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日本社会福祉士会 ニュース 日本社会福祉士会 ニュース
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
日本社会福祉士会
ニュース
166
SEPTEMBER.2013 No.
対談 福祉人材を語る
1
厚生労働副大臣 桝屋 敬悟 氏
日本社会福祉士会会長 鎌倉 克英 氏
第21回日本社会福祉士会全国大会・社会
福祉士学会(岩手大会)開催
5
桝屋厚生労働副大臣は、山口県職員の福祉専門職として、福祉事
厚生労働省講演
5
務所ケースワーカー、知的障害児施設指導員、児童相談所相談員、
基調講演
6
社会福祉協議会など多くの福祉現場を経験されてこられました。地
シンポジウム
7
記念講演
8
大会総括報告
8
海外研修等報告会
9
引継式 ~岩手から鹿児島へ~
10
要望書等を発出しました
11
『日本社会福祉士会二十年史』が刊行され
ました
12
域住民の生活支援には何が重要か、社会福祉士の役割は何か、現場
の重要性を熟知した副大臣と鎌倉会長に語り合っていただきまし
た。
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に
クローズアップされるソーシャルワーク
関する法律」の改正および運用改善に関する意見
副大臣 私は福祉専門職として山口県に入職し、ケースワーカーをは
じめ、さまざまな福祉の仕事をしてきました。どのように利用者を支
援すればより良い生活を築くことができるか、常に現場で一生懸命考
第25回通常総会を開催しました
13
アジア太平洋ソーシャルワーク会議、
マニラで開催
えてきました。介護保険制度が始まってからさまざまな制度がつくら
14
れてきています。そしてそれらの制度では、ソーシャルワークの重要
権利擁護センターぱあとなあ受任状況 18
性が指摘され、当たり前のようにそのことができる前提があるように
2013年ソーシャルワーカーデー報告 20
言われていますが、
独立型社会福祉士名簿登録者394人の情報
を公開
22
ソーシャルワークは
認定社会福祉士認証・認定機構 2013年度
第1回研修認証の審査結果
22
情報コーナー / 懲戒処分
23
BOOK/ 四谷事務局だより
24
そんなに簡単なもの
ではないと思ってい
ます。
会 長 おっしゃる
とおりです。ソー
シャルワークは一定
ホームページのURL
http://www.jacsw.or.jp/
の教育と訓練を受け
た専門職でないと満
足に機能しないと思
桝屋厚生労働副大臣(左)と鎌倉会長
1
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
ます。
副大臣 私はケースワーカー時代に、そのケースの
全人的な存在をどうフォローするかを考えました。
心理や医療関係では対象がクライエント個人にな
る。診断し、鑑別し、そして真理を追究する。それ
はそれで良いのですが、ケース全体をみてどう支援
するかという視点がない。ソーシャルワークは、環
境を含めその人の全体を見極めながらその人のため
に何が出来るかを考える。そこでは当然、家庭や地
域を考えなければいけない。そういった視点がソー
シャルワークの大事な技術だと思います。
会 長 おっしゃるとおりだと思います。
社会福祉士への期待
会 長 社会福祉士はソーシャルワーカーの国家資
桝屋厚生労働副大臣「社会福祉士の役割はますます大きく
なると思います」
2
格ですが、社会福祉士にどのような役割を期待して
いますか。
副大臣 介護保険制度の手法が、障害者や児童の制
います。ソーシャルワークの定義をご存じでしょう
度にも展開してきました。従来の措置制度から、客
か。ソーシャルワークの基本理念として、人権と社
観的なアセスメント、ニーズ把握、必要なサービス
会正義があります。
をより効果的かつ効率的に展開する制度へと移行
副大臣 理念も大事ですね。それと現場でどれだけ
してきました。これを推進するのはまさしく社会福
利用者一人ひとりを大切にして福祉サービスを提
祉士の役割でしょう。そして、皆さんは多種多様な
供できるか。制度を上手に活用することも必要です
ケースに苦労されているだろうと思っています。
が、制度と制度の狭間を埋めて、そのケースのため
会 長 生活困窮者支援制度が始まろうとしていま
にどれだけサービスを提供できるか、ソーシャル
すが、そこでの役割はどのようにお考えですか。
ワーカーはそのような力量も求められるのではない
副大臣 先の国会では残念な結果でしたが、生活困
でしょうか。
窮者支援制度は必ず成立させなければならないと考
会 長 制度からこぼれ落ちてしまう人が多くいま
えています。私は10年ほど前に厚生労働省の初代
す。制度だけでは限界があります。ソーシャルワー
副大臣になりました。そのときに1年かけて生活困
カーはその狭間を何とかする、場合によっては社会
窮者支援について検討しました。生活保護に至る前
資源をつくることも役割にあります。現場が活動し
にゆるやかな支援策をつくり専門的な対応をとらな
やすい制度であれば助かります。
いと、今後公的扶助は立ちゆかなくなると考えてい
副大臣 制度を固定化してはいけない。制度を動か
ました。実際に現在では、生活保護の構造的な問題
しながら常に新しい制度をつくることを考えなけれ
もありますが、新たな貧困や昔は考えられなかった
ばいけない。現場の声を聞いて、みなさんが活躍で
複雑なニーズが表出し、困難なケースが増えていま
きる環境作りをしなければいけないと考えていま
す。皆さんの役割も重要になり、かつ高度なソー
す。現場で制度が活きなければいけません。
シャルワークの技術も必要になると思います。
会 長 ぜひ、現場で社会福祉士が力を十分に発揮
会 長 法案では自立相談支援事業が必須事業とし
できるよう、使いやすい制度であってほしいと思い
て位置づけられ、インテーク、アセスメント、ニー
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
ズ把握、プランニングといったソーシャルワークが
示されました。自立相談支援事業に社会福祉士を
必ず置くべきだと思います。新たに人材育成を行う
のではなく、国家資格者を有効活用すべきと思いま
す。また、社会福祉士会が研修などで力量を向上さ
せ、事例検討を行いフォローアップすることもでき
ます。
副大臣 社会福祉士は必ず必要でしょう。新しい福
祉ニーズに対応できる専門職が必要です。ただし、
制度上必置義務というのは慎重に考える必要がある
と思います。自治体が人材を確保できないというよ
うな事態になっては良くない。
会 長 社会福祉士は現在全国に約16万人います。
人材が確保できないということはないのではないで
しょうか。
副大臣 必置もありえるでしょうが、その一方で地
方分権という考え方があります。地方自治体の裁量
で行ってもらうことも必要です。配置については原
鎌倉会長「社会福祉士が評価され魅力ある資格となること
が必要です」
則のようなかたちで方向性を示して自治体に考えて
携を推進するのに社会福祉士がきちんと機能するこ
もらう方法も考えられます。社会福祉士の皆さんに
とが必要と思います。
もモデル事業などを通して積極的に動いてもらいた
い。自治体が理解すれば実質的な必置になるのでは
社会福祉士の育成
ないでしょうか。また、福祉事務所の役割も重要で
会 長 社会福祉士は試験に合格すれば資格がとれ
す。福祉事務所には社会福祉士が少ない状況です
ます。しかし、取得した直後の社会福祉士が、今、
が、どんどん入ってきてほしい。自治体によって福
副大臣が言われた役割を全うするのは難しい。そこ
祉職採用があったりなかったりの状況ですが、ソー
で、社会福祉士会では生涯研修制度で会員の力量
シャルワークをしっかり考える自治体の長が必要と
アップや、事例検討会やスーパービジョンで実践を
思います。
支援しています。また認定社会福祉士制度もスター
会 長 生活の基盤となる家庭や地域が崩壊してき
トしました。
ています。これからの福祉は家庭や地域の再構築が
副大臣 その通りですね。試験に受かったばかりの
必要ではないでしょうか。
人が処遇困難なケースに対応するのは難しい。スキ
副大臣 優れた社会福祉士が必要と思います。一人
ルを上げ、ケースの相談に乗り、支援する。そうし
のケースからスタートして家庭や地域全体を考える
たスキルアップは、団体の役割でもあるでしょう。
視野をもった社会福祉士。そして、なおかつ個人に
認定社会福祉士制度はもう動いているのですか。ス
もアプローチできる人。そういう社会福祉士の役
テップアップのためには重要な制度だと思っていま
割はますます大きくなると思います。社会保障制度
す。
改革国民会議の提言に医療と介護の一体化がありま
会 長 職能団体や教育団体、経営団体が協議体を
す。地域包括ケアの提言ですが、ここにこそ社会福
つくり2年前に認定社会福祉士認証・認定機構を立
祉士の大きな役割があるのだと考えています。個人
ち上げました。そして今年度、初めての認定社会福
から地域、政策へのアプローチ、多職種・多機関連
祉士が誕生する予定です。
3
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
副大臣 大学教育や研究活動が、ソーシャルワーク
る事業所がしっかり収益も上げられることが必要
の技術を学問としてとらえ、現場にコミットできる
なのですが、このバランスが大変難しいと思ってい
ような流れができると良いのでしょう。認定社会福祉
ます。社会福祉士は収益とは関係なく利用者のため
士制度がその流れをつくっていくのではないですか。
にサービスを提供する、地域の再構築に向けて頑張
会 長 その通りですね。現場の実践と研究活動が
る、その上でしっかり評価される。この二面性をど
連携してより良い実践が行えるようになる、プラス
う考えるか。
のスパイラル効果を期待しています。そして、社会
会 長 社会福祉士会の会員は社会福祉士の倫理綱
福祉士の活動分野はどんどん拡がってきています。
領を遵守する、そこには一定の規制が働いていま
副大臣 確かに活動分野は拡がってきていますね。
す。そのことが重要と考えています。ただ、お金に
学校や司法、権利擁護、いろいろな分野でソーシャ
ならない仕事となると、学生が集まりません。現に
ルワークが必要となってきている。社会福祉士は
高校が福祉系大学を推薦しない現状があります。
オールラウンドプレーヤーというのではなく、広く
