理経費 1,567 うち人件費 756 うち一般管理費 811 業務経費 7,344 うち人件費 2,323 うち調査研究事業費 1,167 うち情報公開事業費 133 うち研修事業費 13 うち国際研究協力事業費 265 うち展示出版事業費 259 うち展覧事業費 3,138 うち教育普及事業費 46 施設整備費 6,884 受託事業費 26 計 15,821 24 / 27 収支計画 (単位：百万円) 区 分 金 額 費用の部 6,463 経常経費 6,463 管理経費 1,170 うち人件費 756 うち一般管理費 414 業務経費 4,886 うち人件費 2,323 うち調査研究事業費 596 うち情報公開事業費 68 うち研修事業費 7 うち国際研究協力事業費 135 うち展示出版事業費 132 うち展覧事業費 1,601 うち教育普及事業費 24 受託事業費 26 減価償却費 381 収益の部 6,463 運営費交付金収益 4,747 展示事業等の収入 1,309 受託収入 26 資産見返運営費交付金戻入 351 資産見返物品受贈額戻入 30 25 / 27 資金計画 (単位：百万円) 区 分 金 額 資金支出 15,821 業務活動による支出 6,082 投資活動による支出 9,739 資金収入 15,821 業務活動による収入 8,937 運営費交付金による収入 7,602 展示事業等による収入 1,309 受託収入 26 投資活動による収入 6,884 施設整備費補助金による収入 6,884 26 / 27 施設・設備に関する計画 （単位：百万円） 施設・整備の内容 予定額 東京国立博物館 黒田記念館耐震補強改修等工事 源 614 施設整備費補助金 表慶館バリアフリー化工事 59 施設整備費補助金 京都国立博物館 平常展示館建替工事 （19年度～24年度） 奈良国立博物館 防災設備等改修工事 奈良文化財研究所 本庁舎地区再開発計画の推進 合 財 5,050 施設整備費補助金 1,141 施設整備費補助金 20 施設整備費補助金 計 6,884 27 / 27