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Measures against Casting Defect of Cast Irons

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Measures against Casting Defect of Cast Irons
鋳鉄鋳物の不良対策
張 博 ㈲ 張技術事務所
鋳鉄は黒鉛を多量に含有することで他の鋳造材料と異なり、黒鉛晶出の難易(黒鉛化かチル化)、
晶出黒鉛の形態と量などによって、鋳造欠陥の発生状況が大幅に変わる。特に、溶解材料の良否
そして溶解方法それに溶湯処理などによって不良の発生率に大きな差が現れる。もちろん、用い
る鋳型や中子によっても、また鋳込み条件(鋳込み温度、鋳込み速度)などで鋳造欠陥の発生度
合いが大きく変化する。すなわち、鋳造欠陥は造型(鋳型、中子)、注湯(温度、速度)そして凝
固などの条件に左右されるのである。
ここでは、鋳鉄の鋳造欠陥について、造型、注湯、凝固に関わるもの、また最近の材質上の興味
深いいくつかの問題点をとりあげ、その発生要因と防止対策について解説した。
1.緒言
「鋳物ほど正直なものは無い、理屈通りに出来る
病気の誤診で間違った薬を投与すれば、治療費が余
ものである。」とはこの道 50 年一生涯を鋳物に捧げ
分にかかるだけでなく死に追いやることさえ起きう
た人の究極の言葉である。しかしながら、鋳物がで
るのである。したがって、当該の鋳造欠陥に対し、
きるまでには、その設計 - 模型 - 鋳型(鋳造方案
何よりも的確な診断(欠陥の定義)が必要である。
による)- 溶解 - 鋳込み、その他の工程がある。こ
国際鋳物欠陥分類図集 1)に鋳造欠陥の分類がなさ
のような広範囲の各工程において、それぞれの対策
れている。これによれば、外観的分類として、① 鋳
が用意周到かつ綿密に立てられなければならない。
張り、出っ張り、② 巣、③ 割れ、④ 鋳肌不良、⑤ 湯
実際、現場で昨日完全にできた鋳物が必ずしも今日
回り不良、形状不完全、⑥ 寸法不良、形状不良、⑦
も完全にできるとは保証できないくらいである。
介在物・材質不均一の 7 種類に分けられている。こ
鋳造工場で発生する鋳造欠陥は鋳物の製造コスト
の鋳物欠陥図解集の発行は比較的古く(1975 年)、
を上昇させるだけでなく、現在、ユーザから最も要
その後の鋳型や鋳造材料の開発による新たな鋳造欠
求されている納期厳守に対応できない結果をもたら
陥は含まれていない。したがって、図解集に該当し
す。コストの低減と高品質の鋳物が強く要求される
ない鋳造欠陥に対しては明確に定義されないものも
今日では、鋳造欠陥の低減は極めて重要な課題であ
少なくないので、新しい鋳造欠陥図解集の編纂が望
る。鋳造欠陥はその発生した状態から、比較的簡単な
まれる。ここでは、鋳鉄鋳物の鋳造欠陥について一
現象のように見え、その対策も色々採られるが、一
般的に多く出現する鋳造欠陥とともに鋳鉄特有の鋳
向になくならない場合が実に多い。比喩的にいえば、
造欠陥の特徴とその原因、対策について述べる。
2.鋳鉄鋳物の鋳造欠陥とその特徴、防止対策
鋳鉄は黒鉛を多量に含有することで他の鋳造材料
出黒鉛の形態と量などによって、鋳造欠陥の発生状
と異なり、黒鉛晶出の難易(黒鉛化かチル化)、晶
況が大幅に変わる。特に、溶解材料の良否そして溶
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解方法それに溶湯処理などによって不良の発生率に
大きな差が現れる。もちろん、用いる鋳型や中子に
よっても、また鋳込み条件(鋳込み温度、鋳込み速度)
などで鋳造欠陥の発生度合いが大きく変化する。す
なわち、鋳造欠陥は造型(鋳型、中子)、注湯(温度、
速度)そして凝固などの条件に左右されるのである。
堰下に発生
堰下に発生
ここでは、鋳鉄の鋳造欠陥について、造型に関し
てはしぼられ、生型でのピンホール、石炭粉の S に
よる FCD の黒鉛球状化阻害、フラン鋳型での FC
の吹き寄せ欠陥、FCD の黒鉛球状化阻害、そして、
その他にシェル中子による N 欠陥、発熱および保温
スリーブ使用での鋳物砂の汚染による吹かれといわ
ゆる「魚の目」欠陥などについて説明する。
注湯に関係した欠陥としては湯口方案上の問題で
鋳物底面部に発生