副大臣 次の時代に人材不足となる。専門性をもっ
見ながら一定分野の専門性を高めていくことになる
た核になる人は絶対必要です。それはある程度の人
のではないでしょうか。
員の中から育っていく。そこは悩むところですね。
会 長 社会福祉士としてのジェネリックなところ
会 長 育てる仕組みは会の中にあります。社会福
はきちんとおさえていく。そのうえで専門の分野を
祉士が評価され、若い人たちにとっても魅力のある
持つ。そして専門分野の力量を高めるためには家庭
資格となることが必要です。
や地域をみる力など関連分野の知識も必要となる。
副大臣 これからも制度は変わっていきます。今の
専門分野を持ちつつジェネリックな力も高めるとい
福祉制度、医療制度の中で社会福祉士がどういう創
うのが社会福祉士の育成イメージだと思います。
意工夫を行うか、そして制度はどういうバックアッ
プができるか、常に考えなければいけませんね。
これからの福祉
会 長 今日は副大臣から社会福祉士への期待と力
副大臣 今、心配なことに企業活動と福祉事業が一
強い応援をお聞きすることができました。私たち社
体となってきたことがあげられます。社会福祉法人
会福祉士、社会福祉士会はこれからも現場で地域住
の利益は利用者のために還元されますが、営利企業
民の人権の尊重と権利擁護を使命としてソーシャル
の利益は分配できる。しかし収益だけを求めて成
ワーク実践を展開していきます。本日はありがとう
功した事例はあまりないのです。地域の中で喜ばれ
ございました。
<桝屋敬悟(ますやけいご)厚生
労働副大臣>
1951年山口県生まれ。創価大学
法学部を卒業。1975年山口県庁
へ福祉専門職として奉職。1993
年公明党から衆議院選挙に出馬、
初当選。初当選から連続5期当
選。2001年に厚生労働副大臣に
就任。2009年の衆議院選挙にお
いて落選を経験するも2012年の
衆議院選挙で6回目の当選を果た
す。一貫して、厚生・労働・地方
行政など国民の暮らしに直結する
部門で活動。
談話風景(厚生労働副大臣室)
4
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
第21回日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学会
(岩手大会)開催
「共生社会の創造 ~参加と自立を実現する地域社会とは~」
2013年7月6日・7日の2日間にわたり、岩手県盛岡市にある盛岡市民文化ホール『マリオス』および
いわて県民情報交流センター『アイーナ』等において、「共生社会の創造 ~参加と自立を実現する地域
社会とは~」をテーマに第21回記念大会日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学会が開催されました。
マスコットキャラクター「ぎんてつくん」とともに
南部富士とも言われる雄大な岩手山を望む盛岡駅
から直結した盛岡市民文化ホール『マリオス』で、
「共生社会の創造 ~参加と自立を実現する地域社会
とは~」をテーマに掲げ第21回全国大会が開催され
ました。当日は全国から約1,100人の社会福祉士が集
まり、千葉昭好・岩手県社会福祉士会会長の開会宣
言のもと2日間の大会が始まりました。
千葉会長からは、東日本大震災の際には陸前高田
市、大槌町、山田町へ支援活動に延1,900人の全国
開会式
の社会福祉士が駆けつけてくれたことへのお礼とと
もに、被災地見学ツアーを組んでいるのでまだ復興
意を共有する場としたいことが話されました。
途上である現状をぜひ見てほしいことが話されまし
来賓のあいさつでは、岩手県知事・達増拓也氏か
た。また、気持ちを一つにして全国大会の準備を進
らは大会テーマが被災地のコミュニティ再生と結び
めてきたこと、ぜひ交流を深めて連帯の輪を拡げて
つき意義深いこと、盛岡市長・谷藤裕明氏からは多
ほしいことが話されました。続けて鎌倉会長から、
くの自治体のまちづくりの重要なテーマとして議論
万全の準備をしていただいた千葉会長をはじめ実行
を深めてほしいこと、などが語られました。また岩
委員会のみなさんにお礼を述べるとともに、今大会
手県社会福祉協議会会長・桑島博氏からも祝辞をい
のテーマは社会福祉士と社会福祉士会の社会的役割
ただくとともに、多くの関係団体の代表者が列席さ
の確認の場であり社会からの期待と信頼に応える決
れました。
厚 生 労 働 省 講 演
社会・援護局福祉基盤課長の友藤智朗氏をお招き
待」をテーマに講演がなされました。
し、「新たな生活困窮者対策と社会福祉士への期
友藤課長は、最初に生活保護の今日の実態につい
5
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
てデータをもとに説明しました。そして必要な人に
は確実に保護を実施することを維持しつつ、生活保
護の見直しおよび生活困窮者対策に総合的に取り組
むとともに、生活保護基準の見直しを行うことが話
されました。最初のセーフティネットである社会保
険制度と労働保険制度、最後のセーフティネットで
ある生活保護の間に、第2のセーフティネットとし
てすでに施行している求職者支援制度とともに新た
に生活困窮者対策に取り組むことが重要であると説
友藤課長(厚生労働省)
明しました。そして、今国会に提出した「生活保護
て社会福祉士の知識や技術を発揮してほしいことが
法の一部を改正する法律案」「生活困窮者自立支援
話されました。
法案」の概要を説明された後、これらの施策に対し
基調講演
「共生社会の創造 ~参加と自立を実現する地域社会とは~」
ひらの
たかゆき
日本福祉大学社会福祉学部 教授 平野 隆之 氏
本大会の基調講演は、「共生社会の創造~参加と
自立を実現する地域社会とは~」をテーマに、日本
福祉大学教授の平野隆之氏によって行われました。
平野氏は、最初に「生活支援の実践おける創造的
支援を考えるとき、社会福祉士には制度的な運用に
基づく支援にとどまらず、制度外であってもニーズ
に向き合って支援していくといったことが求めら
れており、入り口である相談援助の領域にとどまら
6
ず、その人が社会の中で一定の役割を果たすような
基調講演
出口である資源の開発へ結びつけるような創造的支
最後に、被災地支援における既存制度が機能しに
援が求められているのではないか」と述べられまし
くいといった「制度外問題」の例をあげ、「援護を
た。
必要とする人の個別支援だけでは再生が立ち行かな
次に、共生型ケア(通称富山型デイ)や韓国の総
い中、地域社会に目を向けて地域住民でお互いに支
合社会福祉館の取り組みといった総合的な支援、家
え合って自立をしていく力を支援することが重要と
族福祉的な支援が展開されている地域福祉実践を紹
なる。この課題は被災地域だけの話ではなく、制度
介された上で、日本における制度を中心とした縦割
が届かない中山間地域と制度が機能しにくい衰退都
り支援の弊害があるが、本来は地域の問題として地
市地域でも起こっていることでもあり、地域社会に
域全体で支援していくといった視点を持つことが大
視点を向けていくことが重要となる。共生社会の創
切であり、地域でのリーダーシップをもつ社会福祉
造といったとき、社会福祉士は利用者の個別支援に
士は、専門職の連絡会を組織するような役割をも担
とどまらず、共生社会の創造においても役割を担っ
うべきではないかと指摘されました。
ていってほしい」と話されました。
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
シンポジウム
「共生社会の創造 ~参加と自立を実現する地域社会とは~」
シンポジスト
あ
べ
こうじ
社会福祉法人カナンの園 阿部 孝司 氏
いしき
みきひと
岩手県立高田病院 前病院長 石木 幹人 氏
かのう
とおる
岩手県立大学 教授 狩野 徹 氏
ひおき
まさよ
ひらの
たかゆき
NPO 法人 地域生活支援ネットワークサロン 理事 日置 真世 氏
コーディネーター
日本福祉大学 教授 平野 隆之 氏
このシンポジウムは、社会福祉士の活動の原点で
ある「人々が暮らしやすい社会」を実現していくた
めに、シンポジストから、社会課題に立ち向かう姿
勢とその手法について発言いただきながら、今後の
ソーシャルワークについて展望することをねらいと
して実施されました。
阿部氏からは、「障がい分野での共生社会の創
造」をテーマに、障がい児・者の支援活動を通じ
て、教育・住居・就労の視点から暮らしやすい社会
づくりについて話されました。40年前に児童施設か
らスタートした社会福祉法人カナンの園の実践理念
シンポジウム
や歩みについての報告とともに「入所施設が解体さ
狩野氏からは、「共生社会と建築」をテーマに報
れ地域移行が進む中、『ターミナル』『次の暮らし
告がなされました。建築家の立場から、交流が生ま
の場をどうするか』など地域のニーズを掘り起こ
れる建物、誰でも使いやすい建物など、災害住宅建
し、自立支援協議会に提案していくことが重要であ
設を踏まえながら、「建築を通じた地域づくり」の
る」と、参加と自立を実現する地域社会づくりに向
原点についてお話をいただきました。建築を計画・
けての課題提起がされました。
設計する上で重要となるのは、「交流スペース」と
石木氏からは、「医療過疎地での医療展開と大震
「多目的利用の可能性(アフォーダンス)」である
災」をテーマに、医師の立場から岩手県陸前高田
こと、本来想定している機能を前提にさらに機能や
病院におけるへき地医療への取り組みについて話さ
想定を増やして取り組んでいく(今あるものにプラ
れました。2009年度に病院経営が単年度黒字に転換
スしていく)発想が重要であることが話されまし
し、病床の増床、リハビリの拡充を目指していた矢
た。岩手県釜石市の「平田(へいた)仮設団地」の
先の2011年3月11日、東日本大震災による大津波に
例をもとに、高齢者、子育て層など、震災後ケアが
襲われすべてがゼロになったこと、壊滅状況にあっ
必要とされる世帯を中心に、被災者が安心で快適に
た陸前高田市において休む間もなく診療を開始した
生活できる物的・医療福祉的・社会的環境の形成を
こと、被災し家を流され狭い仮設住宅での生活を余
図るコミュニティケア型仮設住宅団地についての紹
儀なくされている人たちのために10カ所近くの「は
介がなされました。
まらっせん農場(被災者の生活不活発病予防プロ
日置氏からは、
「担い手」
「たまり場」という2つ
ジェクト)」を作り上げ、医療に限らず、すべての
のキーワードをもとに、当事者の家族という立場に
