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株主に向けて 2011 年所感を発表したことについてのお知らせ
平成 23 年1月 31 日 各 位 会 社 名 株式会社ケアネット 代表者名 代表取締役社長 大野 (コード番号 2150 元泰 東証マザーズ) 問合せ先 管理本部財務部長 角谷 芳広 (TEL.03-5214-5800) 株式会社ケアネットより、株主に向けて 2011 年所感を発表したことについてのお知らせ 平成 23 年 1 月 31 日付けで、株式会社ケアネットは代表取締役社長 大野 元泰より株主 向けに 2011 年の方針および取り組みを発表いたしましたので、お知らせいたします。 以上 株主の皆さまへ 謹啓 余寒の候 株主の皆さまにおかれましては、ますますご健勝の こととお喜び申し上げます。 いつも一方ならぬご支援にあずかり、誠にありがとうございます。 私、大野元泰が2010年8月に前社長の辞任を受けて取締役会長 から代表取締役社長に就きおよそ5ヶ月が経ちました。ケアネット の社長に復帰するのは実に7年ぶりです。就任後5ヶ月の間に、 いくつもの社内改革に着手してきた結果、いくつか良い話ができるようになってきました。私はこの 2011年はいよいよケアネットの「反転攻勢の年」になると確信しています。そのように思えることを 含め、私がこれからケアネットをどう変えていこうとしているかをお話します。長文ではございます が最後までお付き合いいただき、株主の皆さまにご評価いただければ幸いです。 2011年 社 長 宣 言 ■ 私の社長としての使命 私は今3つの使命を達成することを、全身全霊をかけて誓っています。 第一に、ケアネットを成長路線に戻し、かつ収益性を高めること。そして、改めて医療情報ベン チャーのパイオニアとして、日本No.1の地位を奪回すること。 第二に、10年の計をもって、ケアネットの存在を確固たるものにすること。そのために財政難にあえ ぐ日本にこだわることなく、 「アジアのケアネット」に飛躍させること。 第三に、医療崩壊を招いている我が国の実情と正面から向き合い、日本の医療再建に向けて社として できる限りの努力を為すこと。また、そういう使命感の強い企業文化を育むこと。それは「医療人が 『どうしても必要な会社』と認める企業」へと導くと確信します。 ■ <第一の使命>ケアネットを成長路線に戻す 現在、ケアネットは2期連続(今期業績見込みを含む。 )の赤字に陥っており、経営者として強い 危機感をもっています。この原因は明白です。2009年度に上市した新商品「RegistrySTASION® (レジストリーステーション) 」の販売停止です。既に複数年で受注していた多くのプロジェクトが 中止となり、見込んでいた売上が消え赤字に陥りました。 よって、我々は既存の主力商品「eディテーリング®」を再度強化し、また一方で、新商品を2つ 投入します。「そもそもケアネットの強みは何か?」それは優良な医師会員10万人の存在であり、その 医師会員とコミュニケーションできる機会の創出能力です。この2つを有効に活用した良い商品を作り、 正しい価格をつけ、きちんと販売・運用を行う。これができれば必ず成功します。 」の投入について 新商品「MRPlus(エムアールプラス) まず、どの競合よりも製薬企業に評価される強力な新サービス「MRPlus(エムアールプラス) 」で す。これは製薬企業向けに展開してきた単発型の「医薬品プロモーションサービス」から、製薬企 業が薬剤に関わりなく、年間、あるいは複数年契約で、ケアネットの医師会員とネット上の自由なコ ミュニケーションを図れるサービスです。 製薬企業は、ケアネットの10万人の医師会員に希望のタイミングで希望の情報やコンテンツを配信 し、医師側の反応も簡単に把握できます。実際に営業活動を行うMRさん(製薬企業の営業マン)と の連動もスムーズになり、一段と医薬品プロモーションを効果的・効率的に実施できます。開発はほ ぼ終了しており、正式な商品のリリースは本年春を予定しています。 新商品「MALS(マルス) 」の投入について もう1つは、ケアネットの会員資産を競合に抜きんでて魅力的にする新サービス「MALS(マルス)」 です。これはベッド数が500も1,000もある大学病院や地域の中核病院の勤務医に対して、eラーニング サービスを提供するものです。 ケアネットが提携している九州最大の医薬品卸株式会社アステムの調査によれば、2割の医師が患者 の5割を診ており、3割の医師では7割以上の患者を診ているという調査結果がでています。多くの 患者を見ている勤務医は大病院に集中しており、 「MALS(マルス) 」はこれらの医師群を強力に魅き 付けるものです。 昨年10月から試行を始めていますが、クチコミで大病院の経営者に広まり既に多くの大病院から引 き合いが来ています。私は、今年のうちに100を超える大病院が契約をすると確信しています。この サービスを契約した病院の勤務医は毎日頻繁にケアネットのインターネットサービスを活用すること になり、ケアネットの優良なアクティブ会員となっていきます。 TVからVOD(ビデオ・オン・デマンド)へ そして、世界一の質と量を誇る医師向け動画コンテンツをいよいよVOD(ビデオ・オン・デマンド) でサービス提供します。 ケアネットは10年以上にわたり衛星放送スカパー! 上で医師専門チャンネル「ケアネットTV・ メディカルCh.