冷し金の周囲に発生
冷し金の周囲に発生 鋳物底面部に発生 あるが湯回り不良、ガス欠陥と FCD のドロス欠陥
写真 1 各種の条件によるしぼられの発生例
について言及する。そして凝固に関わるものとして
は凝固形態の違いとして、FC については湧出(こ
2.1.2 ピンホール欠陥
ぶ)、差し込み(さし板)、熱間割れ、ひけ巣を、ま
ピンホール欠陥とはガス欠陥のうちで形状的に極
た FCD については点状巣、ひけ巣そして逆チルな
小さく、針で突っついたようなものを指していうよう
どをとりあげる。さらに、鋳鉄の材質不良の問題と
であるが、主に生型で鋳造された鋳物の底部に見出
して、FC の異常黒鉛(厚肉鋳物における粗大片状
されるもので,正に針で突っついたような穴欠陥で
黒鉛をも含む)による強度低下、FCD での異常黒鉛
ある。ピンホールの生成については色々異論がある
といわゆる板状(癖開)破面などについて述べる。
が、基本的には鋳型と溶湯の界面の問題で、鋳型砂
の水分が鋳物表面(底面部)に吸収された結果とし
2.1 造型に関係した鋳造欠陥
て生成するものであると思われる。したがって、鋳
① しぼられ(鋳物形状と堰の関係、冷し金と鋳型
型と溶湯の濡れ、すなわち溶湯の表面張力の低下が
砂の熱膨張率の違い)
大きく関係する 2)
(図 1)。表面張力の低下で、鋳型と
② 生型でのピンホール(鋳型と溶湯の界面反応、溶
よく濡れる(接触する)ことによって、鋳型の水分
湯酸化と混入元素による溶湯の表面張力の低下)
そして H ガスを吸収しやすくなり、ピンホールの発
③ 石炭粉の S による FCD の黒鉛球状化阻害
生が多くなると説明される。また、溶湯酸化で鋳型
④ フラン鋳型での FC の吹き寄せ欠陥(欠陥発生
への差し込みやピンホールが多くなるのも溶湯の表
の特徴 - 次頁 表 2 )
⑤ フラン鋳型での FCD の黒鉛球状化阻害
面張力の低下に起因する。これまで、Al 量が増すと
溶湯中への H ガスの吸収量が多くなり、その結果と
⑥ シェル中子による N 欠陥
⑦ 発熱および保温スリーブ使用での鋳物砂の汚染
による「吹かれ」と「魚の目」欠陥
FCD
FC
2.1.1 しぼられ
ピンホールなし
ピンホールあり
ピンホールなし
ピンホールあり
のと思われるが、その詳細は定かではない。ただし、
異形管などの管状の鋳物に対してサイド堰(押湯
ネックも同様)からの注湯では必ず、その直下に写
表面張力
まず、しぼられは鋳型砂の局部的な膨張に因るも
真 1 に見られるようなしぼられが生ずる。また、冷
し金を当てる場合にもその近傍において、しぼられ
がよく発生するが、これは注湯温度を下げることで
ある程度抑えられるようである。
アルミニウム[%]
図 1 Al による FC と FCD の表面張力の変化とピンホールの形成
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特集 鋳鉄品の鋳造欠陥現象の原因追求とその対策
してピンホールの生成が誘発されると一方的に説明
されていた 3)が、Al 量が増える(FCD で> 0.2%)と
逆にピンホール欠陥が発生しなくなる事実と全く矛
盾する。ピンホールの発生を助長する元素、例えば
Al,S,Mn,Te および Ti の作用も同様に表面張力
の関係から統一的に説明される。また、ピンホール
写真 3 シェル中子による N 欠陥例
対策として石炭粉の添加が効果的であるのは光輝(ラ
ストラス)カーボンによる還元性のガスフィルムの形
2.1.6 発熱および保温スリーブ使用での
成で溶湯と鋳型の接触が絶たれるからだと思われる。
「吹かれ」と「魚の目」欠陥(写真 4)
これまで、鋳物砂の汚染による鋳物の表面欠陥お
2.1.3 石炭粉の S による FCD の黒鉛球状化阻害
よび黒鉛球状化の崩れなどが発熱スリーブに深く関
石炭粉の添加は特に FCD のピンホールの抑制に
係することが指摘されていたが、そのメカニズムに
は効果的であるが、それによって鋳物砂中の S 量が
ついては未解決のままであった。
増加する(表 1 参照)ことで、鋳物表面部での黒鉛
ところが、最近アメリカの Ashland Inc. の研究報
の球状化阻害が生じる。この球状化阻害は時には比
告 4)によって、発熱スリーブに含まれるフッ化物が、
較的薄い板堰で流速が大きくなる場合に流れにそっ
いわゆる「魚の目」そして黒鉛の球状化の阻害の原因