相談に対応する「はまってけらいん、かだってけら
ありながらも、支援されるという立場を離れて、暮
いん(意味:参加していって、しゃべっていって)
らしやすい地域を創造していくための「場づくり」
相談室」を週1回開催されていることなどが紹介さ
としての活動を報告いただきました。自らを「場づ
れました。
くり師」と称する日置氏は、
「たまり場」には、
「多
7
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
様な人たちが出会い、集まり、交流する」
「共有す
化することへのシフトチェンジが必要である」こと
る目標やテーマがある」
「対等な対話と協働が繰り
について話されました。
「すぐそばの実現」が重要
広げられる」などの要素が必要であること、
また「
『た
であり、
「ニーズはわかっても、実現しないと消え
まり場』という仕掛けを使って、地域のニーズを顕
てしまう。ちょっとのことの実現の繰り返しが創造
在化する」
「人を対象化するのではなく、場を対象
を生む」という言葉が印象的でした。
記念講演「平泉の浄土思想と共生社会」
ふじさと みょうきゅう
毛越寺 執事長 藤里 明久 氏
本大会の記念講演は、「平泉の浄土思想と共生社
会」をテーマに、毛越寺執事長の藤里明久氏によっ
て行われました。
藤里氏ははじめに、平泉の文化は藤原氏による繁
栄のはるか以前、中尊寺や毛越寺の開山により始ま
ること、その仏教の祭礼・行事を伝承することによ
り信仰が護持され、並びに文化財を護持するという
無形のものにより有形が伝えられてきたという平泉
の成り立ちと文化的な基盤について述べられました。
次に、世界遺産に登録された平泉の文化財や自然
記念講演
は浄土世界をテーマとしていることについて説明さ
した。震災の前に戻ってのやり直しはできないけれ
れ、浄土思想とは何かについて述べられました。浄
ど、手を差し伸べ合い共に生きていくことで人は悲
土とはこの世を清らかにするということで、われわ
しみを乗り越え救われること、人が人によって救わ
れの心の清らかさに従ってこの世も清らかになる、
れるのは一方的なものではなくお互いに助け合うも
この世を浄土としていくには、われわれ自身の心の
のであり、共生には謙虚さと寛容の心が必要である
ありようこそが重要であり、争いはどこか他ではな
こと、人は自身の心にあかりを灯すことで一隅を照
く人の心の中にこそあると強調されました。
らすが、それはやがては片隅ではなく自分を中心に
藤里氏は、東日本大震災後の3月23日に陸前高田
大きな広がりとなっていくこと、そしてそのような
市を訪れた際に失われた日常に衝撃を受ける一方
ものをすべての者が備えていると強調されました。
で、被災地支援に駆けつけた多くの人々の行いを心
最後に、平泉は有形の物の評価ではなく物の背後
強く感じたと述べられました。他人のために自らを
にある心の評価であり、平泉は平和の遺産であるこ
顧みず行動する人たちの行い、その利他の行いは容
と、人が人を助けていく社会を作るのは至難である
易なことではないが、しかしそれこそが人を癒や
が、それでも人が助け合っていくのが浄土の思想で
し、勇気づける大切なものであり、しかもどの人の
あり、この平泉の精神が広がることを期待している
心にもそのようなものが備わっていると述べられま
と結ばれました。
大 会 総 括 報 告
8
閉会式にあたり、鎌倉会長から2日間を通しての
の場が拡がっていることを、引き続き平野氏による
総括がなされました。
基調講演「共生社会の創造~参加と自立を実現する
まず大会1日目は、厚生労働省福祉基盤課課長の
地域社会とは~」では生活困難者のとらえ方につい
友藤氏から社会福祉士への期待と社会福祉士の活躍
て講演をいただき、平野氏のコーディネートのもと
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
基調講演と同テーマでなされたシンポジウムでは4
容で行われました。
人のシンポジストによる共生社会についての取り組
岩手県実行委員会の準備のもと日本全国の社会福
みは私たちに対する励ましと感じられたこと、大会
祉士が一同に集い、社会福祉士の歴史に新たな1ペー
2日目は、社会福祉士学会を3つの会場にわかれ8
ジを重ねたこの大会から、ソーシャルワークに込め
分科会で貴重な発表と討議が行われ、最後に毛越寺
た思いを胸に、着実な実践を積み重ねていくことを
の藤里執事長から「平泉の浄土思想と共生社会」と
呼びかけ、締めくくられました。
題した記念講演をいただくという盛りだくさんの内
海外研修等報告会
岩手大会2日目には、ホテルメトロポリタン盛岡
において、「社会福祉士海外研修・調査」(公益財
団法人社会福祉振興・試験センター主催)の参加者
による海外研修等報告会と、「海外のソーシャル
ワーカー資格」などに関する報告を行い、約30人が
参加しました。
2012年度には、社会福祉士3人が海外での社会福
祉研修・調査に参加しました。発表者およびテーマ
は以下のとおりです。
(1)伊東 良輔氏(社会福祉法人 北九州市福祉事
業団・福岡県社会福祉士会)
海外研修等報告会の様子
災害プロジェクトにおける日本のパネラー報告、ソー
テーマ:「視覚障害者福祉先進国のアメリカ
シャルワークの世界定義のワークショップが行われた
合衆国におけるソーシャルワーク
ことなどについて報告がなされました。
「世界のソー
の調査・研究」
シャルワーカーからの日本に対する期待が、ますま
(2)高橋 明美氏(Social Worker's Officeポラ
す高まっている」という言葉が印象に残りました。
ン 高橋社会福祉士事務所・東京社会福祉士会)
テーマ:「韓国高齢者療養施設における社会
福祉士の役割~期待と実態~」
(3)富永 直樹氏(社会福祉法人 天竜厚生会)
テーマ:「イギリスにおける障がいのある人
の暮らし」
後半は、国際・滞日外国人支援委員会の企画による
「海外のソーシャルワーカー資格~シンガポール~」
の報告を開催しました。シンガポールの大学を卒業し
た坂間治子氏(国際・滞日外国人支援委員会委員)
から、資格ができた社会的背景や、複数存在するソー
シャルワーカー資格の種類・業務内容、資格取得の方
法、最新の資格取得者数などについて紹介されるとと
もに、資格制度の課題、将来展望が報告されました。
最後に、平田美智子氏(国際・滞日外国人支 援
委員会委員長)から、国際ソーシャルワーカー連盟
(I F SW)の紹介が行われるとともに、2 013 年度ア
ジア太平洋ソーシャルワーク会議(フィリピン)での
9
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
引 継 式
~岩手から鹿児島へ~
連帯の「たすき」を鹿児島へ
「鹿児島におじゃったもんせ!」
第21回日本社会福祉士会全国大会・社会
福祉士学会岩手大会実行委員長
第22回日本社会福祉士会全国大会・社会
福祉士学会鹿児島大会副実行委員長
(一社)岩手県社会福祉士会 会長 ち ば
あきよし
千葉 昭好 氏
「共生社会の創造~参加と自立を実現する地域社
会とは~」をテーマに第21回日本社会福祉士会全国
大会・社会福祉士学会(岩手大会)を滞りなく終了
することができました。関係の皆さまのご協力、ご
支援に心からお礼を申し上げます。
開催地担当を引き受けるに当たっては、さしたる
使命感や決意・覚悟があったとは言えませんが、全
国大会が持つ重みは会員の誰しもが理解し、まして
日本社会福祉士会の岩手での被災地支援活動につい
ては各人の胸に深く刻まれていました。「全国の会
員をお迎えし、感謝の気持ちを伝えたい。」そんな
思いもありました。
開催に当たっては、参加者を確保できるか否かが
一番懸念されたところでしたが、大方の予想を超え
て全国から約1,100人の参加があり、改めて社会福
祉士会会員の連帯を心強く感じさせられました。ま
た、東北各県の社会福祉士会の絶大な協力があった
こと、全国各地区からまんべんなく参加者があった
こと、そして、八重の桜・あまちゃんブームの後押
しもあったと思いますが、全国からこのように多く
の参加をいただいたことが、開催地としては何より
の支えとなりました。
準備は比較的短期に集中的にできました。課題を
次々とクリアしていった実行委員の働きは素晴ら
しく、特に「案ずるより産むがやすし」と言います
が、女性スタッフの活躍は目を見張るものがありま
した。
大会の中身では、日本福祉大学・平野先生の基調
講演、毛越寺・藤里執事長の記念講演、シンポジウ
ムで、テーマに掲げた共生社会づくりに関わる私た
ち社会福祉士の役割を描き出すことができたと考え
ますし、学会・分科会では社会福祉士の実践活動が
存分に発表されました。
岩手で示された日本社会福祉士会、各都道府県社
会福祉士会の連携・協働がさらに深まり、ソーシャ
ルワークに携わる専門職の発展と次期全国大会の成
功を願って、鹿児島県社会福祉士会に連帯のたすき
をつなぎます。
10
(公社)鹿児島県社会福祉士会 副会長 く る す
なお や
久留須 直也 氏
第21回日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学
会(岩手大会)の開催において、岩手県社会福祉士
会の千葉会長をはじめ、実行委員・協力委員の皆さ
ま、本当にお疲れさまでした。岩手の熱い思いと会
員の力を感じることができる大会であったと思いま
す。
さて、今までに21回行われてきた日本社会福祉士
会全国大会ですが、次回の第22回は2014年7月5
日(土)~6日(日)に鹿児島市で開催することに
なりました。2011年に行われた日本社会福祉士会総
会後の懇親会で「次は九州で全国大会を!」
「福岡、
熊本と来れば、次は・・・鹿児島」と話があったこ
とを思い出します。
鹿児島には、黒豚や黒毛和牛、桜島大根、白熊な
ど、おいしいものが数多くあります。観光地として
も、桜島や温泉で有名な霧島・指宿、幕末の歴史を
感じることのできる城山などもあります。九州新幹
線も開通し、交通手段も整備されました。
鹿児島県社会福祉士会の会員も、
一丸となって「お
もてなしの心」で全国の皆さまをお迎えいたします。
大会マスコットも「フッピィ」と「フクミン」に
決定しました。マスコットは桜島(鹿児島)から福
祉の発信をという思いを込め、デザインされていま
す。さらに、懇親会も皆さまに鹿児島を感じていた
だけるようなプログラムを作成中で、大会に向けて
順調に進んでおります。多くの皆さまのお越しを会
員一同、心よりお待ちしております。ぜひ鹿児島へ
おじゃったもんせ!(お越しください!)