®」を放映し続けてきました。これを今春からインターネット放送へと切り替え、コスト の削減と併わせて、「観たいときに、観たいものを、好きなだけ」のVOD(ビデオ・オン・デマンド) でサービス提供します。この機に様々なお役立ちアプリも加えて、10年ぶりに開業医向けに強力な 営業展開を始めます。これは開業医向けの有力サービスとなります。 ■ <第二の使命>アジアのケアネット 皆さまもご承知のように我が国の財政は火の車であり、とりわけ医薬品に関わる支出は、今後10年 厳しい抑制がかけられます。それ以外にも「2010年問題」といわれる大型医薬品の相次ぐ特許切れで、 世界中の製薬企業の収益が悪化します。既に米欧の医薬品市場は不況入りし、日本企業の収益にも影 が差してきました。 このような環境下で世界的製薬企業は新興国市場、中国へとその活路を見出し始めました。現在の 規模は日本市場の半分もありませんが、年率20∼30%で成長が続いており、数年で日本を逆転すると 予想されています。中国には1億人の富裕層と3億人の中産階級がおり、医療の進歩に伴って発生す るその医薬品需要は膨大です。 いま、中国には日本の8倍、200万人の医師がおり、新しい医療についての膨大なニーズがあります。 一方、ケアネットは世界一を誇る医学教育コンテンツを持っています。この資産の存在を知った中国 医師の方々や現地の起業家からは、 「早く中国市場に企業進出して欲しい」と促されてきました。日本 企業で唯一、医学の動画コンテンツを豊富に所有している強みを活かして、中国での事業化を一気呵成 に進める好機が、まさに今年2011年です。 昨年、私は何度か中国に出向き、パートナー候補の企業のトップと話し合いを重ねてきました。 2011年度中には具体的な発表ができると思います。 ■ <第三の使命>日本の医療再建に貢献する 我が国の医療の崩壊について、ここで改めて述べる必要はないでしょう。私たちが最も懸念してい るのは、「医師不足」です。過酷な勤務の中で医師たちが追いつめられている実情は多くの医療現場 で痛いほど実感できます。とりわけ救急医療の現場、産婦人科や外科の現場を目にするとき、とても 怖くなってしまいます。誠実な医師の頑張りに期待するだけでは既に限界を超えています。 これらの専門領域は若手がなかなか入りにくくなっており、既に大ベテランになった中高年医師が 徹夜や過重な手術勤務を続けています。体力の限界は明らかなのです。 私が社長に就任して真っ先に打ち出したのは、「若手外科医を増やすために私たちに何ができる か?」です。私どもが尊敬する諸先輩方がNPO「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会 (通称:若手外科系医師を増やす会)」を起ち上げています。ケアネットは本NPOに全社をあげて協力 していくことにしました。 ケアネットには多くの若手研修医や医学生も会員になっていますし、先述したように「MALS (マルス) 」があります。外科系医局を3K職場として敬遠する研修医や医学生に、外科系の面白さや やりがいを伝え、少しでも外科系に進む人を増やすお手伝いをします。 私は“会社は社会的な意義を有しなければ存在価値はない”と思います。その思いでこの会社を15 年前、33歳の時に起業しました。ケアネットは医師の勉強や情報収集を助け、日本の医療の向上に役 立つことを企業の使命にしています。 ケアネットの社員も医療の面で社会に役に立ちたいとの思いで入社してきた者が大半ですし、会員 の医師の皆さまからも高く評価していただく声をたくさんいただいています。 私はもっともっと、日本の医療に貢献する会社にしたいのです。それが会社の成長や業績にも好影 響を及ぼすと確信しますし、株主の皆さまの期待に応える道だと思います。 ■ 最後に 長い文章にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。 最後に私が社長として皆さまにお約束したいのは次の4つです。 1.安定的な配当および株価の高水準を実現するために、今ここで思い切った改革を断行し、高成 長・高収益企業を目指す。 2.改革断行のためには株主および投資家の皆さまの支援が必須であり、タイムリーかつ丁寧な説明 を都度実施する。 3.業務提携企業を中心に株主の多様化と同時にさらなる株主構造の安定化を図る。 4.株主の皆さまへの感謝を忘れず、常に皆さまの利益に配慮する。 私自身は創業者であり、個人での筆頭株主でもあります。また、発行済株式の約40%を有するケア ネットイノベーション投資事業有限責任組合様のご推薦により株主総会で取締役に選任された者でも あります。その意味で、株主の皆さまと同じ立場や思いを共有していると思っていますし、常にそう 努力していくつもりです。 経営者としてまだまだ未熟者ですが、この会社を心底から良くしたいと思っています。そして、今 後10年の計を考えるに、今こそ思い切った手を打つときであり、そのために躊躇無く行動するつもり です。もちろん、経営者は結果責任を負うべき者であることは重々覚悟し、株主の皆さまの声に忠実 であろうと思います。 繰り返しますが、2011年は「反転攻勢の年」であり、10年の計を見据えた勝負の年です。全力で走 りますので、どうぞ、ご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。 謹白 2011年2月 株式会社ケアネット 代表取締役社長 大野 元泰