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参考2 行政記録の統計への活用に関する参考資料

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参考2 行政記録の統計への活用に関する参考資料
参考2
行政記録の統計への活用に関する参考資料
参考2-1:行政記録の活用について(これまでの経緯)
・・・・・・・
1
参考2-2:「統計組織の手引き」(国際連合)【抜粋】
・・・・・・・
7
・・・・・・・・・・・・
9
参考2-3:諸外国における行政記録の活用例
参考2-4:EUにおけるビジネスレジスター作成に係る規則
・・・・・
14
参考2-5:行政記録を統計に用いている根拠、活用概要の例
・・・・・
16
・・・・・・・・・・・・・・
20
参考2-6:制度的な制約がある場合の例
参考2-1
行政記録の活用について(これまでの経緯)
行政記録の活用は、「統計行政の中・長期構想」(昭和 60 年統計審議会答申)にお
いてサービス業の統計整備の観点から行政記録を集計、公表するよう指摘がなされ、以
降、報告者負担軽減等の観点から、統計としての活用、母集団名簿としての活用につい
て下記のとおり指摘等がなされており、具体化に向けた取り組みが求められている。
○ 「統計行政の中・長期構想」(昭和60年統計審議会答申) 【抜粋】
2 サービス業統計
(3) 整備の具体化方策
ア 早期に整備を図る必要のある統計
① 分野別の統計は、我が国経済の中で一定のウエイトを持っている業種、又は
現在急速に進展している業種の中で重要なものについて、当該業種に関連の深
い省庁が、サービス業統計の一環として早期に整備を図る必要がある。
この場合、既存統計調査の調査対象範囲のカバレッジ、調査事項等が十分
でないものについては、当該調査の充実を図る。ただし、関連の深い省庁が明
確でなくサービス業統計体系上調査が必要な分野については、総務庁統計局が
整備を行うことが適当と認められる。
なお、統計整備の観点から基本的事項が把握されており、統計データとして
活用し得る行政記録が存在する場合であって、統計としての集計又は公表が不
十分なものについては、当該行政記録を保有している省庁が統計としての正確
性等に配慮しつつ積極的に集計、公表を図るものとする。
○ 「統計行政の新中・長期構想」(平成7年統計審議会答申)
(1) 概要
(ア) 行政記録の活用による統計情報収集の抑制
・ 行政記録は、行政の対象である個人や世帯及び企業や事業所から報告を求めた
データであり、統計調査と同様に対象者に負担をかけていることから、同じ国
の機関が各種の負担をかけることは極力避けるべき。
・ 行政情報収集の簡素化・効率化及び報告者負担の軽減の観点から、検討を進め
ることが重要。
・ 行政記録の電算化が進み、統計の作成・公表を容易に行い得る条件が整ってい
るので、可能な限り(業務)統計化を進めるべき。
・ 新たな統計需要に基づく新規統計調査等の企画・設計に当たっては、各省庁は
行政記録の有無、活用の可否について十分検討し、可能な限り行政記録を活用
するべき。
・ 行政記録の活用方策については、行政記録の項目や内容と統計として把握する
ことが求められる事項との関係、関連する法制度等との関係、統計化のための
手続や手法等に関する専門的・技術的な検討を行うことが必要。
(イ) 母集団情報共同利用による調査客体・調査事項の重複回避等
・ 報告者負担の軽減の観点から、企業や事業所を対象とした母集団情報をデータ
ベース化し、その共同利用を推進することにより、標本管理の徹底による同一
客体への集中の回避、基本的属性事項の利用やデータリンケージにより調査事
項の重複回避等を図ることが必要。
・ 行政記録を基に逐次整備・更新している母集団情報と全数調査によって整備・
更新している母集団情報を用い、「企業・事業所フレーム」における統一事業
所コード(仮称)及び本社・支社連結コード(仮称)を整備し、母集団情報の相互利
用を行うことによって、調査を簡略化するなど報告者の負担軽減を図ることが
必要。
(2) 推進実績(平成7年~14年)
・ 総務省(統計基準部)
平成9年5月、行政記録の統計化を進めるための調査を実施し、その結果を取
りまとめた。
・ 厚生労働省
平成8年度及び平成9年度に、年金制度基礎調査について、社会保険庁のデー
タベースとのリンケージを行うことにより調査事項を削減。
平成10年度は、衛生検査所検査料金調査について、行政記録の活用により、調査
事項を削減するとともに、看護婦等学校養成所入学状況並びに卒業生就業状況調査
について、行政記録の活用により基本的事項のプレプリントを導入。
・ 農林水産省
2000年世界農林業センサス(林業地域調査)について、行政記録(森林簿等)の活用
により報告者負担の軽減及び本調査の簡素化、効率的実施を図る措置を講じ、調査
を実施。
・ 経済産業省
海外事業活動基本調査について、行政記録(有価証券報告書等)の活用により、調
査事項を削減。
○ 「申請負担軽減対策」(平成9年2月10日閣議決定) 【抜粋】
規制緩和を推進するに当たって、行政庁に対する申請等に係る国民の負担を軽減する
ことがきわめて重要である。今日、簡素で効率的な行政、国民の主体性が生かされる行
政及び質の高い行政サービスを実現するため、情報通信技術の飛躍的な発展をも踏まえ、
許認可や補助金等に係る申請、届出又は諸種の統計調査等に際しての国民の負担の大幅
