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資料3-4-2 補足説明資料(PDF形式:968KB)

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資料3-4-2 補足説明資料(PDF形式:968KB)
資料3-4-2【公開版】
平成25年9月3日風力部会資料
槇川正木ウィンドファーム
環 境 影 響 評 価 方 法 書
補 足 説 明 資 料
( 修 正 版 )
平成25年9月
株式会社 ガイアパワー
環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法について
第1
基本的事項
1.環境影響評価準備書の作成に当たっては、環境影響評価法、電気事業法及び
「発電所の設置又は変更の工事の事業に係る環境影響評価の項目並びに当該項
目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指
針、環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令」(以下「主務省
令」という。)の規定に基づき、環境影響評価の項目、調査・予測・評価の手
法及びこれらの結果等、必要な事項を遺漏なく記載すること。特に、対象事業
の目的及び内容、環境保全措置並びに事後調査については、具体的かつ詳細に
記載すること。
(回答)ご指摘の点を踏まえて準備書の作成を行います。
2.環境影響評価の項目の選定に当たっては、本事業に係る事業特性及び地域特性
を適切に整理した上で、主務省令別表第5の参考項目を勘案し適切に選定する
とともに、その選定理由を明確にすること。
(回答)主務省令別表第5の参考項目を勘案し、選定した環境影響評価の項目は表 41-2 に、選定もしくは選定しなかった理由は表 4-1-3 に記載しました。
3.環境影響評価の調査・予測に当たっては、主務省令別表第10の参考手法を
勘案しつつ、事業特性及び地域特性を踏まえ、調査・予測の妥当性を明らか
にして適切に実施すること。また、評価に当たっては、調査及び予測の結果
並びに環境保全措置等を踏まえ、評価の根拠及び検討経緯を明らかにし、対
象事業の実施による環境影響が事業者により実行可能な範囲内でできる限り
回避され、又は低減されているものであるか及び環境の保全についての配慮
が適正になされているものであるかを検討すること。
(回答)環境影響評価の調査・予測並びに評価に当たっては、ご指摘の点を踏まえて
実施します。
第2
具体的事項
1.対象事業実施区域と改変区域(工事区域、アクセス道路、樹木の伐採範囲
等)を明確に区分し、土地の掘削や盛土、アクセス道路の設置、樹木の伐採
等の土地の改変がどこで行われ、どのように修復するのか分かる図面を添付
すること。
(回答) 「第 2 章第 2 節 対象事業の内容」に記載しております。
対象事業実施区域約 119ha のうち、改変面積は約 10.7ha となります。改変区
域は図 2.2-5(p.15)に示すとおりです。
2.風力発電所の配置(変電設備、管理棟、既存設備等含む)が不明なため、工
事の仕上がりなど、全体像が分かる図面を添付すること。
(回答)現時点での風力発電所の配置は、図 2.2-2(p.12)に示すとおりです。
3.評価については、必要な調査データを取得・整理し、できるだけ定量的な評
価を行うこと。
(回答)環境影響の回避・低減に係る評価とともに、国又は地方公共団体による環境
の保全の観点からの施策によって基準又は目標が示されている場合は、当該
基準又は目標との整合性が図られているか否かについて検討し評価します。
4.工事車両の運行ルート、工事による大気質への影響や住民に対する配慮につ
いての記述が不十分なため、工事に伴う騒音振動予測を記載すること。
(回答)工事用資材等の搬出入に伴い生ずる窒素酸化物、粉じん等、道路交通騒音、
