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1−2−4−3 Key Hole Effect

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1−2−4−3 Key Hole Effect
【技術分類】1−2−4
【
FI
構成と基礎理論/キャパシティ/伝搬環境の影響
】H04J15/00 H04L1/06
【技術名称】1−2−4−1
周波数選択性フェージング
【技術内容】
広帯域チャネルでは、周波数選択性フェージングの影響を受ける。この周波数選択性フェージング
下でのキャパシティを求めるために、図1に示すように広帯域チャネルをN個の狭帯域チャネルに分
割し、それぞれをフラットフェージングであるとして求める。
全ての狭帯域信号の総キャパシティ C fs は、アンテナあたりのシンボルエネルギーを Es / M T 、同じ
く雑音電力を N 0 、 ρ = Es / N 0 として次式で表せる。
C f ,s ≈
K
1
N
∑ log
i =1
2
det(I M R + ρH ( f i )H ( f i ) H )
ここで、
H ( f i ) = ∫ H (τ ) e − j 2π fiτ dτ
τ
M T , M R はそれぞれ送信,受信アンテナ数、 H ( f i ) は M R × M T の周波数 fi における周波数チャネル行
H
列、 H (τ ) は時間領域チャネル行列、 I M R は M R × M R の単位行列である。 は転置複素共役を表す。
分割されたN個の i 番目の狭帯域サブチャネル応答行列を H i , i = 1" N 、入力ベクトル si 、出力ベ
クトル y i 、雑音 n i で表すと、入出力関係は以下となる。
yi =
Es
H i si + ni
MT
図2に、M T = M R =2 の MIMO システムにおいて、SNR=10dB での1Hz あたりの情報レートの累積分
布関数 CDF(Cumulative Distribution Function)を、分割数 N をパラメータとして示す。 N が増加す
るにつれて、低い Outage で Outage Capacity が増加しており、OFDM のようなサブキャリア伝送が周
波数選択性フェージング下では Outage Capacity を高めるのに有利であることを意味している。
【図1】
広帯域チャネルの N 分割。(図1では、一般性を失うことなく、広帯域チャネルの帯域幅を1Hz、
狭帯域サブチャネルの帯域幅を 1/ N としている)
出典:”EE492m Space-Time Wireless Communications”, ” Stanford University Paulraj 講義資料,
Lecture 6”, ” 8th, January 2003”, ”A. Paulraji, Kome Oteri 著”, ”Stanford University”, “p.15:
25
Division into frequency flat sub-channels”
【図2】
分割数Nをパラメータとした伝送レートの累積分布
出典:”EE492m Space-Time Wireless Communications”, ” Stanford University Paulraj 講義資料,
Lecture 6”, ” 8th, January 2003”, ”A. Paulraji, Kome Oteri 著”, ”Stanford University”, “p.15:
Information rate CDF with increasing N”
【出典/参考資料】
[1] ”EE492m Space-Time Wireless Communications”, ” Stanford University Paulraj 講義資料,
Lecture 6”, ” 8th, January 2003”, ”A. Paulraji, Kome Oteri 著”, ”Stanford University”
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【技術分類】1−2−4
【
FI
構成と基礎理論/キャパシティ/伝搬環境の影響
】H04J15/00 H04L1/06
【技術名称】1−2−4−2
アンテナ相関による影響
【技術内容】
送信相関、受信相関それぞれのエルミート正値行列を R t 、R r とすれば、MIMO のチャネル応答 H は、
H = R1/r 2 H w R1/t 2
で表される。ここで H w は、Zero Mean, Circularly Symmetric, Complex Gaussian(ZMCSCG)チャネル
である。送信アンテナ数 M T =受信アンテナ数 M R = 2 に対して、 R t を1の基底行列(相関なし)と
し、 R r を、
1
Rr =  *
 ρr
ρr 