な軽減を図る必要がある。このため、申請等に伴う手続の簡素化、電子化、ペーパーレ
ス化、ネットワーク化などを迅速かつ強力に推し進め、今世紀中に申請等に伴う国民の
負担感を半減することを目標として本対策の実施に取り組む。
3 統計調査の簡素合理化
(1) 各省庁は、所管するすべての統計調査について、統計調査見直し計画の最終年度
である平成11年度(1999年度)を待たずに、原則として平成10年度(1998年度)末まで
に、報告者負担の軽減の観点からの見直しを概ね完了する。
(2) 国民の報告負担を軽減しつつ必要な統計を作成するため、行政記録の統計化を進
めるための調査に直ちに着手し、平成9年度(1997年度)末をめどに当面の調査結果
を取りまとめ、その結果等を踏まえて、行政記録の統計への活用を推進する。
(3) 原則として、すべての指定統計について平成10年度(1998年度)末までに、調査結
果の所在情報案内機能を整備するとともに、行政から国民への電子的提供、国民
から行政への電子的アクセスを可能とする。その後、順次承認統計、届出統計及
び業務統計に範囲を拡大する。
(4) 原則として、すべての指定統計の第1報の公表を可能な限り早期化し、遅くとも
月次調査は60日以内、年次・周期調査は1年以内に公表する。
※ 上記(2)の調査について
総務庁統計局統計基準部において、「行政記録に基づき集計された統計の印刷物等
による公表状況調査」として実施し、とりまとめた。
(次頁参照)
この調査は、平成9年6~7月に総理府ほか24省庁等に対し、行政記録(許認可
等のほか、保険・年金等の給付関係記録等業務遂行上得られるすべての記録を含む)
を基に集計し、公表(行政機関や国民を対象にして、印刷物等を配布・提供している
場合をいう)している印刷物等を調査。
行政記録に基づき集計された統計の印刷物等による公表状況調査結果(総括表)
公
省庁等名称
人 事 院
総 理 府
公正取引委員会
警 察 庁
公害等調整委員会
総 務 庁
北海道開発庁
防 衛 庁
経済企画庁
科学技術庁
環 境 庁
沖縄開発庁
国 土 庁
法 務 省
外 務 省
大 蔵 省
文 部 省
厚 生 省
農林水産省
通商産業省
運 輸 省
郵 政 省
労 働 省
建 設 省
自 治 省
計
公表 図書 白書
対象数 等印 ・
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4
表
媒
体
CD
FD
MO
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IN
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その
他
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6
注 Ⅰ 「公表媒体」欄については、一つの公表物につき複数の媒体により公表されている場
合は、それぞれの媒体に計上している。
Ⅱ 「印刷物等」とは、結果報告書等の冊子(白書や機関誌・雑誌等に公表データのすべ
てを掲載して公表しているものを含む。
)のほか、フレキシブルディスク等の磁気媒体
及びインターネットへの掲載による提供の場合も含む。
Ⅲ 「公表媒体」欄の略称は、次のとおりである。
「図書等印刷物」
:行政記録を集計した統計の報告書等
「白書・雑誌」 :白書や雑誌に公表データのすべてを掲載している場合
「MT」
:磁気テープの場合
「CD」
:CD-ROMの場合
「FD」
:フレキシブルディスクの場合
「MO」
:光磁気ディスクの場合
「IN」
:インターネットに掲載している場合
「その他」
:上記以外のものの場合
○ 「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画」(平成11年4月27日閣議
決定) 【抜粋】
中央省庁等改革を推進するため、国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的
計画を以下のとおり定める。
第1 事務・事業合理化関連
以下の国の事務及び事業の減量、効率化等を進め、行政組織の減量、効率化を図る。
1.廃止、民営化、民間委託等
(2) ③ 統計の処理等
統計事務(集計、データベースの作成・提供、実査等)については、包括的民間委
託を含め、民間委託を進め、組織の減量化を図る。このため、各省庁は、本年中に
民間委託に関する今後の推進方針を定め、民間委託を進めるものとする。総務庁は、
各省庁の民間委託の推進方針及び推進状況をとりまとめて公表するとともに、その
後の各省庁における民間委託の進捗状況を毎年とりまとめて、その結果を公表する
ものとする。
6.統計行政
統計行政については、統計事務の民間委託のほか、重複の是正、調査結果の共有
化、大規模統計調査(センサス)の実施の必要な一元化を、次のとおり推進することと
する。
(1) 事業所・企業を対象とする統計調査について、次により政府全体を通ずる改善を
行う。
① 総務庁は、各府省の統計調査結果及び利用可能な行政記録を活用して「事業
所・企業名簿情報データベース」による既往調査歴を含む母集団情報の一元的
管理を実施し、各府省は、統計調査の対象選定を行うに際し同データベースを
利用しつつ重複是正を行うこと。
② 各府省は、調査個票データについて、相互のデータリンケージが可能となるよ
うに処理を行い、調査事項の重複是正等の観点から共有化を図ること。
(2) 各省庁は、単独又は共同で、集計結果のデータベース化を進め、霞が関WAN等