道路交通振動について予測及び評価を行います。
5.低周波音については、「低周波音の測定に関するマニュアル」(環境庁大気保
全局策定)に基づき評価を行うとともに、G特性だけでなく、周波数特性も
示すこと。
(回答) G 特性音圧レベル及び 1/3 オクターブバンド音圧レベルを測定し、「低周波音
の測定に関するマニュアル」等に基づき評価を行います。
6.水の濁り(濁水対策)に係る記述がないため、河川、湖沼等の類型指定の状
況、沈砂地等の処理能力や処理方法を具体的に示すこと。
(回答) 降雨時の排水は、各風車ヤード横に設置する沈砂池で土砂等を沈降させなが
ら、地下に自然浸透させる計画です。沈砂池の容量を超える場合は、コルゲ
ート管を通して上澄みを排水し、ふとん篭を介して流速を抑え拡散して自然
放流します。沈砂池の構造は p.23 に示すとおりです。また対象事業実施区域
(土捨場)についても沈砂池を設けるとともに、盛土法面下部には編柵を設
置し、土砂の流出防止対策を施します。
対象事業実施区域周辺の河川のうち、松田川(測点は対象事業実施区域か
ら約 14km の位置)、篠川(同約 16km の位置)は、「生活環境の保全に関する
環境基準(河川)」の「類型 A」に指定されています。
7.生態系については、何を指標(注目種)とし、どのような調査・評価を行う
のか具体的に記載すること。
(回答)上位性の注目種はクマタカ、典型性の注目種はニホンジカをあげています。
1.選定種・選定理由、2.調査方法、3.解析手法を以下に示します。
1.選定種・選定理由
視
点
上
位
性
典
型
性
注目種
選定理由
一般生態
行動圏が広く、森林や草地、
農耕地、水辺など開けた場所も
利用するが、繁殖や休息の場と
して森林の大木等を利用するた
め、広域での植生改変、土地利
用の改変による影響を予測する
のに適している。森林から草地
の生態系の栄養段階の上位に位
置する種であり、餌となる動物
が豊富な環境が必要であるほ
か、繁殖可能な場所が限定され
ていることから、森林の改変に
敏感な種類である。
日本では、北海道、本州、四国、九州に留鳥とし
て分布する。低山帯から亜高山帯の針葉樹林、広葉
樹林にすみ、特に高木の多い原生林を好む。急峻な
地形の深い渓谷でよくみられる。巨木の巣に出入り
しやすい条件が必要である。
食物はノウサギ、タヌキ、アナグマ、テン、リ
ス、アカネズミなどの中、小型哺乳類、ヤマドリ、
カケスなどの中、大型の鳥類、ヘビ類などである。
1 月ごろから巣づくりをはじめ、アカマツ、モミ、
コメツガなどの針葉樹の大木に巣を架けることが多
い。
低山地から山地まで森林を中
心にさまざまな植生環境を利用
ニ ホ ン ジ する。草食性であることから、
植生の改変や土地利用の改変に
カ
よる影響を予測するのに適して
いる。
北海道、本州、四国、九州およびいくつかの属島
に分布する。生息環境は多様で、険しい山岳地以外
の草地を含んだ森林地帯を基本に、落葉広葉樹林、
照葉樹林、草原などさまざまな植生に適応してい
る。昼夜の区別なく活動し、採食と休息・反芻をく
りかえす。休息場所は木かげややぶのなかで、個体
によってよく使う場所が決まっている。
照葉樹林にすむ亜種キュウシュウジカは、1 年をと
おして木本の葉や種子、果実を食べ、良質の食物を
選択的に食べる。
交尾期は秋で、出産は年 1 回、春から初夏に通常 1
子を産む。
クマタカ
出典:「原色日本野鳥生態図鑑陸鳥編」(保育社,1995)
「日本動物大百科 哺乳類Ⅱ」
(平凡社,1996)
2.調査方法
(1)クマタカを上位種とし、その採餌環境に着目した生態系構造の把握方法
【調査項目】
一般生態把握
●採餌対象
●採餌好適環境
★平成25年冬
季までに実施
(文献による)
生物相調査
●動植物
★平成25年冬
季までに実施
植生調査
● 植生分布
★平成25年冬
季までに実施
主要な餌と考えられ