1
と置く。ρ r =0.95 の高い相関と ρ r =0の相関がない場合の Ergodic Capacity への影響を図に示す。
SNR が 19dB と高いとき、 ρ r =0.95 と相関が高いと ρ r =0の相関がない場合に比べて、3.3bit/s/Hz
の伝送レート低下の影響がある。
【図】
Ergodic Capacity with low and high receive correlation
出典:”Introduction to Space-Time Wireless Communications”, “Chapter 4.6 Influence of Ricean
fading correlation, XPD and degeneracy on MIMO capacity”, “2003”, “Arogyaswami Paulraj,
Rohit Nabar and Dhananjay Gore 著”, “Cambridge University Press 発行”, “p. 78, Figure 4.10;
Ergodic Capacity with low and high receive correlation”
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【出典/参考資料】
[1] ”Introduction to Space-Time Wireless Communications”, “Chapter 4.6 Influence of Ricean
fading correlation, XPD and degeneracy on MIMO capacity”, “2003”, “Arogyaswami Paulraj,
Rohit Nabar and Dhananjay Gore 著”, “Cambridge University Press”
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【技術分類】1−2−4
【
FI
構成と基礎理論/キャパシティ/伝搬環境の影響
】H04J15/00 H04L1/06
【技術名称】1−2−4−3
Key Hole Effect
【技術内容】
原理:
MIMO通信路においては、通信路容量が低下するキーホールと呼ばれる現象がある。そこで、屋内伝搬
環境におけるキーホールの影響を評価する。
詳細:
送信および受信アンテナ数を2とし、電波が図に示すようにキーホールを通って受信機に到達する環
境を想定する。このとき、通信路行列 H は


b1 
ab
 1 1
 σ ( a1 a2 ) = σ 
b 
ab
 2
 1 2
H = 
a2b1 

a2b2 
と表される。 σ はキーホールの断面積、また、 a1 , a2 は送信側、 b1 , b2 は受信側における通信路係数で、
ともに独立なガウス分布であるとする。H の要素は平均値 0 の複素ガウス変数の積であるので、すべて
の要素間の相関は 0 となる。 H は、屋内環境では
 φ1 (r1 )  iβ1x

e
H =  φ1 (r2 ) 
(φ1 (r 1 ) φ1 (r 2 ) ")
 #  2i β1


 φ2 (r1 )  iβ2 x

e
+  φ2 (r2 ) 
(φ2 (r 1 ) φ2 (r 2 ) ") + "
 #  2i β 2


となる。ここで、φk 、β k はそれぞれモード k の固有関数、波数である。また、rn 、rˆ m はそれぞれ受信、
送信アンテナの座標である。通信モード数はキーホールの数に対応するモード数を超えられない。
一般的に、通信路行列の相関がMIMOの通信路容量を制限すると考えられていたが、たとえば 2 × 2 の
通信路行列において、すべての要素の相関が0の場合でも、ランクが1となり通信路容量が低下する現
象が存在することが確認された。
従来技術・歴史:
Chizhikらによってキーホールと呼ばれる通信路容量が低下する通信路の存在が実例とともに報告さ
れている[2]。Gesbertらは同様な現象を“pinhole”と呼んでいる[3]。
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【図】
キーホールの空間的概念
出典:“Keyholes,Correlations and Capacities of Multi-element Transmit and Receive Antennas”,
“IEEE Proc. Vehicular Technology Conf., VTC's2001”, “May 2001”, “Dmitry Chizhik, Gerard
J.Foschini, Michael J. Gans, Reinaldo A.Valenzuela 著”, “p.285, Figure 1” (© 2005 IEEE)
【出典】
[1]“Keyholes,Correlations and Capacities of Multi-element Transmit and Receive Antennas”,
“IEEE Proc. Vehicular Technology Conf., VTC's2001, pp.284-287”, “May 2001”, “Dmitry
Chizhik, Gerard J.Foschini, Michael J. Gans, Reinaldo A.Valenzuela 著”
【参考資料】
[2]“Capacities of Multi-element Transmit and Receive Antennas: Correlations and Keyholes”,
“IEE Electronics Letters, V.36, No.13, pp.1099-1100”, “22th, June 2000”, “D. Chizhik, G.
J. Foschini and R. A. Valenzuela 著”
[3]“MIMO Wireless Channels: Capacity and Performance Prediction”, “CT10-5, IEEE Globecom
2000, San Francisco, CA.”, “27th, November‐1st, December 2000”, “D. Gesbert, H. Bolcskei,
D. Gore, A. Paulraj 著”
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