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HI-CAST 2015GIFA出展(海外出張)報告書
GIFA 出展(海外出張)報告書 2015 年 6 月 30 日 高橋健太郎 出張日 : 2015 年 6 月 14 日~2015 年 6 月 23 日 出張地 : ドイツ(デュッセルドルフ、ケルン) 出張目的: GIFA 出展(28 社による共同出展) 出張者 : 高橋健太郎(牧元課長は花王クエーカー視察団での参加のため別行動) 1.GIFA 出展 海外への販路拡大を目指す有志 28 社で「THE LEADING JAPAN FOUNDRIES」を結成し、鋳造 関連では世界一の展示会 GIFA に出展してきた。 JAPAN ブース全体 ハイキャストのポスター(中央) 商談の様子 最終日の集合写真 <所感> 予想以上に来場者も多く盛況だった。 THE LEADING JAPAN FOUNDRIES として商談件数 170 件の目標を立てて臨んだが、その目標 をはるかに超え 243 件の商談が行われた。その内 1 件が成約となった。 ハイキャストの商談件数は 5 件で、うち 3 件は FCD800 に興味を持ってもらったものだった。 28 社それぞれ特徴があり、みな技術開発に余念がないことを感じた。海外で販路を開拓するには、 やはり独自の技術や吐出した強みが必要だと改めて痛感した。 もともとのスタートが「国内で縮小するマーケットを取り合うのではなく、手を組んで海外に打って 出ようというものであり、同志を増やし国内の鋳物屋に意識変革を起こす!」ということだったこと からすると、大変な進歩であり大成功であったと思える。 この勢いを継続させることが次の課題である。 1 2.GIFA 展示場 出展者 2214 社(内 51%がドイツ以外企業、日本企業は 46 社) 。 来場者 120 か国。78000 人。 総面積 86000 ㎡ ロボット 3D プリンタ―(積層造型) 鋳造品展示 溶解炉 会場の一部(11 階の会議室から撮影) エントランス <所感> 1 日では見切れないほど非常に広い。出展者も来場者も世界各国から集まっている感じがした。 やはりロボットや IT を駆使したものの展示が多かったように思う。小人化、省エネルギー、安全対 策、環境対策が益々必須になるのだろう。 ヒシヌママシナリーも機械を展示しており、大変頼もしく思った。 どのブースでもビールやワインのアルコールをふるまっていたのも印象的だった。 2 3.日米独首脳会議 日米独それぞれの鋳造協会会長が集まり、鋳造に携わる若手育成をテーマに会議が行われた。 日本からは、木村鋳造協会会長、松永副会長、木口近畿大学教授、清水室蘭工業大学教授、永井新東 工業社長、竹内新東工業顧問、そして若手経営者を代表して私が出席した。 清水先生による学生に対する取り組みについてのプレゼンに続き、私から若手経営者委員会の活動に ついてプレゼンした。その後、アメリカの活動、ドイツの活動のプレゼンがあり、ディスカッション となった。 アメリカは企業から集められた基金を学生の育成に充て、鋳造教育のためのキッドを大学に提供して いる。また、女性経営者や同族経営者の集う場などもあり、活発に活動しているようであった。 一方ドイツはオーナー会社が少ないこともあり若手経営者の集まりはなく、学生に対しての活動も積 極的ではないようだった。 会議のあと部屋を変えて、昼食をとりながら歓談した。 会議の様子 清水先生のプレゼン 昼食をとりながら歓談 昼食前に集合写真(ドイツ人 1 名帰られた) <所感> それぞれの国の課題や考え方が聞けて勉強になった。 人材育成はどの国でも共通の課題のようである。 緊張することはなかったが、私以外全員英語が話せるために私だけのために通訳してもらいながら会 議を進めることになってしまい大変恐縮した。 来年 5 月に WFC(世界鋳造会議)が日本で開催される際に、日米独の若手経営者の会合が開かれる 計画があり、とても楽しみである。 3 4.工場見学(Eickhoff 社) 153 年前に鋳物屋として創業。マイニングマシン(掘削機)メーカーとして発展。20 年前から風力 発電に関する仕事もしている。 全体で 1300 人、内鋳造部門で 200 人が働いている。託児所(保育園)も保有している。 鋳鉄と鋳鋼を同じ設備で製造している。鋳鋼の注湯温度は 1650℃。 