るバイオマスの大き
な餌生物の抽出
生息状況調査
●採餌行動
●行動範囲
●出現率
餌種・餌量調査
●餌種ごとの分
布・生息量
★平成25年冬
季までに実施
★平成25年冬季
までに実施
【把握するデータと解析方法】
●実際の採餌状況
実際にどのような状況で
採餌しているか
★平成25年冬季までに
実施
●採餌環境として重視す
る場所
高利用域を適用
★平成25年冬季までに
実施
●一般的な採餌環境
一般に好むとされている
環境=伐跡など
文献の適用による
<餌種ごとの分布・生息量>
●ノウサギ
糞粒法による生息密度把握
→調査方法1)
★平成25年冬季までに実施
反映
●植生分布図
★平成25年
冬季までに実
施
反映
●中大型鳥類の代表:ヤマドリ
ラインセンサスによ
る生息密度把握
→調査方法2)
★平成25年冬季までに実施
●ヘビ類
ラインセンサスによる生息
密度把握
→調査方法3)
★平成25年冬季までに実施
クマタカが好んで採
餌を行う場所を抽出
餌生物の生息ポテンシャル
が高い場所を抽出
クマタカの好適採餌環境区分図の作成
=クマタカを上位種とする生態系構造の把握
【調査方法】
1)ノウサギの分布・生息量
● ノウサギの生態から調査範囲内の生息ポテンシャルを推測して調査範囲をエ
リア区分←植生と関連づけて区分。
● 各エリアにサンプル地点を設定し、調査区画を設置。
● コドラート内の糞粒を数え、糞粒の密度から生息密度を推定。
● 結果をもとに、餌資源としてのポテンシャルを各エリアに重み付け。
<具体的な調査計画>
糞粒法(矢竹ら,2002)を用いる。サンプル地点に 2m×2m の調査区画を数十区画
設定する。調査に先立って区画内の糞粒をすべて除去し、1 ヶ月以上後に区画内の
糞粒数をカウントする。
調査は春季、夏季、秋季、冬季に 1 回実施する。
調査結果は、鹿児島県において夏季に飼育下で調査された1日 1 頭の排泄糞粒数
351.1 粒(谷口,1982)で除し、1ha あたりの生息個体数として計算する。
2)ヤマドリの分布・生息量
● ヤマドリの生態をふまえて調査範囲をエリア区分←植生と関連づけて区分。
● 各エリアに調査ルートを設定、ラインセンサス法によりヤマドリの個体数を
定量的に把握。
● ルートごとに個体数を積算して、餌資源としてのポテンシャルを各エリアに
重み付け。
<具体的な調査計画>
設定した調査ルートを一定の速度で歩いてルートの左右 25m の範囲で確認された
ヤマドリの個体数を記録する。
調査ルートは対象とするエリア区分ごとにエリアの規模に応じて設定する。
調査は繁殖活動が盛んな春季に 1 回実施する。
調査結果は各エリア区分における生息密度として計算する。
3)ヘビ類の分布・生息量
● ヘビ類の生態から調査範囲内の生息ポテンシャルを推測して調査範囲をエリ
ア区分←植生と関連づけて区分。
● 各エリアに調査ルートを設定、ラインセンサス法によりヘビ類の種類、個体
数、大きさを定量的に把握。
● 種類にかかわらず、大きさの積算により調査コドラートごとのヘビのバイオ
マス量を算出して、餌資源としてのポテンシャルを各エリアに重み付け。
<具体的な調査計画>
設定した調査ルートを一定の速度で歩いてルートの左右 1m の範囲で確認されたヘ
ビ類の種名と個体数と大きさ(大中小程度)を記録する。
調査ルートは対象とするエリア区分ごとにエリアの規模に応じて設定する。
調査はヘビ類の活動が盛んな夏季に 1 回実施する。
調査結果は各植生区分における生息密度として計算する。
(2)ニホンジカを典型性種とし、その採餌環境に着目した生態系構造の把握方法
【調査項目】
一般生態把握
●採餌対象概要
生物相調査
●動植物
植生調査
● 植生分布
★平成25年冬
季までに実施
★平成25年冬
季までに実施
★平成25年冬
季までに実施
生息状況調査
●行動範囲
●環境利用頻度
採餌特性把握
●採餌対象詳細
●採餌好適環境
★平成25年冬
季までに実施