を通じて調査結果の共有化を図る。
(3) 大規模統計調査(センサス)については、(1)及び(2)のほか、商業統計調査など事
業所・企業を対象とする統計調査の「事業所・企業統計調査」との同時実施の推
進、農林業センサスなど国が自ら実査を行っている統計調査につき地方公共団体
の協力を得て地方レベルでの一元的な実施を推進すること等により、その実施に
ついて必要な一元化を進める。
(4) 以上の措置については、総務庁が、各省庁と密接な連携を取りつつ必要な調整を
行いながら推進するものとする。
○ 「統計行政の新たな展開方向」(平成15年各府省統計主管部局長等会議申し合わせ)
(1) 概要
・ 行政記録を統計作成等に活用することは、統計調査によるデータ収集の簡素
化・効率化及び報告者負担の軽減を図る観点から極めて重要。
・ 行政記録は、目的以外の使用禁止や守秘義務に関する規定の存在、データの範
囲・内容のバラツキ等があり、その活用が十分ではない。
・ 協力が得られない客体、未記入事項の増加等に対するデータ補完の基礎資料、
母集団情報整備への活用等が求められており、その積極的な推進が必要。
・ 報告者負担の軽減等の観点から、秘密の保護に留意しつつ、統計化等に有用な
行政記録の積極的な活用を図ることとし、生産、設備投資、固定資産等の有用な
分野から重点的に具体的なデータに基づいてその活用方策の検討を進める。
・ 登記簿情報、有価証券報告書等行政記録の電子化の動向に合わせ、その積極的
な活用方法の検討を進める。
・ 調査票の記入精度の低下等を踏まえ、データ補完の観点から行政記録の活用方
策の検討を行う。
・ 報告者負担の軽減、結果精度の向上を図る観点から、行政記録を活用した母集
団情報の整備・更新を図る。
・ 行政記録を保有する各府省の担当者を含めた検討の場を設置し、平成17年度まで
を目途に、行政記録の具体的活用方策に関する検討を行う。
・ 総務省は、各府省と緊密な連携の下、平成17年度を目途に、行政記録を活用して
事業所・企業データベースの母集団情報を整備・更新する方策の検討を行う。
(2) 進捗状況
・ 「報告者負担軽減検討会議」を平成15年10月に設置し、検討対象行政記録の選定
を行い、法人登記データ等について、法務省及び厚生労働省への協力要請を行っ
ていくこととした。また、地方公共団体の個人情報保護条例と統計調査との関係
について検討を行った。
・ 「経済センサス(仮称)の創設に関する検討会」における経済センサス(仮称)の創
設に向けての検討の中で、調査対象のより的確な把握に資する準備調査名簿の作
成、報告者の負担軽減及び調査事務の効率化のため、行政記録の活用についての
検討を行い、行政記録(法人の名称・所在地情報)の利用についての結論を平成17年
6月に取りまとめた。
参考2-2
「統計組織の手引き」(国際連合 2003 年 第3版)【抜粋】
第2章Eの4.他の法律で保護された情報へのアクセス
145. 最善策としては、政府が他に所有している情報に対して、統計機関が権利として
活用できるように統計法で明文化する方法がある。これは、ある面で政府の行政の
合理化を図るものであるが、それ以上に、回答者の側の過重な文書作成の負担を軽
減することが目的でなければならない。
146. 統計を目的として統計機関が行政の所有する有効情報を利用できるようにするア
クセス権は、かかる所有データ又は一般に、行政記録を保護する特例法として明確
に承認されるべきである。互恵主義が理想的な状態、つまり統計法でアクセスの権
利と条件を定め、どの政府部内であっても行政の所有物を保護する特定の法律によ
り、統計を目的とした統計機関のアクセス権を特例として承認することである。
第3章Aの4.地域政府と地方政府
191. 中央統計機関と地域・地方政府との対話では、地域の要求を考慮するよう行政記
録の収集者を説得する方法を始め、既存の行政記録からどのような有用な統計情報
を抽出できるかを見極めることも含まれる。これらの記録を利用できる状況にあれ
ば、その記録は通常、小地域にとって十分な範囲である。このような対話が成功す
れば、行政記録から地域情報が引き出され、国家と地域の統計推定値が混在する成
果が得られる。
第9章Bの6.行政記録
423. 統計機関は情報の要求にすべて応えて自動的に新しい調査を開始するべきではな
い。それよりも、新しい要求があった場合に、定期収集しているデータを利用して
どんなことができるかを検索し、それがない場合には、政府の手元にある行政記録
の中に全部とはいわないまでもある程度、請求に応えるものがあるかどうかを検討
することで、組織的対応を試みるべきある。行政記録の有無、又はそれが統計調査
情報の肩代わりか補完ができるかどうかは非常に複雑な問題で、各国の実情で回答
は変わってくる。統計官は、概念と範囲に関して行政記録の品質に疑念をもつ傾向
がある。
424. しかし、行政記録の魅力は、いずれにせよ行政が収集したという点にある。多数
の国家では、税務記録などの行政記録は、国民の大半を対象にしており、回答率も
統計機関が実施する場合よりもずっと高い。さらに、ずっと少ない回答者から得ら
れたデータで補完することでこれらの記録から得られる情報の質を向上させる可能
性が常にある。
425. 以上のような利点がわかれば、統計機関の一部、望ましくは現場組織にあわせて
設置された部署でその職員に、下記の責任を担当させる。
・ 行政が収集したデータで、他部門が保管するデータに常にアンテナを張ってお
く。