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
要望書等を発出しました
日本社会福祉士会は、
以下の要望書等を発出しています。それぞれの要望書等の本文は本会ホームペー
ジに掲載していますので、ご参照ください。
「成年後見登記について」
・
「施設入所にともなう身元保証人の取り扱いについて」( 要望書 )
2013年8月7日に「成年後見登記について」の
なればよい」という見解が施設側から示され、入
要望書を法務省に提出しました。
所申し込みができない事態が発生しました。指定
登記事項証明書から後見人の自宅住所が把握さ
介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する
れ、被後見人や被後見人の親族等の関係者から被
基準(1999年厚生省令第39号)では、「正当な
害を受けるケースが起きていることから、社会
理由なくサービスの提供を拒んではならない」こ
福祉士が登記できる住所地を自宅以外にも選択で
とが明示されており(第4条の2)、「身元保証
きる運用を行っていただきたいことを要望しまし
人の不存在」がサービスの提供を拒否できる「正
た。
当な理由」に該当しないことは明白であることか
また、2013年8月28日に「施設入所にともなう
ら、身元保証人の不存在を理由に入所契約の締結
身元保証の取り扱いについて」の要望書を厚生労
を拒否することはもとより、入所申し込みを拒む
働省へ提出しました。
ことがないよう、また、成年後見人等は後見事務
今般、社会福祉士の保佐人が、都市型軽費老人
の範囲や利益相反の観点から身元保証人になるこ
ホームの施設入所申込をしたところ、「身元保証
とは適当ではないことを国として自治体および関
人が必須であること」「身元保証人となるべき
係機関に周知いただきたいことを要望しました。
人が不在であれば、成年後見人等が身元保証人に
「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針
(案)
」
についての意見
厚生労働省および国土交通省では、ホームレス
○自立支援センターの機能を柔軟かつ多様化さ
の自立の支援等に関する特別措置法(2002年法律
せ、かつソーシャルワーク機能を強化するこ
第105号)に基づき、ホームレスの自立の支援等
とにより、中間施設としての役割を今以上に
に関する基本方針の策定を進めており、広く意見
発揮できるようにすることが求められる。再
募集が行われました。
路上化を防止するためにも、自立支援セン
本会では、以下の点などについて取りまとめ、
ターに社会福祉士の配置を義務づけるべきで
厚生労働省社会・援護局生活困窮者自立支援室
ある。
ホームレス自立支援係宛てに意見を提出しまし
○ホームレス状態にある人が、今後、成立する
予定の生活困窮者支援法に位置づけられる
た。
○相談支援に求められる機能は、まさにソー
「相談支援センター(仮称)」を来訪した場
シャルワークそのものであり、ホームレス支
合には、緊急的・一時的に宿泊場所や食事の
援が確実に機能するためにも、福祉事務所の
提供等を支援する事業等へのつなぎを検討す
査察指導員や現業員には社会福祉士の配置を
る必要がある。必要に応じて、生活保護申請
推進すべきである。
等へのつなぎを行うとともに、「就労準備の
11
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
支援」「中間的就労」「家計再建相談支援」
センター(仮称)等の相談員に社会福祉士を
等とも連携を取ることが重要となる。相談支
配置すべきである。
援事業が確実に機能するためにも、相談支援
障 害 支 援 区 分 へ の 見 直 し( 案 )に 対 す る 意 見
厚生労働省では、2012年6月20日に成立した障
た専門家の意見を反映する仕組みは、引き続
害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する
き必要となる。
ための法律(障害者総合支援法)で規定する「障
○二次判定にあたっては、現在、受給している
害支援区分」について、2014年4月からの施行に
サービスの量や家族介護の状況が、支援区分
向けて、準備が進められています。
の判定に影響をきたすことなく、適切に判定
このたび、作成された「障害支援区分」の新判
されることが重要となる。障害支援区分の調
定式(案)や認定調査項目(案)について意見募
査、認定に携わる者については、一次判定の
集が行われ、以下の意見を厚生労働省障害保健福
調査項目のみでは判断できない個々の障害特
祉部精神・障害保健課宛てに提出しました。
性による影響を十分に拾い上げるアセスメン
○今回の認定調査項目の見直しによって、全国
ト能力が必要となる。そのため、障害支援区
的に一次判定の精度が向上することが期待さ
分の認定調査員、市町村審査会委員、市町村
れる。しかし、構造上、本人や家族への限ら
担当者には、地域の事情、障害の理解をベー
れた聞き取り項目(80項目)による判定とな
スに適切に障害者の状況をアセスメントでき
るため、二次判定の中で、障害特性を踏まえ
る社会福祉士を配置すべきである。
『日本社会福祉士会二十年史』が刊行されました
第21回全国大会(岩手大会)にて、『日本社会福祉
士会二十年史』が発刊されました。
この『二十年史』には、これまでの社会福祉士会の
歩み、さまざまな分野で何を成してきたかが記されて
います。ぜひご覧いただき、来し方を振り返り、行く
末を考える機会としていただければと思います。
また、執筆、制作には多くの都道府県社会福祉士会
会員の皆さまにご多用の中ご尽力をいただき、予定通
り全国大会の場で刊行することができました。おかげ
さまをもちまして、社会福祉士会の活動の貴重な記録
を残すことができました。この場を借りて深く御礼申
し上げます。
『二十年史』は、以下の本会ホームページよりお申込
みいただけます。
http://www.jacsw.or.jp/14_shuppan/index.html
12
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
第25回通常総会を開催しました
~通常議案のほか緊急動議を議決~
2013年6月15日に鉄鋼会館(東京都中央区)で第25回通常総会を開催しました。
第1号議案「2012年度事業報告」および第2号議案「2012年度決算報告」は原案どおり議決されまし
た。常勤役員の配置がないため、役員報酬を削除し、それにともなう法定福利の削減などをした第3号議案
「2012年度補正予算」も議決されました。
第4号議案は、第23回通常総会で議決された公益社団法人定款の附則に代表理事として鎌倉会長、業務執
行理事として松山副会長、田村副会長、愛沢副会長の氏名を記載すること、公益社団法人移行申請により内
閣府から定款および移行申請書などの文言修正の指導が考えられるため、軽微な文言修正については執行部
に一任することが議決されました。
なお、第2号議案に関連し2012年度の未収会費の内訳の一つとして岐阜県社会福祉士会の未納会費につい
て取り上げられました。これについて下記の緊急動議が発せられ、議決されました。
報告事項では、第23回通常総会の公益社団法人定款改正で附帯議決事項とされた会員規模を反映した意見
集約の場の設定について、その具体的な方法・手順について報告がなされました。
議事録、当日配布資料は、本会の会員専用ホームページに掲載しています。
緊急動議 ~岐阜県社会福祉士会の会費納入に関する懸案事項~
第2号議案「2012年度決算報告」に関連し2012
年度の未収会費の内訳の一つとして岐阜県社会福祉
士会の未納会費が取り上げられました。日本社会福
祉士会は2012年度に連合体に移行した後、個人会員
の組織から都道府県社会福祉士会を会員とする連合
体組織となりました。連合体組織における会費は、
各都道府県社会福祉士会がそれぞれの個人会員数に
6,000円を乗じた額を会費として納入することが、
「社団法人日本社会福祉士会の会費に関する規則」
で規定されています。そして日本社会福祉士会の定
款では、会員の資格喪失の要件として「正当な理由
がなく会費を1年以上納入しなかったとき」を定め
ています。一方、岐阜県社会福祉士会は岐阜県社会
福祉士会の総会において日本社会福祉士会への会費
を個人会員数に3,000円を乗じた額を納入すること
を決定し、2012年度は本来規則で規定された額の半
分の納入しか行われませんでした。日本社会福祉士
会執行部は、会費を規定通り納入することを督促す
るとともに、話し合いの場を持ちましたが2012年度
中に解決することができず、会費の半額が未納の決
算となりました。
この問題は、単に会費未納ということだけではな
く、2013年度も半額納入の場合、連合体組織から岐
阜県社会福祉士会が離脱することとなり、日本全体
で一つの社会福祉士会という、会が創設以来貫いて
きた趣意を揺らがせるものです。また岐阜県社会福
祉士会の会員にとっては、日本社会福祉士会との関
係性がなくなります。日本全体で行っている生涯研
修制度への参画や社会福祉士賠償責任保険(ぱあと
なあ保険含む)への加入、国際ソーシャルワーカー
連盟への加入などができなくなります。このような
大きな問題を含んだ岐阜県社会福祉士会の未納問題
について、下記の通り緊急動議が発せられ議決され
ました。
【議決された緊急動議】
岐阜県社会福祉士会を除く46都道府県社会福祉士会は、岐阜県社会福祉士会に対して下記のことを要
求する。
日本社会福祉士会が全国47都道府県社会福祉士会が参加し構成する社会福祉士の専門職団体であるこ
とを堅持するため、岐阜県社会福祉士会が総会で決定した納入金額3,000円について再度検討し(このま
までは1年間未納による自動的な退会処分となるため)、日本社会福祉士会の会費に関する規則に則った
処理をしていただきたい。このことにつき早急に岐阜県社会福祉士会は臨時総会を開催し、日本社会福
祉士会執行部役員も参加するなかで議論をしていただきたい。
13
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
アジア太平洋ソーシャルワーク会議、マニラで開催
2 013年6月4日~6日にかけて、”Amidst Climate Change and Disaster Risk Reduction and
Management: Building Capacities and Global Partnership” (気候変動に伴う災害危機の減少:災
害対策の構築と国際協力を目指して)をテーマに、アジア太平洋ソーシャルワーク会議(以下「会議」)が
フィリピンの首都マニラのマニラホテルで開催されました。
国際的なソーシャルワーク団体は、国際ソーシャルワーカー連盟(以下「IFSW」)、国際ソーシャル