★平成25年冬
季までに実施
(文献による)
地形調査
● 地形分布
(資料、地形図
による)
★平成25年冬
季までに実施
【把握するデータと解析方法】
●行動範囲・環境利用頻
度
どこをどの程度利用し
ているかを把握
→調査方法1)
★平成25年冬季までに
実施
反映
●生物相調査
確認地点
★平成25年
冬季までに実
施
<採餌に適した環境>
●採餌対象詳細・採餌好適環境
どんなものが採餌対象か、ど
んな植生を好むか
文献による
★平成25年冬季までに実施
●植生分布図
★平成25年
冬季までに実
施
ニホンジカが好んで
利用する場所を直接
的に抽出
採餌に適した植生を抽出
ニホンジカが好んで利用する
環境を間接的に抽出
→よく利用する場所と植生と
の関係を考察
ニホンジカの好適性区分図の作成
=ニホンジカを典型種とする生態系構造の把握
【調査方法】
1)行動範囲・環境利用頻度の調査方法
● 調査区域全体に調査ルートを設定。
● ルート上を踏査しながら糞の位置と数を記録し、調査範囲全体の糞の分布を
把握。
● 分布の状態から調査区域のニホンジカの行動範囲と利用頻度を表示。
<具体的な調査計画>
ルートは事業実施区域の主尾根およびそこから派生する副尾根上に設定す
る。
設定したルート上の両側1mずつ(合計2m)の範囲を確認しながら糞の
位置と数を計数する。
調査は下草の繁茂が少ない春季、秋季、冬季に各1回行う。
8.居住地等生活環境からの景観、人と自然との触れ合いの場、緑化及び修景に
係る記述がないため、これらを追加すること。
(回答)「第4章第2節 12.景観及び 13.主要な人と自然との触れ合い活動の場」に記
載しております。
居住地等生活環境からの景観として、「山出の集落」、「槙川の集落」及び「正
木の集落」を設定しております。
緑化・修景については、「第2章第2節 対象事業の内容」に記載しておりま
すが、改変部分のうち、切盛土面は緑化として種子吹付けを実施し修景を図
る計画です。
9.シャドーフリッカー(風車の影)、廃棄物、残土及び塗装からの有害物質に係
る記述がないため、これらを追加すること
(回答) 「第4章第1節」の表 4.1-2(p.156)に記載しております。
10.wind turbine noiseに卓越した純音成分(約100ヘル
ツから200ヘルツまでの範囲)及びswish音の程度について記載する
こと。
(回答)メーカー情報のため、別添致します。(※非公開)
11.資材搬入、管理道路の計画について図示し、資材搬入道路の拡幅工事等に
ついて影響評価を行うこと。
(回答)「第2章第2節 対象事業の内容」に記載しております。
既存の道路の拡幅は行わず、既存の道路から各風力発電機の設置個所に至る
道路のみを新設します。また関係車両の走行ルートは図 2.2-7(p.19)に示す
とおりです。
12.工事車両の運行は大気環境に影響を及ぼすため、工事車両の運行経路を考
慮し、必要に応じ最寄りの大気環境の現況を示し評価すること。
(回答)実施致します。
13.施設の稼働時に管理棟等を設ける場合は、生活排水の処理に係る記述を追
加すること。
(回答) 運転制御管理事務所を発電所内に設ける予定です。トイレ等は汲み取り式と
し、職員等の飲料水等は持参します。
14.対象事業実施区域の現況確認については、現存植生図だけでは現状との照
合が難しいため、現状が確認できる至近の航空写真、図面等を添付するこ
と。
(回答)bingmaps よる空中写真を記載しております。図 2.2-1(2)(p.10)をご覧くだ
さい。
15.動植物相の調査について、調査ルートの設定に際しては、樹木の伐採等の
改変区域を包含するよう考慮すること。特に、注目種が改変区域に分布して
いるのか、又は非改変区域に分布しているのか分かるよう調査すること。
(回答) 風力発電機設置個所を含め、調査地点及び調査ライン等、広域の状況を押さ
えられるよう、調査範囲等を設定しました。