・ 調査要求があるたびに、新たなあるいは大規模な調査事業を実施しなければ、
どの程度まで対応できるかを判断する。
・ 政府の情報活動に課せられた法的枠組みの中で、関連情報の保有者とどの程度
共有できるかを交渉する。
結論(抜粋) 定期的調査の遂行能力だけでなく、新しい情報の請求に敏感であること
を示すため、経費のかかる複雑な調査を約束する前に、現存のもので適宜に計らう
姿勢を続ける一方で迅速に対応する能力を開発することが賢明である。迅速な対応
を推進するだけでなく、回答者となりうる人たちの善意を保つためにも、行政記録
が常時入手できることが望ましい。
参考2-3
諸外国における行政記録の活用例
以下は、「行政記録の活用方策に関する検討結果報告書(統計行政の新中・長期構想
推進協議会第2検討委員会:2000年)」、「諸外国における統計の制度と運営(総務省統
計局統計基準部国際統計課:2002、2001年)」、「研究所報 No.16 1989年12月 レジスタ
ーベースの統計制度(工藤弘安)」、「行政記録の活用とビジネス・レジスターの構築
(菅幹雄:2005年10月 海外における経済センサスの実情に関する報告会の講演資料)」、
「ESP05,3(統計整備のための行政記録の活用)(平井文三:2005年3月)」、「統計学辞典
(竹内啓:1989年)」等から抜粋
1.行政記録による統計作成
○ アメリカ
「経済センサス」では、従業者数10人未満の単独事業所・企業及び事業主以外に従
業者のいない事業所については調査票を送付せず、売上げ、雇用等のデータは連邦
所得税記録や給与支払税記録のデータを内国歳入庁から得て利用している。
また、「雇い人のいない自営業主の統計」では、一部の情報は法人税申告等を利用
している。
ビジネスレジスターについては、ビジネス・マスタ・ファイル(BMF:雇用主識
別番号の母集団ファイル)、法人税申告、雇用主四半期連邦税申告、農業雇用主年次
連邦税申告、企業の親会社と子会社の関連の情報、新雇用主識別番号ファイル、雇
用・賃金調査で収集された雇用主に関する産業分類データを利用している。
商務省センサス局において税務記録のデータを利用できるのは、内国歳入法典(合
衆国法典第26巻第6103条)において、商務長官の請求に基づきセンサス局の職員に対
し税務申告情報を開示できるとされていることによる。
○ カナダ
「労働・所得動態調査(パネル調査)」では、所得関係のデータは回答者の承諾の
下に報告徴収に代えて課税データを利用し、「貯蓄調査」も同様に、回答者の承諾
の下に報告徴収に代えて課税データを利用(申告者の約85%分が課税データ)してい
る。また、「月次製造業調査」では、サンプル対象の一部(約25%分)について、
統計モデルを使用し物品サービス税ファイルから出荷データを作成している。
「雇用所得及び勤務時間に関する調査」は、カナダ歳入庁から提供された給料支
払簿調査結果と給与控除の行政記録から作成し、「地域別所得調査」は、カナダ歳
入庁から提供されたデータから作成している。
カナダ統計局において行政記録を利用できるのは、統計法において、統計局が統
計目的で使用できるとされていることによる。
○ アイスランド
「人口統計」は、1952年に統計局が人口レジスターを整備して以来、年1回、1997
年以降は年3回集計している。また、「人口動態統計」も人口レジスターに基づい
て作成している。
「企業統計」は、内国歳入庁が維持管理する企業レジスター(4万6千企業を登録)
に基づいて作成している。
○ ノルウェー
「人口センサス」は、全市民が保有する個人身元証明番号を用い、様々な記録簿
からデータを収集し組み合わせて使用する方法により実施している。
ノルウェー統計局において行政記録を利用できるのは、統計法において、行政記
録を統計目的で使用できるとされていることによる。
ノルウェー統計局では、人口レジスター及び地上財産・住所・建物レジスターの
他、事業所・企業レジスターを整備しており、2002年現在で、36万企業、43万1500
事業所が登録されている。
2.ビジネスレジスターへの活用
○ イギリス
イ ギ リ ス 国 家 統 計 局 の ビ ジ ネ ス レ ジ ス タ ー ( I D B R (Inter Departmental
Business Register:省庁間ビジネスレジスター))は、国家統計局で実施しているレ
ジスター検証調査、年次雇用調査の結果情報の他、行政記録として付加価値税ファ
イル、所得税の源泉課税、税関、会社登記局の情報を利用している。
イギリス国家統計局において行政記録を利用できるのは、情報源であるVAT(付
加価値税)ファイルなどの存在根拠の法令に、IDBRに供給できるとされているこ
とによる。
ビジネスレジスターは、統計調査のためのフレームや統計分析のために利用され
ている。
○ フランス
フランス国立統計経済研究所(INSEE)は、他の行政機関の保有する行政記録を統計
作成の目的で使用する権限を与えられているほか、企業登録センター(Centre des
Formalite des Enterprises)に登録されている企業情報を基にして SIRENE(Systems
informatique pour le repertoire des enterprises et de leur establissement
s)と呼ばれるビジネスレジスターを整備し提供している。
行政記録の統計化の例としては、社会保障に関する行政記録(労働異動申告
Declaration mensuelles de mouvements de main-d’oeuvre)に基づいて、月次及び