て発生することもある(写真 2)。
であることが明らかにされた。発熱スリーブは次の
ようなテルミット反応による発熱を利用するが、その
表 1 各社の生砂の S 含有量
会社名
S 含有量(ppm)
SK 社
228.1
KT 社
673.9
TC 社
578.3
MC 社
466.2
KC 社
168.8
KK 社
236.5
際、助燃剤としてフッ化物が使われているのである。
2Al + Fe2O3 → Al2O3 + 2Fe + Heat
(Fluoride initiator/Flux + Heat)
また、未反応の鉄酸化物(FeO)が溶湯中の C と
反応して発生する CO ガスによって、鋳物表面に吹
かれが生じると思われる。
写真 2 板堰前の球状化不良
(いずれも 3 箇の平均値)
2.1.4 フラン鋳型での FC の吹き寄せ欠陥
フラン自硬性鋳型の FC の鋳造でよく発生する、
いわゆる吹き寄せ欠陥の発生については表 2 のとお
りである。
表 2 吹き寄せ欠陥発生の特徴
(1)ねずみ鋳鉄の厚肉で表面積の大きいものに発生し
やすい
(2)注湯温度が低いほど出やすい
(3)鋳込速度が遅いほど出やすい
(4)セラミックフィルタ(フォームタイプ)を使うと
発生し難くなる
(5)塗型材にベンガラ(Fe2O3)を添加すると発生し
難くなる
(6)遮断効果の良い塗型材の使用で発生を低減できる
写真 4 発熱スリーブに関係した砂の汚染による鋳造欠陥
(左:ふかれ、右:魚の目)
2.2 注湯に関係した鋳造欠陥
注湯に関係した鋳造欠陥として、ここでは湯口方
案に関係した、① 湯回り不良、② ガス欠陥、③ FC
のノロ欠陥、FCD のドロス欠陥について言及する。
2.2.1 湯回り不良
湯口系の設計で重要なことは、「静かに、速く」
を如何に厳守するかである。「静かに」は流速の問
題で、溶湯が乱流を起こさない条件としての臨界速
2.1.5 シェル中子による N 欠陥(写真 3)
度を越えないように鋳型内に入るようにすることで
シェル中子による N 欠陥対策としては N 源であ
ある。また、
「速く」は鋳型内の隅々にいわゆる「良
るヘキサメチレンテトラミン(ヘキサ)を減らした
い」溶湯をいかに速やかに行渡るようにするかを意
り、酸化鉄を添加するように指示するが強度的な問
味する。
題でなかなか実行されない。したがって、より効果
温度が極度に低下する箇所があれば、そこに湯境
的な方法はバリによって除去することである。
が生じることになる。
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図 2 は湯境不良の発生率が極めて高い FCD の鋳
が真っ先に挙げられる。写真 7(1)はセラミック・
物(バレル)についての湯流れ解析結果を示す。湯
フィルタを湯口カップ直下に使用するものの、ノロ
境不良位置が湯流れ解析結果での温度低下位置と良
噛み不良が 20% 以上発生していた。
く一致している。
そこで、その原因を探るために湯流れ解析を行っ
たところ、押湯の頂部からの流速が極めて大きく、
滝のように湯が落下することが明らかとなり、それ
が表面欠陥の発生に強く関係するものと思われた。
そのため、少しでも流速を抑え、湯が穏やかになる
べく写真 7(2)のようにフィルタを押湯頂部に移動
させたところ、不良率は 3 % 程にまで激減した。こ
のように、少しでも湯が静かに流れるようにセラ
温度低下部そして湯境箇所
図 2 湯境不良品に対する湯流れ解析結果
ミック・フィルタをできるだけ堰に近づけたり、非
加圧式の湯口系の採用によってノロ噛み欠陥それに
ドロス欠陥などの発生率が大幅に低下する。写真 7
(3)は押湯ネック部にセラミック・フィルタを使用
2.2.2 ガス欠陥
し内面部のノロ噛み欠陥を防止した例である。材質
ガス吹かれ不良の一例を写真 5 に示す。不良品は
は FC であるが押湯効果の面から粗めのフィルタが
左右両方の堰から溶湯が流入することで、中子から
望ましい。また、ひけ巣の発生の危険性から FCD
発生するガスが逃げ場を失ない、結果として吹かれ
にはこのような使用は避けた方がよい。
が発生すると説明される。一方、良品については片
方の堰から溶湯が入り、湯の先へ先へとガスが逃げ
やすくなることで、吹かれが発生し難いと思われる。
不良品
(1)表面欠陥多発のケーシング
(1)表面欠陥多発のケーシング
写真 7(1) 表面欠陥多発