ワーク教育学校連盟(以下「IASSW」)、国際社会福祉協議会(ICSW)があり、本会はIFSWに所属して
います。IFSWとIASSWは隔年で世界会議と地域会議を開催しており、本年はアジア太平洋地域の会議を
APASWE(アジア太平洋ソーシャルワーク教育連盟;IASSWのアジア太平洋地域における団体)と共催で
開催することとなりました。当日はアジア太平洋地域などから約800人のソーシャルワーカーや福祉関係者が
集まり、日本からも60人以上が参加しました。
会議初日の6月4日はフィールドビジット(福祉関連施設等の見学)で、6月5日~6日に会議が行わ
れ、6月5日にはIFSWアジア太平洋地域の総会も行われました。
以下、会議の内容をご報告します。
IFSWアジア太平洋地域会議に参加して
日本社会福祉士会会長 鎌倉 克英
会議は、テーマにそって基調講演、パネルディス
カッション、分科会が行われ、日本からも東日本大
震災についての多くの発表がありました。
また会議にはフィールドビジット(社会見学)の
企画があり、6月4日に一日をかけて、児童・高齢者
のための複合施設Boys Town Complex(マリキナ
市)視察、マリキナ市庁舎への表敬訪問、洪水被害
に遭った地域・TumanaとNangka(いずれもマリキ
ナ市)の2つのバランガイ(フィリピンの最小行政
単位)視察がありました。
14
バランガイTumanaの視察
視察先の2012年夏の洪水で甚大な被害を受けた地
初日の夕食会、2日にわたって昼食が用意されてい
域は、貧困のためかバラックのような建物が多く、
ましたが、イスラム系の方たちへの配慮からかア
支援があったのかどうか十分に分からず、災害を受
ルコール類は出されず、肉はチキンが中心でした。
けた後に水が引いたままのような様子でした。
フィリピンからの参加者が各テーブルを回り、歓迎
会議には多くの参加者があり盛大に行われまし
してくれました。
た。フィリピンの若いボランティアたちが参加して
個別の夕食では、日本からの参加者がグループに分
いましたが、普段マニラホテルのような高級な場所
かれ、
マニラの町中のレストランに行きました。おいし
には来られないのか、会場のホテル内を仲間と一緒
いイタリア料理、スペイン料理を食べることができ、会
に記念撮影しているのが印象的でした。
議でのメニューに比べ濃厚な味で大変満足しました。
会議では他の国々との方たちとの親睦を兼ねて、
町の中心部にあるショッピングモールは多くの人
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
たちが集まっており、店内を歩くのも大変でした
今回の会議では、「災害」をテーマとしていまし
が、一歩外に出ると数人の裸足の子どもたちが、金
たが、国々によって課題が異なり、ソーシャルワー
銭を要求するのか手を伸ばしてきました。貧しい人
クの地域差異を改めて感じることなど、いろいろな
たちが多いと感じました。
体験ができた機会でした。
災害対策に関するパネルディスカッション
国際・滞日外国人支援委員会 委員長 平田 美智子
6月6日の会議3日目の朝、アジア太平洋地域開
発プロジェクトである災害対策に関するパネルディ
スカッション(全体会)が開かれました。
このプロジェクトは、日本の社会福祉専門職団体
協議会(社専協)の国際委員会が中心になって企画
してきたものです。4人のパネラーと1人の司会進
行を迎え、熱心なプレゼンテーションと議論が展
開されました。パネルディスカッションのテーマ
は、“Good Practices in Responding to Natural
and Human-made Disasters(自然・人的災害
パネルディスカッション
への優れた実践)” で、パネリストは、Hon.Jose
ド、元ニュージーランドソーシャルワーカー協会会
Ma.Clemente Sarte Salceda氏(フィリピン、ア
長)でした。
ルバイ州知事)、Marlina Adisty氏(インドネシ
災害対策の枠組みは共通にあるものの、災害に備
ア、国家災害対策局勤務)、Morshed Syed氏(バ
え、日頃の地域力を高めることが重要であること、
ングラディシュ、ダッカ大学 災害対策研究所)、大
そして、ソーシャルワーカーは災害対策の現場で重
橋雅啓氏(日本、宮城県精神保健福祉士協会)で、
要な役割を占めることが確認されました。
司会進行はRose Henderson氏(ニュージーラン
分 科 会 発 表
東京社会福祉士会国際委員会 大月 侑美
会議2日目の分科会(テーマD:災害時における
たちであるため、少しでも何かを得て帰ろうという
大人と子どもへの心理社会的支援の介入)にて、東
熱気に包まれていたように感じました。
京社会福祉士会国際委員会を代表して、東日本大震
発表は、2012年12月から実施している外国人支
災発生後の外国人支援に関する調査の口頭発表を行
援団体への聞き取り調査の結果をもとに、各団体の
いました。
特徴的な支援や直面した課題などを中心に行いまし
他にアメリカ・カトリック大学のFrederick L.
た。発表後には、主にフィリピン人ソーシャルワー
Ahearn氏、IFSWアジア太平洋地域セクレタリー
カーたちから、在日フィリピン人(特に女性)への
でもあるニュージーランドのRose Henderson氏
支援状況に関連した質問が多く寄せられました。ま
が発表者として同席していました。発表開始時には
た、分科会終了後も多くの方が連絡先の交換などの
200人収容の会場はほぼ満席になっていました。聴
ために声をかけてくださり、改めてこの調査への関
衆は熱意と意欲を持った各国のソーシャルワーカー
心の高さがうかがえました。フィリピンも毎年洪水
15
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
や地滑りなどの災害で甚大な被害を受けており、
この発表をきっかけにアジア地域での災害時にお
被災者への心理・社会的な支援について日本のソー
けるソーシャルワーカー間のさらなる連携に寄与で
シャルワーカーともっと情報交換をしたいという強
きたら大変光栄なことです。
い思いが背景にあったように思われました。
IFSWアジア太平洋地域総会
国際・滞日外国人支援委員会 委員長 平田 美智子
6月5日の会議2日目の夕方、マニラホテルの
た、地域開発プロジェクト(災害対策)の実施状況
会議室でIFSWアジア太平洋地域総会が開催され
では、災害対策研修会が2011年に日本、2013年に
ました。参加国はオーストラリア、香港、韓国、ニュー
マニラで開催され、第3回目が2014年インドネシア
ジーランド、シンガポール、中国、日本の7カ国でした。
で予定されていることを報告しました。
総会は、ジョン・アン・アジア太平洋地域会長の挨拶
協議事項では、①Global Observatory(国際査
から始まり、シンガポール・ソーシャルワーカー協会と日
察グループ)から、グローバル・アジェンダの進捗
本ソーシャルワーカー協会沖縄支部が姉妹協会となっ
を各国から報告するための委員を選出する②ソー
た、という報告がありました。また、アジア太平洋地域は
シャルワークの定義の見直しは、ワークショップな
広域で、民族・言語・宗教・文化など多様で、結束が困
どで修正案を検討していく③新たな地域開発プロ
難であるが、地域開発プロジェクト基金をIFSW本部に
ジェクト費が通り、11,000スイスフランの補助金が
申請し、アジア太平洋地域の参加国の連携を強化して
下りたため、役員会を開催し、地域の規約(IFSW
いきたい、とジョン・アン会長から抱負が語られました。
Asia Pacific Constitution)を作成していく④
報告事項では、会計担当の平田より地域基金、
2015年アジア太平洋地域会議開催国の応募はまだ出
オークション基金、プロジェクト基金と合わせて約
ていないが、シンガポールなどに打診していく-な
22,000ドルの資金があるとの報告を行いました。ま
どが協議され、決定されました。
ソーシャルワークの世界定義見直しに関するワークショップ
国際・滞日外国人支援委員会 委員長 平田 美智子
6月5日には、ソーシャルワークの世界定義
の見直しに関するワークショップが、I F S W と
A P A S W E の2会場に分かれ、開催されました。
IFSWのワークショップでは、ジョン・アン会長の
司会進行で、日本、ニュージーランドなどから意見
が出され、現在IFSWの委員会から提示されている
定義の修正案を基に、グループで討議されました。
ジョン・アン会長から、ソーシャルワークの定義
は、ヨーロッパのソーシャルワーカーの意見を主に
16
反映したものなので、アジアのソーシャルワーカー
日本からの意見報告
の意見も積極的に出すべきだという提起があり、会
ました。今回のワークショップの意見をジョン・ア
場からは「調和」「集団での決定」など、アジアの
ン会長が集約し、IFSWの委員会に提示する予定で
価値観も提案すべきではないかという意見が出され
す。
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
フィールドビジット
国際・滞日外国人支援委員会 大島 了
会議で用意されたプログラムには、路上生活や貧
困問題を抱える若年層の支援実践や先住民の生活状
況を知ることのできるコースなどが用意されていま
した。時間の関係で私はマニラホテル近くの水族館
散策を選択し、フィリピンのソーシャルワーカーに
よる案内で他国からの大会参加者ともコミュニケー
ションをとれる大変有意義な時間となりました。
会議で用意されていない企画となりますが、以下
にフィリピン社会福祉開発省のソーシャルワーカー
Jerwin Navarroさんの計らいで実現した2件の福
カラウアグ市内を流れる川の上流に設置されたダムと砂を
採取する仕事の様子
祉現場の見学報告をいたします。
現場を訪問しました。マニラ市内ルーズベルト駅近
1つはJerwinさんの職場であるカラウアグ市福祉
くにあるHouse of Refuge Foundation,INC.とい
現場の訪問報告です。
う様々な事情で親に遺棄された子どもたちの支援を
マニラから東へ200キロほど離れたカラウアグへ
されている団体です。
は車で6時間かかります。人口8万人で海に面した
GladyさんとGraceさんの二人のソーシャルワー
自然の豊かな地域ですが、フィリピンの他の地域も
カーが32人の子どもたちの生活支援にあたっていま
そうであるようにひとたび台風が来れば川の水かさ
す。特にGladyさんは2006年ごろから国際養子縁組
はみるみる増し、洪水被害の恐れがあります。
の活動も始め、米国を中心にいくつかの実践例を紹
市内で川沿いに位置するバランガイ(フィリピン
介くださいました。