四半期の雇用者数の統計が作成されている。また、年次社会保障申告(Declaration
annuelle de donnees socials)に基づいて、産業別の給与統計が作成されている。
これらは、INSEE が労働省と共同で行っている。このほかにも様々な統計が行政記
録から作成されている。
SIRENE は、省庁間で共同で使用されるビジネスレジスターであり、標本調査の共
通のサンプリングフレーム、企業構造の分析、企業の産業分類の特定などの目的で
使用される。SIRENE を用いることにより、統計調査による回答負担の軽減が図られ
ている。
その主な情報源は企業登録センターに企業から提出される届出の情報である。フラ
ンスでは、1981 年以来、企業がその変動情報(設立、廃止、変更など)を随時届け出
るワンストップサービスの仕組みを設けており、同センターに届け出られた情報は、
情報の項目ごとに関係する行政機関に伝達されることとされている。
INSEE は、同センターから必要な情報を受領し、ビジネスレジスターの整備に使用
している。SIRENE の情報源としては、このほかにも、年次社会保障申告、労働異動
申告、雇主による失業保険納付申告、INSEE の実施する企業調査などの情報が使用さ
れている。
○ ドイツ
ビジネスレジスターは、各種統計調査や識別番号に関する調査等の他、行政記録
として税務、社会保障、商工会議所、手工業会議所の各レジスターを利用している。
州(16州)ごとにビジネスレジスターを整備しており、1年に1度連邦統計局に転
送し、ドイツ全体のビジネスレジスターを維持している。
ドイツ連邦統計局において行政記録を利用できるのは、EU規則(他のEU加盟国
と同様)、連邦統計法及びビジネスレジスターに行政記録の情報を提供することを可
能にした法律に基づいている。
○ フィンランド
フィンランド統計局のビジネスレジスターは、各種統計調査や税務情報ファイル
(行政記録)を補うための調査の他、行政記録として「顧客(Customer)データベー
ス」、「賃金・給料ファイル(PAYE)」、「付加価値税ファイル」、「取引税データベー
ス」の4種類の税務情報ファイルを利用し、24万8千企業、27万6千事業所の基礎
情報を登録している。
フィンランド統計局において行政記録を利用できるのは、統計法において、国の
行政機関に対し統計局に対するデータ提供の義務(安全保障上、国防上の秘密情報を
除く)を課していることによる。
統計への利用(例えば、家計収入データの95%)は、別の様々なレジスター(登録
簿)から得ている。総合的な人口及び住宅センサスは、ほとんど完全に登録データに
依拠している。
○ スイス
スイス連邦統計局のビジネスレジスターは、企業・事業所センサス、新設単位に
関するレジスター調査、企業に対する各種統計調査等の他、商業会議所の商業レジ
スター、付加価値税レジスター等の行政記録を利用している。
スイス連邦統計局において行政記録を利用できるのは、連邦統計法において、連
邦統計局が統計作成のために行政記録を利用できるとされていることによる。
○ イタリア
イタリア国家統計局のビジネスレジスターは、10年ごとに実施する経済センサス
及びその中間センサスの他、行政記録では、税務、企業とその場所的単位、社会保
障、労働事故保険、電力委員会の電気使用者の各レジスターを利用している。
イタリア国家統計局において行政記録を利用できるのは、1989年に制定された国
家統計システムに関する法令において、国家統計局が統計作成のために行政記録を
利用できるとされていることによる。
○ オーストラリア
オーストラリアでは、統計作成に様々な行政記録が活用されている。主なものとし
ては、①企業対象の税務データ、②通関データ、③金融機関のデータ、④出入国に
関するデータ、⑤出生・死亡・婚姻に関するデータ、⑥届出のあった犯罪に関するデ
ータ、⑦裁判所のデータ、などがある。経済統計に関しては、①の税務データの果
たす役割が非常に大きい。
オーストラリアでは、1999 年に税制が改正され、国内の企業には統一番号が付与
されるとともに、企業の登録情報のうち公開可能なものについてはオーストラリア・
ビジネスレジスター(Australian Business Register)として国税庁からインター
ネ ッ ト 上 に 公 開 さ れ る こ と と な っ た 。 ( 現 在 す で に
http://www.abr.business.gov.au/のサイトにて公開中。)オーストラリア統計局で
は、この公開情報のほかに、統計作成のために必要な情報も併せて提供を受け、そ
の情報や他の情報を基に統計用ビジネスレジスターを作成し、企業に関する標本調
査のフレーム、企業・事業所に関する統計の作成・補完などに使用している。
統計用ビジネスレジスターの具体的な利用例としては、①「年次産業統計」
( Annual Industry Statisitcs ) 、 ② 企 業 縦 断 デ ー タ ベ ー ス ( Business
Longitudinal Data Base)、③中小企業に対する調査における調査事項の補完、な
どがある。このほか、事業活動申告(Business Activity Statements)という行政
記録を統計調査の設計に活用しており、それによって月次小売業調査の標本数を約
30%減らすことが可能となった。税務情報などの行政記録を統計作成に活用するこ
とにより、過去 10 年間で調査への回答負担が約 40%縮減された。