のケーシング(FC250)
(1)表面欠陥多発のケーシング
(2)欠陥激減(湯流れ改善)
(2)欠陥激減(湯流れ改善)
写真 7(2) 欠陥激減
(湯流れ改善)
(2)欠陥激減(湯流れ改善)
良品
写真 5 ガスふかれ不良発生に対する湯口系の影響
2.2.3 FC のノロ欠陥、FCD のドロス欠陥
(3)押湯ネック部へのセラミック・フィルタの使用例
(3)押湯ネック部へのセラミック・フィルタの使用例
(3)押湯ネック部へのセラミック・フィルタの使用例
写真 7(3) 押湯ネック部へのセラミック・フィルタの使用例
鋳鉄で比較的発生率の高いのが、ノロ噛みそして
ドロス欠陥である(写真 6)。
2.3 凝固に関係した鋳造欠陥
もちろん、取鍋の汚れやスラグを形成しやすい添
凝固に関係した鋳造欠陥については、主に次の3
加剤の使用、低すぎる注湯温度などによっても、写
つの問題を採り上げる。
真 5 に示すような欠陥が多く発生するが、その発生
① FC でのこぶ(湧出)、さし板
要因としては湯口系の設計の問題点、すなわち上述
② FC での熱間割れ
したように「静かに、速く」が守られていないこと
③ FCD での点状巣、ひけ巣
2.3.1 FC でのこぶ(湧出)、さし板 FC での熱
間割れ
鋳鉄の凝固形式としては一般的に FC は表皮型凝
FCにおけるノロ欠陥
FCにおけるノロ欠陥
FCDにおけるドロス欠陥
FCDにおけるドロス欠陥
FC におけるノロ欠陥 FCD におけるドロス欠陥
写真 6 FC のノロ欠陥、FCD のドロス欠陥
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固、FCD はマッシー(かゆ状)凝固が基本であると
されている。図 3 は鋳物の表面と中心部でのいわゆ
る共晶凝固開始時間のずれ、t1 と中心部の共晶時間、
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特集 鋳鉄品の鋳造欠陥現象の原因追求とその対策
図 3 FC と FCD の凝固形式(マッシー度)の違い
t 2 の比、すなわち t2/t1 を CRF と定義し、CRF の
大きさで凝固のマッシー度を示している 5)。
FCD の CRF は 20 ∼ 30 と大きく、マッシー凝固
傾向が強いのに対し、FC のそれは 5 以下で表皮型
凝固であることが明らかである。この凝固様式の違
いが、鋳造欠陥にも反映してくるのである。生型で
鋳造した FCD で張り気傾向が強いこと。こぶ(湧出)
写真 10 FCD500 のシリンダの内部に発生した点状巣
(写真 8)、さし板欠陥は FC で発生しやすいが FCD
では起こらない。FC の P 含有量を増し、凝固様式
を表皮型からかゆ状に変更することで、こぶもフラ
ン自硬性鋳型などでの熱間割れ(写真 9)なども安
定してなくすことができるのである。
80
80 △CE = C% + 0.3 3Si%-4.3
70
70
60
Indication marks
Indication marks
60
No.6
50
No.1
40
30
y=103.4x- 41.3
No.4
20
No.5
10
No.2
0 No.3
0.4
こぶ
写真 8 FC におけるこぶ発生例
△CE : C% + 0.3 3Si%-4.3
T : Pouring temperature(℃)
0.5
0.6
0.7
0.8
|△CE|+ Mn %
0.9
1.0
No.6
50
No.1
40
y=102.6x- 901.8
30
No.4
20
No.5
10
No.2 No.7
0
No.3
8.8 8.9 9.0 9.1 9.2 9.3 9.4
|△CE|+ Mn(%)+ 6.2×10 -3 T(℃)
図 4 指示点数(点状巣の数)と (|△CE |+ Mn) 量 −3
{|△CE |+ Mn + 6.2 × 10 ×(鋳込温度℃)}
拡大
よりもミクロポロシティ、すなわちひけ巣とみなす
方が妥当と思われる。
実際、ミクロポロシティはオーステナイト粒間のミ
写真 9 少なすぎる P 含有量の鋳物(FC200)に発生した
熱間割れ クロ的最終凝固部に発生していると報告されている。
2.3.3 ひけ巣
2.3.2 FCD での点状巣
次に、主に FCD のひけ巣防止対策について述べる。
一方、FCD のかゆ状凝固に起因する鋳造欠陥とし
まず、ひけ巣はどのようにして発生するのか?