16.風車が目立たないように、風景の中に溶け込むよう検討すること。
(回答) 景観面も考慮した上で、鳥類からの視認性等も鑑みつつ、検討を行うように
します。
17.近傍の風力発電所との複合的な環境影響が考えられる場合は、可能な範囲
で予測・評価するよう努めること。
(回答) 必要に応じて周辺における風力発電事業計画を踏まえ、環境影響評価を実施
したいと考えております。
18.牧草地を中心に風車を多数設置する場合は、猛きん類等の餌場になってい
る可能性があるため、餌場としての機能が維持されるかについて検討するこ
と。また、樹林を伐開・整地して風車を設置する場合は、小動物等の狩場と
して利用されるようになる可能性があることに留意すること。
(回答)対象事業実施区域は尾根上にあり、スギ・ヒノキ植林やシイ・カシ二次林な
どの高木群落が主な植生となっております。
狩場としての利用状況を調査したうえで、各々の機能が維持されるのか予
測・評価を行います。
19.樹林帯を伐開して風車を設置する場合は、林縁部の植生構造の変化や風の
通り道ができることにより、植生の退行や樹木衰退減少が発現する可能性が
あるため、工事に際しては段階的な伐開、萌芽更新の手法を採用する等の工
夫が必要になるとともに、動物相の変化も考えられることから、影響評価に
夫が必要になるとともに、動物相の変化も考えられることから、影響評価に
際してはこれらについて考慮すること。
(回答)萌芽更新などの手法も考慮しながら、詳細については今後検討していきます。
20.風車設置のための土木工事において、埋め戻し、現状回復を図る旨記載し
ている場合が多いが、現状の定義を明確にするとともに、回復措置の具体的
な内容を示すこと。特に、緑化の内容については詳細に計画を示すととも
に、切土法面、盛土の周辺及び風車設置基部の整地部分の状態を明記するこ
と。
(回答)風車設置に必要な作業ヤードの改変は、作業効率をある程度犠牲にしても環
境への負荷を低減するため、周囲の地形を利用しながら、可能な限り伐採及
び土地造成面積を少なく抑える計画です。
21.道路及び送電線埋設工事について、計画の詳細がほとんど示されていない
ため、工事の内容によっては重要種対策や生態系の分断等の可能性について
検討すること。特に、林道等の拡幅工事や鉄板敷等により一時的に大型車両
の運行を行う場合は、工事部分の重要種が消滅することがあること、また、
側溝等を設ける場合は、小動物の落下や分断等の影響があることに留意する
こと。
(回答) 工事内容の詳細については今後検討していきます。
22.哺乳類の調査手法として、自動撮影調査を実施するものとしないものが混
在しているが、夜行性の中・大型哺乳類の生息確認に自動撮影を用いること
は一般化しているため、調査手法として追加を検討すること。また、ブレー
ドへの鳥類等の衝突個体が多くなると、肉食性哺乳類が集まりやすくなるこ
とが考えられることから、事後調査についても検討すること。
(回答) 「第4章第2節 9.動物(重要な種及び注目すべき生息地)」の「表 4.2-11 調
査の手法」(p.194)に示したとおり、本調査においては哺乳類の自動撮影調
査を実施いたします。
23.鳥類の予測評価については、ブレード、タワー等への接近・接触に関し
て、衝突確率等の算出を行うこと。また、予測評価に際しては、必要に応じ
て有識者等から助言を得ながら実施すること。
(回答) 衝突確率につきましては、「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のため
の手引き」を参考に算出致します。また、予測評価に際しては、有識者等か
ら助言を受けつつ行うよう、努めます。
24.風力発電の設備利用率を含め、当該発電所を設置することによる温室効果
ガスの削減効果を定量的に示すよう努めること。
(回答)本事業の稼働による化石燃料からの代替効果について検討します。
資料★-★-★
平成