の最小行政単位)同士が協力してダムを設置・管理
こちらの団体は一度移転を経験しているそうです
している対応例を見学できました。
が、以前の場所で台風ケッツァーナ(2009年)の際
地域に仕事がないという課題解決のため、上流の
に2階まで浸水し、子どもたちも胸まで水につかり
川底から取れた砂を下流に運び型に入れて乾かし建
ながら電線につかまって避難をしたというエピソー
築用のブロックを作るという事業を立ち上げた実践
ドは大変印象的で、今回なぜマニラでこの会議の
例でもありました。
テーマが設定されたのかが理解できました。
また災害被災者であること、貧困層であることが
ソーシャルワーカーとしてするべきことについて
利用の要件となる市内高台に位置する35世帯と25世
再確認をすることができた旅程でした。今後もフィ
帯の2つのハウジングプロジェクト(住宅支援策)
リピンのことを勉強して再訪問をしたいと思いま
の見学もしました。数が足りず、現在も100世帯の
す。皆さんもいかがでしょうか。
新案件を国の担当部署に申請しているそうです。
他にもマイクロファイナンス事業を活用し、チッ
プス作りやケーキ作りを生業とされている女性のお
宅を訪ねました。
ソーシャルワーカー職はJer w i nさんを含め2人体
制ですが、ハウジングプロジェクト、
マイクロファイナン
スの担当職員の他、事務所に高齢者年金、社会教育、
人生設計の担当者の配置や経理担当者もあり、多岐
にわたる事業を行っていることが確認できました。
カラウアグからマニラに戻ったその足で2つ目の
「日本からのSWの訪問はいつでも歓迎します」と
Gladyさん(左)とGraceさん(右)
17
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
権利擁護センターぱあとなあ受任状況
権利擁護センターぱあとなあでは、2013年2月度の報告書に基づく受任状況と名簿登録状況を以
下の通りまとめました。
2013年1月末現在の名簿登録者は5,622人、活動中の受任者は3,748人、受任件数は11,940件となっ
ています。受任件数は2012年8月度より993件増加と、引き続き増加傾向にあります。
【受任状況】
A 会員個人による受任等の状況
7%、40代~50代が20%、60代~70代が34%、80
代以上が37%となっています(10代が前回の7件か
ら39件と増加しています)。本人の年齢が20代~50
●A−Ⅰ 類型別受任状況年次推移
代の割合に大きな変化はなく、60代以上の割合は全
法定後見・監督人の受任および任意後見の契約件
体の7割を占めています。
数の合計は、11,940件で、前回の2012年8月に比べ
て993件の増加、前年の2012年2月に比べて1,930件
●A−Ⅳ−1−② 意思能力が不十分な原因
の増加となっており、増加傾向が続いています。
意思能力が不十分な理由は、認知症によるものが
法定後見は、11,497件で受任等の全件数の96%を
50%、知的障害によるものが28%、精神障害による
占めています。類型別では、後見が8 , 6 6 7 件
ものが15%となっており、割合は前回、前々回より
(73%)、保佐が2,134件(18%)、補助が696件
ほとんど変化がありません。
(6%)となっています。任意後見は、373件で受
任等の全件数の3%となっています。移行型任意後
●A−Ⅳ−1−③ 現在の居所
見契約が231件で任意後見全体の62%となっていま
現在の居所は、在宅が30%、病院が19%、施設が
す。監督人は、70件で受任等の全件数の1%となっ
48%となっています。
ています。
●A−Ⅳ−2 申立人と本人との関係
●A−Ⅱ 累計件数(2000年4月から2013年1月
申立人と本人の関係では、親族申立が4,786件で
31日まで)
全体の40%を占めています。市町村長申立は4,558
成年後見制度がスタートした2000年4月からの累
件で全体の38%を占めています。
計件数は、全体で17,445件でした。終了・辞任件数
は4,508件(合計受任件数の約 26%)でした。
●A-Ⅴ-2 成年後見制度利用支援事業等の利
用状況
●A-Ⅲ 個人別受任件数
成年後見制度利用支援事業の適用件数は、申立経
現在活動中の受任者は合計で3,748人です。1件
費等の助成が543件(前回より104件減)、報酬助成
の受任が1 , 5 3 2 人(4 1 %)、2件の受任が8 3 5 人
が369件で前回調査より77件減少しました。また、
(22%)であり、合わせて63%となっています。一
成年後見基金の利用は490件でした。
方5件~9件の受任が417人(11%)、10件~19件
の受任が182人(5%)、20件以上の受任が48人
(1%)、合わせて17%となっています。
B 都道府県社会福祉士会による法人後見受任状況
2013年2月度に法人後見を実施した都道府県社会
福祉士会は、前回の調査と同様に、9法人でした。
18
●A−Ⅳ−1−① 本人の年齢
法人後見の受任件数は、後見人が158件、監督人が
本人の年齢は、1 0 代が0 . 3 %、2 0 代~3 0 代が
54件となっています。
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
ぱあとなあ受任状況(2013年2月報告書)
下表は2013年2月提出のぱあとなあ活動報告書から集計した、2013年1月末現在成年後見人等として活動している件数です。
ぱあとなあ後見活動報告書が提出されていないものは件数に含まれていません。
A 会員個人による受任等の状況
Ⅰ 類型別受任状況年次推移
区分
法定後見
任意後見
監督人
類型
後見
保佐
補助
(小計)
任意後見契約のみ
任意後見+任意代理
任意後見人
(小計)
法定後見
任意後見
(小計)
合計
件数
8,667件
2,134件
696件
11,497件
104件
231件
38件
373件
41件
29件
70件
11,940件
割合
73%
18%
6%
96%
1%
2%
0%
3%
0%
0%
1%
100%
2012年
2013年2月
8月
対前回増(件)対前回増(率)対前年同月
7,886件
1,466件
781件
10%
1,942件
393件
192件
10%
670件
67件
26件
4%
1,926件 10,498件
999件
10%
12件
9件
9%
95件
-5件
-11件
-5%
242件
-3件
-3件
-7%
41件
4件
-5件
-1%
378件
-1件
3件
8%
38件
1件
-4件
-12%
33件
0件
-1件
-1%
71件
1,930件 10,947件
993件
9%
これまでの受任件数
16,321件
187件
937件
17,445件
20件
10件~19件
5件〜9件
4件
3件
2件
1件
合計
終了・辞任件数
4,247件
66件
195件
4,508件
Ⅳ 法定後見受任状況
1.本人の状況
①本人の年齢
区分
(2013.2月)
対前回比
(2012.8月)
(2012.2月)
2011年
8月
6,528件
1,560件
587件
8,675件
90件
229件
38件
357件
35件
27件
62件
9,094件
2011年
2月
5,888件
1,371件
544件
7,803件
89件
217件
37件
343件
33件
25件
58件
8,204件
2010年
8月
5,233件
1,204件
473件
6,910件
78件
215件
36件
329件
31件
24件
55件
7,294件
Ⅲ 個人別受任件数
Ⅱ 累計件数(2000年4月から2013年1月31日まで)
項目
法定後見
後見監督人
任意後見契約
合計
2012年
2月
7,201件
1,741件
629件
9,571件
92件
236件
41件
369件
42件
28件
70件
10,010件
10代
39件
0.3%
557%
7件
0%
0件
0%
20代〜30代
882件
7%
110%
802件
7%
752件
8%
40代〜50代
2,453件
20%
111%
2,213件
18%
2,018件
21%
60代〜70代
4,118件
34%
114%
3,614件
30%
3,301件
34%
認知症
6,025件
50%
117%
5,144件
43%
4,693件
49%
知的障害
3,364件
28%
113%
2,981件
25%
2,748件
29%
精神障害
1,758件
15%
114%
1,548件
13%
1,413件
15%
重複
387件
3%
92%
419件
3%
354件
4%
在宅
3,570件
30%
110%
3,232件
27%
2,961件
31%
病院
2,288件
19%
118%
1,945件
16%
1,841件
19%
施設
5,790件
48%
115%
5,043件
42%
4,548件
48%
本人
1,937件
16%
113%
1,717件
14%
1,577件
16%
親族
4,786件
40%
112%
4,264件
35%
3,969件
41%
市町村長
4,558件
38%
118%
3,853件
32%
3,428件
36%
48人
182人
417人
252人
482人
835人
1,532人
3,748人
80代以上
4,522件
37%
118%
3,844件
32%
3,481件
36%
1%
5%
11%
7%
13%
22%
41%
100%
不明
60件
0.5%
333%
18件
0%
19件
0%
合計
12,074件
100%
115%
10,498件
87%
9,571件
100%
②意思能力が不十分な原因
区分
(2013.2月)
対前回比
(2012.8月)
(2012.2月)
その他・不明
540件
4%
133%
406件
3%
363件
4%
合計
12,074件
100%
126%
10,498件
87%
9,571件
100%
③現在の居所
区分
(2013.2月)
対前回比
(2012.8月)
(2012.2月)
その他・不明
426件
4%
153%
278件
2%
221件
2%
合計
12,074件
100%
126%
10,498件
87%
9,571件
100%
2.申立人と本人の状況
区分
(2013.2月)
対前回比
(2012.8月)
(2012.2月)
家裁の職権
307件
3%
120%
256件
2%
246件
3%
法定代理人
333件
3%
113%
294件
2%
257件
3%
任意後見人
7件
0%
117%
6件
0%
6件
0%
その他・不明
146件
1%
135%
108件
1%
88件
1%
合計
12,074件
100%
126%
10,498件
87%
9,571件
100%
Ⅴ 本人の資産状況及び助成制度の利用状況
1.本人の状況
区分
法定後見
後見
保佐
補助
(小計)
任意後見
監督人
合計
※「任意代理のみ締結」