て、シリンダなどの内面によく見られる点状巣であ
るが、この点状巣をガス欠陥とみるか、それともひ
け巣とみるかの二つの見解がある。
(1)ひけ巣
一般的に鋳物の鋳造時に発生するひけ巣の発生機
写真 10 は FCD500 のシリンダの内部のカラーチェッ
構についてはいまだ明らかになっていない。ひけ巣
クによる点状巣の発生状況を示す。この点状巣は図 4
発生に関係する因子としては、大気中鋳造では大気
6)
からも明らかなように、Mn 量が低いほど、共晶組
圧と溶湯圧、凝固収縮に伴う溶湯補給のための溶湯
成に近いほど、そして鋳込温度が低いほど発生度合
の流動が挙げられる。凝固進行中の鋳物で押湯から
は低下する。したがって、点状巣は単なるガス欠陥
鋳物内部へ補給される溶湯の流れは、押湯に作用す
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る大気圧と押湯のもつ圧(ヘッド)とによって行われ、
て、ひけ巣傾向が小さくなることが期待される。事
これらの圧力はひけ巣発生の防止に効果のあること
実、ダクタイル鋳鉄については、鋳鋼や他の非鉄合
は明らかである。ひけ巣の大きさや形状はかなりま
金に比べ、ひけ巣防止のための押湯からの給湯が非
ちまちであるが、その発生箇所は、例外もあるが、
常に少ない。
ほとんどいわゆる熱中心部すなわちホットスポット
以上、ひけ巣の発生機構の検討から、ダクタイル
である。ひけ巣についても国際鋳物欠陥図集
でい
鋳鉄のひけ巣発生は次のようにまとめられる。① 凝
くつかに分類されているが、ひけ巣の中でやはり深
固時の黒鉛の晶出による自己溶湯補給性(いわゆる
刻なのはざく巣、ミクロポロシティ それに点状巣な
押湯効果)によってひけ巣傾向は小さい。② しかし
どの機械加工時に発見されたり、圧洩れの原因になる
ながら、溶湯性状(化学成分、炭化物安定化元素や
内部ひけ巣である。また、現場的には、生型で押湯
Pなどによる偏析)や製品形状によって黒鉛晶出に
がよく引けていない時の押湯ネック部のひけ巣、そ
よる凝固膨張が凝固収縮や熱的要因による溶湯圧低
してフランなどの有機自硬性鋳型では中途半端な大
下をうまく抑制できない場合にひけ巣が発生する。
きさの押湯(スリ−ブ)の付け根でのひけ巣の発生
③ また、オ−ステナイト樹枝状晶間を通じての溶湯
がよく見受けられる。したがって、ここでは主に内
補給が不完全になると樹枝状間の微細ひけ巣が発生
部ひけ巣がなぜ発生するかについて考えながら、そ
する。④ その他、上述したように、ひけ巣の発生が
の防止対策を検討する。
圧力低下に起因するガスによる微細空孔の形成と成
1)
長によるとすれば、中子や鋳型材料からの溶湯への
(2)ひけ巣の発生機構
ガス吸収はひけ巣発生の大きな要因の一つにもなる。
ひけ巣は非常に小さい 点状巣 になったり、大
きな空洞として現れたりして、その形状や大きさは
(3)ひけ巣防止対策
いろいろである。しかしながら、すべてのひけ巣は
1)溶湯性状
微細な空孔が成長したものと推測される 。そして、
性状の良い溶湯とは黒鉛化(溶湯からの黒鉛の晶
小さな空孔が比較的微細なひけ巣、さらには大きな
出)傾向の大きい溶湯を意味するが、その判定はな
ひけ巣へと成長するための駆動力は凝固収縮と溶解
かなか難しい。凝固時の溶湯の収縮、膨張の様相に
ガスである。したがって、ひけ巣発生には必ずこの
よる判断、熱分析による評価などが提案されている
凝固収縮と溶解ガスが同時に関係する。
が、現場への適用が依然として十分ではない。いず
溶湯中に半径 r の微細空孔が生成すると、外部か
れにしろ、ひけ巣が発生した製品と健全性の高い製
らは大気圧(PA)、静液圧(Ph)、そして表面張力
品との組織的な比較検討から、ひけ巣の発生し難い
による圧(PS)がかかってくる。空孔が成長するた
性状の良い溶湯を得る条件は次のとおりである。
めにはその内圧(Pi)が、
① いわゆる実質共晶(肉厚に順ずる)とし、でき
7)
るだけ高 C 低 Si とする。
Pi > PA + Ph + PS ・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(1)
となる必要がある。
② ベストな接種の励行。
空孔が極めて小さいと、PS が非常に大きくなる
③ 残留 Mg 量はできるだけ低く抑える。
(PS = 2T/r、T は表面張力、r は空孔の半径)ので、
④ P そして Mn,Cr,Mo,V などのような炭化
Pi はかなり大きくなくてはならない。ところが、実
物安定元素が少ないこと。
際には、凝固相の存在による PS の減少、温度低下
⑤ 溶解 O 量、溶解 N 量ができるだけ少ないこと。
並びにガス濃度の濃縮による Pi の増加、凝固収縮、
2)鋳込温度
溶湯流の抵抗、渦流などによる溶湯圧の低下によっ
図 5 9)は加圧押湯方案による鋳物のモジュラス
て式(1)の条件は満たされ、微細空孔は成長する。
(Ms)と押湯ネックのモジュラス(Mn)の関係を
この溶湯圧の低下は熱的要因によっても生じること
が報告されている 8)。つまり、ひけ巣の発生は溶湯
中に生成する空孔内の圧力が外圧より大きくなれば
15
大気圧を増すことで微細空孔が成長し難くなるこ
と、または圧力によって樹枝状晶間給湯が比較的容
易になったということで説明される。そして、外部
圧がひけ巣防止に有効であるとすれば、ダクタイル
鋳鉄の場合、凝固時の黒鉛晶出による膨張圧によっ
26
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Ms. mm.