○ オランダ
オランダ中央統計局のビジネスレジスターは、中央統計局で実施する統計調査等
の結果情報の他、商工会議所の営業レジスター(法人化されていない農場(主)、自由
業者、政府機関を除いた全ての企業が登録)、社会保障委員会所有のファイルから政
府機関を含む雇用者数情報を利用し、税務関係ファイルも利用する予定となってい
る。
オランダ中央統計局において行政記録を利用できるのは、統計法において、中央
統計局が公的機関が保持している行政情報を統計目的で使用できるとされているこ
とによる。
○ スウェーデン
ビジネスレジスターは、①付加価値税のための登録、②雇用主の登録、③企業主、
付加価値税が免除されている活動において事業税のための登録、のいずれかの登録
をした者について、2004年現在で87万企業、94万5千事業所を登録している。
個人情報・企業情報等をレジスターシステムのなかに登録することによりデータバ
ンクを編成し、統計を作成している。
ビジネスレジスターの他、人口レジスター、職業レジスター、不動産レジスター
を整備している。
○ デンマーク
ビジネスレジスターは、税務当局が整備を行っている。
1979年のデンマーク公共機関レジスター法により、企業・事業所のレジスター、
中央人口のレジスター、建物・住宅の中央レジスターを共通識別番号で相互に結び
つけて運用している。
これらによって「人口統計」、「付加価値税による生産金額等の統計」、「家計
所得統計」を作成しており、1975年の人口・住宅センサスが中止されて以後、人口
及び住宅に関する統計はレジスターベースで作成しているなど、ほとんどすべての
社会経済統計を行政記録から作成できるような統計制度になっている。
参考2-4
統計目的のためのビジネス・レジスター構築における共同体の調整に関する
1993 年 7 月 22 日付け理事会規則(EEC) No.2186/93【抜粋】(未定稿)
第1条 目的(略)
第2条 定義(略)
第3条 範囲(略)
第4条 登録事項(略)
第5条 更新(略)
第6条 情報へのアクセス(略)
第7条 行政的あるいは法的登録へのアクセス
各国の統計機関は、当該領土上で作成される行政ないし法的ファイルに含まれるこの
規則に関わる情報を、統計目的のために各国の法令が定める条件に従い収集する権限を
有するものとする。
第8条 実施規則(略)
第9条 手続き(略)
(以下略)
付属書Ⅱ
識別番号と登録記載事項
第1項 法的単位の登録には、下記の情報を含むものとする。
(a)識別番号
(b)名称、所在地(郵便コードを含む)。任意記載事項:電話番号、電子メール、fax
番号およびテレックス宛名
(c)法的単位にとっての年次決算公刊義務の有無
(d)法人格取得日あるいは経営者としての自然人の公的承認日
(e)法的単位が企業に対して法的責任を停止した日
(f)単位の法的形態
(g)法的単位を管理する自然人を以外の非居住の法的単位の名称および所在地(任
意記載)
(h)法的単位 を管理する登録中の法的単位の識別番号(任意記載)
(i)法的単位が、欧州委員会命令 80/723/EEC(1)にいう「公的企業」的性格を持つかど
うか(法人のみ)
(j)税関ファイルを含め、法的単位が記録されかつ統計目的で使用できる情報を含む
他の関連するファイルへの照合情報
(k)加盟国の間の貿易に関する統計についての 1991 年 11 月 7 日付け理事会規則
(EEC)No 3330/91(2)に従って作成された域内事業者登録に対する照合情報
第2項 地域的単位についての記録は以下の情報を含むものとする。
(a)識別番号
(b)名称、所在地および本付属書第 1 項(b)に記載されたその他の識別情報
(c)NACE(EU の経済活動に関する一般的な産業分類) Rev.1 の 4 桁分類(レベル)の
事業コード
(d)副次的事業がある場合には、NACE Rev.1 の 4 桁分類(任意記載)
(e)本付属書第3項(e)記載の労働力の規模
(f)(c)で与えられているコードでの活動開始日
(g)活動の最終停止日
(h)地域コード(地方単位)
(i)地域的単位が掲載されしかも統計目的で利用可能な情報を含む関連登録に対する
照合情報
(j)地域的単位が属する企業登録識別番号
(k)地域的単位において所属する企業の補助的事業活動の有無
第3項 企業についての記録は以下の情報を含むものとする。
(a)識別番号
(b)企業に対して法的に責任を負う各地域的単位の識別番号
(c)企業の主たる事業あるいは全事業に該当する NACE Rev.1 の4桁分類(レベル)の
事業コード
(d)副次的事業がそれぞれ要素価格で総付加価値の 10%に達するかあるいはこの種の
一国の活動の 5%を超える場合、NACE Rev.1 の 4 桁分類。この点は、調査対象企業の
み。
(e)従業者数による企業規模。あるいはそれが得られない場合は従事者数による以下
の規模区分の一つ
0;1;2;3~4;5~9;10~19;20~49;50~99;100~149;150~199;200~249;
250~499;500~999;1000;1000 以上(1000 人単位で記載)
(f)企業の活動開始日
(g)企業活動の最終的停止日
(h)財貨およびサービスの純取引高(金融仲介業者を除く)。それが得られない場合
には、以下の規模区分(単位 100 万ユーロ)による。
[0,1];[1,2];[2,4];[4,5];[5,10];[10,20];[20,40];[40,50