通常の砂は 20 ユーロ/t のものを使用しているが、必要に応じて 1250 ユーロ/t のスペシャルサンドを利用。 月産 1200t。最大重量 20t。 鋳造品の外注も多く、その 80%はドスマン社(ドイツ、花王クエーカーツアー見学先) 調達価格 FC:1.3 ユーロ、FCD:1.5~1.6 ユーロ、ADI:3~4 ユーロ エントランスで概要説明 製品模型の説明 工場見学(写真撮影 NG、人のみ OK) 集合写真 <所感> 難易度の高い心臓部の部品に特化して上手に生産しているよ うに感じた。鋳鉄と鋳鋼を同じラインで生産することの弊害 やその対策について聞いてみたかった。。 。 品質重視から購入品のほとんどはドイツ国内から調達してい るとのことだが、FC,FCD は日本価格より安いかもしれない。 ADI は熱処理炉の大きさの制限もあり調達に難儀しているよ うだった。この辺の特殊材質ならば輸出の可能性が見い出せ るかもしれない。 昼食会で資材部長に半被を渡して! 4 5.工場見学(Miele 社) 大手家電メーカー。この工場では洗濯機を製造しており、鋳造工場もその洗濯機の部品のみを鋳造し ている。製品重量 1~35kg。中子のない製品に特化。FC200 がメイン。33000t/年。54 人で! 6t 高周波溶解炉。6000kw。1 チャージ 40 分。週 5 日間、24 時間操業。 1985 年から 6 年周期で DISA ラインを更新している。稼働率 91%。不良率 0.5%、焼き付きが多い。 原価構成:材料費 32%、電気代 16%。 会社概要説明 鋳造製品 案内してくれたプランニング部長と秋岡団長 集合写真 <所感> 得意分野だけに特化しているとはいえ、1 人当たり 50t/月の生産性は恐るべし! 設備をフル稼働させて 6 年で更新してしまう考え方にもびっくりした。 これほどの工場にもかかわらず、今後の電気代高騰は死活問題であり、数年後の存続はわからないと 話していた。比較的やさしい製品なだけに他国との価格競争が激しいということだろうか?! 6.番外編 夜 10 時過ぎまで日が沈まないため調子がくるってしまうが、毎晩日が暮れるまで、ドイツの町や食 事、ビール、ワインを堪能した。 ビールとワインは 16 歳から。その他のアルルコールは 18 歳からという法律で、ビール 2 杯、ワイ ン 1 杯程度までは飲酒運転も認められている。仕事の昼食でもビールを飲むことがあるという。 ドイツ料理といえばやはりソーセージ、ジャガイモ、玉ねぎ、肉、ベーコン。。。毎日食べるにはすぐ に飽きてしまうが、決してまずくはない。 5 ちょうど数か月しかないホワイトアスパラのシーズンで、これも美味しかった。 また、Eickhoff 社見学の後にケルン大聖堂を、Miele 社見学の後にボーフムにある炭鉱跡地を視察し た。ケルン大聖堂の外に世界大戦後の写真が展示してあり、日本同様に空襲を受けた様子がうかがえ た。ドイツ人は日本より先に降伏してしまったことで負い目を感じていると言っていた人がいたが、 本当かどうかは定かではない。 電車にも何度か乗ったが、切符売り場はあるが改札はない。たまに車掌が検察にきて、切符がないと 高額の罰金を取られるシステムとのこと。実際に車掌の姿を見ることはなかった。 町並みはきれいだが、たばこを吸う人は多く、ポイ捨ても多く見られた。 車はベンツと BMW が多く、日本車は少なかった。 ドイツ到着日。明るいがこれで夜 9 時ごろ。日本時間では夜中の4時。 ザ・ドイツ料理 part2 ザ・ドイツ料理 花王クエーカーと合同パーティー ライン川沿いで2次会(夜9時ごろ) 6 地下鉄 デュッセルドルフの町の様子 ボーフム炭鉱跡地 ケルン大聖堂の前で ケルン大聖堂 ケルン大聖堂の上から見たライン川 7.全体感想 海外市場にも目を向けようとする若い経営者たちが集い、1年前から準備を進めてきた GIFA の出展。 GIFA で見聞きしたこと、ドイツで見聞きしたことも大変勉強になったが、それ以上に28社の同志 から学ぶこともたくさんあった。みんな元気だ! どの会社も自社の強みを探し特徴を出そうと努力している。実際に特徴のある会社ほど商談件数が多 かったように思う。 やはりドイツは遠い。ここヨーロッパに輸出するのは並大抵のことではない。しかしあきらめる気持 ちにはならなかった。4年後 2019 年の GIFA に独自の技術を抱えて乗り込みたいものである。 以上 7