なるほど起こり易いということである。外部圧がひ
け巣防止に有効であることは式(1)で PA すなわち、
Tp℃
1,500
1,450
1,400
1,350
1,300
20
10
5
0
5
10
15
Ms. mm.
20
25
30
図 5 加圧押湯方案による鋳物のモジュラス(Ms)と押湯ネックの
モジュラス(Mn)の関係 Vol.53(2012)No.6
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特集 鋳鉄品の鋳造欠陥現象の原因追求とその対策
示す。肉厚が 20mm 以下では鋳込温度が高い方が、
そして肉厚 20mm 以上の鋳物については、逆に低
い方がひけ巣に対しては良い。押湯無し方案では
1,613K(1,340℃)以下とされている。
3)鋳造方案
きい)ものほど、その傾向が強い。
③ そこで、無押湯方案の適用是非の目安として、
次のような条件を設定した。
押湯なしの条件 M ≦ 3cm I > 0.5cm
M > 3cm F ≦ 6
凝固時の黒鉛晶出による溶湯の膨張圧力の利用が
ひけ巣防止に有効といっても、凝固時間が短く黒鉛
ここで、M はモジュラス:{鋳物の体積/冷却面
の晶出が十分でない小物や、鋳型壁の移動のある生
積(鋳型との接触面積)}、F は形状係数:{(鋳物の
型では通常、溶湯補給が必要となる。そして、この場
長さ+鋳物の幅)/鋳物の厚さ}、I は無押湯安全指
合に重要なことは押湯からの確実な溶湯補給である。
標:M/F。
写真 11 は溶湯補給が不十分で押湯ネック部にひ
け巣が発生したプーリである。そして、写真 12 は
このように、ダクタイル鋳鉄鋳物のひけ巣傾向が
いわゆるテーパ押湯による改善例である。テ−パ押
その形状に大きく影響されることについては、その
湯でも鋳込温度が低すぎたり、鋳込速度が遅すぎる
後、吉田 10)らや菅野 11)らによっても報告されている。
ことで押湯頂部が十分ひけない時には同じように押
ただし、単純な形状についての I による判定は容
湯ネックなどにひけ巣が現れる。
易であるが、より複雑な形状に対する適用が難しい。
最近では、ひけ巣の予測を凝固シミュレーションに
よって行うケースが多くなってきたが、実際の結果
とはなかなか一致していない。いずれにせよ、I は
ひけ巣の原因となる溶湯圧の低下をもたらす熱的要
因を反映したものと思われる。
形状的に無押湯方案が適用できないものについて
は従来の指向性凝固を確保することが一般的である
写真 11 不適切な押湯による
ネック部 のひけ巣
写真 12 テーパ押湯による
健全なプーリ
が、それよりも凝固の際のガスによる微細空孔の形
成と成長を助長し、ひけ巣をもたらす圧力低下を抑
えるように熱コントロールする方が望ましい。指向
テーパ押湯の効果はいわゆる指向性凝固の確保で
性凝固確保のため使用される発熱スリーブなども、
はなく、あくまでも溶湯補給である。M が小さく比
ある意味では熱コントロールの働きをしているとみ
較的重量のつかないダクタイル鋳鉄品を鋳型強度が強
なされる。ところで、熱コントロールとして最も
いということでフラン鋳型で鋳造した場合、押湯がひ
効果的なものはチラーであり、鋼、鋳物(FC 及び
けない代わりに製品部にひけ巣を経験することが少な
FCD)そして黒鉛、カーボンレンガなどが使われて
くない。つまり、ひけ巣防止に対して凝固初期の溶湯
いる。これまでチラーの使用目的としては、
補給が非常に重要であることを示唆している。
① 局部的厚肉部、厚肉交差部などで押湯から給湯
これに対し、溶湯成分的にも肉厚的にも黒鉛の晶
できない箇所を強制的に冷却して、ひけ巣及び
出が十分期待でき、しかも鋳型強度が極めて強く、
これに伴う欠陥の発生を防止する。
そして凝固膨張量が収縮量を上回る場合には溶湯補
② 押湯の有効距離外に当て、押湯の給湯を補助する。
給は必要ないと予想される。事実、押湯をつけず凝
特にダクタイル鋳鉄鋳物に対しては
固膨張による自己溶湯補給によってひけ巣のないダ
③ 凝固時間短縮による球状黒鉛粒数の増加と、厚
クタイル鋳鉄鋳物の製造が可能であり、これがいわ
ゆる無押湯方案である。無押湯方案はこれまでMが
2 cm 以上の厚肉のものについては容易に適用できる
肉鋳物での黒鉛組織の改善。
④ フラン鋳型での厚肉鋳物の表面部(主に底部)
における黒鉛球状化阻害の防止。
とされ広く普及されてきたが、肉厚変動の著しい複
などが挙げられる。
雑形状のものはもちろんのこと、形状が単純でも板
通 常 は 当 て る セ グ メ ン ト の 肉 厚 に 対 し て 60 ∼
状のダクタイル鋳鉄鋳物では内部ひけ巣発生傾向の
80%の肉厚のチラーが用いられる。ただし、その肉