2件を含む
受任
件数
6,402件
1,535件
580件
8,517件
357件
62件
8,936件
生活保護受給世帯
件数
746件
186件
72件
1,004件
6件
1件
1,011件
割合
12%
12%
12%
12%
2%
2%
11%
2.成年後見制度利用支援事業等の利用状況
①助成制度の適用
区分
法定後見
合計
後見
保佐
補助
成年後見利用支援事業
(件数)
5千円未満
4件
5千円以上~ 1万円未満
11件
1万円以上~ 1万8千円未満
68件
1万8千円以上~ 3万円未満
243件
3万円以上
2件
不明
40件
割合
71%
67%
65%
70%
52%
50%
69%
その他・不明
件数
1,100件
322件
130件
1,552件
167件
30件
1,749件
割合
17%
21%
22%
18%
47%
48%
20%
B 都道府県社会福祉士会による法人後見受任状況
成年後見制度利用支援事業の適用 成年後見基金の
(件数)
適用
報酬助成
(件数)
申請経費の助成
292件
380件
450件
63件
82件
81件
14件
28件
12件
369件
490件
543件
②報酬助成額
助 成 額
住民税非課税世帯
件数
4,556件
1,027件
378件
5,961件
184件
31件
6,176件
成年後見基金
(件数)
3件
10件
72件
2件
0件
23件
都道府県
青森
千葉
東京
神奈川
大阪
福岡
佐賀
熊本
鹿児島
合計
受任状況
2011.8
5件
1件
1件
10件
16件
79件
4件
1件
117件
後見人
監督人
計
2012.8 2013.2 2011.8 2012.8 2013.2 2011.8 2012.8 2013.2
2件
2件
5件
2件
2件
1件
1件
1件
1件
1件
1件
2件
2件
1件
1件
1件
1件
9件 10件
10件
9件 10件
4件
4件
3件
4件
4件
3件
16件 21件 22件
21件 22件
79件 120件 118件
120件 118件
4件
4件 71件 57件 50件 75件 61件 54件
1件
1件
1件
1件
1件
159件 158件 76件 62件 54件 193件 221件 212件
19
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
2013年ソーシャルワーカーデー 報告
本年もソーシャルワーカーデーを海の日(7月15日)に迎えました。2009年からソーシャルケアサー
ビス従事者研究協議会(代表:大橋謙策氏)はソーシャルワーカー(日本ではその国家資格として社会
福祉士および精神保健福祉士が位置づけられている)の社会的認知を高め、国民のソーシャルワーカー
※
に対する関心と理解を拡げることを目的に「海の日」をソーシャルワーカーデーと定めました 。
本年は初めてソーシャルワーカーデーの統一テーマが掲げられました。統一テーマとして掲げられた
「社会的・経済的平等の促進」は、国際ソーシャルワーカー連盟のグローバルアジェンダの優先課題で
あり、また日本においても生活保護法の改正案や生活困窮者自立支援法案が審議されている中で時宜に
かなったテーマでした。そして、各地でも可能な範囲でこのテーマに沿ったイベントを展開してもらう
よう声かけが行われました。本年も中央イベントや地域イベント、電話相談などさまざまなイベントが
行われました。
中央イベント
ソーシャルワーカーデー当日に中央集会が東洋大
学白山キャンパス(東京)において、「ソーシャル
ワーカーの可能性と挑戦」をテーマに開催されまし
た。基調報告では厚生労働省社会・援護局地域福祉
課生活困窮者自立支援室室長の熊木正人氏より「生
活困窮者自立支援法について」をテーマに、生活困
窮者自立支援法の立法化の背景やその概要について
説明がなされました。続けて、反貧困ネットワーク
事務局長の湯浅誠氏による「生活困窮者の現状と課
題」をテーマとした基調講演がなされました。湯
浅氏は、人はつながりの中で暮らしておりそれは
経済生活への影響もつながっていることや政策を実
現するためには世論への働きかけが重要であること
など、現実的な話題を多く提供されました。パネル
ディスカッションでは「貧困に立ち向かうソーシャ
ルワーカー」をテーマに、ソーシャルワーカーがど
こでどのような支援を行っているのかを日本ソー
シャルワーカー協会会長の岡本民夫氏をコーディ
ネーターに、相模原市健康福祉局福祉部地域福祉課
の小林和明氏、三井記念病院の尾方欣也氏、自殺対
策支援センター・ライフリンクの松永実千代氏をパ
ネリストとして、それぞれの実 践が報 告されました。
また同日午前10時から午後5時にかけて、本会と
日本医療社会福祉協会、日本精神保健福祉士協会の
3団体合同で電話相談「福祉なんでも相談」を実施
しました。
全国各地のイベント
今年は地域イベントも活発に開催されました。7
月15日を中心に6月下旬から8月上旬にかけて29道
府県で都道府県社会福祉士会などを中心に職能団体
や教育団体と協働して、それぞれの地域の特性を活
かしたイベントが行われました(下表参照)
。
全国各地のソーシャルワーカーデーの取り組み
都道府県
北海道
青森県
岩手県
7月27日
福島県
7月15日
海の日
7月15日
海の日
7月28日
茨城県
栃木県
20
実施日
7月15日
海の日
7月21日
イベント内容
2013年度ソーシャルワーカーデー記念トーク
報告・提言「人口減社会における福祉専門職の未来」
、ディスカッション
ソーシャルワーカーデー 2013 in青森「えっ、これも? ここにも? ソーシャルワーク!」
シンポジウム「ソーシャルワークとは何か?」
、各分野のソーシャルワーク実践報告トーク
公開セミナー「理論アプローチソーシャルワーク」
記念講演・ワークショップ「理論やアプローチを実践できるソーシャルワーカーを目指す」
ソーシャルワーカー・ディ企画ワークショップ
テーマ「災害支援とソーシャルワーク」
2013年度ソーシャルワーカーデー研修会
シンポジウム「子どもの貧困について考える」
とちぎソーシャルケアサービス従事者の日(ソーシャルワーカーデー)公開セミナー「栃木県
における地域包括ケアシステム構築に向けて」
基調講演「地域包括ケア」
シンポジウム「認知症になっても共に生きられる地域社会を考える」
※ 海はすべてを包み込み、 生命を生み出す母胎であり、 力強さにあふれていることから、 「海の日」 をソーシャルワーカーに対
する関心と理解を拡げる象徴として設定しました。
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
都道府県
群馬県
実施日
千葉県
7月15日
海の日
7月21日
神奈川県
7月20日
新潟県
6月~ 7月
山梨県
7月13日
静岡県
愛知県
7月15日
海の日
7月7日
三重県
7月14日
岐阜県
7月14日
滋賀県
和歌山県
7月15日
海の日
7月15日
海の日
7月16日
海の日
7月15日
海の日
7月27日
島根県
7月14日
広島県
徳島県
香川県
7月15日
海の日
7月22日
8月3日
高知県
7月20日
長崎県
7月28日
大分県
7月23日
宮崎県
7月15日
海の日
7月20日
京都府
大阪府
兵庫県
鹿児島県
内容
ソーシャルワーカーデー 2013 in 群馬「ソーシャルワーカーは社会に認められているか?」
基調講演「ソーシャルワーカーは社会に認められているか?」
、パネルディスカッション
福祉のしごとセミナー
県社協主催の福祉の就職フェアでセミナー開催「ソーシャルワーカーの一週間」
ソーシャルワーカーデー企画(神奈川県社会福祉士会設立20周年記念式典)
記念講演会「つながりの再生と生活支援」
ポスター掲示・配布
3団体が合同でソーシャルワーカーデーのPRポスターとチラシを作成、各会の会員や行政・関
係団体などに配布して7月中の掲示を依頼した
平成25年度ソーシャルワーカーデイイベント in 山梨
(山梨県社会福祉士会20周年記念イベント)
記念講演、出店
ステージ発表「若手ソーシャルワーカーの主張・学生ソーシャルワーカーの主張」
ソーシャルワーカーデー 2013 講演会「人と人とのやさしいつながりを求めて」
ソーシャルワーカーデー 2013 in あいち
「生活困窮者等支援事業におけるソーシャルワークの機能と役割」
【第一部】
「ソーシャルワークを語ろう」
【第二部】
「生活困窮者等支援事業におけるソーシャルワークの機能と役割」
2013年ソーシャルワーカーデー記念 ソーシャルワーカー 3団体合同研修会「地域の支え手と
してのソーシャルワーカー」
実践報告、基調講演「居住の権利と居住福祉コミュニティの形成」
、シンポジウム
2013年度ソーシャルワーカーディ inぎふ
ふくし何でも無料相談会、市民講座「岐阜県における障害福祉の展開」
、教育講演「相談業務
のコンプライアンス」
ソーシャルワーカーデー 2013『研修会』
講演「糸賀一雄の『発達保障』思想と対人援助専門職の魅力」
ソーシャルワーカーデイ2013 in 同志社大学
「ソーシャルワークの実践と仲間づくり」
、実践報告
啓発チラシ配布
インデックス大 阪 福 祉 の 就 職フェア2013にブース出 店しチラシを 配 布しアピール 活 動
ソーシャルワーカーデー 2013 IN HYOGO
無料相談会、活動紹介パネル展示
ソーシャルワーカーデー 2013 in わかやま
講演「地域社会における貧困問題を考える」
、シンポジウム
『ソーシャルワーカーディ』の集い
「ソーシャルワーカーの可能性と挑戦」
、リレー報告
あなたを支えるソーシャルワーカーの仕事 ~安心して 生きる 育つ~
パネルディスカッション「安心して 生きる 育つ」
2013年度ソーシャルワーカーデー福祉なんでも電話相談
ソーシャルワーカー デ ー in 香 川2013「 高 齢 や 障 害 による 生 活 のし づらさを 支 える 」
基調報告「ケアマネジャーが伝える高齢期の暮らし」
報告「地域生活を支えるソーシャルワーカーの取り組み」
ソーシャルワーカーデー関連企画
第1回高知県ソーシャルワーカー 3団体合同実践報告会
ソーシャルワーカーズ フェスティバル2013
講演「ソーシャルワーカーの可能性」
シンポジウム「ソーシャルワーカーの可能性~それぞれの実践から~」
ソーシャルワーカーデー In 大分医療センター
講義「医療ソーシャルワーカーってどんな仕事?」
模擬相談等を通してソーシャルワーク面談技術を体験、病院見学
平成25年度ソーシャルワーカー 3団体合同研修
講演「社会的・経済的平等の促進」
第4回ソーシャルワーカーデー
シンポジウム「今、貧困、生活保護を考える」
21
日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
独立型社会福祉士名簿登録者
394人の情報を公開!