[50,100];[100,200];[200,500];[500,1000];[1000,5000];[5000 以上]
(取引高が 200 万ユーロ以下については任意記載)
(i)純資産高(資産から減価償却マイナス負債を控除したもの-金融仲介業者だけは
任意記載)
(出典;「イギリスにおけるビジネス・レジスターについて」森博美 2004年10月)
参考2-5
行政記録を統計に用いている根拠、活用概要の例
1.統計としての活用
(1) 行政記録を集計することにより、個々の対象への調査を行わず行政記録のみから
統計を作成。
(調査統計の抑制)
例: 総務省の住民基本台帳人口移動報告においては、
「住民基本台帳」の転入者の
情報を活用することにより作成。
① 根拠:
「住民基本台帳法」
(資料の提供)
第三十七条
国の行政機関又は都道府県知事は、それぞれの所掌事務について必要があると
きは、市町村長に対し、住民基本台帳に記録されている事項に関して資料の提供
を求めることができる。
2 国の行政機関は、その所掌事務について必要があるときは、都道府県知事に
対し、保存期間に係る本人確認情報に関して資料の提供を求めることができる。
② 活用概要
「住民基本台帳人口移動報告」(総務省)
ア) 目的
市町村長が作成する住民基本台帳により、人口の移動状況を明らかにするこ
とを目的とする。
イ) データの作成方法
次の事項に係る月別のデータについて、都道府県知事から住民基本台帳ネッ
トワークシステムにより、毎月提供を受けて作成。
なお、住民基本台帳ネットワークシステムに接続していない市町村長からは、
都道府県知事を経由して毎月報告を受けて作成。
・ 届出のあった転入者に係る住所(市区町村コード)、性別、変更情報(異動
事由、異動年月)
・ 職権で住民票に記載された転入者に係る住所(市区町村コード)、性別、変
更情報(異動事由、異動年月)
(2) 行政記録から得られる項目と調査統計の結果を合わせることにより統計を作成。
(調査項目の代替、補完)
例: 国土交通省の土地基本調査の実施に際し、統計審議会諮問第253号の答申
(平成10年)において、今後の課題として、土地基本調査の付帯調査である法人
建物調査について、行政記録である固定資産課税台帳(家屋課税台帳)の利用に
よる必要な情報の捕捉について、調査実施者及び関係機関の間で十分検討する
必要があるとされた。
なお、台帳を閲覧するためには、調査対象から個別に委任状を取得する必要
があること等から、平成15年調査時は用いていない。
例: 経済センサス(仮称)
今後、報告者負担軽減方策として検討することとしている。
2.母集団名簿としての活用
(1) 行政記録そのものを母集団とした調査統計の実施
例: 社会保険庁の国民年金被保険者実態調査においては、
「国民年金現存被保険者
ファイル」を名簿として活用し、抽出調査を実施。
① 根拠:
「国民年金法」
(統計調査)
第百八条の三
社会保険庁長官は、第一条の目的を達成するため、被保険者若しくは被保険者
であつた者又は受給権者に係る保険料の納付に関する実態その他の厚生労働省
令で定める事項に関し必要な統計調査を行うものとする。
2 社会保険庁長官は、前項に規定する統計調査に関し必要があると認めるとき
は、官公署に対し、必要な情報の提供を求めることができる。
3 前項の規定により情報の提供を求めるに当たつては、被調査者を識別するこ
とができない方法による情報の提供を求めるものとする。
「国民年金法施行規則」
(法第百八条の三第一項に規定する厚生労働省令で定める事項)
第九十六条
法第百八条の三第一項に規定する厚生労働省令で定める事項は、次のとおりと
する。
一 第一号被保険者(第一号被保険者であつた者を含む。
以下この条において同
じ。)及び当該第一号被保険者の属する世帯の他の世帯員にあつては、次に掲
げる事項
イ 就業及び就学の状況
ロ 保険料の納付状況
ハ 医療保険制度の加入状況及びその保険料の納付状況
ニ 資産及び所得の状況
ホ 公的年金制度に関する意識
二 老齢福祉年金及び法第三十条の四の規定による障害基礎年金の受給権者並
びに当該受給権者の配偶者及び扶養義務者にあつては、所得の状況
三 国民生活基礎調査規則(昭和六十一年厚生省令第三十九号)第五条に規定す
る調査世帯の世帯員にあつては、次に掲げる事項
イ 就業及び就学の状況
ロ 被保険者の資格及び公的年金給付等の受給状況
ハ 医療保険制度の加入状況
ニ 公的年金制度に関する意識
四 その他前三号に関連する事項
② 活用概要
「平成14年国民年金被保険者実態調査」(社会保険庁)
ア) 調査の目的
国民年金第1号被保険者について、保険料納付状況ごとにその実態を明らか
にし、被保険者の収入、被保険者の国民年金に対する意識、保険料未納の理由
など今後の国民年金事業運営に必要な資料を得ることを目的とする。
イ) 調査対象
平成14年3月末現在の国民年金第1号被保険者(任意加入被保険者は含まな
い)及びその属する世帯。ただし、平成14年4月又は5月に資格喪失した者、外
国人、法定免除者、転出による住所不明者を除く。
なお、調査対象となる第1号被保険者は、1,792万3千人である。
ウ) 調査客体
国民年金現存被保険者ファイルから無作為抽出した第1号被保険者約11万人
エ) 抽出方法
保険料納付区分、年齢区分、地域区分により層別抽出。
オ) 調査の種類及び調査方法
・ 郵送調査
社会保険庁から調査客体に対して調査票を郵送し、郵送で回収。
・ 所得等調査
調査客体について、市区町村民税課税台帳及び国民健康保険料(税)賦課台