大きくなることが明らかになってきた。
厚の上限をチラーの効果の検討から 100mm である
① Mが大きい場合(> 2.5cm)でもひけ巣傾向の
との報告 12)もあるが、少なくともチラーが自己焼鈍
大きくなることがある。
可能な温度まで到達することが必要である。また、
② そして、それは溶湯性状にもよる(特にP含有
通常は鋳物の下部に当てた方が有利となるが上部に
量が多い場合)が板っぽい(形状係数、Fが大
当てるケースも多く、またその方がむしろ効果的な
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ようである。ところで、チラーを当てることによっ
写真 13 は板状破面の特徴を示す。
て確かに問題となる箇所のひけ巣はなくなるが、ひ
板状破面の特徴は、① 球状黒鉛がオーステナイト
け巣の全くない健全な鋳物の製造にあたってはその
樹枝状晶に沿って整列していること。② 樹枝状晶部
効果についての十分な検討が重要である。何故なら
での Si の偏析が顕著である。③ 板状破面が生じる
ば、チラーの当て方によっては形状係数を大きくし、
ところは極めて脆いなどである。
鋳物をひけ巣の出やすい形状に変えてしまうことに
要するに、板状破面の最大の特徴がオーステナイ
もなるからである。それとは逆に、ひけ巣の出やす
ト樹枝状晶にあることから、その発生防止は接種効
い形状の鋳物に対してチラーを当てて、無押湯安全
果の改善で球状黒鉛の晶出すなわち黒鉛化を促進す
指標が大きい、いくつかのセグメントに形状変更す
ることである。ある意味では板状破面が現れること
る方法でひけ巣の発生を抑制できるはずである。
は接種の改善の必要を示す一種のバロメータである
ところで、チラーを使用する場合、錆や湿気によ
ともいえる。
るキライがよく発生することがあるが、その防止対
策としてチラーに銀粉(木型用離型剤)を塗ったり、
熱風乾燥が効果的である。
このように、ひけ巣についてはその根源となるガ
ス発生を引き起こす凝固収縮、鋳型壁の移動、樹枝
状晶間での流動による損失、そして熱的要因などに
よる溶湯圧の低下を抑えることが必要である。
SEM
C
Fe
Si
Al
Mg
板状破面
2.4 材質(組織)に関係した不良
最後に、材質に関連した不良として ① 逆チル、②
板状破面、③ 異常黒鉛組織、④ ボロン(B)による高
球状黒鉛の整列
強度 FCD の硬度低下について検討する。
2.4.1 逆チル
写真 13 FCD の板状破面の特徴
2.4.3 チャンキー黒鉛
逆チルは鋳物の端面ではなく、中心部に炭化物が
写真 14 はチャンキー黒鉛が生成した FCD の切断
発生する不良であるが、厚肉の鋳物では専ら Mn や
面である。中心部の少し黒ずんだ箇所は写真 15 のよ
Cr それに Mo などのような炭化物を形成しやすい元
うなチャンキー黒鉛組織になっており、この部分で
素などの最終凝固部での偏析によるものである。こ
は機械的性質の劣化、特に伸びの低下が著しい。使
れに対して、自動車部品などのように比較的肉薄の
用時の機械や金型でのドリル加工でのドリルの破損
鋳物での逆チルはそのような偏析に因るものではな
の原因になる。チャンキー黒鉛の生成機構について
い。現に逆チル部での偏析を調査しても何ら特別の
は明確ではないが、過剰な Ce によるとか、Ca や Ni、
元素が検出されるわけでもない。ところで、肉厚が
そして過剰な Si 添加による異常な黒鉛化の進む場合
15 ∼ 20 mm ぐらいのものに逆チルが多く発生するの
に生成しやすいこと、そしてチャンキー黒鉛の生成
は凝固した両端部がチルプレートの作用をして中心
防止には、元来、黒鉛の球状化を阻害する代表的な
部の残融液を急冷するためであると説明される。し
元素、特に Sb の添加が有効的である。この場合、チャ
たがって、急冷によるチル防止としては何よりも接
ンキー黒鉛の生成を抑制するだけでなく厚肉部での
種効果の改善が必要なわけで、逆チル対策も鋳型内
球状黒鉛の微細化が得られることもある(写真 16)
。
接種などの最善の接種が不可避である
2.4.2 板状波面
通常、フェライト系の FCD の堰折でよく経験す
る板状破面は堰折を容易にするので、不良という
よりも、むしろ好ましくもある。この板状破面が押
写真 14 チャンキー黒鉛が生成した FCD の切断面
湯のネック部など、製品に影響のない箇所に安定し
て現れるようにコントロールできれば好都合である
が、実際はそうではない。いわゆる身くいの原因に
100μm
なるだけでなく、製品部に発生して使用時に破損を
もたらしたとの報告もある。
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肉厚250mmの中心部