今年度から開始した新たな「独立型社会福祉士名
類提出)を行っていない方については、2013年度名
簿登録制度」では、名簿情報をホームページ等にお
簿には登録されておりませんのでご留意ください。
いて一般公開することが名簿登録要件の一つに定め
られています。
<名簿公開ページ>
このたび、2013年度の独立型社会福祉士名簿登
●日本社会福祉士会ホームページ
録者(4月1日受付開始~7月20日理事会承認分)
http://jacsw.or.jp/
394人の情報を一般向けホームページに公開しまし
●コンテンツ「独立型社会福祉士」
た。
http://jacsw.or.jp/17_dokuritsu/index.html
なお、2012年度末までに名簿登録していた方で、
●名簿登録者一覧
2013年4月以降に新名簿への登録手続き(所定の書
http://jacsw.or.jp/17_dokuritsu/ichiran/01.html
認定社会福祉士認証・認定機構
2013年度第1回研修認証の審査結果
2013年4月1日から4月30日まで認定社会福祉士
本会からは、「滞日外国人ソーシャルワーク研
認証・認定機構(以下「機構」)による2013年度第
修」について認証申請し、認定社会福祉士制度の地
1回研修認証申請の受付があり審査結果が公表され
域社会・多文化分野の分野専門の研修科目として認
ました。認証された研修一覧は、機構のホームペー
証されました。
ジで見ることができます。(http://www.jacsw.
今回は、都道府県社会福祉士会から申請された研
or.jp/ninteikikou/)
修も認証されています。
研修名
研修名
区分
科目名
滞日外国人ソーシャ 分野専門※1
対象別科目
ルワーク研修
(地域社会・多文化)
単位数
認証番号
認証有効期限※2
1単位
20130001
2017年1月10日
※1:分野については、認定社会福祉士の認定申請をするときに自身の申請しようとする分野の単位と
して扱います。申請しようとする分野は研修の履修とともにその分野での実務経験が必要です。
地域社会・多文化分野の実務経験としては、社会福祉協議会や生活保護担当などが該当します。
※2:認証有効期限までの間に開催された研修について認証された研修として単位が認められます。
1ライセンス
8,400
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22
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のみでキレイに作成!
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日本社会福祉士会ニュース №166(2013年9月)
学会運営委員会情報
『社会福祉士』第21号の論文投稿について
研究誌『社会福祉士』第21号に掲載
する論文投稿の締切が近づいています
(締切:9月30消印有効)。
情報
らずインフォーマルな資源を含めた
多職種協働が求められており、関係
機関が有機的に連携するための手法
の一つとして、2012年4月に地域
支援事業実施要項等に「地域ケア会
議」の活用が位置づけられました。
そこで本年度の「地域包括支援セ
ンター全国実践研究集会」では「地
都道府県社会福祉士会の会員であれ
域包括ケアシステム構築の推進~地
ば、どなたでも投稿の資格があります。
域ケア会議の機能と活用~」をテー
詳細は、前号の日本社会福祉士会ニュー
マとし、地域包括ケアシステムのあ
ス(№165)に同封の募集要領または本
会会員専用ホームページをご覧ください。
「滞日外国人ソーシャルワーク研修」
のご案内
るべき姿と地域ケア会議の実践にお
ける具体的な手法を学ぶ機会として
開催します。
複雑な生活課題を抱えながら地域 【期日】2013年11月30日(土)
生涯研修センター情報
で暮らす滞日外国人の方々に対する
~ 12月1日(日)
ソーシャルワーク支援のあり方に関 【会場】文京学院大学 仁愛ホール
「独立型社会福祉士養成研修」のご案内
す る 研 修 会 を、2014年1月 に 大 阪 【定員】250人
で開催いたします。
本年度の「独立型社会福祉士養成 【期日】2014年1月11日(土)
研修」を次のとおり開催します。こ
~ 12日(日)
参加要件、プログラム、申し込み
方法などの詳細は、本ニュース同封
の開催要項または、本会ホームペー
の養成研修は、独立型社会福祉士名 【場所】エル・おおさか(大阪府大阪市) ジをご覧ください。
簿登録制度における名簿登録要件の 【定員】100人
■『ぴっと』Vol.57を同封しました
一つに位置づけられた研修です。
詳細は本ニュース同封の開催要項
開催要項は、次号ニュース11月号
または生涯研修センターホームペー
生涯研修センターニュース『ぴっ
に同封します。プログラム、受講要
ジをご覧ください。
と』Vol.57を同封しています。本号
件、受講費などの詳細は、開催要項
にてご確認ください。
【期日】2014年1月25日(土)
~ 26日(日)
【会場】調整中(東京都内を予定)
「地域包括支援センター全国実践研究
集会」のご案内
では、2012年度共通研修課程修了
申請および専門分野別研修課程認定
申請の申請者数や、生涯研修制度管
地域包括ケアシステムの構築を推
理システムご利用についての説明を
進するためには、フォーマルのみな
掲載しています。
- 都道府県社会福祉士会懲戒処分 戒告 -
後見人による不適切な財産管理について
1.処分内容
「戒告」
2.処分日
2013年5月
3.事案の概要と処分理由
被処分者が成年後見人であったとき、被後見人の利益を無視した著しく不適切な財産管理を
行ったこと、また、それにより家庭裁判所が辞任を認めず、敢えて解任した。このことは重大な
倫理綱領違反であり、専門職後見人として社会福祉士に対する信用を失墜させたと言わざるを得
ない。
23
新刊・近刊等情報
にあり、実践を支える「知」のかたちとは
■住民と創る地域包括ケアシステム
何かを探ります。
~名張市自治とケアをつなぐ総合相談
著 者:永田 祐(京都社会福祉士会会員)
~施設ケアプランから始めよう~
発売元:株式会社ミネルヴァ書房
著 者:岡田 耕一郎、岡田 浩子
発行年月日:2013年6月20日
(宮城県社会福祉士会会員)
A5判/ 228頁
発売元:環境新聞社
価 格:2,625円(税込)
編 著:空閑 浩人(京都社会福祉士会会員)
発行年月日:2013年6月9日
地域のネットワー
発売元:株式会社ミネルヴァ書房
A5判/ 232頁
ク構築は、地域包括
発行年月日:2012年11月30日
価 格:2,310円(税込)
支援センターの業務
A5判/ 272頁
福祉の現場で働く
のうちでも土台であ
価 格:4,410円(税込)
職員が、現場の管理
るにもかかわらず、
本書は「ソーシャ
やマネジメントの研
さまざまな理由から
ルワークの方法や技
修に参加し、福祉と
十分に展開できていないことが指摘され
術を駆使しながら利
はまったく違う勉強
てきました。この構築のためには住民と
用者を援助する主体
をする機会が増え
の協働が重要であり、地域の流儀に合っ
である人(援助者)」
ている中、福祉と管理(組織マネジメン
た協働のかたちを一緒に創り出していく
としてのソーシャル
ト)を具体的に現場でどうつなぎ合わせ
必要があります。本書はこの好例として、
ワーカーと、そのアイデンティティを論
たら良いのか分からないという深刻な問
三重県名張市の実践を中心に、住民と協
じることを目的としています。理論的な
題が生じています。本書ではケアプラン
働した地域包括ケアシステムを構築して
考察に加えて、ソーシャルワーカー自身
に着目して、組織マネジメントの知識を
いくための総合相談の展開方法について
によって語られる言葉を多く取り上げて、
現場でどう活かせばいいか、サービスマ
まとめたものです。地域包括ケアを展開
利用者への援助活動に伴って生じる様々
ネジメントの視点に立って分かりやすく
するために必要な自治体政策と総合相談、
な葛藤や悩み、困難状況のなかで、ソー
説明しています。前著『だから職員が辞
およびそれを担うワーカーの役割と機能
シャルワーカーであり続けるために何が
めていく』の回答でもあり、管理職・リ
を現場とのアクションリサーチから導き
必要なのか、また何がソーシャルワーカ
ーダーを目指している人、大学で福祉経
出しており、地域包括ケアに関わる実践
ーである人々を支えているのか、そして、
営を勉強している学生向けの一冊です。
者にお勧めの一冊です。
■ソーシャルワーカー論 ~「かかわり
続ける専門職」のアイデンティティ~
ソーシャルワーカーとしての実践ととも
四谷事務局だより
行 事 予 定 ・ カ レ ン ダ ー 10月
05日
(土)~ 6日
(日)生涯研修制度整
備委員会
13日
(日)~ 14日
(月)新基礎研修リー
ダー養成研修
(大阪)
02日
(土)
広報委員会
03日
(日)成年後見委員会プロジェクト
チーム
04日
(月)
成年後見委員会
16日
(土)
常任理事会・理事会
19日
(土)
常任理事会
17日
(日)
生涯研修制度整備委員会
20日
(日)
生涯研修制度整備委員会
23日
(土)
学会運営委員会
災害支援プロジェクトチーム
24
11月
都道府県ぱあとなあ担当者会議
23日
(土)~ 24日
(日)
新基礎研修リー
ダー養成研修
(東京)
(障害者班)
24日
(日)権利擁護事業委員会
障害者虐待対応帳票・事例策定研
究委員会
都道府県社会福祉士会 会員情報
7月31日付 会員数
36,774人
7月中 入会 会員数
198人
登録者総数 165,338人(6月末現在)
組織率 22.24%
13
番地 カタオカビル2階 TEL03‐3355‐6541 FAX03‐3355‐6543 [email protected]
■介護とマネジメント 入門編
※ここで紹介する本は一般書店等でお求めください。
発行人 鎌倉 克英 発行所・事務局 社団法人日本社会福祉士会 〒160‐0004 東京都新宿区四谷1丁目
の展開~
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