年
月
日風力部会資料
槇川正木ウィンドファーム
環 境 影 響 評 価 方 法 書
補 足 説 明 資 料
追 加 版
平成25年7月
株式会社 ガイアパワー
風力部会
補足説明資料(追加版)
目 次
Ⅰ.平成25年4月24日風力部会での顧問からのご質問について ·············· 1
Ⅱ.追加の指摘事項について ··········································· 5
Ⅰ.平成25年4月24日風力部会での顧問からのご質問について
1.生態系について、典型性としてシカを取り上げているが、「生物群集の多様性
を特徴づける」というよりも「多様性を破壊している」面があるので、より適切
な動物の選定を検討されたい。また、「多様性」というキーワードを使用した場
合、準備書でも同様の表現が必要になるので注意を要する。
(回答) ご指摘を踏まえ、生態系の典型性の注目種としてタヌキを取り上げたいと考
えております。
以下に、1.選定種・選定理由、2.調査方法を示します。
1.選定種・選定理由
視
点
典
型
性
注目種
タヌキ
選定理由
一般生態
郊外の住宅地周辺から山
地まで幅広い環境を利用す
る。雑食性であり、餌を求
めて様々な環境を利用する
ため、広域での植生改変、
土地利用の改変による影響
を予測するのに適してい
る。
北海道、本州、四国、九州、その他の諸島に分布
する。郊外の住宅地周辺から産地まで広く生息する
が、亜高山帯以上に生息することは少ない。自分で
は巣穴を掘らず、木の根元のくぼみや岩の割れ目等
を利用する。
鳥類、野ネズミ類などの小型動物、昆虫、野生果
実類などを採食する。キツネやイタチ類に比べ、甲
虫の幼虫、ミミズなどの土壌動物の採食量が多い。
親子あるいは家族は、近い距離に集まり生活、行動
する。行動圏は 10~100ha ほど、エゾタヌキの場合
には 80ha ほどである。排泄物を特定の場所に集中
するため糞を行なう。
春に 3~5 頭を出産し、秋まで家族群で行動す
る。
出典:「日本動物大百科
哺乳類Ⅱ」
(平凡社,1996)
- 1-
2.調査方法
(2)タヌキを典型性種とし、その採餌環境に着目した生態系構造の把握方法
【調査項目】
一般生態把握
●採餌対象
★平成25年冬
季までに実施
(文献による)
糞分析調査
●糞の内容物の把握
★平成25年冬季ま
でに実施
生物相調査
●動植物
植生調査
● 植生分布
★平成25年冬季
までに実施
★平成25年冬季ま
でに実施
採餌条件調査
●糞分析と文献の情報をふま
えた餌の密度把握
★平成25年冬季までに実施
【把握するデータと解析方法】
●糞の内容物の把握
採取した糞から食性を
把握
→調査方法1)
★平成25年冬季までに実
施
●糞分析と文献の情報をふまえた餌の
密度把握
定量調査手法による餌密度把握
→調査方法2)
★平成25年冬季までに実施
●植生分布図
反映
★平成25年冬
季までに実施
タヌキの採餌・繁殖ポテン
シャルが高い場所を抽出
タヌキの好適採餌環境区分図の作成
=タヌキを典型種とする生態系構造の把握
- 2-
【調査方法】
1)糞の内容物の把握
● これまでに確認された場所を中心に、調査範囲をできるだけ網羅的に踏査し、
糞を採取。
● 糞の内容物を検査し、内容ごとに出現率を求め、採餌対象としての選好性を
確認する。
<具体的な調査計画>
タヌキの食性は四季を通じて大きく変化すると考えられることから、基本
的に四季を通じて調査したいが、調査期間が限られることから春季~秋季に
実施する。
春季から秋季にかけては糞の分解が早く進みサンプリングしにくいことか
ら、調査頻度を高める。
これらをふまえ、調査は春季、夏季、秋季、冬季に各1回実施する。
2)糞分析と文献の情報をふまえた餌の密度把握
植物質の餌の密度把握は困難が予想されること、植物質の餌は痕跡が残らないも
のも多いと推測されること、文献からの食性の情報をふまえ、以下では、昆虫を主