写真 15 チャンキー黒鉛組織
写真 16 厚肉 FCD の黒鉛の微細化
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特集 鋳鉄品の鋳造欠陥現象の原因追求とその対策
その他、異常黒鉛については Pb によるウイドマン
B 量が 0.0011∼0.0020%あるいは 0.0019∼ 0.0059%の
シュテッテン黒鉛組織、Pb や Te によるメッシュ黒
範囲でフェライト化が促進すると報告されている。こ
鉛、Sn による団子状黒鉛それに Sb による片状黒鉛
こ数年、アメリカにおいて硬度が通常よりかなり下回
のスリム化などがあげられ、これらは FC の強度劣
るパーライト系ダクタイル鋳鉄の軟化の問題が頻繁に
化をもたらす。図 6 は Sn 添加による FC の強度と硬
起こり、その原因を解明する調査が行われ、最近になっ
度の変化を示す 。Sn 量の増加と共に硬度は漸次上
て B の影響であることが明らかになった。
昇するが、強度は 0.1%を越えると逆に低下する。こ
写真 17 14)は Cu および Ni 添加のパーライト系 FCD
れは Sn 量の増加に伴う団子状黒鉛に起因すると思わ
での B 量の増加(5ppm から 25ppm)によるフェライ
れる。したがって、FCD とは異なり、FC について
ト化促進の一例である。
は黒鉛形状の影響が大きいために硬度のみによる機
B による硬度低下については B 量が 0.002% を超え
械的性質の予測および材質管理は甚だ疑問である。
(フェライト中に
ると Cu のパーライト安定化作用 15)
13)
固溶してフェライト中の N の溶解度を減らし、N は
2.4.4 ボロン(B)による高強度 FCD における
セメンタイトに追いやられ、N の濃化によってセメ
硬度低下
ンタイトが安定する)が減じることで硬度が低下す
FCD700 のクランクシャフトでの硬度低下は S によ
ると説明される。すなわち、N と結合性の強い B に
る黒鉛の CV 化に伴うフェライト量の増加に起因する
よって N によるパーライトの形成が抑制されると思
が、B の場合は球状化阻害のないフェライト化促進に
われる。ところで、B は鋼材からの汚染だけでなく、
よる。その機構については明らかにされていないが、
電気炉のライニングの焼結時に使用されるホウ酸、
そしてリサイクル材としての SiC などから
も混入するので注意する必要がある。
a.Base Iron − 5 ppm Boron b.25 ppm Boron
(100 ×)
(100 ×)
図 6 BS 規格クラス 180 の引張強さと硬度に及ぼす Sn の影響
写真 17 B によるフェライト化促進
13)
3.最後に
以上、数多くある鋳造欠陥の中から、現在、現場
5 )金ら:鋳物 47(1971)1036
で直面する話題性のある鋳造欠陥を抜粋して説明し
6 )西村ら:第 67 回 DCI 研究発表会資料 1982,10 月
たが、不良の要因やその対策についてもまだまだ不
鮮明なところがたくさん残されている。
ただ、小生がこれまで取り組み、ある程度成果が
得られたことので、多少なりとも参考になることが
あるのではないかと期待する次第である。
参考文献
1 )国際鋳物欠陥分類図集:㈳日本鋳物協会
2 )B. Hernandez and J. F. WallaceA :AFS Trans 87
(1979)
335
3 )J. V. Dawson: BCIRA J10(1962)433
4 )R. Aufderheide and R. Showman: Ductile Iron News
issue 3, 2001
7 )鋳造技術の基礎:日刊工業新聞社,114
8 )新山:鋳造方案の現状と問題点,鋳仕上げの合理化(日
本鋳物協会)1981,43
9 )S. I. Karsay:ダクタイル鋳鉄 Ⅲ 湯口系と押湯の設計
QIT,1981
10)吉田ら:JACT NEWS No. 511(1999)16987
11)菅野ら:第 140 回全国講演大会講演論文集(日本鋳造
工学会)2002, 176
12)手取外ら:第 73 回 DCI 研究発表会資料 1985,10 月
13)BCIRA:Broad Sheet 45
14)R. L. Naro: Elimination and Neutralization of Boron
In Ductile Irons
15)山本ら:反応論からみた鋳鉄(日本鋳鍛造協会)225
Vol.53(2012)No.6
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