帳から市区町村職員(国民年金事務担当者)が必要事項を所得等調査票に転記。
・ 免除・学生納付特例調査
調査客体のうち免除者・学生納付特例者について、社会保険事務所におい
て、免除申請書及び学生納付特例申請書の内容を免除調査票に記入。
カ) 調査時期
平成14年10月から12月
(2) 調査統計結果とともに用いて、名簿情報を逐次更新し、共同利用可能な母集団情
報を整備することによる重複調査の削減や未整備分野の統計調査の実施。
例: 事業所・企業データベース
調査統計の重複是正、共同利用可能な母集団情報の管理を目的として調査統
計を用い整備。引き続き行政記録の活用を検討中。
例: 経済センサス(仮称)
全産業分野の経済活動を同一時点で網羅的に把握できる調査統計として、実
施に向けた検討をしており、名簿整備において行政記録を活用することとして
いる。
参考2-6
制度的な制約がある場合の例
専ら他府省での利用ができない場合(自府省内であっても統計部局での利用ができな
い場合を含む)。
○ 法人税の確定申告に係る情報
「法人税法」
第百六十三条
法人税の調査に関する事務に従事している者又は従事していた者が、その事務
に関して知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用したときは、これを二年以下
の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
○ 所得税の確定申告に係る情報
「所得税法」
第二百四十三条
所得税に関する調査に関する事務に従事している者又は従事していた者が、そ
の事務に関して知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用したときは、これを二
年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
○ 地方税に係る情報
「地方税法」
(秘密漏えいに関する罪)
第二十二条
地方税に関する調査に関する事務に従事している者又は従事していた者は、そ
の事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は窃用した場合においては、二年以下
の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
※ ただし、固定資産台帳(土地課税台帳、土地補充課税台帳、家屋課税台帳、家屋
補充課税台帳及び償却資産課税台帳の総称)については、閲覧することは可能。
「地方税法」
(固定資産課税台帳の閲覧)
第三百八十二条の二
市町村長は、納税義務者その他の政令で定める者の求めに応じ、固定資産課
税台帳のうちこれらの者に係る固定資産として政令で定めるものに関する事項
が記載(当該固定資産課税台帳の備付けが第三百八十条第二項の規定により電
磁的記録の備付けをもつて行われている場合にあつては、記録。次項、次条及
び第三百九十四条において同じ。
)をされている部分又はその写し(当該固定資
産課税台帳の備付けが第三百八十条第二項の規定により電磁的記録の備付けを
もつて行われている場合にあつては、当該固定資産課税台帳に記録をされてい
る事項を記載した書類。次項及び第三百八十七条第三項において同じ。
)をこれ
らの者の閲覧に供しなければならない。
2 市町村長は、
前項の規定により固定資産課税台帳又はその写しを閲覧に供
する場合においては、固定資産課税台帳に記載をされている事項を映像面に表
示して閲覧に供することができる。
○ 公務員の守秘義務
「国家公務員法」
(秘密を守る義務)
第百条
職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた
後といえども同様とする。
2 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表するに
は、所轄庁の長(退職者については、その退職した官職又はこれに相当する官職
の所轄庁の長)の許可を要する。
3 前項の許可は、法律又は政令の定める条件及び手続に係る場合を除いては、
これを拒むことができない。
4 前三項の規定は、人事院で扱われる調査又は審理の際人事院から求められる
情報に関しては、これを適用しない。何人も、人事院の権限によつて行われる調
査又は審理に際して、秘密の又は公表を制限された情報を陳述し又は証言するこ
とを人事院から求められた場合には、何人からも許可を受ける必要がない。人事
院が正式に要求した情報について、人事院に対して、陳述及び証言を行わなかつ
た者は、この法律の罰則の適用を受けなければならない。
「地方公務員法」
(秘密を守る義務)
第三十四条
職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、ま
た、同様とする。
2 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場
合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当す
る職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。
3 前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。
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