とした地表徘徊性の小動物の密度の把握方法を提示する。実際の調査方法は、糞分
析結果を反映させて決定する。
● 植生区分を参考に、タヌキの採餌環境としてのポテンシャルを推測し、調査
範囲をエリア区分。
● 各エリアにサンプル地点を設定し、各サンプル地点で定量調査手法により昆
虫類および小動物を捕獲。
● 捕獲された昆虫類や小動物から、タヌキの採餌対象として適切な種類を抽出、
その確認量を積算。
● サンプル地点の確認量をエリアの生息指標値とし、採餌環境としてのポテン
シャルを各エリアに重み付け。
<具体的な調査計画>
定量調査方法として「ベイトトラップ(誘引落とし穴採集)」「土壌動物の
コドラート調査」の方法を用いる。
積算する確認量は湿重量とする。
調査は、糞分析調査時期と連動させて合計4回実施する。
- 3-
2.猛禽類(クマタカ等)について、調査地点が稜線の南側に偏っており、北側
の斜面には設定されていないので、調査の段階では見直しを願いたい。またその
行動圏が把握できるよう、空間飛翔調査と定点観察法を組み合わせて計画すると
ともに、定点については増やすことが望ましい。
(回答)ご指摘を踏まえて、定点の配置が可能な場所について現地の状況を踏査によ
り確認し、適宜追加して調査を実施致します。
3.景観の調査について、水平の視野角を考慮すること。
(回答) 水平角を考慮して、予測・評価を行います。
4.一般環境騒音の調査については、道路騒音の影響を避ける場所で実施された
い。強風時での調査においては、正しく騒音データが測れるよう注意すること。
また、沿道の道路の種類(国道・県道等)を記載すること。
(回答) 一般環境騒音の調査については、沿道から極力離れた地点で測定できるよう
配慮致します。強風の基本的な考え方としましては、風車の建設予定地の尾根部が
強風の時に測定を行いますが、調査地点のピンポイントに直接強風が当たるような
場所は調査地点選定の段階で避けるようにいたします。また、使用機材の中でも防
風スクリーンなどを使用し、ノイズが入らないよう配慮します。道路の種類につい
ては調査の上、準備書に記載致します。
- 4-
Ⅱ.追加の指摘事項について
1.文献等による鳥類相の表が出てくるが、配列が現在の日本鳥類目録に沿って
いないものが多く見受けられる。現在、日本鳥学会が昨年9月に発行した日本鳥
類目録改訂第7版に準ずるべきである。
(回答)準備書において、配列は最新の資料に準じます。
2.渡り鳥の調査方法で、夜間に渡る鳥類の把握手法として、レーダーを利用し
た調査を行うものと行わないものが混在している。もし諸般の事情により行えな
い場合は、それに代わる方法で夜間の渡り鳥の状況を調査するべきである。
(回答) 対象事業実施区域はほぼすべて樹林地であり、レーダー調査で効果的に調査
できるポイントがないと考えられることからレーダー調査の実施は困難と考えてい
ます。また、当該地域において、夜間に主に渡るものは小型鳥類であると考えてい
ます。そのため鳥類レーダーではデータを取得しにくいと考えられるのも、レーダ
ー調査が困難と考える理由の1つです。
代替手法として、対象事業実施区域及びその周辺で、目視確認及び鳴き声確認によ
り渡りの有無の把握調査の実施を検討します。
3.生態系の調査については、できるだけ定量的に評価できるように工夫する必
要がある。捕食者-餌の関係については、文献データを参考に餌種を検討すると
ともに、現地では具体的に何を餌として利用しているのか、餌種・餌種の割合、
季節による餌種の変化等について把握できるよう考慮して調査を行うこと。
(回答) 餌種の調査は、季節毎に現地調査を実施し、季節による餌種の割合変化等を
出来る限り反映できるよう配慮したいと考えています。文献については十分に収集
し、整理した上で予測・評価に反映します。
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